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前田(榮)
委員 この際、本
国会が終了いたしまして、われわれは、当
委員会において
国会正常化の
問題等について
各党からもいろいろ
案件も出まして、真剣にこれと取っ組んで検討を続けたわけであります。
議長さんもこの点については非常に御
心配になって、当
委員会に対していろいろ御指示もあったわけであります。そこで私は、一昨日以来の
国会終末において、今までの時間の励行等非常に改善されたことがあったにもかかわらず、特に遺憾に思う点は、当
委員会が正式に決定し、
各党が
全会一致をもって賛成された、いわゆる
互助年金に関係する
法案については、
約束をされたことが守られてなかったという点であります。これは
議長さんも特に聞いておいていただきたいのですが、このことは、それぞれの党において党の
事情もあることでありますから、必ずしもここで決定した
通りが百が百きちっと寸分たがわずにできなければならぬものだというように、しゃくし定木に私は
考えておるものじゃございませんが、たまたまこの
国会で
皆さんが非常に御
心配になって、
国会を
話し合いの場とし、正常な形にしようというので、このことは簡単なようで非常なむずかしい問題でありますけれ
ども、しかしながら、従来の
国会になかったほど本
国会はある程度の成果をおさめてきておると私は思うのであります。にもかかわらず、当
委員会で決定されたことが、
最後のど
たんばになってこれが実行されなかった。これは、ただ単にその
法律案に不備があるとかということでなくて、私らの見るところによりますと、いろいろ
党内事情もあったこととは思いますけれ
ども、もし
自由民主党の方で多数を持っておらなかったら、ああいうことはできなかったと思う。いわゆる多数の力というものが
背景になり、多数の力というものが頭にこびりついておるために、ここできめて、ことに、
自民党内の
意見もある程度まで参酌しなければならぬというので、
附帯決議に類するようなことまで考慮して、
一つの
申し合わせ案文まで作ってやったことなのでありまして、それが
最後のど
たんばになって、
委員会が決定しようが何をしようが、そういうことはまかりならぬということになったならば、おそらく何をしたって私は
国会の
正常化なんということはできるわけがないと思う。
国会の
正常化なんということは、力が
背景になって物事をやるということでは断じてできるものじゃない。やはり
お互いに
信義を重んじ、
お互いに
相手方の
立場も
考え、そして全体において国民の幸福と国家の繁栄の
方向に
政治を
運営せしめる、こういうことでなければならぬと思う。
互助年金の
若年停止がどうとかこうとか、そんなことは
ただ形に現われただけであって、われわれは何もそういうことで申し上げるのでなくて、せっかく
国会の
正常化のために、これはただ単に
議運の者ばかりでなしに、
国会議員全般が、できることならそういう
方向に進んでくれればいいということを念願しておるものなのでありまして、その大事な問題の
方向から見ますと、全く話にならぬ、まあ言語道断という
言葉もありますが、それに類するような結果になっておることなんでありまして、
議長さんがどんなに
心配されても、こういう形では私はだめだと思う。そういうことで、私らは、昨日もせめてその党の
責任者の方が、次の
国会に
約束を守るから、きょうは時間もこんなだし、一、二の
反対者やいろいろな人を説得するのにも容易ではないから、残念なことに議決はできないが、しかしわれわれは
努力する、実現させる、こういうことの
約束はできぬかとまで言ったのでありますけれ
ども、それさえ峻拒されてしまった。こういうことでは、何と
考えましても、いかなることを論議いたしましても、これは
国会正常化に逆行をされることに私はなると思う。そういう点において、今後どうして下さいとか、ああして下さいとかいうことでなしに、このままでは、おそらく
臨時国会が開かれても、この
話し合いの場というものが再び持てるか持てぬかということさえわれわれは不安に感じるわけなんであります。この点については、もちろん誠意を持って跡始末をされることだと思いますけれ
ども、まさかのときには、やはり
社会党が何と言おうとも、おれは多数を持っておるのだ、そんなものを通さすか、こういうように力が頭にこびりついて、その力でどうでもできるのだという
態度を出されるのじゃないか、こういう不安がわれわれには出てくるわけなのでありまして、その不安のある間は、
お互いに
信義を重んじながら
話し合いをするということはできなくなるということになろうと私は思うのであります。
委員長や
佐々木理事は非常に御苦労された。その点については私らはよく了解もしまするし、その点について疑心暗鬼な点はございません。ございませんが、昨日の
自民党の
態度——互助年金も今申し上げた
通りでありますけれ
ども、もちろん
全般を通じての参
議院、
衆議院における
審議の
状態等についても
考えなければならぬ点が多いと思うのでありますが、これらの問題を今後相談しながら
国会正常化の線へ乗せて、そして漸次改善していくということに
努力しなければならぬ
状態なのにもかかわらず、それさえ、そういうことができるかということについて不安を持つことになるのでありまして、その点は私は特に
議長さんに、そのようなことで
議長さんがどんなに
努力されても不可能な
状態だと私は思うので、特にその点をよく聞き置いてもらいたい。
それから、
委員長は非常に御苦労されて、これ以上
委員長を私は苦しめるような結果になることをよういたしませんけれ
ども、われわれとしてはそういう点で深い決意を持たなければならぬ、わが
社会党においては全面的にそういう空気が支配的になりつつある点も申し上げておく次第であります。
それから、もう一点申し上げておきたいのですが、こういう
状態でありますから、もし、やはり今
国会のように、
国会正常化へもう一度
努力するというような
状態になるといたしまするならば、当
委員会ももっと本式にならなければならぬと思う。そういう点についてわが党で
皆さんにはっきりさせておきたいことは、やはり従来
衆議院における
制度、
慣行というものの上に立って、
民社党の
諸君が
オブザーバーのような形で
理事会にも出ておられますが、これはやはり
交渉団体が二十名なら二十名ということになっておれば、その点は
制度通りに、
慣行通りにきちっとやるべきであるということに党は決定を見ておりますから、この点もはっきりこの際申し上げておきたいと思います。以上。