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足鹿委員 大臣の退席の御都合もあろうと思いますので、全く要領を得ぬことになって、私も心外に思いますが、いたし方ございませんので、
最後に大臣にお尋ねしておきたいのは、
海外移住行政の問題であります。
先ほど申しましたように、
移住者に対する援護
措置が不徹底でありますために、足元を見て、財産や屋敷をみんな安くたたかれるということに対して、もっと徹底した処置を講じないと困ったことができるということ。それから、
移住関係の機関の相互間については、海協連の補助金は今度は一本にしたという
程度のことであって、官庁同士、民間団体と入り乱れて、非常に複雑多岐であるという現状、これをどう改めていくかということについて、
昭和三十五年末に行政管理庁が勧告を出しておると思うのです。ところが、その具体化につきましては、今日まであまり成果があがっておらない。
ドミニカの悲劇を今後政策と行政にどういうふうに生かしていくかということが、少なくとも
ドミニカ教訓を今後再び繰り返さないという上にも大きな問題であろうと思うのでありますが、おととしすでに行管は指摘しておる。ところが、それが一向具体的に実現しておらないということは、これは
外務省当局の怠慢と申しますか、そういうことにも通ずると思うのです。やはりこれは内閣直属の
移住行政をやる総合的な機関の必要を物語っておるものであって、これを実施に移すべき段階が来ておるのではないか、こういう点を痛切に感ずるものでありますが、この点を大臣はいかに考えておられますか。
また、先ほどの御
答弁によると、要するに財産処分をしたことに対しては何ら
政府は見ないのですか。これは直接
政府の責任とは言いません。ところが、先ほど言いましたように、あなた方の出されたものによって本人たちは行った。ところが、
実情は、持っていったものも役に立たないで、全く無一文になって帰ってきているのですよ。この責任はすべて
政府にあると言っても私は言い過ぎでないと思いますが、少なくとも、就職のあっせんをしたり当座の見舞金を出したりというようなことではなしに、引揚者諸君があなた方に出しておりますいろいろな要望事項があるわけでありますから、これ以上私が申し上げるまでもなく、住居費の問題、家屋の建築をやる場合更生資金を貸し出す、あるいは
移住中に空白になった子弟の教育に対する対策の問題、そういったものをもっと具体的に積み上げて、そして
関係当局と
交渉をされなければ、実際問題としては解決がつかぬのではありませんか。
関係当局とどの点とどの点について話し合いをしておいでになるのか。外相としてこの責任を
感じられるならば、この始末を十分つけていただきたい。もしこの始末がつきにくいということになりますと、今後の移民政策にも重大な影響を及ぼしてくると思います。従来も十分その成果はあがっておりませんが、ことしの
予算を見ますと、海協連の補助金が大幅に上がっておりますね。
移住振興費が
外務省関係で十四億、去年よりも四千九百万ばかりふえております。その中で一番ふえておりますのは、
海外協会への補助金であります。八千三百九十一万、約一億円ばかりふえております。この
程度のことであって、
外務省所管としても、この反省の上に立った
予算とは私どもは考えられない。むしろ、私をして言わしめるならば、こういう事態に対しては、少なくとも、引き揚げてきた者に対してどうするかという項を起こして、その項において、もし不測な事態、本人の責任に帰せざる事由によって、四カ年努力をしてもこういう事態になった場合においては、少なくとも国がめんどうを見るという建前をとるべきだと思うのです。どこを見ましても、送還費というようなものがことし五百万
程度ふえておりますし、外国の刊行物の購入費が去年よりも二十五万ばかり新しく計上をされておるという
程度でありまして、実際問題としてこういう事態が起きておっても、全然来年度の
予算には反映しておりません。従って、これは、一応予備費支出等においてある
程度始末するという方針を立てられて、そうして後に補正とか、その反省の上に立って財政的、
予算的裏づけを当然なさらなければ、この問題は片がつかない。特に、この住宅を百戸建てるということを建設省と
交渉しておるようでありますが、点々と
国内に散在している引揚者がその百戸をいかにして恩恵を受けるかということにつきましても、なかなか問題はありましょうし、また、国民金融公庫から二十七万円を限度として借り入れをする、その他いろいろな融資の
計画をしておるようでありますが、現在、しっかりした農民でも、一般の者でも、無担保ではあらゆる金融機関がなかなか貸しません。それには、利子補給であるとか、あるいは損失補償の
措置とか、国が
相当バック・アップする方法を講じられなかったならば、この問題は解決つかない問題であります。でありますから、あなた方はそういう点を十分検討されて、しかる後、ここまで努力した、その結果大体こういう対案を持ったんだということを、当
委員会でも、また適当な
委員会を通じて発表されると同時に、一方においては、先ほど述べたように、——団体
交渉ということをおそれられますが、必ずしも団体
交渉であってもなくてもよろしい。とにかく引揚者たちが具体的にあなた方と直接の話し合いの場を持たれることは、何らさしつかえないと私は思うのであります。そういう点について、少なくとも、金融については、利子補給あるいはその据え置き期間等を含めた長期低利のものを出す、これに対して国がある
程度めんどうを見る、そういった具体的な点をお示しになって、そうして、何でも
関係当局と折衝中折衝中ということではなしに、明らかにしていただきたい。この問題が起きてからもうすでに数カ月を
経過しておるではありませんか。そうして、また、三月、四月、五月と、続いて引き揚げがある状態でありますから、遷延を許さぬと私は思うのであります。その点を、くどいようでありますが、外務大臣において、少なくとも本日私が指摘をいたしましたような点を中心として、もう少し親切な、もう少し具体的に、
関係当局と折衝中ということではなしに、具体的にこの際明らかにしていただきたいと思います。