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1962-04-05 第40回国会 衆議院 議院運営委員会 第29号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月五日(木曜日)    午後六時六分開議  出席委員   委員長 福田  一君    理事 佐々木秀世君 理事 鈴木 正吾君    理事 塚原 俊郎君 理事 久野 忠治君    理事 周東 英雄君 理事 下平 正一君    理事 前田榮之助君       飯塚 定輔君    宇野 宗佑君       金丸  信君    亀岡 高夫君       田中 榮一君    田邊 國男君       細田 吉藏君    毛利 松平君       保岡 武久君    安宅 常彦君       有馬 輝武君    兒玉 末男君       阪上安太郎君    武藤 山治君       佐々木良作君  委員外出席者         議     長 清瀬 一郎君         副  議  長 原 健三郎君         議     員 谷口善太郎君         事 務 総 長 山崎  高君     ————————————— 三月三十一日  委員池田清志辞任につき、その補  欠として田中榮一君が議長指名で  委員に選任された。 四月五日  委員齋藤邦吉辞任につき、その補  欠として亀岡高夫君が議長指名で  委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  外務大臣小坂善太郎不信任決議案  の取扱に関する件  外務委員長森下國雄解任決議案の  取扱に関する件  日本国に対する戦後の経済援助の処  理に関する日本国アメリカ合衆国  との間の協定締結について承認を  求めるの件を撤回し再交渉を求める  の動議取扱に関する件  本日の本会議議事等に関する件      ————◇—————
  2. 福田一

    福田委員長 これより会議を開きます。  まず、決議案取り扱いに関する件についてでありますが、本日、日本社会党山本幸一君外四名から、外務大臣小坂善太郎不信任決議案提出されました。本決議案は、本日の本会議の劈頭において議題とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本決議案趣旨弁明は、日本社会党の細迫兼光君が行なうことになっております。  討論につきましては、自由民主党安藤覺君から反対日本社会党大原亨君から賛成討論通告があります。  なお、本決議案採決記名投票をもって行なうことといたします。     —————————————
  4. 福田一

    福田委員長 また、本日、日本社会党山本幸一君外四名から、外務委員長森下國雄解任決議案提出されました。  本決議案は、本日の本会議において、外務大臣小坂善太郎不信任決議案の次に議題とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本決議案趣旨弁明は、日本社会党松本七郎君が行なうことになっております。  討論につきましては、自由民主党古川丈吉君から反対日本社会党小林進君から賛成討論通告があります。  なお、本決議案採決記名投票をもって行なうことといたします。  両決議案に対する討論時間は、いずれも従来の慣例通りとするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  7. 福田一

    福田委員長 次に、民主社会党から、日本国に対する戦後の経済援助処理に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を撤回し再交渉を求めるの動議提出されておりますが、この取り扱いについて、まず御協議を願います。
  8. 下平正一

    下平委員 この撤回動議について、二点ほど私自身は疑義がありますので、その点をこの委員会解明をしておいていただきたいと思います。  その一点は、民社党のこの動議を見ますると、表題は、なるほど日本国に対するガリエロですね、ガリエロ条約撤回して再交渉しろ、こういう撤回動議になっておりますが、中をよく読んでみますると、実はこれは条約中身修正するような形になっているわけであります。中身の第一項は、日米間の債権債務の支払いの形式をとりやめること、二番目が、金額減額すること、三番目が、支出金使途についての条件をつけている、こういうことで、御承知のように、ガリエロ条約の三本の柱をそのまま全部修正をするという形になっているような気がいたします。そうなりますと、私は問題が二つ出てくるような気がいたします。  その一つは、御承知のように、衆議院では法律案提案については、国会法第五十七条で、賛成が二十人以上、予算を伴うものは五十人以上、参議院では十人以上と二十人以上、こうなっておりまするが、この形が他の法律案等についてもとられるとするならば、国会法によって法律案提案権のない政党でも、動議という形をつけて出せば、法律案提案の形がとられる、こういうことができる可能性があるような気がするわけであります。この形が承認されるとするならば、たとえば国民年金法にしてしかり、農業基本法にしてしかり、提出権のない民社党から、政府提案農業基本法撤回を求めるの動議として、これを撤回して、かくかくのごときものを出してきなさいといって、民社党案を列挙してやれるという形もとれると思うのです。この点は、私はかなり重要な問題点だと思いますので、この点は、当委員会一つ解明をしておいていただきたいと思うわけです。  問題点の第二は、この民社党撤回動議というものが衆議院を通過する、衆議院によって可決をされたということになりますと、これは、今政府が出しているガリオア・エロアの協定否決するという形になります。同時に、否決をするだけでなしに、院議によって決定をしたこの三本の柱というものは、私は生きてくると思います。もちろん、法律的に即時効果を発するとは思いません。条約でありますから、交渉、調印、批准という段階が必要であります。その一段階衆議院意思表示をしたからといって、直ちにそれが効力を発生するということにはなりませんけれども、少なくとも債権債務の形を否定する、金額減額する、支出金使途を規制する、こういうことは、条約を批准する、条約効力を発生する一段階衆議院意思として確定議になると私は思うわけであります。こういうことは、形をかえて、言うならば——条約については、安保条約のときに、この問題でずいぶん議論をいたしました。そういった内容にわたっての修正というものが院でできるかどうかということで、ずいぶん議論をいたしましたが、結論は、衆議院としてはいまだに出しておりません。ただ、実体的には、当時、自由民主党の方は、条約案については修正権はないのだという態度をとって、条約については、院の決定というものはイエスノーかだ、こういう態度で押し切られて、それが既成の事実としては残っておりますが、院としてはまだきまっていないわけです。その最中に持たれた、修正権ありやいなやのこの委員会における議論というものは、終結をしていないのです。私はこの形は、今いった条約否決をされ、院の議決としてこれが確立をされれば、政府をたとい道義的にでも制約をする。そういうことをこの協定でやるということになると、実質的には衆議院における修正権というもの——修正権というほど明確でないかもしれませんが、条約に対しての修正ということが院でできるんだ、こういう解釈も私は成り立つと思うわけであります。  この二点について解明をしておいてから、この動議取り扱い方をきめていただきたい、こういうふうに思います。
  9. 佐々木良作

    佐々木(良)委員 今、下平君から疑問を出されましたが、提案者でありますから、私の方の考え方を申し述べたいと思います。  まず第一に、第一点である、このような方式がとられ得るならば、法律案件についても似たような方法がとり得るではないかという意見についてでありますが、私としてはこう考えております。  まず、条約案件法律案件とのおのおのの提案権並び修正権がどこに所属するか、つまり法律案件については議院提案権もあり、従って修正権もあり得る。ところが、条約案件については、政府が外国と締結をして、そうしてそれの承認を求めるだけであります。従いまして、本来、国会側提案権修正権があるものを、もしこのような形で他の法律案件も出すとするならば、形は似たようなことであるけれども、これは法の解釈上の乱用であると考えます。国会法上に明文をもって、これだけの人数でなければ法案は提出できない、修正できないという規定があるのでありますから、形が似たようなことであったとしても、それは国会側提案権なり修正権なりあるところの法律についてでありますから、従いまして、似たようなことをするとするならば、それは法の乱用である、こういうふうに考えますから、そのようなことはすべきでないと考えます。  それから第二点の、これは実質上の修正と同じではないかという意見についてでありますけれども、まずこの動議成立をした場合を考えますと、動議成立すれば、直ちに政府は本条約案件撤回すべき政治責任が発生すると私は思います。その政治責任に基づいて、政府は直ちに条約案件撤回すべきものだと思います。撤回しなかった場合には、不信任等政治効果を伴うということになると思います。それからさらに第二番目に、この動議成立をした場合に、政府撤回すべき政治責任とともに、以下三点について書いてあるような、この三つの条件中心としてアメリカと再交渉すべき政治責任が生ずると思います。この政治責任に従いまして、政府は当然にアメリカと再交渉すべきだと思いますけれども、この条件に満ちておるか満ちていないかという判断は、そのときの国会側であろう。従いまして、これに基づいた条件に沿った交渉をしていないと思った場合には、これもまた政府に対する不信任の原因にはなり得ようかと思いますが、直ちに法律的な効果的な意味のものは伴わないと思います。  それからさらに、再交渉をして政府が新しい条約締結して、それを再び本国会提出をして承認を求めることになるわけでありますから、その承認を求められる新条約案件についてイエスノー判断国会がやる権限を持っておるわけでありますから、そのときに、もし従来の院議と異なった内容であると考えるならば、これを否決することができる。従いまして、あくまでも、この動議が通過した場合には、直ちに政府は本案件撤回すべき政治責任が生ずるから、直ちに私は撤回されるものと思いますが、後段の分の再交渉の問題については、内閣に対する不信任的な問題と、それから新条約締結されて国会承認を求める案件として提出されたときの国会判断とが、それをオーソライズすることになろう。従って、この動議内容が直ちに修正的な効果はない、こういうふうに考えます。
  10. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 自由民主党といたしましても、今、佐々木良作君の発言なされたことと大体同じような考えを持っておるのであります。先ほど下平君から、国会法の第五十七条の件を議論なさっておられたようでありますが、第五十七条は「議案につき議院会議修正動議議題とするには、衆議院においては議員二十人以上、参議院においては議員十人以上の賛成を要する。但し、法律案に対する修正動議で、予算増額を伴うもの又は予算を伴うこととなるものについては、衆議院においては」云々、こういうことになっておりますので、これはどこまでも法律修正ということになりますれば、先ほどのような第一の議論が成り立つのですが、われわれの方も、これは修正とは見ておりません。ことに条約というものは、従来、政府がずっと答弁しているように、条約に対しての院の回答はイエスノーかということにわれわれも考えておりますので、今回のこの動議は、いわゆるこの条約撤回せよという、その撤回動議という解釈でこれを取り扱っているのでございます。かりにこれが院を通りましたといたしましても、条約というものは相手があることでありまして、院の決議通り政府拘束されて、その通り条約が調印されるというような結果にはなりません。そういう点からいたしまして、私たちはどこまでもこれは撤回動議だという考え方でこれを取り扱っているのでございます。
  11. 前田榮之助

    前田(榮)委員 佐々木委員から、提案者としての民社党立場に立った御説明がございました。民社党立場の御説明はそれとして私も聞きます。聞きますが、この提案趣旨説明その他で、この一、二、三項目説明される場合においては、これは民社党意見としてこの国会で取り扱われるわけであります。しかしながらこれが一たび院の決議となりますると、これは民社党意見ではございません。衆議院意見であります。その衆議院意見に、一、二、三の項目決定されたといたしましたときに、内閣はこれに拘束を受けます。単なる希望だとかいうことではおさまりません。この日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について、一、二、三の条件をつけております。その条件は、一つは「米国の戦後対日援助処理に関しては、日米間の債権債務の支払の形式をとりやめること。」債権債務形式ではいけないと明確にしております。内閣は、債権債務形式である、債権債務であると、こういうことをはっきり言っております。それを拘束します。たとい池田内閣が明日やめても、日本内閣衆議院決議には拘束を受けるのは当然であります。また二の項目は「日本が本件について支出する金額については、さらにこれを減額すること。」減額と明確に方向を示しております。これは、減額は一億ドル減額するとか二億ドル減額するとかいうことはきめてはおりません。きめてはおりませんが、増額は許しません。減額という明確な方向を示しております。第三は、支出金使途について、これも方向を明確にしております。そうすると、衆議院決議内閣拘束する、内閣の外交の行政権拘束することになる、そういうことでよろしいとおっしゃるのでございましょうか。そういうことは単なる希望だとかなんとかいうことで、これが民社党希望だからこの案は、ということで認めるならば、将来この形でそういうことをもし多数の政党が出したらどうなるか、こういうことになります。その点が明確でないと、これは将来禍根を残すこととなると私は思います。その点はいかがですか。
  12. 福田一

    福田委員長 それでは私から一つ申し上げたいと思うのですが、先ほどこの問題については理事会においても、約一時間以上もかけて十分にいろいろ審議をいたしたわけであります。そうして社会党皆さんの御意見民社党の御意見、また自民党の意見もそれぞれ開陳されておるのでありますが、この点においては、その意見はおのおのいささかずつ食い違った面があるようであります。しかし、一応理事会において考えたことは、というか、多数は大体こういうところではなかろうか——もちろんそれに賛成されたというわけではありませんが、大体こういうことではなかろうかということは、やはりこれは修正ではなくて、撤回動議のような性格の持ったものである。そこで、もしこれが修正動議であれば、委員長報告あとで取り扱うべき筋合いのものだと思うのですが、撤回中心にするものということであれば、まずこれを先にやってしまうべきじゃないかというような、理由はそういうことを言いませんでしたが、先にやった方がいいじゃないかという御意見が出た。それは、なるほど撤回ということであれば先にやらなくちゃいかぬということでございますので、委員長といたしましては、そういう御意見も加味いたしまして、実は冒頭に持って参って撤回ということにいたしたようなわけであります。でありますから、それを取り扱い問題等についていろいろ御意見もあると思いますが、このところは、それを平行線でこのまま幾ら議論をしていてもいかぬし、まあこれを採決するというのもおかしなものでありますので、おのおの各党が御意見を述べられたという形において、本日はこの案をこういうふうな形で一つ取り扱っていただく、こういうことに御了解を願いたいと思います。
  13. 前田榮之助

    前田(榮)委員 委員長の御意見の気持はよくわかります。また、これをこのままでいかなければならぬ情勢になっているととも了解します。了解はしますけれども、これは単に民社党提案をしたという、提案をすることについてはこれを阻止するわけにはいかぬと思います。提案提案である。ただ、提案衆議院議院運営委員会においてこれを受理し、これを会議に進めていくということになりますると、この案は単なる民社党意見だけだということでおさまらない結果になる。それで、将来こういうことの結果になりますぞということを私は一応皆さんに申し上げて、それから、もう仕方がないからこれで進もうと言われるなら、それでよろしゅうございます。
  14. 安宅常彦

    安宅委員 その問題もですが、もう一つの問題、つまり提案権を持たない政党云々という問題で、下平さんはもう一つ理由を申し上げたわけでありますが、このことについて、民社党佐々木さん並び自由民主党佐々木さんからお話がありましたが、下平さんの御議論は五十七条でやっておられたようですが、という発言もその中にありました。しかし、五十七条の場合には、これは「議案につき」とはっきり書いてある。議案というのは、法律案条約も、これは全部議案であります。そういうことになりますと、これは衆議院では二十人以上、参議院では十人以上です。予算を伴うものは、衆議院では五十人以上、参議院では二十人以上、こういうことにはっきりなっておりますから、条約の場合には差しつかえないみたいな議論というものは成り立たないということは、どうしても私は言わなければならぬ。従って、こういうことを、先ほど下平さんが言ったように、たとえば農業基本法なら農業基本法撤回を求める動議というものを出して、かくかくしかじかでやりなさいというので、ある政党の案をずらりと書いて、そして出したということになれば、この五十七条というものは空文にひとしいということになる。これをはっきりとここで確認をしないと、とんでもないことになるのじゃないかということを再度私は繰り返したいと思います。
  15. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それはあなたの方では、法律案議案修正案、そういう考え方でいくと、そういう議論も成り立つのです。ただ、私らの方の五十七条について言ったのは、これは動議取り扱いですから、動議というものは二十人、五十人という規定がないのですから、だから、その動議として取り扱えば取り扱えるということを申し上げたのです。これは修正案だ、あるいは議案だ、法律案だということになれば、あなたの議論は成り立ちます。私らはどこまでも動議として扱っているのですから、動議は、私が動議を出そうと思えば、一人の署名があっても出せるのですから……。そういうことなんです。
  16. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 出ても取り上げなければいい。
  17. 安宅常彦

    安宅委員 ああ、そうですが。それだったらまた別です。だから、そういう修正案と目されるようなものを動議という名前をつけて、ただいま私の発言をしたような内容でやられた日には、これはどうにもしようがないが、これを取り上げるか取り上げないかの判断——本日こういう民社から出たところの日本国に対する戦後の経済援助処理に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件を撤回し再交渉を求めるの動議、こういう名前さえつければ何でもやられる、その判断はどこでするのですか。それができないことになるのじゃないかということをわれわれは言っているのです。
  18. 鈴木正吾

    鈴木(正)委員 どこでするかって、われわれがするのです。
  19. 福田一

    福田委員長 まあ法律論については、まだまだ詰めていかなければならない問題で、どちらの意見をいいとかなんとか、私はここでは申し上げませんが、取り扱いの方針としては、これは動議として認めて取り扱ったということに一応考えておいていただきませんと、進みませんから、この程度一つ……。
  20. 兒玉末男

    兒玉委員 委員長、一音だけ、大きな問題だから、私、佐々木さんにお伺いしたいのですが、おそらくこの動議がきょう可決されるということは、これはないことはわかっているわけですが、かりに仮定に立って、可決されたと仮定した場合においては、ここに民社党が明確に規定しているこの三項については、当然内閣としてはこれを忠実に実行する義務が生ずると私は思うのですが、その点はいかがですか。
  21. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 それは院議になりますから、院議になりますれば、これは内閣はそれに従わなくちゃなりません。それからまた政治責任を負わなくちゃなりません。しかしながら条約というものは相手があるものですから、政府幾らその通りやろうとしても、相手条約というものに調印しなかったら、条約というものは成立しません。だから、その場合には、成立したら内閣責任を負って、内閣総辞職というようなこともあり得ます。だけれども、今その心配はありません。通りませんから……。
  22. 兒玉末男

    兒玉委員 そこでもう一点だけ……。それほど大事な内容を持つ動議であれば、国会法第五十七条による議案等に対する修正動議以上に、その動議提案についても、いま少し厳格な規制があってしかるべきじゃないか、私はそういうふうに判断をするわけですが、それに対する見解だけを聞きまして、あとの論争はまた次の機会に……。
  23. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 ちょっとお答えしておきますが、動議が軽くて、あるいは修正権が重いとかなんとかいうことは申しません。動議の中でも重要なものもございます。あるいは動議の中でも比較的軽い動議もございましょう。だから、そのいろいろな解釈というものは、そのときそのときの情勢解釈が違いますが、私たちは必ずしも動議であるから軽いものだというような見方はしておりません。
  24. 安宅常彦

    安宅委員 また一言言わなければなりません。私の方は、そのまま認めたような格好になっていますから……。
  25. 福田一

    福田委員長 委員長は、そう認めたというわけではない。どちらがどうということは……。
  26. 安宅常彦

    安宅委員 それはわかりました。そういう議論はしませんが、従って私のような議論というものがある。これは私は正しいと思うのですが、その議論はいたしません。しかしながら実際にこういう例が出てきて、先ほど私は農業基本法を例にとった話をいたしましたが、将来そういうふうなことがたくさん出てきて、今私の意見反対だ、動議として取り上げるのだからいいじゃないかと言われたような御意見の方々の方でも、大へんあとで、これは国会法等の関係で大きな問題が将来起こるであろうということだけは、私はきょうは結論を出さなくても、これだけははっきり申し上げておかなければならない立場で、これだけ申し上げておきます。
  27. 福田一

    福田委員長 私から一言申し上げますが、いずれその問題については、今後一つ十分に検討して、場合によっては国会法等一つ考えてみる場合もあり得るという程度においてきょうは御了承を願っておきたい。しかし、いずれにいたしましても、考え方としては動議として取り扱っていく、そうでないというとなかなか進まない、こういうことです。  それでは、本動議は、本日の本会議において、同条約審議に先だって議題とすることといたします。     —————————————
  28. 福田一

    福田委員長 次に、本日の議事日程第一、日本国に対する戦後の経済援助処理に関する日本国アメリカ合衆国との間の協定締結について承認を求めるの件及び議事日程第二、特別円問題の解決に関する日本国とタイとの間の協定のある規定に代わる協定締結について承認を求めるの件の議事の順序について、事務総長から説明を求めます。
  29. 山崎高

    山崎事務総長 まず、ただいま御協議願いました条約第一号を撤回いたしまして再交渉を求める動議でございますが、趣旨弁明は、田中幾三郎さんでございます。次いで、反対討論戸叶里子さんがなさいます。採決は起立でお願いいたします。次に、日程第一及び第二を一括いたしまして、外務委員長の御報告がございます。次に、質疑がございまして、岡田春夫さん、帆足計さんが質疑をなさいます。総理大臣、外務大臣が要求大臣でございます。次に、日程第一につきまして、討論がございまして、その順序は、まず第一に、反対の黒田さんがなさいまして、次に賛成の北澤直吉さんがなさいまして、次に反対佐々木良作さんが、次に反対の川上貫一さんがなさいます。次に、日程第二につきましては、反対の稻村隆一さんがなさいまして、次に床次徳二さんが賛成でございます。次に本島百合子さんが反対討論をなさいます。採決でございますが、採決は記名でお願いいたします。
  30. 福田一

    福田委員長 それでは、条約二件の議事は、ただいま事務総長から説明のありました通りに取り運ぶこととし、条約二件及び動議に対する討論時間は、良識に従い、従来の慣例を尊重することとするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  32. 福田一

    福田委員長 次に、本日の議事日程第九に対し、日本社会党の島本虎三君から、また、議事日程第十に対し、日本社会党の西宮弘君から反対討論通告があります。この討論時間も、おのおの従来の慣例通りとするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  34. 福田一

    福田委員長 次に、本日の本会議議事の順序について、事務総長説明を求めます。
  35. 山崎高

    山崎事務総長 ただいままで御決定願いました以後のことにつきまして申し上げます。  日程第一、第二が終わりまして、日程の第三でございますが、地方行政委員会理事の高田さんが御報告になります。共産党が反対でございます。次に、日程第四は、大蔵委員長小川さんが御報告になります。共産党が反対でございます。次に、日程第五、第六、第七は、いずれも修正でございますが、内閣委員長中島さんの御報告があります。共産党がいずれも反対でございます。次に、日程第八、第九を一括いたしまして、社労の理事の井村さんが御報告なさいます。日程第八は、社会党、共産党が反対、日程第九は、社会党、民社、共産党が反対でございます。島本さんが反対討論をなさいます。次に、日程第十でございますが、農林水産委員長野原さんが御報告になりまして、これは修正でございます。社会党、共産党が反対でございます。なお、西宮さんが反対討論をなさいます。     —————————————
  36. 福田一

    福田委員長 阪上君。
  37. 阪上安太郎

    ○阪上委員 私、実は今問題になっておりますガリオア・エロア、それからタイ特別円の両協定について、外務委員会における委員長の質疑終局の手続、これについて非常に不法なものがある、こういうふうに考えておるわけです。ところが、去る二十九日に行なわれたところの質疑打ち切りにつきましては、これはわれわれ社会党と自民党さんとの間で意見が違っておりまして、この件につきましては、打ち切りの動議を出したのだ、それは成立しておるのだ、そこで委員長は打ち切ったんだ、こういう言い方になっておる。それはわれわれは認めておりません。ところが、これは四者会談が行なわれて、そこで何となくうやむやのうちに済んでしまって、結論としては、国会正常化を進めておるこの段階においてああいう混乱状態を起こしたことはまことに遺憾である、こういうようなことでもって一応これはけりがついておる。しつこくは言いません。ところが、昨日の質疑の打ち切りについては、私は、これは明らかに違法である、こういう考え方を持つわけなんですが、委員長におかれて、ああいう打ち切り方は合法とお考えになるか、違法であるとお考えになるか、それをまず伺ってみたいと思います。
  38. 福田一

    福田委員長 合法か、違法かということになりますと、委員会決定は多数決によることでありますから、委員会に出席していた者が多数であって、そしてその決定できまるということになれば、やはりこれは合法と認めないわけにいかぬでしょう。しかし、不当であるかどうかということになりますと、これはお互いに見解の相違も出てくることじゃないか、かように考えております。
  39. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、衆議院規則百四十二条、あるいは参議院規則ですか、これにはやはり明記されておりまして、質疑打ち切りの場合には、質疑が容易に終わらない場合は、委員長委員会に諮り——諮りですよ、または委員からの質疑終局の動議を可決して、質疑終局の動議討論を用いないで、委員会に諮って決する、こういうことになっておるわけです。ところが、きのうのあの状態を見ると、全然そういう手続が踏まれていないのです。これは委員長にばかり申し上げるのもどうかと思いますが、議運としてこんなものを認めるわけにいかぬじゃないですか。
  40. 福田一

    福田委員長 実はこれは各党の意見の相違があるからでありますが、二十九日に自民党は質疑は打ち切ったんだ、こう主張しておる、社会党のお方や民社のお方は、あれはまだ質疑は打ち切ってないのだ、こういう御解釈でありまして、意見が対立しておりましたので、そこで四者会談ということに最後は相なりまして……。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 二十九日はいいんです。
  42. 福田一

    福田委員長 それがありましたから、まああとは政治的な取り扱いということで委員会が進められておったのだと思うのであります。そういう政治的な扱いということになりますと、法律論だけで押してきめていく、問題の黒白をきめるというのはなかなかむずかしいのでありまして、そこら辺は、お互いが国会を正常に運営していくというような立場からいって、これは私はよかったとか、非常にいいことをしたと決して申し上げておるのじゃないのでありまして、今後こういうことはできるだけ一つ慎むようにしたいとは思いますけれども、しかし、そこにおのおの党の立場というものがあって、そして政治的に事を取り運んでいくということになりますと、まあ一つここは御不満であっても、そういうふうに一応進んだことを事実として認めていただいていくより仕方がないじゃないか、かように思っております。
  43. 武藤山治

    ○武藤委員 ちょっと関連して。  阪上先生がおっしゃったことに対するお答えとして、政治的な判断で、できちゃったことはしようがない、今後できるだけ慎む、そういう委員長の御意見はわかりますが、ゆうべの状況を見ておると、政治的な信義というものも全く破れておるのです。というのは、僕も傍聴しておったのですが、委員長は、質問者の岡田さんに対して、あとに質問者もあることですから簡潔に御質問願います、こう言って、ものの十分とたたぬうちに、同一人が質問している最中に、ぱっと打ち切られた。これは四者会談で、公党の立場で信義を約しても、一人の人が質問の最中にぱっと切るというようなことは、どうも信義に反する行為だと思います。国会正常化をみずからこわすような態度に出た。もし政治的な配慮、そういう判断がほんとうに適切に慎重に行なわれたならば、五分前に、あとの質問者がおるから簡潔にして下さいというような、ぺてんにかけるようなことを言わぬで、正式に交代なら交代する時期に切るとか、何かそこらにやはり慎重さが足りぬ、そういう点で不当だ、こういうようなことを、今後やはり議運としては十分各委員長に対しても慎むように、国会正常化という見地からお互いに慎まねばいかぬということを厳重に言い含める必要があると私は思うのです。そういう点に対して、委員長はどうお考えでございますか。
  44. 福田一

    福田委員長 実はその問題につきましては、午前中に皆さんのところの山本国対委員長がおいでになりまして、議長に申し入れがございました。そこで議長はその旨を、実は江崎自民党の国会対策委員長に来てもらって、こういう話であったということを言われた。そのときに江崎国対委員長の言われるには、森下委員長は相当老齢のことでもあるし、最近非常に弱っておられる、ときどき言い違いをするようなこともあったりして——実はこれは国対委員長の言葉をそのまま申し上げるのですから御了承願いたいのでありますが、多数もうすでに質問もされたのでありますから、岡田君、一つ簡単に願いますと言うのを、まだ多数質問が残っておりますからと言ってしまったのであります。どうもまことに申しわけないが、そういうわけだったのだから、一つ特にお取りなしを願いたい、こう言って実は帰られたような事情もございます。この旨を議長からまた山本国対委員長にお伝えをいたしておったようなわけでありますから、一つその間の事情も御了承願いたいと思います。
  45. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そういう国会の運営を、法規典礼に明白に出ている問題について、そういうものまで政治的な配慮ということは私はあり得ないと思う。はっきりしている問題なんです。そこで、たとえば今の問題にしましても、発言時間の制限などというものは、これは昨日の場合はいたしていない、それが一つあります。それから、委員長が弱られていてそういうことを言われたと言いますが、あの場合、ほかに多数の質問がありますので簡潔に願います、こうはっきりと言っておられる。事実上、理事会その他において打ち合わせた質問通告というものが出ておるわけです。このことは議会の委員会における運営の手続として正式に認められておるものなんです。そうだとしたら、委員長は明らかに何名残っておるかということを知っておるはずなんです。言い間違えたとか言い間違えないとかいう問題じゃないと私は思う。それを持っておるはずなんです。そこでそういうことをやって、衆議院規則を全く踏みにじっておるような問題について、まあまあで——これはわが党の淺沼さんもよく言った言葉ですけれども、そんなことをいつまでもいつまでも繰り返しているから、こういう混乱を何回も何回も繰り返さなければならぬ、こういうことになると思うのです。明らかに質問が残っておって、質疑が終了していないのですよ。いま一つは、そういう場合にも、質疑が容易に終わらないということで、委員長に与えられた会議に関する権限というものは、委員長が持っておることはわれわれも知っていますよ。しかしながら、現実に質疑が終了していない。質疑が容易に終わらぬという場合には——あの場合考えられるでしょう。それじゃなぜ委員長はそれを委員会に諮らないのですか。その問題が一つあるのです。それから、あの場合に動議が出ておりませんよ。動議が出ていないのに、委員長委員会に諮らずに、一方的に、簡単に質疑の終局の宣言をしたということは、一体これは何ですか。そこで、私はこれはどうしても納得できないのです。この問題は、ここで何らかの善処方が出てこなければだめです。議運は……。
  46. 安宅常彦

    安宅委員 ちょっと関連して。どうしても言わなければならぬ……。
  47. 福田一

    福田委員長 まず質問に対する答弁をしようというのに、答弁を許さないで質問ばかりやられては……。おっしゃることを何もあれするわけじゃないのです。ただ、一つ一つ分けてやったらいいと思うのです。私は、今の阪上さんの御意見一つの正論だと思うのです。しかし、もしその御意見をあくまでも主張されるのであれば、実は、二十九日のあの打ち切りが不法である、不当であるというところで、そこでうんと主張していただいて、こういうやり方をするのはけしからぬというので一つやっていただかぬと、とにかく一応四者会談で、委員会は開こうじゃないかというところに来てしまったわけです。そしてしかも、質問者がありますから質問を許します、こういうことになったのだから、そこのところはお互いに触れないで進んでしまったような事情になっておる。そこが私が申し上げた、不法とは言えないかもしれない、しかし不当という言葉はあるいは当たるかもしれない。しかし、政治的に討議していったのですから——というのは、あの四者会談でもう一ぺん委員会が開かれない前ならば、あなたの御意見は、私はそのまま一応あるいは聞き入れなければならないかもしれない場合があると思う。しかしそれも今度は、それならば事実問題で一ぺん争っていかなければならぬことにもなるでしょう。そういう意味です。そこで、あなたのおっしゃった、質問者が残っておるのに打ち切るのはけしからぬ、こういうお話であります。しかしこれも、質問者が残っておるから打ち切ってはいかぬということじゃないのですね。同じような質問だという場合には、それは打ち切ってもいいのです。今まで従来しばしばそういう例がありました。だから、それはある。その打ち切りのやり方が少しおかしいじゃないかということになれば、これはまたあれはありますが、まあいずれにしても、われわれとして、これはそうほめたことをやったのだという意味で主張をいたしておるわけじゃないのですから、御了承願いたい。
  48. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで、四者会談の話ですが、これは今くしくも委員長がおっしゃったように、確かに動議提出したという形というものは、事実関係として動議成立したかしないかの問題で、事実関係は明白になっていなかった、これは私はそうだと思います。だからああいう会談になったのです。昨日の場合は、事実関係としてもはっきりしている。そこで、そういうはっきりしたものについて、質疑が終了していなくても、質疑が容易に終わらぬという場合に、委員長に与えられた権限としては、これを打ち切ることができるが、手続としては委員会に諮らなければならぬ、このことははっきり規則に明記されておるのです。そういう手続を踏んでいないという事実に対してまで、政治的も何もあったものじゃない、私はそう思います。そんなことを言っておったら、議運というものは、これは姿勢を正すわけにいかないじゃないですか。
  49. 福田一

    福田委員長 そこで、あなたの方ではそういう御意見を持っておる、われわれの方としては——われわれというと、私、委員長だから工合が悪いのですが、自民党の立場を申し上げると、質疑が済んだのだ、あれは補充質問みたいな程度で扱っているのだ、気持はこういう気持でやっておったのだから、そこで今あなたの言われる成規の手続を踏まなかったのだ、こういうことになると思います。しかし、それらも含めて、皆さんの方は非常にこれはけしからぬからと言うて、きょうすでにきまったように、森下さんの解任決議案を出して、一応そこら辺は明らかにしようと、こう言われて、そこでそういう決議案も出ておることですから、そういう決議案で十分皆さんの御意見をお聞きして、そして今後また議運の委員会において、ああいうときは今後はなるべくこうしようとか、またもう一ぺん御相談をしていただく、すでに鼓を鳴らして攻めておいでになって、解任決議案の前に、もう一ぺんここであまりその問題に深入りするのは差し控えていただいて、そしてその問題について非常に疑問をお残しであれば、もう一ぺんまた適当の機会に、その問題を一つ国会正常化の建前において、十分検討していただきたい、かように思います。
  50. 阪上安太郎

    ○阪上委員 委員長は幅の広いお話をなさいましたが、私わからぬことはありません。けれども、しからば今の問題は問題として、森下委員長解任決議案が可決されれば別として、否決される、否決されたならば、ああいう態度は依然として正しいというふうに判断できるのですか。私はそうはできないと思う。従って、私はここでかき回す意味で言っておるのじゃないのです。議運としては、それくらいのけじめについてはっきりした態度を持たなければいかぬじゃないか、こういうことです。
  51. 福田一

    福田委員長 それも含めて、とにかく今は……。またあと一つこの問題について検討していただきたい。
  52. 安宅常彦

    安宅委員 先ほど、委員長から四者会談の話に触れて政治的云々というお話がありました。これは質疑が当時打ち切られたものと言われておったのでありますが、質疑が打ち切られていない証拠に、その後質疑が行なわれ、多数の人が質疑をしておるのでありますから、心の中で補充質問みたいな気持だと言われましたが、そういうことでない証拠に、そういう質疑が再開された。しかも、森下委員長は、そのとき陳謝をして、二十九日の混乱の事態は遺憾であるということで質疑が再開され、引き続きずっと行なわれた、こういう立場を私は明確にとって、これは国会正常化の意味でそういうことに同じたのでありますから、政治的にどうこうというような表現は、それは当たらないことである。これだけははっきりしておかないと、議事録にそれが残るということは私は許すことができないような気がいたしますから、これだけははっきりとわが党の立場を申し上げておきます。
  53. 福田一

    福田委員長 あのときは遺憾であると言ったわけですから、そこは一つ……。  それじゃ、もうこれで十分この問題については進んでおりますから、先に進めていただきます。
  54. 福田一

    福田委員長 それでは、本会議は、午後七時予鈴、午後七時十分から開会することといたします。  ただし、本日中に、ただいま決定のありました議事が終了いたさない場合には、明六日午前零時五分より本会議を開会して、議事を継続することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 福田一

    福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  暫時休憩いたします。    午後六時五十六分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕