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勝澤委員 これは、私がせっかくここで申し上げておるわけですから、この問題が解決できないだけでも、副
総裁あるいは
総裁もやめる気になって
——築地会館を引っ越すことができないのだということだけでも出すことが、やはり
——これはほんのわずかの問題です、わずかの問題ですけれ
ども、大きな問題なんです。背後にある問題というのは大きな問題です。これはやはり明確にされる方がいいと思うのです。ですから、その点は、
東北開発のこれから
事業をやっていく上の
立場で御検討を願って、自主的な
立場でおきめになればいいことだと思いますが、まあそこまでおわかりでないならば、それ以上
質問はいたしません。
それでは、次の問題は中外鉱業の問題です。これは政治的にどうなっておるかよくわかりませんけれ
ども、この五千万円の問題もなかなか困難なようです。それは向こうとしては八分で貸してくれればいいわけですから、政治的にこの融資をしたかどうかという点については、私はつまびらかじゃありませんけれ
ども、これはやはり解決すべき問題だと思います。
それから、
売掛金の
回収の問題で一番困っておるのは、何といいましても、
東光物産なり
青森建材だと思うのです。これは贈収賄事件が起きておるわけですから、そしてまた、取り立てそのものについても、これはいろいろむずかしい点があったわけですから、また、政治的にも介入があって、取り立てをすれば政治家の方からたたかれる。極端に言えば、
総裁から首になるのじゃなくて、とんでもない方から首にさせられるということになったかもしれないと思う。東洋物産の冬季の
セメントの問題も同じです。ですから、これまたやはり問題はある。今私は一番いい点は、今一番東北で騒いでいるわけです。騒いでいて、何かやろうとして妨害をされたら、妨害をされたとたんに、それは世間の目が承知をしないわけです。今だれも、入って、
東光物産や
青森建材やあるいは東洋物産を解決しようとしても、妨害しようとしても、今できないはずなんです。もしやろうとしたら、おやめになればいいのですよ。そのおやめになることが、腹を切ることが、何も
責任がないのです。おやめになることが、これはもう東北の一千万の
人たちの利益になることなんです。この点をまず第一に私は申し上げておきたいと思う。これは回答は要りません。
二番目の問題です。これは
事業の運営の問題です。これはやはり監督官庁の
関係を見てみますと、実にむだなことをやっている。
東北開発株式会社の
理事会できまったら、
経済企画庁の監督官が文句を言うことはないと思うのですよ。あとは
事務的手続をやればいいのですよ。それ以上の力は私はないと思うのに、それ以上のことをやる。暴力といってはいけないかもしれませんが、
事務的な配置になっていないのですよ。また、
事業をやろうとする人が一番真剣に考えているわけです。それ以上のことをやろうとすると問題があるのです。ですから、ハードボード工場を会津若松に作るか米沢に作るか、もみにもみくり返って、これは渡辺前
総裁の書いたものですが、その手記によると、当時の政務次官が入って、おれは山形の出身だから米沢にせにゃいかぬということを言って、そうして知事の
関係もあって、いろいろな人が入って調べた結果、どうしても会津若松がいいのだということが理論的にも裏づけられて、仕方がないか何か知らないけれ
ども、会津若松にきまった。そのかわり、米沢には何か作りますよということを約束した。何か作りますということは、企業採算を無視しているということです。米沢に作ればもうかるかもうからないかということは、何も考えられていないわけです。
東北開発株式会社のことを考えてそうきめたわけじゃない。そこに問題がある。
もう
一つ申し上げておきます。これは渡辺さんのメモです。これは河北新報に出した記事ですから、河北新報には
東北開発株式会社がたしか相当な部分投資をしておるわけです。そのところが出したものですが、この中で私は
一つの問題は、銀行の融資の問題です。
経済企画庁政務次官から受託銀行をどこにしたかと聞かれた。大蔵省出身である
山本多市
理事案に従って、三井、三菱、興銀、七十七など従来社債を引き受けてくれた銀行名を並べ立てたところ、埼玉銀行を含めないのはけしからぬと小言を言われた。再び帰って割り振り変更するなど実にくだらぬケースもあった、こう言っておるわけです。埼玉銀行というのは、御承知の
通り、武州鉄道で一躍有名になった銀行であります。ずっとこうやって、当時のことを思い浮かべてみると、それはもう政治的な力というものを、これは否定しても否定できないことなんです。ですから、こういうことが行なわれてきたと
総裁のメモにも書いてあるわけですから、行なわれてきたのでしょう。
それから、
人事の問題です。
人事の問題でも今言われております。大へん
総裁にはお気の毒ですけれ
ども、現
理事の富塚さんが、これは今容疑者として逮捕されております。富塚さんの逮捕はどうかと調べてみますと、これは私が言わなくてもおわかりになっていますように、
渡辺総裁がお入りになるときに、腹心の者を二、三人入れろと言われた。そうして腹心の部下として
——部下といいますか、腹心として考えたのは、
雲野理事と富塚
理事だった。
雲野理事は副
総裁で入れようかとだれかが言ったために、あとからきまった
加藤副
総裁との間が不仲になったということです。富塚さんが
理事にできなかったために、
理事待遇を与えた。ですから、
渡辺総裁と、それから
雲野理事と、それから富塚さんは当時企画
調査部長ですね、それからまた一番自分の子飼いとして入れた
石田さんですか、こういう形のものがみんな出ちゃったわけです。ですから、富塚さんを
理事に起用するとき、新しい
人事が私は問題だと言うのです。ですから、新しい
人事はあなたがやったと表面的には言われるでしょうし、あるいは監督官庁の
経済企画庁も承認をしたでしょうし、これは株主総会にもかけたわけでしょうし、最終的には内閣総理大臣が任命したのでしょう。それから、
山本メモに出て参りました赤塚
営業部長です。この人は何かといったら、あの念書の裏契約を立案をした人であるということは、
山中副
総裁も
山本理事と一緒に認めておるわけです。そうすると、富塚
理事の問題も、赤塚
部長の問題も、あなたがかりに
——これはかりというのです。あなたが知らないとするならば、まだそのなごりが残っておって、その
人事が行なわれておる。私は、あえて
山中人事とこの前言ったかどうかわかりませんけれ
ども、行なわれている。そうして富塚さんに対するものは何かといえば、富塚さんを
理事にするなら青木さんも
理事にしろという強引な力があって、富塚さんと青木さんとのつり合いで、富塚さんが
理事になって、また青木さんが出てきた、こうなっている。これは私が言わなくても御存じの
通りです。ただ、私は、ここでわれわれが言うことは、あなたがお仕事をやられるときに一番やりいい、やりよくなるように私は言っておるわけです。これは東北の
人たち、あるいは心ある、私たちが政治に関与しておるのを見た
人たちにみんな聞いていただきたい。
人事の構成を見ましても、これは認可の
関係がありますから、
事業の仕事をやってもらわねばなりませんから、通産省から
理事が入って、
予算の
関係もありますから大蔵省から入って、監督官庁の
経済企画庁からも
監事で入れている。こういう配置ですね。ですからこういう配置の中で、結局なぜこういう
人事が起こるのか、なぜ、あるいは銀行
一つについて毛そういうことが言われるのかといえば、結局
予算をとってもらうからということなんです。
予算をとってもらうためにどれほどの苦労をしたか書かれております。三木
経済企画庁長官に五億の出資を約束してもらって、それはできた。第一次のときは十億しか出なかった。第一次査定は十億しかなかった。河野長官のところに行って頼んだら、平大臣だったらせいぜい十五億どまりだろうけれ
ども、おれが三十億とってやると、三十億とってもらった、こういう、裏話までずっと出ております。結局、なお
東北開発の特別
委員の
人たちからたくさんの人にいろいろとお願いし、
努力してもらって
予算ができるわけです。ですから今年度の
予算もたしかそういうような形で
努力してとったと思う。結局それが全部ひもについておる。あなたはそのひもの点については、それはもうほんとうにきれいな考え方をされておりましたけれ
ども、結局あなたの命令を守るよりも、おれのうしろのひもの
代理者としておれはこの
会社に来ているんだ、こういうことなんですよ。それから副
総裁の話を聞いてみますと、まさに東京派と仙台派という形に分かれておりましたね。今までの
理事は東京派と仙台派に分かれて、それからなおかつ主流の
中心が
総裁で、反主流の
中心が
加藤さん、こういう形で
協力するなんということはやっていなかった。ほかの
理事はどうかといえば、
責任ある部門を持たされて
責任ある仕事をやっていたかどうかという点についても私は疑問です。ですから、こういう点を私は考えてみますと、あなたが人の和をお考えになることは、それはけっこうです。信用なされることもけっこうです。また当然だと思うんですね。しかし、ちょっとでも政治的な圧迫を食うようなことが、かりに銀行の指定
一つを取り上げてみても、ただ単なるその問題だけではない、一職員、一
役員が言っている分には大したことはないんです。しかし、大きな権力を持っている人が言う、それは大きなものなんです。ですから、そのときにはあなたが理屈は言う必要はありません。辞表を出しておやめになることが、これは一千万の東北の
人たちのためになることです。それを今までおった
理事の
人たち、
監事の
人たちはできなかったのです。きょう言って、
加藤副
総裁は、私は
事業ごとの経営にしたい
——このごろはそうです、どこでも……。松下電器でも、
事業ごとに重役がおって
責任体制をとっているのですから、それは当然です。ここにおった方々は全部一致して賛成されたのです。賛成されたけれ
ども、それが実行されない。まさにそれは言いわけなんです。
千葉営業部長をかえようとして
理事会で満場一致きまったけれ
ども、
千葉営業部長をかえることについてはまかりならぬと言ってあらゆる個所から迫害を食った。あらゆる個所というのは、結局今の
理事よりももっと大きな力があるわけです。ですから、今この中で力があるのはあなたしか私はないと思うのです。ほかの副
総裁以下
理事、大へん恐縮ですけれ
ども、お力がないわけです。あなたはお力があるわけです。それはあなた以外にこれから
東北開発を受ける人がない、こう言われておるわけです。これは渡辺さんが一番最初に任命されるときにこう言っております。東北でもってこの
東北開発の
総裁になる人は郷古さんか、それからあなたか、内ケ崎さんか、渡辺さんだ、この四人の中で選ばれた。私が一番年が若かったので、私に白羽の矢が立って私がやったのだ、こう本人が言われておるのでありますから、そういう中で渡辺さんがやられてきて、渡辺さんはいろいろ御苦労をされた。御苦労された結果は、魔がさしたか、あるいは民間企業の仕事のやり方がああいうものであったかはわかりませんけれ
ども、結果になったわけです。大へんお気の毒なことだと思う。役所の中で役所の仕事のような形でやるならけっこうですけれ
ども、それではやっぱり
事業は伸びません。営利
事業ですから、もうけにゃいけないわけですから、幾ら公共性、公共性と言っても、その公共性はそれは東北の
人たちのためにならぬということははっきりしているのですから……。米沢の会津若松と比べて会津若松がいいということで、公共性だといって米沢に持っていった。指定業者がりっぱな者があるにかかわらず、公共性だということで県知事の推薦で不良な業者を推薦した。それに屈服したら屈服した人が悪いと思う。屈服さした人も悪いかもしれませんけれ
ども、やっぱり屈服した人が悪い。そんなのは男じゃないですよ、
事業をやろうとするには。ですから、私はそういう
意味で、これからの問題をあなたは裸になって命がけでやってもらいたいと思う。
経済企画庁だって、大体何も
事業のわからぬ者がつべこべ言って、そうして
理事会に出て何もそれについて追及ができない。むしろ
経済企画庁も、大蔵省の監督官も一緒になって、私はこういうことをやってきたのではないだろうかと実は言わざるを得ないようなことなんです。まあ、こういう点から考えてみましても、やはり今重要なキー・ポイントに立っていると思うのです。その重要なキー・ポイントに立っているあなたが、人の和の問題を叫ぶのもそれはけっこうだと思う。しかし、それはよく知っておってやはり言われていると思います。けれ
ども、やはり大へんなところだ。だけれ
ども、それはもう
再建をするためには、私は三回や五回くらい辞表をお出しになって、まあ藤山さんが平身低頭して元に戻るくらいのことがなければ、
再建ができないようなところにきているのじゃないだろうか。私は午前中、藤山さんが今の
東北開発のその後の建て直しができるかどうかという点についても、まあ大へんだろう、池田総理でもどうだろうか、それはまた大へんだろう。実はこういう私だけの独断的な発言をいたしましたけれ
ども、しかし、それは私の見解でありまして、そうでない部分もあろうと思いますけれ
ども、
一つ私が申し上げましたいろいろな諸点について、一括してあなたの御所見を賜りたい。