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原参考人 私の
現地出張中の
新聞記事について、いろいろお手数をわずらわして相済まぬと思います。それにつきましては、大体実際そのままをここで御
報告を申し上げましたら御了解が得られることかと思いますから、まずちょっとの時間を拝借しましてそのままを申し上げまして、そしてあとまた異論がございましたら御
質問願いたいと思います。
現地へ参りますと、常に
新聞記者がつきまとう。会わぬわけにいかぬくらいつきまとう。また、会って非常に協力してもらうこともけっこうかと思いまして、常に会うのでありますが、今度も
倉吉出張所で
倉吉付近の
新聞記者諸君にお会いをいたしました。しかし、これは会う前にも連絡をいたしましたが、何ら新しく申し上げることもないし、
ニュースもないから、特にお会いしてもどうかと思うという
工合にも言っておきましたが、とにかく会いたいということで、
面会をした次第であります。
面会をしまして、やはり今申し上げる
通りに、特にきょう申し上げることはないのだということを言いましたが、いろいろ向こうとしては
質問がある。どういう用件で
現地へ参ったか、いつもそうでありますが、粗製錬所は一体どうするか、というような
質問が出るわけであります。それで、私としては、
ニュースの提供とか
公社としての
発表というような
意味では全然
面会もしませんし、話もいたしませんが、いろいろの雑談をした次第であります。その
内容につきましては、おもに粗製錬が
質問の中心であったのであります。粗製錬につきましては、話のときには、これは
中間プラントとわれわれは言っておるので、こういう
程度のものを粗製錬所と言うか
試験所と言うか、そういうことは
名前の
つけようだが、という
工合に断わっておきました。ここでもかりに粗製錬と申し上げますが、粗製錬所の
設置については、昨年十月二十五日に
国会で
理事長からはっきりと、三十八
年度には建設にかかりたい、三十九年の中ごろには完成させて、中ごろから工場を動かしたいということを申し上げておるので、
公社役員としては、とにかく今度帰ると五月、六月の期間に三十八
年度の
事業計画や
予算を作ることになるのだから、この際は一応粗製錬所の
予算を作ってみたいと思うというふうに申し上げると、いろいろその
内容についてまた
質問があります。これに対しては、
内容については私は今日何も知らないのだ、わからない。それはただいま
三沢開発部長と
今井冶金部長がそれぞれ詳細に案を作っておってくれるので、大体四月中というような話であったから、今度帰ればいずれお話もあるだろうし、
理事会にもかかることだろう。従って、今日においては自分としては何らその案の
内容については知らないのだ。しかし、前から東海製錬所の方でだんだん
研究をしておるのだから、直接製錬という
やり方、つまり
中間でイエロ・ケーキを一ぺん作ってまたとかすというような
やり方でない
方法、これを
公社で
研究を進めておるからして、その結果も大体東海製錬所の方ではもう完結も近づいておるようだから、これを採用するようなことになるだろうという話が出た。
一体公社がこちらの方へ作るというのは
粗製練所なのか、精製錬所なのか、どうなのかということを聞きますから、その話の間においてこの問題も出た次第であります。続いて、それじゃ
場所はどこかというような話も出ました。これは
諸君御存じの
通り、われわれは今案を作ってみるということだけは絶対間違いない、決心をしているのだが、この
公社の作った案は七月ごろは
原子力局へ持ち出し、また
原子力委員会へかかり、引き続いて大蔵省の方へ持ち込むというような
工合であり、最後は
国会の
予算として通過をしなくてはならぬ問題だから、一体これがはたして
公社の案の
通りに認められるかどうかは全然わからないのだ。冗談半分に、きょう私はこう言っても来年の今ごろ来ると
諸君から笑われるかもわからない、どこかで押えられて実現しなければ
諸君はきっと笑うだろうが、その点は実際わからないのだ。いわんや、
設置場所についてはなおさらわからない。これは神様でもきょうのところではわからぬだろう、これは
予算でも通過して、いよいよ実行するという際に、どこにしようかということをきめるという段取りになるので、慎重に
研究に
研究を重ねてきめることだからして、とうていそれはわかりっこないんだ、という
工合にまず
説明をしておいた次第であります。
従って、この点についての私の雑談というものは、大体昨年の十月二十五日にこの席上で
理事長からお話を申し上げたこと、及び昨年十二月に当
委員会として人形峠東郷鉱山へおいでになった際にそれぞれの
場所で私からもお話もし、難談も出、当時私から
新聞記者にも話したことで、私としては三番せんじの、
ニュースになるようなものではないという
考え方で今のような話を進めた次第第であります。とろこが、
新聞社の方は、何か記事も少なかったのか、ある
程度書いたので、いろいろ皆様に御心配をかけるようなことになった次第であります。
そこで、
新聞記事がうそか
ほんとうかというようなことが、この前の速記録を拝見しますとありますが、あの記事はうそはないと思います。ただ、たくさんの雑談の間からところどころ書いておってくれるのですから、うそではないけれども、非常に誤解しやすい点はあるということを私は言いたいように思います。たとえば、製錬所はどこに作るのだ、こういう
質問ですから、単に、それはわからぬ、これだけ一言いっておけば間違いなかったかもわかりませんけれども、人形峠に作るか、倉吉に作るか、三朝に作るか、
日本海岸に作るか、瀬戸内海に作るか、東海製錬所の方へ持っていくか、そういうことは一切わからぬ、こういうことを私が言った。そのうちから、人形峠か倉吉かわからぬのだ、こういう記事になったと思うのです。従って、読む方の人から見ると、少なくとも人形峠と倉吉と、この二つに限定されたような誤解を受けるということになります。私としては別に新しい
ニュースでもなく、大した問題になることを言ったつもりでもなく、間違ったことを言ったつもりでもない。わからないからわからないと言っただけです。
新聞社の方でも、別に私の言ったことをうそをお書きになったのではなくて、私の言ったことを一部分つまみ上げてお書きになっただけだ。ただ、これを私が見れば、大体私が言ったようなことだな、こう感じて読み取りますし、ある人から見ると、人形峠と倉吉のどっちかに限定したようなふうにとられる。あるいは、製錬所の規模は幾らか。それはほんの
試験だから、あるいは五十トンかもわからぬし、百トンかもわからぬのだ、こういうふうに私の方で言ったことを、百トンぐらいと書いてある。これは大したうそじゃないので、
新聞記事は間違っておると私から申し上げるほどのことじゃないんだが、しかし、読まれる人から見ると、百トンだと言った、こういうふうに誤解を受けるような節があると思います。私はそういう
意味合いにおいては、はなはだ遺憾なことだと
考える次第であります。
なお、この際、あれについて一、二申し上げておきたいのは、
赤澤委員からこの前のこの
委員会で御指摘下さいました用地の問題であります。これは
赤澤委員のおっしゃる
通りに、われわれも非常に慎重を期しております。重大な問題だと思っております。従って、私は、
設置場所はわからないんだというふうなことを言ってぼかすつもりでありましたが、ああいう記事になって
赤澤さんから御指摘を受けたということは、ごもっともと思いますし、まことに同感であります。将来こういう点につきましてはより以上十分注意をいたしまして、
赤澤さんのおっしゃる
通り、事業に支障のないよううまくやっていきたいと思っておる次第であります。
また、齋藤委員からの御
質問で、直接製錬ということにきめたのか、きめるのは不都合じゃないかという
意味かと思いますが、これは直接製錬という
名前はどうかわかりませんが、その
内容については前回今井
理事から申し上げました
通りであります。何といったって、世界でまだやっていない問題だし、私はこれは非常にりっぱなものだと思いますが、これをここ一、二年かかって熱心に職員がやってくれたのですから、今度の人形峠に
中間プラントを作るとすれば引き続いてこの
方法でやってみたい、こう思うことは御無理はないと思いますし、職員、
公社といたしましても結局そういう方に進むのが順当じゃないかと思います。従って、現在
公社の中で今井
理事や三沢
理事が作っておってくれる案も、おそらくそれを中に入れての案かと思います。しかし、私が直接製錬法を用いた製錬所を作りたいんだということを言ったのは、そういう案を作るということを申し上げただけで、それをもって、
民間のその他のりっぱな案ができた際にそういうものを排除しようという
意味合いでは全然ございません。
予算そのもの、案そのものを、
原子力局以上いろいろの機関でいかようにも修正し、否認されることもあるのですから。直接製錬法そのものにつきましても、案を立てるわれわれとしましては、何だかわかけがわかりませんがやりたいでは通らないので、案を立てる以上は今まで
研究しておったものを生かして
一つ中間プラント案を立てるということにいたしますが、これが局へ持ち出し、
原子力委員会へかかり、あるいは皆さんの御審議の結果、いやそれ以上もっといいものがあるのだ、それはこっちの方がもっといいんだという場合においては、これはいかようにも御変更になるようなことを何らはばむ
意味で私は申し上げたのではないのであります。これは当然そういういいものがあれば、
公社の性質からしても、そういうものを取り入れても、やはり
中間プラントを作るとか、
研究を連めるとかいうふうにやるようになるのが常識であろうと思うのであります。従って、齋藤委員の御
質問に対してちょっと弁解をいたしたいのは、私が直接製錬法でやりたいと思うというのは、そういう案を立てるという
意味合いでありまして、それ以後においていろいろりっぱなものができてきた、それを排除しよう、あるいは原子力基本法、または先日の
原子力委員会の統一見解にあるところの
公社と
民間とをいろいろ
研究の結果、いいものが出れば比較対照してみてきめるのだというようなことを別に否認するものでも何でもないのであります。どうかその点につきましても御了解を願いたいと思う次第であります。
ただいまの
赤澤さんの御意見で、
理事長と副
理事長と違った
考え方ではないかというような御
質問でありまするが、そういう点については全然ございません。私が現場において
発表したことはむろん
理事長の示された範囲内、
原子力局や
委員会及びその席上で皆さんの御了解下さったこと以外には一言も申しておりません。それ以上のことを全然新しい
発表、新しい企画などというようなことでなまいきなことはしていないつもりであります。まじめに女房役を勤めておるつもりでありますし、
公社の中はすこぶる
理事の間でもなごやかで、今御心配のような点は全然ございませんから、御安心を願いたいと思う次第であります。