○杠
政府委員 まず第一点の
関係でございますが、御指摘の通りに、まことに多額の金を
繰り越しておりまして、相済まなく存じておるわけでございますが、とれの原因といたしましては、原研、大学、
民間企業等に設置されます
原子炉の設置
計画というものがいろいろ
変更されております。従いまして、その
燃料の手当というものが、
原子炉ができ上がるのと見合って手当がなされなければならぬというような
関係から、おくれているわけでございます。
お尋ねの当初の貸出
計画におきましては、三十五
年度においては、貸付を予定しておりますものが、核
燃料物質は濃縮ウランとして百三十三キログラム、それからプルトニウムとして二百六十グラム、ウラン二三三として十グラムでございます。これらのものは国産するわけには参りませんので、すべてアメリカから賃借または講入することといたしておりました。ところが、実際に貸し出しましたものは、三十五
年度末までに三件、ウラン二三五にいたしまして二十一キログラムでございます。
そのほかのものにつきましては、残念ながら繰り越さざるを得ないという状況になったのでありまして、その需要先について申し上げたいのでございますが、まず当初予定しておりましたのは、
日本原子力研究所のJRR−1、すなわち一号炉がウラン二三五として二キログラム、これは三十二年五月に貸付を終わっております。それからJRR−2、すなわち二号炉、CP5、これが四キロ、これも終わっております。それから半均質炉の実験装置が十五キログラム、この三件が貸付を終了している例でございまして、そのあとCP5の同じく取りかえ
関係といたしまして四キログラム、それから速中性子実験装置三キログラム、水均質炉実験装置二キログラム、軽水炉臨界実験装置四十キログラム、以上が原子力研究所でございまして、そのほかの
関係は、近畿大学の
原子炉に三キロ五百グラム、東海大学の
原子炉に三キロ五百グラム、立教大学に二キロ三百グラム、武蔵工業大学に二キロ三百グラム、東京芝浦電気の
原子炉に三キロ五百グラム、日立製作所
原子炉に四キログラム、臨界実験装置四十三キロ八百グラム。それから次は、研究用のプルトニウムの
関係といたしまして二百六十グラム、同じく研究用のウラン二三五が大学
関係等で百グラム、同じく研究用のウラン二三三が大学、民間等の
関係といたしまして十グラムという
計画でございまして、先ほど申し上げましたように、その
計画の大
部分が、
原子炉の完成の遅延に基づきまして、三件だけを除いて繰り越さざるを得なかったというのが
燃料関係の実情でございます。
それから第二問は、需給の見通しでありますが、将来私の方の濃縮ウラン
関係につきましては、おそらくただいま申し上げました
計画の充足によってほぼ間に合い、それを取りかえ量として
考えていけばよいのじゃなかろうかというふうに
考えるわけでございますが、例の天然ウランにつきましては、東海発電所すなわち原子力発電株式会社が建設中でございまして、
昭和四十年の四月から発電を始める予定になっておりますものが、金属ウランといたしまして百八十六トン程度のものを使用する。ところが、年間の取りかえがございまして、これが六十数トン年間取りかえ量として要るというふうに予定されておりまして、その中で国内でまかなえるものは、人形峠から出ますところの原鉱石を東海製錬所におきまして
原子燃料公社が製錬いたしておりますが、その金属ウランの
計画が年間約十六トンでございます。年間十六トンの供給量を国産品をもってまかない得るということでありますが、これは全く純然たる国産と申しましょうか、鉱石がすでに日本国内のものでございます。しかし外国からイエロー・ケーキという形におきまして輸入いたしまして、それを
原子燃料公社及びその他民間会社の能力があるところにおきまして、金属ウランに変えて参りますならば、その大
部分は国産でもってまかない得るのではなかろうか、また、できるだけ国産品でまかなうように指導して参りたいというふうに
考えておるわけでございます。そのほかに天然ウランの必要な量というものは、もうごくわずかな量でございました。ほとんど大
部分は東海発電所用ということに相なろうかと
考えておる一わけでございます。
次に、第三問のインド等に対するところの
燃料の輸出をどう
考えておるかというお尋ねでございますが、インドがコールダーホール型の
原子炉を入れたいという
考え方を持っておるということは事実でございまして、目下入札に応募する人を募集している段階にございます。英国のGEC社がその入札に応ずる態勢でございます。その下請
関係といたしまして日本の富士電機会社がそれに当たるということになっておりますが、
燃料につきましては輸出する予定はございません。ございませんが、将来しからばどうするのかという御疑問もあろうかと思いますが、将来にわたりましては、もしも平和利用の保証が取りつけられました場合には、
燃料も輸出してもよろしいというような原子力
委員会の政策決定をいたしておるわけでございます。ただ、平和利用の保証が取りつけられなかった場合には、
燃料は輸出しないというふうな政策と相なっておるわけでございます。
以上でございます。