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畑委員 政治資金についての
総理の御答弁にも、やはり私同意できない。結局は
現状では云々というような口実で、そこには
党利党略、
党派性がひそんでおるというふうに私は
考えざるを得ないのであります。しかし深追いをいたしてもいたし方ございませんから、その次に進みます。
もう
一つの問題は、御承知のように、
高級公務員の
立候補制限の問題でございます。これは本
会議でも申しましたが、
答申の趣旨もおわかりだと思いますから、もう申しません。いろんな不正が
相当ある。それが地位を利用しておるのはおおいがたい。そういうことではならぬから、それをいっそのこと
立候補を禁止しようというのであります。ところで、今までこの
委員会で自治大臣等の
見解を承っておりましたが、その
理由とするところは、
憲法違反ではない、これはもう支配的な
意見でございます、
ただ合理的な根拠がありさえすれば、特定の部局を、地位を指定してやれば
憲法違反にはならないということであるけれども、それを指定することがなかなか困難である、帯に短したすきに長しというか、いろんなことで、あれでもこれでもということでむずかしいということを
理由にしていることは明らかです。しかし、われわれはできないことはないはずだと思う。これはりっぱに
憲法違反にならないはずだと思う。そこで
社会党は、
修正案で役職を指定いたしました。ずさんであるというそしりがあるかもしれませんが、われわれは
地方分部局を持つ中央官庁の高級職員を指定しておるわけです。実績主義によると、そうでないのが出てくることもある。今度の源田空将の場合のようなことも出てくる。われわれは予想もしなかったことであります。
答申はそういうことでしておるのに、
政府の方ではそれを削って、地位利用の方だけに限った。しかも一般公務員、上も下もないということにして、非常にぼやけている。これもわれわれが
ざる法だと言っている
理由なのでありますが、この点も幾ら
議論をしてもだめかもしれぬ。
そこでちょっと気がついたのですが、今の源田空将の問題です。源田サーカスの団長ですか、航空幕僚長かと思いましたが、あの人はこの間、この
選挙法が
審議されているまっ最中にやめて、今度参議院に
立候補するというようなことを声明されておる。
自民党の方でもこれを受け入れて、むしろすすめて、やめて出すようにしたというような新聞記事をお書き方になっておるのであります。実はこの点については、
公職選挙法でたまたま問題になっておる
高級公務員立候補の
制限の問題とからんで、また非常に不愉快に思ったわけです。たまたま問題になっておる。
政府はそうではなくて、
立候補はさせて、
あと地位の利用は云々ということになればいいのじゃないかということかもしれませんが、たまたまこれが大きな問題になっておるときに、源田さんのああいうことになったのでありまして、われわれはその点が非常に不可解でたまらぬわけです。
そこで、実はこの間公述人の
意見を聞きました。そのときに、はからずも御手洗氏が言うておりました。こちらで聞いたわけじゃありませんけれども、向こうで最初の公述のときに、たまりかねてこういうことを言っておる。ちょっと聞いてい
ただきたい。「近ごろ、ごく近いときに、自衛隊のある有力な幕僚長が職を辞して、そうして与党から参議院全国区に
立候補するという意思を発表しておられますが、実にけしからぬことだ、」顔色を変えて言っていました。「もしさようなことが慣例になって自衛隊の幹部が引き続き、今申したような例に従って全国区
議員に
立候補するというようなことになりました場合、元の上長と部下との関係、これによって自衛隊はどういう地位になりましょうか。私どもは、自衛隊が健全に成長して、
ほんとうに
国民のものとならなければいけないと思って、及ばずながら日夜苦心いたしておりますが、そのような不心得者が出て、それを有力な
政党が支持するというようなことになりますと、自衛隊はもう崩壊するのではないか、少なくとも精神的に
国民からそむかれるのではないか、かようなことを憂えます。これは余談でありますけれども、今日の参議院全国区における官僚のばっこというものはそこまできておる。かような
事態に対してきびしい
制限を加えるということは、私はぜひとも必要ではないか。これは国を憂える余りさように申すのであります。」こういうふうに申して非常に憤慨しておられました。たまたまこうした
選挙法が問題になっているときにこういうことになったのは、私はきわめて遺憾だと思うのです。それだからやはり、
高級公務員の
制限は
政府ではしたくないんだな、こう勘じらざるを得ない。
国民もおそらくそう思うでしょう。それは、一人
立候補すればこれはなかなか有名な人だから、自衛隊はもちろんこぞって投票するだろうし、また当選するかもしれない。一人の議席がふえるかもしれないけれども、私は
池田内閣の点数はこれによってふえはせぬ、かえって減るだろう、かように思うわけであります。この点
自民党の総裁でもあられる
池田総理として、どんな
程度まで関与されたか、どう
考えておられるか、その点を承りたい。