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1962-03-08 第40回国会 衆議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年三月八日(木曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員   委員長 鈴木 仙八君    理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君    理事 高橋 英吉君 理事 小川 豊明君    理事 勝澤 芳雄君 理事 西村 力弥君       宇田 國榮君    久保田藤麿君       鈴木 正吾君    徳安 實藏君       牧野 寛索君    松本 一郎君       古井 喜實君    久保 三郎君  出席政府委員         経済企画政務次         官       菅  太郎君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  曾田  忠君  委員外出席者         総理府技官         (経済企画庁総         合開発局東北開         発室長)    浅間 一彦君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局東北開         発株式会社監理         官)      財前 直方君         大蔵事務官         (理財局資金課         長)      鈴木 喜治君         会計検査院事務         官         (第五局長)  平松 誠一君         参  考  人         (前東北開発株         式会社総裁)  渡邊 政人君         参  考  人         (前東北開発株         式会社総裁) 加藤祐三郎君         参  考  人         (前東北開発株         式会社理事)  雲野 午三君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 三月七日  委員久保三郎君及び森本靖辞任に  つき、その補欠として松前重義君及  び中澤茂一君が議長指名委員に  選任された。 同月八日  委員久保田藤麿君、椎名悦三郎君、  古井喜實君、中澤茂一君及び松前重  義君辞任につき、その補欠として牧  野寛索君、松本一郎君、徳安實藏  君、森本靖君及び久保三郎君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員徳安實藏君、牧野寛索君及び松  本一郎辞任につき、その補欠とし  て古井喜實君、久保田藤麿君及び椎  名悦三郎君が議長指名委員に選  任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  東北開発株式会社会計に関する件      ————◇—————
  2. 鈴木仙八

    鈴木委員長 これより会議を開きます。  東北開発株式会社会計に関する件について調査を行ないます。  本日は、本件調査のため東北開発株式会社総裁渡邊政人君、前副総裁加藤祐三郎君、前理事雲野午三君の三名に参考人として御出席を願っております。  参考人各位には、御多用中のところ、本委員会に御出席をいただきありがとう存じます。参考人からの意見聴取は、委員質疑によって行ないますので、さよう御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤芳雄君。
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 決算委員会では、実にかつてない異例な、東北開発株式会社に対する決算委員長報告書というのが私たちに出されました。その決算委員長東北開発株式会社に対する報告に基づきまして、現在の、新しく総裁になられました伊藤さんから釈明書が出されて参りました。そこで私たちは、ぜひこの際前の役員方々においでを願って真相を究明したい、そして、これから再建しようとする新しい総裁のもとで一体どういうふうに再建が可能であるか、そして、過去のいろいろの原因というのはどこにあったのか、こういう点をいろいろ検討するために皆様においでいただいたのであります。  そこで私は、三人の方々にぜひ個別に御答弁願いたいと思うのですが、この異例ともいわれる決算委員長東北開発株式会社に対する報告書と、それに基づく伊藤総裁釈明書をお三人の方々はまずお読みになっておりますかどうか、こういう点を各個別々に一つお答えを願いたいと存じます。そうしてそれについての御感想もあわせて御答弁願いたいと存じます。  前総裁の方から順に一つ答弁願います。
  4. 渡邊政人

    渡邊参考人 私前総裁渡邊政人でございます。お答え申し上げます前に、私在任中に起こりましたいろいろな経営のことにつきまして、本決算委員会において、いろいろ皆様に御心配をおかけ申し上げておること、並びに在任中部下でありました社員の中から数名の被疑者を出しておるというようなことにつきましては、まことに私の不敏、不徳のいたすところでありまして、まず冒頭にこの点をおわび申し上げておきます。  ただいま御質問がございました報告書並びに新総裁釈明書につきましては、大体のところを読んでおります。それで、まず第一に取り上げられました、私ども決算について虚偽決算であった、こういう点につきましては、虚偽という言葉が私どもにはいかにも悪意を持ってやった決算である、こういうふうに感じられたのでございますが、私といたしましては、最も善意に、自分たちのやっておる仕事を、人情としてやはりよいものにしたい、こういうような考え方からあの理事会において決算承認し、これを総会に付議して御承認を願ったわけでございますが、そのうちで最も土地の問題でございます、秋田木材の問題につきましては、当初から造成しました土地売買は非常にむずかしいのでございまして、好景気のときには容易に売約ができるのでございますけれども、どうも、昨年度の当初より、だんだんと財界金融情勢等も悪化いたしまして参ったので、非常に売買には苦労をいたしたのでございまして、これの売約につきましては、理事会においても、これを担当する雲野理事にこれを一任し、また本人は、営業部門担当者でございましたので、非常に最善を尽してこれに努力をいたしたのでございます。その結果、三十六年の三月ごろに秋田木材との話がほぼ妥結いたし、それからそのときに、以前からまだ——これまで引き継いで参りました十条製紙等土地二十数万坪を全部買うというような問題もありましたので、その間に五月の決算期前までその話ができませんので、結局、最初ほぼ話のついておった秋田木材との事務的折衝が妥結をいたしましたので、それで雲野理事から契約ができたということの報告を受けまして、そのときに私たまたま社用で出張する前でございましたが、そのときに、雲野理事から電話で、それにはいろいろ先方の資金の状況なり、あるいは自分たちの計画しております事業が、政府から了解を得られないような場合には、これは余儀なく解約するというような意味の念書を入れてやったからということを、電話報告を受けましたので、私は、これは相手のあることでありますし、やむを得なかった、こういうふうに承認をいたしたわけでございます。それでそれを決算に計上をいたしたのでございますが、今から……。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あとで詳しく聞きますから、簡単にお気持だけでけっこうであります。全部異議があるでしょうから、簡単でけっこうですから……。
  6. 渡邊政人

    渡邊参考人 そういうような次第でございます。  それから、伊藤総裁お話のうちに、背任、これは法律的な言葉でそういうふうな意味でございますと、私どもまことに遺憾しごくでございまして、決して悪意を持ってやった結果ではないのでございまして、どこまでも善意で、自分のやっておる仕事をりっぱなものにしたいという意味から出発したことでございまして、これが伊藤総裁言葉も、そういうふうな法律的な意味背任罪というような意味ではなかったのだろう、こう考えて、自分はみずからを慰めておる次第でございます。
  7. 鈴木仙八

    鈴木委員長 ちょっと、委員長から前総裁に申し上げますが、虚偽決算うそ決算というようなことに対して、きわめて悪意の証言とおっしゃいましたけれども、私としては、決してあなたと知り合いでもなし、今まで口をきいたこともないし、ただ、悪いことは悪い。常識で考えてうそであるか、虚偽であるかというふうな判断は、一般がしますから、悪意でも何でもないということを、どうか公明正大にやっているということだけ一つお考え願いたいと思います。そういうふうな考え方が間違いですから……。
  8. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、副総裁答弁して下さい。
  9. 加藤祐三郎

    加藤参考人 私、前の副総裁を拝命しておりました加藤祐三郎でございます。  ただいまの委員質問に対しまして、簡単に要点をかいつまんで申し上げたいと思います。  まず第一に、前総裁の申されました開発会社刑事事件といいますか、被疑事件が起こっておるようでございますが、この問題につきましては、私といたしましても、四年在任中、こういうことが万一起こっては大へんでございますので、全力をあげまして、平素から一生懸命に注意をし、警戒をしておった次第でございますけれども、不幸にしてああいう事態が起こりましたことにつきましては、まことに残念にたえないと思っております。  それから、委員長の御報告並び伊藤総裁の御釈明、これは速記録をお借りいたしまして、大体拝見をいたしました。  私といたしまして申し上げたいことは、決算のための理事会は、正確に覚えておりませんけれども、数回行なわれておると思います。一回ではございません。そのうちで少なくとも三回だけははっきり覚えておるのですが、任期が終了の真近になっておりましたから、どうしてもいい決算をしたいという欲と申しますか、凡人でございますから、どうしてもそういう欲が出がちだと思いまして、みずからも警戒をいたしまして、そういうことではいけない、そういうことは、どうしても出がちだから、無意識のうちに働きがちだから、そういうことは働かせないで、あくまでも正しいと申しますか、妥当な、そういう意味でのりっぱな決算をするように私心がけて、それであらゆる努力をしようじゃないかということを、少なくとも三回にわたりまして決算理事会で私は申しまして、同僚の皆さんの同意を得たことを覚えております。そういうつもりで私といたしましてはやって参ったわけでございます。これだけを……。
  10. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 雲野さんは、この決算委員長報告書釈明書をお読みになっておりますか。
  11. 雲野午三

    雲野参考人 雲野でございます。委員長報告書、新総裁釈明書というのは見ておりませんが、速記録を拝見いたしました。
  12. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 感想も続けてお聞きしたいと思いますけれども、大体総裁と同じようなお感じ方をされておると思いますので、具体的な内容に入って、お聞きした方がよりいいと思いますので、具体的な内容についてお聞きします……。
  13. 小川豊明

    小川(豊)委員 ちょっと関連して。今、参考人委員長などの報告書感想について聞かれたのですが、この三人の参考人の方の前歴とでもいいますか、これをちょっとお伺いしておきたいのです。これはここでは、ただ総裁になられる前、副総裁になられる前、雲野さんは理事になられる前のお仕事は何であったか、このことだけをお聞きしておきたいと思います。
  14. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は開発会社に入ります前は、主として長く日本鋼管会社におりまして、製鉄の事業に従事しておりました。それで日本鋼管傍系会社子会社等、二十数社の役員をいたしておりました。その後、財界追放によりまして二十三年に日本鋼管を退社いたしましてから後、また民間の会社——三種の会社に従事をしておったのでございます。そしてただいまやっております極東マックグレゴー株式会社は造船の関係仕事でございまして、アメリカフランス等の外人との関係が非常に多いので、創立いたしましてから以来この社長をいたしておりましたが、この点は対外関係対人関係でできた会社でございましたので、総理大臣の認可を得まして東北開発会社在任中もその社長を兼務いたしておりました。
  15. 加藤祐三郎

    加藤参考人 加藤祐三郎でございますが、長いこと行政官吏をいたしておりまして、最後には、副総裁に任命を受けます直前までは、自由民主党東北開発委員会事務局長をいたしておりました。そして副総裁になりました。
  16. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 官吏というのは……。
  17. 加藤祐三郎

    加藤参考人 旧内務省の官吏、それから情報局官吏、厚生省の官吏
  18. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 新潟県の方はどうなんですか。
  19. 加藤祐三郎

    加藤参考人 最後は副知事でありまして、やめましてから、二月目くらいだと思いましたが、追放になりました。
  20. 雲野午三

    雲野参考人 詳しく申し上げるのでございますか。
  21. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 概略でいいです。
  22. 雲野午三

    雲野参考人 私は徹頭徹尾船会社におりまして、海外に十五、六年おりました。そして、終戦後、軍と協力したというかどで、山下汽船におることができず、その子会社東海運担当いたしまして今日まで社長としております。
  23. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まず三十四年度の決算からお尋ねいたしたいのですが、三十四年度の決算は千五百八十万八千四百六十九円の黒字だということ、利益ということで決算がされておるわけであります。しかし、会計検査院の七月ころの検査の結果、日本ゼオンの仮契約手付金を六千万円もらっておる、との六千万円を利益として計上するのは誤りである、仮契約であるから仮受金として処理すべきである、こういうことが指摘されておるわけでありまして、このことは、会計検査院からも報告をされ、そうして当時の監事であった現在の山中副総裁報告があったということを承知をされました。そうしますと、三十四年度の決算は、千五百八十万の黒字だとして決算はしておるけれども会計検査院から指摘をされたことを相殺をいたしますと、実際上は約四千五百万円の赤字であった、こういうことになりますが、この事実はお認めになりますか。総裁に御答弁願って、副総裁なりあるいは雲野理事に、もし意見が食い違っておったら御答弁を願いたい。食い違っておらなければ総裁でけっこうでございます。
  24. 渡邊政人

    渡邊参考人 日本ゼオンの仮契約決算の中に加えましたことにつきましては、私ども最も信任をいたしておりました経理担当理事がいろいろと官庁方面との話し合いをしまして、そしてそれでよかろうじゃないかというような意見のもとにあれを入れたのであります。
  25. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私の聞いているのは、実際には黒字決算をされておるけれども会計検査院から指摘をされて、これを直せば、結局三十四年度は四千五百万の赤字であった、こういうことをお認めになりますか、こういう質問であります。御答弁願います。
  26. 渡邊政人

    渡邊参考人 会計検査院の御検査の結果がそうでありますれば、それは私認めざるを得ないのであります。
  27. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院検査の結果がそうであれば私は認めざるを得ない——あなたは三十四年度決算が行なわれたあとで、会計検査院からこういう決算やり方についてはいけないということで厳重注意を受けて、今後こういうことはしません、こういうことを明確にされていると存じますが、そうされて、いないのですか。おりますかおらないか、はっきりして下さい。
  28. 渡邊政人

    渡邊参考人 それはただいま記憶をいたしません。いろいろな講評をいただきましたときには、私出席しておりましたかどうか、ただいま記憶にございません。
  29. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 副総裁理事雲野さんか、どちらか御答弁を願います。
  30. 雲野午三

    雲野参考人 御質問の点でありますが、その前提の関連性をちょっと述べさせていただきます。  先ほど前総裁から申された通り、三十四年以来全部の土地は私に降りかかったのであります。塩釜を実際に売りつけたのも私一人でございます。それから、引き続きまして、秋田ができ次第片っ端から売っているのも私がやりました。日本ゼオンに関しては、ファーロンという新製品を作る、こういう情報をとりまして、加藤社長宮崎常務に接近いたしまして話をしたのでございますが、その秋田をねらう理由は天然ガスにあったのでございます。その現地に敷地や何かのことで数回御招待いたしまして考えていただきましたが、場所もよい、土地もよい、ただ残るのは天然ガスの量と質であるという問題になりまして、寺井という帝石の重役さんが向こうに所長としておられますが、この方に、県庁の小畑氏を入れまして数回にわたって懇談をいたしましたけれどもガス量不足だということ、七万立米しかないということが一つガス量不足はほかの燃料でやれる、ただ、ここで疑問になって参りますのは、私はガスの専門でございませんので、ゼオンの方のおっしゃることをそのまま申し上げますと、自分会社アメリカと合弁の会社で、大体アメリカの方の意見が強いので、ガスの分析を持って宮崎常務アメリカへ行ってくる、こういうことでアメリカに参ったのでございますが、実はあとからわかりましたが、LPガスというのを船で運ぶことにした方が、ファーロンを作るに非常にいいというお話のようでございまして、帰朝になったのでございますが、非常に買う意欲がありまして、手付として六千万円の手形をいただいたのであります。そういう事情のもとに、この日本ゼオンの話が進んで参りましたが、宮崎常務帰朝が三十六年の一月と思いましたが、残念ながらこれができないことになったのであります。それで六千万円は、先ほど前総裁もおっしゃった通り、私は官公庁の経理にはまことに暗いのでございますが、自他とも日本一と許す理事がおられまして、この方のお考えでは、それは入れてよろしいということで入ったと思うのであります。  ついでに申し上げますが、私は東京駐在でございまして、仙台には月一回の定例理事会に参っておるのであります。従って、私が参りますと、いろいろな書類が山積いたしまして、これは多少めくら判も押したのじゃないかという感が今いたします。まことに申しわけないと思っているのでありますが、物理的に私のからだがどうしても間に合わなかったのであります。そういうことで、経理内容とか、あるいはそのいきさつというものは、まことに申しわけございませんけれども、非常にうかつでございました。ただいまの御質問にこれが合うのかどうかわかりませんけれども、詳細は存じない一わけでございます。
  31. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 御答弁がみな私の質問に合っていません。私の質問以外のことしか御答弁されておりません。結局そのことは、今あなたが日本で一番優秀な理事がやっておったと言われるのは、山本理事ですね。御答弁願います。
  32. 雲野午三

    雲野参考人 山本理事であります。
  33. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そのことは、山本理事を、総裁、あなたはどういう形で受け入れたのですか。
  34. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、この会社を引き受けることにいろいろ内意がございましたときに、時の大蔵大臣でありました現池田総理に対しまして、この会社国策会社であるし、特に予算の関係並びにいろいろな諸経理の問題が、大蔵省と最も関連が多いことでございますから、最も優秀と思われる大蔵省の方から、そういう方を一つ御推薦願いたい、こういうふうにお願い申し上げましたら、よろしいということでございました。そのうちに内閣がかわりまして、次に一萬田大蔵大臣が就任されまして、その一萬田大蔵大臣に対しても、私は前申し上げたような意味のことを申して御推薦をお願いいたしました。そうして、さらに大蔵次官、たしか森永次官だと考えておりますが、その方にもお願い申し上げて、そうしてきまりましたのが山本多市さんでございました。
  35. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでよくわかりました。理事山本さんが東北開発株式会社におられなくなったので、お引き取りになったのは公営企業金融公庫で、当時大蔵事務次官森永さんが総裁として今やられておるところへ、理事として入ったことがよくわかりました。森永さんのところに入っておる。重大な問題ですよ。(鈴木説明員「先生の御発言に間違いがございますから、ちょっと……」と呼ぶ)これは何も質問していませんから——いや、わかりました。中小企業金融公庫の方が森永さんだそうですね。入られたのは公営企業金融公庫の方ですから、具体的な事実は違いますけれども、大体気持は一緒でありますから、わかりました。  そこで、この処理の仕方について、手付金利益に入れるということは、担当理事山本さんも、これが正しいことだということで、理事会もこれを承認した、そういうことですか。
  36. 渡邊政人

    渡邊参考人 私はそれを信用いたしまして、その通り承認したわけであります。
  37. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 理事会承認されましたか。
  38. 渡邊政人

    渡邊参考人 決算をいたしますのは、理事会承認がなければできませんので、理事会でそれを承認したわけであります。
  39. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 むろん監事承認されておりますね。
  40. 渡邊政人

    渡邊参考人 むろん、その処理につきましては、監事監査を経なければなりませんので、当然これは監事監査を受けたものと思います。
  41. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたは先ほど、関係方面も了解されてこういう処理をした、こうおっしゃいました。これは経済企画庁大蔵省関係官承認をした、こう理解してよろしゅうございますか。
  42. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは担当山本理事がいろいろな方面と折衝されまして、これでよろしいということでございましたので、私はそういうふうに相談されたものと考えております。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いろいろな方面相談をされたというのですから、経済企画庁大蔵省関係方々から御答弁を願います。
  44. 鈴木喜治

    鈴木説明員 ただいまの件についてお答え申し上げます。  大蔵省は、法律によりまして、相当な項目につきまして、経済企画庁から協議を受けて、それに対して意見を言う立場にあります。決算そのものにつきましては、協議を受けることになっておりません。ただし、利益金処分について協議を受けることになっておりまして、事実上、当時、事前に三十四年度決算のある程度の相談を、企画庁なり東北開発株式会社から受けました。
  45. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私の言っておるのは、そういう抽象的なことじゃなくて、六千万円の手付金収入金として上げることについて、関係方面は了解したと前総裁答弁されておりますから、そのことについて、大蔵省経済企画庁関係方面ですから、承認されておりますね、こういう質問をしておるのです。
  46. 鈴木喜治

    鈴木説明員 了承いたしました。
  47. 浅間一彦

    浅間説明員 経済企画庁といたしましても、種々前後の事情を検討いたしました結果、ねむを得なかろうということで了承いたしました。
  48. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この仮契約手付金六千万円を収入金として上げてよろしいという法律的な根拠はどこにあるのですか。この法律的な御説明を、経済企画庁大蔵省からいただきたい。
  49. 鈴木喜治

    鈴木説明員 お答えいたします。  決算やり方につきましては、いろいろ問題があると思いますが、造成された土地の売却のごとく、それ相当の値打のある資産が現に存しておりまして、それが売れるか売れないかという問題がございます。われわれとしては、当時、確実に売れるという見込みで了承いたしたわけでございます。
  50. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 仮契約手付金六千万円を利益金として上げてよろしいという法律的根拠を教えていただきたい。それをあなたが承認をした法律的根拠を、財政法なら財政法会計規則なら会計規則、そこのどこにそういうふうにきまっておりますか。
  51. 鈴木喜治

    鈴木説明員 また直接のお答えにならないかとも思いますが、決算について、われわれは事実上の御相談を受けるだけでありまして、承認する立場にはございません。利益金処分については、協議を受けまして、正式に承認するという手続をとっております。従いまして、当時事実上企画庁なり東北開発会社からのいろいろな資料によりまして、確実であるとわれわれは思いまして、事実上のお答えをしたわけでございます。
  52. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、仮契約手付金収入金として上げるということが法律上、財政法ですか何ですか知りませんけれども、今大蔵省経済企画庁は、手付金利益金として上げてよろしいということを承認をされたという御答弁があったわけでありますけれども、それは法律的に可能なのですか、どうですか。
  53. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 ただいまの点は、まだ仮契約の段階でありますので、手付金として受け取ったわけでございます。現実に売買が成立しておりますれば、そこに損益という関係が起りますが、まだ仮契約の段階であり、手付金として受け取ったものは損益という観念はまだそこには生じないわけでありますので、一般の会計処理の原則から申しますれば、手付金は仮受金として処理すべきであり、それを利益としたならば、どのくらいの坪数を売ったことになるかというような換算をいたしまして利益に計上することは、一般の会計の取り扱いの原則からいきましては間違いであると思います。従いまして、私ども注意申し上げた次第であります。
  54. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 明確な御答弁がありました。そこで、三十四年度の決算やり方につきましては、大蔵省経済企画庁も誤った決算承認した。明らかに法律に違反をしている。これについてはどうですか。
  55. 曾田忠

    ○曾田政府委員 お答えいたします。実は私、企画庁に参りましたのが三十五年の十一月でございますので、三十四年度の決算の状況をよく承知いたしておりません。悪しからず御了承願います。
  56. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、今言われているように、経済企画庁も、大蔵省も、手付金でもらった六千万円を仮受けにかかわらず、利益金として上げるということを承認をされて決算をしたわけです。それに基づいて会計検査院が三十四年度に注意をした。その注意が守られずに、三十五年度も同じ結果を生じている。このことは、会計検査院としては、まさか経済企画庁大蔵省承認をされて、こういう決算が出てきたということは、お考えになっておらないと思いますが、その点はいかがですか。
  57. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 その点につきましては、私どもどういうふうにお考えになったかということを推測するのは困難でございまして、答弁は控えさせていただきたいと思います。
  58. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その点は、一つ別な角度で責任を明確にしていただくように、私は別の機会に申し上げたいと思います。  次に、三十五年度の決算についてお尋ねいたします。  決算書の作成はどういうふうにして行なわれるのですか、前総裁に伺います。
  59. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは山本理事がおられれば一番はっきりいたすのでございますが、大体私ども従来民間でやっておりましたことから申しますれば、財産の評価でございます。これはかりに五千円の原価のものが時価に——たとえば夫売約のものでも、すべてのものがその当時の時価に比較してどうであろうかということを考えて、たなおろしの価格を作るのでございます。ところが、この会社におきましては、あくまでも売約しないものは原価そのままでいくということを山本理事が強く主張されまして、未売約の財産につきましては、さような方法をとったのでございます。  それから、減価償却の問題でございます。これも創業早々の会社でございまして、二年や三年でほんとうの実績が上がるものではない、自分の経験から申しましてもさように考えましたので、減価償却も定額法でありますれば幾らか安く済む、その低い価格でもって減価償却してもいいのではないか。しかるに、これはどこまでも将来を考えて定率法でいく、こういうようなことで、非常に多額な償却をいたしまして決算をしたと考えております。その例は、三十五年度におきましても、減価償却をいたしましたのは定率法で約四億六千万円償却をいたしております。さようなことで決算をやったと考えております。
  60. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 理事会決算書を承認されたのはいつごろですか。おわかりになりますか。五月三十一日が定例総会ですから……。
  61. 渡邊政人

    渡邊参考人 何でもその直前だったと思います。
  62. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 決算書というのは、担当理事が作って理事会に御相談をして、今度は監事に見せていただいて、監事が終わって総会に出していく、こういうことになるのですか。その推移はどんなふうになるのですか。
  63. 渡邊政人

    渡邊参考人 大体において経理の方でちゃんと決算を作りまして、それを理事会に付議いたして、これでよかろうということできめ、それを監事に提出する。それと並行いたしまして、やはり期日が迫っておりますれば、今の監督官庁であります企画庁の方へもいろいろと内輪の相談をやってやっております。  それから、すべて監事理事会には常時出ておりまして、ときには監理官も御出席願っておりまして、そこでよくやるのでございます。しかし、理事会で決定します前に理事懇談会というものがございまして、そこでいろいろな審議をいたしまして、大体そこの理事懇談会で話し合いのできたようなものを理事会にかけて正式に決定するというようなことをやっております。
  64. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、山本理事決算を作っている段階で、監事にも、監督官庁にも相談をしながら、そして大体それが固まったときに理事会承認をして、そして引き続いて監事も大体それでよかろう、こういうことで承認をしていく、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  65. 渡邊政人

    渡邊参考人 大体さような次第でございます。
  66. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁は、この会社の中に、会計や財務の処理に関する規程というのがあるのを御存じでしょうか。
  67. 渡邊政人

    渡邊参考人 私、実は民間出でありまして、詳しいそういういろいろな法律的なことはわかりませんのでなんですが……。
  68. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 営業年度といいますか、会計年度といいますか、そういうものが四月一日から翌年の三月三十一日までだ、こういうことは御存じですか。
  69. 渡邊政人

    渡邊参考人 それは知っております。
  70. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、経済企画庁にお尋ねしたいのですが、事業月報というのが毎月出ておるようですが、事業月報というのはどいうものなんですか、一つ答弁願いたいと思います。
  71. 浅間一彦

    浅間説明員 事業月報は、それぞれの事業所ごとの当該月ごとの生産量、出荷量等の概貌、それから、会社のそれぞれの事業所、本社別の人員の異動状況というようなものが月別に出ております。これは私ども早く提出するようにずいぶん督促しておりますが、現状においてはおおむね二カ月おくれで提出されております。
  72. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、それは法律に違反をしている行為、こういうことをお認めになるわけですね。この規則の十四条に書かれておるでしょう。「会社は、毎月の事業状況に関して次に掲げる事項を記載した事業月報を、翌月二十日までに、内閣総理大臣に提出しなければならない。」こう書いてある。今のあなたの御答弁ですと、二月くらいかかっている。ですから法律に違反しているんですね。そうでしょうと聞いているんです。
  73. 浅間一彦

    浅間説明員 さようでございます。
  74. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 法律に違反しているのは、あなたはお認めになりましたね。
  75. 浅間一彦

    浅間説明員 これは、法律そのものが現にございますから、確かに法律の条文そのものに対してはもとっておると思いますが、会社事業場が相当分散しておりまする関係、その他事務処理上の問題もあると思いますが、悪意意味ではないと思いますが、この点は非常に遺憾に思います。
  76. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私はこの法律に違反しているかどうかというのを聞いているだけであって、その断わりを聞いているのじゃない。先ほどあなたは、決算について手付を収入に入れてよろしいというのを承認されたんです。だから会計検査院意見が食い違っている。これも法律の大きな違反です。事業月報がとにかく二十日ときめてあるにかかわらず、二月もかかって出ていない。これも担当者としては違反でございます。  そこで、秋田木材の問題です。事業月報というものを見ておれば、これは三月三十一日現在で契約になっていないというのはおわかりになると思いますが、その通りですね。
  77. 浅間一彦

    浅間説明員 ただいま申し上げましたようなことで、非常におくれて出て参りますので、当時秋田木材関係の実態が判明いたしましたのはだいぶおくれてからのことです。
  78. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あとでまたその辺の事業月報の写しを、三月、四月、五月、六月、七月ころまで一つお出し願いたいと思います。そうすれば秋田木材の問題はよくわかりますから……。  続きまして……。(「出させるとちゃんと約束しなければだめだよ」と呼ぶ者あり)それじゃ答弁願います。
  79. 浅間一彦

    浅間説明員 御提出申し上げます。
  80. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁にお尋ねしますが、秋田木材土地の売却契約は三月三十一日として契約がなされたと言われておりますが、実際には五月十日に契約をされた、こうなっておりますが、そうですね。
  81. 渡邊政人

    渡邊参考人 さようでございます。
  82. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三月三十一日当時はどの程度まで話が進んでいたのですか。
  83. 渡邊政人

    渡邊参考人 雲野理事が当事者でございましたから、雲野理事から御答弁申し上げます。
  84. 雲野午三

    雲野参考人 秋田木材を詳細に申し上げる前に、十条製紙との交渉の過程を申し上げていいですか。
  85. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その点は山中副総裁からよく聞いております。三十四年の暮れのことからずっと詳しく聞きました。ですから私は、今具体的に三月三十一日当時、この秋田木材との話はどの程度まで進んでおったかという答弁だけ願います。
  86. 雲野午三

    雲野参考人 十二月ごろから話がございまして、先ほどの十条製紙の関係上中断いたしました。ただ、十条製紙の方の過程があやしいと見える過程にありましたが、まだ断わりがない。そこでこれを秋田の方の話に蒸し返しておきました。三月何日か忘れましたけれども、向こうではいいじゃないか、やろうじゃないか、こういう過程でございました。
  87. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三月三十一日現在では、契約がまだ正式に締結されていなかった。五月十日になって正式な契約になった。そして三月三十一日に上った。ですから、三月三十一日現在、どの程度の進行があって、それが決算として利益に上げるようになったかという関連で、私は三月三十一日当時どの程度までの話が進んでおったか、こういう質問をしておるわけです。
  88. 雲野午三

    雲野参考人 口頭で相当進んでおりますけれども、先ほど申し上げました二十五万坪に心引かれまして、四月に入っておりました。それで四月になりまして、十条製紙が福島県の勿来に移るということを確認いたしましたので、それで今度は四月の中ごろ以降秋田木材に全力を注ぎました。秋田木材は結局四月中に契約する予定でございましたが、総裁が不在で、私が数回連絡いたしまして、ようやく五月九日、総裁電話連絡いたしました。そこで、先ほど申し上げました、経理担当は、ともかく売ってくれ、売らなくちゃどうにもならぬ、売ってくれ——これは会あるごとに、私は理事会でも言われた。また、理事会にもその点の事情は詳しく述べてあったのでありますが、努力しまして、ようやく五月に調印ができました。その終わったのは、総裁が仙台にお帰りになったとき、電話連絡で一部始終御承認を得まして調印したわけであります。これに対する経理の作り方は、先ほど申し上げました通り山本理事が全部引き受けてやるから、ともかく君は売れ、こういう事情でございました。
  89. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、三月三十一日当時は、まだ秋田木材との話は、十条の方が進んでおったのでなかった。四月に入って秋田木材との話が進められた、こういうことですか。
  90. 雲野午三

    雲野参考人 そうではございません。話はあるのでございます。ただ、十条製紙の方が二十五万坪という数字でございますので、これを待った方がいいのじゃないかという感じがございまして、十万坪の申し込みの秋田木材とは、もしも向こうが破れたらあなたの方にお願いする、よかろう、こういうことでございます。
  91. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁、副総裁、大体そんなところですか。その当時のことは、一番その辺が何といいますか、わからないところなんです。大体どうですか。
  92. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、三月の末ごろに、たしか秋田木材の方は、大体もうすでに三月の末ごろになりまして、でき得れば十条製紙の方が残りの土地を全部買い入れるのだから、その方と両またをかけておったようなふうでございまして、しかし三月の末ごろになりましても、もうそれはだめだということがわかって参りまして、そういうことで雲野理事から、大体秋田の方と契約ができます、こういう確信のある話を私に報告されましたので、私は、今雲野理事は四月と言われましたけれども、たしかこれは三月の末ごろであったと考えております。
  93. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今の点が、総裁のあなたと、それから雲野理事と、それから監事の今度の副総裁になりました山中さんと、三人とも意見が食い違っております。全部食い違っております。今度は事実です。事実、どの程度まで話が進んでおったかということは、三月三十一日当時では、まだ正式の契約に話がまとまる段階ではなかったということは事実です。  それから、会計検査院から指摘された、この間の答弁によりますと、三月三十一日現在で秋田木材の話が、利益金に上げるような状態でなかったことはこれは事実です。それは会計検査院がこういう答弁をされているわけです。三月末ごろの話は十二万坪だった、十二万坪で関係の書類がこのときにこう行ったり来たり、何か話が——メモか何かでしょうね、詳しく聞いておりませんけれども、なっておる。そして十二万坪というのが、今度はいつの間にか、五月十日のときになったら十万坪になっておった。これも初めから、三月三十一日現在では、利益に上げるような状態でなかった、こういう推定をされているわけです。  これはあなたの御答弁、それから雲野理事答弁、山中副総裁答弁をあわせて考えれば、大体この事実を裏書きしたものと存じます。ですから、三月三十一日現在というのは、話がまだ煮詰まっていなかった。そして五月の十日になって正式になった。この間のいきさつにつきましては、当時の監事であった山中さんから御答弁を聞きましたが、監督官庁はどの程度までお話を聞いておったのですか、もう一度御答弁願いたいと思います。
  94. 浅間一彦

    浅間説明員 決算につきましての内相談と申しますか、これは認可事項でございませんので、事実上の内相談をされてくるわけでございますが、その相談を受けましたのが、たしか五月の中旬だったと思います。それ以前におきましては、いわゆる決算内容については、会社経理部が中心になりまして作成課程にございますので、私ど  も途中においては内容がわからないわけでございますが、非常に短期間の、約一週間ばかりの間に、かれこれ多岐にわたる審査をするわけでございます。当時私ども聞いておりました範囲では、三月三十一日時点において、両者において売買の意思があったのだというふうに聞いていたように存じております。
  95. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それはいつ、どなたにお聞きになりましたか。
  96. 浅間一彦

    浅間説明員 経理関係経理部長以下、あるいは山本経理担当理事、こもごもおいでになってのお話でございましたので、だれからはっきりというふうにはちょっとお答えいたしかねますが、経理担当山本理事以下関係経理担当者から、それぞれに聞いたように思います。
  97. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いつですか。
  98. 浅間一彦

    浅間説明員 五月の十日過ぎであったように記憶しております。
  99. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたは、監督官庁として会社へ行ったり来たりすると思うのですが、大体月にどれくらい行ったでしょうか。
  100. 浅間一彦

    浅間説明員 会社に対する監督官庁の窓口は、一応管理官ということになっておりますので、監理官が参るわけでございますが、大体諸種の会合に出席して意見を述べることという条文が二十四条にございますが、この機会を——どの会合にも出るというわけにも事実上参りませんので、実際問題といたしましては、月一回開かれまする定例理事会をその集約的な諸会合というものの表現というふうに理解をいたしまして、なるべく定例理事会に出るということにいたしております。本社が仙台でございますので、本社に参りますのはその程度が限度であり、そのほかの個々の問題について、会社の資料に即して検討を加える必要がある場合には、東京事務所に参ることがございますが、これも月一回ないし二回でございます。
  101. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 当時、三月三十一日から五月三十一日までの総会までの間の東北開発株式会社に対する監督官なりあるいは室長ですか、その辺の関係官が行動した資料を、具体的にどういうことをされたか、資料として御提出願いたいと思います。よろしゅうございますか。
  102. 浅間一彦

    浅間説明員 御提出申し上げます。
  103. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院にお尋ねいたしたいのですが、この発見が三十五年の七月ごろ発見された。もしおわかりになりますれば、ある程度具体的な、もうちょっと日付とそれから発見をされてあとの処置ですね、そういう点を、監督官庁なり会社なり、それもある程度日付を追ってお知らせ願いたいと思います。
  104. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 私ども東北開発株式会社検査に参りましたのは、七月十四日から八月四日までの間でございまして、六、七名の者が参っております。それでその際に、決算の点につきましても指摘いたしたのでございますが、先ほどのこの決算関係を発見しました動機につきましては、先ほども読みいただいた通りでございますが、なお、それを少し敷衍して申し上げますと、個々の収支というものは一応三月末ではっきりするわけでございますが、それを最終的な決算に作り上げるまでには整理期間があるわけでございます。そこで、その整理期間中に、会社といたしましては仮決算というようなものを二、三回にわたって作りまして、そうして最後決算に持っていくわけでございます。  そこで私どもは、秋田木材関係につきましては、最終的な決算を見ますと、三月三十一日という日付になっておりましたが、前の事業年度の日本ゼオン関係もありますので、ほんとうに三月三十一日の日に売買契約が成立したものであるかどうかという点を念を押しましたところが、そういう話であったのですけれども、しかし、ただいま申しました仮決算の段階の書類を見て参りますと、これは第一回目の仮決算の書類がたしか五月の四日の日に作られておったと思います。その五月の四日の日の仮決算の書類を見て参りますと、秋田木材関係は、秋田木材に十二万坪の土地を売るというような数字が出ておるわけであります。そこで、三月末に売買契約がそれほど具体的に、ほとんど確定に近いまでにいっておったという段階ならば、五月四日の仮決算のときの書類に、十二万坪なんという数字は出てくるはずはないんじゃないか。実際に決算の上で売ったことになっております坪数は十万坪でありますから、十万坪が三月末に確定的な段階であったならば、五月四日の仮決算に十二万坪なんという数字が出てくるはずはないんじゃないかということでもって、一体実際契約の成立したのはいつであるかということをお尋ねしまして、五月十日という日付におきまして初めて売買契約は成立したんだということを確かめた次第でございます。
  105. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 関係官庁にその状態を知らしたのはいつですか。
  106. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 検査して参りまして八月四日に終わりましたが、その後、帰りまして検査した結果を整理いたしまして、九月七日付でもって東北開発株式会社総裁あてに私の名前で決算内容を含めました照会を発してございます。なお、検査が終わりましたときには、関係官につきましては検査の結果の講評としてそれらの事項も申し述べてございます。
  107. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 臨時総会はいつやりましたか。おわかりになるところでいいですが。監督官庁でわかりましたら。役員改選の臨時総会です。
  108. 渡邊政人

    渡邊参考人 臨時総会は、日にちははっきりいたしませんが、総裁、副総裁の交代の件が議題でございました関係で、これが八月一日付で交代になるので、たしか七月の下旬——二十何日であったかと記憶しております。
  109. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 役員の改選をした理由は、藤山経済企画庁長官の話によると、それから政務次官の話でも、あらかじめ会計検査院から指摘されているような事項も考慮されたような御答弁がされておりますけれども、これは東北開発株式会社法の二十五条によって解任されたのですか。その点政務次官おわかりになりますか。
  110. 菅太郎

    ○菅政府委員 任期満了でございまして、そのための人事更迭でございます。ただし、どの範囲の人事の更迭をいたしますかは、いろいろ裁量がありますが、これは任期満了でございます。
  111. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 任期満了と言われても、実際の状態については、企画庁長官なり政務次官の今までの答弁で、まあ私は法律の二十五条に基づく解任だというふうに理解をせざるを得ないわけであります。  そこで次に、秋田木材の裏契約の問題についてお尋ねしたいのですが、裏契約はこれはどなたがされたのですか、総裁、御答弁願います。
  112. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは担当雲野理事がされまして、それを、先ほどもありました通り電話で私に承認を求めて参りましたので、私が承認いたしました。
  113. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 理事会にはいつお諮りになりましたか。
  114. 渡邊政人

    渡邊参考人 契約に関しましては、雲野理事に包括的にこれを委任してございますので、雲野理事はそのまかされた範囲でやったと考えたのだろうと思います。それで理事会には、その契約の大体のことが、従来までの理事懇談会なりあるいは理事会等で雲野理事から報告がありましたので、それを了承しておりました。たまたま私の出張中でございまして、そういうふうに最後契約に念書を入れたということを私は承認いたしました。
  115. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 雲野理事にお尋ねしたいのですが、裏契約の点につきましては、今総裁が言われましたように、理事懇談会なり理事会なり、そういうところに報告をしてありますか、もしあるとするならばいつか。
  116. 雲野午三

    雲野参考人 念書の件は、理事懇談会あるいは理事会には、その時点にはなかったと思います。ということは、非常に急に発生した事情でございまして、秋田木材は三カ月ほど余裕をくれなくては承認できない、自分の方は子会社を持っていきたいということで、まあ大体が秋田に詳しい人たちなものですから、ほかの会社と違いまして、大体は知っているけれども社長初め、アメリカの資本を導入して工場を拡張する、子会社の集まりを求めたい、だから、今ここでは、念書がなければ契約に調印しないという事情があったのでございまして、従って、われわれはどうしても売らなくてはならないなら、念書もやむを得ないということで、先ほど申しましたように、承認の前に判を取り寄せること、及びこういう事情のあったことを総裁承認を得ました。不幸にしてわれわれのところは、東京には二人しか常駐がいないのであります。その他の理事は仙台におられるので、次回の理事会に私は報告したつもりでございます。
  117. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次回の理事会報告したつもりです、こういうことですか。
  118. 雲野午三

    雲野参考人 念書の点は報告をしていなかったと思います。
  119. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 念書の点は報告をしなかった理由は、どういうわけですか。
  120. 雲野午三

    雲野参考人 これは失念しておると思うのですが、そのとき総裁に了承して取り計らうようにお願いしたのでございますが、総裁も御多忙でお忘れになったのじゃないかと思います。
  121. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁は、理事会にお諮りになったような御記憶だという御答弁がありましたけれども、その点もう一回御答弁願いたいと思います。
  122. 渡邊政人

    渡邊参考人 秋田木材との間に契約をする、しかもその契約成立が、確実な見通しがあるということを雲野理事からの話で承知しておるのでございます。そしていよいよ調印ということになりましたときに、今雲野理事の言ったような事情で念書を入れざるを得なかった、こういうことの承認を求められたので、私は承認をいたしたのでございます。それは契約担当理事であって、その権限といいますか、それを委任しておるものですから、私はそれを承認したわけです。
  123. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その念書のことを理事会に諮らなかった理由はどうなのですか。
  124. 渡邊政人

    渡邊参考人 理事会に諮らなかったことは、私今考えて、全く失念しておったのでございます。
  125. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その念書は、平常の商慣行を無視したものだということは、あなたもおわかりになろうと思うのです。契約をして手付金をもらった、手付金というのは、解約した方が損をするのはあたりまえなのです。逆に手付金について八分の利息をつけてお返しをします、こういう念書であるわけであります。このことも、あなたは今の連絡を受けたときに聞いておりますか。
  126. 渡邊政人

    渡邊参考人 大体、最初申し上げた通りに、秋田木材が工場を建設する、これが関係官庁の了解を得れば、それからもう一つは、金融の事情が非常に悪くて、自分の方の資金手当の関係上それが不可能のような情勢に陥った場合は、これを解約する、こういうような意味のことは聞きました。  それからなお、その手付金については、普通の商慣習もありましょうが、これは一応相手方のあることでございますから、なぜ八分の利息をつけるのかと申しますと、その五百万円が、かりに会社としては一般の借入金を利用しておる場合にも八分くらいの金利になるから、八分くらいの金利をつけてもその際はやむを得ぬのだ、こういうことのようにあとでその話は聞きました。
  127. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そのあとで聞いたというのは、念書の話を聞いたときでございますか。
  128. 渡邊政人

    渡邊参考人 念書の話を聞きましたときでございます。
  129. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは東北開発株式会社の慣習でございますか。
  130. 渡邊政人

    渡邊参考人 ただいまのは、初めて起こったケースでございまして、慣行ではないと思います。
  131. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたはそれは平常の状態だと思いましたか。
  132. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは私の経験から申しまして、普通民間で契約をするというような場合には、自分の方の考えではなくて、やはり相手方のあることでありますから、その折衝の過程において、そういうような契約もそのときはやむを得なかったのじゃないかと考えまして、それを承知したわけでございます。
  133. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 解約になったとき手付金に金利を払いますということは、私はほかに例を知らないのです。これは異例なことだと私は思うのです。あなたはどう思いますか。
  134. 渡邊政人

    渡邊参考人 その金利を払うということは、たしか現金の五百万円に対してだけのことでございますので、私も今御指摘されてみますと、異例なことであるというふうに考えます。
  135. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まことに残念なことだと私は思います。  副総裁、今の私の質問をあなたは聞いておられまして、そして念書のことをあなたはいつお知りになりましたか。
  136. 加藤祐三郎

    加藤参考人 念書の問題は私は全然知りませんで、先般こちらにお呼び出しになるということで、先ほど申し上げましたように、この間の速記録を見て私は初めて知りました。
  137. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 会計検査院検査をして、そして終わったときにいろいろ報告がありました。そのあとまた書類でも出されているようでありますが、その当時もあなたは知らなかったのですか。
  138. 加藤祐三郎

    加藤参考人 お答えいたします。  会計検査院検査の結果の御公表をなさいましたのは、私の退任後でございます。ですから、私はそれは存じませんでございます。
  139. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 副総裁に、続いてお尋ねいたしますが、東北開発株式会社というのは、手付金に五百万円もらったときには八分の利子を差し上げます、こういうことが大体東北開発株式会社として商慣行になっているのですか。それからまた、あなたはこの話を聞いて、こういうやり方についてのあなたの率直な御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  140. 加藤祐三郎

    加藤参考人 お答え申し上げます。  今のような手付金の問題につきまして、八分の利子ですか、そういうものは、私の在任中におきまして、開発会社の慣習になっておったという例はないと思います。ただ、今の問題につきましては、ごく最近今のようなお話を伺っておりまして、事情はいろいろあったと思いますが、雲野理事も申されましたように、私も非常に異例のことだと思います。先ほども申し上げましたように、私は任期が終了するということが一面にありますから、どうしても人情で、そういうことがあってはいけないと思ったから、両三回にわたって理事会においても皆さんの注意を喚起して、あくまでもそういう支障が起こらないように努力してそれを押えて、公正妥当な決算を組もうじゃないかということを申したことは私は覚えております。
  141. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今の念書の問題は、当然理事会にかける問題だと私は思いますけれども、あなたはどう思いますか。
  142. 加藤祐三郎

    加藤参考人 決算理事会は、実は何回もやるわけでございまして、どういうものを利益に計上するかということが大事な問題ですから、ことにそういう問題のあるようなものについては、当然理事会にかけて審議をしなければならない問題だと思います。従って、今のような問題があるとすれば、経理担当役員から当然相談があってしかるべきだったと私は思います。まことに残念だったと思います。
  143. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私は、これは明らかに理事背任行為だと思いますが、あなたはどう思いますか。
  144. 加藤祐三郎

    加藤参考人 今申し上げましたように、当然報告がなければならないことだと思っておりますが、ただ背任かどうかということはちょっと申し上げかねます。当然報告をしなければならない問題の一つであったと思います。
  145. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 当然報告しなければならないものを報告しておらなかった、そのことによって重大な損害を会社がこうむった、それを背任とお考えになりませんか。
  146. 加藤祐三郎

    加藤参考人 少なくとも、会社経営の責任を持っております役員といたしましては、道義的には、今仰せの通りの感じを私は持ちます。
  147. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今度の伊藤総裁ははっきりされております。これは常識的に考えて、法律的には問題があるけれども、やはり背任だと思う、こうきっちり御答弁をされておる。私は大へんりっぱだと思います。ほんとうのことはほんとう、うそうそできまっておるのだから、幾らごまかしても、常識というものがあるわけですから、あなたは、これはもう常識を逸脱しておる異例なものであって、当然理事会にかけるべきものであると言われておるので、むしろあなたこそ、理事会にかけなかったことについて文句を言わなければならない立場にあると思います。その人が、今のようなあやふやな答弁をされておることについて、私も一まつの疑問を持つわけです。どうでしょうか。
  148. 加藤祐三郎

    加藤参考人 重ねて申し上げます。当時それが報告されておりましたならば、ああいう決算にはならなかったと私は確信いたします。その意味においてまことに残念しごくでございます。そうしてそれは道義的にあってならなかったことだと思います。これは非常な信頼を受けて、政府その他の交渉も、全部総裁からお話がありまして、まかされて東京で勤務しておったのです。私どもは仙台におりましたから、ほとんどそういう毎日のことはわからないわけです。それは当然何回も大事な決算理事会をやっておるわけでありますから、報告をしなかった方は、担当理事でもあるのですから、当然道義的に私は背任的なそしりを免れないと思います。はっきり申し上げます。
  149. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この問題は、一つは、念書の問題についての責任ですが、今総裁雲野理事と、もう一人山本理事が知っているかどうかわかりませんけれども、どうもこのお三人は念書の点については承認をしておったのではないだろうかということが一つ。それは大へん問題です。もう一つの問題は、これは背任に波及する問題です。もう一つの問題は、決算書の問題です。会計検査院から、五月四日の第一回の仮決算のときに、もうこの秋木の問題はおかしかった。だから、これを中心に調べていったら、関係書類が当時は十二万坪で、実際に契約したときは十万坪で、その上また念書の書類が出てきた、こう言われておるわけです。その分については、これはまた皆さん全員が責任があるわけです。  そこで、三十五年度決算の中でもう一つ指摘されているセメントの問題が、二万三千六百五十三トン、販売目標二十六万トン達成のため三十五年度決算でから売りの操作をしてある。倉庫売りの操作をしてある。これについては、山中副総裁も、その通りですとお認めになりましたが、総裁、これはお認めになりますか。
  150. 渡邊政人

    渡邊参考人 私、そのから売りしたということは、あとで御指摘になりましてから聞いたので、当時は相手方があって、これを出荷した、あるいは倉庫にあったものを売って、そしてこれが決算に計上されたと考えておりましたので、今のから売りして云々のことは、実はあとで承知いたしたわけでございます。
  151. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あとでも先でも、とにかくあなたは、から売りの決算操作をしてあったということは認めますね。
  152. 渡邊政人

    渡邊参考人 その当時は、経理担当理事の考えでは、契約主義でいくことが債権債務がそこで判然とするんだ、こういうような考えでありましたが、その通りに最初やっておりますと、またいろいろな弊害もあるし、遺憾の点もあるから、やはり今度は出荷主義で、そうして相手方に売り渡して、出荷したものに対して、これを決算するんだというふうにいろいろ考えが変わって参りまして、そういうふうにやっておりますから、全然相手方なしにもしこれを——から売りは相手方がないということでありますから、それであればはなはだ遺憾なことでございまして、私もその話だけを聞いて、まことに遺憾だと思っております。
  153. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 山中副総裁はから売りを認めました。倉庫売りになっておりましたと認めました。あなたは、二十六万トン達成させるために、二万三千六百五十三トンを倉庫売りで決算をしたんだ、こういう事実を認めるかどうか、もうちょっとはっきりしていただきたい。
  154. 渡邊政人

    渡邊参考人 その販売を担当しておりますのもやはり雲野理事でございますので、雲野理事から一つ答えていただたいきと思います。
  155. 雲野午三

    雲野参考人 先ほども申し上げました通り、すべて経理操作は山本理事の指示に従っておると思うのであります。それと、私が東京駐在でございまして、残念ながら、申しわけないのですが、販売の第一線に立てない事情にあったのでございます。すべてが山本理事の指示を受けまして営業でもやったと思います。今のから売りという言葉は、私ははなはだ好かないのでございますけれども、出荷したものは売ったことにしようじゃないかという問題だろうと私は思うのであります。
  156. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 山本理事がいなければわからぬ、こう簡単に御答弁になった。これは、当時の山中監事は、その通りですと認めたんだ、から売りですと認めたんだ。それは認めざるを得ないのです。あなたのところの売掛代金なりあるいは受取手形を調べてみれば、会社決算書と合わないのですよ。合っていない、から売りだということははっきりしている。倉庫で売っておいて、決算操作をしておいて、その次に品物は今度は工場から出ている、それをあなたはお知りにならないのですか。
  157. 雲野午三

    雲野参考人 その点の事情にははなはだうとかったのでございますが、あとから報告を受けております。  ここで、ちょっとこれに関連することを申し上げたいのですが、いかがでしょうか。
  158. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 関連するのなら、それは私があと質問したときにやって下さい。今の私の質問にだけ答えて下さい。  三十五年度の決算は、六千八百二十七万百三十二円の黒字となっている。しかし、会計検査院指摘によると、真実の決算は二億八百九十五万一千六百七円の赤字だ、こう言われておりますが、総裁、これをお認めになりますか。
  159. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは、ただいまのようなことから申しますれば、会計検査院の御指摘通りだと思います。ただし、これは先ほど申し上げました通り、私は最初から、経理ということはガラス張りであくまでやってくれ、そういうことをたびたび話をいたしておりましたけれども、先ほど副総裁からも申し上げましたように、みながやはり何とか自分のやっている仕事をよくしたいという人情からきたことではございましょうけれども、もし土地も、それからセメント等も、売らなくてもそれがいわゆるたな卸し価格でちゃんとある程度の利益を生むのでございますから、多少そこに欠損が出ることがあってもやむを得ない。これはどうもあとから出る知恵でありますが、私はそう考えて、まことに遺憾だと思っております。  それから、その最後決算をいたしますのには、先刻も申し上げました通り、約四億六千万円に近い償却をしておりますから、もしこれを定額法でやったならば、あるいは収支一ぱい一ぱいいったのではなかろうかということも考えておるのでありまして、これはあとの祭りでありますけれども、はなはだ遺憾のことだと思っております。
  160. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ですから、私は前段に、三十四年度の決算についてあなたは赤字認めるか認めないかというお話をしたわけです。三十四年度決算については、監督官庁も了解の上で法律に違反をした決算をしたという結論になったことは、あなたも御承知の通りです。三十五年度決算も同じようなやり方によって黒字にはなっているけれども赤字だということは、会計検査院から指摘されている。会計検査院から指摘されているということは、あなたは今いろいろ減価償却がどうとか理屈を言いましたけれども、理屈は理屈であって、会社法なり会社にある経理規則は、さっきあなたは承知していると言いましたが、それで決算しているのにきまっておりますから、その会社法なり、あるいは会社できまっている規定によって処理したら、具体的に二億円余の赤字になる、こういうように会計検査院——これは私から言えば不満ですが、こういう内輪の見積もりをしたわけです。こういう赤字決算だったということをお認めになりますかということです。もう一度お答え願いたい。
  161. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、当時はさように考えておりませんでしたけれども、だんだんとただいま会計検査院の御調査の結果、そういうことであるとすれば、これは認めざるを得ないのであります。
  162. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 副総裁赤字だったという決算認めますか。
  163. 加藤祐三郎

    加藤参考人 お答えをいたします。  今総裁のおっしゃいます通り会計検査院調査の結果によって明らかになったという事実があるのですから、それであれば赤字であったということははっきりしております。ただ一言申し上げますけれども、この理事会決算報告をされた場合に出ている資料は、全部売れたという資料で出ているということだけ申し上げます。
  164. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 監督官庁の方はどうですか、経済企画庁。三十五年度の決算会計検査院から指摘をされた二億八百九十五万千六百七円の赤字が正しいんだ、これをお認めになりますか。
  165. 曾田忠

    ○曾田政府委員 結果的には検査院の御指摘通り赤字になっておるというように考えて、まことに申しわけないと思っております。
  166. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁、先ほどの御答弁の中で、あなたは、ガラス張り、ガラス張りと言っている。これはあなたの方の東北開発株式会社というのは、ガラス張りではなくて黒いガラスです。あらゆる事業が御承知のように今日全部汚職にひっかかっているでしょう。全部です。まずセメント、助成会社、それから砂鉄、土地造成、資材購入、全部汚職が出て逮捕されている。これはまさにガラス張りではないんてす。黒いガラスです。まっ黒です。そうなった理由は、私が言うよりも、あなたの方がよく御存じなんです。三十五年度の決算は明らかに間違いだ、虚偽決算だと私は存じますが、あなたはどういうふうにお考えになりますか。
  167. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は就任の当初に、経理担当山本理事に対してのみならず、理事会においても、そういうことはガラス張りでいこうじゃないか、そういうことを希望しておったのでございますが、結果的に見て、いろいろな今御指摘のようなことが起こりましたことは、まことに遺憾しごくでございまして、私の意に沿わなかったことをはなはだ残念に思っておりますし、ざんきにたえない次第でございます。
  168. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 決算委員長から報告として、三十五年度決算虚偽決算であった、こういうように指摘されておりますが、あなたはお認めになりますか。
  169. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は虚偽決算だということについては、今申しましたように、結果的に見まして、はなはだ遺憾なことでありますが、最初からそういうふうな悪意を持ってやったのではないのでございまして、この点は御了承願いたいと思います。
  170. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 遺憾な決算だったというのはどういう意味ですか。
  171. 渡邊政人

    渡邊参考人 ただいまあなたの御指摘になりましたような結果を——利益であったのが、事実上会計検査院調査によってそういう結果になった、その事実を申し上げたのです。
  172. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたは会計検査院から指摘がなかったら、この決算書は間違いでないと今もお考えになっておるのですか。
  173. 渡邊政人

    渡邊参考人 そのときは、やはりその経理担当者から出しましたものが確かだと私は信じたわけでございます。
  174. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 担当理事から出して、あなたはそう信じておりました。しかし、今日こんなに明確になって、これが虚偽決算であったということをあなたは認めざるを得ないと思うのです。これはどうでしょう。
  175. 渡邊政人

    渡邊参考人 まことに遺憾しごくでございますが、それを承認せざるを得ないのでございます。
  176. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 遺憾しごくで仕方がないということは、虚偽決算であったということをあなたは認めざるを得ない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  177. 鈴木仙八

    鈴木委員長 私から申し上げますが、委員長報告は、悪意の証言であるかのごとき、あなたの言辞がありましたが、それを結局取り消されることですね。そうでなかったということをお認めになりますね。はっきりして下さい。
  178. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 御答弁願います。
  179. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、その結果から見まして、そういうふうになりましたけれども、そこまで行く過程において、私ども考え方は、悪意を持ってやったのじゃなかったことは、先ほど来いろいろ申し上げた通りでありまして、事実その結果が御指摘通りになりましたことはまことに申しわけない次第でありまして、その点をはっきりただいま申し上げたのであります。
  180. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 悪意はなかったけれども虚偽決算だということはお認めになりますか。
  181. 渡邊政人

    渡邊参考人 私の感じは、その虚偽ということを非常に心理的にどうも……。
  182. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 虚偽というのはうそということです。うそ決算だということ……。
  183. 渡邊政人

    渡邊参考人 間違った決算であったことを承認いたします。
  184. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 間違っておったということはうそだということだと思うのですが、違いますか。もし違うのだったらどう違いますか。御説明願いたい。
  185. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は虚偽ということよりも、間違いだ、誤謬の決算だった。
  186. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたは間違いだと言うのです。私ははっきりうそだと言うのです。とにかく、しかし、決算書が間違っているということは、あなたはお認めになったわけです。そうして、それが間違いであったということを認めて、あくまでもあなたは善意を持った間違いだと言う。しかし、幾ら考えても、私は善意を持った間違いだというふうには理解できないのですが、あなたが善意々々と言うなら、一体どういう善意か御説明願いたいと思います。
  187. 渡邊政人

    渡邊参考人 その決算をやるに至りましたまで、私どもはやはり誠心誠意この仕事をやっておりましたので、そういう気持から、結果的にさようなことを生じましたのは、まことに私どもの不行き届きな点があると思いますので、その点を非常に遺憾に存じておる次第でございます。
  188. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 虚偽決算ということであなたとの食い違いがあるわけですけれども、結局あなたは善意に基づいた間違いだと言う。間違いというのは、ただ単なる計算上の間違いか、あるいは会計上の知識が不十分であったために間違ったというなら、それは間違いでしょう。しかし、私が虚偽決算だと言っておるのは、会社の定めた会計の手続を故意に曲げて決算をしたために、真実を反映していない不適正な決算だと思うからなのです。私は、これについては、この二つの結論しかないのです。どちらなのです。
  189. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は会計上の知識はほんとうに薄かった、あるいはなかったのでございまして、すべてを経理に明るい山本理事の提出したものを信用したわけでございますので……。
  190. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そして、山本理事のやった決算は、いろいろと検討した結果、虚偽決算であった、こういうふうに認めざるを得ないでしょう。どうでしょう。
  191. 渡邊政人

    渡邊参考人 私の心の中では、どこまでも誠意を尽くしてやった結果でございまして、私としましては、それはほんとうに誤謬であった。虚偽といいますと、何かいかにも最初から悪いたくらみをもってやったようなことに考えますが、私の気持にはさようなことは毛頭なかったのでございます。
  192. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私はあなたの気持を聞いているのではない。決算書が虚偽であったか、なかったということを聞いているのです。決算書が虚偽であったか、なかったかということを聞いている。ですから、あなたがもし間違いだというならば、決算上の間違いがあったのか、なかったのか、会計上の知識が山本理事に不十分であったのか、なかったのか、それが間違いの原因であったのか、間違った決算を出した原因であったのか。しかし、そうではない。会社の定められた会計手続を故意に曲げて決算をしておる。このことは三十四年度の決算で、大蔵省も、経済企画庁も、法律に違反をして三十四年度の決算書を承認をしました、こう言っている。はっきりさっき答弁しているではありませんか。三十五年度の決算は、明らかに会計手続を故意に曲げて決算したために、真実を反映しない不適正な決算だというのは明確じゃないですか。御答弁願います。
  193. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、そこまで参りました、会計手続なりその決算書を作成しました山本理事のほんとうの気持を聞かないとわかりませんが、私はただいま御指摘通り、これは間違っておったのだということを承認いたします。
  194. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたは、間違いだ、間違だ、こう言っている。そして今までの私が質問をした答弁についての大きな食い違いをしている。あなたは会計年度というのはよく知っている。四月一日から三月三十日までというのは知っている。そうして、日本ゼオンの三十四年度の決算指摘をされたこともあなたはよく知っている。そうして秋木が三月三十一日現在に何もまだ具体的に正式なものになっていないということもあなたは知っている。そして念書がいかにこれは商慣行を無視したものであるか、背任の疑いのあるものであるということもあなたは知っている。そしてなおかつあなたはここへ来て、今度は、会計山本理事がやっている、山本理事がやっていると言う。しかし、山本理事がかりにやったとしても、三十五年度決算書は明らかに虚偽決算がされているというのは、これは明確な事実なんだ。ただ単なる計算上や会計法上の規則の誤りによって生まれたものではないのだ。もう一度その間違いと虚偽という点を御解明願いたいと思う。
  195. 渡邊政人

    渡邊参考人 どうも私はどこまでも間違いであったという気持だけでございます。
  196. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは総裁刑事事件にどうなるかということは、これは別の問題なんですよ。それは別の問題なんです。すぐ直ちにそれがどうということではないわけです。ただ間違った決算だといっても、その間違った決算が、これは故意にやったか過失だか。これはもう明らかに故意にやったということだ。あなた自体が何とかいい決算をとにかくガラス張りの中で作りたいと思った、そういうことをふだん言っておった、こう言っておられるでしょう。いい決算を作りたいという前提のもとに、やはり少し無理をされている。それは明らかに会計の手続や何かに違反をしている。違反をしているということは、あなたはお認めにならないのですか。
  197. 渡邊政人

    渡邊参考人 その手続に沿わなかった、こういうことは認めます。
  198. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは総裁、沿わないとか間違いだったとかいういいかげんな御答弁をされてはいけないですよ。会計検査院も不適正だ、こう言っています。なかなか微妙なわけです。不適正だ、適正でないということは、誤りだというのです。その誤りというものがやはり故意にやったかあるいは過失でやったか——あなたは過失とお認めになるのですか、故意とお認めになるのですか、どちらですか。
  199. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は過失と認めます。
  200. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これは重大な問題です。あなたがそう思っている事実行為は明確になった。  どうでしょうか、政務次官、御答弁してもらうことは、よろしゅうございますか。
  201. 菅太郎

    ○菅政府委員 なかなか微妙なところに参りましたが、会計検査院の御指摘は不適正という言葉を使っておられます。私はまさにそれに該当すると思うのでございます。ないことをあるように捏造したのではございません意味で、さほどではないかもしれませんが、しかし、収入を確定収入として計上すべからざるときに、たとえば仮契約手付金のごときを確定収入として上げる、しかもそれは決算の帳じりをよくするために上げるというごときは、それはまことに不適正と思います。単なる間違いどころではないと私は思いますから、この点は監督官庁としてまことに遺憾に思います。
  202. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 議事進行——。私も渡邊総裁の方に読売新聞に出ていることについて質問することになっておりますが、しかしこの問題の実情を知りません。知りませんが、今来てちょっと聞いてみますと、私は弁護士をやっているのでそのことはわかるのですが、 よくわからないのですが、事実関係は、事実は適正でない、虚偽であるということは、間違いないじゃないかと思われるような節があるわけです。しかし、虚偽のそういうような決算報告というのですか、何か出たという、虚偽なものが出たということは、自分自身の悪意、故意によってやったのか、もしくは他の第三者の故意過失でやったのかというふうな問題があるわけなんです。山本とかいう理事かなにかが故意にやったというふうにも聞こえますが、そうすると、前総裁は何か責任問題と事実問題を近藤して、そこにお話の点についていろいろな問題が起こってくるのではないか、煮え切らぬことが起こってくるのではないかと思います。要するに、虚偽のことは虚偽であるが、しかし、山本という理事虚偽のそういう事実をこしらえて、それを監督の立場にある、上司の立場にある前総裁が看破することができずに、すなわち監督の不行き届きといいますか、そういうものによって、そういう虚偽なものが真実としてこしらえられたというふうなことになるのではないかと思います。そうすると、事実関係虚偽である、しかし、山本という者は虚偽のそういう事実関係をこしらえた、それを監督不行き届きで過失になりますか、重過失になりますか、不可抗力になりますか、それは事実関係をもっと調べなければわかりませんけれども、とにかく何らかの形で重過失か過失かもしくは不可抗力か、それによって虚偽なものを真実なものとしておやりになった、おこしらえになったというふうなことになるんだから、山本虚偽のものを作成して、それを自分たちが、やはり真実なものであり、虚偽のものと知らずにそれを認めてやったんだというふうな点を明確にされれば、おのずから事実関係がはっきりするのじゃないですか。そこらがどうもおかしいと思うのですが、いつまでも虚偽論を繰り返しておられると、質問する時間がなくなりますし、どうも業務妨害というようなことになるおそれがありますので、その点明白にされたらどうですか。
  203. 渡邊政人

    渡邊参考人 ただいまのお話でございますが、私は先ほど申し上げました通り経理に最もエキスパートであるという山本理事がその決算書類をこしらえましたものですから、それを信用いたしまして、それを認めたのであります。その責任については、私、会社の代表者でございますので、私に大いに責任があると考えております。
  204. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大へん私は不満でありますし、また決算委員長報告の中で虚偽決算だという指摘をされておるわけでありまして、その点が明確にならないことは大へん遺憾です。これはまたあとでもう一回しっかりと結論をつけたいと存じます。  次に、売掛金です。売掛金が三十三年度で一億八千万、三十四年度で二億九千万、三十五年度で四億三千万、受取手形が三十三年度で三億二千万、三十四年度で六億、三十五年度で七億三千万、こういう形で売掛金、受取手形というのはますます増大をしている。そしてこれが明らかにみな不良債権なんです。青森建材が九千二百四十三万円、東光物産九千八百十六万円、そして東北開発株式会社とこの青森建材とは、三千万円の債権の相違もあるし、かつ手形を三カ月ずつ四回も書きかえをしている。これは今の役員の中では回収が相当困難だと言わざるを得ないようであります。まことに私は遺憾千万だと思う。あなたはどう思いますか。
  205. 渡邊政人

    渡邊参考人 ただいまの売掛金の問題でございますが、私は、当初その回収がだんだんとおくれておるということを青森建材に聞きましたときに、これは容易じゃないから、十分にこれを調査して取り立てるようにせよということを、担当雲野理事及び営業部長にもそういうことを命令しておりました。それでございますから、その点につきましては担当雲野理事からお答えいたします。
  206. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 セメントの代理店はだれがおきめになるのですか。どういう経過ですか。簡単に言って下さい、時間がありませんから。
  207. 渡邊政人

    渡邊参考人 セメントは、最初売りましたもののうち約七割くらいは、私の考えで……。
  208. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いや、代理店です。セメントの代理店のきめ方です。
  209. 渡邊政人

    渡邊参考人 代理店は各県に——その前提として申し上げます。代理店をきめますときには、最初、生産量の七割くらいは東北各県の官庁に向けて売れるだろう、残りの三割くらいは小売をせざるを得ないだろう、こういう考えから各県に、需要の高にもよりますけれども、二店程度のものを指定する。あるいは、場合によっては三店指定もよろしいが、大体二店ぐらいがよかろう。それには既存の業者がりっぱな販売機関を持っておりますので、これに対抗するようなものはなかなか新しく設けることはむずかしいけれども、これはむしろ各県の部長にお願いをして、その推薦のうちから決定したらよかろうということで、各県庁からの推薦を待って取りきめたわけでございます。
  210. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 硬化セメント三万トンで約一億三千万円の損害があるわけです。この理由、それからその責任はどなたにあるか。
  211. 渡邊政人

    渡邊参考人 この硬化セメントができましたことは、当初の計画から、大体工場内に、一カ月なり、少なくともニカ月分くらいのものを貯蔵するだけのサイロが必要だ。それから外部に倉庫なりサイロなりを置く。こういうことが当然セメント販売としては必要であったのでございますが、これがなかなか予算関係で、そのサイロの建設も倉庫の建設も予算は得られなかったので、やっとお願いして、一年余たちましてから仙台の倉庫を建設する許可が得られたようなわけでございます。一方において、どうしても多量に生産しなければ原価が下がらない、こういう考え方から、理事会相談しまして、売れないときに非常に減産した方が一体利益なのか、ある程度フルにやって一般原価を引き下げて、そして一部他に倉庫料を払ってもその方が利益なのかという検討をいろいろ経理等においてやったようでございます。その結果、少なくとも二十七、八万トン、ないしできれば三十万トンくらいの生産を上げた方がよい、こういうことで不需要期にもやはり生産を続けた。その結果、これを倉庫に入れておかなければならぬ。そうして東北は御承知の通り毎年もう十月から先になりますと非常な不需要期になって参りますので、やむを得ず倉庫に入れたものも、紙袋でございますので、下積みの方から湿気を含んで硬化してくる。こういうことで、この点については私ども非常に遺憾に思っておったのでございますが、そこでこれらを排除するのには、人数から申しましても、販売員の熟練、不熟練から申しましても工合が悪いから、これはむしろ販売会社を作って、そしてできたものは生産と同時にその販売会社の責任において販売したいといろ考えでございました。それが販売会社の点も予算の点が承認になりませんので、やむを得ずそういうふうな倉庫入れをせざるを得なかった事情でございます。
  212. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 理由はわかりました。責任はどういうところにあるのですか。
  213. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは最後の責任は私にあると思いますが、そこまで参りましたのには、いわゆる理事会で、その生産をどの程度にしようとか、あるいはこの販売については、販売担当の人人がこれをいかにして早く売っていくか。これにも、セメントの最初に倉庫入れしたものを売りさばくのには、どうも自由に——サイロがなかったためもありますけれども、輸送面においても非常に窮屈でございました。それでできたものも、結局あとから作ったものを先に出していかなければならぬ、こういうようなことから、先入れした先に出すべきものが結局輸送関係等であとに延びていったというような事情があるのでございます。それで生産その他については、理事会の決定でその方針をきめましたし、それから販売等につきましては、それぞれ担任の理事、営業部長がおりまして、これをやったのでございました。その最終の責任は代表者の私にあると思います。
  214. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 あなたのお話を聞いていると、監督官庁の経済企画庁が何か作ってくれなかったから悪かった、貨車がなかったから、鉄道が悪かったのだ、こういうことを言っておるわけですよ。先に入れたものを先に売らなかった、こういう会社のシステムの責任はだれにもない、経理はわかりません、ものの売り買いがわかりません、そういう形でやられた。担当理事雲野理事なんですね。
  215. 渡邊政人

    渡邊参考人 販売担当理事雲野理事でございます。
  216. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 助成会社の融資はどういうふうにやられておるのですか。それはだれがおきめになるのですか、理事会できめるのですか、どういうことになるのですか。
  217. 渡邊政人

    渡邊参考人 助成会社の融資につきましては、助成課がありまして、それぞれの助成会社の実情をよく調査をいたしまして、これを総務部から理事会に出しまして、理事会でそれを審議いたしまして、助成の金額等は政府に申請をして、その許可が得られたものにこれを融資していくということになっております。
  218. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この会社に幾らやるとかいう融資の額を決定するのは、最終的には理事会でしょうが、担当理事なり担当の系列はどうなっておりますか。総裁がわからない点の御答弁は、ほかの副総裁なり雲野理事でもけっこうです。
  219. 加藤祐三郎

    加藤参考人 事務的には総務部の助成課でやります。従って、部長は総務部長でございます。それで担当理事を経まして……。
  220. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 担当理事はだれですか。
  221. 加藤祐三郎

    加藤参考人 本郷理事でございました。それで出ます。しかし、根本の原則は、その前に——いつでございましたか失念をいたしましたが、助成規程というものを作ってあります。それはたしか官庁の承認を得ておったと思います。助成規程に基づきまして、それできめます。全部ではございません。具体的な一つ一つの案件につきまして、たとえば手形のわずかな金額もございます。金繰りの都合上大体一千万以上のものは全部理事会で具体的にきめてあったと思います。そういうことでございます。
  222. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 むろんその融資は監督官庁の許可を得るのですね。
  223. 加藤祐三郎

    加藤参考人 ええ。各案件ごとに経済企画庁の認可指令書をもらってやっております。ただし、先ほど申しましたように、ごくわずかな問題、手形のつなぎというようなものは、一つ一つ受けていないものもございます。
  224. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 監督官庁、その通りですか。
  225. 浅間一彦

    浅間説明員 助成会社に対する融資は、年度の当初におきまして、大蔵省に予算要求をいたします際に、事業計画の中に組み込みまして、幾ら幾らという投融資のワクがきめられます。これによりまして、年度の始まる前の月に出て参ります事業計画の中に盛り込まれて出てくるわけでございますが、これを一括承認いたします。いわゆる事業計画、資金計画等を認可いたします際には、まず一括認可の中に入ります。それから、現実に融資をいたします時期は、そのつど理事会の決定を経たものによりまして認可申請が出て参ります。それによって処置いたします。
  226. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 助成会社以外に融資されておるようですが、どんなところへされておりますか。——答弁がないようですから、会計検査院の方に、助成会社の融資は出ておられるようですが、大体総額どれくらいされておりますか。それから助成会社以外の融資は大体どういうところへやられておりますか。会計検査院の調べたもので一つ報告願いたいのですが……。
  227. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 私の手元にある資料について申し上げますと、三十六年十二月末現在でございまして、融資の総額が十億一千四百九十四万三千余円でございます。この内訳を申し上げますと、投資額が二億五千七百七十三万円、それから融資額が七億五千七百二十一万三千円でございます。大体助成会社という名前が投資あるいは融資をしておるものを助成会社というふうにいっておりますので、それ以外に融資しておるというような関係はないかと思っております。
  228. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その助成会社と投資会社というのは違うのですか、もっとふえるのですか。資本を現実に出しておる会社と、それ以外に融質しておる会社と……。
  229. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 融資だけをやっておるというところはございません。
  230. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 中外鉱業に融資をしておるということはないですか。
  231. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 私ども三十五年度までにつきましては、内容をよく調査しておりますが、ただいま申し上げました三十六年十二月末の調べによりましても、それには入っておりませんので、現在私どもの調べておる範囲内では、融資しておるというふうには承知しておりません。
  232. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 短期の融資は出て参りませんか、それは調べなければわからないわけですか。
  233. 平松誠一

    平松会計検査院説明員 現在の資料ではわかりません。調べないとわかりません。
  234. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 砂鉄の関係でお尋ねをしたいのですが、東北砂鉄鋼業というのがあるのですが、これは総裁は前に何か役員をやられたことがありますか、あるいは役員でなくて、この会社とどんな関係になっておりますか。
  235. 渡邊政人

    渡邊参考人 東北砂鉄会社は三菱鉱業の子会社でございまして、それで私はそこの会社役員は全然やっておりません。
  236. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、これは委員長にもぜひ申し上げておきたいのですが、この砂鉄と土地造成の資料の要求をされておるわけです。これはこの委員会の議事録によりましても、特に土地造成については「造成に当たった工事人、売り渡したその先、坪当たりの造成費、さらに坪当たりの売価などについて、」資料を出してもらいたい、こういう要請になっておる。しかし、実際出されておるのは、まるきり資料にならない資料が出ておる。明らかに——故意か過失かどうか知りませんけれども、どうも資料提出について少し問題があるように私は思う。これは監督官庁が資料を出さないように押えておるのですか。それとも委員会で資料要求したものについては、積極的に出すような指導をしているのですか、どちらですか、監督官庁一つ……。
  237. 財前直方

    ○財前説明員 押えるとか押えないとかの指導は別にいたしておりません。
  238. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 積極的に出すようにしているのですか。
  239. 財前直方

    ○財前説明員 なるたけ出すように……、ただし、ただいまの御指摘の点につきまして、先日総裁に私ちょっとお会いしましたときに、営業上の非常にこまかいことを提出を求められて困っておるのだということを申しておられました。
  240. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 営業上のこまかいことを提出を求められて困っている——それであなたは、どんなことが提出を求められて困っておるかというのを御存じですか。
  241. 財前直方

    ○財前説明員 ただいまの勝澤委員の方から御指摘のございました価格等について、相手方の商社もあるので、実は困っておるというあれでございましたので、それは一つ総裁の方で適当に御判断していただくより仕方がないだろうということを申し上げておきました。
  242. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 国会の調査権というものがどこまで及ぶかというのは、あなたも御存じだと存じます。今言われた、この決算委員会で、東北開発をめぐっておる資料の中で、御提出を願えないような資料要求はどなたもしていないと思います。また、東北開発株式会社で資料提出を拒否しなければならぬような資料はないはずであります。ですから、そういうことを総裁が申しておることは、明らかに資料提出についてどうも渋っておる。総裁がここで言明をされて、徹底的にこの問題を究明することによってこそ新しい東北開発ができると言っていることに相反する行為だと私は思う。一つその点を厳重に申し上げていただきたいと存じます。局長どうでしょうか。
  243. 曾田忠

    ○曾田政府委員 お答えいたします。十分先生の御意思を伝えます。
  244. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それは、私の意思でなくて、国会の意思ですから、会計検査院といえども、資料については、御承知のように出していただいているわけであります。これは当然のことでありますから……。  そこで、東北砂鉄の用地の買収はどなたがやられたのですか。そしていつ幾らでお買いになったのですか。
  245. 渡邊政人

    渡邊参考人 東北砂鉄から物を買ったことは、私の記憶ではございません。
  246. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、三倉鉱業の下北鉱区ですか、これは何か東北砂鉄の担保か何かに入っていたのじゃないでしょうか、この点はどうですか。
  247. 渡邊政人

    渡邊参考人 東北開発株式会社で砂鉄の製練計画を立てまして、その際にどうしてもまず鉱区が必要である。それで鉱区の買収を考えておりましたときに、たまたま私の知っております友人から、こういう三倉鉱業というものがいい砂鉄鉱区を持っておる。ところが、この会社の鉱区は、東北砂鉄に担保に入っておるのだ、こういうことを二度目か三回目に聞きまして、それで東北砂鉄との間にいろいろと——当時この仕事をやりましたのは松本理事でございましたが、松本理事と他の一、二の社員とが先方に交渉をいたしました結果、まずその担保に入っておるものをぜひ確保しようじゃないかということがきまりまして、それで交渉を始めまして、そして向こうの、東北砂鉄会社の方が、三倉鉱業でこれの代金を支払って、解除して、そしてそれを会社の方で買収する方針を立てたのであります。
  248. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この砂鉄の交渉を中心になってやったのは、ずっと松本理事ですか。
  249. 渡邊政人

    渡邊参考人 最初東北砂鉄との間の話をいたしましたのはそうでございますが、あとは企画部が中心になりましてこれの計画を立てましたわけでございます。
  250. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 企画部の担当理事はどなたですか。
  251. 渡邊政人

    渡邊参考人 企画部を当時直轄いたしておりましたのは私でございます。それから、この買うについては、企画部が事務上中心になっていろいろ調査もし、かつ砂鉄委員会というものを作りまして、実際家それから学者、そういう方々を委嘱しまして砂鉄委員会を作り、理事全員がその委員会出席することになりまして、そこでよく検討したものを買収する。それにはやはり監督官庁の承認を得まして、そして買っておるわけでございます。
  252. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三菱鉱業なり、あるいはその子会社である東北砂鉄鉱業なり、あるいは三倉鉱業なり、この三つの会社にはあなたは今も何も御関係がないですか。
  253. 渡邊政人

    渡邊参考人 全然関係がございません。
  254. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 今この下北鉱区の埋蔵量をめぐりて、百万トンといわれておるのが、いや三十万トンしかない、こういう争いといいますか、こういう違いが起きておるということは、あなたは承知いたしておりますか。
  255. 渡邊政人

    渡邊参考人 そういうことを聞いております。しかし、その後また会社の方で調べましたところが、八十幾万トンか、九十万トン程度のもの——全部でございますよ、一番最初九鉱区だと思いますが、九鉱区でその程度になっておる。しかしこの砂鉄の量につきましては、私、日本鋼管会社におりましたときの経験もございまして、日本鋼管で長野県の上諏訪に一つの燐鉱石の鉱区を持っておりました。そのときは実際家なりがいろいろな踏査をいたしまして、五万トンということでこれを買いました。ところが、この五万トンの鉱区が百万トンありました。次に戦時中でございましたが、群馬県の草津に——これは私自身行って、鉱山の技術者と一緒に井戸掘りをしたりいろいろなことをして調査をしまして、三十万トンということでこれを買収いたしましたところが、これが現在二百五十万トン堀りましてなおかつ五十万トン以上の残存鉱量があるというようなことで、山は専門家なり学者がやりましたことと——当然その方針で進みますけれども、事実は最後の採掘をしてみないと、多少過不足のあることだろうということは、私の経験からさように考えたわけでございます。
  256. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 百万トンという推定をしたのは、どなたがいつごろどっちの方の立場でやられたのですか。
  257. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは私の方が最初、鉱区がいろいろ学者等によりますと、たしかもっと非常に多量な量で、二百万トン以上ある、こういうようなことが調査の結果わかりまして、それをさらにいろいろ検討いたしまして、そうして百万トンまで下げて、当時は砂鉄ブームでございまして、かなりな大きな溶鉱炉業者が砂鉄をあさっているときでございました。それをこちらはいろいろと先方に交渉をしまして、たしか九十五円で——その当時は一般が百三十円から百五十円といわれておりました。これが九十五円でもって百万トン、九千五百万で買ったと記憶しております。
  258. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 埋蔵量の調査はどなたがやりましたか。
  259. 渡邊政人

    渡邊参考人 これは会社の方で委嘱をいたしました大学の先生なりあるいは実際家であります。かつて商工省の鉱山局の技師でありました人を会社の嘱託にしておりまして、そういう人々が慎重に調査をいたしたわけでございます。
  260. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 三倉鉱業というのは、このときに破産の寸前にあった、こういうふうにいわれておりますが、そうなんですか。その理由はどういうことなんですか。
  261. 渡邊政人

    渡邊参考人 私はその破産の寸前にあるということは、紹介されましたときはわかりませんでした。私の友人が——友人と申しましても、東北開発審議会の専門委員をしております小野寺五一君でございます。これがそこの重役とずっと友人でございまして、その人から三倉鉱業を紹介されました。そしていろいろよい鉱区であるということでやっておりましたが、二度か三度話をしているうちに、それが東北砂鉄に担保になっておるということを後に知ったのでございます。
  262. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 幾らで担保に入っておりましたか。
  263. 渡邊政人

    渡邊参考人 その総額はわかりませんけれども、何でもその当時毎月三百万円ずつか分割払いをするようになっておった。それをニカ月も滞ったので、東北砂鉄がこれを担保権を実行する。そうすると質流れになってしまう。こういうので、何とかこれを買収してもらいたいということでございました。そして向こうの経理状態は、そういうふうなものが担保に入っておりますから、これは会社は相当苦しんでおるのだなということはわかりました。
  264. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 幾らで担保に入っておったかというのは調べなかったのですか。
  265. 渡邊政人

    渡邊参考人 それは最初は担保に入っておるということは申しませんで、話の折衝中に、東北砂鉄に担保物件として入っておるのだということを知ったがために、その担保を解いて私の方が買うという方針にきめたわけでございます。
  266. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 破産寸前の会社が担保に出した。そして担保を解約して東北開発が買った。そうすると、担保の解約よりも東北開発はもっとよい条件で買い上げた、こういうことになると思うのですが、そうういことですが、そういうことでしょうな。
  267. 渡邊政人

    渡邊参考人 その担保に入っておりました向こうの担保の肩がわりをしたわけでございます。一応担保権を肩がわりしておきまして、そしてまず一応鉱区を確保する。それから調査の上で売買契約ということに進めていくという当初の考えでございます。
  268. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、東北砂鉄の担保に入っているのを、東北開発がその担保の肩がわりをして、それから今度は調査をして買収にかかっていく、こういうことですか。
  269. 渡邊政人

    渡邊参考人 その通りでございます。
  270. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、埋蔵量の調査は、担保の肩がわりをしてから調査をやったのですか。
  271. 渡邊政人

    渡邊参考人 最初はその概略の、これくらいの鉱量があるという向こうの申し出がありました。そういうことで、それはほんとうにこちらが中心になって調査をしなければわかりませんので、少なくとも、その時分はたしか三千万か三千五、六百万か四千万と記憶しておりますが、その程度の値打はむろんある、こういうふうに考えて肩がわりしたわけです。
  272. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、肩がわりをしたあと調査をやった、こういうことですね。
  273. 渡邊政人

    渡邊参考人 その通りでございます。
  274. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると、…三千万か四千万という担保の肩がわりをして、そうしてお金を払うときには九千五百万払ったのですか。
  275. 渡邊政人

    渡邊参考人 その肩がわりをしますときの約束が、まず一応——三菱鉱業の子会社であります東北砂鉄にとられてしまうから、まずそれを確保するためにわれわれの方がその債権の肩がわりをしておいて、そうして実際を調査をして鉱量を確定して、それで買うという話し合いのもとにやったのでございます。
  276. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 どうも私はしろうとでよくわからないのですが、あなた、今のお話自分でしておいて変に思いませんか。
  277. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は変に思いません。それで、これはこういうことです。会社は砂鉄製練事業をやる。これにはどうしても砂鉄が必要だ。砂鉄の鉱区を確保しなくてはならない。砂鉄の鉱区を確保するのには、工場の予定地に近いほど有利なわけでございますから、そういうような想定のもとに考えておったところへ、そういう紹介があって、申し出がありましたものですから、まず、その鉱区の担保物を肩がわりしまして、そのときの話で、実際の九鉱区の鉱量を調査をしまして、そうしてこれを売買する、こういうことにいたしたわけでございます。
  278. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 どうも私よくわからないのです。三千万か四千万で担保に入っていたものを、その担保を自分の方が肩がわりをして、そうして九千五百万払った。どうもそこがよくわからないのです。
  279. 渡邊政人

    渡邊参考人 九鉱区の鉱量というものは、そのときは相当あるということで私どもは考えたわけでございまして、その九千五百万というのは、調査の結果鉱量が百万トンは少くともあるという——百万トンという話し合いのもとに、これが単価の九十五円ということで九千五百万で買ったわけでございますから、私はその当時は非常に有利な買物であったと思っております。
  280. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 東北砂鉄というのは、やはり砂鉄をやる会社なんでしょうね、名前からいって。それが自分のところでやれば三千万か四千万で担保にとってあるのですから、やれるものを、九千五百万もするようなのを——言葉をかえて言いますと、九千五百万もするようなものを三千万くらいで肩がわりをさせてよこした。そこがわからないのです。
  281. 渡邊政人

    渡邊参考人 東北砂鉄といたしましては、ずいぶん他にも相当の鉱区を持っております。それから、どういういきさつで三倉鉱業が東北砂鉄に借金をして、それを担保に入れておったかは私は知りません。それで、ただそういうふうなものが担保に入っておるから、これをまず、私どもの方は鉱区がないのでございますので、その鉱区を確保したいという考え方でその話を進めて参りまして、東北砂鉄といろいろ折衝したのでございます。そうしたところが、東北砂鉄は、そのあとの残額の債権もあなたの方で払ってくれるならば、それじゃ東北開発会社一つ協力する意味においてそれを譲ろう、こういうことに話し合いがついたのであります。
  282. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 調査の仕方というのは、私は大へん不十分であったような気がします。あとで担保に入っておったのがわかったというような形で、そして肩がわりをしてから調査をした。調査をした結果が百万トンである。その百万トンについては、あなたが総裁時代にも、東北開発の特別委員会で、百万トンあるかどうかという点については相当疑問が持たれ、論議をされたことも事実です。その結果、今度の総裁になってやったら三十万トンだ、こういう調査が出てきた。そうして今あなたの御答弁によると、また最近八十万トンという状態。大体この砂鉄の調査というのは何回やられておるのですか。もし総裁の方でなくて、監督官庁でおわかりになりましたら、調査をいつといつどういう形でやられておるかを御説明願いたいと思います。
  283. 財前直方

    ○財前説明員 ただいま調査の額その他についてちょっとはっきりいたしませんので、後刻御報告申し上げたいと思います。
  284. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その関係の資料を一つ詳細に御報告願いたいと思います。いつだれがどういうメンバーでやったか、そして何トンという推定をしたかという点を、今日までの経緯を付して、一つぜひ出していただきたい。よろしゅうございますね。
  285. 財前直方

    ○財前説明員 承知いたしました。
  286. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それからこの鉱区は、これは三倉鉱業というのは採掘権、試掘権出願は、私はよくわからないのですが、いつされておるのですか、この一から九までの点。
  287. 渡邊政人

    渡邊参考人 それはいつでございましたか、これは現在会社にその書類があるはずでございますから、今の御要求になった資料の中に加えてはっきりしたことを申し上げた方がいい。私、今覚えておりません。
  288. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この会社から出されている資料によりましても、まだ未調査というのが一、二、三、四あるわけです。そういう点で未調査というものが出ていながら、評価をされておるのですが、その辺もよくわからないようですから、その点についても一つ説明ができる資料を出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  289. 財前直方

    ○財前説明員 今御指摘の未調査というのは、当時九鉱区を買収いたしますときには、関根を対象にして評価をいたしまして、そのほかの鉱区につきましては、おまけと申しますか、関根鉱区に付随して移管をするというので、評価は関根だけについてやっておりますので、そのほかはまだ未調査になっておると思います。
  290. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、時間もありませんようですから、次の審議のために一つだけお聞きしておきたいのですが、総裁、仙台に三和土地式会社というのがございますね。これは東北開発の仕事のどんなことをやられているんですか。
  291. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、はっきりいたしませんけれども東北開発会社土地で仙台に台ノ原という山がございまして、これを土地に造成して宅地に売ろうじゃないかということになりまして、その仕事をしたのが三和土地であったと思います。これも経理山本理事が、当時その方をよく担任してやったようでございます。
  292. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは最後に、まだ重大な私は聞かなければならない点がありますけれども、時間もありませんので、保留いたしまして、資料の要求をいたしたいと思います。東北開発会社がおりませんので、一つ監督官庁の方で申し伝えていただきたいと思います。  土地造成の関係の資料が不十分でありますから、もう少し委員長が要求をした筋に従ってわかるような資料を出していただきたい。それから、この鉱区の評価の問題、それから未調査とかなんとか言われておりますが、この点をもう少し解明するようなことをしていただきたい。それから三十四年度以降の理事会の議事録を出していただきたい。こう思うわけであります。  従いまして、以下の私の質問は、きょうはこれで保留いたしまして、次会は、ぜひ委員長にお願いしたいのでございますが、今までの質問によって、前の渡邊総裁雲野理事、それから山本理事、この三者の答弁秋田木材の問題をめぐって大きな食い違いをしております。それから、重要な点は、みな山本理事に一任されたような形で行なわれております。なおまた、私の質問によって本郷理事なり松本理事、こういう関係者も出て参っております。これらの点につきましても、次の機会には十分聞かしていただきまして、あらゆる個所に今司直の手が伸びて大へん残念なことだと思いますが、その捜査にあまり支障のない範囲でこの審議を次の機会にぜひ続けていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  293. 鈴木仙八

    鈴木委員長 本件の本日における調査はこの程度にとどめます。  参考人各位には、長時間にわたり、まことに御苦労さまでございました。委員会を代表して一言ごあいさつを申し上げます。  なお、本日御出席いただきました参考人に申し上げます。次回の委員会は、日時は未定でございますが、その際には、あらためてお繰り合わせの上御出席下さるよう要望いたしますが、御出席いただけますか。
  294. 渡邊政人

    渡邊参考人 私は、この二十日過ぎから、ただいまの用事の仕事で、約一週間ほど関西に行かなくちゃならぬ予定がございます。その以外でございますれば……。
  295. 鈴木仙八

    鈴木委員長 よろしくお願いします。     —————————————
  296. 鈴木仙八

    鈴木委員長 この際、参考人出頭要求についてお諮りをいたします。  本件については、継続をして調査を行なうこととし、本件調査のため、なお参考人の出頭を求めたいと存じますが、これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  297. 鈴木仙八

    鈴木委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人の出頭日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  298. 鈴木仙八

    鈴木委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  これにて散会をいたします。     午後一時二十一分散会