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1962-02-21 第40回国会 衆議院 建設委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十一日(水曜日)     午前十一時四分開議  出席委員    委員長 二階堂 進君    理事 加藤 高藏君 理事 薩摩 雄次君    理事 瀬戸山三男君 理事 田村  元君    理事 松澤 雄藏君 理事 石川 次夫君    理事 山中日露史君       逢澤  寛君    井原 岸高君       金丸  信君    徳安 實藏君       前田 義雄君    岡本 隆一君       兒玉 末男君    佐野 憲治君       日野 吉夫君    三宅 正一君       田中幾三郎君  出席国務大臣         建 設 大 臣 中村 梅吉君  出席政府委員         厚生事務官         (年金局長)  小山進次郎君         建設事務官         (都市局長)  前田 光嘉君         建設事務官         (住宅局長)  齋藤 常勝君  委員外出席者         厚生事務官         (保険局次長) 熊崎 正夫君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 二月十九日  委員兒玉末男辞任につき、その補欠として高  田富之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員高田富之辞任につき、その補欠として兒  玉末男君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員廣瀬正男君及び兒玉末男辞任につき、そ  の補欠として佐々木義武君及び永井勝次郎君が  議長指名委員に選任された。 同日  委員佐々木義武君及び永井勝次郎辞任につき、  その補欠として廣瀬正男君及び兒玉末男君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 二月二十日  一級国道二〇号線の整備促進に関する請願(下  平正一紹介)(第一三二一号)  同(井出一太郎紹介)(第一三八三号)  主要地方道宇都宮水戸線の二級国道編入に関す  る請願山口好一紹介)(第一三六九号)  横浜新道戸塚支線通行料免除に関する請願(  飛鳥田一雄紹介)(第一五〇五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内  閣提出第四〇号)  阪神高速道路公団法案内閣提出第五四号)      ————◇—————
  2. 二階堂進

    二階堂委員長 これより会議を開きます。  まず参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政基本施策に関する件調査のため、来たる三月二日金曜日午前十時三十分より参考人出席を願い、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 二階堂進

    二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお人選、出頭手続等はすべて委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 二階堂進

    二階堂委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。      ————◇—————
  5. 二階堂進

    二階堂委員長 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び阪神高速道路公団法案の両案を一括議題として審査を進めます。  前会に引き続き質疑を続行いたします。山中日露史君。
  6. 山中日露史

    山中(日)委員 保険局次長さんがおいでのようでありますからお尋ねいたしますが、昭和三十七年度の厚生年金還元融資住宅並びに国民年金特別融資住宅の大体の計画、それから予算等関係がおわかりでありましたらお伺いしたいと思います。
  7. 熊崎正夫

    熊崎説明員 ただいま資料を持ってきておりませんので恐縮でございますが、還元融資住宅関係につきましては、来年度変わった点といたしまして、三十六年度から年金福祉事業団というものができまして、これは従来国民年金並びに厚生年金還元融資転貸分として各事業主法人等に出しておりましたのを、転貸方式をやめまして、事業団が直接貸しをやるというふうな方式に変えまして、新たに作られました団体でございますが、その事業団に対しまして、主として中小企業の対象を目的としまして、住宅融資ワクを七十億程度特別融資をやるように大体内定をいたしております。従いまして三十七年度の住宅関係につきましては七十億年金福祉事業団から特別融資をするという新たな対策が打ち立てられておる次第でございます。
  8. 山中日露史

    山中(日)委員 その七十億というのは、それは厚生年金だけのワクでございますか。それとも国民年金の方も加えての七十億ですか。
  9. 熊崎正夫

    熊崎説明員 主として厚生年金還元融資というふうにお考えをいただきたいと思います。
  10. 山中日露史

    山中(日)委員 ところでその国民年金融資住宅のことについてお尋ねいたしますが、この国民年金融資住宅貸付条件、金利、償還、こういった関係はどういうことになっておりますか、この機会に承っておきたいと思います。
  11. 熊崎正夫

    熊崎説明員 住宅の分につきましては、これは年金福祉事業団の三十七年度の政令を制定する段階におきましてきめていくことでございまして、ただいま資料を持っておりませんのではなはだ恐縮でございますが、大体従来の方式を踏襲するつもりでございまして、若干従来の転貸方式と変わった点はございますけれども、そう差はないというふうに御了解をいただきたいと思います。
  12. 山中日露史

    山中(日)委員 私の方の手元にあります資料によりますと、この国民年金特別融資で、住宅改良ですか、主として農村方面住宅改良だと思いますが、これに回す金が昨年度は十億ということになっておって、実際の貸付の決定いたしましたのがわずか二億六千万円しかなっておらないのですが、これはどういう関係で十億というような予算ワクがありながら、このような結果になっておるのか、その辺を一つ説明を願いたいと思います。
  13. 熊崎正夫

    熊崎説明員 その点につきましては、実は厚生省内におきまして、保険局関係融資の問題ではございませんので、国民年金の方の還元融資の中身でございますが、改良住宅というふうに掲げられておりますのは、いきさつがございまして、本来からいえば年金局長から御説明申し上げるのがしかるべきだと思いますけれども、便宜私から申し上げますると、国民年金積立金、つまり保険料が集まってきます積立金といいますのは、都市もございますけれども農村の方から保険料、毎月百円、百五十円が集まってくる、零細な保険料でございまして、農村の方に還元する必要があるということで、農村住宅改良と申しますと、これは各県によっていろいろ、バラエティはございますけれども、たとえば東北地方において農家屋根ふき等をやる必要があるということで、県の方で指導いたしまして積極的にやっている地方もあるわけでございます。従いまして、住宅改良といいましても、そういう屋根ふきの分を主体にしようということで、特別の十億のワクを作りまして、このワクを作るにつきましては、大蔵省並び農林省打ち合わせをいたしまして一定ワクを作ったのでございますが、それが実は当初の予定に比べてある程度申請も少なくて、結果的にそういう数字に相なったと承っております。
  14. 山中日露史

    山中(日)委員 私もよく実情はわかりませんけれども国民年金の金が農村のそういった住宅改良に使われるのだ、そういう制度があるのだということは、おそらく農村の人はあまり知らないのではないかというふうな気がするので、農村の人々に、住宅改良にはこの国民年金の金が使えるのだという趣旨を徹底させるのにどういう方法をとっておるのですか。
  15. 熊崎正夫

    熊崎説明員 ただいま申し上げましたように、そういうふうなワクを作るについても、実は農林省の方から強い御要望もございまして、一定ワクを作ったのでございますが、私の方としましては、年金局の方で国民年金課長会議を随時招集し、また農林省とも事前打ち合わせをやりまして、なるべく全国にその趣旨が徹底するように啓蒙に努めたのでございますけれども、御指摘のように、必ずしもそれが十分ではなかったという点はあろうかと存じますが、今後ともその面の需要を満たすように努力はして参りたいというふうに関係局の方で考えておるようでございます。
  16. 山中日露史

    山中(日)委員 災害などがありますと、一番被害をこうむるのは農村住宅が多いと思うのですが、災害については住宅金融公庫等に特別のワクがありまして、建設省所管の方では徹底的にそれを利用するようにやっておるわけです。それで専門家のベテランもみなおるわけですが、どうも厚生年金にしても、国民年金にしても、厚生省所管の方の住宅関係については趣旨が徹底していないし、そのワクが両方に分かれておるという関係で、私ども理想としてはこれは一つにしなければならぬものだと思っておりますけれども、とかく官庁の権限争いということに原因いたしまして、こういった住宅政策というものがばらばらになっておる。年金の金はおれが集めたのだからおれの方で使うのだという観念が強くて、そういうことになるのじゃないかと私どもは思うのですが、こういう制度がせっかくあるのですから、厚生省もこの趣旨を徹底するように今後とも十分努力をしてもらいたいと思うのです。そこで、すでに国民年金の方は二億六千万円というものが決定しており、貸付条件償還が十年以内となっているのですが、これは十年以内で、どういう方法で返すということにきめてあるのですか。
  17. 熊崎正夫

    熊崎説明員 これは各地方公共団体を通じて貸付をいたすわけでございますから、地方公共団体の責任において年賦償還をする、こういうふうに御了承いただきたいと思います。
  18. 山中日露史

    山中(日)委員 その公共団体と実際に融資を受ける人との間の条件はおわかりになりませんか。つまり、私の聞きたいことは、十年以内といいましても、十年以内にどういうふうな方法で、毎月どのように払っていくのか。農家の収入ともいろいろ関連があると思うのですが、そういった公共団体との間の契約内容は御存じありませんか。
  19. 熊崎正夫

    熊崎説明員 年金局関係所管でございますので、その辺、私少しうといのでありますが、いずれ資料を持って御説明に上がりたいと思います。
  20. 山中日露史

    山中(日)委員 この機会に、建設大臣にお尋ねいたしますが、今お聞きのように、この住宅政策厚生年金住宅あるいは国民年金住宅というふうにいろいろ分かれておるのですが、やはりこういった住宅政策に対してはこれを一元化する方向に持っていくべきではないかというふうに考えておりますし、こういう声が今日までしばしばあるわけでありますが、その点についてはどういうようなお考えを持っておられますか、お尋ねいたしたいと思います。
  21. 中村梅吉

    中村国務大臣 現在としましては、基本的な問題は建設省厚生省との間に打ち合わせをいたしまして進めておりますが、具体的に住宅関係資金を融通することにつきましては、今質疑応答のありましたような状態でございます。われわれの基本的な考え方としましては、資金はそれぞれ別の角度から出てくるのでありますから、資金の本もとを握っていただくということはやむを得ないことでありますが、できることならば、努めて委託融資のような形にしていただけば住宅政策として統一が可能でありますので、そうなることを実は私どもとしては望んでおるわけでございます。   〔委員長退席加藤(高)委員長代理着席〕 幸い、労働省関係の方は、失業保険資金住宅に融通することにつきましては委託をしていただく制度ができまして、今度の住宅金融公庫法の一部改正にその面が織り込んであるわけでございますが、まあ、現在のように各省がそれぞれの所管に応じまして業務を行なっておりますので、理想はそうでありましても、理想通りにはなかなかいきかねる点もございますから、今後とも、われわれ政府部内としましては十分連絡をとりまして、だんだんと理想に沿うように努力をして参りたい、目下のところ、かように考えておる次第でございます。
  22. 山中日露史

    山中(日)委員 そのことに関連いたしまして大臣に一点だけお尋ねしておきたいと思いますが、産業労務者に対する住宅建設資金ですが、これも今お話しのように住宅金融公庫産業労務者住宅融資あるいは厚生年金積立金還元融資、こういうふうに分かれておるのですが、結局両者の目的一つでありながら、融資率だとか償還期限だとか、あるいは建設単価というものにいろいろ差異があるわけで、非常に非合理的だと考えるわけでありますが、特に中小企業に貸し付ける融資の率にいたしましても、住宅金融公庫では大体木造で中小企業に対しては五五%、耐火建築については六〇%ぐらいしか貸さない。ところが、厚生年金の方では中小企業に対しては一〇〇%貸す、こういうふうに条件が違うわけであります。産業労務者のこういった中小企業に対する融資の率もこういうふうに違っておるわけですから、公庫が貸す場合においてもやはり一〇〇%もしくはそれに近い融資率に上げていく必要があるのではないか、こういうふうに考えておるのですが、この点についてはいかがでございましょうか。
  23. 中村梅吉

    中村国務大臣 今御指摘のような点につきましては、なるべく各省の扱いまする扱い方を合わせていくように努力はいたしておるのでございますが、ただ、現状のところ、住宅金融公庫につきましては、産労住宅関係需要が非常に多いものですから、なかなか需要に応じ切れない現象下に運営をいたしておりますので、一〇〇%貸付をするということが困難でありますので、現在のような方法をとっておるわけでございます。これでも相当に希望が多くて、希望を達せられない方もあるわけでございますので、そういうような需要との関係も将来考えながら、次第に統一をするように努力していきたいと思います。
  24. 二階堂進

    二階堂委員 ちょっと関連して。住宅政策につきましてはいろいろ問題があるわけであります。私ども自民党としましても、従来から住宅政策につきましては非常に熱心に、毎年予算の増額もやっておりますし、また供給体系を一元化しなければならないという方向で、毎年非常な議論を繰り返してきておるわけでありますが、いまだにそれが実現されていない。今、山中議員よりも発言がありましたが、現在考えてみますと、御承知通り建設省関係も公営その他の住宅金融公庫公団等がやっておる。それから厚生省厚生省炭労住宅関係とかあるいは国民年金関係の金を使って住宅建設促進をしておる。それからまた労働省関係雇用促進公団ですか、従来もやっておりましたが、この公団産労住宅関係をやっている。それぞれこれは資金各省にまたがるわけですが、目的とするところは、不足している住宅を供給しよう、能率的に、困っている国民住宅を作ってやろう。特にまた最近は雇用関係の問題と関連いたしまして、中小企業に働く労働者諸君にも安い、よい住宅を供給しようということでいろいろやっておるわけなのですが、私は住宅の供給するルートが幾つにも分かれていくということは非常に好ましい状態ではないと考えております。特にまた、融資条件とか償還条件とか、あるいは利率とか手続等、非常に繁雑になっていく面が多いわけであります。これは各省それぞれ目的とするところは違うにしましても、あるいは資金源が違うにしましても、将来はこういう供給体系というものを一元的な機構のもとにまとめていくことが私は大事なことじゃないか、こういうふうに考えておるのですが、これは答弁は要りませんが、建設省におかれましても熱心な検討を加えていただきたい。わが党としましても一おそらく社会党の方々もこれは異論がないと思っております。そういう方向一つやっていただきたい。これはお願いを申し上げます。  それから年金局長見えましたか、厚生省関係熊崎さんとどなたが見えておりますか。国民年金係の方見えていないのだね。厚生年金熊崎さんに聞いたってあまり御存じじゃないでしょうが、私は自分希望意見を申し上げて、これは検討していただきたいと思っておりますが、先ほど国民年金還元融資に基づく農村改良住宅の問題が取り上げられましたが、これは御承知通り毎年台風災害等によって一番被害を受けたのは住宅です。被害を受けるのは農村漁村方々の家なのです。毎年台風がありますと、私は台風の地に派遣されておるのです。そのたびに一番困っておるのは住宅復旧なんです。それで七、八年前から国民金融公庫の中に災害住宅ワクを十億、毎年盛ってもらうことにいたしておる。これは特に私が鹿児島でありますし、災害地でありまして、一番住宅復旧に頭を悩ましておった関係もありまして、特に私は熱心に主張しましてこのワクを作ってもらった。作ってもらったときは自治省あたりが非常に文句を言いまして、そういう金を貸し付けるのは非常に困るというような意見がありましたが、これが今日では非常に農村漁村台風等によって被害を受けた方々住宅復旧に役立っておる。これは申し上げるまでもないのです。この金が今日相当貸し付けられて、しかも生きてきております。台風は毎年あります。そこで、昨年の昭和三十六年度の予算編成にあたりまして、私ども農村改良漁村住宅改良修繕等のために一つワクを設けて、そうしてこれらの方々一つ家を復旧してもらおう、屋根ふきかえてもらおう、台所を改善してもらおう、便所をよくしてもらおうということで、厚生省、それから大蔵省建設省、その他の方々にも強く要望いたしましてワクを作ってもらったのが、昭和三十六年度からなのです。ところが十億のワクができて参りましても、この昭和三十六年度の十億の中でわずかに二、三億程度しかこの金が生きて農村改良修繕等に使われていないという状況です。これはできたばかりですから、いろいろ末端に浸透することもおくれておったこともありましょう。しかしながら、私はその当時から、厚生省の方に意見を申し上げますと、この金は厚生省で集めた金なんだということで、私の方の手を通じて金を貸し付けるようにしていただきたいというような意見だったのです。そこで大蔵省管財局ですか、ともいろいろ話をしましたら、やはりこの金はどこか一本にまとめてやった方がよかろうというようなわけで、大体結論までいかずに昭和三十六年度の予算がきまったわけなんであります。ところが、私はその後も、災害住宅の金が住宅金融公庫の中に別ワクで十億あるわけですから、国民の零細な金であることは私も承知しておりますが、その十億何がしのワクはやはり住宅金融公庫に別ワクとしてやって、そうしてこれは国民年金の金だということをよく徹底して、そうして農村漁村屋根ふきかえとか台所の改善とか、便所をよくするとかいうようなことに役立つようにした方が、より能率的に、時間的にも早く実際の金が住宅改良に生きてくることになるから、そうしたらどうか、こういうことを私は一番強く主張して参っておる一人なのです。ところが、厚生省年金課長にも私は予算のときにも来てもらうように話をしたがなかなか来ない。一番反対したのは厚生省です。今、年金課長も見えておりますが、私は、党においても、政調会においても、総務会におきましても強くこの意見を申し上げて、みな賛成だと言うのです。ところがどうも厚生省は、極端な表現をすれば、おれたちが集めた金だからおれたちの方から金を貸さなければ困る、そういう印象を私は強く受けておる。私が申し上げますことは、やはりもちはもち屋で、家の係を受け持っておるものは、建設省関係住宅金融公庫、あるいは府県にいきますと土木部関係、町村にいきますと建設課長なんか、建設関係を担当しておる部課があるわけです。そういう家の実情に通じたところを通じて金を流した方が早くその金が生きていくことになる。われわれは、政策で十億農村漁村人たちのために役立つ金があるんだという宣伝ばかりじゃだめなんです。その金が実際早くどの程度農村末端にいって、そうして二回も三回もかかって家の修繕もできない、台所修繕もできないところはたくさんあるのです。特に漁村住宅は、人間の生活ではないような住宅がたくさんあるじゃありませんか。そういう人に早くそんな金が行き届いて、そうして台所を直したり屋根ふきかえてもらう、人間らしい生活をしていただきたいというのが、私どもほんとう考えなのです。ところがあなた方の方は、国民年金はおれの方が集めた金だから私の方で取り扱わさして下さい、これは極端な表現か知りませんが、そういう印象を受ける。それでは生きた政治にならぬ。私どもの立場からいうと、そういう金は、私は、住宅金融公庫なら金融公庫に別ワクで十億とっておいて、そうして建築のこと、農村住宅のこと、そういうものをよくわかったところのルートから金を流すことが、政策末端に生きていくことになるわけでありますから、そういうふうにぜひやってもらいたい、こう私は考え、党もその考えでずっと話をしてきておるわけでありますが、なかなかその切りかえが、今年度に至ってもできていない。わずか二億何千万という金しか昭和三十六年度は徹底していない。しかもこれが水洗便所にも二億幾らか回っている。最初このワク考えたときには——水洗便所があるところは大体都会なのです。いなかの農村漁村水洗便所なんか持っているところは、私はよく知りませんが、おそらくまだないでしょう。この水洗便所に対する融資は、これは環境衛生局予算関係でも、私よく存じておりませんが、幾らかあったように記憶しておりますけれども、このワクを設けたそもそものねらいというものは、災害によって一番被害を受ける農村漁村に、そういう方々防災対策融資するということでこのワクを設定してもらったわけなのです。ところがその金が十億あっても、わずか二億しか生きてきていない。三十七年度のワクは十億をこしているかわかりませんが、これはどういうわけでこんなにおくれてきたのか。役所の所管争いというようなこともあって、あなたの方の趣旨徹底が足らないのですよ。こういう金を借りて自分の家の屋根をふいたり台所を修理したりできることを知っている農民というものはおりません。私も地方を回っておりましても、金を貸すルートが違っている。しかも農村漁村住宅事情等に一番詳しいのは、農林省農業改良普及員、この人たちを呼んで話をしたら喜んで、ぜひ私どもの言う通りにしてくれという話だったのです。あなた方の方と話をしてくれということを申し込みされたこともありますから、おそらく話し合いをされたこともあるでしょう。しかし、まとまらないのです。そういうような方々を通じ、あるいは建築関係によく理解のある、そういうことをしょっちゅう取り扱っておるルートを通じて、こういう金を流してもらえれば、私は、これがもっと生きて、実際に農民や漁民の住宅改良に役立つと思っている。それが、今日までそのままになってきておるのです。一体この金はどういうルートを通じて、末端においてはだれがその金を取り扱って貸しつけておるのか。それから昭和三十七年度は、あなたの方でやはりこの金を使って融資をされることになろうかと思うのですが、積極的にこの金の使い道というものを徹底させることをどういう方法でやられるつもりか、そういうこと等について、年金課長一つあなたのお考えを聞かして下さい。私の真意は、何もあなたが取り扱っているから悪いとこう一がいに言っているのではないのですよ。ほんとうのねらいは先ほど申し上げましたようなところにこの十億のねらいがあるのですから、その趣旨にあなた方は反対か賛成か、そういうことについてあなたの考え一つ述べて下さい。
  25. 加藤高藏

    加藤(高)委員長代理 年金局長が来ておりますから、年金局長から……
  26. 小山進次郎

    小山政府委員 まず結論から申し上げますと、私どもとしましてもこの金が二階堂先生がおっしゃったような意味合いにおいて、ほんとう農村住宅の補修の促進あるいは改良というものに役立つということが望ましい、これはもう全く同感でございます。ただ先生のお話をお伺いしておりますと、非常に不幸なことでございますけれども、若干いきさつに行き違いがあったようでございます。先生がそういうお考えでつとにその方面の施策を御推進になっておった、これは確かに、私どもあとで承知したことでありますが、一方私どもの方にあの住宅ワクが入りましたのは、実は全く他動的な事情であったわけであります。国民年金特別融資でいろいろな仕事をする。農村には、どうも従来の経験から見て適当な還元の方法がない。どうしたら還元できるだろうかということを言っておりますときに、それなら一つとにかく住宅をやってくれという格好で入ってきたわけであります。ということが今日から見ると不幸な行き違いの一つであったわけであります。それから、その次に不幸な行き違いは、先生はこれをいわば直接融資の形で促進したいという強いお考えを持っておったわけであります。ところが、われわれの方に関係省から話が持ち込まれたときは、そうではなくて、とにかく市町村を通じて貸し出していってくれ、つまり地方債を引き受けるという格好でこの仕事をやってくれ、こういうことになったわけであります。それで、やり方としましては、いろいろないきさつはありましたけれども、とにかく市町村が市町村の中の被保険者のために、何かまとめてわらぶき屋根の改修をするとかあるいはその他の住宅の補修をする場合に、それぞれの市町村の被保険者にお金を貸す。その金を還元融資の金でめんどうを見る、こういうことになったわけであります。従って、その点から見まして先生がお考えになっておったのに比べて、非常に間接的なやり方になったというのが、今日から考えると非常に不幸な行き違いであったわけであります。もう一つは、先生もおっしゃったように、何分初年度のことでありまして、また話がもともと途中から飛び込んできた格好になりましたので、十分その趣旨が徹底しないというようなことがあったわけであります。それで、この仕事については、とにかく一つ希望は全部申し込んでくるようにということで、全国に希望を募ったわけでありますが、ほかの医療施設とかあるいは厚生福祉関係の施設は、大体希望が二倍ないし三倍以上、四倍程度になったのもざらにございます。ところが、この住宅の募集に限っては、市町村がそれを引き受けてやるというような事情もありましたろうし、またなかなかまとまらぬということもあったと思いますけれども、なかなか希望が出て参らなかったわけであります。それで、われわれとしてはやむを得ず、せっかく十億のワクを設けたことなんだから、この分についてはほかの締め切り時期がきても残すということで、十月一ぱいまで待ったのであります。ほかの方は大体七月の下旬、八月の上旬というところで締め切ったのでありますが、住宅の分だけは十月一ぱいまで待ったのでありますが、どうにも申し出がないということで、やむを得ず三十六年度が二億三千万一これは申し込みのほとんど全部でございます。金額で申しまして二億七千万程度ありましたけれども、若干の整理をいたしまして、申し込みのほとんど全部を認めて二億三千万、こういうことになったわけであります。  それで、前おきが非常に長くなりましたけれども、そういう事情でございますので、ことしは何とかもっとこれを開発したいということで、市町村を通じて今呼びかけをするようにしております。仕事はもちろん市町村でやる場合には、当然先生仰せの通り市町村の建築関係の人がやるに違いないのであります。われわれの方は、ただそのお金のお世話をするというだけのことでありまして、実務を私の方でするという関係は全然出て参らぬわけであります。それで、今年度の感じを申し上げますと、だいぶ昨年やりましたので、あちこちからわしの方もやりたいというような申し出があるようであります。従って、ことしはどうやら十億の希望は十分満たし得るところまで持っていけはしないか、かように考えているわけでございます。  経過を申し上げますと、そういう事情でございます。
  27. 二階堂進

    二階堂委員 いきさつその他については、あなたのおっしゃる役所同士の話と、私ども考えとはやや違った点もあります。ここでそういうことはあまり議論いたしません。ことしは十億はうまく消化できるような見通しだとおっしゃられたので、けっこうなことだと思います。しかしながら、私は先ほど申し上げましたような気持は変わりませんから、やはりこれは党においても、いろいろな問題をさらに検討してもらうように、私はお願いしておりますし、私自身もまたもう少し勉強をしてまた御相談申し上げたいと思っておりますが、この貸付条件方法です。これは実際金を借りる場合、たとえて申し上げますと、私なら私が金を借りる場合、町長にこういう金を借りたいということを申し入れするわけですね。そうするとその書類はどこを通ってあなたの手元にくるわけですか。実際何にも知らない農民が金を借りる場合、役場に行って話をして、その申請書をもらう、それが直接あなたの厚生省にくるわけですか、県を通じてくるわけですか。どういうことになるのですか。
  28. 小山進次郎

    小山政府委員 先ほど申し上げましたように、これは町村がそういう仕事をすることに対してお金を貸し付けるわけでありますから、町村が自分の町村の中のそういう農民たちのために、そういう申し入れを受けるような一定制度を作るわけであります。そうしますと、そこでたとえば二十件なり三十件の要望がまとまって一定の金額になるわけであります。そうしますと、それを町村が厚生省及び自治省に申請をする、これは起債の申請になるわけです。それを私どもの方で検討して、厚生省、自治省、大蔵省、三省相談の上で必要なお金を地方債の引き受けという形で貸すということになるわけであります。
  29. 二階堂進

    二階堂委員 そうすると結局、たとえば二十件分を一括して三百万なら三百万、五百万なら五百万という金が必要だということになれば、町村としては起債の手続を自治省にするわけですね。そうすると今度はそれに基づいて、あなたの方にも町村の方から申請がくるから、大蔵省と三省話し合って、Aという町村のワクをこれくらい認めるかということで、初めてきまるわけですね。そういうことになると、その手続が私は非常に繁雑だと思うのですよ。町村が起債の申請をする、自治省に相談する、そうするとあなたの方と大蔵省と三省寄って協議をする、そこで初めてきまる、非常にややこしいことになるのです。そういう点等ももう少し簡素化されるようなことはできないものですか。その点が一点です。  それからもう一つは、償還条件ですが、国民年金のあれは十カ年以内とか、水洗便所は二十カ月以内とか書いてある。そうすると一年か二年据え置きがあって、それから毎年々々幾らかずつ償還するようにきまっておるわけですが、この方法も、漁民とか農民の方は毎月きまって収入がある人は実際少ないのです。魚がうんととれたときとか、あるいは米を収納、集荷して供出したときとか、そういうときは金があるのです。ところが毎月々々出す金が多い。あなたの方の国民年金の百円、二百円だって文句を言う人がたくさんおる。しかしわれわれはこれは出すべきだと推進しておるのですが、そういうところに、家を修繕したり台所を直したりする十万か二十万の金を返すにも非常にむずかしい人がおる。そういう返し方も農民や漁民に限っては特別な考えをしてもらいたいということを特にお願いしておきます。それは申すまでもなく、今までの普通の金を借りたものを返す方法は、毎月とか毎年とかきまって返す方法となっておりますが、農民や漁民が借りたものは、年に一回、供出したときに供出代金から差し引く、たばこの代金から差し引くというようなことを考えてもらわなければ、実際借りる方の農、漁民は力が弱いのだから借りられぬのですよ。そういうこともあわせて考えてもらいたい。もう少し血もあり、涙もあるような、こまかいところに手が届くような考えをもって、そういう金を貸してもらいたい。零細な金が集まったら、それが最も生活力の弱い人たちに伝わっていくわけですから、ものさし定木できまったような、世間一般にありふれたような償還方法をとってもらっては困ると私は思う。そういうことも検討してもらいたいということもお願いしておるのだが、そういうような考え方をあなたはお持ちになっておるかいないか。
  30. 小山進次郎

    小山政府委員 先生のこの問題についてのお考えは私よくわかるのでありますが、最初に申し上げましたように、これは国民年金還元融資として行なっておるわけでありますから、おのずから一つの限度があるわけであります。問題は、結局それじゃほんとうに困る農漁民の住宅を直すことに効果的じゃないじゃないか、こういうようなことになるわけでありますが、この点については、最初に申し上げましたように、そういう問題について非常に深入りをして直接やるというようなことは、私の省ではすべきでないという考えは、私ども初めから持っておるわけであります。たまたまここにあきがあって、今どこからも金がいかない、お前の方の金は一部農村に還元していい性質のものだ、だから貸せ、こういうことで、いわば私ども補充的な役割をしておるわけであります。でありますから、今度の年金福祉事業団の場合も、農村向けの住宅については、あそこを通じて直接貸しをするというような方法は一切とられないでおるというようなわけでございます。ただ今のやり方でできる範囲においては、私は、先生の御趣旨が努めて生きるように努力をしたいと思います。
  31. 二階堂進

    二階堂委員 人からしいられて、あきがあったから私の方の金を使うようにしたのだというような気持もあるようですが、これは実際私どもの今申し上げたような気持がもっと端的に生きてくるようなルートであるとか、方法条件等も、今後あなたの方でも検討してもらいたい。私の方でも、これはおそらく社会党の方々賛成だと思いますから、一つ委員会におきましてもよく検討を加えて、さらにこの金がほんとうにそういう人たちのために生きるような方法考えてもらいたいと思っております。またいずれ一つ御相談申し上げたいと思います。私の、こういうワクを作った気持も、これを生かさなければならないという気持も、おそらくあなたも御同感だと思っておりますから、一つまたいずれ御相談申し上げます。こまかいことは、いずれもう一ぺん来てもらってよく検討いたしたいと思っております。  それから建設大臣にもう一言お尋ねいたします。  御承知通り、公共事業が非常に膨大になっております。それで非常に膨大な公共事業をあなたの方も消化しなければなりません。そこで人手も非常に足らないというような状態も起こってきておるわけです。この事務の簡素化ということについて、私は前々からあなたの方の局長にも申し上げておる。ところが、住宅あるいは道路、河川、これが非常に町村あるいは県あたりから、計画の承認とかあるいは概算要求の承認とか、そういうものについて膨大な資料を持っていかなければならぬ。たとい百万とか三百万の工事の設計にしましても、事前に打ち合わせをする、概算要求する場合も大へんな書類が要るわけです。私は鹿児島県ですが、行ったり来たりするにも非常に時間がかかる。これは建設省内において、事務的に手続等で簡素化できるものは、一つぴしぴし簡素化していただきたいと思います。そうしなければ、これは大へんな公共事業なんですよ。それを能率的に短い期間で消化するにはよほどの努力が要るわけです。しかも時期的に申し上げますと、今、予算が終わる、大体予算が済む、それから話を始める、そうして今度は地元において設計を作る、それを持ってくる、六、七月ごろになると鹿児島あたりは雨季に入って仕事ができない、そうすると十月、十一月になる、東北では仕事ができなくなってくる、人事の異動が始まる、そういうようなこと等もありまして、短い期間にいろいろな書類を行ったり来たりピンポン・ゲームみたいにやっておりますと、仕事が二カ月も三カ月もおくれてくるという事態が相当あると私は思います。これは大蔵省の財政法の関係等もあって、大蔵省の方がこまかい資料とか設計とかいうものを持ってこいというなにもあると思いますけれども、私はそういうこともあわせて将来検討していかなければならぬと思っておりますが、やはり建設省の中においても、特に河川関係が非常にこまかい書類が必要だということを聞いておる。そんな百万とか二百万とか三百万という小さな工事で、設計書をつけ、青写真をつけていろいろなこまかい書類を作ってきて、行ったり来たりしなければならぬものかどうか、あるいは県の土木部長の権限において小さなものは責任を持ってやらせるということはできないものかどうか、こういうことを一つ真剣に御検討願ってもらいたいと思うのですが、これは私の一つのお願いですが、そういうことは相当今後工事を進めていく上におきまして、支障を来たすような事態が起こってきつつあるのじゃないか。反面においては、人が足らぬという事態もありますので、一つ建設省内においてできることは、事務の簡素化等について簡素化ができるものは早くやってもらいたいということを特にお願い申し上げておきますが、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
  32. 中村梅吉

    中村国務大臣 まことにごもっともな次第でございまして、私どもも実は在野当時から同じような点を考えておりましたので、極力事務当局にも事務の簡素化及び仕事が渋滞いたしませんように迅速化することについて工夫をし、努力をするように事務当局にも指示してある次第でございます。今後一つ一そう具体的に検討いたしまして、御期待に沿うようにして参りたいと思います。
  33. 石川次夫

    ○石川委員 大臣非常にお忙しいので、御用もあるようですから、私は質問というよりは要望に近いような形で一言申し上げておきます。   〔加藤(高)委員長代理退席、委員長着席〕 と申しますのは、これは私は前にも申し上げたことがあると思うのですけれども、日本の住宅政策というものは非常に貧弱だ。これは大臣もすでに御自分のことでもあり、御承知だと思います。外国に比べまして政府施設の住宅というもの、あるいは金額というものが少ない。外国では住宅建築費というものが、景気回復のめどとして使うというくらい、住宅というものが政治の中で大きな比重を占めておるわけですけれども、残念なことには日本では住宅に対してそれほどの積極的な施策というものが講ぜられておらない、こう考えるわけでございます。もちろん各地方の開発をするというときには、住宅が要る限度できまるということがよく言われておりますけれども、私自分の方のことを引き合いに出して恐縮でございますが、私は茨城県の日立でございますけれども、ここは住宅では地方の発展の限度というものははっきり限定されてしまった。毎年大体一万人くらいずつ人がふえますが、これは自然増ではございません。完全に社会増でありますから、これに伴う住宅というものを特に考えなければいかぬわけですが、大企業がこれに対して非常に熱意がないという批判があります。大企業だけではなくて、中小企業も非常に多いわけでございます。なかなかこれに伴うだけの住宅をそろえるということは、不可能に近いということが現実になっております。従って、どうしても政府としては重点的にこの地方の工業というものを発展させるという場合には、まず工場の施設なんかよりは住宅が基本になるという点をよくお考えになっていただいて、重点的に住宅施策というものを推進してもらわなければならぬということは、今さら申し上げるまでもないことでございますけれども、先ほど来山中先生もそれから二階堂先生からもお話がありましたように、この住宅政策というものが一元化されてないというところに、私は基本的な欠陥があると思うのです。今いろいろ御質問がありましたような厚生年金国民年金、それから雇用促進事業団、そして建設省というふうにばらばらに分かれていったのでは、当面住宅政策を思い切って推進をするということは不可能であるという点で、一つぜひ建設大臣に、今さら重ねて申し上げるまでもないのでございますけれども、これは建設省にわれわれは建設委員会にいるからやってもらいたいというようなそのような狭い気持で言っているわけではないわけであります。住宅政策というものを強力に進めるということのためには、最低限度の必要条件として住宅政策を一元化すべきである、これは私はもちろん自民党でも異論がないのじゃないか、こう考えるわけです。この点をぜひ一つ十分に配慮していただきたい。それで年金関係の担当者がいらっしゃいますから、たとえば一つ申し上げておきますけれども、先ほど来何回も話がありましたように、中小企業に対する融資はこれは産業住宅なんかでも木造はわずかに五五%、厚生年金の場合には一〇〇%、それから雇用促進事業団の場合は九〇%、しかし一体どの程度まで貸すのか、ほんとう住宅政策として妥当なのかという一元的な見方の面に立って融資率がきめられるのが当然だと思いますけれども、産業住宅は申し込みが多いから、これは法律では多分八〇%ぐらいになっているのではないかと思うのですが、五五%でやむを得ないのだというようなことでばらばらになっている。まことに不体裁だと思うのです。これも住宅政策というものがいかに個々ばらばらになっているかというふうな印象が、この点でははっきり出て参っておるわけであります。こういう点、統一をはかるということも、さしあたって必要だというような点でも、住宅政策が一元化しなければならない、こういうふうに考えますので、年金関係の方には先ほど話がありましたように、雇用促進事業団の方では住宅金融公庫の方へ事業を委託するということになっておりまして、どうやら一元化の方向に進み得る態勢だけは整えているわけです。ところが、先ほど来御説明がございますように、国民年金の方は、市町村が事業主体になってすでにすべり出しているというようなことで、これはなかなか趣旨の徹底がはかられないで、借り入れ申し込みが少ないということになったようでありますけれども、すべり出した以上はななかむずかしい問題ではあるけれども、先ほど来申し上げておりますように、これを何らかの形で統一してやるような形の筋道だけは少なくとも作ってもらわなければ困る。このことを通じて住宅政策を強力に推進するということのにない手に一つ建設大臣はなってもらいたいということを要望したいと思うのです。ですから厚生年金国民年金の方は別にここで質問をするということではないわけで、私どもとしては、これはおそらく自民党としては同じ意見だと思うが、この点については後日また詳しく検討して皆さん方の御意見を聞き、御質問もして結論を出したい、こう考えておりますので、一つよくお願いしたいと思います。  それから建設大臣に、このついでと言っては恐縮でございますけれども、実は公営住宅の三カ年計画というのは、昨年から始まっているわけです。昭和三十六年度、三十七年度、三十八年度、三カ年間に十七万一千戸、実はこの戸数は非常に少ないということで、われわれとしては、この計画を立てること自体には反対ではないけれども、非常に少な過ぎるのではないか、もっと飛躍的に公営住宅をふやすべきではないかという、そういう点でわれわれはこの案に対しては反対をした記憶がございます。しかしながら、この少ないと思われる十七万一千戸の中で、昭和三十六年が五万二千、昭和三十七年度が五万四千ぐらいだったのではないかと思います。そうなると十万六千戸ということで、来年度大体七万近い戸数というものはどうしても作らなければならない。われわれが少ないと思っている公営住宅の計画それ自体も達成できないということになりますけれども、去年、ことしと五万台で、そう急にふやせるかどうか不安があるわけですけれども、しかし一度権威を持って計画を立てた以上は、ぜひともこれで実現しなければならない、こう考えるわけですけれども、今年度このように少なくて、来年度この三カ年計画を十分達成することを責任を持って建設大臣は言い切れるかどうか、われわれとしてはこれ以上にもっとふやしたい、これでは少ないという気持があるわけですが、少なくともこれくらいはやってもらわなければならぬという気持がしておりますけれども、その点についての見通し、決意というものを一つお示し願いたい。
  34. 中村梅吉

    中村国務大臣 御承知通り当初の三カ年計画の年度別の計画予想といたしましては、初年度に五万二千戸、次年度に五万七千戸、三年度に六万二千戸こういう計画であったわけでございます。ところが今年度の計画は五万四千戸でございますから、結局三千戸分だけは後年度に繰り越すという、送られる形になったわけでございます。実はこの点につきましては、私ども予算編成の段階におきまして、最も苦慮いたしたところで、当初の年度計画通り実施いたしたいと熱意を傾けて努力をいたしたわけでございますが、御承知通り、昨年来、木材の価格等が非常に高騰いたしまして、国際収支改善対策の一環として政府部内で論議をいたしました際にも、木材の値上がりを抑制する措置は措置としてとるにしても、他の繰り延べと同じように住宅についても繰り延べを行なうべきではないか、そうしなければ、民間だけ押えるわけにもいかないし、他の物価等の関係もあるし、そういう必要もあるのじゃないかという議論が、一部から非常に熱心に主張されました。しかし私どもとしては、住宅の重要性にかんがみまして、住宅だけは繰り延べは絶対に困る、あくまで当初の年度計画通りにやりたいということで主張いたしまして、結局、そういうことに落ちついたわけでございます。三十六年度の途中における国際収支改善対策の一環としての繰り延べ問題は、そういうようにわれわれの主張通り落ちついたのでございますが、そのあとを受けて行ないました三十七年度の予算編成にあたりましては、いろいろな点でわれわれの希望通りに達成ができませんで、目下提案をいたしております予算のような結論に相なったわけでございます。その結果、明年度に送られる戸数というものがふえまして、しわ寄せが参っておりますので、この点は、われわれとしてもまことに苦慮いたしておるところでございます。はたして、建設省は三カ年計画を完全に達成する意思であるかどうか、こういうお尋ねでございましたが、来年度しわ寄せの分が確かにございますが、われわれとしましては、来年度におきましてこのおくれを取り戻して、そして三カ年計画の目的は完全に達成をいたしたい、こういう考えで目下おるわけでございます。
  35. 二階堂進

    二階堂委員長 それでは、次会は来たる二十七日の火曜日午前十時より理事会を、十時三十分より委員会を開催することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三分散会