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山内説明員(山内一郎)
○山内
説明
員 三十二年の
災害
は、姓設省関係といたしましては、
本明川
水系が一番ひどかったように思われます。その
復旧
の基本的な考え方は、そのときの台風あるいは
雨量
に耐えられるように、あるいはそれ以上のものがきましても前回のような
被害
がないように、こういうような心がけで
復旧
をして参ったわけでございます。従って、
本明川
につきましては、市街地には、前回のようなといいますか、
堤防
が欠け落ちて
浸水
ということはほとんどなかったように聞いております。ただ、内水
排除
といいますか、内水の関係で
浸水
があった。そういう点は今後是正をして参りたいと思っておりますが、今後の
復旧
の方針につきましても、前回と同様に、今回の台風
雨量
を対象にして、なお強いものを作る、こういう方針で参りたいと思います。
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1962-08-02 第40回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第8号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十七年八月二日(木曜日) 午前十時十七分
開議
出席委員
委員長代理理事
古川
丈吉
君
理事
秋山
利恭
君
理事
永田 亮一君
理事
岡本
隆一
君
理事
角屋堅次郎
君
岡崎
英城
君 上林山榮吉君 仮谷 忠男君
倉成
正君
田口長治郎
君
田中
榮一
君
馬場
元治
君
保科善四郎
君
森田重次郎
君
井手
以誠君
稻村
隆一
君
坂本
泰良
君
田口
誠治君
中村
重光
君
二宮
武夫
君
玉置
一徳
君
委員外
の
出席者
内閣官房長官
黒金 泰美君
大蔵事務官
(
主計官
) 高柳 忠夫君 厚 生 技 官 (
環境衛生局
長)
五十嵐義明
君
農林政務次官
津島 文治君
農林事務官
(
大臣官房長
)
林田悠紀夫君
農林事務官
(
農林経済局
長) 坂村
吉正
君
農林事務官
(
農林経済局統
計
調査部長
) 久我
通武
君
農林事務官
(
農地局長
) 庄野五
一郎
君
農林事務官
(
振興局参事
官) 橘
武夫
君
林野庁長官
吉村 清英君
水産庁次長
村田 豊三君
農林事務官
(
水産庁漁政部
長) 和田 正明君
通商産業事務官
(中小企業庁振
興部長
) 加藤 悌次君 建 設 技 官 (
河川局長
) 山内
一郎
君
建設事務官
(
住宅局住宅総
務課長
) 沖 達男君
自治事務官
(
財政局財政課
長) 茨木 広君
自治事務官
(
財政局理財課
長) 立田 清士君
日本国有鉄道参
与 (
施設課長
) 山口 和雄君
—————————————
七月二十日
委員原田憲
君
辞任
につき、その
補欠
として
綱島
正興君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十日
委員生田宏一
君、
大石武一
君、
綱島正興
君、渡
海元三郎
君、
松澤雄藏
君及び
保岡武久
君
辞任
に つき、その
補欠
として
川村善八郎
君、
浦野幸男
君、
田中正巳
君、
尾關義一
君、
森田重次郎
君及
び中馬辰猪
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月三十一日
委員田中正巳
君
辞任
につき、その
補欠
として綱
島正興
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 八月一日
委員浦野幸男
君及び纐纈彌三君
辞任
につき、そ の
補欠
として
大久保武雄
君及び
倉成正
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二日
委員大野市郎
君、
金子一平
君、
薩摩雄次
君、首
藤新八
君、正
示啓次郎
君、
足鹿覺
君、
小林進
君 及び
中村英男
君
辞任
につき、その
補欠
として馬
場元治
君、
保科善四郎
君、
岡崎英城
君、
田口長
治郎君、
田中榮一
君、
井手以誠君
、
中村重光
君 及び
坂本泰良
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任され た。 同日
委員岡崎英城
君、
田口長治郎
君、
田中榮一
君、
馬場元治
君、
保科善四郎
君、
井手以誠君
、
坂本
泰良
君及び
中村重光
君
辞任
につき、その
補欠
と して
薩摩雄次
君、
首藤新八
君、正
示啓次郎
君、
大野市郎
君、
金子一平
君、
足鹿覺
君、
中村英男
君及び
小林進
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任され た。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
災害対策
に関する件
派遣委員
から
報告聴取
————◇—————
古川委員長代理(古川丈吉)
1
○
古川
委員長
代理 これより
会議
を開 きます。
委員長所用
のため、
理事
の私が
委員長
の職務を行ないます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。 さきに七月上旬の
集中豪雨
による
被害状況調査
のため
九州地方
に派遣されました
委員
から
報告
を聴取することにいたします。
秋山
君。
秋山委員(秋山利恭)
2
○
秋山委員
去る七月二十六日から三十日に至る五日間にわたり、北九州における七月上旬の
集中豪雨
の
被害調査
のため、
岡本隆一委員
、
二宮武夫委員
、
玉置一徳委員
と私が派遣され、また現地において
議員稲富稜人君
、同じく
倉成正
君、同じく
中村重光
君、同じく
坂本泰良
君、同じく
白浜仁吉
君の参加を得て、つぶさに現地を調査いたしました結果を私から御報告いたします。 今回の
災害
は、去る七月一日以降
梅雨前線
の活動により九州、
西日本
の各地に断続的に
集中豪雨
があり特に三日
福岡
、
熊本
両県の県境に
集中豪雨
をもたらし、さらに七日夜半より八日早朝にかけて
佐賀
、
長崎
両県境の
太良山系
を中心に襲いました
集中豪雨
により、局地的には千ミリという驚異的な
降雨量
を記録し、この間、特に時間
降雨量
において百ミリ以上という
昭和
二十八年六月これらの
地方
を襲った
大災害
時の記録をはるかに上回ったのであります。このため、
福岡
、
佐賀
、
長崎
、
熊本
の各県におきましては、
河川
の
はんらん
、
堤防
の
決壊
、
ボタ山
の
崩壊
、
地すべり等
が起こり、
道路
、
鉄道
の寸断による交通の途絶、
浸水家屋
の
流失
、
崩壊等
の
被害
が生じたのであります。四県におきましては、四百五十三名の多数の
死傷者
を出したのを初め、
農林水産関係
、
公共土木施設関係
の
被害等
、総額にして実に二百八十五億円という巨額に達し、
局地的災害
としては、
昭和
二十八年の
西日本水害
、
昭和
三十四年の
諫早災害
に次ぐものでありまして、その
復旧
は容易ならざるものがあるのであります。 以下、各県別に概要を御説明申し上げます。 まず
佐賀
県におきましては、県庁において、
地方建設局
、
農地事務局
、
通商産業局
から所轄各県の
被害状況
及び
対策
について説明を聴取し、次いで
佐賀
県当局
より
県下
の
被害状況
について説明を聴取した後、最も
被害
の大きかった
武雄
市、塩田町、鹿島市、
太良
町、嬉野町等の各
被災個所
について視察いたしました。
佐賀
県においては七月一日から六日にかけて断続的な大雨があり、早くもがけくずれ等の
被害
が出始めたのでありますが、さらに七日夜から八日朝にかけて再び前線の活動が活発となり、特に有田、
鹿島地方
においては、時間雨量七十ミリ内外を記録したのであります。一日から六日までにすでに四百ミリから六百ミリの大雨があった直後のことでもあり、
太良
町で大きな
山津波
が発生したのを始め、
県下各地
で
昭和
二十八年以来の大水害となったのであります。 本
災害
の特色である
局地的集中豪雨
は、
県南西部
の鹿島市、藤津郡、
武雄
市、杵島郡
地方
を襲い、
被害
は甚大をきわめ、主として六
角川水系
の
武雄
川、朝見川、及び
太良岳
に源を発する
塩田川
、鹿島川その他の小
河川
の
堤防
が至るところに
決壊
し、濁流による
家屋
の
流失
、倒壊が相次ぎ、
軒下浸水
はおびただしい数となり、また藤津郡
太良
町
大浦地区
では
山津波
によって亀ノ
浦部落
を埋没し、三十数名の多数の死者と行方不明を出したのであります。
被害
の大きかった
太良
町、鹿島市、塩田町、
武雄
市、北方町、嬉野町に
災害救助法
が適用され、
官民一体
となって
救助
に当たったのであります。
被害状況
は、死者六十名、行方不明三名、
重軽傷者
三百三十七名に上り、
被害総額
は百十億五千万円余に及んでおります。そのおもなものは、
河川
、
道路
、
橋梁等土木関係
の
被害
は、約三千六百カ所、二十五億一千万円余で、
農地
、
水稲等作物被害
、
林業関係
、
水産関係被害
が約四十七億九千万円余であります。次に
住宅
、学校の
被害
が約二十七億円で、住家の
被害
が大部分を占めております。次に
商工関係被害
でありますがその
被害額
は九億九千万円となっております。ちょうどお盆の
中元売り出し用
の商品を仕入れてあってこれらの商品を
流失
浸水さしたのが多かったのであります。 以上、
佐賀
県の
被害額
について概数を申し述べましたが、各
県共通
の問題はあとに取りまとめて申し上げることとし、本県の
被害
の
特殊事情
にかんがみ痛感した諸点を重点的に申し上げます。 まず第一は、
直轄河川
である六角川の
早期完成
であります。六角川は神六山に源を発し、
白石平野
を貫いて
有明海
に注ぐ延長二十五キロの
河川
でありますが、六
角川河口
の
住江橋
と
武雄
市の
鳴瀬橋
との
縦断匂配
は二メートルで、ほとんど落差のない
河川
でありまして、わずか五十ミリ程度の
降雨
によっても流域は
水浸し
となり、毎年多額の
被害
をこうむる水害常
襲地帯
であります。現在
直轄河川
として国により
改修工事
が行なわれておりますが、
改修費
五十億円のうちやっと本年までに五億円で、その
改修工事
もやっとその緒についたばかりでありまして、いまだ完成にほど遠いのであります。特に政府においては、
木河川
の
改修工事
を急ぐ必要があると思います。 次に
塩田川
でありますが、本
河川
は今までにたびたび
決壊
しているのでありますが、特に今回は上流の嬉野町の
被害
を初め、塩田町では百五、六十メートル余の
提防決壊
が二カ所に起こり、多数の
死傷者
、行方不明を出し、
家屋
の
流失
、
農地等
の
被害
が甚大で、
復旧見込み
も全く立たない状態であります。この際、本
河川
を
直轄河川
に編入し、
抜本的改修
の必要を痛感するのであります。 また、
塩田川
の下流に位置する鹿島市は、
太良山系
に源を発した多くの小
河川
の集中するところであり、これら小
河川
の溢水、
決壊
により
市街地周辺全域
が
水浸し
となり、
商工業
、
農業関係
に多大の
被害
をこうむっております。 次に、
太良
町亀ノ浦における権現山の
地すべり
であります。これにつきましては、われわれはすでに新聞、
テレビ等
によりその惨状は承知いたしておったのでありますが、その惨たんたる水魔のつめ跡は想像に絶するものがあり、亀ノ
浦部落
の
中心地
三分の一を埋め尽くし、四十一名の死者を出す惨禍を招いたのであります。私たちが調査に参りました際も、なお二人の遺体が発見できないので、部落の人々が総出動してくずれた土砂を掘り起こして死体を探していたありさまは、全く悲惨な姿でありました。当地区は
佐賀
県における低
開発地域
でありまして、黙々として
復旧作業
に当たる住民の姿には、何か悲壮なものが感ぜられたのであります。政府はこれが
復旧
には急いで万全の
措置
をとるべきであります。 次に、
長崎
県について申し上げます。
長崎
県においては、北松浦郡
江迎
町、
佐世保
市、川棚町、
東彼杵
町、大村市、諫早市、
小長井
村、瑞穂村、島原市等の各
被災個所
について視察いたしました。
長崎
県においても、七月一日以降六日にかけて
県下各地
域に四百ミリ前後の
降雨
があり、そのため各地において地盤がゆるみ、きわめて危険な状態にあったのに対し、さらに七日から八日にかけて、川棚、大村、
佐世保等
の各地域に二百ミリから三百ミリの多量の
降雨
をもたらしたため、
多良山系
を中心に県中南部の大村湾に注ぐ諸
河川
、
有明海
に注ぐ
本明川
ほか
北高地方
の諸
河川
及び南高諸
河川
の提防が
決壊
し、非常に大きな
被害
を受けたのであります。さらに
江迎
町においては、北松、
日窒鉱業所
の
ボタ山地すべり
により多数の
家屋
を倒壊し、
鉄道
、
道路
を寸断したのであります。八日から九日にかけて最も
被害
の大きかった十二
市町村
、すなわち市、大村市、
東彼杵
町、
江迎
町、有明村、高来町、
小長井
村、
佐世保
市、国見町、瑞穂村、吾妻村、愛野村に
災害救助法
が適用されました。
県下
の
被害状況
を申し上げますと、
重軽傷者
十四名、
被害総額
は八十七億九千万円となっております。その内訳のおもなるものは、
河川
、
道路
、
橋梁等土木関係
の
被害
は、約二千カ所、約二十三億五千万円、
農地
、
農作物
、
林業施設等農業関係被害
が約四十三億九千万円、
住宅
、
教育関係
の
被害
は約十四億八千万円、そのうち
住宅
の
被害
が大部分を占めており、
商工関係
の
被害
六億一千万円となっております。そのほかに、
江迎
町の
ボタ山地すべり
による
被害
が約十億円に上っております。以上が
長崎
県の
被害
の概数でありますが、本県について特に痛感した諸点を申し述べます。 まず第一は、
本明川上流
の
改修工事
の促進であります。
本明川
は五
家原嶽
に端を発し、
有明海
に注ぐ
河川
でありますが、この
地方
は過去
昭和
三十二年及び三十六年と再三
災害
があり、
災害
常
襲地帯
であります。
復旧工事
に改良を多く加えたところは
被害
が少なかったのでありますが、
原形復旧
のところに
被害
が多かったことであります。三十二年に
災害
をこうむり、本年ようやく
原形復旧
を完了した
個所
が再び損壊しており、地元の痛手はまことに大きいのであります。特に
本明川上流
の各
河川
の
改修工事促進
について、特段の留意が必要であります。 さらに、市の
繁華街
におきましては、満水になるとたちまち水位が上がるため、
内水排除事業
を施行しなければなりませんが、これには技術と巨額の資金を要するため、国の
補助率
の
引き上げ等
、抜本的な
対策
が必要であると思います。 次に、
江迎
町
潜竜地区
の
ボタ山地すべり
の
被害
についてでありますが、七月八日、
集中豪雨
により
日窒鉱業江迎鉱業所
の
ボタ山
の一部およそ三百万
立方米
近い土量が流出し、炭住、民家二百十八世帯、
国鉄潜竜
駅、
変電所
、
鉄道
、国道三百メートル及び
江迎
川三百メートルにわたり埋没したのであります。幸い事前に住民を強制避難させておりましたために、人命の
被害
は一人もなかったのでありますが、その
被害
は十億円をこえるものと見られております。
応急工事
として、
河川
のつけかえ
工事
、
道路
、
鉄道
の
排土作業
が急がれておりますが、排土の処理について難点があるように聞いております。この
地方
は
炭鉱地帯
でありますため、特に今後十分なる
ボタ山対策
を講ずる必要を痛感いたしたわけであります。 なお、今次
災害
におきましては、
ボタ山
の
崩壊
が特徴でありまして、筑豊、唐津、
北松炭田
には危険な
ボタ山
が数多く存在しておると聞いたのでありますが、これについては
抜本的対策
を立てる必要を痛感いたしました。 次に、
熊本
県について申し上げます。
県当局
から
県下
の
被害状況
について説明を聴取した後、長洲町、三名市、菊水町、山鹿市、南関町、荒尾市等の各
被災個所
について視察いたしました。
熊本
県においては、七月三日から九日にかけて
県下全域
を襲った豪雨は短時間のうちに集中し、特に山鹿市、南関町、鹿北村におきましては千ミリ以上の雨量に達したのであります。このため、小
袋山周辺
の
中小河川
、
菊池川本流
及び
菊池川水系
の
中小河川
、
熊本
市周辺の諸
河川等
が
はんらん
し、各所に
堤防
の
決壊
、がけくずれ、
山津波
による
被害
が頻発し、田畑が埋没、冠水し、
道路
が各所に
決壊
を見たのであります。このため
被害
の特に著しかった山鹿市、三名市、菊水町、荒尾市、南関町に
災害救助法
が発動されたのであります。
被害状況
について申し上げますと、死者十六名、行方不明二名、
重軽傷者
は十八名に上り、その
被害総額
は約四十二億円に及んでおります。おもなるものを申し上げますと、
河川
、
道路
、
橋梁等土木関係
の
被害
は、約二千八百カ所、十三億九千万円、
農地
、
農作物
、
林地崩壊等
の
被害
が約二十二億八千万円、
家屋
、
教育関係
の
被害
が約十六億三千万円、
工商関係
の
被害
が一億一千万円となっております。 本県におきましては、鹿本郡、三名郡一帯において特に
被害
が著しく、
菊池川本流
及び
菊池川水系
の各
河川
の
改修工事
に特に意を用いなければなりません。
菊池川
の
堤防
が改修していないために、六月の長雨、七月の
集中豪雨
に見舞われ、短期間のうちに三、四回も浸水した
個所
もあります。ゆえに一日も早く
菊池川
の
改修工事
を完成してほしいというのが、
地元民
の切なる
要望
でありました。 なお、
県当局
からは、最近
町村合併
により
市町村
の規模が大きくなったため、部分的な
被害
が大きくても
災害救助法
の適用を受けられないところが多いので、この点について配慮してほしいとの
要望
がありました。 次に、
福岡
県であります。
福岡
県におきましては、
大牟田
市において
県当局
から
県下
の
被害状況
について説明を聴取した後、
大牟田
市、高田町、山川村、瀬高町等の各
被害個所
について視察いたしました。
福岡
県においては、七月一日から八日にかけての
降雨量
は、局地的には九百八十六ミリという驚異的な数字を記録し、特にこのうち
大牟田周辺地域
におきましては、時間
降雨量
九十七ミリを記録し、二十八年
大災害
時の記録をはるかに上回ったのであります。これがため各所に
河川
の
はんらん
、
堤防
の
決壊
が起こり、
道路
、
鉄道
の寸断による交通の途絶、浸水、
家屋
の
流失等
による
被災者
の続出、田畑の
冠水流失等
、
被害
が相次ぎ、特に
大牟田地域
における
被害
は激甚をきわめております。
被害
の大きかった
大牟田
市、山田市、高田町、瀬高町の四市町に
災害救助法
が発動されました。
被害状況
を申し上げますと、死者二名、
重軽傷者
十二名、
被害総額
約六十一億二千万円余に及んでおります。内訳といたしましては、
河川
、
道路
、
橋梁等土木関係
の
被害
は約十一億八千万円、
農地
、
農作物
、
林地崩壊等
の
被害
が約二十一億円、
水産関係
五億六千万円、
家屋
、
教育関係
の
被害
が約二十一億五千万円、
商工関係
一億円等となっております。
大牟田地域
においては、鉱害のため地盤の沈下が著しいのでありますが、臨鉱法の建前は、
原形復旧
でなく、
効用回復
ということになっているので、これを
原形復旧
を原則としてほしいとの陳情がありました。また、高田町、山川村、瀬高町は、がけくずれ、
地すべり
の
被害
が目立っております。視察した山川村の地くずれの
被害個所
におきましては、
ミカン山
の鞍部に亀裂を生じ、山くずれを起こし、いまだに
部落民
は避難しており、いつ再度の地くずれがあるかも知れず、仕事も手につかないありさまであります。このような地くずれは各所に起こり、今なお危険な
個所
が多々見受けられました。早急にこれが
対策
を立てる必要があるのであります。 なお、今回の
災害
に際しましては、いち早く
自衛隊
が出動し、
被災者
の救済、
応急復旧工事
に目ざましい活動が続けられたのでありますが、特に
福岡
県側からは、
災害
の場合は
委託者負担
となっているが、これを
自衛隊法
第八十三条による出動とし、地元の負担を軽減してほしいとの強い
要望
がありました。 以上、
佐賀
県、
長崎
県、
熊本
県、
福岡
県の四県の
被害状況
について概略申し上げましたが、今回の
現地視察
の結果に基づき、重点的に総合的な所見を申し述べておきたいと存じます。 まず第一は、今次の
激甚災害
に対する
立法措置
についてであります。政府におきましては、去る第四十回国会において、
激甚災害
に対処するための特別の
財政援助等
に関する
法律案
を提出いたしましたが、会期末に提出されましたために成立するに至らず、本院において
継続審査
に付されたのであります。本
法律案
が成立いたしますれば、今後起こり得る
激甚災害
につきまして、おおむね過去の
激甚災害
の
特例法並み
に
地方公共団体
に対する特別の
財政援助
あるいは
被災者
に対する特別の
助成措置
ができるわけでございますが、地元各県においては、本法案を早急に成立せしめ、今次の
災害
にも適用されるよう配慮されたい旨の強い
要望
がありました。さらに、本
法律案
におきましては、
政令委任事項
が非常に多いのでありますが、政令に盛られるところの
大蔵省原案
ではかなり不十分なものもあるので、この点につき特に配慮してほしい旨の
要望
がありました。今次
災害
に本法の適用がなされますならば、ある程度地元の
要望
にもこたえることができるものと考えられますので、本法案は来たるべき
臨時国会
において早急に成立せしめる必要があると存じます。 第二は、
農薬PCP
の
被害対策
についてであります。今回の
集中豪雨
によりまして、すでに出水前と水田に使用いたしました
除草剤PCP
が大量に
有明海
に流入したため、
魚介類
はほとんど死滅し、その
被害
は約十億円にのぼるといわれ、
被害
を受けた漁民はたちまち生業を失い、
零細漁民
はあすのかてを求めるすべもなく、社会問題としても険悪なる様相を呈しておるのであります。従いまして、今回の
被害
の実情にかんがみ、国は万全の
措置
をなすべきであります。
関係漁民
及び各県側から
罹災漁民
の
生活資金
の交付、
被災漁場
の
清掃耕転
、稚貝の導入まきつけ並びに採
苗施設
について適切なる
措置
の実施、
魚毒性
のない農薬の
選定普及等
について強い
要望
があったことを申し添えておきます。 第三は、
治水事業
の促進であります。今回の
災害
は、いずれも
中小河川
の
溢水決壊
に起因するものでありまして、この際、各
河川
の
治水事業計画
の大幅な改訂と、繰り上げ施行の
措置
の必要を痛感いたしたのであります。従来の
改修工事
の
進捗状況
を見ますと、はなはだ緩慢であります。従来の数倍の
予算措置
により早急に
改修工事
を完成するよう切に望むものであります。 第四は、
緊急砂防
及び
緊急地すべり対策
であります。
山地崩壊
に起因する
被害額
が著しく大きいことも今次
災害
の特色であります。今後の
降雨
により、さらに土石の流出による
被害
の再発、拡大が起こることも予想されますので、
緊急砂防
及び
緊急地すべり対策事業
の
早急実施
がぜひとも必要であります。各
県当局
におきましても特に意を用い、それぞれ
対策
を講じておりますが、この際国においても強力な
措置
をとる必要があると考えます。 第五は、
小規模災害
に対する
措置
であります。今次の
災害
におきましては、小
災害
が多いのが特徴であります。各県におきましては、特に
市町村
の施行する
公共土木施設
の小
災害復旧事業
については、
国庫負担基準
を五万円に引き下げ、三万円以上十万円未満の
農地
、
農業用施設
の小
災害復旧事業
について
国庫補助
の対象となるよう所要の
措置
を講ぜられたい旨の
要望
がありました。 第六は、
公共土木施設
の
復旧
について
改良復旧工法
を採択することであります。従来から
改良復旧工法
の採択について
被災各地
においても強い
要望
があり、かつまた、当
委員会
におきましても常に論議が繰り返されて参りまして、近時
原形復旧
から
漸次改良復旧
に移行しつつあるようでありますが、いまだ十分とは言えないのであります。
被災地
を見ましても、改良を多く加えたところは
被害
が少なく、
原形復旧
を施行した
個所
に
被害
が多いのであります。従いまして、
関連工事
を含み、抜本的な
措置
が必要であります。 第七は、
災害復旧
の
年限短縮
についてであります。現行の
復旧事業査定基準
の進度では、
復旧工事
の完成を待たずして再び
災害
を招く結果となるのであります。これは各県の
要望
のごとく、原則として初年度五割、次年度三割、三年度二割とすべきであると考えます。 第八は、
排土事業等
に対する
特別措置
であります。これに
つまきし
ては各地で苦慮している問題であります。
崩壊
によって堆積した土砂の排除は迅速かつ計画的に施行する必要がありますので、早急に
立法措置
を必要とするのであります。 第九は、国鉄の
復旧工事
についてであります。今次の
災害
により、
国鉄長崎本線
、鹿児島本線、
松浦線
の各所において浸水、
山津波等
による
被害
をこうむったのであります。漸次
復旧
いたしておりますが、
長崎本線多良
駅−
小長井
駅間は不通でありましたし、
松浦線潜竜
駅付近は開通の
見込み
が立たない状態でありました。聞くところによれば、この種の国鉄の
復旧工事
は
昼夜兼行
でなされるのが例であるようでありますが、今回の
復旧工事
は比較的緩慢のように見受けられます。
復旧工事
は、一面
被害地元民
に
現金収入
の道を与えることにもなりますので、特にこの点
国鉄当局
の再考を促しておきたいと思います。 なお、
国鉄長崎本線
及び大村線は海岸に沿って高く道床が築かれているため、小
河川
をせきとめる
堤防
の役目を果したし、ここに散在する
部落等
がため池のようになり、かつ道床を突き破った
個所
も多く見受けられたのであります。この点につきましても将来さらに検討を要する問題であります。 最後に、現地において特に
要望
のあった点について申し上げておきたいと存じます。 まず、路面の洗いはぎに対する
措置
でありますが、
道路
の場合、路面の洗いはぎによる
被害額
は相当額に達する実情であるので、これが
復旧
についても国庫負担の対象とされたい。 次に、
応急復旧工事
の基準緩和についてであります。
応急復旧工事
について、本
工事
が公共
災害
事業として承認される場合、応急仮
工事
についての基準を緩和されたい。 次に、被災農家に対する金融
措置
についてであります。これについては、天災融資法のすみやかな地域指定と自作農創設維持資金並びに農林漁業資金の貸付ワクを増額されたい。 また、開拓地
農作物
の
被害
に対しましては、一般農家に対する
措置
のほか、営農振興臨時
措置
法に基づく
災害
資金の資付を講じ、特に
被害
激甚地の開拓者については、開拓者資金、系統資金の貸付並びに償還繰り延べの
措置
を講ぜられたい。 また、入植施設、開拓
道路
、水路、ため池等の
復旧
に対する
補助率
の引き上げと、農畜舎、サイロ、飲料水等の施設の
復旧
事業に対しましても特別の
措置
を講ぜられたい。 次に、被災水稲、蔬菜等に対する
助成措置
についてであります。被災水稲の再仕立苗代の設置、種苗の輸送、病害虫緊急防除のための機具購入、冠水農機具の修理等に対する
特別措置
、被災跡地に蔬菜の代作を実施するに要する種子購入経費に対する
助成措置
、ミカン等果樹園の
復旧
費に対する高率補助と樹勢回復に要する肥料、農薬の経費に対して
助成措置
を講ぜられたい。 次に、
農地
、
農業用施設
の
復旧
に対する
助成措置
についてであります。
農地
及び
農業用施設
、特にため池、頭首工等用水源の
復旧
は緊急を要するので、これに対する早急な
予算措置
を講ぜられたい。
復旧工事
設計書に計上する
工事
雑費を、物価の値上がり等を考慮して、三十三年度以前の通り四%に増額されたい。
応急復旧工事
の採択基準を緩和し、一地区五万円以上を三万円以上に引き下げること。本
工事
費の二割以内を三割以内とすること。 次に、林道
復旧工事
に対する
助成措置
についてでありますが、これについては、現行の国庫負担率を引き上げることにより、
地方
負担の軽減をはかるとともに、土木施設の場合と同様、三カ年を目途として
復旧
できるよう
措置
されたい。 次に、罹災中小企業者に対する
復旧
資金についてであります。これについては、国民金融公庫、商工組合中央金庫、中小企業金融公庫の低利長期貸し出しの資金ワクを増額されたい。また、中小企業信用保証協会が信用保険に付する場合の保険の填補率の引き上げ並びに保険料率の引き下げを行なうとともに、保険公庫の長期貸出金の増額をはかられたい。
災害救助法
適用地域の中小企業で
災害
の著しいものに対しては、国民金融公庫、中小企業金融公庫の利子を年六分五厘以下に引き下げられたい。石炭産業、紡績工業等の
被害
は相当額に上っているので、
復旧
事業費として開銀から特別の融資をお願いしたい。 次に、学校施設の
災害復旧
については、現行の国庫負担率を少なくとも四分の三まで引き上げられたい。 防疫
対策
について高率補助三分の二の
措置
をとられたい。 水道施設の
復旧
については、所要の
助成措置
をとるとともに、起債充当について特別に配慮されたい。
被害
者に対する世帯更生資金及び
災害
援助資金の
国庫補助
についても
補助率
を引き上げられたい。 次に、起債充当率の引き上げ並びに特別交付税による補てん及び普通交付税の繰り上げ交付についてであります。 今回の
災害対策
は、各県ともに石炭不況との関連において財政的にもきわめて困難な中において処理しなければならない実情であり、特に施設
復旧
についての起債充当率については一〇〇%まで引き上げられるよう格段の配慮を願うとともに、一般財源をもって実施を必要とする
災害
諸経費については、特別交付税により十分な補てん
措置
をとられたい。 また、今次の
災害
の
災害
救助
、
災害対策
並びに
応急復旧工事
のための経費として県並びに
市町村
に対し、普通交付税の繰り上げ交付について格段の配慮を願いたい。 以上は、私どもが視察して参りました
被災地
の
要望
のごく一部を述べたにすぎないのでありますが、今次
災害
の
被災者
の大部分が零細農家であり、零細
商工業
者であります。なおかつ、この
地方
は
災害
常
襲地帯
でありまして、逐年
災害
をこうむっており、あすの生活に不安を抱き、さらに再び秋の台風シーズンを迎え、不安と恐怖におののいている状況であります。政府におきましては、一刻も早く有効適切な
措置
を講ずるとともに、この際思い切った
助成措置
を講じなければ、民生の安定をはかることは不可能であると思います。罹災者諸君の心を心として、なお一そうの奮起を望むものであります。また、本院といたしましても必要なる
立法措置
を講ずるとともに、行政面に対しましても十分なる指導監督を行なう必要があると存ずる次第であります。 以上をもって報告を終わります。(拍手)
古川委員長代理(古川丈吉)
3
○
古川
委員長
代理
派遣委員
各位にはまことに御苦労でございました。
—————————————
古川委員長代理(古川丈吉)
4
○
古川
委員長
代理 ただいまから質疑に入るのでございますが、官房長官があと七、八分しか時間がございませんので、官房長官に対する質疑を簡単にお願いいたします。
井手以誠君
。
井手委員(井手以誠)
5
○
井手
委員
官房長官に二、三点お伺いをいたします。 今の
調査
団の
報告
に関連して二、三点お伺いしたいのは、第一は、
政府
が提案いたしました
激甚災害
特別
財政援助
法案
についてであります。この
法律案
は公布の日より
実施
するということになっておるのでありますが、今
調査
団の
報告
があったように二百八十五億に上る
被害
があっておりますし、当然
激甚災害
の
適用
を受けると考えるのであります。従って、
政府
はこの
九州
災害
に
激甚災害
の法律を
適用
なさるお考えであるかどうか。もし
適用
なさるとするならば、
政府
が進んで、遡及して
適用
するという原案修正を行なう意思があるのか、あるいはまた、
国会
の修正を待とうとするお考えであるのか、その点をお伺いいたしいと思います。
黒金説明員(黒金泰美)
6
○黒金
説明
員 ただいまの御質問でありますが、御趣旨よくわかります。従いまして、今般の
豪雨
による
被害
に対しましてもこれを
適用
することが望ましいのではないか、このような考え方でもって今関係方面で検討いたしております。従いまして、
政府
の方で修正するか、あるいは皆さんの方に御修正を願うか、まだここまできめておりませんが、遡及いたす方向で今検討いたしておりますから、御了承願いたいと思います。
井手委員(井手以誠)
7
○
井手
委員
方針はわかりました。 それでは、続いてお伺いをいたしますが、六月の
災害
、
九州
の
水害
、さらに七号台風の
災害
、この
災害
の
被害総額
は今日幾らになっておるのか、また、
激甚災害
の法律を
適用
するとするならば、今日まで起こった
災害
の国庫
負担
の
総額
は幾らになっておるのか、この点をお伺いいたしたいと思うのであります。これは補正予算の関係がございますから特にお伺いをいたしておきたいと思います。
黒金説明員(黒金泰美)
8
○黒金
説明
員 今まで集まって参りました
調査
の範囲では、四百六十億前後ではないか、同時に、それを基礎にいたしますと、国の
負担
分が九十億前後かと存じます。
井手委員(井手以誠)
9
○
井手
委員
それは少し計算違いではございませんか。四百六十億円に上る
被害
に対して、もちろん
九州
水害
は高率
適用
でありましょう。そうなりますと、国庫
負担
の額というものは私は三百億円前後になろうと考えるのであります。九十億円は間違いじゃございませんか。
黒金説明員(黒金泰美)
10
○黒金
説明
員 言葉が足りなかったかと思いますが、今年度の所要額を申し上げたつもりでございます。
井手委員(井手以誠)
11
○
井手
委員
七月一ぱいまでの国庫
負担
の
総額
が九十億円になることをただいま承りました。また今後不幸にして相次いで
災害
が起こるかもしれないことを特にこの際申し上げておきたいと思うのであります。 続いて官房長官にお伺いをいたします。いろいろな問題についてお伺いしたいのでありますが、時間がございませんので、あなたに対してはあと一点だけお伺いします。
調査
団の
報告
によりますと、諫早
水害
の公共施設の
復旧
がことしの春
完成
をした、その年にほとんどの施設が——私も見て参りましたが、
改良
工事
を施した以外の
原形復旧
のものは、一カ所も残らぬほどに
長崎
県、
佐賀
県において損壊をいたしておるのであります。全部やられたのであります。これは国費のむだづかいといわねばなりません。
原形復旧
は非常識という言葉が
現地
で盛んに言われておるのであります。せっかく国費を使ったものが再び破壊されるというこの
原形復旧
に対して、官房長官の所見をこの際承っておきたいと思います。むだづかいがないように、
改良
工事
を含んだ所見を承っておきたいと思います。
黒金説明員(黒金泰美)
12
○黒金
説明
員 まことに仰せの通りでありまして、私どもも自分の郷里におきましてもそういう体験をしばしばいたしております。従いまして、今回の若い経験を繰り返さないように、関係方面を督励いたしまして御趣旨に沿うように努力いたします。
古川委員長代理(古川丈吉)
13
○
古川
委員長
代理 上林山榮吉君。
上林山委員(上林山榮吉)
14
○上林山
委員
ただいま
井手
委員
から本年度の
災害対策
の国庫
負担
が幾らであるかという質問に対して、官房長官から九十億円程度であろうというお話があったのでありますが、それは七月一ぱいの
災害
は含んでおるものと見て差しつかえございませんか。その点がはっきりしなかったようでありますので、お答え願います。
高柳説明員(高柳忠夫)
15
○高柳
説明
員 お答えいたします。 七月の
豪雨
、それから七月の台風七号のうち判明した分だけの数字を含んでおります。
上林山委員(上林山榮吉)
16
○上林山
委員
これは判明した分は七月一ぱい分を含んでおる、こういうふうにお答えになったわけですね。
高柳説明員(高柳忠夫)
17
○高柳
説明
員 そうでございます。
上林山委員(上林山榮吉)
18
○上林山
委員
そこで、金額においてあるいは範囲において非常に量が多いところは、大きな
災害
のように見えるわけでありますし、また、それはそれなりに大きな
被害
になっておるわけでありますが、これが局部的に、たとえば一町村に集中的に
災害
が起こったという場合は、かりにその金額が同じ五億円でありましても、一方の広い範囲の方の二十億円あるいは五十億円にも匹敵するような感度をその
地域
民は受けるわけです。そういう場合には、金額がトータルにおいて小さいから普通の考え方でいいというような行き方では、これは非常に
災害復旧
がこまかいところに血が通っておらないということになるのですが、そういう小範囲のところに集中的に
豪雨
がきて
災害
が起こったところ、たとえば、
地域
のことを申し上げて恐縮ですが、鹿児島県の笠沙町、ここは薩摩半島の突端でありますが、
集中豪雨
で約五億円近くの
災害
を受けておるわけです。たとえば土木関係、
林業関係
、耕地関係、一般関係、住居関係、畜産関係、こういうように相当の
被害
があるので、この中の公共施設だけでも約四億五千万円くらいになるのではないかと言われておるところですが、ここは非常に範囲が狭いところに集中的にきまして、
交通
は
途絶
して船で通っておる、こういう
状態
のところなんです。範囲が数県にまたがって、その
被害
がかりに数百億円である、これは国家にとって大きな
被害
でありますから、根本的な
対策
を講じなければならぬが、一町村に集中的にきたものも、
地域
民の受ける感度はひどいのでございますから、血の通った行政をやってもらいたい、こう思っておりますが、これに対して
政府
側を代表して、農林省からでも建設省からでも、政務次官からでもけっこうでございますから、その方針だけをお示し願って、こまかい問題については席をあらためてまた質疑申し上げたいと思っております。時間の関係でこの程度でやめますが……。
高柳説明員(高柳忠夫)
19
○高柳
説明
員 もちろん、小さな
地域
に
集中豪雨
等で
被害
が大きいという場合には現在の
公共土木施設
の国庫
負担
法におきましても、その小さいという限度をはかるめどといたしまして、その町村の標準税収入というものをつかまえております。そういたしますと、小さい町村では当然税収入等は少のうございますから、その少ない額に対比いたしまして
災害
の額が大きうございますと、国庫の
補助率
を逓次繰り上げるように、かさ上げするような方式になっております。一般の
補助率
ですが、標準税収入の二分の一に相当する額までは三分の二でございますが、標準税収入の二分の一をこえて二倍になるような場合は四分の三というような
国庫補助
率、さらに二倍をこえる額については四分の四、一〇〇%、この現行の国庫
負担
法のほかに、先ほどもお話のございましたような
激甚
災に対する国の財政の特別援助
措置
という法律でさらにこの上にまたかさ上げをしようということを考えまして、
法案
が今提出されておるわけでございますが、お話のような小さい
地区
で財政力の小さい
市町村
に対しては、相当手厚い
国庫補助
が参るようになろうかと思います。
上林山委員(上林山榮吉)
20
○上林山
委員
これは他の
委員
との関係もございますのでこれでやめまして、席をあらためて申し上げますけれども、法律的な
措置
、予算的な
措置
、これは私は概略わかっておりますけれども、私が申し上げるのは、狭い
地域
に集中的に
被害
があった場合は、たといそれが十億円の場合であっても、広い
地域
の三十億や五十億の
被害
以上の感度を
地域
民が受けて困っておるのだから、緊急にこの問題を取り上げていってもらわなければいけないという強い
要望
をかねて質疑をしているわけですが、こまかい点については、各省所管については席をあらためて質疑申し上げますので、時間の関係でこれで質疑を終わります。
古川委員長代理(古川丈吉)
21
○
古川
委員長
代理
倉成正
君。
倉成委員(倉成正)
22
○
倉成
委員
ただいま
災害
調査
派遣委員
の詳細な
報告
がございましたので、今次の
集中豪雨
に関する概要については明らかになったわけでありますが、七月一日から八日までの
九州地方
雨量
は、御承知のように、三百ミリから五百ミリに及び、特に七月八日に至りまして極端な
集中豪雨
、時間
降雨量
百ミリをこえるというような、常識を越えた
集中豪雨
がございまして、これによって通算いたしますと、七月一日から八日までの間に一千ミリをこえる、年間の
雨量
の半分以上というような
降雨量
があったわけであります。従って、ここにわれわれが予想しなかったような大きな
被害
が起こったことは、
秋山委員
の御
報告
の通りであります。ところが、今次の
集中豪雨
の一つの
特色
としてあげられることは、先ほども
井手
委員
から御指摘がちょっとございましたように、
昭和
三十二年の七月の
災害
によってやられました
地域
、特に
多良山系
の
集中豪雨
という
地域
は、ほとんど三十二年の七月に
災害
を受けた
地域
であります。この
地域
と同じ
地域
が、若干
災害
の様相は違いますけれども、同じ形でやられておるというのが非常な大きな
特色
であります。従って、三十二年の七月の
災害
について建設省、農林省の
災害
復旧工事
がようやく
完成
して、特に
農地
災害
等におきましては、ことし初めて作付をして田植えをした直後、翌日にこの
災害
がやってきた。
地元
の人はぼう然と空を仰いで、どうしたらよいかというような状況に立っておるのが相当多いのであります。 また、今次の
災害
でもう一つの
特色
は、
佐賀
県の
太良
町
大浦地区
のような特殊な
地域
は別といたしましても、たとえば
長崎
県の
江迎
町のごとき、あれだけの
大災害
がありながら、人畜の損害というのがほとんどなかった、非常に
現地
の方々の適切な処置があったというのも、この
災害
の大きな
特色
であろうかと思うのであります。 従って、これらのことを前提といたしまして
政府
にお尋ねを申し上げたいのは、まず第一に、先ほど官房長官のお答えにございました、
激甚災害
に対処するための特別の
財政援助等
に関する
法律案
を今次の
災害
に
適用
したいという
政府
の御方針は明らかになったわけでありますけれども、この
法律案
はただいま御案内のように継続審議中でありますが、会期末に出されたために、この
政令
の内容等がまだつまびらかでございません。従って、今次の
災害
に対して、この
激甚災害
に対処するための
法律案
の
政令
案は、一体十分な
対策
ができるような内容を持ったものであるかどうか。もちろん、こまかい内容については、
地方
行政
委員会
に付託されておりますから、その
委員会
においてあらためて討議するといたしまして、大まかにいって、建設省、農林省両省においてこの
政令
案を準備されておるとすれば、今次の
災害
について、従来の事例に照らして心配のないような
政令
が十分準備されておるかどうかという基本的、な方針をまず第一に建設、林両省から伺いたいと思います。
山内説明員(山内一郎)
23
○山内
説明
員 ただいま
政令
のうち建設省で関係いたしておりますのは、公共施設関係のかさ上げの基準の問題でございます。これは御承知のように、建設省の
公共土木施設
だけではなくて、いろいろな関係の県事業あるいは
市町村
事業、その県事業は法律できまっておりますが、
市町村
事業の、あらゆるといいますか、十幾つかのものを合計してきめるということになっておりまして、関係方面と今いろいろ御相談を申し上げている段階でございますが、われわれとしては、従来とりました
激甚
地に対する特例法でございますけれども、それよりは下がらないというような基本の線で相談を申し上げておる最中でございます。
庄野説明員(庄野五一郎)
24
○庄野
説明
員 農林関係、特に
災害復旧
につきましては、
農地
、農業施設その他ございますが、大体
農地
と農業施設の
災害復旧
が大
部分
かと存じます。それで、従来は
災害復旧
に対しまする国庫
負担
の暫定法で
措置
いたしまして、
激甚
災の際は特別立法をもって
補助率
を上げていく、こういう
措置
をとって参った次第でございますが、御承知の通り、ただいま
国会
に継続審議中の
激甚
災に関しまする
財政援助
の
措置
法によりまして恒久立法化していく、こういうことに相なっておりますことは、ただいま建設省からも御
説明
があったところと同じでございます。この継続審議中の
激甚
災に関しまする援助法が成立いたしますれば、先ほど官房長官からも御答弁がありましたように、この
九州
災害
を
中心
といたしまする
部分
について大体
適用
に相なると私は存じております。その指定基準なり、あるいは指定されましたあとにおける
補助率
の問題等については、法律と
政令
に依存しておるわけでございまして、
政令
の
部分
はただいま関係方面と折衝いたしております。大体従来の
激甚
災立法を下らないという線で折衝中でございます。
倉成委員(倉成正)
25
○
倉成
委員
ただいの御答弁にありましたように、従来の
激甚災害
に対する
政府
の
措置
、これを下らないような線で
政令
をきめたいということでございますから、了承いたします。私も大体
政令
の内容等についてこまかく検討いたしまして、多少問題があるような点がございますので、これらの点についてはあらためて
委員会
で御質疑を申し上げますけれども、ただいまの基本線をくずさないように一つ格段の御努力をお願い申し上げたいと思います。 そこで、今次の
災害
で農林、建設両省を通じて言い得ることは、先ほどもちょっと御指摘がございましたけれども、
昭和
三十二年の七月の
水害
、未曽有といわれたあの
水害
の
決壊
個所
が再びやられたという点であります。三十二年の
災害
がありましたあとにおいては、再びこういう
災害
がないように、
降雨量
その他につきましてもいろいろな検討を加えられまして、万全の施策を講ぜられたはずでございまして、現在までに作られた施設というのは、この三十二年
水害
に対するいわば試験答案であったわけであります。この答案に対してはいまだ点数がつけられなかった。しかし、今度の
災害
の結果、これらの試験答案がいわば不合格という点数がはっきり客観的に出てきた。もちろん、今次の異常
災害
、
集中豪雨
、特に二時間三時間の鉄砲水の
災害
でありますから、われわれがはかり知れざるいろいろな問題があることもよく承知しております。しかしながら現実には、万全だと思った施設が非常にやられてしまったということになって参りますと、建設、農林両省におきましては、三十二年の
災害復旧
に際しまして、また、これらの事業の査定にあたりまして、どの程度の
災害
に対処すると考えられたか、たとえば、今度のような
災害
がきたらこわれるのはやむを得ないというふうに考えられたのかどうか、この点をまず第一に伺いたいと思います。 〔
古川
委員長
代理退席、
秋山委員
長代理着席〕
山内説明員(山内一郎)
26
○山内
説明
員 三十二年の
災害
は、姓設省関係といたしましては、
本明川
水系が一番ひどかったように思われます。その
復旧
の基本的な考え方は、そのときの台風あるいは
雨量
に耐えられるように、あるいはそれ以上のものがきましても前回のような
被害
がないように、こういうような心がけで
復旧
をして参ったわけでございます。従って、
本明川
につきましては、市街地には、前回のようなといいますか、
堤防
が欠け落ちて
浸水
ということはほとんどなかったように聞いております。ただ、内水
排除
といいますか、内水の関係で
浸水
があった。そういう点は今後是正をして参りたいと思っておりますが、今後の
復旧
の方針につきましても、前回と同様に、今回の台風
雨量
を対象にして、なお強いものを作る、こういう方針で参りたいと思います。
庄野説明員(庄野五一郎)
27
○庄野
説明
員 今回の
災害
につきまして特に御質問になりました点は、
本明川
の問題だろうと思います。
本明川
につきましては、下流部を建設省が担当されまして、それから
上流
部は農林省あるいは
市町村
等が担当してやった、こういうふうになっておりまして、計画高水量等につきましては、建設と農林と十分連絡いたしまして、同じ計画高水量を考えまして対処した次第でございますが、三十二年
災害
のときには、農林関係ばかりでございませんが、一般に
改良
復旧
という線が現在のようにまだ強く打ち出されてないような
状態
で、できるだけわれわれといたしましてはそういう計画高水量に対しまして
改良
復旧
の考えで
措置
した次第でございますけれども、
上流
部について、練り石積みのところ、あるいはから石積みのところ、あるいは両方とも底の方を練り石積みにして上の方をから石積みにする、こういった、
原形復旧
に対しまして相当
改良
復旧
の点も考えてやった次第でございます。御承知のように、今回の高水量は大体計画高水量程度でございます。
特色
といたしまして、非常に
土砂
流が多かった、そういうような点もございます。また、から石積みのところが先にやられまして、全体として破堤する、こういったような問題が農林関係のところに比較的多かったという点は、まことに遺憾に任ずる次第でございますが、今後の
措置
といたしまして、最近におきましては、御承知のように
改良
復旧
ということを非常に強くわれわれも取り上げて参るつもりでおります。今回の経験を十分生かしまして、再
災害
に対しましてさらに
改良
復旧
をいたしまして、今回のような再
災害
の起こるおそれのないように
措置
していきたい、こういう考えで査定に臨んでおります。
倉成委員(倉成正)
28
○
倉成
委員
ただいまの建設省関係の
本明川
については、御
説明
の通りでございます。しかし、私の申しておりますのは、実は
中小河川
、
直轄河川
でない準用
河川等
につきましては、ただいまのお話とは少し違って、せっかく作ったのが、やはりもう少し
改良
を加えておったならばこわれなかったろうというような
地域
がみごとに
決壊
しているわけであります。ですから、これは
長崎
のみならず、熊木、
福岡
、
佐賀
、すべての
地区
に共通することでございますけれども、やはり
現地
の実情を謙虚に反省しまして、これから先、
原形復旧
——これは国費を使うことでありますから、そうむやみにいろいろなことはできないではありましょうけれども、今度の
災害
によって、従来やっておったのがみごとこわれたということは、不合格という判定が下ったということであります。不合格の答案を再び書いて国費を乱費するということは、これは国民の前に許さるべきことではございません。やはり思い切って
改良
工平をやって、再びこういうことがないように、積極的に御指導をいただきたいと私は思います。これは建設省関係では
直轄河川
の分にはほとんどございませんけれども、準用
河川
には相当ある。また、農林省
工事
部分
については、大
部分
がそういう形になっているという事情でございますから、特に注意を喚起したいと思います。 そこで、建設、農林両省の関係で準用
河川等
の改修をやって参ります場合に、たとえば
上流
が農林省の所管になり、橋を境として下流が建設省の所管になっておるという場合に、まことに申し上げにくいことでございますけれども、構築の程度に大きな差異がございます。橋を境にして、川は続いておるのでありますけれども、建設省の方では練り積みにやる、農林省の方ではから積みにブロックをやっているということで、建設省の方はこわれないで、農林省の方がこわれたというような
地域
が、残念ながら相当あるわけであります。こういった調整についてどういうふうな御用意があるか。三十二年の
水害
は、私も
現地
におりましてよく実情を承知しておるわけでございますが、非常な
大災害
で、とにかく一日も早く復申しなければならぬという事情でございましたから、なかなかその間に調整等はむずかしかったと思いますけれども、今度の場合には、そういうことを再び繰り返さないように、もちろん机の上ではりっぱにでき上がりましても、
現地
の
住民
の目から見ますと、まことにこれはおかしい、全く笑止千万のようなことが現実にまかり通っているということ、これらのことについて実情を御承知であるかどうか、また御承知であるとすれば、こういった両省の調整をどういう形で今やっておられるかということについて伺いたいと思います。
山内説明員(山内一郎)
29
○山内
説明
員 建設省は
河川
を所管しているわけでございますが、
災害復旧
につきましては、準用区域は建設省でやる、それから
上流
の普通
河川
の区域は
市町村
工事
で
災害復旧
をやるわけでございます。その工法という点については、同じ査定官が指導いたしまして、一貫した計画でやる、こういう実情でございます。それは
原則
でございますので、あるいは農林省でおやりになるようなことがある場合といいますか、二重査定といいますか、そういう点については、
現地
あるいは書類でよく検討いたしまして、そういう重なりはないようにいたしておりますが、
河川
工事
としては全部建設省でやるという建前で進んでいるわけでございます。
庄野説明員(庄野五一郎)
30
○庄野
説明
員
河川
につきまして、準用
河川
の
工事
区分については、今建設省からお話しになった通りでございます。準用
河川
区域は建設省ということになっておりますし、それから上の普通
河川等
につきましては町村でやり、あるいは
農地
に関係する
部分
が非常に多いということになりますと、農林省でこの
河川
を用排水路として使用いたしておりますので、農林省担当で
工事
をやる、こういうことになっております。その間の調整は、農林、建設で覚書を交換いたしまして、それによって
工事
区分をきめまして、統一した計画荷水量によって
工事
を進めていく、こういうことに相なっております。 御指摘の
本明川
につきまして……。
倉成委員(倉成正)
31
○
倉成
委員
本明川
ではありません。ほかの
河川
です。
庄野説明員(庄野五一郎)
32
○庄野
説明
員
本明川
を含めまして、その他
災害
を受けました
河川
で農林省で担当をいたしました
部分
につきましては、三十二年
災害
のときは、
改良
復旧
という線で相当われわれとしても考えてやった次第でございますけれども、今ほど十分ではなかったという点は、先ほど申し上げた通りでございますが、三十二年
災害
当時のそういう農林省担当の
河川
のところは自然のりが多かったわけでございまして、それに対しまして計画高水量等から考えて、底部を練り石積みにし、上部をから石積みにするという
改良
復旧
をいたした次第でございますけれども、その点についてなお不十分だったので、から石積みのところがくずれて、先ほど申し上げました通り、そういう点から破堤を起こした、こういうことに相なっております。この工法等につきましても、農林と建設と違うことのないように、覚書等もございますので、その線に沿って今後統一した
河川
に対する
改良
復旧
の線を進めて参りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
倉成委員(倉成正)
33
○
倉成
委員
ただいまの御答弁は、私は確かにおっしゃる通りだと思うのです。建前の上から申しますと、よく両省で打ち合わせをし、それから
工事
の接着点等についても話し合いが行なわれているはずであります。国の
工事
でありますから、
市町村
がやろうと県がやろうと、それはそういうばかなことがあり得るはずがございません。しかし現実には、今
秋山委員
から御
報告
がありましたように、
本明川
のみでなく、何十何百という
河川
でそういう
個所
があるのです。ですから、
現地
の人々としてはどうしても納得がいかない。私も
現地
をつぶさに歩いて、その結果についてお話を申し上げているのであって、決して架空のことを机の上で申し上げているのではございません。これはやはり最高の責任者が、単なる
報告
を聞くということでなくして、もっと
現地
に臨んで、これはおかしい、どういうところにそういう査定なりあるいはその他についてそごがあるかという原因を探求することが必要じゃないか。今度初めて起こった
災害
ではなくして、三十二年のあれだけの
災害
によって、あれだけ一生懸命に皆さんが努力をしてやられた結果がこういうことになっておるということでありますと、私は、机の上で幾らりっぱな計画ができておりましても、謙虚にこれを反省し、こういうことが再び起こらないように、
現地
の
住民
が不信感を抱くことないようにすることが、行政
当局
として当然の任務であると思います。これらの点についてはまだ十分な実感をお持ちでないようでございますから、もう一度だけ、十分御検討をいただきたいということを申し上げておきます。 それらのことと関連をいたしまして、
上流
は
災害復旧
で行なわれて、下流がそのままになっておる、極端に申しますと、
上流
は非常に川幅が広くなっておるけれども、下流は非常に狭いままに残されておるというような
河川
がございます。具体的な事例はまた必要があればあとであげてもよろしゅうございますが、そういうばかなことがありますと、普通の場合にはいいけれども、相当の
集中豪雨
があるということになってくると、これはどうしても
決壊
するのが当然であります。
河川局長
は
直轄河川
だけやればよろしいというふうにお考えかもしれませんけれども、そういったことを御承知であるかどうか、一つ承っておきたい。
山内説明員(山内一郎)
34
○山内
説明
員
災害復旧
をやる場合に、非常に
災害
個所
がつながっておりまして、その
個所
を
復旧
する場合には、現在の
改良
復旧
で関連事業としてできるわけであります。ところが、その下流が、
堤防
が低い関係上、
溢水
はいたしましたけれども、耕作物としてはほとんどやられていないというところは、その区域に入らない場合があると思います。そういう場合には、現在の
改良
復旧
の線をさらに拡大するか、あるいは現在の
治水事業
を大幅に拡大してやるか、そのいずれかの方法になるわけでありますが、現状では治水十カ年計画に基づいてそういう
個所
もやるべきではございますが、非常にやる
個所
が多い関係上、手が及ばなかったということで、そういう
個所
はあると思います。今後はそういうことにつきましては、治水十カ年計画の大幅繰り上げとか、あるいは
改良
復旧
の線をもう少し拡大していくとか、どちらかの方法によってそういうことのないように努力をして参りたいと思います。
倉成委員(倉成正)
35
○
倉成
委員
予算の関係あるいは
現地
の事情、いろいろなことでそういうことになっておると思います。しかし、何回も同じ
災害
が出て参りまして、そういうことが原因であるということになると、やはり非常におかしなことを国としては指導するものだという感じを
現地
の
住民
は持つわけでありますから、これらの点については、今の
河川局長
御答弁の趣旨を末端まで十分生かしていただきたいと思うのであります。 今度の
災害
で私
現地
で特に感じましたのは、やはり砂防
工事
が十分行なわれているところについては、
災害
が起こったことは起こっても、
災害
を最小限度に食いとめることができたということを非常に痛感しております。これは
河川
局としてやられた分も、あるいは農林省、林野庁でやられた分も含めまして、砂防
工事
を徹底的にやられないと、計画高水量等をいろいろ計算されましても、
土砂
の流入があるということになりますと一ぺんにこれは狂ってしまうということでありますから、この砂防
工事
を
災害
復旧工事
とあわせて積極的に進める必要があると思いますけれども、これらの点についてどういうふうなお考えを持っておられるか、伺いたいと思います。
山内説明員(山内一郎)
36
○山内
説明
員 治水十カ年計画の内容は、砂防、
河川
、ダムと一緒になっておるのでありますが、一つの川につきましては、今御指摘がございましたように、砂防も考え、計画商水量というものもあわせ考えて
工事
をやるという考え方なり、そういう方法は、今やっておるのでございますが、先ほども申し上げましたように、現在の十カ年計画のワク内において繰り上げ
実施
をやっておりますが、なお不十分であるということは認められるわけでございます。今後一そう、
災害
が起きたときに、砂防がやってあれば非常に
被害
が少なかったという点も十分生かしまして、そういう進捗に努力をして参りたいと思います。
倉成委員(倉成正)
37
○
倉成
委員
これは建設、農林両省に通ずることですが、限られた予算の中でやるわけでありますから、いろいろむずかしい問題があると思います。しかし、
集中豪雨
がこういうふうに常襲的にやってくる
地区
には、重点的に砂防
工事
を行なうことによって、できるだけ最小限に
災害
を食いとめるという努力について格段の御配慮をお願い申し上げたいと思います。 次は、ちょっと特殊なケースでありますけれども、天然
河川
、いわば
堤防
等がなくて自然
河川
になって、岩盤等を利用した
河川
など、そういうところで、三十二年も今度もずっと
溢水
いたしまして
農地
災害
が徹底的に起こっておる。そして
地盤
が非常に喰いものですから、川自体はこわれないというところが——具体的に名前をあげて恐縮ですが、
長崎
児
南高
来郡国見町に倉地川という川があります。こういったのを何とかしてやらないと、こわれなければ
復旧
できないということになってくると、これは非常に気の毒だと思うのですけれども、
農地局長
、その点どうでしょう。
庄野説明員(庄野五一郎)
38
○庄野
説明
員 まだ十分にそういう点把握いたしておりませんが、あるいは
河川
の幅等が不十分じゃないかと思われます。そういう点につきまして、大体小
河川
で
農地
被害
の多いところ、こういうところは農林省で担当することになると思いますけれども、御承知のように、砂防
工事
等を十分にやっていただいて洪水の出るのを防ぐということを一方でやっていただくとともに、そういった
地域
についてできるだけ実情に沿って
河川
敷を広げるとか、あるいは多少の
堤防
を作る、そういう点を
改良
復旧
という線に入る範囲において検討したらいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
倉成委員(倉成正)
39
○
倉成
委員
今度の
災害
は、先ほども申し上げましたように、三十二年の
災害
で進捗率が三年の
部分
と四年の
部分
と二つに分かれておるわけでありますけれども、とにかく復申したらまたやられたということになります。そうすると、せっかく
災害復旧
ができて、
農地
の場合でありますと、作付ができたらまたやられたということになりますので、この
復旧
の進度ということをよほど急いでやらないと、ずっと三十二年から引き続いて七、八年——失対事業その他にいくのは別でありますけれども、農民として何も収入がないということになると、非常に不安を抱くわけです。また、特に特殊なケースでございますけれども、
農地
を集団化して、そして集団化したところが今度全部
災害
でやられてしまうということになりますと、むしろ
農地
の集団化ということをやらないで、危険分散をやっておった方がいいというようなことも、非常に逆説になりますけれども、出てくるわけです。ですから、これらの
復旧
率という点について、
復旧
の進度についてどういうふうにお考えになっておるか、建設、農林両省から伺いたいと思います。
山内説明員(山内一郎)
40
○山内
説明
員 現在は、今お話がございましたように、緊急事業は三年、通常は四年、こういう進度でやっております。進度をできるだけ早くやるということが、
災害復旧
では一番肝要かと思われますが、やはり施行能力といいますか、そういう点も考慮しなければいけないと思います。そういう点も考えますと、もう一年繰り上げというのは可能ではなかろうか、そういう点で現在検討いたしておりますが、財政の面でどういうふうになるか、そういうことについて関係省ともよく打ち合わせをしまして、少なくとももう一年繰り上げをしたい、こういうふうに考えております。
庄野説明員(庄野五一郎)
41
○庄野
説明
員 農林関係の
災害
の
復旧
進度は、御指摘の通りに、緊急の
部分
は三年、通常は四年、これは建設、農林を通ずるルールになっております。それで、
農地等
はできるだけ早く作付ができるようにという趣旨から、緊急
復旧
をできるだけ取り入れて、本
工事
にかかる場合にそれを込めるようにという緊急
措置
を今回は特に通達を出しまして、灌漑水の取り入れ等については特別な手を打って、
農地
の作付ができるだけ早くやれるように、こういうような指導はいたしておりますが、全体としての
復旧
進度の繰り上げについては、ただいま建設省からもお話がありましたようにいろいろな問題がございまして、各関係省とも打ち合わせをして、これはできるだけ早く
復旧
ができるように一つ処置するようにいたしたいという考えであります。
倉成委員(倉成正)
42
○
倉成
委員
ただいまの点は特に御配慮をお願い申し上げたいと思います。 次は連年災の問題であります。三年間の連年災という概念がございますが、
昭和
三十二年の七月から今次の
災害
ということになりますと、四年になります。ところが、連年災のことをいろいろ考えます際には、
災害復旧
というような面も若干考慮に入っておったと思うのでありますが、実際は
災害復旧
が全然できていないで、そうしてその効果が十分現われないうちにまた
災害
が起こった。いわば厳密な法律上の概念としては連年災ではないが、現実に連続の
災害
であるというものについて、先ほどからの
激甚
地の
災害
の法律あるいはその他の点において何か救済の方法があるかどうか。これは建設、農林両省に自治省を加えまして一つ御答弁をいただきたいと思います。次々に
災害
が起こってどうしようもない、こういうのをどういうふうに救済していくか。
地元
も今まで貧打をずっとやってきたけれども、その効果が出ないうちにまた
災害
になるということになると、
地元
の農民の立場もそうですし、一般の人の立場もそうですし、
市町村
だって県だって大へんなことになると思います。これは何かこういう連続して起こる
災害
について処冠があるかどうかということをお伺いしたいと思います。
山内説明員(山内一郎)
43
○山内
説明
員
公共土木施設
の面で申し上げますと、現行法では、連年災というのは、その発生年を含めて過去二年、三年ということになっております。従って、現行法ではそれでやむを得ない、ほかに方法はないと思います。
激甚
の場合にはさらに優遇
措置
が考えられておりますが、それ以上にやはり少なくて毎年何件もあるというところは、別に何か
措置
する必要があるのではなかろうか。あるいは、基本的な考え方は、標準税収入との比較でやっておりますので、あるいはその面でカバーができておるとも考えられますが、その辺よく今後検討してみたいと思います。
林田説明員(林田悠紀夫)
44
○林田
説明
員 連年災につきまして
負担
率をアップするという問題は、やはり毎年
災害
があるという場合で、建設省のおっしゃる通りであります。ただ、農林省関係といたしまして別に融資をやっておるというような場合におきまして、従来の融資を償還を繰り延べる等、いろいろそういう
措置
はとれるようになっております。
茨木説明員(茨木広)
45
○茨木
説明
員 ただいまの連年災の問題については、二つございます。一つは起債の問題でございますが、一応、現年災は、公共事業災の
地方
負担
分について、御案内でありますが、一〇〇%つける建前になっておりますが、翌年災になりますと一応七〇%を
原則
にいたしております。しかし実際の運用といたしましては、連年災地帯につきましては、個別的に検討の上、県に配分いたしましたワクの範囲内において大体八〇%、九〇%というように充当いたすように指導をいたしております。三十六年災の例の場合についても、大体九〇%近い配当を行なっておる、こういうふうになっております。 それからもう一つ特別交付税の問題でございますが、これは御案内のように、公共下業
災害
を基礎にいたしまして、その事業ワクの二%を基準といたしました特別交付税を当該年度に配付する、もう一つは、
災害
救助
事業費を基礎にいたしまして、その二割を当該年度に配付する、これは翌年度以降はないという建前に一応なっております。御案内のように、連年
災害
地帯につきましては、やはり特別交付税の配付の際に別途考慮するという扱いにいたしております。
倉成委員(倉成正)
46
○
倉成
委員
ただいまの御答弁で大体了承いたしましたが、いろいろ法律の規定、制約等があることはよく承知しておりますけれども、一つ十分そういう実情に合うように御配慮いただきたいと思います。 ついででございますから、自治省関係だけ今申し上げておきますが、
災害
起債の充当率、現年度は一〇〇%ですが、過年度災から七〇%になっていくということになると、非常に
地元
の、特に
災害
が続いて起こってくる町村にとっては困るわけです。この点はどういうふうにお考えでございますか。
茨木説明員(茨木広)
47
○茨木
説明
員 理財課長の方からお答えするのが適当かもしれませんが、従来の考え方といたしましては、起債の建前は、一応当初の予算等から予想されなかったものについて起債で一応つなぎまして、そのあと、公共補助下葉については九五%まで、単独災については二八・五%を
原則
といたしまして、財政力の弱い団体については五七%まででございますが、交付税の方でしりぬぐいをして参る、 こういう処前をとっております。それで、翌年度以降になりますと、一応
地方
財政計画といたしましても当初から計画的な運用をする、こういう建前になりますから基準財政需要額等から見ておりますと、当該団体の単独事業の需要額を見ておりますから、そういうものを充当いたしまして対処するという建前のもとに、一応七〇%までということにしておるわけであります。ただ、連年災になりますと、当該団体といたしましてもまた思わざる
災害
が起きたという事態がございますので、過年度分につきましても起債を見てあげませんと、財政運営が困難だということがございます。こういう事情がございますので、個別の団体の実情に応じましてそういうふうにいたしております。それをさらに進んで制度化する、たとえば翌年度災は九〇%とか、翌々年度災は八〇%とかいうような点まで制度化するという問題もございますが、まだ成案を得るという段階にまで至っておりません。今言ったような運用でやっておるというのが実情でございまして、それが自治省の考え方でございます。
倉成委員(倉成正)
48
○
倉成
委員
今の御答弁の通り、実情に即するように、今の制約の中で最大限できることを一つ
災害
府県あるいは町村に御配慮いただきたいと思います。 そこで、自作農維持
資金
の点とあるいは天災
資金
のことに入るわけでございますけれども、そういった連年災のところは自作農
資金
でもその他でもワク一ぱい借りている。繰り延べのことを今官房長お話しになりましたけれども、もうワク一ぱい借りている。これにまた借りなければいかぬ。そういったワクは、償還延期のみならず、もっと広げるお考えなのかどうか、また今次の
災害
についてもう十分な手当を準備されておるかどうか、一つお伺いしたいと思います。
庄野説明員(庄野五一郎)
49
○庄野
説明
員 自創
資金
でございますが、今次
災害
が天災法の融資の指定になりますれば、自創
資金
を出す準備をいたしております。三十二年当時自創
資金
を借りて、すでに一ぱい借りているじゃないか、借り入れ余裕があるかどうかというような御質問でございます。三十二年の貸付当時は限度が二十万円だったのを、今年度から三十万円にいたしております。従って、少なくとも限度一ぱい借りている者でもなお十万円の貸付余裕はあるということになりましょうし、また限度一ぱい借りていなければ、三十万円から貸付残高を引きました分が借り入れ限度、そういうことに相なろうかと存じます。なお、三十二年当時も、場所によっては限度額二十万円一ぱい借りているところもございましたし、二十万円を切っている農家もあろうかと存じます。またその後の償還等もありますので、現実には相当貸し付けられるとわれわれは考えております。
倉成委員(倉成正)
50
○
倉成
委員
迅速な処置を一つお願いします。せっかく農林大臣が決裁しても、自作農
資金
が末端に来るまでには相当の期間がかかるのが現実です。従って、これはすみやかにそういう取り扱い要領等を明らかにして、すみやかにこれを
現地
に流していただきたいと思います。 次は、少し特殊なケースでございますが、
佐賀
の
太良
の地滑りあるいは
長崎
県の
江迎
町の
ボタ山
くずれ——
佐賀
の問題は
井手
委員
に譲るといたしまして、
江迎
町の
ボタ山
の
排土
の問題ですが、この
排土
は一体どういう形で行なうか。これについては
激甚
の法律の第三条十二号にあるようでございますけれども、一体どこが責任を持ってこの
ボタ山
のくずれたものの
排土
を行なうのかということ、
鉄道
との関連等もございますから、一つ費用の分担についてお伺いをしたいと思います。
秋山委員長代理(秋山利恭)
51
○
秋山委員
長代理
倉成
委員
に尋ねますが、どこの答弁を希望しておられますか。 〔「通産省じゃないか」と呼ぶ者 あり〕
倉成委員(倉成正)
52
○
倉成
委員
いや、通産省じゃないのです。通産省にやっていただくと鉱害とか何とかいうことになりますから——御答弁できる方はおりませんか。——こういうことなのです。これはいろいろ議論があります。私も石炭
対策
の特別
委員
として
現地
に参りましたし、
災害
委員会
でも随行して参りましたが、とにかく
排土
をしなければいかぬというので、現在のところは
自衛隊
が国道の開通だけを一生懸命やっておるわけでありますが、それ以上になってくると、やはり費用の問題が出てくる。 それで、
国鉄
からお見えでございますから、山口施設局長にお尋ねをいたしますけれども、あの
排土
は、
国鉄
の開通については
国鉄
の責任においておやりになるのかどうか、一つお伺いをしたいと思います。
山口説明員(山口和雄)
53
○山口
説明
員 お答えいたします。
国鉄
の方といたしましては、財源の問題は別といたしまして、とりあえずあそこを早く開通させるということで、技術的に目下検討いたしております。聞くところによりますと、七月中に近路がひとまずあくそうでございます。専門家の言によりますと、あの山を全部
国鉄
側のところを軌かしますと影響があるのじゃなかろうかというお話がございますので、とりあえず勾配をつけまして
道路
側に木綿をかりに作りまして、そして潜竜の炭鉱が今ありますが、あの付近に仮ホームを作って、とにかく仮線でも線路をつなごうということで、大体機械等も全部準備いたしましたので、九月の中ごろには綿路がつながるという目下の予定でございます。
倉成委員(倉成正)
54
○
倉成
委員
これは官房長官その他答弁者がおられないので、私もこれ以上はここでは申し上げませんが、とにかくこれは全額国庫でこの
排土
をすべきだということを申し上げたいのであります。昨日、いろいろ
鉄道
営業法その他調べて、もしこれが私鉄であった場合にはどうか、
国鉄
の場合には予算は心配ないということでありますけれども、私鉄がああいうふうな形でくずれた場合に一体どうなるかというようないろいろな問題が出て参りますので、参考までに伺ったわけでございます。 また、この
激甚
地の法律の中で「堆積
土砂
」ということになっておりますけれども、ボタは泡土でもなく、砂れきでもなく、岩石でも樹木でもないので、一体どういうことになってくるか、そういう問題もございますが、本委長会の問題ではないと思いますから、このくらいにいたしますが、ただ農林省に特にお願いをいたし、また御
要望
を申し上げたい点がございます。それは、この国道を開通するために
自衛隊
が今
排土
をやっておる。これは一万五千
立方米
くらいの
土量
だと思いますが、この
排土
を捨てる場所は、現在町有地でやっておるようでございます。しかし、いよいよ
国鉄
との問題になって参りまして、本格的な
排土
をやっていく、もちろん、三百万立米に及ぶ全体の
土量
を
排土
するということは、もう不可能に近い、物理的にはできても、実際にはできないことだと思いますけれども、しかし相当量の
排土
をしていかなければならぬということになりますと、
ボタ山
がくずれているわけでありますから、その
地域
にまたこれを捨てるわけにいかない。また炭鉱もいろいろ出炭をしているということになりますと、そのボタの捨て場所に困ってくるということで、現在白羽の矢が立てられておりますのが、北浦郡の佐々町にあります小浦干拓というところでございます。この小浦干拓約十五町歩くらいのところに一つこの
排土
を捨てさせてもらいたいという
地元
の切なる
要望
があるわけでございます。
自衛隊
の作業が終わってしまって、
国鉄
の作業に入っていよいよ本格的な作業に入るとなると、この進度とも関係しますけれども、非常に急を要する、やはり一週間、十日のうちに結論を出さないとうまくいかないという問題でございますので、この点について使用目的また干拓地の造成の問題等、いろいろうるさい問題があることは承知しておりますけれども、何かこれについて御陳情をお聞きになっておるか、また、どういうお考えであるか、一つお伺いしたいと思います。
庄野説明員(庄野五一郎)
55
○庄野
説明
員
江迎
の
ボタ山
の
排土
の捨て場に、佐々町の小浦干拓、これは造成面積が三十一町歩ですが、そこにボタを捨てさせてくれというお話が
長崎
県知事からございまして、私の方でも検討いたしております。ただ、干拓は、
農地
を造成するという目的で作っておりますので、これにボタを、大体計画によりますと三十万立米から五十万立米、こういうお話でございますので、それを捨てますと、あと
農地
としてはもう使えないというような
状態
に立ち至るわけでございます。そういう場合にどうするかということでございますが、今までの干拓地を市街地あるいは工業用地に転用いたします場合には、大体投入いたしました国費と近傍類地の地価というものを勘案いたしまして、これを売り払う、こういった
措置
を講じておりますので、
長崎
県知事についても、
農地
として使えない以上は、工業用地あるいは市街地その他の農業以外の用地として使い得る道があれば、そういう方法で一つ御検討願いたい、また、ボタを捨てて、さらに農業用地として使うということになると、少なくともその上に相当
部分
の耕土を客土しなければならぬ、こういうことになるわけでございまして、その客土
部分
をどういうふうに
長崎
県でお考えになるか、その比較において
長崎
県においても十分御検討願いたい、こういうことを申し上げて、
長崎
県においても検討するということでそのままになっておりますが、その後、
長崎
県知事から、緊急の分は一応ほかに捨てどころがあった、今後の問題としてまた協議いたしたい、こういうことに相なっております。
倉成委員(倉成正)
56
○
倉成
委員
今の問題は、すぐここで御答弁を求めるのは非常にむずかしいと思います。ただ問題は、これを工場敷地として転換は認めるが、時価で買ってくれというようなことでは、
災害
を受けた県や町村としてはなかなか解決しない。ですから、便法としては、国が所有権を持たれてよろしいから、とにかく緊急避難というか、ボタを捨てなければいけないということで、
農地
局がお持ちになってけっこうですから、一つボタだけは捨てさせていただいて、将来高く売っていただいてけっこうだから、とにかく何とかこれは救済策を考えてやる。非常に通り一ぺんの事務的な処理でなしに、
災害
を受けた
現地
が一生懸命今やろうとして、ほかに方法がないというときには、大
農地
局も一はだ脱いでこれに協力する、こういうことを一つお願い申し上げたいと思いますから、大臣にも御
報告
いだだいて、農林、大蔵両省御検討いただいて、結論を早急に出していただきたいと思います。イエスかノーかはっきり言わないと、
現地
を非常に迷わせる結果になってくると思いますから、これは特に御
要望
申し上げておきます。 時間もございませんから、最後に一点お伺いしたいのは、今次の
災害
で特に
江迎
を例にとりますと、
災害
救済という点での非常な盲点は、やはり
商工業
者ではないかと思うのです。これは商店街が全部ボタの下に埋まってしまったわけですから、とにかく何と言っていいかわからない。少数でありますけれども、非常にお気の毒な立場に立っている。まず生活豊に困る、家に困る、商売を再開するのに再建
資金
に困るということですが、農林その他の方と違って、国のこれに対する施策が十分でないわけです。従って、現在の制度のもとにおきましては、やはり低利、長期の金融の道を迅速に講じてやるということ以外にないと思うのでありますけれども、しかしここでも保証人の問題で現実にぶつかっておる。机の上では保証人のこともいろいろうまくやっておられるかもしれないけれども、実際は保証人がなかなかうまくいかぬとかいうので借りられないということで、非常に困っておるのです。ですから、中小企業庁の振
興部長
が見えておりますが、この問題についてどういう
措置
をされるつもりか、またどういう決意を持っておられるか、一つ真剣な御答弁をお願いしたいと思います。
加藤説明員(加藤悌次)
57
○加藤
説明
員 お答えいたします。
江迎
の問題を含めまして、
炭鉱地帯
の商店街に対する全体の融資の問題でございますが、最近決定になりました国民金融公準からの一億というもので処置していきたいというふうに考えております。 それから担保の問題でございますが、国民金融公庫は、御承知のように、いわゆる零細金融のための国の金融機関でございますので、できるだけそういう点についてはむずかしいことを言わないでという方針でおりますが、やはり金融ということで金を出すということになりますと、
原則
的に保証人を立ててもらっておるわけでありますが、今度の場合、どうしてもそういう
措置
が非常にむずかしいという場合には、目下のところ、それをどういうふうにするかはっきり考えておりませんが、これは一部おしかりを受けておる例もあるわけでございますけれども、そのために時間が非常にかかるというような場合には、
政府
金融機関ではございませんが、県の信用保証協会を使う、こういう便法がございまして、そういった
措置
によって何とかこの問題が解決できるんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。
倉成委員(倉成正)
58
○
倉成
委員
せっかく中小企業庁という役所が通産省の中にあるわけでありますから、ここの責任者が
現地
へ飛んでいって、そのお金を貸すところまで見届けるくらいの熱意がなければ、中小企業庁なんかない方がよろしいと私は思うのです。ですから、この一番盲点が中小企業者になっておるという現実のもとにおいて、やはり親切に末端まで見届けるくらいの配慮を一つお願い申し上げたいと思います。
加藤説明員(加藤悌次)
59
○加藤
説明
員 今の先生のお話でございますが、ちょうど先月の半ばごろに、私どもの指導部長が、直接
現地
までは参りませんでしたが、主要な都市に参りまして、
江迎
の問題以外に炭鉱の商店街問題全般につきましていろいろ事情を聞いて参ったわけでございます。とりあえずの
措置
といたしまして、先ほど申し上げました国民金融公庫の融資
措置
の御検討をいただいておる、こういういきさつになっております。
倉成委員(倉成正)
60
○
倉成
委員
これ以上申し上げませんけれども、ここで融資のワクをきめられましても、
現地
の
被災者
に渡るまでには非常な時間がかかるのです。ですから、この点を親切にやっていただきたいということを重ねて御
要望
申し上げます。 いろいろPCPの問題とか、まだ
災害
には残された問題がたくさんございますけれども、同僚
委員
にお譲りしましてこれで終わりますが、とにかく三十二年の
災害
で
政府
の書いた答案について合格点が得られなかったという結論が今度の
災害
で出ているわけでありますから、今度は満足な答案が書かれますように、私どもも御協力申し上げますから、
政府
におきましても、心機一転、新しい
災害対策
について取り組まれることを
要望
いたしまして、質問を終わります。
秋山委員長代理(秋山利恭)
61
○
秋山委員
長代理 坂木君。
坂本委員(坂本泰良)
62
○
坂本
委員
秋山
調査
団長の
報告
で一般的の
対策
等はすでに示されておりますし、なおまた、同僚
委員
からだいぶ質問がございましたから、重複の点を避けまして二、三お伺いしたいと思います。主として
熊本
県関係でございます。
調査
団も御存じのように、今度の
水害
におきましては、
直轄河川
で
菊池川水系
、この改修ができておりますところは非堂に
災害
が少なかった。ところが、
菊池川水系
にしますと、下流の
三名
市
地区
、中流の
山鹿
市
地区
ができておりまして、その中間の地帯が非常に
災害
が起こっておるようであります。それからなお、今度の
災害
の特殊な現象は、
集中豪雨
によりますところのいわゆる小さい
河川
の
被害
が非常に多いのでありまして、
荒尾
市の菜切川、これは下流は長洲町にいっておりますが、今までほんとうに小さい
河川
として取り扱われてきた。それから
三名
郡に参りますと、
菊水
町の江田川、これもほんとうに小さい
河川
でありますが、今度の
災害
では六つの橋が流れまして、反対側の、小学校がありますところは、学校も休まなければならない、こういうような
状態
が出ておるのであります。 そこで、第一にお伺いしたいのは、
菊池川
の
改修工事
です。これは戦時中から着工せられまして、ただいま申しましたように、下流
地区
と中流
地区
が相当進んでおりますが、なお現在の計画が
完成
するのについては、今データーを持ちませんから正確なことはわかりませんが、七十数億円かかるわけです。そこで年に一億五千万あるいは二億程度の予算でやっておりますと、なお五十年近くかかるわけでありますから、そうしますと大へんなことになるわけです。この
菊池川
の改修工平の推進
委員長
である
山鹿
古閑市長もきょうは見えておられまして、
秋山
団長にも
現地
でいろいろ陳情がありまして、きょうも陳情に見えておりますが、時間がないようでありますから申し上げますが、今四十になる
山鹿
市長が、これが
完成
するときは九十才になるわけでありまして、そういうような
状態
では、こういうような
災害
が繰り返し行なわれますと、非常な不安ができてくる。それから、これはほかの
直轄河川
の
改修工事
もそうだと思いますが、特に
菊池川
を例にあげますと、七十億ですから、やはりこれを少なくとも四、五年程度で
完成
する、こういうことにならなければ、その流域の
住民
が安心しておられないじゃないか、こういうふうに考えられるわけでございます。従いまして、こういう
災害
を機といたしまして、従来の
状態
では四、五十年もかかるのを、四、五年で
完成
すべきである、こういう喰い
要望
があるわけでありますが、これについて建設省あたりのお考えはいかがでありますか。
山内説明員(山内一郎)
63
○山内
説明
員 御承知のように、
昭和
三十五年度から治水十カ年計画を作りまして、現在三年目になっているわけでございます。その
進捗状況
は治水十カ年計画の標準の線よりやや上回っているわけでございまして、繰り上げ
実施
をやっているという状況でございますが、
菊池川
、筑後川等の
直轄河川
につきましては、現在の治水十カ年計画では大体十五年かかる目標のうちの十年分を治水十カ年計画に含んでやっている、こういう現況でございます。しかし、最近のように
災害
が非常に続いておりますし、非常に
地方
の御
要望
もふえて参りまして、現在の十カ年計画をさらにどういうふうにいたしますか、まだ方針はきまっておりませんが、ともかく予算を増額してやるような方向に持って参りたい、こういうふうに考えております。はたして四年ないし五年でできるかどうかという点は自信がございませんが、御
要望
にできるだけ沿うように、そういうふうに漸進的にやって参りたい、こういうふうに考えております。
坂本委員(坂本泰良)
64
○
坂本
委員
そこで、今度は準用
河川
あるいは準用
河川
に入らない普通
河川
、それが
集中豪雨
によって非常に
災害
が起きた。それは
河川
としての取り扱いを今まで全く受けていない。従って、
堤防
等は、あるところもあるし、ないところもある。今まで
災害
が生じてその
部分
的の改修がやられておるところは
堤防
らしきものがありますが、ほとんど顧みられていないから、
豪雨
によっていわゆるあるかないかわからない
堤防
が
決壊
して、非常な
災害
を受けておる。こういう点が大体
熊本
県下
の今度の
豪雨
の
被害
で、それが人家に
被害
を及ぼす、あるいは
堤防
の
決壊
によって予想しないところが
浸水
をして、養鶏場に
浸水
しまして数千羽の鶏が死んでしまう、そういうような
被害
が起きておるわけですが、これについては、先ほど来の質問等もあったように、
原形復旧
ではいけない、
改良
復旧
でやらなければならないのですが、しかし、この
改良
復旧
にいたしましても、やはりその水系を十分
調査
して、系統的な
復旧
をならなければならぬ。従って、
決壊
しておる場所だけの
原形復旧
でなくて、もちろん、
改良
復旧
にしましても、そこだけやってもいけない、こういうように考えられるわけであります。これは
佐賀
、
長崎
、
福岡
も同じだと思うのでありますが、こういうような今度の小さい
河川
に対して、建設省並びに農林省は、そそくりの
復旧
でなくて、何か系統的の組織立った、こういう
豪雨
が繰り返されてもその
被害
をなくする、こういうような計画でも今回企図して立てられておるかどうか、その点をお伺いしたい。
山内説明員(山内一郎)
65
○山内
説明
員 その
河川
の構造物がこわれている程度によって考え方が違って参ると思いますが、今後いずれにしても
災害
が再び起きないようなつもりでやるわけでございます。非常に
災害
個所
が大きく、連続して
激甚
な
河川
につきましては、十分
改良
復旧
でやっていく。ただ、点々と
災害
個所
があるような
河川
につきましては、先ほど申し上げました治水十カ年の計画の紬に沿ってやるわけでございますが、普通
河川
の場合には現在の十カ年計画に入っておりませんので、準用
河川
に格上げをいたしまして計画の中に織り入れてやっていく、こういう考え方をいたしております。
庄野説明員(庄野五一郎)
66
○庄野
説明
員 農林関係の担当の
河川
に相なりますれば、建設省の御趣旨と同じような方向で、できるだけ取れる範囲の
改良
復旧
といった点を考えながら、
災害
を受けないように十分注意してやりたい、こういうふうに考えております。
坂本委員(坂本泰良)
67
○
坂本
委員
両方の
説明
はわかりましたが、大体そこで
災害
が起きているのは、
河川
の
堤防
が
決壊
すると、それが
農地
の
被害
あるいは
農地
関係の灌漑水路の
被害等
になって、実際の
被害個所
は建設省関係の
河川
関係か、あるいは農林省関係の
農地
関係かということが、現場に参りますとはっきりしないような
状態
にあるわけです。しかしながら、これを
復旧
するについては、国の補助金あるいは
市町村
に対する交付税によってそれを
復旧
する場合に、やはりその金の出所は農林省関係と建設省関係と違ってくるのではないか、そういう点についての、いわゆる抜本的な
復旧
をする場合において、両者の関係においてはどういうような取りはからいでその
復旧
を進められるかどうか、その点をお伺いしたい。
庄野説明員(庄野五一郎)
68
○庄野
説明
員
農地
、農業施設というものにつきましては、御承知のように哲定法によって
災害復旧
をいたしております。それから小
河川等
で
農業関係
が非常に多いという
部分
につきましても、これは
農業関係
の施設として、暫定法によって
災害復旧
をやるように指導いたしております。この区分については、県農林
当局
とよく打合わせいたしまして、二重査定にならないように、また区分も、間があいたり、あるいは重複したりしないようにという打ち合わせをいたしております。なお、
激甚
災なれば、暫定法の上に、今回の援助法が通りますと、かさ上げ、こういうことになって国の
負担
率が多くなる、こういうことになっております。
坂本委員(坂本泰良)
69
○
坂本
委員
両方の
説明
を聞きましたが、それで問題は、早くこれが
復旧
するように推進してもらわなければならぬ。建設省の方は、自分の方はできているけれども、農林省関係ができないとか、農林省関係はできているけれども、建設省関係ができていないというので
復旧
がおくれるということになると、実際の
被害
者並びに
被害
地の
復旧
というものが長引くことになりますから、この点はまた、
臨時国会
になりますと特別
委員会
が認められますから、そういう際にお伺いすることにいたしますが、いずれにいたしましても、やはり
復旧
を
促進
してもらって万全を期してもらいたい、こういうふうに考えるわけであります。 次は、今までの
被害
は、大体常識的な
被害
は、
道路
とか、あるいは
農地
とか、こういうものであったのが、今度は海の
被害
になって参りまして、問題は
農薬
のPCPの
被害
の問題になるわけですが、これは
九州
各員とも漁業組合の方々の非常な陳情を受けて、
当局
も受けておられると思うわけですが、この
農薬
の問題については、
災害
でない通常の場合についてもこれをどうするかという問題が起きまして、種々これについては検討されておると思いますが、なかなかそれがうまくいかずにやってきて、そうして今度の
災害
では、御存じのように
有明海
においては貝が死んでしまう。これに対しては専門的な
調査
等が行なわれておるのでありますが、
秋山
団長の
報告
にも、この
被害
は十億円以上に達しておる、こういうのでありまして、
熊本
県関係におきましても数億円ではないか、こういうふうに言われておりますが、この問題について農林省は何か速急に計画を立てておられるかどうか、おられれば、それをお話し願いたいと思います。
村田説明員(村田豊三)
70
○村田
説明
員 御指摘のありました
有明海
におきまする
魚介類
、なかんずく貝類の
被害
に対する
対策
でございますが、先ほど
秋山
調査
団長からの御
報告
にもございましたように、今度の
豪雨
によりまして、その
豪雨
とPCPと相互に作用したものだと存じますけれども、
魚介類
、なかんずく貝類に非常に大きな
被害
が発生したようでございます。これらにつきましては、
有明海
周辺
の関係県の知事からも水産庁、振興局双方に再三陳情もいただいております。このPCP
対策
につきましては、抜本的に
措置
を考えなければならない問題があると私どもは思います。しかし、それはそれといたしまして、当面この非常に甚大な
被害
を受けましたあの
周辺
の漁場に対する
対策
、並びに今後の善業に対する
対策
をどういうふうにするか、これは実は非常にむずかしい問題がございまして、ただいまのところ、
被害
県の方からは、漁場の清掃——貝類などか死にまして異常発酵を呈しておりますから、その漁場の清掃をやるなり、あるいは新しくそこに稚貝を放流するための稚貝の購入等について、県の
措置
なり、あるいは国の
措置
について早急な
対策
を講じてほしいという陳情があるのでございます。これらにつきまして、ただいま水産庁といたしましても係官を
現地
に派遣いたし、先般係官も帰って参りました。
現地
の事情等も十分聴取いたしておりまして、これらの
対策
を至急に立てたいと思って目下検討中でございます。
坂本委員(坂本泰良)
71
○
坂本
委員
応問もありませんから、あと一つで終わりたいと思いますが、いろいろ
災害
調査
に参りますと、われわれが想像もしない、目に見えない
被害
が出ているわけなんです。
熊本
の
三名
郡長洲町
地区
におきましては、毎年夏は金魚を養殖してこれを売る。それが大体三千万円くらいに達しておる。それが今度の
災害
で全部金魚が死んでしまった。先ほど申しました養鶏関係も数千羽死んだわけですが、長洲町
地区
の小さいところで三千万円にも達する金魚が死んでしまう。それから、これは私まだよくわかりませんですが、果樹園ですね、今度の
災害
で果樹園が非常な
災害
を受けておる。この果樹園の
災害
の
復旧
についてはどういうふうになっておるかということが一つ。 それからさらに、
地すべり
その他
豪雨
によって家がつぶれる。そうしますと、これは非常に零細な家庭が多いわけですが、畳が
災害
救助
に入っていない。それから先ほども質問がございましたが、
住宅
については、
住宅
金融公庫の貸し出しの基準によりますと、半壊以上がその対象になっているわけなんです。従って、半壊以下のものに対してはその貸付の対象にならない。だから、この点について、もちろん
臨時国会
が開かれて
住宅
金融公庫法を改正すれば別ですが、早急の問題として、こういうものについて、もっと
住宅
金融公庫はいわゆる半壊以下のものに対して融資の方法は考えられないかどうか、こういう点がたくさんございまして、
佐賀
県、
長崎
県にも相当あると思いますが、
大牟田
地区
は非常に
浸水
をいたしまして、零細な家庭が
住宅
をこわされておる、あるいは畳はもうほとんど全部使用にたえない。これは
荒尾
市、
三名
市、
山鹿
市の
各地
区でもそういう問題がございますが、そういう点について、こまかいようでございますが、やはりこういうことで、日の目を見ないと言っては失礼でございますが、この
災害
で非常に困っている人が多数あるわけです。こういう点について早急の
対策
はどうなっておるか、また現在、もう
災害
後相当日数がたっておりますが、こういう点について現実にその救済の方法をやっておられるかどうか、関係の方々の御答弁を聞きたいと思います。
村田説明員(村田豊三)
72
○村田
説明
員 金魚に対する
対策
でございますが、実はまだ関係の県から私ども金魚につきましては具体的な
報告
を受けておりません。
地元
の関係県とよく連絡をとりまして、どのような
対策
が考えられますか、検討してみたいと思います。
林田説明員(林田悠紀夫)
73
○林田
説明
員 果樹についてでございますが、果樹園が
被害
を受けておるというような場合には、これは暫定法の
適用
によりまして、
調査
しまして補助していくということになるわけでございます。それから苗木を新たに植えるとか、そういうふうな問題が出てくるわけでございますが、これにつきましては、公庫融資をいたしましたり、あるいは天災融資法の
適用
を受ける、そういうことになっている次第でございます。 それから
住宅
の問題につきましては、農林関係としましては自創
資金
というような制度がございまして、それを利用してやる場合もあるわけでございます。
沖説明員(沖達男)
74
○沖
説明
員 ただいま御質問がございました公庫融資の点でございますが、半壊について補修費を貸しつけることになっておりますが、半壊と申しましても、半分以上こわれたという意味ではございませんで、
被害額
が二割以上に及ぶものということでございます。なお、運用にあたりましては不親切なことのないように、いつも公庫の職員の指導に努めておりまして、公庫といたしましては、
災害
直後にすみやかに
地元
で
説明
会等を開きまして、融資の要領等を皆さんに
説明
をいたしております。
坂本委員(坂本泰良)
75
○
坂本
委員
住宅
公庫の点は、今具体的なお話がありまして、進められておるわけであります。ただしかし、二割以上とおっしゃいましたから、私も多少安心しましたが、その査定なんかについて、やはりこういう問題は住まいの問題ですから、一つ早急にやって融資をしてもらいたいと思います。 そのほかの答弁は、こういうようにやるのだということを御
説明
になりまして、それくらいのことは私も知っておる。それじゃそれによって、もう
災害
後一カ月にもなりますが、具体的にどういうふうに進められておるか、それをお聞きしたわけです。その点をなお御
説明
願いたいと思います。
林田説明員(林田悠紀夫)
76
○林田
説明
員 天災融資法の融資につきましては、目下大蔵省と折衝中でございまして、八月十日までに大体天災融資法の
政令
を出しまして、
地域
を指定いたしまして、それによって融資をやっていくという運びになっております。天災融資法が
適用
されますと、同時に公庫の融資もその
地域
について行なわれるようになりますし、あるいは自創
資金
についても同じように行なわれる、そういうことになる次第でございます。それから暫定法の
適用
につきましては、現在
農地
関係として
調査
をいたしておる次第でございまして、その
調査
が済み次第、予算を要求しまして補助をしていくということにいたしております。
坂本委員(坂本泰良)
77
○
坂本
委員
大体わかりましたが、そういたしますと、具体的に補助がいくとか、あるいは早急に
復旧
するという点について、実際金の問題ですから、金がいくのはまだなかなか先になるわけですね。そこで、
現地
で非常に問題は、もちろん農林省関係も建設省関係も、大体
熊本
県は本省の
調査
がきのうごろから始まるわけですね、そうすると、実際の
復旧
は延びるわけですが、緊急に復申しなければならないところは、そういう補助金等がくるのを待っておるわけに参りません。ですから、その間のつなぎ融資と申しますか、そういう点について、これは自治省の関係になると思いますが、つなぎ融資の問題、それから先ほど来御答弁がありました交付税によってその
復旧
をやる、こういうようなことについて現在もやっておられるかどうか、つなぎ融資等の点については考えておられるかどうか、またこれを現在
実施
しておられるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
高柳説明員(高柳忠夫)
78
○高柳
説明
員 私、直接の担当でございませんが、つなぎ融資の問題は、預金部の
資金
と、それから簡易保険の積立金の
資金
と両方を、従来から
災害
の場合の応急な
措置
としての融資をやっておりますので、現在、大蔵省関係といたしましては、財務局に短期の
資金
のワクを二百数十億全国で与えておりますので、そういう御
要望
には十分間に合うように
資金
的には
措置
してございます。ただ、具体的につなぎ融資を幾らしておるかという点は、ただいま資料がございませんので、また後ほど調べましてお答えいたします。
坂本委員(坂本泰良)
79
○
坂本
委員
時間がありませんから、もうやめますが、そこで、私たち
現地
を
調査
して、また
現地
の
住民
として考えることは、早急に事務
当局
でやられることはどんどんやってもらいたい。なお、いわゆる
被害調査
の面も、
市町村
、あるいは今度は県から行ってそうして応急に
調査
をする。ところが、それで信用ができずに、また今度はやはり本省の
調査
がなければ、実際の補助額、そういういろいろな点はきまらない。そういうようなことでは、やはり長くかかってしょうがない。しかしながら、もうだいぶ過ぎて、
熊本
県下
においては八月一日から建設省も農林省も本省
調査
にかかっておるということになれば、やはりこれは早急に
調査
をして、そして早くその
復旧
に着手するようにしてもらわなければならぬと思うわけです。と同時に、きょうは総理大臣も関係大臣も見えておりませんけれども、自民党の有力な
委員
も来ておられますが、やはり今度の
災害
については、先ほど
井手
委員
が官房長官に質問されましたように、四百六十億に達しておる。これをやるには、今新聞で発表されているように、予備金等ではとうていだめじゃないかと思うのです。従って、幸いあさってから
臨時国会
が開かれますから、法規の改正等についてはもちろんでありますが、こういう
九州
の
災害
を
復旧
するにおいては、どうしてもやはり補正予算を組んで、そうして抜本的な
復旧
を実行するというのでなければならないと思うわけであります。従って、あさってから
臨時国会
が開かれますから、いろいろ先ほど
報告
がありました十万円以上のワクを三万円に下げるとか、そういう点は、法の改正、さらに補正予算を組んで、そうしてこの北
九州
の
災害
を早く復申してやる、こういうことに対して、本日は
政府
の責任者がおられませんから、自民党、社会党の本
委員
の方々に特にお願いをいたしまして、実現できるように
要望
いたしまして、質問を終わります。
秋山委員長代理(秋山利恭)
80
○
秋山委員
長代理
玉置
君。
玉置委員(玉置一徳)
81
○
玉置
委員
時間がありませんので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。 一番初めに、
国鉄
の
復旧
のあり方につきまして局長にお伺いしたいと思いますが、
災害
が起こりました場合に、国道といい、あるいは
国鉄
といい、一日もすみやかに万難を排して
復旧
することが、
災害
地の経済的な混乱と社会不安をなくすゆえんだと思います。従って、従来ともそうでありましたが、今度も、見て参りましたところ、
ボタ山
の方は三交代で
自衛隊
でやっていただいておりますが、
長崎
本線の肥前大浦駅と多良駅の間は、あの
復旧
は、下関
工事
事務所の所管でありますか、
福岡
鉄道
管理局の所管でありますか。
山口説明員(山口和雄)
82
○山口
説明
員 管理局でございます。
玉置委員(玉置一徳)
83
○
玉置
委員
そこで、われわれが行きましたあれでは、みんな五時ごろに汽車に乗って帰りますところを見れば、昼夜作業を行なっていないような感じがするのですが、
国鉄
の
災害復旧
のあり方の建前はどうなっておるか、お答えをいただきたい。
山口説明員(山口和雄)
84
○山口
説明
員 ただいまの御質問にお答えいたしますが、
国鉄
といたしましては、
災害
の場合に、応急につきましては、できるだけ早く列車を通すように
昼夜兼行
でやるというのが建前でごございます。大浦付近につきましては、私その件を詳細存じておりませんが、機械その他今までの様子から聞きましても、相当困難な
個所
であったということは聞いております。
玉置委員(玉置一徳)
85
○
玉置
委員
肥前大浦駅にたまっております
土砂
は機械でおやりになっておりまして、その手前の方の多良駅との間は主として人力しか使えないところで、人力を使っておるように思いましたけれども、昼夜作業をやっておるようにはわれわれ見受けられませんでした。私は、
国鉄
の
災害復旧
のあり方は、従来とも
昼夜兼行
で一応通すということにやっておいでになったように思っておりましたが、さように思いましたので、一つお調べをいただいて督励していただきたい、かように思います。 二番目に、通産省の方にお伺いしたいのですが、
ボタ山
の問題あるいは一般の鉱害の問題を
災害
地に行って伺いましても、非常にわれわれが感じますのは、鉱業法があまりにも鉱業権者の私権を守ることに一生懸命になっておるような法律であって、そういった鉱害もしくはこういう
災害
時を考えましたときに、もう少し社会公共という観点からもう一度見直さなければならない時期にきておるのではないかと感じますが、一つ御意見をお伺いしたい。
加藤説明員(加藤悌次)
86
○加藤
説明
員 ちょっと所管外でございますので……。
秋山委員長代理(秋山利恭)
87
○
秋山委員
長代理 聞いてよく調べて下さい。
加藤説明員(加藤悌次)
88
○加藤
説明
員 かしこまりました。
玉置委員(玉置一徳)
89
○
玉置
委員
その次に、一言でけっこうでございますが、
河川局長
にお伺いしたいのは、先ほどから御意見なり御質疑がございましたが、どこに行っても、このままの計画の繰り上げ施行だけでは満足がいき得ないというのが
災害
地の状況だと思います。予算の関係もいろいろあると思いますけれども、
災害
特別
委員会
、それから
国会
が全部で、すみやかに根本的に改定しろという
要望
を出したときには、一体どういうようにされるか、お伺いしたい。
山内説明員(山内一郎)
90
○山内
説明
員 今のところ、繰り上げでいくか、改定でいくかということは、事務的にはきめておりませんが、
国会
でもし御決議になるというような場合には、その趣旨の線に沿いましてわれわれは努力する、こういうことになると思います。
玉置委員(玉置一徳)
91
○
玉置
委員
ついでで恐縮でございますが、
改良
復旧
ということを非常にやかましく皆さんでおっしゃっております。もうそれしかしようがないと思うのですが、
原形復旧
では、こうたびたびきたのでは話にならぬ。そこで、
改良
復旧
の
補助率
が今の二分の一では、実際問題として、ものすごい
災害
を受けた
地域
にとっては重荷だと思うのです。従来のような思想からいえば二分のでけっこうだったのかもわかりませんけれども、ほとんどすべてが
改良
復旧
、
関連工事
をやらなければならないというようなこういう時代になりますと、二分の一は低きに失する、こう思いますが、いかがであるか、御意見をお聞きしたいのと、もう一つは、
各地
に行きまして、さすがに
災害
常
襲地帯
はそれだけの工法ができておるなということを、私は島原の近くの補助
河川
をずっと見て回りまして感心しましたのは、裏子段を四輪車の小型が通るぐらいなものをコンクリートでいたしまして、一メートルか五十センチほどコンクリートで固めておる。ああやれば二度と
災害
にあうことがないんじゃないか。府県の課長連中は
各地
をお回りになって検認をされておりますけれども、そうじゃない方は、主としてそこの地で一生お暮らしになることが多いと思う。従って、
各地
のそういう工法の妙法を査定官が行って指導するのだと思いますけれども、もう少しお互いに勉強した方がいいのじゃないか、こういうように思うのですが、この二つの問題について御意見をお伺いしたい。
山内説明員(山内一郎)
92
○山内
説明
員
災害
関連事業の
補助率
の問題でございますが、現在のところ、二分の一を特に上げてくれという
要望
は聞いておりません。従って、今後よく
地方
の
要望
を聞きまして、それに対処したいと思っております。 それから工法の点は、やはり査定官が全国を回ってみますと、県によって、県の慣習といいますか、それによって多少違っております。そういう点は、査定官が、いいところの県はそれでようございますが、おくれているような県につきましてはよく指導して、査定の場合に直させるというような方法をとっております。
玉置委員(玉置一徳)
93
○
玉置
委員
もう一つ、
地すべり
対策
でございますが、
福岡
県下
を見て参りましたが、結局、真下に人家がございますときに、これはとまるんでしょうか、どうなんでしょうかというので、みんな避難しているわけです。あぶないならあぶない、絶対大丈夫なら大丈夫ということを、すみやかにだれかが来て言ってくれというみんなの
要望
ですが、みんなで見ておりまして、結局そんな大きな山をどういうことをしたってちょっと手がつかない、すみやかに民家を移転さすことが一番早いんじゃないか、その方が金が要らぬというようになっておりますけれども、町村長さんが移転命令を出しておいでになりますが、びた一文出ない。そうかといって、いつまでも逃げておるというわけにいかない。
住宅
対策
としては今は補助金がもしも出せぬなら、
住宅
地だけは補助する、その他はほんとうに長期で無利子に近いこういうのがあるから、引越したらどうですかというように言わなければ、現行法では手がつかないのじゃないか、こう思うのですが、こういうことについてどういうように今後お考えになるか、お答えをいただきたい。
沖説明員(沖達男)
94
○沖
説明
員
地すべり
の
地域
につきまして、知事が
地すべり
の移転に関する事業計画を定めますと、その事業計画に基づいて
家屋
を移転するという場合には、
住宅
金融公庫からその移転費について融資をすることになっております。
玉置委員(玉置一徳)
95
○
玉置
委員
その手続の問題でなしに、今のままではちょっと手がつかぬ、無利子、少なくとも長期五十年ぐらいのことをせなければ、出ていく者はおらぬのです。そういう点について今後すみやかに検討をいただきたい、こう思います。 最後に、これはもうお話しになりましたから、希望だけしておくわけですが、
漁民
、ことに沿岸
漁民
につきましては、農家よりも生活その他が苦しいわけですから、天災融資、自創
資金
、漁場
復旧
というような、農家に対するより以上のお手当てを一ついただきたい、かように思います。官房長、一つよろしくお願いしたいと思います。
井手委員(井手以誠)
96
○
井手
委員
ちょっと関連して。本日は
臨時国会
直前の特別
委員会
でございまして、
報告
が主体でございますから、たくさんの質問がございましたが遠慮をいたしました。ただ、今まで答弁を聞いておりますと、
災害
という緊急事態に対する答弁としてはいささか足りないのです。非常に私は不満に存じます。特に
国鉄
の施設局長の答弁に対して、私は非常に不満であります。私は先日わざわざ本社に
長崎
県の実情について
調査
をお願いいたしまして、門司の管理局長に来ていただきました。私は、
国鉄
については
地方
議会では取り上げることが困難でございますから、この
国会
で十分取り上げたいと存じますが、ただいまの施設局長の御答弁ではきわめて不十分でございます。本日はいろいろ申し上げませんが、特に先刻
調査
団の
報告
にありました
長崎
本線並びに
大村
線の、あの
鉄道
の
道床
を高く築いてあるために、それが
堤防
の役割を果たして、たくさんの人家が屋根までつかった実情を私はよく知っております。その実情をこの間
調査
してもらいました。その
調査
の結果があなたの方に
報告
があったかどうか、私はあとでお伺いいたしますが、ただいまの御答弁のようでは、私は非常に心もとないと思っております。十分その点は門司の管理局長に
報告
を求められて、
臨時国会
における特別
委員会
で——これは設置されることは間違いございませんが、特別
委員会
で十分な答弁ができるように、御用意を
要望
いたしておきます。
秋山委員長代理(秋山利恭)
97
○
秋山委員
長代理 永田君。
永田委員(永田亮一)
98
○永田
委員
時間がおそくなったから、簡単に御質問いたしますが、厚生省の
環境衛生局
長さん、一つ明確に答弁をしていただきたいと思います。 この前の
災害対策
委員会
で御質問をいたしまして、考慮するというお約束でございましたが、実は私の郷里の淡路島の南部のタマネギの
被害
の状況であります。六月の上旬から中旬にかけて
梅雨前線
の
集中豪雨
がありまして、二昼夜から三昼夜にわたって水びたしになったわけであります。淡路島の南部の方は、冬作は麦を作らない、大体タマネギばかり作っているわけであります。一般の淡路島を御存じない方は、淡路島なんてちっぽけなところで、大した広いところもないし、タマネギも大してありはせぬだろうとお思いになるかもしれませんけれども、淡路島と申しましてもなかなか広うございまして、一千ヘクタールぐらいのところに
被害
が起きたわけであります。そのタマネギがちょうど収穫の直前でありましたので、水を二昼夜か三昼夜かぶりますと、人間が水死体になったときみたいに水ぶくれになってしまう、それでみんな腐るわけなんです。これはそのあと稲を植えるわけなんですが、普通のものが腐った場合には、ほうっておけば肥やしになるわけで、一向差しつかえないのですが、タマネギは腐ると有毒なガスを発生しまして、あと稲を植えてもみんな枯れてしまうのです。そのタマネギを引き抜いて捨ててしまったあとでないと、稲が植えられない。そういうことで、百姓はみんな腐ったタマネギをあわてて道ばたへどんどんほうり出したわけです。そのために道ばたが山のようなタマネギで、これがじゃまをしまして、私なんかも、その
災害
の直後に行ったときは、タマネギが道ばたに山のようにずっと何町も続いておって、自動車が通れない。二週間ぐらいして行ったときには、だいぶ片づけてありましたが、それでもタマネギが腐って自動車がすべってしまって、あぶなくて通れないくらいになる。とにかく、えらいくさいにおいで、鼻をつまんで目をつぶって通らないと通れないというような
状態
であります。川へ捨てたものは海へ流れていって、海岸に養殖してあったハマチがみんな死んでしまう。それから海岸へ打ち上げられたところが、海水浴場、国立公園がございますが、そういうところは、タマネギの腐ったのが一ぱい打ち上がってきてしまったものだから、海水浴目当てにしておったところがお客さんがみんな来なくなってしまって、えらい損害を起こした、そういう派生的なこともございました。 厚生省の
環境衛生局
長さんに申し上げたいのは、そのタマネギをほうっておくと、腐ったやつにウジがわいて、ハエがたくさんに発生します。それから蚊がわいたりして、とてもその町の者はたまったものではないのです。町としても、町長を初め、ほうっておくと伝染病が発生するし、とにかくハエを発生させないようにしなくてはいかぬというので、あわててダンプカーとかトラックを何十台と動員しまして、人夫を雇って町の道端に積んであるのを持っていって捨てるわけなんです。捨てる場所がまた大へんなので、川へ捨てれば今言ったように魚が死んでしまうし、海水浴場に
被害
を与える。仕方がないので、穴を掘ってそこへ埋めるのですが、何千万貫というタマネギですから、なまやさしいものではないのです。町としても非常な
負担
をかけて、ほうっておくわけにいかぬから、自分で町会を開いて臨時の追加予算を組んで、人夫賃とかトラックの雇い代とか、そういうものをみんな支出してやっておるんです。大体もう片はついたと思いますけれども、そのために町としても非常な思わざる出費を来たして、町の赤字が大きくなって、四苦八苦しているわけです。こういう
状態
になっておりますので、環境衛生の立場から清掃法の
適用
を受ければ国から半分補助が出るというので、町としても非常に助かるわけなんでして、
適用
を受ければ、あとの半分は自治省にお願いして特別交付金なりあるいは起債か何かでやっていけるわけですから、ぜひともこの実情を御勘案いただいて清掃法の
適用
をしていただきたい。この点について御意見を承りたいと思います。
五十嵐説明員(五十嵐義明)
99
○五十嵐
説明
員 ただいま御質問のタマネギの腐敗した大量の汚物の清掃につきまして、清掃法の
適用
によって補助金を出せないかというお尋ねでございますが、この事情につきましては、私ども
災害
の直後にすでに
地元
の方からいろいろ状況の御
報告
を受けておりまして、また写真等によりましても実情をよくお伝えいただいておりまして、作物がとれなかった上に、非常に大きな
被害
が生じているということでありまして、しかも環境衛生上ゆゆしい問題であるというような
地元
の事情もよく承知いたしておるわけであります。この件につきましては、従来、こういった
災害
に基づく清掃事業につきまして、
予算措置
といたしまして、ただいま御質問の中にもございましたように、二分の一の
予算措置
をいたしておるわけでございますが、今回の淡路の問題につきましては、ただいま、かなりおくれて参りましたが、
地元
から詳細な金額を入れました資料をちょうだいいたしましたので、この
災害
に対処いたしまして、何とか
地元
の環境衛生を完全に保っていくという方向で処理できないかということを今検討いたしておるわけでございます。ただ、この問題につきましては、従来の
予算措置
の場合と違いまして、困難な事情が一つございます。それは、従来の慣例といたしましては、そういった清掃事業につきましては、一つは
災害救助法
が
適用
されているということと、それからその
地域
が清掃法でいいます特別清掃
地域
であるというようなことが一つの問題点になるかと思います。しかし、今回の
災害
は非常に大きな環境衛生上ゆゆしい問題だと存じますので、私ども入手いたしました資料を基礎にいたしまして十分検討いたし、また大蔵省とも御相談をいたしまして、できるだけ御趣旨に沿うような方向で検討して参りたい、かように考えております。
永田委員(永田亮一)
100
○永田
委員
御事情はよくわかりましたが、これは当該町村長なりが非常に機敏な
措置
をとって、自分で自腹を切ってどんどん片づけたから割に早くきれいになりつつありますが、これをほうっておいたら、必ず流行病とか——とにかくウジ虫が一ぱいわくのです。あのくさいタマネギを好きな虫もいると見えて、われわれなら鼻をつまんで通るのだけれども、目がいたくなるようなタマネギに一ぱい虫がわくのです。ほうっておいたら流行病が発生し、伝染病が蔓延して、厚生省はそれで跡始末に大へんな、何倍もかかっただろうと思うのです。それを早く町の方で処理したからそういうことはなかったわけですから、あまりしゃくし定木なことを言わないで、そういうことになったことを考えれば、国としても大きな損をするのだから、そういう
措置
をとった
地元
のやり方についてもよく考えていただいて、ぜひ清掃法を
適用
してもらうようにお願いします。 それから自治省の方に、清掃法が
適用
された場合に——
適用
されると私は思っているものですから、その場合に、あとの半分の財政
措置
について、町としても思わざる赤字ができて町財政が非常に逼迫しておりますので、残りの分について特に考えていただきたい。どういうふうにお考えいただくかについて、一つ御意見をお伺いしたいと思います。
茨木説明員(茨木広)
101
○茨木
説明
員 ただいまの問題でございますが、この前、関係者の方々から写真等によって陳情を受けまして、自治省といたしましてもいろいろ検討を加えております。ただいま御意見のように、清掃法上の問題として厚生省さんの方でお取り組みいただいておりますので、その結果を見まして、特別交付税の方の決定時期でございます第四・四半期になりますが、その時期におきまして検討いたしたいと考えております。
永田委員(永田亮一)
102
○永田
委員
それでけっこうです。 それから、これは結局大蔵省と御相談になって、清掃法の
適用
を受けるかどうかということをきめられるのだと思いますが、先ほど来私申しましたような事態でありますので、大蔵省としても、ぜひこの清掃法を
適用
するということに反対をしないように一つお願いしたいと思います。 以上です。
—————————————
秋山委員長代理(秋山利恭)
103
○
秋山委員
長代理 台風第七号による
被害状況
について資料が提出されておりますので、この際、農林省及び建設省から簡単に
説明
を聴取いたします。林田官房長。
林田説明員(林田悠紀夫)
104
○林田
説明
員 農林省関係の台風七号による
被害
の状況を御
説明
申し上げます。 お手元に資料がお配りしてありますが、七月災と申しますのは、今回の台風七号ではなくて、その右に台風七号というのが書いてあります。それによりまして、
農地
、
農業用施設
、海岸、これが三億七千三百万円、それから
林業関係
が二億三千百万円、漁業関係が漁港その他で一億七千二百万円、そのほかに、畜産の施設あるいは開拓関係、国有林、森林開発公団、そういう施設関係、合計いたしまして八億二千百万円でございます。 そのほかに農林水産物の
被害
があるわけでございますが、
農作物
につきましては目下
調査
中でございます。家畜につきまして六十一万九千円、林産物が千六百万円、水産物が千六百万円、以上の通りでございます。
山内説明員(山内一郎)
105
○山内
説明
員 お手元に資料が配付してございますが、この資料の一ページに、
公共土木施設
の
被害
の総括が書いてございます。直轄
災害
が一億四千六百万円、補助
災害
が二十二億三千三百万円、合計いたしますと二十三億七千九百万円、その
内訳
が二ページ以降に書いてございます。 二ページは
直轄河川
の
被害
の状況でございまして、近畿
地方建設局
管内の紀ノ川、中部
地方建設局
管内の菊川、大井川、この三
河川
でございます。水位の状況、
雨量
の状況、
被害
の状況、ここに書いてある通りでございます。 三ページは補助
災害
でございまして、各県から
報告
を取りました数字が集計してございます。静岡県が二百八十二カ所で四億五千六百万円、愛知県が二百九十一カ所で二億八千五百万円、三重県が三百八十九カ所で三億八千四百万円、滋賀県が百七十四カ所で三億七千六百万円、奈良県が二百七十九カ所で三億二百万円、大阪が八カ所で七百三十五万円、和歌山県が四百七十九カ所で四億二千百万円、全部で一千九百二カ所で二十二億三千三百万円、こういうような状況でございまして、静岡、和歌山、三重、滋賀、奈良というような順番で
被害
がございます。 四ページは
住宅
の
被害
でございまして、ここに書いてある通りでございますが、警察庁の調べをここに掲げた次第でございます。 以上、簡単でございますが、
報告
を終わります。
秋山委員長代理(秋山利恭)
106
○
秋山委員
長代理 本日はこれにて散会いたします。 午後一時三分散会