○齋藤(憲)
委員 そうすると、私の従来考えておった
見当と
見当がだいぶ違うですね。というのは、
原子力委員会が
予算を
通産省につけて、
通産省が
候補地を全国的に調べるということにも私は疑義がある。
通産省というのは、そういう能力があるかないかということです。
原子力局でもそういう能力があるかないかとわれわれは危ぶんでいるのに、
通産省が
原子力発電所の
候補地を
調査する。
原子力発電課というのは公益事業局の一課ですから、私はまことに微々たる能力しかないと思う。そうでないのじゃないか。
原子力委員会は
政策を
決定する。その
政策の中には、十カ年間に百万キロワットの発電をやるという
政策を
決定した。そうすると、この
政策決定の実行は行政庁である
原子力局に移って、
原子力局が全国的に
候補地を
選定していく。しかし、公益事業局に
原子力発電課というのがあるから、これにも補助的にやらせる。従来の発電という観点からやらせる。しかし、あくまでも主たるイニシアチブは行政的には
原子力局が持つ。それから、
政策的には
原子力委員会が持つ。そういう
候補地の中から、今度は
原子力発電株式会社がその他の立地条件として、じゃここがいいとか、あそこがいいとかいうふうに選んでいく。そういう
段階でこの
原子力発電
候補地というものは推進されるものだ、こう思っておったのですが、今のお話だとだいぶ私の考え方と違うのです。これはここでは論議を重ねませんが、そういうところに統一見解をはっきり出していただきたいと、こう私はお願いをしたわけなのです。先ほど
原子力委員会の再任の方のごあいさつもございましたが、せっかく今度またお勤め願うわけでございますので、そういう点に強力な線を出していただかないと、いつでも問題はもやもやしてしまう。とにかく
責任が大きくなってくると、どうもこれは
原子力委員会の問題じゃないとか、そういうふうになっちゃ困るのです。とにかく、
原子力委員会というものは
政策を
決定する。
政策という字は、上は国政から、下は町村の問題に対しても、一切
政策というものはあるわけであります。特に
原子力平和
利用に関しての
政策ということは、これはよほど強力な線を出していただかないと、先ほど
岡委員のお話がございました
通り、民間も戸惑って、そして
原子力一切の事業というものがスロー・ダウンの形になっていくわけです。線が弱い。線が弱いということは、従来大局に立った
政策という線に力を出してないで、小さな事務的なことばかり。事務的なことだとあまり
責任がないわけです。ですから、われわれから見るとそういうふうに見える。そういうことをわれわれは
原子力委員会に要求しておるのじゃないのです。大きな、世界的に推進していく
日本の
原子力政策というものをはっきり打ち出してもらいたいということが、
原子力委員会に対しての要望であって、企画、
審議、
決定権というものは付与されておるわけであります。今度またお勤めを願うのでございますから、そういう線を
一つ責任を持ってどんどんお出しを願いたい。これはお願いでございます。
ついでに
一つ、
原子力委員の方々と
原子力委員長にお尋ねいたしたいのでございます。これは従来からの問題ででございますので、
原子力委員の方を今のように私が一生県命になってプッシュしても、この間の
原子力局長の御答弁の中には、私は
原子力行政を担当する
責任の地位にあると同時に
原子力委員会の事務長であります、こういう答弁が速記録に載っておるのです。あげ足をとるのじゃありませんけれども、現実の姿がそうだ。そして、
原子力局と
原子力委員会の所掌事務は同じことが書いてある。ただ、
原子力局の方には
政策という字がない。同じことをやれるのです。ところが、同じことをやれる権限を
原子力局長は放棄して、
原子力委員会の事務長になっておるのです。そこに、長所かもしれませんけれども、非常に大きな欠点が生まれてきておると私は思うのです。ですから、結局
原子力委員会に持っていく問題は、行政事務を持っていくのです。事務長は
原子力委員会に問題を持っていくのです。
原子力委員会には手足がないから、つい
原子力局から持ってきたところの事務的な小さな問題を抱きかかえて、そして重箱のすみをようじでほじくり始める。これをやり始めたら、毎日
原子力委員会を開いても大局の
政策というものはなかなか打ち出しにくくなってくるのじゃないか。ですから、私は長官にお願いしたいのは、
委員長としてお考えになって、
原子力委員会に事務局をつけてしまう。そして、事務局と
原子力局とにしょっちゅう問題に対して論争をさせる。それを
委員長が長官として見ておって、ピックアップすべきものは、ピックアップする。そして
原子力委員会は
原子力委員会の総意として、大きな問題を事務局に検討を命ずる。私はこれは
原子力委員会の方々に伺ったことがないのですけれども、
原子力局長は事務長だと言っておるけれども、やはり官制におけるところの
原子力局長ですから、
原子力委員の方々も電話一本で、おい、ちょっと来いということはやれないだろうと思う。つい遠慮がちになってしまうと、
原子力委員の方には手足が
一つもない。そういう
原子力委員会の活動において、組織の上において大きな欠点があるのじゃないか。これはしばしばこの
委員会において論議されたところでございますが、こういう点に対して、御就任以来長官として、
委員長として何かお考えになったことがございますか、どうですか。