○堀
委員 私は、その中に実は非常に大きな問題があると
思います。なぜかといいますと、今回の
審議会の中で一番熱心に参加をされた人ほど、実は強い不満を持っておられるわけであります。これは私はまことに遺憾であったと
思いますが、今回の
審議会には特別
委員の
制度が設けられまして、私
ども議員もこれに参加をいたしました。自由民主党からお出になっておりました特別
委員の方は、残念ながら、どういう事情であったかはわかりませんけれ
ども、青木
委員を除く他の
方々は、実はあまり御出席がなかったという事実があるわけであります。この問題については、
審議会において何回か自由民主党の特別
委員の御出席を慫慂するように、幹事に対して申し入れが、私の記憶にある範囲でも、私が属しておりました部会で三回以上にわたって行なわれた事実があるわけであります。問題は、実は今おっしゃるような形式的な問題ではなくて、自由民主党が、あるいは
池田総理が、
選挙法の改正に対してどういうかまえで国民に臨んでおられるかというところから問題は私は出てきておると思うのであります。
そこで、新聞の論調をかりてちょっと私はここで申し上げてみますと、二月十四日の朝日では「骨抜きになった
選挙法改正案」、二月十八日には、同じ朝日は「利己的な立場からの発言を排す」、二月二十四日には「許せぬ
選挙法改正の骨抜き」、二月二十八日には「
選挙法に自民党の良心を求む」、こういう格好の見出しで出ております。
内容までは触れませんが、特にきわめておもしろい点を指摘しておりますのは、毎日新聞の二月二十七日の社説でありますが、ここでちょっと私は簡単に読み上げておきます。「
政治問題化した
選挙制度審議会答申の取り扱いについて自民党の大野副総裁が二十四日大阪で「
選挙をやったことのないしろうとの理想案だから困る」と発言している。まことに聞き捨てならない暴言である。というのは、この発言のウラに、問題の
答申を
政府案作成の過程で大きくゆがめ、骨抜きにした自民党内の底流的な
考え方がひそんでいると思われるからである、」というようなことから始まりまして、「こんどの
選挙法改正の動きで、もう
一つ見のがせない点は、公職
選挙法という
法律についての
政治家の
考え方である。いまの
政治家たちはすべて、この
法律を全く自分本位の観点からのみ、みているようだ。だが、
選挙というものは主権を持つ国民の重大な権利の行使である。公選法はこの有権者の自由な
意思の表明によって、
選挙が
公明かつ適正に行なわれることを確保する目的で作られているのではないか。そうだとすれば、
選挙法はむしろ国民のためのものでなくてはならない。そして、
政治家が実行不可能と称する「理想案」は、実は国民にとっては最も現実的な案なのだ。大野発言のような
考え方は、明らかにこの国民の常識にも、立法の精神にも反するものである。自分たちのために醜悪な現状に
選挙法を合致させることだけしか
考えていない。」こういう
批判を述べているわけであります。
そこで私は今回の中で、実は御手洗さんが最終の総会で御発言になったことで、私も実はテレビで拝見しましたけれ
ども、先ほどからも出ておりますが、首相が唐島さんとのテレビ対談で、私は総会の
意見よりも部会の
意見を聞いておりますから、その方をとったのです。こういう御発言がございました。これは私はあなたの
一つのお
考えの現われだと先ほどからも承っておりますが、そこで一体われわれの
民主主義のルールで、総会の決定と部会の決定と、部会の中における少数
意見と三つある場合には、われわれは一体いずれをとるのが正しいのか、
総理の御見解を承りたい。