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1961-12-21 第40回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十二月二十一日(木曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 鈴木 仙八君    理事 荒舩清十郎君 理事 木村 公平君    理事 高橋 英吉君 理事 小川 豊明君    理事 勝澤 芳雄君 理事 西村 力弥君       宇田 國榮君    鈴木 正吾君       久保 三郎君    芳賀  貢君       山田 長司君    古賀  了君  委員外出席者         厚 生 技 官         (医務局長)  川上 六馬君         厚生事務官         (医務局次長) 鈴村 信吾君         国民金融公庫理         事       松田 文蔵君         中小企業金融公         庫理事     小山 雄二君         医療金融公庫理         事長      安田  厳君         参  考  人         (前運輸省鉄道         監督局長)   山内 公猷君         参  考  人         (前運輸省鉄道         督監局民営鉄道         部長)     石井  健君         参  考  人         (元運輸省東京         陸運局長)   津上 毅一君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 十二月十六日  委員赤松勇君及び山田長司辞任につき、その  補欠として久保三郎君及び芳賀貢君が議長の指  名で委員に選任された。 同月二十一日  委員森本靖辞任につき、その補欠として山田  長司君が議長指名委員に選任された。 同日  委員山田長司辞任につき、その補欠として森  本靖君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十四年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十四年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十四年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十四年度政府関係機関決算書  昭和三十四年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十四年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十四年度物品増減及び現在額総計算書政  府関係機関経理に関する件      ————◇—————
  2. 鈴木仙八

    鈴木委員長 これより決算委員会を開会いたします。  昭和三十四年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管決算に関連し、武州鉄道問題について、参考人より参考意見の聴取及び政府当局に対し質疑を行なう予定でありましたが、参考人として出席を求めました前運輸大臣木暮武太夫君は、右足骨折により本日の委員会出席できない旨の欠席届委員長手元に提出をされておりますので、この際、御報告をいたしておきます。  先刻理事会における話し合いの結果、本問題の調査は、木暮参考人病気回復後あらためて行なうこととなりました。従いまして、御出席いただきました参考人には、御多用中まことに御足労でございましたが、調査は後日に譲ることとなりましたので、お引き取り下さい。  この際、暫時休憩をいたします。    午前十時四十六分休憩      ————◇—————    午前十時五十五分開議
  3. 鈴木仙八

    鈴木委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。  政府関係機関経理に関する件、特に、医療金融公庫融資問題について、調査を行ないます。  これより質疑を行ないます。質疑の通告がありますので、これを許します。木村公平君。
  4. 木村公平

    木村(公)委員 私は、本日、医療金融公庫関係する若干の調査のための質疑を行ないたいと存じますが、その前に、ただいま国民金融公庫代表として松田理事が御出席でございますので、国民金融公庫に対しましても、若干の質疑を行ないたいと存ずるものでございます。  まず第一点は、医療金融公庫設立されますまでは、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫が、病院並びに医者等医療関係者金融措置を行なって参ったはずでございますが、それにつきまして、まず、いつからいつまで医業者資金を貸していたか、または現在も、医療金融公庫があるにかかわらず、なお貸しておられるのであるかという点について、伺っておきたいと思います。   〔委員長退席西村(力)委員長代   理着席
  5. 松田文蔵

    松田説明員 国民金融公庫としましては、御承知のように、規模の小さい対象を主体にして貸付を行なっておるのであります。やはりお医者さんにつきましても、そういうふうな方針でもって、主として開業医あるいは小さい病院等について、従来貸付を行なって参りました。ちょっと参考のために実績を申し上げておきますと、三十三年度に、件数で六千四百二十三件、金額では十九億六千九百万円貸付を行なっております。それから三十四年度は、少しふえまして六千九百九十三件、金額にして二十四億一千六百万円。三十五年度からおそらくこの医療金融公庫が発足されたと思いますけれども、三十五年度は、五千八百二十七件で、減っております。金額にいたしまして二十一億七千四百万円。それから最近でございますが、これは四月から十月までの実績でございますけれども、これが三千二十七件、十一億九千百万円、こういうことになっております。やはり医療金融公庫が発足されましてから、当公庫に対する申し込みも減っている傾向になっておりますが、三十六年度に入りましてから、その辺がかなりはっきり出ているように思います。件数が相当減っている、こういうことになっております。
  6. 木村公平

    木村(公)委員 現在も開業医に貸しておられますか。
  7. 松田文蔵

    松田説明員 貸しております。
  8. 木村公平

    木村(公)委員 医療金融公庫のほかに……。
  9. 松田文蔵

    松田説明員 ええ。方針といたしましては、医療金融公庫の方で貸付を行なっておられる対象については、なるべく当公庫としては、二重にならないようにという意味貸付は見合わせる、こういう気持でやっております。現にそのダブったものは、まずないじゃないかと思います。私の方は、主として小口貸付でございますので、簡単な医療器械の買い入れとか、あるいは簡単な病院の修理、そうしたどっちかといったら運転資金に近いような性格のものを貸付するということで、これはやはり今後当分の間行なっていく、こういう建前仕事をやっております。ついでに申し上げますけれども、一件平均も、そういう点で三十五年度が三十七万三千円、それから最近はちょっと上がりまして、やはり経済規模の拡大という問題が反映いたしまして、三十九万三千円。いずれにしても小口貸付でございます。開業医の当面の資金需要に応じていく、こういう建前で、本格的な病院施設については、私の方はこれらの金額も参りません。
  10. 木村公平

    木村(公)委員 ちょうど中小企業金融公庫小山理事も御出席のようでございますので、あわせてお伺いをいたしておきたいのでございます。  お伺いの前に一言申し上げておきたいのは、当決算委員会というのは、国費が適正に支出されておるかどうかという点につきまして、国政調査の一環といたしまして、われわれはその権限に基づいて調査を進めるものでございますので、特にこの点をお含みの上、誠実に、しかも虚偽等のことのないように、一つ答弁をお伺いいたしたいのでございます。本委員会における諸君の言動というものは、重大な影響を与えますので、その点をあらかじめ御了承の上、御答弁をいただきたいのでございます。  ただいま国民金融公庫松田理事にもお伺いいたしたのでありますが、医療金融公庫ができまする以前、それまでは、中小企業金融公庫並びに国民金融公庫が、開業医その他の医療者に対して貸付を行なってきたわけでございます。そこで小山中小企業金融公庫理事にお伺いいたしたいのは、いつごろから医者に対してその資金を貸しておられたかという点、並びに現在もなおかつ、医療公庫設立された後も貸付を行なっておられるかどうかという点を伺いたいと思います。
  11. 小山雄二

    小山説明員 中小企業金融公庫は、二十八年の九月から仕事を始めております。医療機関に対する貸付は当初からやっておりまして、医療金融公庫ができました関係上、貸付対象を多少整理いたしました。それは、従来は個人のお医者さん、それから医療法人だとか、民法上の公益法人だとか、社会福祉法人、そういうのも全部私どもの方で融資対象としておりましたが、法律改正によりまして、医療法人とか、公益法人社会福祉法人は、もっぱら医療公庫の方で融資対象にするということになりまして、その後は、そういうものに対する融資はやっておりません。もっとも、金融公庫法改正になって、医療公庫設立になりまして、一年間の猶予期間がございますが、ことしの七月以後は、そういうものには貸付をいたしておりません。ただ、個人のお医者さん等に対しましては、あるいは組合等で指定している診療所に対しては、私どもも、その後も融資を考える、こういうことでございます。
  12. 木村公平

    木村(公)委員 そこで、年度別貸付金額と、現在も残っておるいわゆる残高一つ御報告願いたい。
  13. 小山雄二

    小山説明員 最近の年度で申し上げますと、三十四年度は、医療、歯科医療合わせまして、貸付実行いたしました件数は千二百十四件、金額にいたしまして二十二億一千四百万円、三十五年度は、六百七十九件、金額にいたしまして十三億六千三百万円でございます。三十六年度は、十月までの数字でございますが、貸付件数が百二十四件、金額にいたしまして二億二百万。先ほど申しましたように、七月以後は、医療法人に対する貸付はやっておりませんので、三十六年度はそういうふうに減っております。そして三十六年度十月末の残高でございますが、件数で三千七十九件、金額で三十四億二千三百万円、こういうことになっております。
  14. 木村公平

    木村(公)委員 これは中小企業金融公庫にも、国民金融公庫にもお伺いいたしたいのでありますが、従来医療関係者に対する貸付金は、別ワクのような形で支出しておられたのかどうかということを伺いたいと思います。
  15. 松田文蔵

    松田説明員 別ワクということは、全然ございません。
  16. 小山雄二

    小山説明員 私の方も、別ワクは設けておりません。
  17. 木村公平

    木村(公)委員 そこで本論に入りますが、いろいろ医療金融公庫についてお伺いいたす前に、ちょうど厚生省局長が来ておられますので、伺っておきたいのでございますが、厚生省においては、昭和四十年度最終目標とする医療機関整備計画を立てておられるはずでありますが、実施当初年度におけるベッド数最終目標ベッド数は、どのくらいであるかということをまずお伺いいたします。
  18. 川上六馬

    川上説明員 ただいま御質問の四十年の目標ということを申されましたのですが、今ちょっと手元にその資料を持って参りませんので、四十五年を目標として一応考えておる政府目標を申し上げたいと思います。  三十六年の一月一日現在で申しますと、総病床数人口一万に対して七・三・五になっております。それを四十五年には一〇〇くらいにする必要があろうと思うわけです。その内訳を申しますと、一般病床が、人口一万に対して現在は三一・九、これを四十五年までには五七・二にいたしたい。精神病床が、現在では一〇になっておりますが、それを四十五年までには一七にいたしたい。結核病床は現在二七でございますが、これを一九・六、これは少し結核が減るものでございますから、そういう数字になるわけでございます。伝染病床が二・四が三・八になります。それから肢体不自由児病床とか、らいの病床が少し減るように思います。
  19. 木村公平

    木村(公)委員 ただいまのお話によりますと、医療機関整備計画というものは、昭和四十年度最終目標とするのではなくて、四十五年であるかのようなお話でございますが、さようでございますか。
  20. 川上六馬

    川上説明員 さようでございます。
  21. 木村公平

    木村(公)委員 そういたしますと、特にこの医療機関整備計画ということの終局の目的は、医療施設の大都市への集中の傾向から、全国的な医療施設機会均等をはかることであると私ども考えておるのです。そこで、あなたの方の御計画による基準に達しない地域は、一体どのくらいあるのであるか。もしもその基準に達しない地域があるとすれば、これらの地域に対する対策は、どのようにお立てになっておるのかということを伺っておきたいと思うのです。
  22. 川上六馬

    川上説明員 現在、御承知のように、大へん医療機関が偏在いたしておりまして、むしろ都市には、その基準からいいまして、過剰と思われるところもございます。一方また郡部では、それに達しないところが非常に多いわけでございます。これは医療金融公庫でもそういう基準貸し出しをいたしておるわけでございますが、たとえば人口三十万以上の都市には一口一万に対して五十床、あるいは十万以下の町村では三十五床というような基準を設けております。そうしてその基準に満たないようなところに、新築の場合は貸し出しをいたしております。一方、病床の非常に足らないような地区、つまり人口一万に対してまだ三十五床に満たないというような、そういうベッドが足らないところが、この前の計算ではおそらく五百カ所くらいございまして、総ベッドで五万ぐらい足らないというような計算を一応出したことがあります。そういうような状態でございまして、今、国といたしましては、そういうベッドの足らないところには補助金を出しまして、そこに病床がふえるように助成をいたしております。過剰地区に対しては、まだ法律上の規制はいたしておりませんけれども、これはやはり還元融資とか起債とかいうものをつける場合に、そういう標準で金融なり補助金を出しておりまして、そういう点でかなり調整がついていっているように思っております。それから医療金融公庫におきましても、やはりそういう基準貸し出しておりますが、ベッド不足地区病床が漸次できていっているような情勢であります。
  23. 木村公平

    木村(公)委員 ちょうど三日ほど前、十八日に医療制度調査会医療制度について厚生大臣中間答申を行なっておることは、御承知通りですが、相当多くの問題点を指摘しておるように思うのです。しかし、まだまだ、私ども国民代表する側から申しますと、この答申についてはいろいろ議論を持っておりますけれども、一応問題点を相当指摘しておる。これらの点は、われわれにも参考になる課題でありますが、その中で、私的医療施設への融資について、わが国の現状では開業医など私的医療施設の果たす役割が大きいので、これの充実に必要な資金調達について適切な措置を講ずべきである。そのためには、医療金融公庫の運用で、融資額、利率、償還方法など、融資の諸条件について公的医療施設との較差をなくすべきである、という答申を行なっておるが、この点について、厚生省の御見解を伺っておきたいと思います。
  24. 川上六馬

    川上説明員 私的医療機関も、現在の皆保険制度下におきましては、公的医療機関と同様、非常に重要な役割を果たしております。これは充実しなければならぬと思っておりますが、現在は、公的医療機関の方と金融格差の問題があるわけであります。たとえば厚生年金の方は、六分五厘で二十五カ年償還でございます。医療金融公庫の方は、御承知のように、医療機関の少ないところは六分五厘、その基準以上にあるところは、八分で融資をいたしております。現在、公的医療機関私的医療機関医療実態を見ますと、そう区別はない。医療法では、公的医療機関には、厚生大臣指示ができるようになっております。あるいはその施設の一部を開放するような規定もございますけれども、事実においては、公私の医療機関医療実態は、あまり変わっておらないようであります。現在の皆保険では、御承知のように、一定の医療報酬のもとに同じように医療をやっているわけでございますから、金融面においても格差があまりないようにしよう、そういう考え方でおります。しかし、公的医療機関に対しては、たとえば看護婦養成所を作ってもらいたいとか、あるいは僻地医療を担当してもらいたいとか、あるいはことに施設の一部を開放してもらいたいというような、いろいろな希望をわれわれは持っておるわけであります。それに対しては、それに応じた補助金を今後やはり考えていかなければならぬというような考え方を持っておりまして、金融の面ではあまり格差をつけたくない、そういう考え方でおります。
  25. 木村公平

    木村(公)委員 あなたの方の直接の所管ではございませんけれども医療審議会を新しく作り直そうというときにあたって、かつて開業医の方でその委員を出さないために紛擾が起きたことは、御承知通りでありますが、今度は、開業医の方は参加するけれども利用者の方の参加がむずかしいという情勢に立ち至ったことも、御承知かと思います。それに際しまして、前の官房長で今保険局長をやっております何がしというものが、私ども国会対策へ参りまして、もしもこのような改正を行なって利用者の方が入らないようなことがあったならば、厚生大臣は更迭せざるを得ない情勢に立ち至るというようなことを申しまして、われわれは一喝いたしたわけでございますが、一体あなたの方では、開業医が参加しないような場合には、別に厚生大臣としての責任上の問題はないが、利用者の方の代表が参加しないような改正に対しては、厚生大臣が更迭するほどに重大な影響があるような考え方を持っておられるのかどうか。あなたは厚生省の直接の所管の長ではないようでございますが、この点について、これは大事な問題でありますから、ちょっとあなたの御見解も伺っておきたいと思います。
  26. 川上六馬

    川上説明員 この問題は私の方の所管ではございませんので、そういう重大な問題については、私からあれこれ申し上げることは差し控えたいと思いますが、厚生省としましては、せっかくこの法律改正までやって八・八・四という委員のあれをきめたわけでありますので、やはりそういう数で円満に運営をやらなければならぬと思います。厚生省といたしましては、その数に従って委員が出ていただくように、今努力をいたしておるわけでございます。
  27. 木村公平

    木村(公)委員 そうしますと、ただいまの御答弁は無理もないと存じますので、それ以上質疑をいたさないことにいたしまして、医療金融公庫理事長安田さんにちょっとお伺いしたいのですが、医療金融公庫貸付にあたって、無医村に働いてもらう人のためとか、あるいは医療施設などの立っていない、地理的条件の悪いところで開業するというような人のためには、貸付に対する特別の考慮が払われておるのかどうかということを、一ぺん伺っておきたいと思います。
  28. 安田厳

    安田説明員 無医村でありますとか、僻地でありますとか、そういうところに対する医療機関設立でありますとか、あるいはそれに必要な資金を貸し出すについては、優先的に考えておるわけでありますが、しかし、これは厚生省の方でおきめになりました医療機関配置の一応の基準がございまして、その基準に達しておるか、達しておらないかという二つの分け方しかないわけでございますから、非常に僻地であるから、あるいは無医村であるから、特に、たとえば金利を安くするとか、あるいは償還期間を長くするというようなことは、いたしておりません。ただ、医療機関配置の濃厚なところと、そうでないところの二段に分けて、そしてこれから作ってもらいたい地域には、できるだけ融通する、それだけの取り扱いのことであります。
  29. 木村公平

    木村(公)委員 そうすると、医療金融公庫は、無医村地区申し込みに対しては、基準に合った場合には、百パーセント貸付をされておるのかどうか。これは医療行政根幹をなす問題ですから、ちょっと伺っておきたいと思います。
  30. 安田厳

    安田説明員 無医村医療機関ができるという場合には、私どもは、最優先に考えております。現在まででは、百パーセント貸しておると思います。ただ、実際問題といたしますと、無医村開業医の方が新しく機関をお作りになるということは、経営上の問題もございますし、あるいはまた、その他の家庭生活の問題もございましょうから、金融面だけから考えまして無医村対策を立てるということは、なかなかむずかしいのではないかということは、私ども金融仕事に携わっておって感ずることでございます。
  31. 木村公平

    木村(公)委員 中小企業金融公庫国民金融公庫の両公庫にお伺いしたいのですが、あなた方の両金融公庫が今まで医療関係者にも金融を行なってきたのですが、それで何か欠陥があるとか、手不足であるとか、何かの障害があったために、新たに医療金融公庫のようなものができたと解釈せざるを得ない。従って、あなた方の両公庫は、医療金融公庫ができざれば、従来、特に医療関係者に対する貸付業務が困難であるとか、できなかったとか、あるいは不便であるとか、何か理由があったからこそ、医療金融公庫という新しい別の公庫ができたわけでしょうが、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫、これでは、とてもお医者さんの貸付に対してはさばけなかったのですか、どうですか。その点、一つ公庫代表者から一ぺん伺っておきたい。これはなぜ医療金融公庫ができたかということの根幹をなすものです。
  32. 松田文蔵

    松田説明員 その辺はいろいろ考え方があると思うのでありますが、私どもの直接の窓口から見た場合には、やはり公庫全体としては、資金量はとかく不足がちでございますので、お医者さんの貸付申し込み額については、やはり他の貸付と権衡をとって、ある程度金額査定を加えて貸付しておりますから、十分な貸付は必ずしも行なわれていなかったと思います。そういう点では、お医者さん全体としては、おそらく不満足に思っておられたと思います。が、一方申し込まれたお医者さんについては、これは金額はそういう査定はいたしておりますけれども貸付そのものはやはり極力実行していく。現に回収関係その他は、非常にお医者さんについてはよろしゅうございますので、私どもとしては、貸付はするけれども、十分な金額貸付できない、こういうことだったと思います。特に、これは中小公庫さんからお話しになると思いますけれども、大きい病院施設等は、全く何ともならない、こういうことで、それはお断わりして参りましたが、その辺でお医者さんに十分でないということは、おそらく言えるだろうと思います。
  33. 小山雄二

    小山説明員 中小企業全体に対する資金需要に対して中小企業金融公庫が受け持っている範囲の問題でございますが、資金量が十分でないという一般問題がございますが、お医者さんの関係も、従来といえども、全体的にも要望に対して十分でなかったかと思いますし、個々の場合を考えましても、十分でなかったかとも思います。ただ、従来とも、厚生省等の御指示もありまして、私どもは、やはり厚生省医療機関整備計画に基づいて、それに合うようなものに融資していくということでやって参ったわけであります。今御指摘のように、私どもとか国民金融公庫医療に対する融資が不十分だから医療公庫ができた、これは医療が特別の重要な意味を持った仕事でありますから、特に金利その他の面で特別に優遇した貸付をやる、あるいは資金も別途確保する、こういうような意味医療公庫ができたのでありますが、先ほど申しましたように、医療公庫はその点に重点を置いてやっていただきますとともに、私ども、漏れたものにつきましては、医療機関整備計画に基づいて、今後ともやっていかなければならぬと思います。
  34. 木村公平

    木村(公)委員 国民金融公庫の方は零細な貸付金ですが、あなたの方の中小企業金融公庫は、相当額貸付ができるのですが、一般中小企業者に対する貸付ワクの中において、特に医療関係者に貸し付けられたパーセンテージは、どのくらいあるのですか。
  35. 小山雄二

    小山説明員 これは時期によってとり方はいろいろございますが、今年度貸付は、先ほど申しましたように、七月以後は医療法人等はやっておりません。
  36. 木村公平

    木村(公)委員 だから、前年度がいいな。
  37. 小山雄二

    小山説明員 前年度は、全貸付に対する医療貸付が約二・六パーセント程度でございます。
  38. 木村公平

    木村(公)委員 二分六厘程度の金が医療関係者に回っておる。それを節約するため、あるいは二%くらいの比率を占めておる医療金融関係者を特に除外する、そうしてそれに対して医療金融公庫を特別に作るということになりますれば、ここで大きな問題が起きてくるのは、医療金融公庫というものは特殊なものだ、中小企業に対する政府考え方以上に、医療金融公庫に対しては特別な関心を政府は持ってこれを作ったと考えなければならないわけです。そうすると、医療金融公庫医療関係者に対する責任は、いよいよ重大なのであります。いやしくも貸付に対しましては、ゆるがせにできないわけです。そうしてこれに対しては、中小企業の一環であったものを特別に抽出して医療金融公庫を作る以上は、利率の点において、融資の方法において、あらゆる面において、中小企業金融公庫であるとか、国民金融公庫等よりも、もっと簡便に、医療関係者に利便の多いような貸付利率、返済方法、すべてのことが考えられておると思いますが、その特徴を一ぺん伺っておきたい。中小企業金融公庫国民金融公庫から借りるよりも、医療金融公庫から借りればこれだけの特典があるのだ、金額の面で中小企業金融公庫から借りるよりもこれだけよけい借りられる、あるいは手続が簡便であるとか、あるいは利率が低いとか、返済期間が長いとか、いわゆる医療金融公庫を特に新設したその利便を、関係者に対する利益点を、一つ明細に伺っておきたいと思います。
  39. 鈴村信吾

    ○鈴村説明員 私からお答え申し上げます。  実は、今お話のありましたなぜ中小なり国民から分離して医療金融公庫を作ったかというお話でございますけれども、これは一番の重点は、やはり利率と償還期限の問題であります。当時中小、国民ともに、たしか九分六厘という利率でありまして、償還期限は三年から長いので五年ということになっておりました。ところが、いわゆる公的病院と称されます都県府県あるいは市町村の病院、あるいは日赤、済生会等の院病に対しまして、当時償還期限が二十五年で、利率が六分五厘という、非常に有利な金融がされておりました。ところが一般の私的な開業医には、わずかに国民なり中小から、九分六厘の高い利率で、しかも償還期限が最高五年というような金融しかされていない。従いまして、同じような国民医療仕事に従事しながら、一方は非常に有利な金融を受け、一方は非常に不利な金融を受けておる。これでは私的医療機関がとても成り立っていけないということから、少なくとも利率を六分五厘程度、それから償還期限も二十年、二十五年、こういうような長期の金融私的医療機関に対してしなければならないということから、医療金融公庫ができたわけであります。最初は、国民なり中小で扱っておりますので、特に医療金融だけを特殊な利率あるいは特殊な償還期限にしてもらいたいという要望があったのでありますが、国民なり中小としては、中小企業の中で、医業、歯科医業だけを特別扱いはできないという強いお話がありましたので、やむなく医療金融公庫という特殊な金融機関を作っていただきまして、そこで、利率は六分五厘、償還期限は二十年程度の、少なくとも公的医療機関金融にかなり近い線の金融をするということになったわけであります。そういう金利なり償還期限を有利にするというところにねらいがあったわけでありまして、さらに、その他の問題といたしましては、たとえば中小企業金融公庫でいきますと、最高一千万しか借りられない。医療金融公庫では、現在大体二千五百万円程度までは借りられるようになっておりますが、そういう限度額の問題があります。従いまして、償還期限、利率、限度額の問題、そういうようなところで、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫から借りる場合よりも、非常に有利な金融が受けられる、こういうことになっております。さらに来年度以降の問題といたしましては、限度額につきまして、現在大体最高二千五百万程度しか借りられませんが、これをさらに引き上げるということを大蔵省とも折衝いたしておりまして、大体来年度から何らかの形で引き上げを実現しようという機運になっておるわけであります。
  40. 木村公平

    木村(公)委員 公団とか公庫の新設ということに対しましては、当委員会においても従来非常に問題になったところで、ことに大体各役所の役人が天下って公庫、公団の幹部になる。ところが、大蔵省の主計局長などを呼びましていろいろ聞いてみますと、もともと国会の考え方としては、公団、公庫の幹部はなるべく役人は持ってこない。在野の手腕、力量とも有能な人を持ってこようという考え方から、例を一つ申し上げますれば、月給、手当等においても、実業界からこれを採った場合には、今の公務員の月給ではなかなか人材が得られないというので、現在大体四十万円ほどの月給を出しているはずでございますが、それは役人から採ることを前提とした給与体系ではないのです。これは在野の有能人を抜擢するという国会の考え方から、特に給与体系を作って、そして大蔵省に命じて多額な——貧乏な日本にとっては、四十万円の月給というのは多額といわなければならないが、多額なものを出しておる。国会議員より、大臣より多額な給料を出しておる。そういう方法で発足したのでありますが、その後、公団、公庫に入れば月給がいいのだというので、いつの間にやら今度はお役所の定年近いような諸君が、われわれの関知しないうちにどんどん公団、公庫に入ってくるというような、初め考えざるような結果になってしまって、指を折って一つ一つ数えてみると、ほとんどすべてが、いつの間にやら在野の有能人が退けられて、役人の古手ばかりになっておるという現状です。これは隠すことのできない事実であります。そこで公庫が新設される場合には、あらゆる点においてその必要性ということに対して議論が出てくるわけです。必要欠くべからざるものであるがゆえに作らなければならぬということでなければ、公庫の存在意義はないわけであります。医療金融公庫が、ただいま厚生省医務局次長の御説明によれば、金利は六分五厘だ、そうして償還も二十年ないし二十五年でよろしいのだ、しかも、貸付金額も、中小企業金融公庫では一千万円であるが、二千五百万円貸せるのだ、こういうりっぱなものであるのだから、医療金融公庫は必要であるというお話でございますが、それはばかげた話で、そんなことは、やろうと思えば、中小企業金融公庫に対する法規を改正することによって、幾らでも償還期限も延ばせるし、利率も下げることができるし、貸付金額をふやすことだってできるのだ。だから、そんなことを理由にして、それだから医療金融公庫がぜひとも必要であるということには、実はならない。社会労働委員会あたりではそんな答弁で満足するか知りませんが、われわれは、そのような人をごまかすような答弁では、満足ができないのであります。従って、医療金融公庫というものが作られなければならなかったという設立理由、並びに現在ぜひこれが存在しておらなければならないという存在理由に対しましては、われわれは一片の疑問を今なお払拭することができないわけでありますので、この点については、一応さらに御研究のほどをお願いいたしたいと思います。  次は、医療金融公庫設立の目的は、大体ただいま次長のおっしゃったようなことでございましょうけれども、さらにこれを局長からでも、もう少し明細に——所期の目的が今成果が上がっておるか、上がっておらないかということは、しばらく問いません。医療金融公庫設立の目的を一つ簡単に述べてもらいたい。  それから貸付対象貸付方法、返済条件等についても、もう少し明細に伺っておきたい。貸付業務の処理は、どのようにして行なっておるのであるか、貸付申し込みから実際に貸付申請者に所要資金が支出されるのに、どのくらいの期間を従来要しておるのか、昭和三十五年度発足当初から今日までの実績は、どのようになっておるのか、そういう点についても、一つ伺っておきたいと思います。
  41. 安田厳

    安田説明員 今お尋ねの後半の方を、私から先に御説明申し上げたいと思います。  御承知のように、三十五年の七月一日から始まりましたわけでございますが、実際の仕事は、大体八月の終わり、九月の初めごろからそろそろ受付を開始したというような状況でございます。三十五年度貸付の申請を受けました数が、三千五百五十七件で、九十八億七千万円、もし御要求がございましたならば、あとでまた内訳を申し上げてみたいと思いますけれども、一応そういうことでございます。それから三月三十一日までに審査を済ませましたものが、二千九百一件で、七十七億五千万円でございます。あとは、いろいろ年度の終わりに受け付けたような関係で、翌年へ繰り越したものもございます。それから貸付を決定いたしましたのが、千九百二十九件で、四十一億五千二百万円でございます。これは御承知のように、三十五年度貸付資金というのは二十九億五千万円しかございませんので、実際に三十五年の三月三十一日までに貸しましたのは二十九億五千万円で、あとは十二億ばかりを翌年の資金で貸し付けたことになるわけでございます。  しからば、三十五年度におきまして貸付決定した四十一億五千二百万円でどれだけの効果があったかということでございますが、病院が百二十四、一般診療所が百八十六、歯科診療所が二十二、これが医療施設の不足をします地域に新設されたわけでございます。病院病床数に直しますと、約一万一千床が増加いたすことになります。  それから三十六年度貸付でございますが、三十六年度は、政府出資と資金運用部の借入金を入れまして、七十億ほどでございます。大体十一月末日で二千三百六十七件で、六十六億ばかりの申し込みがございました。ごく最近の数字でございますと、大体七十億、年度内に百億になるだろうという見通しを私ども立てております。その中で貸付を決定いたしましたのが、千八百一件で四十四億でございますが、これと先ほどの前年度貸付を決定して翌年に回しましたものを加えますと、五十六億七千九百万円、こういうような状況でございます。  それで貸付の手続でございますけれども、私どもは、実は窓口機関を持っておりませんものですから、市中銀行なり、あるいは信用金庫、相互銀行、これはごくわずかでございますけれども、地方銀行といったものに代理店をお願いいたしまして、代理店に申請者が参りましていろいろ手続をいたしますと、代理店の方でいろいろ信用上の調査をしてくれるわけでございます。そのとき、私ども公庫としてこの貸付の特徴の一つは、普通の金融機関でございますと、たとえば中小企業金融公庫でも、国民金融公庫でも、おそらくその際に金融上のいろいろな問題の調査だけだと思うのでございますが、私どもは、県庁へ参りまして、県庁で、たとえばこの地域厚生省できめたところの医療機関の設置基準よりたくさん病院があるか、あるいはそれより少ないか。あるいは診療所の数が厚生省できめた基準よりか少ない地域であるか、多い地域であるかということを調べまして、証明書をつけるわけであります。診療所の数がすでにたくさんあって超過しておる地域であるとか、あるいは病床がオーバーしておる地域でありますと、私どもの方では、もちろん新設は認めない。それから病床をふやすこともだめであります。また、現在あります医療機関の整備——すでに長い間使っておって、もうこれ以上は使用に耐えないというようなものがたくさんございますのでありますが、そういうものに対しましては貸し付けますけれども、実は利率が八分という高い率になります。医療機関の不足しておるところであれば、新設も認めるし、また、増改築でありましても、六分五厘というふうに優遇しておる。その辺のところが普通の金融機関と違うところでありまして、そこをお医者様なんかから言いますと、どうも厄介で困るというお話があるのでございますが、これが私ども中小企業金融公庫あたりから独立いたしました一つのねらいでもあるわけでございますので、まあまあやむを得ないのではないかと思っておるのでありますが、そういう点がございます。それから銀行から私どもの方に参りまして、審査をいたしまして、いいということになりますと、それを銀行の方に通知して、銀行から本人にいくということであります。代理店を中に入れますので、できるだけ急ぐようにはいたしておりますけれども、どうしてもおくれがちになるわけでございます。それに三十五年に始めて、代理店の数も多うございますし、事務のふなれな点もあって、どちらかというと、最初のうちは長く時間がかかって御迷惑をかけたのではないかということを、私どもは心配しておったのであります。最近は非常に早くなりまして、代理店の方でうまく仕事を進めていただければ、私どもの方に参りまして、早いのは一週間くらいできめます。ただ、昨今の郵便の事情なんかもありまして、代理店を通じるということのために、やはり若干事務がおくれるということはあるのでございますが、そういうやり方で実はいたしておるのであります。  なおまた、最初の方は医務局の方から御答弁いただきたいと思います。
  42. 川上六馬

    川上説明員 なぜ特に公庫を設けなければならないかという点、重ねて私どもの方に御質問があったわけでありますが、これは先ほど次長から申しましたように、国民皆保険下にありまして、比較的安い診療報酬のもとに医療を国民にひとしく普及したい。一方また、医学がどんどん進歩しておりまして、十分に設備その他も改善しなければならない点が、どんどん出てきております。そういう点で、一般中小企業とだいぶ趣きを異にしておるという考えのもとに、医療金融公庫を作ったわけでございます。従いまして、中小企業金融公庫などから見ると、融資条件もだいぶよくなっておりますし、それから先ほど申しましたような、国の医療機関整備計画に全く即応して金融をはかっていかなければならない、こういう面もありましたので、かような公庫を特に作った次第でございます。
  43. 木村公平

    木村(公)委員 この審査の方法でございますが、窓口がないからやむを得ないといえばそれまでですが、代理店として地方の銀行に審査をさせておるわけですが、銀行に審査をさせておるとすると、その審査をそのまま採用されるのですか。銀行の審査したものをさらにあなたの方で審査をし直すのか。その点のことを一つ医療公庫の方から聞きたい。  それからもう一つは、信用して代理店としてあなたの方で依頼をされる、そして自分の方では窓口がないから、審査もあわせてお前の方でやれというので、すべてをまかしてやっておられる。その審査に対して、今度は一週間か十日かは存じませんけれども、本省で再審査をするときには、何を基準にして再審査されるのですか。その基準を承っておきたいと思います。
  44. 安田厳

    安田説明員 代理店の方から私どもの方に出て参りました場合に、最初に私どもが審査いたしますことは、何といっても、医療行政的な観点からの基準等がありますものですから、そういう点で間違っておることが非常にあるわけでございまして、ここでは建てられないというのを受け付けてきたり、それから最近は、なるべく開設融資をしたいというような趣旨でいろいろ特例等を設けておるのでございますけれども、そういうことについて、一つの銀行によくお話をいたしましても、末端の窓口が非常に数が多うございますので、間違っておることがございます。それからまた、出て参りました場合に、順位といたしましては、医療機関が足りないところ、あるいはその医療機関がその地域において占めておるいろいろな意味の地位と申しますか、そういったようなものが第一の順番になるわけでございますが、全部代理店におまかせしますには、資金量関係とかそういったようなことでまだ問題がございますので、そういうような点を私ども十分調査いたしまして、しかし、できるだけ早く御回答申し上げるということでやってきております。
  45. 木村公平

    木村(公)委員 役員名簿を見てみますと、厚生省、大蔵省、防衛庁等の役人生活の経験者ばかりのようであります。この公庫の性格等から考えましても、多少は民間の金融専門家も要るわけだと思うのですが、医療関係にあった者の採用も考えておられるのですか。この役員の中には、民間の金融専門家とか、医療関係者というものは、ないように思うのですが、これは将来考えておられるのですか。
  46. 安田厳

    安田説明員 役員なり職員なりの関係でございますが、なるほど直接金融機関で働いた者は少ないわけでございますが、課長等には、よその銀行からお借りしておる者もございます。しかし、私ども仕事をやってみまして一番感じますことは、やはり今の医療機関の整備とか、そういったようなことがいつも役員会で非常に問題になりまして、金融上の問題につきましては、所定の手続をとり、そうして担保その他が十分である、それからまた医療機関の経営というものは、金融機関プロパーの仕事もございますけれども、やはりベッド当たり大体どのくらいの収入があるとか、あるいは基金払いがどうなっておるかとかいうようなことになりますと、むしろそういった仕事関係しておった人の方が詳しい面もありまして、まあまあ今のところは私どもは現在の陣容でやっていけるというふうな気持を持っておりますが、なお一つよく研究いたしてみたいと思います。
  47. 木村公平

    木村(公)委員 あまり質問が長くなりますので、もう一、二点伺って、なお残りの質問につきましては、また休会明けの委員会等で続けることにいたします。  この公庫の建設資金貸し出しは、大体標準建設費の八割と承っておるのですが、その建設費を見てみますと、病院開設について、最も低い単価の木造の場合は、診療管理等の部門で坪換算がおよそ四万一千円、病棟部門で坪換算が三万七千円、看護婦宿舎で坪当たり三万一千円となっておりますが、これは建設省関係においても、厚生省関係においても、すべて言われることですが、おそらく最近の建設単価の値上がりは三割近いということはほとんど明らかで、この標準単価ではたして厚生省の期待する八割公庫持ちというようなことができるかどうかということが一つ。  それから特に、これは住宅と違って、人命をあずかる病院ですから、普通の住宅よりも、病人を保護するための避難、防災、暖房その他の設備をする必要があると思われるのですが、この単価で、そんなことがはたしてできるのですか。この点について、厚生省は三十七年度の予算で何か考えておられるかということも伺っておきたいし、あなたの御所懐も伺っておきたい。
  48. 安田厳

    安田説明員 今の建築単価のことでございますが、もう全くお説の通りでございまして、鉄筋で一平方メートル当たりで二万二千円ですと、坪大体六万から七万の間ですが、これではやはりうまくないと思います。私どもこれをきめますのには、やはり政府のお金でございますので、厚生省や大蔵省に一々御相談申し上げておるわけでありまして、年度内でも一度引き上げをお願いしたことがあるのでございますけれども、来年度の予算につきましては、私ども、上げていただきたいという要求をいたしております。お話通りに、やはり最近は、病院でございますと、大体鉄筋になっております。また、私どもそれを勧めておるわけでございます。なお、診療所等につきましては木造が多うございますけれども、それでもぼつぼつ簡易耐火、ブロック建築がだいぶ出てくるようになったわけであります。できればそういうふうにいたしたいと思っております。
  49. 川上六馬

    川上説明員 厚生省といたしましても、三十六年度の中途におきまして、実は建築資金の値上がりに伴いまして、単価を上げたいということで努力をいたしたわけでありますが、実現しませんでした。明年度は、ぜひ実施していきたいと思います。さらに、先ほど次長が申し上げましたように、貸付基準なんかも上げまして、実際に八割相当の実質的な貸し出しができるように努力いたしたいと思います。
  50. 木村公平

    木村(公)委員 まだいろいろございますけれども、常任委員長会議も開かれておるようですし、予算の復活要求等で、社会党の方も、わが党の者も忙しいようでございますので、本日は、私の質疑はこの程度でとどめまして、後日また伺います。
  51. 西村力弥

    西村(力)委員長代理 他に御質疑はありませんか。それでは、本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会