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1962-01-31 第40回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年一月三十一日(水曜日)    午前十時五十九分開議  出席委員    委員長代理理事 古川 丈吉君    理事 秋山 利恭君 理事 生田 宏一君    理事 永田 亮一君 理事 角屋堅次郎君       浦野 幸男君    大野 市郎君       金子 一平君    仮谷 忠男君       纐纈 彌三君    薩摩 雄次君       首藤 新八君    正示啓次郎君       壽原 正一君    辻  寛一君       渡海元三郎君    原田  憲君       前田 義雄君    宮澤 胤勇君       保岡 武久君    小林  進君       島本 虎三君    田口 誠治君       楢崎弥之助君    二宮 武夫君       玉置 一徳君  出席国務大臣         自 治 大 臣 安井  謙君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長     江守堅太郎君         文部事務次官         (管理局長)  杉江  清君         農林政務次官  中馬 辰猪君         農林事務官         (農地局長)  庄野五一郎君         林野庁長官   吉村 清英君         建設政務次官  木村 守江君         建 設 技 官         (河川局長)  山内 一郎君         建設事務官         (住宅局長)  齋藤 常勝君         自治政務次官  大上  司君  委員外出席者         農 林 技 官         (農地局参事         官)      堀  直治君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      林田悠紀夫君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部金融課長) 秋本  保君         自治事務官         (財政局理財課         長)      茨木  広君     ————————————— 一月三十一日  委員早川崇君及び吉村吉雄辞任につき、その  補欠として浦野幸男君及び楢崎弥之助君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員浦野幸男君及び楢崎弥之助辞任につき、  その補欠として早川崇君及び吉村吉雄君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 一月二十五日  昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六  月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の  水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震  による災害を受けた地方公共団体起債特例  等に関する法律の一部を改正する法律案内閣  提出第二九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六  月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の  水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震  による災害を受けた農林水産業施設災害復旧  事業等に関する特別措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第五号)昭和三十六年六月及び  十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若  しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による  災害を受けた公共土木施設等災害復旧等に関  する特別措置法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇号)  昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月  の天災についての天災による被害農林漁業者等  に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用  の特例に関する法律の一部を改正する法律案(  内閣提出第一六号)  昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六  月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の  水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震  による災害を受けた地方公共団体起債特例  等に関する法律の一部を改正する法律案内閣  提出第二九号)      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長代理 これより会議を開きます。  委員長指名によりまして私が委員長の職務を行ないますので、御了承を願います。  この際、去る二十五日、本特別委員会に付託になりました内閣提出にかかる昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体起債特例等に関する法律の一部を改正する法律案議題とし、その趣旨説明を求めます。安井自治大臣
  3. 安井謙

    安井国務大臣 ただいま議題となりました昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体起債特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由要旨を御説明申し上げます。  昭和三十六年五月から十月上旬までの間に発生した各種災害により甚大な被害を受けた地方公共団体につきましては、前国会におきまして、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体起債特例等に関する法律の制定を見、これに基づきまして地方債発行特例等が認められることとなったのであります。しかるに、同年十月中旬以降下旬に至るまでの間におきまして、台風二十四号及び二十六号並び集中豪雨によりまして各地に多大の被害を見るに至ったのであります。この状況にかんがみまして、十月中下旬の水害または風水害につきましても、地方債発行等にかかる特例措置を適用し、もって被害を受けた地方公共団体財政運営円滑化と小災害復旧事業促進をはかろうとするものであります。  以上が、この法律案提案理由であります。  次に、この法律案内容につきまして御説明申し上げます。  第一は、地方税等の減免により生ずる財政収入の不足を補うため、または災害対策に通常要する費用をまかなうために、地方債をもってその財源とすることができる地方公共団体に、十月中旬及び下旬の水害または風水害を受けたものを追加しようとするものであります。  第二は、公共土木施設及び農地等の小災害復旧事業にかかる地方債について元利補給金を交付する地方公共団体に、十月中旬及び下旬の水害または風水害を受けたものを追加しようとするものであります。  以上がこの法律案要旨でありま  す。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  4. 古川丈吉

    古川委員長代理 これにて趣旨説明は終わりました。     —————————————
  5. 古川丈吉

    古川委員長代理 本案、及び前回の委員会ですでに趣旨説明を聴取いたしました昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設災害復旧事業等に関する特別措置法の一部を改正する法律案外二案を一括議題とし、質疑に入ります。  質疑の通告があります。順次これを許します。二宮武夫君。
  6. 二宮武夫

    二宮委員 昨年十月の下旬における集中豪雨による災害、これに対する復旧措置の問題でございますが、これは御承知のように、前国会における災害特別立法で十四の法律を成立させて、今読み上げましたような各種災害復旧に対して、政府はその施策を進めていただいておるわけでございます。特に、会期末であるという非常な事態の中から、やむを得ず、十月二十六日以降、下旬の集中豪雨というものはその対象にすることを省略いたしたわけでございます。今回、そのうちの四つだけが十月下旬の集中豪雨に適用される、こういう内閣法律案提出があったわけでありますが、私も特にそれに関係のある地方の者といたしまして、この法案が早期に成立いたしまして、前の臨時国会の際に政府が約束いたしましたように、行政措置で他の被災県と差別待遇のないように対策を進めていく、こういうことになっておることに対しましては、われわれ非常に敬意を表するものでございます。ただ問題は、そのときの約束の、政府責任において行政指導の面から差別待遇をしないと言明された問題が、この十四の立法の中になお抜けておるという問題が相当にあるのではないかということが心配されるわけでございます。そこで、運用の問題、あるいは法の対象にするいろいろな内容の問題について、しごく簡単に御質問して答弁を得たいと思います。  繰り返して申しておきますが、四つ法案についてとやかくは申しません。これは審議の終わったことでございます。これが二十六日以降の集中豪雨に適用されるということには、何も文句がないわけであります。そこで、次々に十四の立法内容考えて参りまして、政府責任行政措置の上において差別待遇をしないと言われた問題で、その後、法の対象にならないということになった問題を、どのようにして、当時の責任においてやると言われたことが食言にならないように措置をされておるかという問題をまずお聞きしたいのでございます。  建設政務次官にちょっとお尋ねいたしますが、災害地を見て参りまして、災害復旧の実際の仕事を進めて参ります上に非常に心配になります問題は、いわゆる人夫に対する労賃の問題をどのようにやっていくかという問題でございます。これはたまたま淡路島災害地を私が見て参りましたときに、地元から非常に切実な要求がございました。PW方式によって賃金をきめて参りますと、近くに工業地帯を持っておりまして、一方は五百十何円ぐらいで労賃が出されている、ところが、一方では千円で人夫を雇うというような、そういう立地条件の場所にPWできめた労賃を適用してみましても、人が集まらない、そこで災害復旧が思うように参らないというような実態があるわけであります。これらに対して一体どういう措置をして災害復旧促進していくかということが問題になるわけでございます。これは地方行政委員会では意見を聞いているわけでございますが、災害対策特別委員会一つ建設省責任者として御答弁を願いたい。
  7. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいま二宮委員からの御質問でございますが、御承知のように、最近の労賃値上がり等がありまして御質問のようなことに相なると思うのであります。御承知のように、事業施行にあたりましては、基本線といたしましてはあくまでもPWを基礎といたしておりますが、地方の事情並びに実態に即応いたしまして、事業施行の面において勘案をして万遺憾のないように措置をしていこうと考えております。
  8. 二宮武夫

    二宮委員 それでは、私は具体的に例をとって申し上げます。たとえば淡路島の洲本という町で、人夫労賃が、PWで参りますと、土工で大体五百十五円ぐらいになる。ところが、すぐ近くに千円ぐらいでさっさと雇うところがあるわけです。そういうことになる際に、一体具体的にどのようにしてそこに労働力を集める対策ができるか、これはなかなかむずかしい問題ではないかと思うのです。おざなりな、その場を糊塗するような方針では、基本的に問題は解決しないと思うのです。今私は具体的な例をあげたのですから、それに対して具体的な御答弁をいただきたい。
  9. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいま計数をあげられての御質問でありますが、御承知のように、災害の問題でありますから、事業そのものを短縮して労賃を高くするというようなことには参らないと思いますが、適正な、その地方災害復旧ができ得るような労賃を支払いまして、あとからそれを補正して参るような措置をとっているような次第であります。
  10. 二宮武夫

    二宮委員 厚生省、文部省、通産省の方はまだお見えでないのですか。
  11. 古川丈吉

    古川委員長代理 見えておりません。
  12. 二宮武夫

    二宮委員 お見えになっているところの関係法律というのは、実は先ほど申し上げましたように、いいのです。もうこれで文句は何も申し上げる必要はないのです。ただ、ほかに抜けておるところで、ここにお見えになっておらない省のところが実は心配になる問題のところなんです。そこが来ていただかないと——この四つ法律についてはいいんですから……。すぐ見えますか。見えなければ、午後にしてもいいです。
  13. 古川丈吉

    古川委員長代理 それでは、二宮君の質疑あとにしていただきまして、玉置君にお願いいたします。
  14. 玉置一徳

    玉置委員 建設政務次官にお伺いしたいのでありますが、災害が昨年度だけでも数度にわたり、毎年こうやって参るわけです。戦後たしか十カ年の毎年平均が二千四百億円、そのうち、約千四百億円くらいが公共事業だという災害を受けておるように承っております。毎度災害特別委員会お願いをしておるわけですが、治水費を将来にわたって思い切ってふやすことによりまして、災害を繰り返さず未然に防いだ方が、財政的にもよほどいいんじゃないか。そこで、もう一度お伺いしてみるのですが、政府は思い切ってこの際治水十カ年計画を変更する意思があるかどうかということであります。
  15. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいまの御質問でありますが、御承知のように、毎年繰り返す災害によって甚大な損害を受けておることは、今さら申し上げる必要がないのであります。こういうような災害を幾分でも減少せしめていかなければいけないというところから、昨三十五年度から治水特別会計を作りまして、その抜本的な方法を講じて参りたいと考えて参ったのでありまするが、その後の災害状況にかんがみまして、さきに作りました治山治水特別会計におきましては、その期待に対して万全の対策を立てるということがなかなかできないような状態に相なったのであります。御承知のように、本年度治水事業費といたしまして、昨年度より一八・七%の上昇を見ておりまするが、さきに立てました治水五カ年計画の四千百億円の事業実施して参りますためには、明年度からはわずかに七・二%の上昇でいいというような状態になりまして、昨年の予算よりもことしふえた一八・七%よりも、その半分にも及ばない伸び率でいいというような状態に相なりまして、実際問題としては皆様方の御要望に沿うような状態にはなっていかない、そういうところから、これは将来災害を防止して損害を減少せしめて参りますためには、新たに治山治水計画を立て直していかなければならない状態にあるのではないかというようなことを考えておりまして、建設省におきましても内々そういう問題で検討いたしておる次第でございます。
  16. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、山内河川局長にお伺いするのでありますが、全国災害の常襲地帯というものは大体もうわかっておるのじゃないかと思うのです。たとえば京都におきましては、淀川桂川由良川というようなところが毎年繰り返して受けておるわけであります。こういうところに対して根本的な解決促進するような特別な予算措置をお講じになる意思はないか。
  17. 山内一郎

    山内一郎政府委員 ただいま御指摘がございましたように、木津川宇治川、あの周辺は年々災害を受けている状況でございます。それに対しまして、先ほど政務次官が言われましたように、現在治水十カ年計画によってやっておりますが、これでは不十分であるというので、来年度の現在の予算案では、極力それを繰り上げ施行する、こういうことでやって参っておるわけでございますが、ある特定の地域だけつかまえて何か特別な措置をやるということは、そういう個所が非常に全国的に多うございますので、やはり総合的に全体計画を作りまして、それを改訂あるいは促進をする、こういう方向に進む方がいいのではなかろうか、こういうふうに考えております。
  18. 玉置一徳

    玉置委員 この連年災害を受けます地帯根本的解決を見ますまでの間、あるいは五年間あるいは十年間という長日月を要すると思います。その間同じようなことを繰り返すわけなのです。そこで、その間繰り返す災害に対して、建設省もしくは農林省等で特別な措置を講ずる必要があるのではないかということを痛切に感ずるわけです。たとえは、農林省で申しますと——農林省に移りまして恐縮なのですが、普通の災害補償法では事足らぬのではないか、そういうところだけは政府で掛金を見てあげるというような措置が要るのではないだろうか、あるいは建設省の方でも何らかの措置を講じてやるとか、あるいはその他の各省で講じなければいかないのではないかということを、私たち災害各地を回らしていただきまして痛感するわけでございます。  これに関しましては、官房長官その他の方々がおいでになりましたときにお伺いすることといたしまして、今お話——ちょっと具体的に入りまして恐縮ですが先般私は京都並び三重を見させていただいたわけですが、京都上桂川の亀岡、三重県の伊賀上野は、全く狭窄部で押えられまして、一年にはなはだしいときは三回近い被害を受けておるということでありますが、上桂川の方も上流部二カ所のダムサイトを用意されております。由良川の方も二カ所ダムサイトを用意されておるように伺うわけです。こういうことにつきまして具体的にはどうなっておるか。それから宇治川の、宇治の六地蔵——京都市の一部でありますが、これも地建の方のお話によりますと、三十七年度から計画は三カ年だけれども、建設省の方の予算が許し得れば三十七、八の二カ年で完成をしたいのだという希望が非常に熾烈であります。これに対してどういう措置をおとりになるか、河川局長にお伺いを申し上げます。
  19. 山内一郎

    山内一郎政府委員 上桂川のような、あの狭窄地点がございまして、その上流地域が絶えず災害のときに冠水を受ける、こういうことに対しましては、根本的には、上流ダムを作りまして洪水を一時貯留する、こういう方法以外に根本的な方法はないと思います。従って、そういう方向に現在極力ダム調査をやっておりますが、地元のある程度の反対もございますし、なかなか思うようには調査の方も進捗をいたしませんが、今後大いに努力をして参りまして、そういう湛水区域解決に資したい、こういうふうに考えております。  なお、由良川につきましては、やはり似たような狭窄がございますが、これは改修によりましてある程度広げる、そのかわり、上流の、現在大野ダムは完成いたしておりますが、もう一カ地点については極力調査をいたしている段階でございます。  なお、宇治川堤防のない地帯から洪水が入る地域につきましては、現在いろいろ検討いたしておりますが、三十七年度から堤防工事に着工したい、こういう方向に向かって検討している最中でございます。
  20. 玉置一徳

    玉置委員 それに関連いたしまして、私が常々お願いをいたしておりました内水の問題につきましては、本年度からいよいよ調査にかかり、これが解決に一歩進んでいただくように承りまして、非常に喜んでおるわけでありますが、大体どういう方向で、どういうところから手を打っていきたいというお考えがございましたら、この際一つお聞かせをいただきたいと思います。
  21. 山内一郎

    山内一郎政府委員 内水対策の問題は、昨年のたびたびの激甚の災害によりまして非常に痛感されるところでございまして、来年度予算折衝の際も、極力大蔵省に折衝して、ある程度その対策費は現在予算案の中に入っておる状況でございます。しかし、どのくらいの水を排水するかという問題、どういう地域が影響するか、そういう点が非常にございますので、調査を十分にいたした上そういう工事にかかって参りたい、現在調査がほとんど終わるようなところは来年度からでも着工する、こういうような考え方で現在やって参っているわけでございます。
  22. 玉置一徳

    玉置委員 災害特別立法をそのつど立案されておるわけでありますが、この問題につきましては、なるべくすみやかに一本の恒常的な立法にしていただきたいというのが全国の声だと思います。これにつきまして、新聞を見ておりますと、近くそういう方向努力をされるような趣と拝承するわけでありますが、どういうようなお考えであるか、委員会一つ政務次官からお答えをいただきたいと思います。
  23. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいまの御質問でありまするが、御承知のように、災害基本法におきましては、災害のたびに特別立法を作るというようなことではなく、その恒久的な法律を作成すべきだというような御趣旨でありますので、この恒久的な法律の立案のために各省目下折衝中であります。
  24. 玉置一徳

    玉置委員 先般の災害で私たちが見て参りましたうちでは、一番困難な問題だと思いましたのは、三重県のノリ被害と、三重県並びに京都府の稲木の問題だと思います。この地方に参りますと、せっかく収穫いたしましたものが稲木のままですっかり流されてしまったというようなことは七十年来なかった話だというので、非常に農民諸君はがっかりしておる。一反歩当たり稲木の代金にいたしましても一万数千円を要するように承っております。これにつきましてどういうようなお取り扱いをされるか、この際、中馬政務次官からお答えをいただきたいと思います。
  25. 中馬辰猪

    中馬政府委員 稲のはざ木流失等につきましては、はざ木は、経営資金にいうところの、その他の農林漁業経営に必要な資金という範疇に入れるものといたしまして、取得並びに復旧を認め、融資の対象といたしております。  ノリ養殖施設被害並びにその対策につきましては、台風第二十四号で約二億七千万円、二十六号で十三億六千万円、合計十六億三千万円となっており、被害が非常に激甚でありましたので、第二室戸台風の際にとった特別の措置と同様の措置をとりたいと考えております。
  26. 玉置一徳

    玉置委員 最後建設省農林省一つずつお伺いいたしたいのであります。  農林省の方でありますが、今度の災害によりまして、先ほどもお話がございましたが、災害時は非常に人夫賃が高騰いたします。それの査定というものは、実際にかかりました人件費の六割くらいの程度じゃないかと考えるのですが、せっかく特別立法でもって、何割の補助金だ、高率補助をいただくということになっておりますのに、いよいよ査定を受けまして、みんながっかりしておるというのが現状でございますが、これを将来、実際にほぼかかったと思われる費用を何か有権的に調査をされまして、そういう基準によって補助金を支給するというような工合にやってもらえないかどうか、ぜひともお願いを申し上げたいと思います。  建設省の方でありますが、河川局長にお伺いしたいのであります。たとえば木津川淀川水防組合であります。水防組合は、そこの地元が一生懸命に建てまして、そうして直轄河川なり準用河川を防備してくれているわけです。これがふっ飛んだわけでありますが、いずれも建設単価査定がほんのわずかの金額で、とうてい実施が不可能であります。坪数もまた非常に窮屈なように承っております。地元は自分らの使うものではございませんので、決してぜいたくな広さだとか、ぜいたくな建物を建てたいというのではございません。実際問題として使用に耐えるようなものを作ろうというわけでありますが、それに対して、今申しますように制約が非常に強いように承っております。過般建設省にも陳情に見えたと思います。そういう問題につきまして、取り扱いを実際に適用するようにやってもらえないか、この二点、建設省農林省にお伺いを申し上げたいと思います。
  27. 堀直治

    堀説明員 お答え申し上げます。  御承知のように、災害査定は一定の基準でやりませんと、そのところの人夫賃あとで高騰するとか、あるいは木材なども災害によりまして非常に上がったり下がったりするということがございますので、一応基準の金でもって査定するならわしになっております。従って、実施をします際には、その値段では災害復旧が行ないがたいという場合も多々ございます。そういう場合は、災害個所ごと実施いたしております関係上、そのできる単価実施いたしまして、毎年度予算改訂をいたしまして、最後に裏打ちをしていく、手直しをしていくというやり方をとっておるわけであります。
  28. 山内一郎

    山内一郎政府委員 災害時におきまして、地元の方々に地元の地先の水防活動をやっていただいて非常に効果が上がっているわけでございますが、現在の水防法によりまして、水防倉庫、それから使用いたしました場合にはそれぞれ特例で水防資材、こういう手当を現在やっているわけでございます。ただいま御指摘がありましたように、水防倉庫の建設について単価が不十分じゃないか、こういう内容でございますが、その点もいろいろ毎年検討いたしまして、わずかではございますが改善をいたしております。今後なお御指摘の線に沿いましてさらに改善をして参りたい、こういうふうに考えております。
  29. 玉置一徳

    玉置委員 最後に、建設省お願いをしておきたいと思うのですが、大阪の防潮堤の問題につきましては、災害特別委員の皆さんの要望が非常に強うございまして、政府の方でも三カ年くらいでほぼ実施を完了したいという意気込みのように承りまして、非常に喜んでいるわけでありますが、その上に連なっております淀川が、枚方のところでわずか六十センチしかもう残ってなかったというような危険なところまで参っております。なお、上流部方々に漏水その他の危険個所が出てきまして、自衛隊が出動して、地元の水防団等の活動でようやく事なきを得たというようなのが先般の状況でございます。それで、下の方の防潮堤に力を入れられると同時に、上の方の淀川にも力をお入れにならぬと、大阪に大被害をもたらすと思いますので、この辺につきましても十分の御配慮をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
  30. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいまの御意見でありますが、御承知のように、今度、大阪、東京高潮対策が緊急三カ年で整備されるように相なって参ったのでありますが、淀川上流の問題につきましては、直轄河川事業といたしまして並行して施行して参るのでありまして、御心配のような点も緩和されると思います。
  31. 二宮武夫

    二宮委員 簡単に質問いたしますから、一つ率直に御答弁いただきたい。  文部省の方にお尋ねいたしますが、さき国会災害特別立法が十四出されましたものの中に、私立学校の災害復旧に対する措置法律と、それから公立学校に対する災害復旧法律と二つあるわけでありますが、私ども期待をいたしておりました問題は、今回、その十四のうち、十月下旬を一つ対象として四つ法律が新しくここに、修正をするという意味において提案されておりますが、この私立学校、公立学校の災害復旧の中に、十月下旬の集中豪雨を入れる必要はなかったものかどうか、もし入れないとするならば、それの災害復旧についてはどのような措置をもってこれにかえようとお考えになっておるか、それを一つ簡潔に御答弁いただきたい。
  32. 杉江清

    ○杉江政府委員 まず、私学について申し上げますと、十月二十六日の集中豪雨による被害は、大分県の一校のみでございます。その被害金額もそれほど多額ではございませんので、これは大蔵省と話し合いまして、予算補助で執行するということにいたしまして、昭和三十七年度予算として二百三十万を措置してございます。なお、公立につきましては、被害に関する補助申請額は七千五百万円でございますが、現行法によって措置する場合との差額は百万前後でございます。そこで、これは執行上措置するということにいたしまして、すでに措置済みでございます。
  33. 二宮武夫

    二宮委員 先ほど御答弁のございました農林省の堀さんですか、あなたの御答弁の中で——ここじゃないのですが、この前の地方行政委員会で私が質問いたしました際には、集中豪雨によるところの災害復旧については査定そのほかは進めておらないという御答弁があったのですが、あなた記憶していらっしゃいますか。地方行政委員会にお出になったでしょう。そうして、そういうような行政措置というようなものではやっておらぬ、やはり立法措置をしなければだめなんだという、非常に冷淡な御答弁を、今そこで答弁しているのを見てちょっと私は思い出したのですが、そういう御答弁をなさったことがあるでしょう。
  34. 堀直治

    堀説明員 地方行政委員会で、小災害法律施行についての御質問だったと思いますが、小災害法律がそのときまだ委員会にかかっておりまして、御決定にならない際でございましたので、法律的には査定の業務はできない、これが通りまして取り扱いの方針がきまらないと、準備はいたしますけれども、法律的な意味での査定はできないから、できるだけ早くこの法律が通ることを望んでいるという意味の答弁をした記憶があります。
  35. 二宮武夫

    二宮委員 十月末のあの災害に対して、前の国会で法の対象にならなかったという実情は、その政治情勢なり、あるいは議会の会期の問題なり、実態は皆さん方十分御承知のはずだと思うのですよ。ただ、その際に被災者として、あるいは被災地域の人々として安心したのは、政府が、立法措置をしなくても、行政措置によってこれをまかなっていくから安心してくれ、こういう話であったために、そこまでいかずに実は今国会に持ち越したのが実情なんです。その間において地方の人々が非常に心配しておるから、査定その他はどういうふうに進めておるのかという質問をいたしました際に、それに対する答弁としては——今のは法律理論の問題を言っているのではなくて、具体的に事実の問題を取り上げて答弁しなければ、これはやはり政府として約束した問題を履行しておらないということになるのではないかというように私は考える。従って、私は、あのときに、あなたではわからぬからといって、実は失礼なことを申し上げたのですけれども、実態は、それぞれ地方査定そのほかの問題は具体的に進んでおると思うのですよ。よくいっていると思うのです。それに私は不満を言っているのではないのです。あなたの答弁のやり方なり、それから答えた内容そのものが、具体的な政治情勢の問題とかけ離れた答弁をなさっているということに対して非常に不満を持ったので、この際つけ加えて、一つ御反省を願いたい。  それから、同じく災害特別立法の中で、これは中小企業庁の方がお見えですから、お尋ねいたしますが、お答えは簡単でいいです。これは再建の資金として従来はその利子は九分であるものが、この法の対象になることによって年利が六分五厘に下げられるという恩典が与えられておるわけですが、これを措置法の対象からはずされたということは何か特別の理由がおありですか。もし規格そのほかで合わないということであれば、これに対する救助の方法について承っておきたいと思います。
  36. 秋本保

    ○秋本説明員 中小企業関係につきましては、被害の程度は、額全体で見ますとそう大きなものではございませんが、法といたしましてはその措置は講じておりませんけれども、実際問題といたしまして、被害を受けた方の融資につきましては優先的に融資をするとこいうとで、すでに商工中金、特に大分県の被害は、零細な、困窮をしておる方が多かったのでありますので、国民金融公庫が中心になって金融をつけておると思いますが、国民金融公庫及び中小企業金融公庫等に、融資については従来の災害と同じように優先的にやるということで現在手当をいたしておるわけであります。ただ、融資の額は、今ちょっとよそから参りましたので、資料がございませんが、そういう指示をいたしております。  なお、災害に関連しまして保険の問題でございますが、保険につきましても、保険としては政府としてやっておりませんけれども、保証する場合の基金としまして保険の基金がございますが、それらにつきましても、室戸台風等に準じて、被害の額等は平均して同じように関係の保証協会に配分するようにということで措置をいたして参っております。
  37. 二宮武夫

    二宮委員 もう一点だけお伺いいたします。  当時は非常に混乱をしておりましたから、行政指導と申しましても、その災害地域に対して、いろいろ融資の方法があるのだ、そうしてこれは他の都道府県と変わりがないような措置をするのである、こういう通達を流して御連絡いただいておると思うのですが、その際に、やはり利率の問題が九分から六分五厘に下げられるということは一応連絡が済んでおると思うのです。われわれもそういうことを県の方に連絡したし、あるいは被災地のそういう該当者には話をしたことを覚えておりますが、これは法律的にこの中に十月下旬というものを入れられないと、融資の問題は優先的にやられたと申しましても、利子の面では引き下げるということは不可能なんですか、どうですか。
  38. 秋本保

    ○秋本説明員 商工組合中央金庫につきましては、利子を引き下げることはできない状況でございます。政府関係機関につきましては、場合によっては閣議決定によって措置はできないことはないと思います。
  39. 二宮武夫

    二宮委員 そうしますと、今の問題については、なお今後必要があれば法の対策にするような考慮も残されておる、こういうように解釈していいのですか。
  40. 秋本保

    ○秋本説明員 御質問でございますが、商工組合中央金庫について特別の法律を作るかというお話でございますか。
  41. 二宮武夫

    二宮委員 この前、三十九国会のときに特別措置をやったでしょう。その特別措置をやるところの災害の案件を、いつ、いつと区切ってやっておりますね。それの対象の中に入れないと、やはりこの特別の恩典というものが、中小企業金融公庫、あるいは商工組合中央金庫ですか、こういうところの問題にいたしましても、対象にならないということになるのじゃないですか。そういうことになるとすれば、今の答弁を聞いておると、この問題はなお今後検討の余地があるようにも聞こえるのですが、あるいは優先的に融資したということだけですべてが終わって、今後はここの特別措置法の法対象にはもうしないということに決定しておるのですか。
  42. 秋本保

    ○秋本説明員 現在のところでは、一応融資の点で促進をしていけば十分ではないかというふうに考えております。
  43. 古川丈吉

    古川委員長代理 島本虎三君。
  44. 島本虎三

    ○島本委員 私は約二点ぐらいにしぼって聞きたいと思っております。  まず第一番に、ただいまの中小企業の関係についてちょっと質問したいわけですが、その前に念のために聞いておきたいことがあるのです。これは委員長も十分御存じの通り、今回のこの災害特別委員会一つの特徴と申しますか、今度の災害復旧に対しては、原形復旧を改良復旧にした、こういうようなことが一つの特徴だと思う。この観点に立って、われわれが災害対策委員として視察した部分のうち、摘出して二つだけの面について、どのように扱っておるのか、まず聞いて、それから進めたいと思います。  一つは、石川県の金沢市の中央部を貫流して、大水になるといつもあふれて、香林坊の中小企業一帯を水浸しにする犀川については、かねがねこれは改良復旧にするという明言がございましたが、現在まで、改良復旧実態と、今までやってきた原形復旧等について、どういうふうに変わった措置をしたのかということをまず聞きたいことと、本年以降は今までのような犀川のはんらんはないものであるというように考えられても差しつかえないと思うのですが、この被害が大きいだけに、これは聞いておいた方がいいと思いますので、この点が一点。  それから、宮崎県と大分県の県境の山の中に北川という川があるはずですが、この北川という川をはさんで、あの辺に細長い北川村という村があって、そこには永久橋がかかってあったのですが、永久橋だけは永久橋として災害の中では現存しておりますが、それをつなぐいろいろな部分が全部木でできており、災害復旧が原形復旧でやってあったものですから、これは全部流されて、ない、永久橋は現存しておっても、それは通ることができないというのが実態で、これは政治の貧困じゃなしに、政治の一つのユーモアじゃなかろうか、こういうように思ってきたわけであります。これも緊急にその措置——われわれとしては、その対策の点で、災害対策引率部隊長であった秋山さんから十分報告されましたが、この犀川と北川村の橋を原形復旧を改良復旧にしたという、この点について一つまず伺っておきたいと思います。懇切丁寧にお願いいたします。
  45. 山内一郎

    山内一郎政府委員 石川県の犀川の問題でございますが、昨年の災害で破堤をいたしまして、金沢市内に洪水が入りまして非常な災害を受けたことを私も承知いたしておりますし、その後現地も見て参ったわけでございます。非常に激甚な災害でございますので、改良復旧をやらなければいけないということを考えまして、せきがございますが、その上流につきましては災害関連事業として取り上げ、それから下流の方に災害が非常に連続して起こっておりますが、それにつきましては河川助成事業としてやろう、こういうことで現在方針をきめまして、来年度予算が通ればそういうことになることになっているわけでございます。  なお、北川村の橋梁の点につきましては、原形は木橋でございましたが、採択は永久橋で採択をいたしております。従って、今後復旧は永久橋でできる、こういうことになっておるわけでございます。
  46. 島本虎三

    ○島本委員 私もぽうっとするほどなかなか答弁がうまいわけです。私が聞いたのは、原形復旧を改良復旧にした、その違う点はどこなんだということを聞いたのですが、下流については河川助成事業としてやるということ、上流災害関連としてやる、来年度予算が通ればこれは完全にやれる、それはそれでわかります。技術的に、現在のところでは、香林坊の方へ流れる点については堤防を相当程度高くするとか、あのせきを何とか除去するか、またはそれに対する対策を講じない限り、同じような災害が繰り返される、今までと同じようなやり方では、いかに金をかけてもだめだというのが住民の声であり、あなたも直接見てきた結果じゃなかろうかと思うのです。今のようなことをしていてはまた同じような結果になりはせぬかということをおそれます。この点についてはどうなんですか。その違ったところを聞いているのです。  それから、北川村の点については、今言ったように、以前からりっぱな永久橋があるのです。その両端の方が木橋で、その木橋が流されてからは、永久橋があっても通れないというのが実情だったわけです。あまり人が行かないため、向こうの陳情もかぼそく、そでの下からつぶやくがごとくにやられますので、われわれが行って見て、あまりにも被害の大きいことにびっくりしたわけです。永久橋ができているのですし、それをつなぎ合わせて、道路にまで完全にしてやるのだけ残っているのですから、これはやはり完全にしてやってほしいと思うのです。これはやるという答弁ですから、それはけっこうです。  犀川の方はいかがですか。
  47. 山内一郎

    山内一郎政府委員 犀川の問題でございますが、原形復旧だけでとるといたしますと、あれは石積みになっていたと思いますが、こわれました石を前の通り積んであげる、これだけが原形復旧になると思いますが、それでは不十分でございますので、それを強化するために、さらに高さの問題も、パラペットをつけて高くする、こういうことで計画をきめる次第でございます。
  48. 島本虎三

    ○島本委員 それでいいのかもしれませんが、そうすると、上流と下流をやったら、それで改良になったのだ。せきはそのまま、ただ堤防を何メートルくらいに高くして、そして今後再び香林坊の方へ流れるようなおそれがないようにするというような、はっきりした計画がないとだめだと思うのです。あそこは狭くなって、びんの口のようになっていますから、川幅、それから高低ですか、落差というのですか、こういうようなこと、それから堤防、この三つを十分考えて対処するのでなければやれない。今までと同じような、水が出たらまた同じように下を直し上を直すというのでは、あの部分だけはやられるおそれがあるわけです。それがないということならば、どういうようなことでないのか、これが改良なんだということを聞きたいのです。私、土木関係の方は少し弱いものですから、よくわからぬのですが、もう少しはっきり教えて下さい。
  49. 山内一郎

    山内一郎政府委員 従来の原形復旧より、先ほど申し上げましたように、改良的に災害関連事業、助成事業をやることにいたしております。これで大体はいいと思いますが、根本的にやりますには、やはりせきの改造が必要だと思います。これは根本的な問題でございますので、改良事業として取り上げてやりたい、こういう意向を持っております。
  50. 島本虎三

    ○島本委員 一つ一つやらないで、全部答弁して下さい。  改良としてせきの点は根本的にやる、従って、もうその点は心配いらないんだ、こういうふうに了解するから、それははっきり言ってもらわないと困る。私は別に関係ないですけれども、これほど熱心なんですから、もしそれで堤防を高くして、この川幅の狭くなった点は、いかに狭くなっても原状通りに——堤防を高くすることによって、せきには来年度善処することによって、絶対あのような災害は起こり得ないものである、技術的にも十分創意工夫してやった結果であるから、絶対心配がないからお前黙っていろ、こういうような意味ですか、どうですか。簡単ですから、その点を一つ
  51. 山内一郎

    山内一郎政府委員 先ほどもおっしゃいましたように、従来の原形復旧より進んで、災害の点については改良的にやりつつありますし、今後もやります。さらに根本的にやるには、せきの改造が必要だと思います。それは根本的な改良でございますので、河川の改良事業の方で来年度からやりたい、こういう意向を持っております。
  52. 島本虎三

    ○島本委員 再びこういうような災害は起こり得ない、起こったならばあなたの責任である、こういうようなことをはっきり言っていいですか。
  53. 山内一郎

    山内一郎政府委員 現在私が考えている範囲においては、せきの改造をすればあの地帯災害は救われる、こういうふうに確信しております。
  54. 島本虎三

    ○島本委員 従って、もし災害が起きたならば重大な決意を持つというふうに解釈していいですか。私は少し心配だから言うのです。今言っただけでは私はもう一回災害が起きると思う。あのびんの口のようになっている狭さを、そのまま何もしないでおったら、あそこだけ集中したら一あの辺は低いでしょう、いいですか、私弱いから聞くのですが、これはほんとうに大丈夫だとするなら、もし災害が起きたら、あなた責任をとりますか。
  55. 山内一郎

    山内一郎政府委員 せきの改造のほかに、川幅が狭いということもございますが、その点は、せきの改造で、せきの底の高さですか、それを下げれば解決できると思います。従って、そういう確信のもとに今後仕事をやって参りたい、こういう考えでございます。
  56. 島本虎三

    ○島本委員 十分わかりました。答弁技術だけじゃなしに、責任をあなたがとるという態度をはっきり確認しましたから、あとは創意工夫をあなたの方でやって、再びああいうような災害を起こさないように留意して今後行政を進めてもらいたい。それは犀川に限らず、他の方の河川もみな同じだということで一つやっていただきます。それで第一点は終わります。  次に二点目に入りますが、これは中小企業庁の金融の関係についてですが、初め災害が起きたときに、初当七月から始まった災害対策協議会、このころから一つの大きい行き方として、中小企業、ことに現在政府の方では政策的に大いにこれを取り上げてその転換をはかって、エネルギー対策の一環としてもいろいろ考慮し、対策を練っておるあの石炭鉱業、こういうような方面の中小炭鉱がいたんだということで、相当これに対しての善処方が要望されたことがあったわけです。その後国会が開かれて、災害対策特別委員会、こういうような機関が正式にこの問題を取り上げ、十四立法をここで完成したわけでございますが、そういうような中で、中小のいろいろな企業体、ことに炭鉱等の設備が相当被害を受け、また、その事業資金等においても相当困っているために、その融資方について善処してやるように閣議でもきまっておると思ったわけですが、こういうような中小炭鉱に対するいろいろな融資の点や、手当の点は十分いっておりますかどうか、その経過について説明願いたいのであります。
  57. 秋本保

    ○秋本説明員 炭鉱につきましては、御説のように、災害等につきましては、一般と同じように、特に炭鉱だから差別するということじゃなしに、災害ということで優先的にやることにいたしております。なお、御承知のような石炭対策の一環といたしまして、中小炭鉱向けの緊急融資といたしまして、年末に十五億円を組んで措置をすることにいたしたわけでございますが、現在私どもに入っている資料では、十五億円全額出ておりまして、なお若干不足しているから、緊急対策用の資金としてふやしてくれというような話をしているのでございます。そういう現状でございます。
  58. 島本虎三

    ○島本委員 これもまことに私として安心できるような答弁で、その点では了解できます。ただ、この中で緊急融資、年末で十五億円出した、これについても全額出ているということですけれども、肝心のこういうような災害を受けた中小企業等に対して、そういうようなことを理由にして、選択融資によって、この融資の道をふさいだという事態がありませんでしたかどうか、もしこれがあったとするならば、あなたどうしますか、この点ちょっとお伺いします。
  59. 秋本保

    ○秋本説明員 災害と、先ほど申し上げました十五億のものとは別ワクでございまして、災害融資の方につきましては、一般の災害と同じように炭鉱についても措置をすることにいたしておるわけであります。
  60. 島本虎三

    ○島本委員 国民金融公庫、中小企業金融公庫ですか、こっちの方では、一つ行政措置で、六分五厘の適用で十分やっていけるというふうに安心しておった。こういうような機構では、おそらく選択融資だとか、いろいろな点で選択はしないものだろうというふうに考えておったわけです。ところが、いわゆる経営状態そのものは別にどうということはないけれども、中小企業の場合にはいろいろな困難性がある。一つは、担保の問題、企業そのものはいいけれども、担保の問題等で相当困難性があろうと思うのです。そういうような点で、私ども見で、おそらくいまだにまだ手をつけていない点があるのじゃないか。北海道の茅沼炭鉱は、当時第一班として北海道へ行った中野四郎班長が、この災害対策特別委員会であそこの被害状況を詳しく報告して、労使がともになって、三年間の労使休戦までしてこれらの復旧に努めておる、従って、これは何とかして優先的に扱ってやれ、こういうような報告がなされておるわけです。これは委員長が採決して皆さんが満場一致で認めておるわけです。にもかかわらず、茅沼炭鉱の方のものは依然としてまだそれが残されておる。聞いてみれば、担保物件だけの問題であるというふうに聞いておるのです。おそらくこの問題がそういうふうなことで残っておるということはあり得ないことだと思うのですが、これはいかがな理由ですか。
  61. 秋本保

    ○秋本説明員 当時、私、炭鉱の問題については具体的に聞いておりませんので、今のところ満足なお答えができないと思いますが、なおよく調べてみたいと思います。
  62. 島本虎三

    ○島本委員 具体的にこれからよく調べるというならば、次までにでもよく調べて下さい。問題は、答弁しなくてもいい、善処してあればいいわけでして、私どもは、今言ったような見地から災害対策特別委員会ができて、その趣旨に沿って、当然政府の方としては閣議まで決定してこういうような善処の方法さえもきめた、これに対しても、まだ選択融資と思われるような——そんなことはないと思うのですが、そういうように思われるような、窓口を締めて、有望であるにもかかわらず、担保の条件だけでやっていないということになると、重大だと思うのです。茅沼炭鉱のこういうような問題に対してはどういうふうになっておるわけですか、札幌の方に支店、支社があるはずでありますから、皆さんの方でよく調べて、しかるべく善処をするように私どもの方としては期待しております。次までにこの結果を知らしてもらいたい。この問題については私はこれでけっこうです。  第三番目は、簡単でよろしゅうございますから、一つの概念でも——概念と言っては失礼ですが、率直に言ってもらえばいい。これは災害対策の面で、小災害の部分と、また、直接実施する町または村、こういうような末端の機構の方へ参りますと、雪のある地帯と雪のない地帯がございますが、雪のない地帯はよろしい、雪のある方へ参りますと、これは融雪期を待ってすぐ着工するという機会が多いわけです。そういうような場合には、どうしてもこの事業資金の繰り上げ交付というような点も十分考えてやらないと、町村の財政その他の状態から相当困難になるんじゃないかと思われます。こういうような措置は十分お考えであろうかどうか。  それから、三万円から十万円までの小災害については、これはどうしてなのか私はわかりませんが、末端の方へいくと、まだ具体的な実施方法等については十分連絡がきていないという面があって、その対策をそのままにしているような村もあるのです。法はできても末端まで行きわたらないということになってくると大へんだ。ことに雪のあるようなところは、雪が解けて、五月から七月までの間はもうすぐですから、この間措置しなければならないとしたら、再びこういう災害を繰り返さないためには十分な措置をしてやらぬといけないと思います。こういうような点はいかがになっておりますか。
  63. 茨木広

    ○茨木説明員 お答え申し上げます。  第一点の資金の面でございますが、災害起債について期間がありますと、そのつなぎといたしまして資金運用部または簡保資金の方から財政調整資金の一時借り入れができるようなことになっております。その方の話をいたしておりますから、支障なくできると思っております。  それから第二点の小災害の準備の問題でございますが、これについては、十月までの分については、昨年中に地方課長会議を開きまして詳細に指導いたしてございまして、各県の方から各市町村の方に御連絡をいたすようになっております。今現に数日前かち、具体的に各市町村の方から県を通じまして申請が上がってきておるのでございまして、現在検討中でございます。ただ、その以後の問題について今度範囲を拡張していただきますものにつきましては、ただいまのような御心配もございますので、先般、政府といたしましてこの法案お願いするという方針を決定いたしますとともに、こういうようになるから、あわせてそれも準備して出すようにということで、内々の指導を実はいたしまして、一緒に今度の方に上げていただくようにいたしてございます。そこで、技術的には、各公共査定の方が確定いたしませんと、上の方の限界が、要するに小災害の方に起きて参るものがあるわけでございます。大体公共災害査定の方がきまった段階でということで現在査定を進めておる、こういうようなことになっております。そこで、御指摘のように、雪のありますような地帯におきましては、雪解けに工事をやるということになって参りましょうと思いますので、それに間に合うように、支障のないようにいたしたいというふうに考えております。
  64. 古川丈吉

    古川委員長代理 この際、午後二時まで休憩いたします。    午後零時八分休憩      ————◇—————    午後二時十三分開議
  65. 古川丈吉

    古川委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続けます。楢崎弥之助君。
  66. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 九州の北部の福岡県あるいは佐賀県については、昨年秋潮風害を大へん受けまして、その潮風害についてのいろいろな措置、等外規格を新しく設けてもらう、あるいは前渡金の延納等、いろいろと懇切なる御措置をいただいたのですが、実は自創資金の問題につきまして、潮風害地帯では、これから借りるという問題の前に、今までの分を返すという点について非常に困難な条件が生まれてきているわけです。そこで、実は福岡県の場合は、三十六年の前期に借りておる自創資金の返済が、期日としては本年一月二十日になっておったわけですが、それがなかなか返せないという実情であるわけです。そこで、元金につきましては返済を延べてもらうようになりましたけれども、実は返済について元利均等でやってないものですから、一番最初、第一回目に支払う分は、むしろ元金よりも利子の方が、多くはないですけれども、ほとんど元金に匹敵するくらいの利子を払わなくてはならない。それで、利子も大そう大きい額だものですから、この際、元金とともに利子も一つ延納をさしていただけまいかという、非常に大きな問題が起こっているわけです。この点についてどういうお考えであるか、お聞きをしたいと思います。
  67. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 九州の北部、福岡、佐賀、長崎というところの潮風害につきましては、今、御質問がございましたように、融資措置でいろいろと農家の資金の需要にこたえておるわけであります。保険金の前払い、あるいは天災融資法よる融資あるいは自創資金、特に自創資金につきましては、今年の災害状況にかんがみまして特別に追加いたしまして、約九億程度、そういった潮風害等を中心に置きまして増額して融資する、そういうふうな措置を講じてございます。福岡県につきましては御指摘のような問題もございまして、公庫等を通じて鋭意調査をいたしておる段階でございますが、大体公庫の方に本年貸し付けました自創資金の据置期間が一年だ、こういうような関係になっておりますが、法律の範囲では据置三年以内、こういうことになりますので、据置期間の延長と、非常にお困りの農家につきましては、特別に償還条件の変更ということで認めていきたい、こういう考えでございます。大体そういう方針で、据置期間を延長するということで処理がつきつつございますが、中に、やはり先生から御指摘のような利子の問題が公庫まできておる、こう聞いております。ただいまのところ、自創資金の返還条件につきましては、据置期間中も利子を支払っていただく、元金は、据置期間が過ぎまして、償還期間に入ってから元金と金利を均等償還していただく、こういう建前になっております。据置期間中の金利の問題については、今の業務方法書ではこれを延ばすという規定がないわけでございまして、非常に処理に困っておる次第でございます。まあ実情をよく調べてもらうようにということで、公庫の方に指示を出してございます。また、それを聞きまして、ほんとうにそういう状態ならばどうするか、また追加をして融資するワクも出してございますので、そういう中で処理できるものもあるのではないか、こういうような関係でございますが、もう少し農家の具体的な実情を取り調べて何とか考えていきたい、こういうふうに考えております。
  68. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 公庫の方とも連絡をとられながら今調査をされておるというお話でございますが、公庫の方としても、これが災害と関連して非常にむずかしい実態にあるということはおわかりのようですし、いろいろと便法をこの際講じていただきたい。特に、実際に据置期間中も金利の方は払わなくちゃならぬということになっておりますけれども、実際には払えないというような問題が起こりますと、今度は、それじゃその払えなかった金利についてまた延滞利子といいますか、そういったものも起こると思うのでございますが、現地では、幾らそうなっておっても、払えないからしょうがないというような実態にあるものですから、こういう点について強く公庫と話し合われて、実情に即した御措置お願いしたい。
  69. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 なお申し添えておきますが、県でもいろいろまた考えもあるように承っておりますので、福岡県ともよく連絡をとり、実情もよく調査いたしましてこの問題を処理していきたい、このように考えております。
  70. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 もし、実情として、幾ら何と言われても払えないということになると、どうなるのでしょうね。
  71. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 減免の措置はこの自創資金等についてはございませんが、償還条件の変更、緩和という措置の中でどういうふうに取り扱うかということを考えたいということで……。
  72. 楢崎弥之助

    ○楢崎委員 大へん配慮の行き届いたお答えを得まして、希望が持てるわけですが、実情が切迫しておりますので、早急にこれが措置お願いしたい、このように思います。
  73. 古川丈吉

    古川委員長代理 田口君。
  74. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 要望も中に入ると思いますけれども、簡単に質問を申し上げたいと思います。これは河川局長さんにお願いしたいのですが、今までに地元から陳情もきておると思いますし、大方のことについては御了承いただいておると思うわけでございますが、この際あえて御質問を申し上げて御回答をお願いしたいと思います。  私の質問いたそうとすることは、河川の管理の関係ですが、砂利の採取権というようなものについては都道府県の知事が認可権を持っておりますので、知事の認可権によって権利をとってそれぞれ業者が事業を行なっておるようなわけです。それで、その中には、非常に深掘りを多くし過ぎて、堤防を弱くするというような個所が、岐阜県の場合、ところどころに現われておるわけです。私が今御質問申し上げるところは、その最もひどいところでありますが、知事にその採取の認可権があるといたしましても、これはやはり建設省の方で全体的な管理はなされておらなくてはならないと思うわけですが、そういうような状況については、現在のところどういう程度の手を尽くしておられるかということを、総体的な考え方の上に立ってまずお答えお願いしたいと思います。
  75. 山内一郎

    山内一郎政府委員 砂利採掘の許可につきましては、ただいまお話がございましたように、都道府県知事ということになっておるわけでございますが、建設省といたしましても、それについていろいろ指導して参っておりますけれども、さらに、直轄河川工事をやっている区域あるいは維持工事をやっている区域につきましては、詳細に都道府県の方に指導いたしまして、それによって業者に許可をいたしまして砂利採掘をやらしておる、こういう状況でございます。
  76. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 手放しではないということは、常識で考えてもわかるわけでありますが、その指導が都道府県へどの程度徹底されて一つの拘束力があるかということについては、大きな疑問が出てくるわけなんです。そこで、端的に実情を申し上げますと、岐阜県の藪川という川でございます。この簸川という川では、海老橋という橋から揖斐川に合流する地点まで禁止区域になっているわけです。昨年の九月ごろまでにこの禁止区域で砂利を取っておった各業者はほかへ移動いたしたわけなんです。ところが、一つの業者だけ、これは私らから見ますと県の権力と結びついておるという業者がまだ一つだけ居残りをして、そうして同様に深掘りをいたしておるわけです。こういう点については、禁止をさせるという方法について、地元の人たちが幾ら県の方へ言って行きましても、やはり業者は業者として、一つ事業で飯と食わなくてはならないので、良心的にほかへ場を探しておるのだろうけれども、私の方でもその点については努力をするというような、きわめて常識的な回答があったようです。実際に積極的にそれを移動さすというようなことはなされておらないようですし、業者自体といたしましても、やはり一つの権力と関係を持っております関係上、堂々といまだにやっておるわけなんです。こういう点について今後どのように建設省としては手を尽くされるのか、地元民の一作にこたえられるような御返事をいただきたいと思います。
  77. 山内一郎

    山内一郎政府委員 だんだんと砂利を採掘いたしまして、河川維持上非常に危険な状態になりつつある、そういうようなところにつきましては禁止の方向に向かうわけでございますが、業者が実際に掘っているところを急に禁止をする、こういうことはやはり相当な影響がございますので、普通の場合は、漸減措置といいますか、だんだん業者を転換させまして、縮小いたしまして、最終的には禁止をする、こういうのが、普通とっている手段でございます。従って、御指摘のところがはたしてすぐ禁止になったかどうか、私ちょっと調べないとわかりませんが、そういう方向で、ただいま一つの業者が残っているとすれば、その漸減措置の中間の段階であるか、あるいはほんとうの禁止区域になって、なおあとまだやっているのかどうか、こういう点はさらに十分調査をして善処をして参りたい、こういうふうに考えております。
  78. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 梅雨前線当時、建設省の出張所へ行って聞きましたら、禁止区域になっているから、六月か七月になっておるわけです。そうして他の業者は九月に引き揚げております。一業者だけいまだに残っておる。だんだん縮小していくという点については、禁止区域にしたから明日からだめだということもこれはむずかしい仕事ですから、やはり常識にまかせて、早く引き揚げさせるという指導をすることは当然だと思います。今日まで残っておるあの経過からいきますと、ちょっとやそっとではのかぬのじゃないか。それから、引き揚げた業者から非常に小言がきておるわけです。その小言が私どもに陳情になってきておるわけです。それで私どもといたしましても、単なる陳情ということで、文章とか、言葉だけでこうして質問を申し上げるのではなくして、実際に現地へ行って仕事をやっておる現場の写真もとってきてありまするし、それから地元民の声も聞いてきておりまするし、それから陳情のあった人たちから再確認の意味で確認をしてきておりまするし、そういうような状態になっておるわけなんです。   〔田口(誠)委員山内一郎政府委員に写真を示す〕  それで、これは参考に見ていただきたいと思うわけですが、この砂利の深掘りをしておることによって、その一ページにありますように、堤防の岸が、護岸工事をなされたところが非常に大きなひびが入ったりして、写真で見ましても憂慮すべき状態に相なっておるわけです。それから続いて二ページをごらんになりますと、その上段にナンバー二とナンバー三とありますように、この写真は二つとってありますけれども、これは離れておりません。同じ堤防です。右向いてとったのと、左向いてとったのと、これだけ違うのです。これはまだ建設省の方へいって調査をしておりませんので、いつごろこの堤防が作られたかということについては、そしてまた、堤防を作るときの予算関係その他が、調査してありませんのでわかりませんのですが、ナンバー二の方は建設省直轄の事業です。いまだにそのようなりっぱな護岸工事がそのまま確保されておるのです。それから左の方にありますように、ナンバー三というのは、これは地元の請負師に請け負わした県単事業であるわけです。一見していただいて、一つ堤防で県単事業建設省直轄の事業がどうしてこのように違っておるかということは、ちょっと常識でも判断できないわけなんですけれども、これは事実なんです。これはこういう話を聞きましたので、さっそく私秘書を向こうへ向けまして、それからここに張ってある写真は少のうございますけれども、六十枚ほど写真をとってきてあります。特に参考になる面だけそこに載せてあるわけなんですが、そのような工事がなされるのです。それで今憂慮されますことは、年々あるところの水害復旧工事にいたしましても、原形復旧にいたしましても、改良復旧にいたしましても、国の直轄でやっていただく工事はやはり私どもとしても信用がおけるわけなのでございますけれども、県直轄の事業というものは、どういうものですか、請負師が横着なのか、それとも単価が安過ぎて請負師の方ではある程度の仕事しかできないのか、非常にそういう点は今後の水害に対して憂うべき内容を持っておると思うのです。こういうような状態でございますので、今の一社残っておる点については、幾ら県の許可権があるといたしましても、建設省としては、この段階になってどういうような手を打っていただけますかどうかということについて、誠意ある御回答をお願いしたいと思うのです。
  79. 山内一郎

    山内一郎政府委員 ただいま写真を見せていただきましたが、写真でも大体わかりますけれども、実際にこちらから直接調査いたしまして、どうしてもこれは当然禁止すべきであるかどうかということをさらに検討してみたいと思います。それでどうしても禁止すべきであるということになりますと、知事の方に話をしまして、禁止の方向に向かわせるようにやっていく、こういうように考えております。
  80. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 禁止区域にはなっておるのです。だから、調査した結果禁止すべきかどうかということを検討する余地はないのですけれども、やはり調査していただいて、強硬にそういう点を指導していただくかどうかという点なんです。禁止区域にはなっておるのです。
  81. 山内一郎

    山内一郎政府委員 ただいま御指摘になりましたような線に沿いまして強力的にやりたいと思います。
  82. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 ただいまの御答弁で満足をいたしますが、そこで問題がまだありますのは、ちょうど藪川には井水がありまして、こちらの川を越して水をとって、そこには約十部落で一千ヘクタールほどの田を作っておるわけなんです。ところが、最近は、砂利を深掘りするために砂利どめがくずれたり、それから伊勢湾台風のときにもこの井水が破壊して相当の金をかけて修理をいたしたのですけれども、おそらく次に伊勢湾台風のような洪水があった場合にはこれが破壊されるのではないか。ところが、今度破壊されても、とても政田井水組合の力だけでは復旧ができないということで、今、政田井水組合の方では、こういうような状態になってきたのは、とにかく河川の管理が悪いのだ、砂利を深掘りさしたのが原因であるのだ、だから今度修理をするような場合には、やはり国なり県の負担でやってもらわなければ困るのだ、これが地元の主張であるわけなんです。それで、今のところでも、大体十石水を入れると、向こうに出るのが二石、その程度なんです。五分の一くらいしか入れた水が向こうに吹き出ぬという、こういうような実態になっておるわけなんです。この水が十石が二石になるという点については、私は立ち会っておりませんので、ただ陳情者の言葉をそのままお伝えするだけなんですが、そのような状態になっておるのですが、こういう場合に、これはやはり農林省関係になると思いますが、農林省の方の予算で修理がしてもらえるものかどうか、この点、地元民から強く要望されておるので、お答えをいただきたいと思います。
  83. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 一般に施設が老朽いたして参った場合に、その補修の問題といたしましては、一般の補修として管理をいたしております土地改良区がやるべきものと、それから災害その他によりまして、こわれました場合に、災害復旧という形でやるという場合と、こういうような形がございます。御指摘の政田井水というのですか、おそらく川底を横切ってサイフォンの形で向こう岸に水を引いておるのではないかと思いますが、私たちも先生から初めて御指摘を受けた状態でございまして、そういう原因がどういうところにあるかということを、幸い名古屋事務局が近くにございますので、詳細に早急に調査させまして、どうするかという問題は至急検討させたい、こういうふうに考えております。
  84. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 管理の不備からきたような結果が出たときにはどういうことになりますか。
  85. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 管理の不備といいますか、大体農業用施設というものは土地改良区において一般に管理して、通常管理の範囲というものは土地改良区の負担でやるべきものだ、こういう原則に相なっておりまして、そういう範囲に属すべきかどうかということは、実情を具体的に調べてみなければわからないかと思います。
  86. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 その点はお調べをいただかなければわからないと思いますが、管理の不備ということになった場合には——地元の人たちは、管理の不備ということを言っておるのです。砂利を深掘りしたためにということを言っておるのです。だから、もしそういう結論が出た場合には、やはりその費用の負担は大半あなたの方で心配していただけるものかどうかということを承りたい。
  87. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 私が申しました管理という言葉は、農業施設、たとえば井ぜきなり水路なり、あるいは樋門といったような、土地改良区が管理して、必要なときに水門をあけて水を通すとか、あるいは揚水ポンプならば、必要なときに揚水機を動かして水を揚げる、こういったことは土地改良区が管理しているわけですね、そういう管理の面で、ポンプなり、あるいは水門なり水路なり、いたんでくるわけでございますが、そういう通常のいわゆる補修に類するものは、土地改良区が当然今まで負担しているわけでございます。こういった原因が他にある場合にどう処理するかという問題になりますれば、これはよく原因を究明いたしまして、また、今申されましたように河川管理に問題があるということになりますれば、また建設省ともよく打ち合わせて処理していきたいと思います。実情を調査いたします。
  88. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 わかりました。そういう場合にはおそらく地元から陳情がくると思いますが、よろしくお願いしたいと思います。  それからもう一つ河川局長にお伺いしておきたいと思うのです。ちょうど今の川の堤防ですが、これも何年に作ったか、その当時のことはちょっとわかりませんけれども、今の実態を見ますと、ダンプ・カーがとにかくしょっちゅうこの上を通るものだから、作った当時は一番上が九尺だったそうですが、それが今四間ほどにつぶされておる。正式な寸法はわかりませんけれども、二メーターぐらい堤防が下がっておるのじゃないか、こういうことなんです。こういうような実態をそのままにしておくと、大きな洪水のあった場合には、しまったということになるわけなんで、この点についてもあわせてそのときに調査をしていただいて、そうして水害にかからなくとも、水害を防止する意味において、やはり手を尽くしていただきたい、かように考えておるわけです。  それから、今の揖斐川の合流点へいくところに、堤防を作る前に、川の中にもと民家のあったところがあるわけです。それはそのまま高地になっておる。それで、その土を取り除かなければ、やはり上流の方でどうしても水害にかかる危険が多いというので、この土を取り除くということも地元からの要望になってきておりますので、この点も調査のときにあわせて調査していただいて、そしてその結果を見て、また地元からいろいろとお願いに来ると思いますが、よろしく御配慮いただきたいと思います。どうでございますか。
  89. 山内一郎

    山内一郎政府委員 ただいま御指摘のございました堤防の高さの沈下している問題、それから下流の川の中に、民家の付近でございますので、土が残っておるそうですが、それが治水上どういう影響があるか、あわせて調査をいたしまして、それに対する対策を講じたい、こう考えております。
  90. 田口誠治

    ○田口(誠)委員 ちょっともう一つ忘れておりましたが、これは御要望申し上げるわけなんです。昨年の水害で岐阜県でも実態をつかんだわけなんですが、水害復旧工事をやった埋め立ての中に仮橋が残っておったとか、あるいは道路を補修したあとに大きな木の株が入っておったというようなことが事実として現われて、このような工事をやるから再三水害にかかるんだという、地元からそういう点に対しての強い反発もありますし、また、県単事業の場合に建設省として十分なる指導と管理をしていただくということを地元から強く要望しておりますので、この点は私から要望をいたしておきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
  91. 古川丈吉

  92. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 きょうは建設、農林両政務次官もおいででありますので、まずそれぞれから冒頭にお伺いをいたしたいと思いますのは、御承知の昨年の法的措置を講じた以降の災害の問題については、さき臨時国会あるいは今度の通常国会の開会の当初に、われわれといたしましては、年度内に所要の財政的裏づけが末端までおりるようにという配慮から、なるべく今度の再開国会の冒頭に所要の法律案提案してもらい、われわれとしても、災害の問題でありますから、できるだけ所要の内容を織り込んで、衆参両院の法案成立については協力をいたしたい、こういうことで参ったわけであります。そこで現実の問題として、今公共土木関係あるいは農林水産関係、あるいは天災融資の関係、さらに起債関係の四法案が出て参ったわけですが、特に農林、建設の関係の問題については、やはり被災者の関係あるいは関係の地区というのは広範に及ぶわけですから、ここで私どもが法案を処理いたしまして、さらに参議院でも処理をするという見通しは、大体二月の上旬の適当な機会ということに相なろうかと思います。かねて理事会等でも、関係省から寄り集まってもらいまして、少々おくれると年度内に金が渡りかねる場合があるというような話も出ておりました。そういうことがあってはいけないわけでありまして、その辺のところで、大体二月上旬までに法律の処理ができる場合に、早急に第一線を督励して所要の財政的措置が末端までおり得るということになるのかどうか、非常に重要な問題でありますので、それぞれ建設、農林両政務次官から責任のある御答弁を願いたい、こういうふうに思います。
  93. 木村守江

    木村(守)政府委員 ただいまの御質問はまことに妥当なことでありまして、建設省といたしましては、災害が起こりました場合には、各府県の災害の割当というものをあらかじめきめましてそうして割り振ってあります関係上、この法案が通りまして、補正予算等が通過いたしますれば、直ちに支障なく施行できるような状態になっております。
  94. 中馬辰猪

    中馬政府委員 ただいま農林省におきましても準備をいたしておりますので、法律施行されたならば直ちに実行できるような態勢に相なっておりますから、御安心をいただきたいと思います。
  95. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 この前の災害特別委員会の際に特に私から希望しておいたわけですが、さき臨時国会の際にそれぞれ法案を処理します場合に、附帯決議等も付し、あるいは臨時国会の会期末におきましては、永田委員から単独の決議案等も提案されまして、院の決議としてこれが決定を見ておるわけであります。きょうは時間の関係上、そういう各般の問題について触れることはあとに譲りたいと思いますけれども、やはり国会意思尊重という立場から、いずれ災害特別委員会の適当な機会に、特に単独決議案の問題については、来年度予算処理の問題としてどういうふうにこれが織り込まれるのか、あるいは具体的な政策としてどういうふうな処理の仕方をやるのかということは、これはやはり災害の起きた問題に対して災害対策を講ずるというばかりではなくて、本特別委員会としては、来年度災害時に備えて事前に万全の態勢をとらなければならぬという、委員会としての責任があると私は思うのであります。そういう立場から見て、特に災害国会でいろいろ決議になりましたような問題につきましては、十分その点を精査されまして、次の機会には、そういう問題について具体的にどういうふうに予算的にも処置しようとしておるのか、あるいは治山治水その他各般の施策としてどういうふうにこれから遂行しようとしておるのか、こういう問題については一つ誠意を持って明らかにしていただきたい、こう思うわけであります。これは委員長を通じて特に希望しておきたいと思います。  なお、この機会に官房長官の御出席を求めましたが、用務のため出席されませんけれども、担当の方が出かけておいでになるようでありますので、例の恒久立法化の問題と関連いたしまして、今政府におかれては、特例法の激甚地というふうな問題については、これを一本にまとめまして、そうして恒久立法の方に一本にいたしたいということで、よりより御検討中というふうに承っておるわけであります。これは本特別委員会として、そういう法制化ができ、提案されるということになりますれば、大へん大きな課題になろうかと思いますが、この問題について今日どういう段取りの段階であるのか、こういう点について、現在の時点における状況お話していただきたいと思います。
  96. 江守堅太郎

    ○江守政府委員 激甚災害のための特別の財政援助及び助成措置に関する法律という法案提出いたすべく準備をいたしております。でございますが、この問題につきましては、実は政府部内でまだ意見の統一ができておりません。できておりませんのは、従来、災害が起きますつど特別立法で個別的に財政措置あるいは融資の措置などをいたしております。これを一本にまとめまして一つ法律にして出すということは、これはすぐできるわけでありますが、大蔵省の方で、こういう法律を出すということのためには、災害基本法の精神から考えても、災害基本法には、その九十八条で「できる限り激甚災害の発生のつどこれを制定することを避け、また、災害に伴う国の負担に係る制度の合理化を図り、」ということを目的としておりますので、一本にするということだけでははなはだ不十分であって、やはりこれが合理化されて、それで円滑に施行されるようにならなければ、目的を達することができない、そのためには、これを一本にするということだけでは不十分であって、一つ根本的に考えたいということを大蔵省の方は希望いたしております。私どもの方といたしましては、やはりなるべく早く今国会に出すようにということで積極的にプッシュいたしておりますが、その点でまだ事務的な話し合いがつかないために、いろいろ話し合いを続けておる、こういう状況でございます。
  97. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 ただいまの問題については、やはり災害立法としての柱になる重要な問題でありまして、私どもの希望といたしましては、この災害対策の問題は、従来もそうでありますけれども、与党、野党の立場を離れて、超党派的に災害対策の万全を期するという、そういう気持でやってきた性格の問題でありますから、できれば法律案提案までに、要綱の段階で、いろいろそれが実際に法律案内容に百パーセント織り込まれるかどうかということについては、これはやはり政府・与党として最終的には処理されるということであろうと思いますけれども、しかし、この種法案については、やはり法案提示までに、要綱の段階でも十分こういう災害対策特別委員会あるいはその理事というところの懇談会を通じてりっぱなものを仕上げる、こういう気がまえで一つやってもらいたい。これは担当の人に申し上げるのは筋でありませんから、せっかく農林、建設の両政務次官がおいでになり、また特に委員長にもそういうお気持で一つこの問題は今後配慮願うように要望申し上げておきたいと思います。  そこで、すでに提示されております四法案の問題につきまして、いろいろお伺いしたい点が多々あるわけでありますが、冒頭に申し上げましたように、この四法案については、内容的に私ども強く希望したり、あるいはまた、修正を要望したりする点等も、従来の審議の経過から御判断の通り、気持としてはあるわけでありますけれども、法案を最終的に処理するという立場から、数点に限ってこの機会にお伺いをいたしたいと思います。  まず第一は、建設省関係の問題でありますが、過般、十月下旬の災害調査のため、本特別委員会からそれぞれ現地調査をいたしました際に、私は大阪、京都あるいは三重、こういう方面の視察をいたしました。そこで、建設関係で特に重要な課題になって参りますのは、申し上げるまでもなく、淀川治水の総合対策という問題に相なります。これは現実に第二室戸のときにおける大阪湾を中心にした高潮対策の問題ももちろん含まれますけれども、京都方面の災害地を視察してみたり、あるいは三重県の上野を中心にした災害地を視察したりして、淀川治水総合対策というものの重要性を今さらのように再認識をしたしたわけであります。特に三重関係は、私の出身県でありまするから、関心も従って深いということに相なるかもしれませんが、上野を中心にした伊賀盆地といわれるところの治水問題、こういうことに相なりますると、御承知のように、あそこは長田川、服部川あるいは柘植川という三川の合流地区に相なるわけでありまして、過去しばしば大災害をこうむっております。たとえば昭和二十八年八月の東近畿の大水害、あるいは同年九月の台風十三号の被害、さらにまた、その後におきましても、昭和三十四年の大災害、さらには三十六年の十月下旬の大災害、こういうふうなことで、何度となく、伊賀盆地を中心にした上野市地区は、いわば災害時の雨の滞留地区として、今日まで非常な被害を受けておるわけであります。過般、河川局長もわざわざ上野の方面を御視察になったということを聞いておりまして、大へんけっこうなことだと思うのでありますが、これは本特別委員会でも現地調査をして、現地の災害民の切実な要請というものについては十分承知をし、また、委員会の報告を通じて明らかにしておるわけですが、とにかく伊賀盆地における治山治水対策、特に治水対策ということになって参りますると、所要の地区に所要の防災ダムを作るというふうにいたしましても、なかなか相当なキャパシティを持った防災ダムを作るという適地が比較的少ない。従って、相当大量の防災ダムを準備しなければならぬ。さらにまた、この合流点のすぐ下流に岩倉峡というものが控えておる。しかも、この三川にわたる河川改修という問題にについては、少なくとも八億円くらい要るのじゃないかといわれておりますけれども、年々予算的裏づけというものは一千万円前後にすぎないということで、遅々として治水対策が進行しない、こういうふうなことでありまして、今次の大災害にあたりましても、一面湖水のような状態になりまして、現地の罹災民としては、いわゆる淀川の下流地区の犠牲に伊賀盆地のものはいつまでならなければならぬのかということを切実に訴えておるような状況でございます。従いまして、この際、岩倉峡を開さくすべきじゃないか、また、開さくすべきだというふうな強い要請等も出ておりますし、また、災害を受けた関係地区においては、今までしょっちゅう災害を受けた地区についてはこの際国家で用地を買収してもらいたい、あるいはまた、集団移住問題について真剣に考慮してもらいたいというふうなことであるとか、各般の強い要請が出て参っておることも、御承知の通りであります。河川局長は幸い上野の方に参られたわけでありますので、特に淀川の総合治水対策の中で、伊賀盆地を中心にした問題については現実にどのように今後処理されるというお考えであり、また今後の長期の形の中でどういうお考えを持たれているのか、こういう点を一つ伺いをいたしたいと思います。
  98. 山内一郎

    山内一郎政府委員 上野を中心といたしました伊賀盆地の災害につきましては、二十八年災の前からもございますが、特に二十八年災、それから昨年、その間にもございましたが、ともかく連年災害を受けている、こういうことを承知いたしております。おもな川が三つございまして、長田川、服部川、柘植川、これがおもな川になっておりますが、服部川、柘植川の方は、二十八年災のあと、助成によりまして改良復旧をやりました結果、昨年の災害ではほとんど被害がなかった、こういう状況になっております。従って、問題点は長田川でございますが、これは中小河川がまだ始まったばかりでございますし、いろいろこれから効果が上がるのでございますが、しかし、根本的にこの三川の処理をいたすためには、やはりただいま御指摘のございましたような岩倉峡の開さくの問題、こういうことになってくるかと思います。ただしかし、単に岩倉峡を開さくするだけでは、下流の方がかえってひどくなりますので、ここでやはり御指摘のございました淀川全川にわたる治水対策、総合的な根本対策、こういうことになってくると思います。従って、岩倉峡の開さくも考えられますが、その計画をやるためには、下流の受け入れ態勢といいますか、これが相当重要になってくると思います。従って、その受け入れ態勢をどういうふうにするか。下流にダムを作る、あるいは木津川の受け入れ、河道の改修をさらに積極的にやるか。しかし、どれか一つということは、私も現地を見ましたけれども、非常に極端過ぎまして、かえって総合的な計画にはならない。ただいま申し上げましたようなことをさらに総合的に検討すると同時に、やはり長田川自体としても、上流にあまりいいダム地点はございませんけれども、小さくとも数多くやることによってある程度は防げるわけでございますから、そういうダム調査、さらに砂防事業の推進、それから下流の受け入れ態勢の問題、こういうすべての総合対策をやるように現在も計画の面において協力してやっておりますが、さらに協力してそういう総合対策を至急検討いたしまして実行に移して参りたい、こういうふうに考えております。  もう一点、やはり長田川の問題としては遊水計画も必要であるということを痛感した次第でございます。従って、その遊水計画も立てまして、それに必要な用地も今後買収をして参りたい、こういうふうに考えております。
  99. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 河川局長は現地に参られましたので、具体的なお話等もございまして、私ども現地を知る者として、やはり百聞は一見にしかずという感を深くするのであります。ただ、先ほど河川局長にも休憩中に申し上げたのでありますけれども、河川改修が進むということになりますと、従来の水の流れというものが、各駅停車から準急になり、準急から急行になる、こういう形に当然なって参ります。いわゆる紆余面折のやつをショート・カットするとか、いろいろなことになりますし、そういう点で、従来上流の水が伊賀盆地の集積地に集まるというのはまちまちであったのが、準急なり急行の形で集まってくる。従って、至短時間のうちに伊賀の三川の合流点は湖水のような状態になるということでありまして、一面治水対策が進むことによって、反面またそういう逆の問題が出てくる。今河川局長御指摘の通り、そういう点ではやはり途中で川の速度をおくらせるためのいろいろな措置もやらなければならぬということでありましょうし、同時にまた、集積点における遊水池計画というようなものについても所要の検討をした上に立って適切な施策を講じなければならぬということになると思います。問題は、たとえば遊水計画という場合においては、用地買収の問題が当然関連を持って参るわけでありますけれども、従来現地側で聞きますと、建設省関係あたりで遊水池というふうな用途で買う場合に、現地の貴重な田畑を売るという立場、あるいはまた、何回も災害を受けた罹災民の立場からの要請にはたして十分こたえられるかどうか、この点についてはやはり特別な配慮をもって国家がこれを買い上げるのでないと、問題がなかなか円滑に進まないという反面の問題も私どもとしては懸念をいたしているわけであります。従って、治山治水の立場から見て所要の遊水計画というふうなものも当然配慮しなければならぬ、それがためには用地の買収もやらなければならぬという場合における買い上げの措置のいろいろな点についても、ぜひそういう配慮をしてもらわなければならぬと思いますが、そういう点はいかがでありますか。
  100. 山内一郎

    山内一郎政府委員 非常に貴重な土地を川として使うわけでありまして、いろいろ御指摘がございましたけれども、遊水計画ができまして実行に移す場合には、そういう点をよく考慮いたしまして、地元の納得の上やって参りたい、こういうふうに考えております。
  101. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 簡単に農地局長にお伺いしておきたい。これは過般の視察のあと農林省の方にも御要望申し上げたのですが、上野の地区でもそうでありますし、また、雲出川を中心にした下流の例の災害地区でもそうでありますけれども、これは何も三重県に限らず、災害のときの特に被害激甚地においては、救農土木事業をもって当面の生活のかてを得るという配慮が、従来も重要地点についてはなされて参ったわけですが、例の第二室戸台風以降の災害地区の救農土木というふうな問題を中心にして、農林省としてどういうふうに具体的に指示をおろされて、また実施をされてきたのか、こういう点についてお伺いをいたしておきたいと思います。
  102. 庄野五一郎

    ○庄野政府委員 三十六年度に発生いたしました農業関係、特に農地と農業施設の関係被害は、御承知のように、相当巨額に上るわけでございまして、被害額でも約四百五十億、こういうことになっております。これにつきましては、農地、農業用施設の三十六年度復旧、これは一次補正、二次補正で御審議いただいて、大体二百億程度のものを本年度に充てる、それから来年度にはさらには進度を繰り上げて、大体六七%程度まではやっていきたい、ことしは既定の進度ならば二五%ですが、三〇%までやれるようになった、そういった配慮をやって災害復旧努力いたしておるわけでございます。そういう関係で、災害地等につきましてはいろいろな就労の場があろうかと存じます。ただ、災害の比較的少なかった、あるいは潮風害、そういったところの問題として救農土木が問題になっておるわけでございます。これについては、われわれといたしまして、今の考えでは、大体天災融資法なり、あるいは自創資金も、先ほど申しましたように、さらに公庫の予備金から約九億程度を支出して、そういう農作災害のひどいところの営農資金なりあるいは生活資金に充てる、そういう措置をすることにしております。なお、救農土木については、特別措置するということじゃなしに、ただいま、来年度においても団体営土地改良を相当大きく採択していく段階におきまして、そういったところに重点を置いて団体営の工事施行できるように、そういう面からも三十七年度において特に考えていきたい、こういうような考え方で措置したい、こういうふうに考えております。
  103. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 時間の関係もありますので、最後に水産庁関係でお伺いいたしたいと思うわけですが、これは林田漁政部長も御案内の通り、過般の視察の際に、今委員長代理をやってらおれる古川君が団長で三重県の方に参られました際に、特にノリの激甚な被害の問題についでは、これはやはり従来の法律的な措置というのをもう少し前進さして、罹災民の要請にこたえるように努力をしたいということで、たくさん集まられた罹災者の方々にも申し上げられたわけでありまして、現地でもそういう点について強い期待を今日まで持っておったわけであります。過般の委員会においても、私からその問題については特にいろいろ具体的な問題として御質問申し上げたわけでありますが、現実に法律案としては従来の法律案そのままで提示されてきておるわけであります。本問題については、二回にわたってたしか附帯決議としても強い要請をつけておる問題でありまして、もちろん、伊勢湾を中心としたノリ被害ばかりでなしに、全国各県に同じ時期にノリ被害が出ておることは、水産庁の資料でも明らかでありますが、三陸を含めてそうでありまして、そういう点で、われわれの視察の結果の強い要請あるいは関係県の強い要請に対して、水産庁として各般の施策として今後どういうふうに配慮されるというお気持であるのか、これを伺っておきたいと思います。
  104. 林田悠紀夫

    ○林田説明員 ノリ被害災害復旧の限度といたしまして三万円を踏襲いたしておるわけでありますが、この件につきましては、先生の御要望もございまして、できるだけ何とか引き下げることができないだろうかということで研究し、努力をしたわけでございまするが、実はこの三万円と申しまするのは、やはり零細補助を行なわないというふうな補助の一般的な趣旨にのっとってきまっておるわけでございまして、御承知のように、開拓者の施設とか、あるいは共同利用施設におきましても、三万円を最低基準といたしておるようなわけで、ノリだけについてこれを引き下げるということもできなかった次第でございます。それで、大体全国ノリの経営体を見てみますると、平均のさく数が三十さくぐらいでございまして、この三万円と申しまするのは、大体十二さくぐらいに該当するわけでございます。それで、一応採択基準といたしまして三万円をとるということは、これは今回におきましてはやむを得ないということになりまして、三万円を踏襲したような次第でございます。なお、この三万円以下の経営体につきましては、これを放置するというわけではございませんので、これにつきましては、天災融資法を十分活用いたしまして、天災融資法で五十万円以下の融資ができるようになっておりまするので、これによりまして十分救済をいたしたい。それからまた、今後ノリの経営というものを考えてみまする場合に、もう少し大きい経営に各経営体をできるだけ持っていきたいということを考えておりまして、これは漁場改良とか、いろいろ沿岸振興の別途の施策を行ないまして、そういう方向へ持っていきたいというふうに考えております。
  105. 角屋堅次郎

    ○角屋委員 この点は特に団長であられた古川さんが非常に心配せられまして、法律案としては私どもは非常にこの点では不満でありますけれども、処理する場合においても、後ほど、いろいろ行政的に配慮すべきものを最高度に活用して、どうするかということで一つ相談をしようじゃないかという話もございまして、今も林田漁政部長から、天災融資法の問題なり、あるいは沿岸漁業振興の一環として、いろいろの問題について御答弁がございましたけれども、法律案そのものとしては、私どもとしては、当初はこれを改正した形で出してくるということを期待をいたしましたし、また、その点では水産庁といたしましても相当な努力をされたというふうに認めておりますけれども、残念ながら、各般のバランスの関係上、現状通りということはまことに遺憾でございます。従いまして、この点については、さらに法的な問題のほかの行政的な面で十分今後相談をいたしまして、現地側の要請に少しでも前進した形でこたえるようにいたしたい、こういう気持でありますので、その点については水産庁としてもそういう話し合いに誠意をもって一つこたえていただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでありますか。
  106. 林田悠紀夫

    ○林田説明員 先生の仰せになる通りでありまするから、今後におきまして、できるだけそういう方針に沿いまして努力をしていきたいと存じます。
  107. 古川丈吉

    古川委員長代理 ほかに御質疑はございませんか。——なければ、四案に対する質疑を終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 古川丈吉

    古川委員長代理 御異議なしと認めます。これにて質疑は終了いたしました。     —————————————
  109. 古川丈吉

    古川委員長代理 これより四案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の通告もございませんので、直ちに採決に入ります。  昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設災害復旧事業等に関する特別措置法の一部を改正する法律案昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等災害復旧等に関する特別措置法の一部を改正する法律案昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律の一部を改正する法律案、及び昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた地方公共団体起債特例等に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を一括採決いたします。  各案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  110. 古川丈吉

    古川委員長代理 起立総員。よって、各案はいずれも原案の通り可決いたしました。  なお、ただいま議決いたしました各法律案に関する報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 古川丈吉

    古川委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。  本日は、これにて散会いたします。    午後三時十九分散会      ————◇—————   〔参照〕  昭和三十六年五月の風害若しくは水  害、同年六月及び十月の水害、同年  七月、八月及び九月の水害若しくは  風水害又は同年八月の北美濃地震に  よる災害を受けた農林水産業施設の  災害復旧事業等に関する特別措置法  の一部を改正する法律案内閣提出  第五号)に関する報告書  昭和三十六年六月及び十月の水害、  同年七月、八月及び九月の水害若し  くは風水害又は同年八月の北美濃地  震による災害を受けた公共土木施設  等の災害復旧等に関する特別措置法  の一部を改正する法律案内閣提出  第一〇号)に関する報告書  昭和三十六年五月、六月、七月、八  月及び九月の天災についての天災に  よる被害農林漁業者等に対する資金  の融通に関する暫定措置法の適用の  特例に関する法律の一部を改正する  法律案内閣提出第一六号)に関す  る報告書  昭和三十六年五月の風害若しくは水  害、同年六月及び十月の水害、同年  七月、八月及び九月の水害若しくは  風水害又は同年八月の北美濃地震に  よる災害を受けた地方公共団体の起  債の特例等に関する法律の一部を改  正する法律案内閣提出第二九号)  に関する報告書   〔別冊附録に掲載〕