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1961-12-21 第40回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十二月二十一日(木曜日)    午前十一時三十八分開議  出席委員   委員長代理 理事 古川 丈吉君    理事 秋山 利恭君 理事 永田 亮一君    理事 坊  秀男君 理事 岡本 隆一君    理事 角屋堅次郎君       大野 市郎君    仮谷 忠男君       薩摩 雄次君    首藤 新八君       壽原 正一君    谷垣 專一君       渡海元三郎君    早川  崇君       原田  憲君    前田 義雄君       松本 一郎君    宮澤 胤勇君       保岡 武久君    稻村 隆一君       田口 誠司君    中島  巖君       二宮 武夫君  出席政府委員         内閣官房長官  大平 正芳君     ————————————— 十二月二十一日  委員薩摩雄次辞任につき、その補欠として松 本一郎君が議長指名委員に選任された。 同日委員松本一郎辞任につき、その補欠とし て薩摩雄次君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、理事の私が委員長の職務を行ないます。  災害対策に関する件について議事を進めます。  本委員会において、第二室戸台風後における災害対策に関しましては、すでに決議を行なったところでありますが、この際、内閣官房長官が出席されておられますので、政府の所見をお述べ願いたいと存じます。大平官房長官
  3. 大平正芳

    大平政府委員 ただいま議題となりました十月下旬以後の災害について、本委員会の御決議趣旨に沿いまして、政府といたしましては、次の三つ改正法律案用意検討中でございまして、来年早々国会に御提案申し上げて御審議をわずらわす手はずを進めております。その一つは、昭和三十六年五月、六月、七月、八月及び九月の天災についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律、その法律の一部を改正する法律案、それが一つ用意中でございます。その二つは、昭和三十六年五月の風害若しくは水害、同年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた農林水産業施設災害復旧事業等に関する特別措置法の、これまた一部を改正する法律案でございます。その三つは、昭和三十六年六月及び十月の水害、同年七月、八月及び九月の水害若しくは風水害又は同年八月の北美濃地震による災害を受けた公共土木施設等災害復旧等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、この三つ改正法律案について、来年早々御提案申し上げるべく今検討を急いでおるところでございます。
  4. 古川丈吉

    古川委員長代理 発言の申し出がありますので、これを許します。角屋堅次郎君。
  5. 角屋堅次郎

    角屋委員 ただいま大卒官房長官の方から、本災害特別委員会臨時国会中に対象とした災害以降の災害について、通常国会において処置すべき今後の方針についてお話がございました。  御承知通り、過般の臨時国会の際において、私どもは、十月下旬の集中豪雨等についても、できれば臨時国会中に措置をして、なるべく早く災害県災害地要請にこたえたいという気持でありましたが、時間的に間に合わない状況もありましたので、衆参両院とも、この問題については次期国会において早期に処理するという附帯決議を付したことは、御承知通りでありますし、その後、閉会中におきまして、それぞれの災害県実態精査の結果、すみやかに災害復旧を急がなければなりませんし、また、災害深度からいたしまして、臨時国会措置した十四特別立法に準じて措置をしなければならぬ。中には、災害の実情から見て、それにさらに災害実態に即して措置すべき問題たとえば稲の流失問題であるとか、あるいはまた海岸におけるノリの深刻な被害災害対策の問題であるとかいうふうな、それぞれの時点における災害の特性から、さらに追加して善処を考えなければならぬ問題等も含めて、災害実態調査の報告の際に、附帯決議を付して、来たるべき通常国会年内においてこれを措置したい、こういう特別委員会決議をいたしたことは、御承知通りであります。従って、本特別委員会通常国会で設置をされましてから、われわれ与野党通じて、できる限り年内所要の法制的、財政的措置を講ずるということで、いろいろ今日まで協議を続けて参ったわけですが、今日の時点においては、残念ながら、諸般一の情勢から見て、年内にその実現を見るということができない条件に相なりました。  従いまして、各省との協議の中でも、現実に三月一ぱい下部段階予算をおろしていくというためには、休会明け国会開会早々に、政府所要法律案を出して、特別委員会としても、災害の問題でありまするから、できるだけ審議に協力して、一月一ぱい衆参両院を通過せしめるというふうなことにならないと、政令案の問題であるとか、実施要綱の問題であるとか、あるいはまた下部から書類を上げてそれを処理する問題であるとかいうふうなことで、現実下部段階に三月一ぱいに金がおり、また、災害対策を推進をしていくという形になかなかなり得ないというふうな状況等も出て参ります。従いまして、私どもとしては、今日の時点では、政府が来たるべき休会明け国会冒頭において所要法律案を出されるということが、まず第一条件であろうかと思います。その際、ただいま官房長官から、当面臨時国会措置した災害以降の災害所要立法として、天災融資法関係特例法、あるいは農林水産関係特例法、あるいは公共土木関係特例法三つをお述べになったわけでありますが、過般の臨時国会においては十四特別立法を通過さしたわけでありまして、十月以降の災害は、この三立法だけでは、私は、十分災害地実態に合わないのではないかということも起こり得ると判断をいたしております。従って、これらの問題については、すでに各省において、災害実態災害被害額等がそれぞれ書類が整備されて参っている段階でありますから、さらに検討を加えられまして、これ以外の所要特別立法等についても、必要なものはすみやかに検討整備をして、通常国会冒頭に出していただきたい、こういうふうに思うわけであります。  そこで、官房長官にお伺いしたいのは、政府としては、この三特例法案を出すということに限定をして、その他の問題については、すでに検討の結果、特例法案として出さなくともいいというふうな判断であるのか、あるいは今までの検討の経過の中で、この三法案はどうしても必要であって、あとの問題については検討中であるということであるのか、その辺の法律案提案準備過程について、少しくお伺いいたしたいと思います。
  6. 大平正芳

    大平政府委員 今御指摘になった問題につきまして、私の表現がちょっと正確でなかったのですが、今の三つ法律案が代表的でございまして、この三つ法律案でカバーし切れないものがお説のようにあるかもしれません。そういうものを今検討中でございまして、成案を得次第出すつもりでございます。  それからまた、年度末までに所要予算が配付ができるようにという御注意でございますが、それに間に合うように諸般の手続を進めたいと思っております。
  7. 角屋堅次郎

    角屋委員 今のようなお話で、必ずしもこの三特例法案に限定しない、検討の結果、所要法律案については、同時に出したいということでありますから、そういう点で各省のそれぞれの災害実態精査の上に立って——これは時期的な問題もありまして、論議をいたしておりますと、その問題がおくれていくということでありますから、これは従来の災害の長い経験の中で、所要のものについてははじき出せるわけでありますから、そういうふうにぜひしていただきたい、こういうふうに思います。  なおまた、私ども下部段階に参りますと、特例法が今のような経緯でまだ未決定というふうなことから、この災害査定その他の問題が、今も大分県の関係からもお聞きしたのでありますが、非常にやはりおくれがちになっておるというふうな問題等指摘されておるわけであります。これは現行法でやるのか、あるいは特例法になるのかという未決定段階では、そういう問題も起こりがちでありますが、やはりそういう問題の仕事の進捗については、これこれのものについては特例法を準備していくつもりであるからという前提でやるべき問題については、行政庁としてもそういう配慮で——災害特例法がおくれたためにこの仕事復旧がおくれる、たとえば来年の植付期までに農地復旧その他の問題を済ましたいというふうに考えておっても、特例法の行方が明らかにならないというふうなことから、おくれるという事態があってはならない。これは国会自身の問題であって、災害県には何ら罪のない問題でありますから、そういう現に災害査定その他の進行過程における処理の問題について、所要特別立法を予定しておる問題については、その前提で促進するように、ぜひ一つ各省関係についてはそういう趣旨で進めていってもらいたい。おそらく各省もそういう趣旨で進めておる点もありましょうし、それがまだ未決定だからということで、現行法のような建前でやっておるところもあるいは起こっておるのかもしれません。そういう点については、大体、農林水産関係公共土木関係というのは、どうしても災害の場合には柱になってくるわけですけれども、そういう問題を含むその他各般の問題についても、そういう形で各省行政指導というものを法律案の制定までおろしてもらいたいと思うのでありますが、いかがでございますか。
  8. 大平正芳

    大平政府委員 ごもっともでございますので、そういう趣旨に沿って善処いたします。
  9. 角屋堅次郎

    角屋委員 さらに、この機会に、私は、官房長官にお願いを申し上げておきたいと思いますが、御承知通り、去る臨時国会における災害対策特別委員会の中でも、それぞれの法律案を処理する場合において、重要な附帯決議を付したり、あるいは単独決議案決定したりいたしておるのであります。本年度は、例年の災害から見まして、災害もずいぶん数多く起こりましたし、災害深度においても、きわめて広範かつ深刻なものがございまして、従って、たとえば大阪を中心にした第二室戸台風における高潮対策地盤沈下対策の問題、あるいは兵庫、神奈川等中心にした地すべり対策の問題、その他淀川水系における治山治水対策とか、いろいろな各般の問題が、本年度災害の中で特徴的に出て参りまして、そういう問題については、予算的に関連のある問題等についても重要な決議を行なっておるわけであります。従いまして、各省関係を統括される官房長官といたされましても、やはり災害の問題については、非常に国政遂行上の重要な一つの大きな柱でありまするから、特別委員会決議等をした趣旨の問題で、今後法制的、財政的に関係のある問題については、ちょうど幸い新年度予算決定の重要な時期でありますから、そういう院の決議については、十分この決定を尊重されまして善処を願うように要望いたしたいと思いますし、われわれといたしましては、来たるべき休会明け国会の中で、われわれの決定をした決議というものが、いかにその後の予算その他において生かされてきておるかというふうな点についても、十分時間をかけて論議をし、災害県要請にこたえていかなければならぬというふうに思っておるわけですが、その点についての官房長官のお考えを承っておきたいと思います。
  10. 大平正芳

    大平政府委員 今予算案を編成中でございますが、今御指摘のような点につきまして、あとう限り尊重をいたしまして編成いたしますように、私どもといたしましても留意いたします。
  11. 角屋堅次郎

    角屋委員 以上をもって私の質問を終わりたいと思いますが、冒頭以来申し上げておりますように、所要の法制的な問題については、官房長官お答えのように、休会明け国会冒頭所要法律案を整備して提案をされまして、われわれといたしましても、すみやかにこれを審議決定をいたしまして、災害県要請早期にこたえる、こういうふうにいたしたいと思いますので、官房長官を初め政府の格段の善処を要望いたします。
  12. 古川丈吉

    古川委員長代理 本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会