○
三木国務大臣 これは池田・ケネディ会談で突如として——突如としてという
言葉を使ってもいいと思うのですが、前からこういう予定ではなかったのです。それが会談の結果、こういう
委員会を置くということになったのであります。しかし、その
趣旨はけっこうなことだ、国際的な
科学技術の
協力ということ、これは進めていかなければならぬ。そこで、その
趣旨に沿うて第一回の
会合をやってみようということで、ああいう形でやったわけであります。しかし、日米が
科学技術の面で
協力するためにはどういう仕組みがいいか、どういう仕組みで
協力するならば実績が上がっていくのか、それをお互いに研究しよう。そうして、そのできた結論に対しては、政府に対してこれを勧告といいますか、これは両方の最高首脳者がきめたのでありますから、しかもその
委員会できまったものは、当然に両国の政府はこれを変更しなければならぬモーラル・オブリゲーションはあるわけですから、そういう
意味において、やはり相当この結論に対しては影響力を持っているわけであります。そこで第一回をやって、第一回の結果、御承知のような三項目ですか、人事の交流とか、情報の交換とか、共同研究とか、こういう問題があるわけです。共同研究の中でも三つばかり項目をあげたわけです。そこで今やっておる作業は、項目ごとに
日本で主査をこしらえておるのです。それで、人事の交流には、
日本側の主査はだれ、
アメリカでも主査をこしらえる。両国においてどうすれば日米の
科学技術の面における
協力というものはうまくいくか、どういう仕組みがいいんだろうかということを研究しておるわけです。ガンの問題にしても、ただ両方の代表が寄って、そこで研究するというのではなくして、
日本はどういう分野を研究の中で受け持ったらいいだろうか、
アメリカはガンの面においてはどういう部門を受け持ったらいいであろうか、どうしたならば共同研究の成果が上がるであろうか、これを今両方で作業しておるわけです。第一回のときは、今言ったように、準備があってやったのではないですね。急にできたものですから、正直に言って至って準備は悪いです。そこで、一回やってみていろいろな経験ができたものですから、今度それだけの準備を整えて、ワシントンに行ってお互いに研究すればもう少し具体化する。私の
考えは、これは今は第一回を任命したわけで、しかし向こうが七名しか来ないのにこっちは十何人も行くのはよろしくないから、こっちも今度は七名ぐらいにしようと思う。そんなにたくさん、向こうとバランスのとれないような人間が行くことはよくない。七名ぐらい行って、そして両方がもっと準備を整えた上でいろいろディスカッションをやって、そこで
一つの恒久的な——今はだから、第一回が任命した
委員は第二回のための準備を引き続いてやっておるということですね。二回に行くときには十四人全部に行ってもらうわけではないのですから、第二回の
会議には新たにそういう人を任命して、その
委員がワシントンに行くわけであります。だから、第一回の
委員の任務が終わるのは、第二回の
会合の準備が整えばそこで終わることになると私は思います。しかし、今後は、そんなに一回ごとに人がかわるようなことでは成果も上がりませんし、
アメリカはかえないでしょうから、この二回の
会合で
一つの恒久的な
委員会にしたらいいと思うのです。そしてまた、
日本の希望も入れて、皆さんの御熱心にときどき主張される台風とか地震とか、こんな問題も太平洋学術
調査の中には入れたらいい。そしてそういう合同
委員会でこういうふうにすべきだという勧告を受ければ、それをやるのはこういう
委員の人たちがやるのではないですからね。これをやるのは行政機関がやる。そこで、私などの
地位についても、今思案にくれているのです。(笑声)どういう
地位がいいのか。あるいはオブザーバーというのもおかしな話で、窓口は
外務省でいいと思います。しかし、この
委員会の推進に対しては、もっと
科学技術庁が
責任を持たないと、
外務省は
科学技術のスタッフというものは、ちっとはおりますけれども、
外務省は弱いですからね。そういう点で、もう少しやはり
科学技術庁が実質的には
責任を持つべきだと私は思っている。しかも、それは二回目の
会合を通じて、日米でもう少し
委員会をきちんと固めて、事務局のようなものを置いた方がいいと私は思っているのです。そういう形でこれを固めていきたいという私の
考えであります。そういう
考えでおるわけであります。