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河野(正)
委員 実は私はいま課長が御
答弁なさったことと反対の
意見を持っておるわけです。と申し上げますのは、これは後ほど若干触れてみたいと思いますけれども、
大学で勤務いたします公務員の身分の問題等が関連してくると思うんです。そこで、私も長いこと
研究生として残っておりましたが、長いこと無給なんですね。そこでむしろ、私は社会的通念からいいますと、紹介
論文の方が若干のお礼をして、無償で働いておるのですからそちらの方がむしろ謝礼をしないというのが、どうも社会的常識ではなかろうかというふうに私どもは
判断するわけです。ところが、今度三重の場合を取り上げたのは、紹介
論文について収賄があったということで取り締まるわけです。ところが、今申し上げるように、むしろ紹介
論文の方が謝礼をすることが社会的通念ではないか。というは、学内では、今の
大学院制度もそうでしょう、月謝を払ってやっておる。私ども戦時中は特別学生は月給をもらっておりました。ところが、今の
大学院の学生は、御存じのように月謝を払わなければならないというような状態でありますので、むしろ今課長が御
答弁なさったような観念は、私どもの社会常識から見ますと、少し食い違っておるのではなかろうかというふうに
判断するわけです。そこで、やはりこの問題は一がいに紹介
論文がよいとか悪いとかというような
判断はつかぬのではなかろうかというように私どもは考えます。
と同時に、これは
松前先生の方からいろいろ御要望が出て参りましたが、特に最近の
傾向によりますると、学外の
研究機関が非常に優秀になってきた。これは医学に限らず、すべての
科学技術が経済の成長とともに非常に優秀になってきた。そこで、従前は
大学におれば最高の
研究ができるというような格好でございましたけれども、最近は必ずしもそうではない。かえって学外に出た方がりっぱな
研究ができるというふうな実情も生まれてきておるわけです。そこで、そういう
意味からいいますと、
大学と
大学外との
研究の交流、こういう必要性というものが当然出てくると思う。そういうことになりますと、やはり今の紹介
論文というふうな問題が、そういう事情を考えて参りますと非常に大きな意義を持ってくると思う。これは今の
科学技術が非常に
進歩するというような状態の中では、
大学の学内だけの
研究では十分と言えない。学外の
研究とも両々相待ってりっぱな
研究を育成していくということになりますと、どうしても
研究の交流の必要性というものがある。そうなりますると、今問題となりました紹介
論文というような形式が当然大きく浮かび上がってくるということになりますと、こういう問題も、事件として非常に社会の批判をこうむって参りましたけれども、やはり一考すべき問題でなかろうかというふうに実は思うわけです。ただ、そういう紹介
論文のやり方に対しまする認識が、課長と私の方が若干食い違っておる。そういう点に対しましてどういうふうにお考えになりますか、お答えを願っておきたいと思います。