○小川(豊)
委員 関連して。
外務省に
移住局というものが設けられてあるということは、私は、国として
移民政策を非常に重視したから、課でもなければ部でもなくて、
移住局というものを設けてあると思う。ところが、結果から言うと、ほかはまだよくわかりませんけれども、この
ドミニカの場合においては、これは悲惨であり、
移民政策というか、
移民史上に例のない集団帰国というような問題が起こってきたわけです。この事実は、先般ここで、それぞれ帰国した人の
意見を聞いても、非常に悲惨だ、従って失敗であったと、こういうことになる。ところが、あなた方の
答弁を聞いていると、これは実は痛々しいまでに
責任回避に終始しておった。きょうは、その点はわれわれにも
責任がある、
調査不十分であった、こう言われておるから、よくわかるが、この前までは、まさに
責任回避に終始しておったと思うのです。ところが、事実は、一日も放置することのできないほど深刻であり、切迫しておる、こういうことが言えると思うのです、この引揚者に対しては。そこで、ここで今、たとえば
責任論——
農林省は
現地調査をやる、
外務省は
移住条件をきめるんだというようなことを言っても、今切迫したこの事態の解決にはならない。もしここで
責任を論ずるなら、人力の及ぶところにあらず、不可抗力だという立証が、あなたの方からなされるならいざ知らず、そうでない限り、
責任というものはのがれることはできないと私は思う。ところが今、
責任や
移民政策の論争をやっておっても、これは何らこの引き揚げてきた人たちの救済の措置にはならない。たとえば、空腹で倒れた者に栄養の講釈をしておったって、これは何にもならない。これはカロリーの講釈をしてもだめなんで、あるものを食べさし、とにかく命を助けて、立ち上がらして、その後に栄養談義をすべきであって、今ここで
移民政策を論じても、また
責任が、あなた方の
責任はどこにあるんだ、ここにあるんだと言っておっても、これは解決しない。まずこの引揚者をどう措置するか、どう
立ち上がりができるようにしてやるか、どう救済するかということが私は先決だと思う。それをまずやって、その後に、今までの
移民政策の中でまずいところがあったら、これはさっき
外務次官が言ったように、是正するなら是正すべきだ。当面
対策としては早急にこの点を講じて、次に
移民行政の改善とかなんとかいうことを論ずべきじゃないかと私は思う。
そこで、私の方から要望したいのは、これは
外務省もある、
農林省もある、それぞれの機関があるでしょう。従って、このそれぞれの機関で早急に協議をして、この引き揚げてきた人、また間もなく引き揚げてくる人たちもたくさんある、この千五百名に近い人たちを、路頭に迷わせないような措置をまず
政府が急速に講じて、その案を作ると同時に、それを
委員長の手元まで報告してもらいたい。それをまた、役所のことだから、承知いたしましたで、のんべんだらりとやっておられたんでは困る。きょうは三月三日だから、少なくとも三月一ぱいくらいにはその協議を整えて、こういうふうにしますということをきめて発表すると同時に、
委員長のところへも報告してもらいたい。こういうことを私は考えるが、あなた方できますか。やりますか。どうです。
移住局長、
農林次官も
外務次官も来ておる。従って、それらの方々に
答弁をしてもらいたい。