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柳田委員 これは、この
臨時行政調査会委員に関してのみ言うことでなしに、こういう
調査会、
審議会、
協議会、名前はどうあろうとも、各
省庁あるいは
内閣の
諮問機関的機関設置に対して絶えず言う問題ですが、二点あると思うのです。
一つは、この
内閣もしくは各
省庁に設けられる諮問
機関的の存在は、極力これを圧縮して、
国家行政組織法に混乱を起こさざるようにすることが第一点で、
内閣はいつもこの問題を取り上げるのです。
鳩山内閣以来数回取り上げて、その当初においては多少整理され、効果があったやに見えるのですが、いつの間にかまたぞろふえるということになりますと、この
行政組織法自体が非常に権威のないものになってくる。そうしてまた、ある場合には
内閣、各
省庁はこれを非常な隠れみのにして、さも民主的な過程を経たかのごとくこれをもって宣伝するというきらいがなきにしもあらずで、そういう諮問的な
機関は、本来設けないのが一番いいと思う。ただし、この
臨時行政調査会は、法第二条にもあるように、
行政の実態に全般的な検討を加えて、そうして
行政制度全般の
基本的事項を
審議するというのですから、むしろこういう
審議会だけは、それじゃ例外的にでも設けて、そうして現在あるような
各種の
審議会、
調査会、それから
協議会等は、極力これを
一つ圧縮してゼロに持っていくということを期待して、そういう
意味において、私はこの
法律は通っておると思うのです。そういうふうに理解しておきたいのですが、そういう
意味において、
政府の御
意思を第一点は承りたい。
それから第二点は、
委員でありますが、
委員も、この
臨時行政調査会に関係して言うのじゃありませんが、従来からこういう
委員に対しては、こういうきらいがあると思うのです。この
議院運営委員会でしょっちゅう問題になって、
議院運営委員会の
意思としても、これは
政府に伝えてあるはずですが、とかく同一人が
各種の
委員を兼任する場合が多い。そのために、その
委員が真に熱心に、また良心的にその
委員会に
出席されたならば、それは寧日これ足らぬくらいの
委員を兼務されておる。またその
委員の
出席状況を見ると、その割に
出席状況はいい。これはどういうことかというと、おそらく
委員会が始まると、まず
出席しておって、ものの十分もたたぬうちに退席される。要するに、
出席だけはせられるが、実質的な
審議にはほとんど参画されない。こういうことはどうなるかというと、こういう
委員会には、たいてい下に
幹事会というものが設けられる。その
幹事会に
内閣なりあるいは各
省庁のお役人が参画される。そうして
幹事会の
原案に多少
委員が
意見を言った程度で通してしまう。結局、
官僚が
自分の作った
原案に、さも民主的な
運営をされたかのごとき化粧をするにすぎぬという形になるわけです。それでは私は
意味がないと思う。従って、こういう
委員には
兼職をほとんど認めないという基本的な方針は、この
議院運営委員会できまっておるわけです。
また、今度はその
委員の
兼職の数の問題だけでなしに、
人選の内容に入ってくると、やはり
東京に
中央官庁があると、どうしても
東京におる者から
委員を選ぶ。そうすると、
学識経験者といい、あるいはかつての
官僚の古手といい、あるいは財界といい、あるいは
労働界その他の各界にしても、ほとんど同じような人にとかく集中する。これは、まだ
内閣が
保守党から
社会党に、
社会党から
保守党にかわるような場合には、多少
委員の顔ぶれも私は変わってくると思うのですが、十年この方、
保守党がずっと政権をとっておられると、ねらわれるところの
委員というものは、ほとんどきまっているのですから、悪い
言葉でいえば、いわゆる
委員会屋というのが出てくるのです。これでは実際にその
委員をやられても、申しわけ的に——真に実質的に
官僚の作ったものにメスを入れて、大所高所から、この
委員会の目的であるところの結果を出すことはできないと思う。そういう
意味で、極力いわゆる
委員会屋を避けて、
兼職はなるたけ少なくするということに、この
委員会の
意思も決定しておるわけです。
そこで、この
臨時行政調査会の
委員を見て参りますと、個人のことは言いませんが、中には十
幾つ委員会を兼務された方もあるわけです。これでは私はとても能率も上がらないし、実効も上がらないと思う。御
本人その方は優秀な方だと思う。また優秀な方だから、そういうふうに
各種の
委員がその方に集約されると思うのですが、しかし、それにしても、人間の能力には限りがありますから、こういうような十
幾つも
兼職されるような方をわざわざ選んでくるということは、私はこれは問題があると思う。しかし、この
委員会は非常に重要な
調査会ですから、そこで、それならば従来こういう
兼職された方が受け持っておられる部面は
一つ御遠慮願う、そうしてほんとうに重要なこの
調査会に、
自分の御職業の余暇には、やはり全身全霊を打ち込んでいただくというふうにしなければ、私は
意味がないと思う。従って、そういう点に対して
内閣はどうお考えになっておるか。
それから第三点は、数回この
議院運営委員会で確認されておるが、出てくるところを見ると、どうしても
兼職された方にやはり片寄ってくるということですから、今後、こういう
法律に基づくと基づかざるとにかかわらず、あるいは
国会の
同意を得ると得ないにかかわらず、このような
委員に対しては、絶えず
兼職の
有無、そういうことも
一つ十分考慮に入れられて、単に各
省庁、
内閣の
都合のよいような御
都合人事に陥らぬような御
決意がありますかどうか、こういう点を承っておきたい。