運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1962-02-28 第40回国会 衆議院 運輸委員会都市交通に関する小委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年二月二十八日(水曜日)    午後一時十五分開議  出席小委員    小委員長 關谷 勝利君       伊能繁次郎君    壽原 正一君       高橋清一郎君    細田 吉藏君       井岡 大治君    久保 三郎君       肥田 次郎君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁保安局         長       木村 行藏君         運輸政務次官  有馬 英治君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君  小委員外出席者         運 輸 委 員 福家 俊一君         運 輸 委 員 堀内 一雄君         大藏事務官         (主計官)   海堀 洋平君         大蔵事務官         (理財局地方資         金課長)    堀込 聡夫君         運輸事務官         (鉄道監督局民         営鉄道部長)  佐藤 光夫君         建設事務官         (道路局次長) 高田 賢造君         自治事務官         (財政局理財課         長)      茨木  広君     ————————————— 二月二十八日  小委員堀内一雄君同月二十日委員辞任につき、  その補欠として伊能繁次郎君が委員長指名で  小委員に選任された。 同日  小委員細田吉藏君同月二十二日委員辞任につき、  その補欠として細田吉藏君が委員長指名で小  委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  都市交通に関する件      ————◇—————
  2. 關谷勝利

    關谷委員長 これより運輸委員会都市交通に関する小委員会を開会いたします。  都市交通に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。壽原正一君。
  3. 壽原正一

    壽原委員 先般の質問で、最後警察庁に対して私はなぜ自家用規制ができないかという問題の答弁を求めておったのですが、きょうとりあえずその答弁だけを聞かしていただきたいと思います。
  4. 木村行藏

    木村(行)政府委員 先般お尋ねいただきまして、答弁が必ずしも納得をいただけなかったのでありますが、その後私どももいろいろ慎重に検討いたしまして、実際卒直に申し上げますと、自家用あるいは自家用乗用車についても何とか直接規制ができて、その面で東京都の交通混雑緩和というものを推進していくということができますれば、非常によろしいと思うのでありますけれども、実際卒直に申し上げまして、自家用車、ことに乗用車というののは千差万別で、その用途目的も、乗る人あるいは運転する人によって非常に種々雑多でありまして、その間の緊急性なり公共性なりあるいは社会的な効用なりというものを勘案するにつきまして、なかなかむずかしい問題がありまして、考えあぐんでおるわけであります。と同時に、自家用乗用車は特に昼間においての需要が大部分でございまして、従いまして警視庁考えておりますような一応の案ということで、夜に交通流れをある程度回して、昼の流れ緩和していくという考え方からいたしますと、この自家用乗用車などを夜に回すということが、結局自家用乗用車運行使命といいますか、乗用車用途使命自体が大半くずされていくという場合がきわめて多いと思います。そういう意味合いにおいて非常に自家用乗用車規制は至難に近いと思いますが、しかし、何らかの方法で、やはり自家用車あるいは自家用乗用車東京都内混雑に対して原因になっておるわけでありますので、たとえば駐車禁止区域というものもここ一両年相当広めておりますけれども、さらにこれを相当広めていって、その面からやはり自家用都内混雑した流れに入り込むのをだんだん押えていくということも考えていく必要があろうかと思います。また、現に、浅草六区なりあるいは新宿の歌舞伎町なりで、自家用乗用車を含めて全自動車のその区域に入ることを一定時間禁止しておりますけれども、そういような場所も逐次状況に応じてふやしていくということが考えられていくべきでないかと思います。幸いに先日陸運局の方から、警視庁に、陸運局一つ考え方として、自家用乗用車、ことに大型外車についての通行制限について一つ考え方を出しておられます。これらについても、私たちも、一つの有力な考え方として、一緒に頭を合わせて研究して参りたいと思っております。
  5. 壽原正一

    壽原委員 どうもめんどうだからできないという言葉に尽きるようですが、あなたが今お話ししたように、きのう陸運局から規制案というものについての考え方を出された。これについてはよく考える、いろいろ研究しようというお言葉のようですが、けさ新聞を見ますると、警視庁言葉警察庁のあなたの言葉とは、だいぶ隔たりがあるように見受けられる。警視総監は、これは絶対にやるのだという前提のもとに立って、この案を進めておるように考えられるのです。ただいまあなたの言葉を聞くと、これは陸運局の案も入れて考えるのだという、非常に前進した考え方を持っておるようで、その点については私らもいろいろ研究の場もあろうというふうに考える。ところが、けさ警視庁考え方を聞くと、必ずしもそうでないというふうに考えられるのだが、そういう言葉食い違い考え食い違いがあるかどうか、これをちょっとお聞きしたい。
  6. 木村行藏

    木村(行)政府委員 私が申し上げましたのは、陸運局の出された考え方というのは、一つの研究問題として出されたものだと思います。しかも関係行政庁として正式に出された意見でございますので、これらの問題についても当然警視庁で真剣に検討してみるべきではないかと思います。その意味合いにおいて、警視庁警察庁食い違いはありません。ただ、私ども実際今お答え申し上げましたけれども、自実用乗用車大型外車についての通行制限陸運局案というものについても、いろいろ問題が残っているような気がします。それらの問題を詰めていかないと、ちょっとこれがいいとか悪いとかいうことは言いにくいので、若干疑問を持っているということで御了承いただきたいと思います。
  7. 壽原正一

    壽原委員 それではちょっと具体的にお尋ねするのだが、もしこの規制を強行した場合に、この規制内に入ったという自動車に対しての処罰条項とかなんとかいうものを、あなたの方では考えていますか。これに当てはまる条項があるのですか。
  8. 木村行藏

    木村(行)政府委員 自家用外車についての規制をだんだん詰めていきますと、用途別でやるという場合に、若干いろいろな問題がありますけれども、今回の警視庁考えている案なり、あるいは陸運局の出された案なりにいて現行法規でやるとすれば、道交法第七条しかございません。事態が割合に切迫しておりますので、法改正ということではなかなか事態がきびしい場合でありますので、現行法でやるとすれば道交法の第七条でやりまして、第七条には罰則がついておりますので、当然その罰則の適用を受けて取り締まりをする場合が出てくると思います。
  9. 壽原正一

    壽原委員 もし違反して、罰金条項もあって、罰金を取るということになると、憲法上の権利からいくと、営業という問題に対して損害金賠償という点が考えられる場合が起きてくるわけです。その場合に、この条項の違反で罰金を取るのだということになって、もし営業車罰金が課せられるということになったら、営業車がこうむる損害という問題に対してはどういうふうにお考えになっているか。
  10. 木村行藏

    木村(行)政府委員 道交法第七条によります通行禁止制限、都の公安委員会がやるわけでありますが、これは御案内の通り道路状況を見まして、当該道路状況に応じまして、危険防止、あるいは交通の安全なり円滑化をはかるために必要な場合において、当該道路について期間を定めて公安委員会通行禁止または制限をすることができるということで、その交通の障害を除くために道交法上の目的に従ってやっておりますので、それによっていろいろ影響がある場合に、損害賠償ということは、じかには国家的には責任を負いかねるのではないかと思います。
  11. 壽原正一

    壽原委員 私の調べたところによると、法制局見解ですが、もしその規制内に入って営業車罰金を取られたという場合には、その規制を受けたための損害というものに対して、損害賠償の請求の権利を生ずるというような法制局見解のようですが、あなたの考えだと、ここへ入ってはいかぬ、ここは通ってはいかぬというのでとめた場合に、その責任はない。営業というものは要するに認可事業、その認可を受けて道路を使用して営業しているのですから、これを勝手にとめられて、そしてその損害をあなたの方では全然負えないということになったならば、この損害は一体だれが負うべきかということも考えてやらなければならぬ問題である。それから、そういう問題はともかくとして、あなたの方の言葉を聞いていると、これはこの間から再三言うているのですが、絶対やるのだという前提のもとで、一歩も引かぬような態勢をしいているように考えられるのですが、懇談をするというような考えはないのですか。
  12. 木村行藏

    木村(行)政府委員 この前の答弁で、あるいは私の答弁が寸足らずで御理解いただけなかったかと思いますけれども、やはりこういう大問題でありますから、従いまして、警視庁としても警察庁としても、当然関係行政庁なり関係業者ほんとうにひざを突き合わせて懇談すべきだと思うのです。一歩も退かぬということは絶対にないと思います。やはり取り入れるべきものは取り入れまして、実際にこれを運営する場合にいろいろ問題があると思います。いろいろな問題を詰めて、その上でやはり実施に移るべきだと思います。
  13. 壽原正一

    壽原委員 御懇談をするというような御意見でしたから、その点については後ほどまたいろいろ御相談もあるでしょう。  そこで、その観光バスについての問題。この間国鉄の意見も聞いた。それから全国のPTAの状態も聞いて、そしてとうていそういう規制を受けたのでは、観光バスの用をなさぬということがはっきりした。そういうはっきりしてきている問題に対して、新たにあなたがその後考えてみたか、どうですか。
  14. 木村行藏

    木村(行)政府委員 この前ここでいろいろ御質問があり、また参考人から熱烈な御意見がありましたことは、つぶさに警視庁にも具体的に連絡しました。交通部長に来てもらいままして、いろいろ伝えたわけでございます。従いまして、たとえば観光バス、四時から五時まで、ラッシュ・アワーのピークだけを避けていただくという案ですけれども、実際のこれを運用する場合には、若干いろいろ息抜きをする方法もあると思います。それらについては具体的な話に応じようということで考えておりますので、これはほんとうにお互いに冷静に話し合っていくべきではないかと思います。
  15. 壽原正一

    壽原委員 あなたのここでの答弁は、まことに建設的でいいというふうに私は考えますよ。だけれども、新聞紙上によると、警視庁は絶対に引かないのだということが前提のように、けさ見たばかりです、新聞を。絶対に引かないのだ。運輸省ではこういう案を出してくるとは考えなかった。運輸省にこういう案を出してこいということを頼んだのではない。運輸省意見を聞くために言うただけで、こういう意見書を出されるということは想像もしなかったということを書いておったが、あの新聞記事が誤りであるかどうか。あなたの答弁を聞いていると、非常に運輸省とはうまくいくと言うが、一方警視庁ではそういうふうに考えてはおらぬようだ。その記事が誤っておるか、それからあなたの答弁警視庁と食い違っておるのかどうか、こういう点を一つ……。
  16. 木村行藏

    木村(行)政府委員 新聞記事を私正確に拝見をしておりませんので、新聞記事が正しいとも間違っているとも申し上げかねますが、私きのう原警視総監に会いまして、彼の大体のムードも聞いたわけであります。こまかいことについてはまだ警視総監段階に行っておりませんから、部長なり警視庁課長で問題を詰めております。しかし、原君のムードとしては、聞くべきものは若干あるということは言っております。ただ、少し具体的に言って若干あるいは論議の種になるかも知れませんが、運輸省のあの案で一番問題は、夕方と朝方のラッシュ時の二時間だけとしているわけです。あれは、警視庁としては、実際交通規制をやる場合非常に問題が多かろう、これはとても応じられない、こういうことははっきり言っております。その他の問題についてはこれからの問題だと思います。
  17. 壽原正一

    壽原委員 ここに新聞がありますけれども、「運輸省案でまた波紋」、こういうことで、警視庁運輸省の案に対しては机上案だといって批判的になっている。こういうことになってはっきり新聞に出されてしまうと、ほんとうにこの問題が真剣に考えられるかどうか、ほんとう相談し合ってやるのかどうかという疑問を抱かざるを得ないということになる。そこで、あなたに再三、再四私は申してきたのだが、絶対やるのだという力で押し切るというような政策当局はとるべきではない、よく懇談しなければいかぬということも再三言っている。ところが、出てくる新聞全部が力をもってこれを押し切るのだという印象を与えているということは、あなたの方の発表の仕方がまずいか、ほんとうの心の底はそういうふうなことでやり切るのだと、意地になっているように私は考える。警視庁面子——警視庁は、どうしてもこれはおれの言い出したことだから、間違っておらぬのだから、絶対力でもって押し切るのだというような考えに全般的になっておるのじゃないでしょうか。
  18. 木村行藏

    木村(行)政府委員 東京陸運局長から直接きのううちの交通部長にこれを持ってきて、一つ相談の材料になりたわけです。警視庁事務当局としましては、この案だけを見たのでは、なかなかまだ詰めていない問題がたくさんありまして、少し問題が残されている、大綱にすぎないのでいろいろ疑問がある、その点でまだ十分でないという意見は確かにあります。そういう意見新聞社の方が来ていろいろ聞くと、いかにももうこれはめちゃくちゃな案で話にならぬというふうに印象づけられたかもわかりませんが、若干そういう気分はあることはありますので、できるだけそういう気分はだんだんほぐしていって、そしてもう少し冷静におおらかな気持で話し合いができるように私も努力したいと思います。
  19. 壽原正一

    壽原委員 あなたの言葉を信頼しましょう。間違いなくそういうことでいろいろな影響のある個所については必ず話し合いの場を持つ、そうして円満裏にこの大方針を貫くという基本線だは変えないでほしい。  私はこれで質問を終えますけれども、最後に、観光バスの問題に関してだけは、あなたはこの間からいろいろ意見を聞いて、その影響の大なることだけはよく認識していっているはずですから、この問題については、現在までとられてきておる業種別規制という問題を、車種別規制というふうに完全に方向を踏み切ってもらわなければならぬ、業種別規制というのはほんとうに及ぼす影響が大衆ですから。自家用にたった一人乗ってそこらあたりへ物を買いに行って、駐車場をこしらえておかなければ、車はからっぽでどんどん走っておるのです。町の中をからっぽで走っているのは、全部下ろした人を何十分後かに迎えに来いというのを、とめておくところがないから走っている。そういう車が何万台となしにあるのですから、そういう車をまず考えなければならぬという問題。それから、この業種に与える影響というものも、これは一般国民生活の各階層、階級に及ぼすものが非常に大きいのです。上層階級の人は全部自家用を持っておる。下層階級の連中は、用足しに行くのでもぜいぜいよくてタクシー、観光バス、そういうものを使っておる。そういう意味合いもよく考慮して——将来の交通規制というものはこのままではとうてい済まされない。一体こういう世論を逆に喚起しなければならぬというような政策をとるということは、あなたの方に力で押し切ろうという魂胆があるからそういうふうになるので、そういう行政のあり方はよく考えて行なってもらわなければならぬ、こういうふうに私は一言あなたに申し上げて、同僚議員質問がたくさんあるようですから、きょうはその程度で私はやめておきます。
  20. 關谷勝利

  21. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 本日の新聞に出ております問題につきまして、ただいま壽原委員から御質問がありましたが、私は政府部内で何か意見の対立があって非常にもめておるような感じを受けて——これは事実以上に新聞に出ておると私は思いますけれども、非常に残念なことでございまして、こういう状態では、いたずらに国民も不安になって参りまするし、混雑しておる交通が解決がむずかしくなるのじゃないかと思うのでございます。そこで、政府部内全体に特に御要望申し上げておきたいと思うことは、この問題について今後——もちろん勝手に書かれる場合はしょうがないと思うのですが、この問題は、警察側といわず、運輸省側といわず、あるいはほかの省といわず、よほど慎重に扱われる必要があろうかと思うのでございます。これは答弁をしていただくまでもないことでございます。同じ政府部内でございますから、誤解の起こらないように、十分関係政府のそれぞれの部局で御注意をお願いいたしたい、こう最初に申し上げておきたいと思うのでございます。  そこで、初めに、いわゆる運輸省案といいますか、東京陸運局の案ですか、よくわかりませんが、本日の新聞に出ておりますいわゆる省の案ですか、陸運局案ですか、これはどういう性格のものであり、どういう内容のものであり、今後どういうふうにしようというつもりでお出しになったものであるか。そういう点について、前提としてまずお尋ねをいたしておきたいと思います。
  22. 有馬英治

    有馬政府委員 ただいまの御質問でございますが、運輸省といたしまして、きょう新聞に出ておりますいわゆる運輸省案のごとく言われておりますものは、警視庁とのこの問題についての折衝段階におきまして、東京陸運局がいわば試案として持って参りまして折衝に当たっておるその段階のものでございまして、いわゆる大臣を中心にして協議をしてでき上がった運輸省案ではございません。また、この陸運局の持って参りました試案ということについて、上級官庁であります運輸省自動車局においては相談に応じておると思います。詳細につきましては自動車局長から御説明を聞いていただきたいと存じます。
  23. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 昨日陸運局警視庁相談に持って参りました案につきましては、ただいま政務次官から申し上げました通りでございまして、運輸省といたしましても、東京都のみならず、大阪あるいは大都市の交通混雑緩和対策として、いろいろ警察当局にお願いして、方法を講じてもらってやってきておるのでございます。また、われわれとしましても、事業者に対する指導を徹底いたしまして、できるだけその方向指導を強化して参っております。しかし、特に東京都につきましては相当思い切った規制をやらなければ、これだけ車が輻湊しておる道路交通においては、交通の円滑は期せられないであろうということをかねて考えております。この問題が内閣に以前からあります交通対策本部で取り上げられ、さらに交通関係閣僚懇談会でこの問題が取り上げられまして、しばしば内閣対策本部におきましても私出席しておりましたが、相当強い規制をやらなければいけないだろうということは主張して参ったわけでございます。そこで、先般警視庁から一応の試案というものが出たわけでございまして、これにつきましては、運輸省のみならず、建設省あるいは関係各省と十分検討し合って、そして最終的にいいものを作って実施してもらうという話し合いになっておるわけでございます。その線に沿いまして、この警視庁案を最終のいい案にしてもらうために、運輸省としては、当面の責任官庁であります東京陸運局をしていろいろ検討をさしてきたわけでございます。昨日持って参りました案は、その試案でございまして、この相談には私ももちろん加わって、いろいろ陸運局意見の交換をしたわけでございます。  そこで、昨日持って参りました私の方の陸運局試案というものの考え方を申し上げますと、道路における輸送というものを通じまして、その地域の人々の産業経済活動あるいは日常生活というものがまかなわれており、非常に重要な使命を持って行なわれておるわけでございますので、本来の道路というものは自由に交通の便を提供し得るというのが目的でございますが、これを逆に、道路がありながら、そこの交通制限規制しなくちゃいかぬということは、これに逆行するわけでございます。それの影響するところ、結局産業活動あるいは経済生活日常生活に非常な影響があるわけであります。そこで、そういう意義のある道路上の交通というものを規制するときには、何を原則にして考えていったらいいか。今後こういった規制が必ず他の地域においても行なわれるであろうということをあらかじめ考えまして、一つ原則というか、基本方針というものを持ちまして、常にその方針、その原則に照らし合わせながら、具体的な規制案というものを作っていかなければ、方向を見失ったり、横道にそれるおそれがあるということを考えておるわけであります。そこで、この基本的な考え方といたしましてまず第一に考えましたのは、通行規制の前に駐車禁示区域を拡大するという、これがまず強化されなければいけないということを考えておるわけでございます。しこうして、この駐車禁示区域の拡大がさらに強化され、それに並行して次の交通規制というものをやるべきではないか。ということは、交通規制が何と言っても影響するところが大きいからであります。この交通規制をやりますにつきまして、三つ原則というものを常に考えてやろうじゃないかというのが考え方であります。第一は、産業経済及び住民の社会生活への影響最少限度にとどめる。第二点は、規制の効果をできるだけ多く発揮できるよう考える。第三点は、規制によりましていろいろ犠牲をこうむる、その犠牲の負担をできるだけ公平に分かち合う。この三つの点を常に考えて、規制具体案考えていきたいという見地に立って、陸運局といろいろ相談したわけでございます。そこで、流れ交通規制することによりまして交通緩和をはかるためには、車の両数に規制の時間をかけて、さらに地帯をかける、三つ要素の乗績の結果が交通緩和の大きさを表わすものであるといふう考えるわけであります。従いまして、車の数をふやすこと、時間を広げること、場所を広げること、この三つを、三原則に照らしながら縮めたり伸ばしたりするということになろうかと思います。  まず今回やりますのは、最初規制でございますので、できるだけ小範囲にやりまして、そして実情を見ながら逐次拡大していく、これが第一回にやります場合には考えておく必要のある要素だと思います。こういう観点から、まず車につきまして、東京における実情を見ますと、昨年の十二月の数字で申し上げますと、これは東京都全体でございますが、七十二万両の車がございます。これを業種別に分けますといろいろあるのでございますが、まず営業車自家用車に分けてみますと、自家用車が約六十六万両でございます。営業車が六万六千、大体自家用の一割が営業車という形になっております。それから貨物乗用車、この比較を見ますと、これは東京都の特別区だけについて見ますと、大体六十五、六万両の車になるかと思いますが、そのうち貨物について見ますと、普通、小型が合わせまして九万三千、それから軽自動車が八万、それから軽の三輪、四輪、これが五万——ちょっとこの数字あとで訂正する必要がありますが、乗用車が約四万両くらいでございます。あと軽自動車が非常にたくさんございますので、軽自動車数字がちょっと今わかりかねますから、その程度にいたしますが、そういうふうに自家用営業は十対一という比率にございます。こういうことも一応頭に入れまして規制考えたのでございまして、負担を公平にするという見地から、自家用車営業車もそれから旅客も貨物もというふうに考えるのでありますが、そのうち営業車につきましては、営業車の輸送事業というものは道路運送法においてきつい規制を受けております。輸送事業は、産業経済の活動等に関連の深い意義のあるものということで、公共性、公益性が認められておりますので、この点は十分考慮しなければいけないというふうに頭に入れて考えたわけでございます。  そこで、陸運局で作りました一応の試案というものをお手元に資料としてお配りいたしたと思いますが、トラックと乗用車、それから大型のバス、特殊な車、長大物の運搬車、長物のトレイラー、こういうふうに種類を分けまして、まず車の種類から言いますと、トラックは、大型のトラックは何と申しましても道路交通においては相当面積をとり、交通の支障になることが大きいのでございますから、一応七トンぐらいから大きい車を規制の対象にしてみようと考えたわけであります。それから、乗用車につきましても、乗用車規制をどう区分けしてやるかということは非常にむずかしい問題でございますが、とりあえず乗用車につきましても大型、いわゆる外車でございますが、これを規制してみよう。これに該当いたします車は、自家用営業入れまして三万二千両ほどございます。自家用が三万で営業が二千ぐらいでございます。なお先ほどの七トン以上のトラックは、自家用が約二千八百、営業用が約二千三百ございます。それで、乗用車につきましても、しかし特殊な任務を持って走る車につきましては除外をしたい。たとえば緊急用であるとか、あるいは病院で患者の輸送に使う車、あるいは報道関係、国会関係あるいは外交官、あるいは国際観光用に使うというようなものは、除外を設けたらどうかというふうに考えております。  それから、大型のバスにつきましては、大体定員三十人ぐらい以上の大きいバスについて規制の対象にいたしたい。ただしこれにつきましても路線のバスはもちろんでございますが、自家用でございましても、通勤用のバスあるいはスクール・バス、そういったものは除外いたしたい、かように考えております。この大型のバスが大体二千四百両ばかりございます。自家用が千両ばかり、営業用が千四百ほどでございます。なお、営業用のバスにつきましても、貸し切り観光バスにつきましても、規制時間中で修学旅行等の対象になる車もだいぶございますので、この制限時間内におきましては全然禁止するということも、東京への修学旅行等の目的をほとんどそこなうおそれもございますので、この時間中に遊覧して歩くというだけは遠慮してもらって、鉄道輸送等の関連も考えまして、駅から宿舎への輸送あるいは車庫に帰る場合の輸送等は除外を認めていきたい、かように考えておるのであります。  それから、長大物の運搬車、これは約三千両ございます。長物のトレーラー、これは約八百両ぐらいございますが、これは全部にわたって規制の対象にしたい。ただし、この二つにつきましては、運行する場合に警察の許可が要りますので、許可の段階において除外例を設けることも可能であるという前提考えておるのであります。  車の種類別の規制の対象になりますのは以上のようなことでございまして、これらの両数を一応概算合計してみますと、約四万三千両ばかりになろうかと思います。これらの数字も二十三区内で所有あるいは使用しておる車を対象にして、一応の数字を拾ってみたのでございますので、二十三区外から入ってくる車がどのくらいあるかということが問題になるのであります。これは三十三年だったと思いますが、一応調査いたしました数字を見ますと、二十三区内にある車の両数に対しまして、大体六%くらいの車が外から入っておるということになっております。もちろん三、四年前でございますから、この比率は相当また上がっておろうかと思いますが、かりに六%といたしまして、その中でやはりこういった車が入ると仮定いたしますと、四万三千両がもう三千両くらいふえる格好になろうかと思います。  次に、この車の規制時間でございますが、時間は幅広いほど効果は上がりますが、幅が広いというと非常に影響するところが大きいのでございますので、まず第一回の試みでございますから、一応ラッシュ時を対象にいたしまして、午前はおおむね七時半から九時半くらいまでのまず二時間くらい、これは七時半から九時半に必ずしも拘泥するわけじゃございませんが、二時間くらい、一番必要だと思われる時間帯で規制したらどうだろうかという考え方でございます。午後につきましても五時ごろから七時ごろまで、これもこの時間帯はどうずらしてもいいのでございますが、まず二時間くらいを規制の対象にしたい。東京都内状況は、警察の方でも言っておりますように相当混雑しておりまして、日中ほとんどすいているときと混んでいるときと大差がないのが実情でありましょうが、まず当初のことでございますから、一応ラッシュ時を対象にしてみたらどうかという考え方でございます。なお、大型のバスにつきましては、これは夕方の二時間くらいを規制の対象にしたらよかろうと思いまして、午前中は別に規制の対象に考えておりません。それから、長物の運搬車あるいはトレーラーにつきましては、これは一日中規制の対象にしておりますが、先ほど申し上げましたように、警察の許可によりまして必要なものは除外例を認められていいという前提で、さように考えております。  次に、地域でございますが、地域も広いほどいいにはさまっておりますけれども、最初の試みでございますので、最も混雑のひどい都心ということを重点に置きまして、おおむね環状の六号線、それから四号線、東側は隅田川、この辺に筋を引きまして、その範囲内の道路においてこれを規制するというふうにしてみたらどうかと考えておるわけでございます。  こういうふうに考えましたのは、先ほどの三つ原則に照らしまして、まず効果が一番多いという点からいきますと、車の両数をできるだけ多く押えられるようにした方がいい、しかしできるだけ多く押えますと犠牲も相当大きくなりますから、その犠牲地域あるいは時間等であんばいする、こういうふうな考え方で一応の試案を作ったわけであります。もちろんこれは今まで申し上げましたような試案でございまして、さらにいろいろ御意見を聞き、あるいはわれわれもさらに検討を加えていくのでございますが、要するにこの案は、警視庁の案に対しまして意見を求められ、こちらも進んで警視庁と協議するために、運輸省自動車局陸運局といたしまして考えた案でございます。新聞紙上におきましては、警察の案があり、運輸省の案があり、まっこうから対立して四つに組んで、というふうな言い方をしておりますけれども、事の性質はそういうものではございませんので、両者の案を持ち寄って協議し、最終的により妥当な案を作るという方法としてやっておるわけでございます。  簡単に御説明申し上げました。
  24. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 ただいま東京陸運局案ないし運輸省案についての御説明を承りました。昨日新聞で読んだばかりでございますし、また正式な御説明は今伺ったばかりでございまして、これに対しましてもいろいろな批判すべき問題があろうと思いますが、これはもう少し研究しなければ何とも言えない問題でございます。  ただ、三つ原則を掲げておられますが、これはこの通りだと、この三つ原則が相互に矛盾をいたしますところに問題があるわけでございまして、そこからいろいろな考え方が出てくることは申し上げるまでもないところなのでございます。そこで、先ほど第一段に御要望申し上げました点とも関連いたしますが、規制の問題はあくまでも広い意味で政府責任においておやりになることでございます。ただ、影響するところが非常に大きなものでございますので、私は、今後の進め方としまして、一時的にこちらがこういう案を出す、また他の方ではこういう案を出すというような形でなくて、やや恒常的と申しますか、当分続くものと私は考え、どうしてもやらなければならない、こういう前提に立っておりますので、方法が非常にむずかしいと思います。交通閣僚懇談会あるいは内閣交通対策本部等ございますけれども、これは交通規制だけやっているわけじゃないので、交通規制についての小委員会といってもいいでしょうが、何か特別な機関を設けられて、始終これを一カ所でおやりになって、案も作られる。また案自体も変えていかなくちゃいかぬと思うのです。それから、実際やっていく上におきまして、日常でもいろいろなトラブルが起こって参ると思うのでございます。そういう問題も解決していかなければ、一ぺん何かしゃくしできめまして、それを当てはめて全部やるのだということになると、思わぬところへ思わぬ影響が出てくるというようなことも考えられるのでございます。そこで、政府としては、最初申し上げたように非常に醜態になっておるわけですが、そういう特別な機関のようなものを——名前はむずかしくなくてもいいと思うのですが、設けられて、関係のところはさらにもっと緊密な連絡をとられて、交通規制の問題をお取り上げになるお考えがあるかどうか。こうなさるべきではないかというふうに考えるのでございますが、どうでございましょう。それは対策本部でやればいい、こういうお考もあるかもしれませんけれども、今の対策本部とはちょっと違った——もちろんそのうちの一部ではござますが、少し仕事のやり方が違う性格のものになってこやしないかと思いますことが一点。それから、交通対策本部交通閣僚懇談会が交通規制ばかりに血道を上げられてはとんでもないことでございまして、ほかに大きな根本的な問題があるわけでございます。交通規制の問題にすりかえられるということは、非常に重大な結果を持つと思うのでございます。そこで、たとえば小委員会なり特別な機関を作りましても、交通対策本部なり閣僚懇談会に諮ることは当然でございますし、また権限的には、たとえば東京都の場合であれば、公安委員長の権限でおやりになることは間違いないでしょう。そういった点から考えて、何かそういう方法をおとりになる必要があるのではなかろうかという気持がいたしますが、どんなものでございましょうか。両省の関係から御意見を聞かしていただきたいと思います。
  25. 木村行藏

    木村(行)政府委員 現在、各都道府県の公安委員会交通規制をいたします場合に、独自の権限でできるわけでありますけれども、運輸省の次官と警察庁長官と覚書を交換しまして、交通規制を行ないます場合に、乗り合いバスとかトラックなどにつきましては陸運局長なり運輸省意見を徴する、こういうようにやっております。しかし、こういうふうにだんだん交通規制が高度になってきますと、影響するところが大きゅうございますので、今細田委員からお話しのような、小委員会といいますか、衆知を集めていろいろな意見を聞いていく、こういうような方法論は確かに一つの卓見かと思いますので、十分研究いたしたいと思います。
  26. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 従来とも運輸行政と警察の交通取り締まり行政とは非常に密接な関係がございますので、中央のみならず、地方においても密接な関係を持ちながら行政をやっておるのであります。東京におきましても、警視庁陸運局とは、月に一回ないしそれ以上、局長あるいは課長以上でいろいろな機会を持って相談し合ってやっておりますが、こういう点はさらに一そう強化いたしたいと思っております。なお、現状では警察と運輸省と人事交流をいたしております。こういうことも両者の所管行政をお互いに円滑にやるのに非常に役立っております。こういう点は今後さらに強化いたしたいと思っております。御指摘の線に沿って十分努力いたしたいと思います。先ほど先生から、こういう案が新聞に出ると世間に誤解を招き、いかにも警察と運輸省がまっこうから対立しているように見えてまずいというお話がありましたが、確かにそういう点も考えぬではございません。ただ、今回東京陸運局試案というものを一応説明いたしましたのは、実はこの交通規制問題につきまして警察の案が出まして、それに対していろいろ非難等もあったわけでございます。運輸省といたしましても、先ほど申し上げました線に沿って、いろいろな角度から慎重に検討いたして、よい案を作るということで検討を重ねて参ったのでございます。そのうちに、運輸省は何もやらないで警察の案に対して反対しておるようだ、それはけしからぬという意味の記事がだんだん新聞に強く出て参りましたので、これはわれわれとしても非常に迷惑なことでもございますし、また、政府全体といたしましても、運輸省がそういう案も持たないで反対しておるとか、あるいは業界の圧力でそうやっておるとか、身にあるまじきいろいろな記事が出ますと、世間はそういう誤解をそのまま持たれるということになりまして、政府としても遺憾なことであると思いましたので、昨日東京陸運局陸運局の案を持って警視庁相談に行きました際に、こういうふうな案を持って相談に来ておるという意味で説明をしたのであります。事情御了承を願いたいと思います。
  27. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 対立して大きく新聞に出るのも、雨降って地固まるということもあるし、よい面もあると思いますけれども、ここまで来るとまとまるものもまとまらぬという格好になるので、最初御注意申し上げたわけであります。この問題は非常に大きな問題でございますから、先ほど壽原委員からも話がありましたが、一ぺん言い出したらそれにこだわる——私も全面的に賛成というわけではありません。これはまだいろいろ検討すべき点があるのでありまして、私見でちょっと気がついた面もあるわけでございます。しかし、いずれにしましても、警察の案にしましても、運輸省の案にいたしましても、出したらもうこれは面子にかけてもがんばるというような性格のものではないと思うのでございまして、どうして影響を小さくして効果を上げようかという問題でございますから、面子だとかなんとかいう問題ではないと思う。理論的に、実際にあたってうまくいくようにやる——ある程度影響があることはやむを得ませんよ。また影響がないようなものはやる必要はないから、その辺は、私は一番肝心なことは、言い出したらもう引かないとかなんとか、役所の格好がつかないとか、そんな問題じゃないと思う。現実に、真剣に、厳粛に国民の生活を考えてやらなければならぬ重大な責任の問題ですから、そういう点は、壽原さんからもお話がございましたから申し上げません。私が申し上げたのは一つ方法でございまして、いずれにしても、気持としてはそういう気持で、実効の上がるようなりっぱなのを作っていただきたい、こう思うのです。  そこで、前回、關谷委員長からも御質問があったかと思うのですが、道路交通法の第七条でやろうということでございます。私どもは、この点につきまして、第七条の解釈について、若干の見解を先日も申し上げ、關谷先生からも御質疑の形で出たと思うのでございますが、この第七条を読んでみますると、東京都二十三区についてという点と、それから業種別規制、つまり同じ自動車であるが、自家用はよろしい、別な業種はよろしい、ある特定の業種のものについては制限をするということが、どうしてもここから出てこないように思うのでございます。そこで、この点について、先日、政府としての統一的な御見解をお聞かせ願うお約束になっておりますので、警察庁の方の木村さんから一つ見解をお聞かせ願いたいと思います。
  28. 木村行藏

    木村(行)政府委員 御案内の通り道路交通法第七条第一項に「公安委員会は、道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図るため必要があると認めるときは、当該道路につき、区間を定めて、歩行者又は車両等の通行禁止し、又は制限することができる。」こういう規定がございます。そこで、これは条文にありますように、「区間を定めて」と出ております。「当該道路につき、区間を定めて」と出ておりますので、警視庁の案で、一番最初新聞に出たころに出ておりましたあの案は、一種の要項みたいなものでございますので、あの中に、路線トラックについて、二十三区一円全部、地域全体としてかぶっておるようになっております。あの表現は、表現自体からいいますと、この道交法の条件を満たしておりませんので、あの表現はまずいと思うのであります。そこで、私たちも若干疑問を持っておりましたから、いろいろ警視庁に聞いてみましたら、路線トラックは、路線があって、その路線を通って運搬をいたしておりますので、二十三区内といいましても、結局は具体的な路線についての規制になるので、ああいうふうに表現したというふうに言っておりますが、結局結論からいいますと、実際にもしいろいろ話が十分煮詰まって参りまして、円満にこれが実施になる段階になりますならば、当然、路線トラックにつきましても、それぞれ当該道路を指定しまして、しかもその当該道路について何町の何丁目から何町の何丁目までということで具体的に区間を、できるだけ最小限度にとどめて区間を定めなければいけないと思うのであります。これは当然そういうふうにするということを警視庁は言っておりますので、第一点は、そういうふうに御了承願いたいと思います。  第二点の、今回の警視庁の出しております案につきまして、あの四つの、路線トラックなり、観光バスなり、長大物件の運搬なり、あるいはトレーラーなり、これを見ますと、何か業種別だけを最初からねらったというふうに誤解を受けられるのはごもっともだと思います。しかし、これも警視庁にいろいろ聞いてみますと、警視庁の案の基盤といたしまして、大きな土台といたしまして、案の真意といたしましては、結局大型の自動車、ずうたいの大きいものが現在の東京都内の非常な混雑の大きな原因の一つになっておるというのでありますし、そういう点から、大型というものは実は全部規制いたしたいのだということです。従いまして、あの案をごらんいただいても、たとえば観光バスにいたしましても、路線トラックにいたしましても、あるいは長大物件の運搬にいたしましても、あるいは長いトレーラーにいたしましても、ずうたいの大きいものということが共通の要素であります。しかし、結果において、路線トラックや観光バスだけがいろいろな業種の中から抜き出されておるような形になっておりますので、誤解を受けられるのはごもっともでありますが、これは先ほど壽原委員からも御指摘のありましたように、この規制というものの大きな考え方として、産業経済影響を及ぼす範囲、国民生活に及ぼす影響犠牲の範囲をできるだけ最小限度にとどめたいと同時に、規制の効果も大きく上げたいという、ある意味においては二律背反的な非常にむずかしい条件が二つありますので、犠牲を少なくしながら効果を上げていくという悩みがあるわけです。そういう点からいたしまして、第一点の、昼間運行しているものを夜間に回すことによって、犠牲が全然ないとは言えませんし、犠牲が小さいとは言えませんが、しかし、大型トラックのうち、あるいはバスのうち、それぞれの種類のものを勘案していろいろ聞いてみますと、夜間に回る場合の犠牲影響というものが若干の相違があるわけであります。従いまして、警視庁におきましては、去年の八月ごろから大型トラックその他の業者の方々においでいただいて、いろいろ事情を聞いて瀬踏みをいたしました。瀬踏みをして、だんだんやっていって、できるだけ犠牲の少ないものからということで——少ないということはあるいは語弊があるかもしれませんが、比較的犠牲がほかよりも小さいものについて手初めにやってみようじゃないかということで、路線トラックなり、観光バスなりに一応最初の手がかりがいった。そういう意味におきまして、やはり基準の基盤は大型トラックあるいは大型バスの通行制限ということでございますので、その点につきましては道交法第七条で十分にやれる、こういうふうに考えます。
  29. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 ただいまお話がございました答弁の中で、あげ足をとるわけではございませんが、長大物の運搬車あるいは長物トレーラーの問題は、これは別といたしまして、路線トラックと観光貸し切りバスは業種別であるかのごとき誤解を、というお話がございましたが、誤解ではなくて、これはそういう解釈をするのが正解でございまして、誤解などはいたしておらないのでございます。誤解ではないのでございまして、それは、そういう考え方はとらないのだというようなお話ならわかるのですが、私は、正解であって、だれもこれは誤解と言うものはないのじゃなかろうかと思います。今のお話を承りますと、いわゆる業種によって制限をするということは、第七条ではできない、こういう解釈であると了解してよろしゅうございますか。
  30. 木村行藏

    木村(行)政府委員 業種の業態だけに着目してやることについては、若干公平の原則には沿わない場合があります。
  31. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 この第七条を見ますと、やはり私は、交通の安全といったような見地から出ておるものでございますから、こういう大きさの車、こういう構造の車、こういうものは害があるからいかぬのだということは言えるのだが、その同じものをだれかほかの者がやっておればそれはいいんだというのが、どうしても読めないように思うのでございまして、今の御説明でわかるような気もするのですが、つまり、この程度以上の大型のものは困るんだということまでは許せるにしても、それ以外のあれはどこからも出てこないように思うのです。それはこの法律の条文の話ですよ。実態の話は別としまして、条文としてはいかがかということを伺っておきたいと思います。
  32. 木村行藏

    木村(行)政府委員 条文としましては、御案内の通り、条件は、当該道路について区間を定めて、それから安全円滑をはかるため、危険を防止するためと、こういう条件だけであります。従いまして、その条件については、極端に言いますと、大型であろうが小型であろうが同じことになりますけれども、しかし常識からいって大型の方がじゃまになっていることは事実でありますから、大型を規制せずして小型を規制するということになると、それはいわゆる著しく不当になるわけでございます。そういう場合には問題になるわけであります。
  33. 伊能繁次郎

    ○伊能小委員 ちょっと関連して。  どうも木村さん、そうこわばらないで、すなおにこれを読んでごらんなさいよ。第一項だけでなく、第二項、第三項を読んでごらんになると、これはさっきあなたが、公安委員会がその権限において——お互い役人をやった者はそういうりっぱな言葉を使われるだろうと思う。その権限においてやれることをやる。しかも具体的な当該道路、区間をきめて、車種は何もきめてないのですよ。これは公安委員会使命として当然ですよ。そうでしょう。そこであなたが大型が危険だとおっしゃることはわかる。そうすると、大型について、ある大型はよくてある大型はいけない、これはすぐは出てこない。そうして、今あなたが陸運局その他公安委員会意見を聞くと言ったゆえんのものは、立法趣旨並びに行政方針は、公共事業であるものについては、一般の制限のほかに、路線トラックであるとか、あるいは路線バスであるとか、観光バスであるとかいうような他省の権限にかかるものについては、まず自分独断ではやっていけないんだし、やるべきでないから、陸運局意見を聞く、これが立法の精神ですよ。それをいきなりできるという前提、これは政府部内で法制局へできるように解釈してくれとかなんとか、いろいろなことを——われわれも役人をやったことがあるから、そんなことはわかっていますよ。そうでなく、この公安委員会がその権限に基づいてとあなたがおっしゃったことを、第一項から第二項、第三項、具体的に警察署長に権限を委任したり何かすることをすなおに読んでごらんなさい。業種別なんというものは出てこないですよ。そんな牽強付会な議論をしないで、もっと大きな高い立場から——私は、運輸省の出したこの三つ原則についてまだ足らぬ。第三項の制限の負担というものの公平というのは、公共事業と公共事業でないものについて平等にやること自体にしたって、これは役所の行政方針からいけばおかしいですよ。また、事故防止の観点からも、こういう問題はあなたがおっしゃるように考えなければならぬとすると、そういった無理な考え方でなく、あなたのおっしゃったように、政府でとっくり相談をして、いい結論を出されるということでなければいけないと思うのです。それで、さっきあなたは運輸省陸運局が出したのはまだ詰めてないとおっしゃった。詰めてないという言葉をお使いになられたが、これだけの警視庁が路線トラック、観光バスというものをいきなりやろうというのに、あらゆる検討をしないはずはない。そうでしょう。しないでぽかっと出したら、これは軽率のそしりを免れない。従って十分な検討をしておれば、この運輸省の出した内容についてだって、事前にあなた方が十二分の検討をされておるはずです。それを詰めてないなんというようなそんな言い方をしないで、もう少し卒直に、私は、お互いが政府部内としてさらっと検討して、いい結論を出していただきたいと思うのですが、あなたは、今まで言ったことに、前回の委員会でも先輩議員の質問に対してこだわらぬという言葉も使われた。ところが、どうもあなたの答弁を伺っていると、非常にこだわっている感じがするのです。その点結論として私は一点伺いたいのだが、こだわって御答弁なすっているのか、ほんとう政府部内でこだわらないで再検されるのか、どうなんでしょう。
  34. 木村行藏

    木村(行)政府委員 私は、できるだけこだわらないつもりで、いろいろ問題を前向きに解決いたしたいと思っています。今おしかりを受けたこともごもっともな点があると思いますが、ただ警視庁考えている案の基盤が、決して業種別をねらっているのだというその真意はないので、できるだけ大型、できれば陸運局の方で言ったように大型全部を、あらゆるものを根こそぎやればいいのですけれども、もう一つ考え方の基盤でありますところの経済全体に与える影響国民生活に与える影響というものを踏み切ることがなかなかできませんので、そこらに非常な勇気が要ります。そういう問題があって、基盤はやはり運輸省の案と私は同じだと思います。しかし、さしあたり比較的影響の少ないものから手始めていこうということだけでありまして、いろいろ運輸省から出されておりますが、それもこだわらずに、両方頭を突きまぜてやはり解決していくべきではないかと私は思います。
  35. 伊能繁次郎

    ○伊能小委員 もう一つ今のお答えに対するお尋ねですが、比較的影響の少ないもの、こういうお言葉を再々あなたが、使われたのですが、公益事業あるいは公共事業といわれる運送事業と一般の自家用とで、政府行政、取り締まり、免許、こういう面からいくと、公益性が強いから行政規制をしているのじゃないですか。自由にやらせているものと、行政上いろいろな監督をし規制をしておるものとの公共性というものについて、あなたは別な逆な影響の少ないもの、こう言っているのですが、影響が多いからこそ規制もし、助長もしておるので、野放しにしておるものと政府規制をしておるものとで、どっちが公益性が強いという理論的な問題について、私はお答えを願いたい。
  36. 木村行藏

    木村(行)政府委員 私が比較的影響が少ないということを申したのは、その当該業種別の果たしている使命が公共的に少ないという意味じゃございません。あるいは逆に使命が大きいかもしれません。しかし、夜間に転換することによって受ける犠牲が当該業種についてはほかの業種よりも少ないという、その影響の度合いを申し上げているのであります。
  37. 伊能繁次郎

    ○伊能小委員 どうもわからないのですが、せんだっての聴聞会において、いろいろな関係者から本問題についての参考人の聴聞が行なわれた。そのときに、トラックについては、千数百台のうちすでに過般夜間運行に切りかえられ得るものは、これは長きは大阪から仙台の方へまで行く千キロ近いものまであるわけです。そういうものについては、時間を限って定路線でもって行くうち、夜間にたまたま東京その他の大都市へ来る場合に、夜間に通して交通の疎通を業者自体も円滑にしなければならぬものはほとんどやりましたと、こういうお答えなんです。従って、今の七、八百台のうちほとんどは、それを時間的に発地、着地の関係、定路線について発地、着地の時間があるわけですから、発地、着地の関係から経過地の関係で夜間に切りかえることは、全部いけないとは私は言わなかっただろうと思うが、ほとんど不可能です、こういう御意見。それから、両数においても、東京の七十数万台のうちの七、八百台というと〇・一%程度にしかならない。それから観光バスについては、きょう参考資料が東京都のオリンピックの方から出ておりますが、これは要するに外から来た泊り客の一泊、二泊、三泊、四泊とかいうのであって、東京都並びに周辺の日帰りの数多くの修学旅行の関係は全然入っておらぬわけですが、そういうものが時間を区切られて、二時間はいけない、それでは前後で四時間になると、夜に切りかえられますか。あなたは夜に切りかえられるものをやったと言いますが、夜に切りかえられるという具体的な事例を、おそれ入りますが、お示しを願いたい。
  38. 木村行藏

    木村(行)政府委員 観光バスについては、四時から六時というふうにして、一応大綱としては案を出しているわけであります。中にはいろいろな特殊事情が出てくると思います。スケジュールや何かの関係で、あるいは泉岳寺で一応四時に終わった、あと本郷に帰る、それは四時から六時にまたがっている、こういう問題については、社会通念からいって一種の通勤みたいなものですから、こういう問題についてまでしゃくし定木にやるわけにいかないのでありまして、そこらはいろいろ話し合っていけば、私は、全然犠牲がないとは言えませんけれども、ある程度歩み寄っていけば、何とか結論が出るのではないかというふうに考えます。いろいろな事情はあろうかと思います。それはまたほんとうにひざを突き合わせて話し合い警視庁もすべきだと思いますし、私どもも側面的に協力の場を作るように努力をいたしたいと思います。
  39. 伊能繁次郎

    ○伊能小委員 わかりました。そこまで話がくると、さいぜんのあなたの御答弁とは百八十度とまではいきませんが、九十度くらいの転換である。これは非常にけっこうな御答弁であろうと思うのですが、そうなると今度は交通規制の効果の問題になってきます。さいぜん申し上げたように、路線トラックについては〇・一%、それから観光バスについても、全体の両数のうち、東京都内をどれだけ走るかということは、私も具体的な資料をいただいてないからわからないのですが、これらの点について最小限度の犠牲で最大の効果を発揮するという点で、効果がはたしてどの程度あるのかという点も十分御勘考を願いたいと同時に、もう一つあなたは非常にこだわられるが、この道交法第七条には「当該道路」とある。当該道路というものは、二十三区全体とか、そんなばかなものが当該道路でないことはおわかりだろうと思います。ああいう警視庁の案の発表なるものは、おかしいのです。従って、これは警察署長の許されたもの、道路を掘り返したり地下鉄の工事をやったり何かというものが、第三項に書いてあるわけです。その趣旨から第一項を見ますと、これであなたがおやりになれるとここで御答弁なさることは無理です。だから、私はやってはいけないと言っているのじゃない。政府部内でこういう問題については十分御相談をなすって、それぞれ権限のあるものが話し合いをして——それぞれ公安委員会がその権限に基づいてとあなたはおっしゃったが、その権限に基づいたものは、この七条一項のきわめて小規模の具体的なものしかできない。公安委員が運輸大臣の所管の路線バスや路線トラックや何かを勝手にやっていいとかいけないとか言うことは、どう考えてもこれから出てこない。従って、そういう問題については、ほんとうに虚心たんかいに政府部内で十分御相談を願って、この問題の解決をはかっていただきたい。と申しますことは、一昨日でしたか、一昨々日でしたか、二十六日にこの問題がかように燃えている最中に、大阪の警察から何か大阪の第三次規制とかなんとかいう案を発表された。こういうことは感じを与えるから、政府部内でまとめてからやるべきであって、それぞれの権限といって、ああいうことをやるべきじゃないと思うのです。これはおそらくあなたが指令したとは思いませんが、こういうばらばらなことをやられてはいかぬ。そういう点について今後警察庁責任者としてのこの問題処理に関する基本的なお考えだけを、私は最後に伺っておきたいと思います。
  40. 木村行藏

    木村(行)政府委員 最初に効果の点のお尋ねがありましたが、これは確かに、警視庁内で現在出しておる一応の素案でも、それほど大きな効果というものはそうは出ないと思います。これはある程度の効果で、結局六月、七月ごろにいろいろな工事が都内に集中しますので、少なくとも現在の東京都内流れを現状の程度に維持していきたいということがねらいのようであります。その効果をねらって、できるだけ犠牲の少ない程度でやりたいというのが腹のようであります。  それから、大阪の問題でありますが、やはりああいうふうに新聞に出ることも、そういうような問題について不用意なことは慎しむべきだろうと思います。これらについては、当然各都道府県公安委員会が、それぞれ自治体警察で独自の権限でやっておるのですが、国家公安委員会としても連絡調整をする責任がありますので、誠実に、そうしてできるだけ不安の起こらないように、また十分にスムーズにいくように努めて参りたいと思います。
  41. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 伊能先生から関連して御質疑がありましたが、私は現行法の解釈を承っておるのであって、必要があってどうしてもやらなければいけないということになれば、立法をすることになりますが、その程度の重要な問題だと考えております。私は建設的に考えておりますので、ただ批判をするというだけのものではないことは、おわかりの通りであります。しかし、どう読んでも、第七条で業種別ではないとおっしゃれば別ですが、これは表現はどうあれ、業種別でこれはいかぬという結論が出ておるのだと思います。また、当該道路云々の問題についても、べたに道路を全部あげろということになりますと、若干の疑問がありますが、いずれにいたしましても、この点であなたと今ここで法律論を戦わしておっても、どうということもございませんので、先ほど壽原さんから賠償の問題も出ましたが、こういう点については政府にも専門家がたくさんおられるわけでありますから、十分御検討になって、必要があれば立法措置を講ずるなり何なり、これは大事なことですから、やらなければいけないと思います。あとで、やあしまったとか、やってみたが裁判所ではどうも負けてしまったとかいうようなことのないよう、そういうようなことはないと思いますが、一つ十分お考えになっておやりいただきたいと思います。私どもはあくまでも、この業種別という問題の取り上げ方では、少なくともその問題だけについては七条違反であると思いますが、大体それに近いようなお話でもありますので、この問題はその程度にいたしたいと思います。  それから、運輸省に伺っておきたいのですが、運輸省の案については、これは私ももう少し詳細に検討させていただかなければ何とも言えませんが、このバスについての考え方はどういうことですか。いわゆる公安委員会の案とどういうふうに違うのですか。
  42. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 バスという表現をしておりますので誤解があると思いますが、正確に表現いたしますと、陸運局のバスといっております考え方は、大体定員三十人以上の旅客用自動車という意味でございます。旅客用自動車の大きさで線を引いております。定員三十人以上を収容する大型の旅客自動車でございまして、それの中で除外いたしますのが定期路線バス、ですから普通の乗合バスは除きます。それから、はとバスのような路線を定めてやっております観光バスも除きます。それから、自家用でも三十人以上のものが千両ばかり都内にございますが、これらも含めますが、その自家用の中で通勤用に使っておるもの、それからいわゆるスクール・バスと称して学校あたりのやっておる通学に使うもの、こういうものも除く、こういう意味でございます。
  43. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 そのほかは同じでございますか。
  44. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 申し落としましたが、そのほかで違います点は、その二時間の制限時間内でも、たとえば貸切のバス等が、修学旅行の客が駅に着いた場合に、駅から宿屋に運ぶ、あるいは観光が終わってまっすぐ旅館に帰る、あるいはその車が客を旅館に降ろして車庫に帰る、こういうものは除く、こういうように考えております。
  45. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 まだ伺ったばかりで批判は避けますが、そうすると、さっき保安局長の言われた、こういうのは常識的に通勤みたいなものだからというようなお話がありましたが、大体そういうことですか。泉岳寺で済んで宿屋というお話もさっきちょっと出ましたが、それと同じような趣旨でございますか。
  46. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 陸運局の案は、営業用と自家用と含めておりますので、その点は警察のお考えとは全然違います。
  47. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 今の営業自家用云々の区別の問題ではなくて、時間の問題ですよ。時間の問題については、時間もちょっと違うようだけれども、四時から六時が五時から七時までですか、これは詳細はあとから伺うとして、いわゆる時間内でも例外的に走っておるのは認めるという点については、保安局長のおっしゃったようなところと同じでございますか。保安局長の方からも、もう一回お願いしたいのですが、先に自動車局長木村さんの方から……。
  48. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 今保安局長が言われたような点ももちろん含まれております。ただ、今までの警視庁の案には全然例外が表現してありませんので、べたに規制を受ける、かように私たちは考えて了解しておりました。
  49. 木村行藏

    木村(行)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、泉岳寺で終わって四時になった、それから帰るのに四、五十分かかる、ピークのときにはあるいは一時間くらいかかる、それをこれにかぶるからといってびしびし取り締まるということは、非常に非常識でありまして、この点につきましては、私たちは警視庁にも具体的に事情を話しております。
  50. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 そうするとこういうことですか。四時から六時までにきまった三十八路線のところで、まだ観光のために回ったりしておることはやめてもらおうじゃないか、ざっくばらんに言うと、大体そういうことでございますか。
  51. 木村行藏

    木村(行)政府委員 観光が終わって帰るだけだ、あるいは駅に行くだけだということですと、観光バスというよりも、使命を終わって一種の通勤用のバスみたいなものになりますので、これはやはりしゃくし定木にやるべきではないと思います。
  52. 細田吉藏

    細田(吉)小委員 同僚議員からまだ御質問もあるようでありますから、最後に一点だけお願いをしておきたいのです。  これは前々回の当委員会でもお願い申し上げたのですが、いかような規制方法がこれからだんだん固まるにいたしましても、ざるになってはいけませんけれども、私もいろんな交通規制や何かの仕事をやった経験から考えますと、とにかくいろんな問題が起こりますから、これは程度はありましょうが、どうしても、えてしてしゃくし定木になりがちであります。臨機応変と申しますか、社会のいろんな事態が輸送と交通ということに出て来ておるわけでありますから、この点だけはどんな場合でもよほどよくお考えになって、抜け道があまり多くては何にもなりませんけれども、それはしかるべき方法考えられると思いますけれども、どうしてもこれだけは考えておかれないと現実に国民が迷惑をいたますし、役所の側もお困りになるのではないか。ごもっともだけれども、規則でどうにもならぬというような事態が必ず起こると思うのであります。こういう点は特に今後の問題でございますし、案がまとまるのはまだ先でございましょうが、特に両方に対して重ねて要望申し上げておきたいと思います。
  53. 關谷勝利

    關谷委員長 井岡大治君。
  54. 井岡大治

    ○井岡小委員 同僚議員から今回の規制の問題についてかなり詳細に質疑がかわされましたので、その点については時間もかなり経過をいたしておりますから、十分両者で話し合って、少なくともあとで問題を引き起こすことのないように配慮していただきたい、このことを要望いたしまして規制の問題に対する質問は後日にいたしたいと思います。  先般運輸省の方から「道路交通上の問題点について」というプリントをい・ただいたわけですが、このことは、非常に失礼ではございますけれども、木村保安局長は御承知だろうと思いますが、私は昭和三十二年のときに、もう五年したら東京都と大阪の路面交通というものは、全く行き詰まってしまってどうにもならないような状態に陥るだろう、このことをはっきりあなた方に申し上げておく、こういうことを質問をし、意見を申し上げたことを覚えております。自来このことを私たちは何回かにわたって小委員会なり運輸委員会質問をして参り、意見を申し上げてきたのですが、これは、その当時と少しも変わらぬ論文が再び私たちの手元に渡されたわけです。  そこで、政務次官にお尋ねをするわけですが、このことは運輸省内で五年も同じものを私たちに渡したのですから、運輸省としては当然省議でおきめになっていることだ、こういうふうに理解してよろしいかどうか。
  55. 有馬英治

    有馬政府委員 これは見出しの通りに問題点でございまして、省議で決定したものではございません。事務当局においてこういう点が問題であろうということをピックアップしたのでございます。
  56. 井岡大治

    ○井岡小委員 そうするとまだ問題点なんですね、こういうふうに理解していいわけですね。
  57. 有馬英治

    有馬政府委員 問題点でございます。
  58. 井岡大治

    ○井岡小委員 問題点はわかったのですが、これをやろうという気持はない、こういうことですか。
  59. 有馬英治

    有馬政府委員 何とかして交通緩和をはかりたいという熱意は十分持っておるわけでございますが、御承知のように運輸省だけでできない点が多い問題でございます。従って、閣僚懇談会その他において真剣にこの問題を検討しておる段階でございます。
  60. 井岡大治

    ○井岡小委員 次官、それは少しお間違いじゃないかと思います。昭和三十年に、運輸省の設置法の一部を改正されて都市交通審議会を設けられて、今後の都市交通をどうするかということについて御諮問をなさっておるわけです。そしてその諮問に基づいて運輸省都市交通行政をやっていくんだ、こういうことで設置法を改正されたわけなんです。その答申はすでに東京、大阪、名古屋いずれも出てきている。第二回目が、すでに東京においては昨年の九月に再び諮問をされている。大阪の部会は先般再び部会を開くことをきめられて、これまた諮問をされようとしているわけです。ですから当時都市交通審議会を設けられた趣旨から申しますと、当然これらの問題について関係当局といろいろ話し会いがなされて、言いかえて申し上げるなら、運輸省方針として、省議としてきめられてしかるべきだと思うのです。ところが、依然として問題だというのはどういうことなんですか。
  61. 有馬英治

    有馬政府委員 当時から比べますと、全部が問題点で残っているわけではございません。すでに省議で決定して実行しているものもございます。これは、まだ解決していない問題点でございます。
  62. 井岡大治

    ○井岡小委員 解決をしていない問題点が、今日混乱をしている理由なんです。解決をしておればこれは混乱をしておらないのです。ですから、あなた方の方に解決をしようという御意思があるならば、当然これは問題点でなくて、省議として決定をされて、そうして閣僚懇談会などに提起をされるべき性質のものだと思うのですが、この点はどうなんですか。
  63. 有馬英治

    有馬政府委員 問題点として提起をして、ただいま鋭意検討しておる段階でございます。
  64. 井岡大治

    ○井岡小委員 それじゃ先ほど私がお尋ねをしました省議としてこれは決定されたのですか、こういうことについてはどうなんですか。
  65. 有馬英治

    有馬政府委員 省議でどういうことをきめて、それから閣僚懇談会にどういうふうにして出すかということは、いろいろ専門的に言えば役所の方のやり方もあるかもしれませんが、私はその点はよく存じませんけれども、要はこういう点が問題であるからということでやっておるわけで、まだいわゆる省議として、たとえば法律案だとか何かをきめますときにはそういった手続をとりますが、そういうかたい意味の省議できめたというわけではないわけでございます。
  66. 井岡大治

    ○井岡小委員 その点は私はさらに追及しようとは思いませんけれども、先ほども申し上げましたように、ここにお並べになっているのは、五年間一つも変わっていないことが書いてあるのです。ですからすみやかにこの実施態勢にお入りになるということでない限り、幾ら自動車規制をやるとかあるいは何をやるとかいってみても、これは単なる自分だけの頭の中で安心をしておるだけであって、決して実態には沿わない、こういうように私は考えるのです。  そこでお尋ねをするわけですが、少なくとも地下鉄を助成しなければならぬということは、これは単に論文の上だけでなくて、現実の日程になってきている。そこで政府は、ここ両三年来地下鉄建設に異常の努力を払っておられることについては私は認めますし、敬意も表します。ただ遺憾なことは、地下鉄の建設にあたって、これを単にその企業者だけにその責めを負わしておる。言いかえて申し上げますならば、融資だけをしてやっておる、あるいは公債だけ発行を認めてやる、こういうことだけではいけないのではないかと思うのです。各国の例をここで一々御紹介申し上げるまでもなしに、皆さんの方は十分御存じだろうと思いますから、私はあえて省きますけれども、各国が地下鉄の建設をやっているのは、一つにはやはり利子の補給をやっている。あるいは、それでもなおいけないということであれば、建設は国がしてやって、そうしてその営業だけを企業者にまかしていっている。こういうように、国が非常な熱意を払っておるのです。ところが、これだけ道路面積の狭いわが国においては、これらのことについて何らの具体的な措置が講じられておらないということは、私はまことに残念だと思うのです。そこで、運輸省はそのことについてどういうようにお考えになっておるのか、この点をまず運輸政務次官にお聞きをし、続いて大蔵省の海堀主計官、それから自治省の理財課長に聞きたいと思います。
  67. 有馬英治

    有馬政府委員 仰せの通り、地下鉄の建設が急を要することは当然でございまして、運輸省といたしましても、その方向で準備をして、実行に移せるものから実行に移しておるわけでございますから、全然具体化の方向に進んでいないということは、少し実態と違っておるように考えるのでございます。今回も融資のほかに、利子補給を、三大都市に限りましてはしていただくように、新しい措置を講じてもらうことにして、その予算が三十七年度予算案に盛られておるわけでございます。これが御承認をいただきまするならば、相当建設意欲も進んでくるし、また実際に地下鉄計画というものが前進するものであろうと思うわけでございまして、その他、各般の計画されたことにつきましては、運輸省といたしましては逐一実行に移しておるわけでございますが、現在のところでは、諸般の情勢、財政的な事情もございまして、利子補給まで前進しておる。これは大きな前進であると私どもは考えております。   〔小委員長退席、細田(吉)小委員長代理着席〕  詳しいことは、運輸省としましては鉄監局の民鉄部長が参っておりますので、お聞き取りを願いたいと思います。
  68. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 ただいまの御説明に補足いたしまして申し上げます。  高速鉄道の整備につきましては、最近におきまして鋭意努力をいたしておる状況でございまして、現在全国で七十三・一キロ程度の開業キロを持っておるわけでございます。なお、三十七年度につきましては、ただいま御審議をいただいておりまする予算案の中に高速鉄道工事の促進のための助成の措置が含まれておるわけでございますが、総額におきまして一億八千万円の予算を計上していただいておる次第でございます。
  69. 海堀洋平

    海堀説明員 私の方への御質問は、資金的な措置は政府は相当努力をしているけれども、資金のコストについては、今度一億八千万という金を計上したけれども、あまり熱意がないではないか、こういう趣旨の御質問かと思うのでございますけれども、これは各国それぞれの公共投資、あるいはそういったパブリック・ユーティリティズといいますか、そういうことについてのやり方がそれぞれ違っていると思うのですが、たとえば国有鉄道というような、非常に大きなものを政府関係機関で輸送の面を持っている、それから、たとえば港湾なんかの投資につきましては、日本は主として公共事業でもってやっているが、ある国においては港湾管理者がその収益をもって主とした投資を行なっているというふうに各国それぞれの事情によって公共投資のやり方が違います。地下鉄の重要性は、もちろん現在特に大都市の交通問題を解決するのは地下鉄の急速な拡充以外にないということはわかっているのでございますが、従って、それに対する資金の配分というふうなことについては十分努力をしてきておりますし、また今後ともしなければならないと思います。ただ、それを、国の一般会計予算からどの程度の助成をすべきかどうかということになりますと、これは日本のそういった公共投資のやり方というものとも関連し、従来やってきている慣行というふうなものを尊重しつつその中でできるだけの努力をしていくということを申し上げる以外にないんじゃないかと思います。
  70. 茨木広

    ○茨木説明員 私の方のお世話をいたしております仕事としましては資金のあっせんだけでございますが、一応地方財政計画を立てます際には、最重点事業といたしまして、地下鉄関係の投資ワクを拡大するように努力するという方針でやっております。今年度百四十億でありましたものをさらに三十七年度は百七十億ということで、大体は工事の進捗工合を見ましてその資金量を吟味する、こういう考え方であります。それから内容といたしましては、できるだけ政府資金の低利なものをというつもりでございますが、資金量もございますので、大体公募資金と半々ということになっております。それから公営企業といたしましては、公営企業課長の方でいろいろお世話をするということになっておりますが、御質問の利子等の補給問題につきましては、実は予算編成過程におきまして運輸省の方からも御相談がございました。その際には、私の方といたしましても、路面交通緩和のためにできるだけ交通機関を地下に追い込むというところから問題が起こっておるわけであるから、従って、公営企業であろうと営団営であろうと同じように扱ってもらいたい、こういう意見運輸省の方に申し上げまして、そのような方向で実現をしていただいておるように存じております。
  71. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで、私は政務次官にお尋ねをするのですが、ことし一億八千万円を利子補給に計上した、これは異常な努力だ、こういうことですが、私は運輸当局の御努力については敬意を表します。しかし、今後地下鉄建設、いわゆる高速度建設というものをさらに推進していくということであれば、少なくとも今後これらの問題は当然拡大をしていかなければいけない、こういうように私は理解をするのですが、そういう理解でよろしいですか。
  72. 有馬英治

    有馬政府委員 そういう方向に理解していただいてよろしいと思います。
  73. 井岡大治

    ○井岡小委員 そうすると当然これは単に政府行政措置で配分をするというのでなくて、利子補給という一つの法律に基づいた方向を立てることの方がより合理的だ、こう思うのですが、お出しになる御意思がありますか。
  74. 有馬英治

    有馬政府委員 今回の予算編成にあたりましては、関係各方面と相談の結果、予算措置だけでとりあえずいいという考えのもとに、法律案は用意しなかったわけでございます。
  75. 井岡大治

    ○井岡小委員 関係各省相談をした結果、そういうことになったというのですが、なぜそういうことになったのか、その理由を少し明らかにしていただきたいと思います。
  76. 有馬英治

    有馬政府委員 法律的な問題につきましては、正確なところを民鉄部長からお聞きとり願います。
  77. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 今回の地下鉄路線の問題につきましては、ただいま予算の御審議をいただいておる過程でございますが、一応その内容といたしましては工事費の補助という内容でありますので、予算上の措置だけで十分いけますし、他にもそういう例があるからということで一応その考えを現在のところとっておるわけであります。
  78. 井岡大治

    ○井岡小委員 こういう工事費の補助はほかにもあるということですが、これは一つの一時的なものであって、少なくとも国の国策としてやろうとする事業に対して、そういう一時的な便法をとるということはどうにも理解ができないわけです。当然これは一つの法律によってやられるべき性質のものだ、こういうように理解するのですが、この点はいかがですか。
  79. 有馬英治

    有馬政府委員 国有鉄道の場合は法律が出ております。地下鉄の問題はただいままで申し上げた通りでございますが、今後のことにつきましては、仰せの点はきわめて重要な点でございます、また一つの問題点であろうと思いますので、御意思のほどを十分尊重いたしまして、具体的に検討していきたいと思います。
  80. 井岡大治

    ○井岡小委員 私は先ほど、ですからこの問題点についてというのはあなたの方でおきめになったのですか、閣僚懇談会でこの点をお話になっておるのですかと聞いたのです。それはやっているのだ、こういうお話ですから、私は非常にけっこうだと思っておったのですが、そうするとこれはやはり依然として単なる机上プランにしかすぎなくなってしまうわけなんです。こう言ったらあなたはお怒りになるかもしらぬけれども、少なくとも交通緩和をするための一つの国策としてこれを取り上げられない限り、これはそのときによって左右されるものだというように理解せざるを得ないのです。私はそういう理解ではいけない、こう思うのです。ですからその点もう一度明確にしていただきたい。
  81. 有馬英治

    有馬政府委員 これはしつこいようでありますけれども、問題点でございますので、一つ一つ、問題点でなく決定案に仕上げていきたいと存じます。
  82. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで、一つ一つ解決をされる御様子ですから、当然一億八千万円という金を出されたわけです。一億八千万円を出されたということは、あなたの言われる一つ一つ解決をしていこうとする御努力だ、こう思うのです、決意だと思うのです。それならそれをなぜ具体的に法律案としてお出しにならないのですか。
  83. 有馬英治

    有馬政府委員 今回は先ほど申しましたように、法律案でなくて予算措置・だけで行こうということになったわけでございますが、将来のことについては十分検討いたします。
  84. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこでもう一ぺんくどいようですが私はお尋ねしますが、今回はというその今回にネックになったところはどこなんですか、こう聞いているのです。それを言わないと今回はにはならないのです。こういうところでネックになったから今回はこういうようにしたのだ、そこで将来はこの問題を配慮するためにわれわれはこういうようにやるのだ、こう言われないと、これは今回はにはなりません。だからその点を明らかにしておいて下さい。
  85. 有馬英治

    有馬政府委員 そのまま率直に申しまして、今回はでございます。将来のことにつきましては、十分検討さしていただきたいと思います。
  86. 井岡大治

    ○井岡小委員 ネックになったところはどこですか、こう聞いているのですから、そこを言わなければいけない、そこを……。
  87. 有馬英治

    有馬政府委員 別段特別な支障があったというふうには解釈しておりません。今回は、予算の補助ということで、予算措置だけしていこうということでございます。
  88. 井岡大治

    ○井岡小委員 特別問題になったことがなければ、これは当然出せるはずなんです。それが出ないということは、やはり私は問題点があったと思うのです。ということは、国鉄にも同じような利子補給をやっておいでになるわけです。この種の問題とは趣きを異にしておるかというと、私は、趣きを異にしておらない、こういう理解をしているのです。国鉄は輸送増強をするために新しい建設をやるんだ、そのために若干の補助をしてやろう、こういうことなんです。地下鉄建設は、現下のわが国の交通混乱を緩和することによって、産業経済に大きな影響を与えることになるわけです。もっと具体的にいうと、今までこういう輻輳をしておらなかった昭和三十三年の統計で、横浜——東京間を往復するのに三十分で行けておったところが、今日では一時間半かかる。これは人間を積んでいく場合はそれでいいわけですが、少なくとも物を運搬をする、こういうことになれば、当然それは産業経済に大きな影響をするわけです。同時に、その結果、三回行けたところが一回しか行けないということになれば、その三回分を運ぶために車が大型化するわけです。ますます混乱をしてますます動かなくなる、こういうことになるわけです。これはひとり東京——横浜の例をとったわけですが、都内でも同じことなんです。たとえば東京のごみ取りが、今まで一週間に一回来ておったのが、次官のところは大きな御邸宅にお住みだからわからないだろうけれども、今二週間に一回が回りかねている。三週間になろうとしている。これは車が動かなくなったから、そういうことになっているわけです。その結果、だんだんだんだん東京都は人をふやしていかなければいかぬ。これはひとり今のごみ取りの話だけじゃない。品物を運ぶのだって同じことなんです。こういう点を考慮すれば、私は、国鉄に利子補給をやったのと少しも変わらない性質のものだ、こういうふうに理解をする。そうして国鉄には法案を出し、とれには出さない。この理由がわからないのです。しかも、これらの企業というものは、高速度営団は別として、地方公共団体がこれを経営いたしておるのでありますから、何も営利を目的とした事業じゃないわけです。国鉄と少しも変わらない。こういう点から考えて、私は、どうしてもそのお出しになれなかった理由というものが見つからないわけです。どこにネックがあったか、それをはっきり言って下さい。
  89. 有馬英治

    有馬政府委員 補助をするという考え方からいえば同じことであろうと、私もそう思います。どこにネックがあったか、わかっておって隠しているわけではございません。補助ができるのでございますから、予算措置だけでよろしいと思ったのでございます。
  90. 井岡大治

    ○井岡小委員 政務次官答弁をしてもらうと、どうも政治的な答弁をするから、私は、民鉄部長さんにお尋ねをします。  民鉄部長さんは、先般の臨時国会において、必ずこの法案は来国会に出したいと考えて、われわれに法律の要綱までお配りしていただいたわけなんです。ところが、その後一向、消えてなくなったのかどうか知らないが、このことについては御説明をなさらない。要綱まで出しておられた運輸当局が、なぜ急にこういうように変わったのか、その変わった理由を言って下さい。
  91. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 御説明いたします。  臨時国会のときの小委員会に、御参考までに資料を差し上げたことは、先生お話しの通りであります。ただ、その後、政府部内における国会提出法案のいろいろ御検討がありましたときに、予算措置のみで足りる法律については、立法措置を差し控えるという考え方がございましたので、その線に沿いまして、今回は法律案の御提出をいたさないということにいたした次第でございます。
  92. 井岡大治

    ○井岡小委員 先ほどから私はその差し控える理由を聞いているのですが、どうしても理由を言おうとなさらないのです。それじゃ、その理由を私の方から言いますが、間違いありませんか。大蔵省の方から、そういうことでは困る、こう言われたのでしょう。
  93. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 理由は先ほども申し上げた通りでございまして、政府部内におけるいろいろな打ち合わせがございましたが、結果において、予算措置で足りるものは立法を差し控えるという政府方針に沿いまして、今回は、現在までの段階において法律案を出しておらないという状態になったということでございまます。
  94. 井岡大治

    ○井岡小委員 それじゃこの問題について、私は角度を変えてお尋ねをしますが、最初出そうと考えておったけれども、政府部内において、予算措置に関する問題は今回は出さないようにやっておる、そこで現在のところまだ出すような運びに至っておらない、こういうことですが、おそらくそれを了解される場合、じゃ一億八千万円だけをいただいたら、それでもういいんだ、こういうことになったのかどうか。言いかえて申し上げますならば、この問題について来年度はどうするんだということが、話し合いがあったのかないのか。
  95. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 今回の予算措置の基礎になっております考え方は、先ほどから御説明にありますように、将来の地下鉄道の建設工事を促進するということでございますので、われわれとしては、将来とともに建設工事がある問は同様な行政措置を講じていただくように努力をすべきである、また、そういう期待をして大体間違いないというふうに考えております。
  96. 井岡大治

    ○井岡小委員 海堀さん、今の民鉄部長の御答弁、それでよろしいのですか。
  97. 海堀洋平

    海堀説明員 財政のことですから、たとえば伊勢湾台風のときには、すでに国会で御承認を受けた予算すら削減することをお願いして編成をいたしたのは、御記憶にあるところかと思いますので、翌年度どういう事態になるかということは、これはなかなかむずかしいと思いますが、そういう異常な事態というものを除外して、一般に平静に日本経済が進んでいく限りにおいて、今民鉄部長の申されたような方向考えるのは当然だろうと思います。
  98. 井岡大治

    ○井岡小委員 伊勢湾台風のときに、法律になっておるが削減をしたんだ、そういう大きな変動のあるときには、話せばお互い理解し合うものです。だから、原則としてこれをやるということで考えるのがあたりまえであって、異常状態のことを話をしておったんじゃ、それは話になりませんよ。海堀さんと私は何年か同じことばかり言っておるから、あまりあなたに文句を言うのはいやなんですが、しかし、現実に警察庁は、あなたもさいぜんからの御答弁のように、無理した法律の解釈までして規制をしなければならぬということで、当面の問題を考えておられる、その場合の国の政策の全般をあずかる大蔵省としては、少なくとも経済の発展を促進せしめるような措置を講ずることが当然であろうと思うのです。従って、異常状態の問題を例にとられてお話しなさるということは、これは御答弁の技術としては、私は非常に敬服をいたしますが、国会の審議としては私は受け取れないのです。ですから、将来佐藤民鉄部長が言ったように考えて差しつかえない、こういうように理解してよろしいんですか。
  99. 海堀洋平

    海堀説明員 先ほどの法律にするか、しないかということにも関連するのでございますけれども、たとえば投融資の金額なんかも、そのときの事情に応じまして、数年の間にウエートというものは変わってきておりますように、経済の伸展に応じまして投融資の方向が変わるように、そういった一般会計の財政の方向も、そのときの必要に応じてとられていくであろう。従いまして、都市交通の問題を考えますときに、地下鉄の急速整備ということが非常に重要である限り、今日とりました措置以上に将来とも考えていくことになるであろうということは、一般的に言えるんじゃなかろうかと思います。
  100. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで海堀さん、もう一つ聞きたいんですが、あなたは異常状態を非常に心配なさるから——ということは、現在の経済成長というのは、その速度はいろいろあるでしょう。たとえば昨年九・六%といったのが、一四%上がっちゃった。そこで上がり過ぎたからことしは六%に押えるんだとか、いろいろそういうなにはあろうけれども、わが国の経済というのは、私は低下をしないと思うのです。さらに発展をする、こういうように理解をしている。あなたの方も、そういう立場をおとりになっておられる。そうなると、異常状態は別として、平常状態においては、当然今あなたが言われたように、これだけでなくて、さらに発展をしなければならぬ、こういうように考えるわけです。そこで問題は、単に地下鉄建設というだけで考えるのではなくして、もっと経済の面から考えて、これの速度を早めるためにはどうしたらいいか、このことを一つあなたにお伺いをしたい。
  101. 海堀洋平

    海堀説明員 結局投資でございますので、そういった蓄積を、政府の自由になるものにやはり力を入れて、国家資金あるいは国家が力をいたし得る資金を、その部門に回す。しかも、公企業でありますから、あまり料金が高くなっては問題があろうかと思います。しかし、いずれにしても企業体として運営されるものですから、やはり適正なコストというものは、料金として徴収してもらう以外にないのではなかろうか。資金の配分としては、できるだけそこに力をいたさざるを得ないのではないかと思います。
  102. 井岡大治

    ○井岡小委員 適正なコストを上げるということになると、これは今の地下鉄の工費等から考えて、少なくとも現在の料金というものは、コストに合わないですね。これは今までの資産があるから、その資産のもうけたものがあるから、足らない分を補給しているわけです。これを急速に伸ばしていきますと、かなりコストとしては高い額になる。ところが、都内交通というものは、私の考え方からいきますと、これは大衆輸送なんですから、通勤、通学というものが主たる目的なんですから、そういうことになってくると、二十五円以上にこれを上げるわけにいかないのです。もしそれ以上に上げるとすると、国民経済に大きな影響を来たすでしょう。そのことは、あなたも御存じのはずだと思う。そういう点から考えると、コストの問題ということは、これは一応採算方式をとっておるからやむを得ないとしても、やはり公共的ないわゆる国家助成あるいはその他のいろいろな方法というものを考えないと、これはやっていけないのじゃないか、こういうように理解するのですが、間違いございませんか。それでもコストの問題をお出しになりますか。
  103. 海堀洋平

    海堀説明員 国が投融資なりで努力をしているのは、単に資金量の問題だけではなくて、できるだけコストが安い資金ということで努力をしていることは、御存じの通りかと思います。ただ、それをさらにどの程度まで一般会計なりの負担で資金コストの問題を助成しなければならぬかということになりますと、現在税法上の償却というふうなもので輸送コストを計算いたしておりますが、これなんかも、一応税法で許された償却をとっておりますので、現実に国鉄なんかの償却、各国で鉄道が現実にどれだけの命脈を保ったかということと比較してみると、相当な懸隔があります。従って、会社なり公企業体が、これがコストでありますと言っているものも、必ずしもその通りコストがかかかっているというふうに直ちに考える必要もないのじゃなかろうか。料金としては、現在の一般経済事情、あるいは賃金水準というものが与えられている限り、おのずから限界があろうかと思いますが、その料金の可能なる限界というものと、それから資金コスト、それからそういった諸般の運営費、こういうふうなものとを勘案して、国としてもできるだけ低位に運賃が置かれるように努力は続けていかなければならぬと思いますが、そこには、おのずから一般会計においてとる行為というものの中には限界があるということを、御理解いただいたと思います。
  104. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこで佐藤さんにもう一度お伺いしますが、大蔵省の方も、将来平常の状態においては、さらにこれを発展させなければいけない、こう言っているわけです。ですから、当然これを担当するあなたとしては、やはりこれを安定化した方向に持っていくという立場から法案を準備されるということが妥当じゃないかと私は思うのですが、お出しになる意思はありませんか。
  105. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 先ほど政務次官が申し上げましたように、非常に重大な問題でありますので、十分先生の御趣旨を体して検討を進めて参りたいと考えております。
  106. 井岡大治

    ○井岡小委員 そこでもう一つ、建設省の道路局次長にお尋ねをするのですが、この前に名古屋の地下鉄のところで、あれは地方鉄道法によっているから、おれのところの下を使うのはけしからぬということで、だいぶ長い間もめておったわけですが、まだそのお考えは変わりませんか。
  107. 高田賢造

    ○高田説明員 ただいま御指摘の名古屋の地下鉄の問題でございますが、道路の下を通る地下鉄でございますので、道路の管理者としてははいろいろの意見があるわけでございます。その関係から、過去におきまして関係当局同志でいろいろ御相談を申し上げたわけでございますが、今日ではすでに解決しております。
  108. 井岡大治

    ○井岡小委員 地下鉄の問題については、先ほどのなにで私はなおお聞きしたいと思いますが、時間もありませんし、きょうは規制の問題、道路混雑緩和の問題が主たる問題ですから、一つこの点についてお伺いしたいのです。  これによると、路面電車をはずして地下鉄にやるのだ。私もその通りに思う。ただ言うだけで、今のままではなかなかはずせないのです。ということは、名古屋、大阪の場合は、路面電車の経営主体と地下鉄の経営主体とが同同じであるから非常に簡単ですが、東京の場合は、路面電車と地下鉄とはこれが違うわけです。もちろんそれには都の一つのなにもあります。ありますが、そのために、営団は営団としておやりになる。交通局は交通局としておやりになっておる。あの七千五百人の人間をかかえた——路面交通だけに七千五百人をかかえておるわけですから、配置転換をしようと思ってもできないわけなんです。どういうふうにして路面交通をはずすかということについてのお考えを持っておられるのか。これは東京に対する答申が出たときに、今のうちに経営主体の方向をきめておかないと将来混乱しますよと私はしつこく言ったのですが、今全く混乱してはずせない。銀座線をはずそうとしてもはずせない。下は地下鉄が通っている。これをどういうふうにしてはずそうとされておるのか、この点を一つ具体的に聞いておきたい。
  109. 佐藤光夫

    ○佐藤説明員 かわって御説明申し上げます。  路面電車の撤去につきましては、今御指摘のように、すでに都市交通審議会の答申がありまして、原則としてこを撤去する、今御指摘のように、いかなる方法でそれを実行していくかという段階にあるわけであります。さしあたって、今お話がありました東京につきましては、軌道経営者としての東京都に、具体的な路線等について、現在検討していただいておるという段階でございます。
  110. 井岡大治

    ○井岡小委員 私の言うのは、路面電車の撤去をすること、これが主たる目的でなければならぬけれども、現実には撤去ができないじゃないですかということです。それはやろうと思ったら今でもやれますよ。しかし、やった後において社会問題が起こります。配置転換をさせようとしても持っていく場所がないのです。あの電車関係だけで七千五百人使っておるのですよ。こういう問題があるから、将来の東京交通は、当然一元化の方向をたどらなければいけない、こう私の方は言っておる。そういう方向をお考えになった上での路面撤去かどうかということを聞いておる。
  111. 有馬英治

    有馬政府委員 路面電車をできるだけ撤去して地下鉄にかえていくということが、都市交通の当然大きな眼目であることは、仰せの通りでございます。路面電車につきましては、経営主体も違いますが、同時にまた、利用者の立場からいって、経済的に路面電車に愛着を持っておる場合も多々ございます。これをかえることによって、他の面に、つまり従業員を中心として経営者の方面にマイナスが出てくることも考えられます。従って、採算の面、また顧客の利便、それから配置転換その他の従業員の始末、こういう問題を勘案しなければなりません。そのうちでできる路線からやっていくというこで、ただいま東京におきましては、一つの例として、杉並の路線を具体的な検討の対象にしておるわけで、逐次具体案の検討を進めておるわけでございます。
  112. 井岡大治

    ○井岡小委員 私の言っておるのは、路面電車を撤去する条件というのは、地下鉄を敷かなければ路面電車の撤去の条件にならないと言っておる。そういうふうに理解しませんか。
  113. 有馬英治

    有馬政府委員 考え方としてはその通りでございましょう。地下鉄ができた場合でも、はずせないような場合も、その他の事情で暫時の問はあるかと思います。
  114. 井岡大治

    ○井岡小委員 もうかなり時間もとって、私だけあまりしゃべってもいけませんので、最後のお尋ねをします。  私はもう一度ここであらためて申し上げておきますが、運輸省なり警察当局が非常に御努力、御苦心をされて交通規制をおやりになっても、これは全く一時的なものであって、あすからまた同じ現象が起こってくるだろう。その結果どうなってくるかというと、当然自動車産業それ自体にも大きな影響を及ぼすようなことになるでしょう。そういう点から考慮するならば、運輸省は、すみやかに地下鉄の建設ということに大きく踏み切ってもらいたい。ということは、いろいろ都市行政上のことを考慮されて、道路の拡幅等も考えられておりますけれども、現実に道路の拡幅というものは、なかなか一朝にしてできるものじゃない。莫大な費用が要る。こういう点等から考えて、すみやかに出してもらいたい。あなた方の一番ネックであった利子補給については、大蔵省は平常の状態ではいいのだから、これより発展させなければいかぬのだから、こう言っておるのですから、まだ会期はあるのだから、今からでもお出しになることがいいと思う。これがまず第一点。  それから第二点は、路面電車の撤去については、いわゆる地下鉄を建設をしてからでないと、部分的に杉並線をこう切っちゃってとかなんとか言ってみたって、こんなものはこれまたこうやくばりなんです。ここをつめでひっかいたからここにちょっとこうやくを張るということであって、決して全体の動脈硬化を来たしておるものの治療にはならないと思うのです。だから、少なくともその路面電車を撤去するためには、地下鉄の経営それ自体について、今の東京都あるいは営団という形に置いておくのでなくて、飛躍的な発展を考慮する必要があるのではないか。そうしない限り、これはなかなか問題は複雑になってしまうのではないか、こう思うのです。これらについて早急の結論を出す必要があろうと思うのです。たとえば、私はここでこうしろとは申し上げませんけれども、首都圏交通審議会ではちゃんとこれには結論を一つ出している。何年かということでは言っていないけれども、地方公共企業体のようなものを作って、一元化をして路面電車の撤去をはかりなさいという答申案が出ておる。私はこれが最良とは思いませんけれども、一つの案であることには間違いない。こういう点を考慮されて、すみやかに運輸省は案を作られるべきだ、こういうように考えます。この点について意見を申し上げると同時に、御答弁をいただいて——きょうはほかの問題ですから……。
  115. 有馬英治

    有馬政府委員 大へん参考になる御意見をたくさん聞かしていただきまして、まことに感謝にたえない次第でございますが、御意見を十分参考にいたしまして、今後の具体的な検討に進みたいと思います。
  116. 細田吉藏

    細田(吉)小委員長代理 關谷君。
  117. 關谷勝利

    關谷委員 先ほどから長時間にわたって規制の問題、交通緩和の問題につきましては、論議を重ねたのでありますが、警察庁の言っておりますところの観光バスあるいは路線トラック等は、これはきわめて小部分でありまして、重箱のすみをようじでいろいろほじくるという言葉がありますが、そのようなまことに微々たるものであります。パーセンテージから申しましても、わずかに〇・三%でありまして、これがために混雑緩和に役立つとは私たちには考えられません。しかもこれは、法律的に考えましても、違法であると私たちは考えます。私たちも政務次官をやっております当時、自分の勝手の悪いときには、これを何とかこのように解釈をしてもらえぬかというようなことを、法制局によく言ったものであります。先ほど伊能君が言っておったけれども、伊能君あたりもたびたび経験があるはずであります。しかし、それだけおそらく警察庁法制局あたりと協議をせられたはずでありますが、それでもはっきりとした保安局長の御答弁を得られないということは、これが違法である、そうかといって警察庁が法をくずすわけにはいかないというようなことで、はっきりとした解釈が出てこないものだと私たちは推測をいたします。そこで、この法律違反になるおそれがあり、さらにわずかの、重箱のすみをほじくるような、そういうふうな観光バスあるいは路線トラック等のことにつきましては、これは私たちはこの際お考え直しをいただくのが妥当であろうと考えます。  なお、運輸省が今回発表いたしております——運輸省じゃない、陸運局だということで言いのがれるかもしれませんが、あの案は、また重箱のすみをはしでほじくるくらいのことしか効果はありますまい。このようなことで、一歩前進したくらいなことを言うて、これで世論をごまかして、それで満足して交通緩和対策をやったのだと言う。これは口実になるかもわかりませんけれども、これまた大した効果はありません。それだけのことをやったあとに、また自家用車がのさばって入ってくるというような結果になるよりほかに何にも得るところはない。せっかく規制をして、そして影響は大きいが、効果は何にもないというようなことになってくることは、これはこのままで実施いたしましたならば、事実が証明をいたします。そういうふうなこよりも、私が数年前から叫んでおりまするし、この委員会におきましてもたびたび申しましたように、なぜ自家用車規制をしないのか。今日皆さん方、自動車局長も保安局長も両方が話し合うというふうなことで、虚心たんかいに話し合って、結論を得て、そうしていい案を出すのだというふうなお話でありまするが、ただ、今運輸省が出し、警察庁が出しておるあの案だけでやるのでは、何もなりません。そういうふうなことより、もう少し大所高所から考えて、自家用車規制をしなければなりません。これだけはどうしても私はあなた方が勇断をもってこの際やってもらいたい。何回繰り返してもなかなかあなた方の耳に入らない、馬耳東風で聞き流すようなことでありまするが、これはそういうふうなことにしてはなりません。今度だけは思い切って——ようやくこの間小委員会ができることになったとか、できたとかいうのでありますが、そこで連日検討してでも私は結論を出してもらいたい。そうして自動車規制がむずかしいといいますけれども、何がむずかしいのか私には一向わかりません。道路運送法を改正いたしまして、登録の際、あるいは車検の際に、車庫規制をやって、そうして主たる拠点に車庫のないようなものは、必ず路上に放置をするのですから、そういうようなものは登録を拒否するというように、これは道路運送法を少し改正すればいいのです。何もむずかしいことはない。こういうことは練達堪能の木村自動車局長にできないことはない。なおまた、今度は道路交通法の面は路上放置、これは道路交通の障害になるという建前からも、これも保安局長のお考えで僅かの条項を改正すればできる。この道で多年苦労せられたあなたがやって、何もむずかしいということが出てくるはずがない。ことにまた、道路法の関係は、放置物件の取り締まりは、これは道路管理者がやるべきことでありますから、これも建設省の参事官が残っておられるが、道路法をちょっといじればすぐできることです。これだけしやすいことをやられないことはないと思う。ただ、あなた方が非常に憶病がられておりますことは、適用除外をどうするかというこれだけの問題であろうと思う。それについてあなた方三者が寄って話し合ったならば、完全にここに一致した意見が出なければならない。それをまた一致した意見に持っていかなければならない。それをやらずして、いくら観光バスのわずかなものを規制してみたり、あるいは路線トラックのわずかなものを規制してみたり、また、それより少し輪郭が大きいこの運輸省の案でやってみたところで、何もなるものではありません。すぐあくる日からそこに堂々と自家用車が入って来て、混雑は同じようなことになってしまうのであります。これこそほんとうに何も効果なくして影響が大きい。たとい、一定時間にせよ。これを制限したことによって生じた損害は、公共の利益、公共の福祉に影響がないということになると、私は損害賠償の対象にもなると思う。その請求権もできてくるのではないかと思う。これは、あなた方の方が専門でありますから、よくわかるはずでありますが、そういう結果が起こりかねない。この際自家用車規制を忘れて、この交通緩和を論ずることは、大きなずうたいのものを全部忘れて、つめの先か指の先をやっておるようなものであって、何の効果もありはしません。そんなことで私たちはたびたび都市交通委員会を開いておるのではありません。今あなた方は、自家用の関係についての委員会を作られたということでありますが、早くそれを活用して、私たちが一日も早く実現することを念願しておるこの交通混雑緩和を実現していただきたい。これについては皆さん方の御意見はどういうふうなのか、やる気であるのか、やらない気であるのか、やるならいつごろまでにやろうという気持であるのか、それだけを聞きたいと思います。
  118. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 ただいまの關谷先生のお話で、自家用車の車庫の規制の問題でございますが、この問題は、交通関係閣僚懇談会並びに内閣交通対策本部で、われわれ関係者もいろいろ議論して参りまして、結論といたしまして、まず自家用のトラックの車庫について、車庫または常置の場所を義務づけるようにいたそう、続いて自家用車全般について車庫の問題を検討しようというふうに大体なっております。  そこで、自家用のトラックの車庫の問題でございますが、これは現在自家用車が届出制になっておりますので、届出の段階におきまして、車庫があるかないかをチェックいたしたい。自家用車の所有者は、自分が車庫を持っておるかどうかという証明を警察の方にお願いをして証明をしてもらうということで、私の方と警察の方で現在この案を検討いたしており、できるだけ早い機会に法的措置を講じたいと思っております。これは法的な措置は省令の改正の段階でできるのではないかと今は考えております。  それから、全般的な自家用車の車庫の問題でございますが、これは今もお話がありましたように、道路運送車両法あるいは道路交通法あるいは道路法にまたがる関係のある法目的から出てくる車庫の規制でございますので、何か特別立法の形で、三省なりあるいは二省なり、関係省の共同提案の形で特別立法をしたらいかがであろうかということで、運輸省といたしましては、、現在私のところでその案を検討いたしております。近く関係各省とも相談いたしたい、かように考えております。決して時期を延ばすということはいたしていないわけでございます。
  119. 木村行藏

    木村(行)政府委員 關谷先生からのお話は、前々から非常にきつく御要望がありました。私たちもこの自家用については、乗用、トラックを通じて、車庫の法的な設置義務ということを必ずやるべきだということで、一番うるさく強調した一人であります。交通閣僚懇談会の初っぱなにもそういうことを作文して出しました。幸い、第一段といたしましては、ただいま木村自動車局長からもお話がありましたように、自家用貨物自動車、これについての車庫または常置場所の確認ということを、これは警察の大へんな負担になるわけですけれども、実際に届出がありました際に、それ以前に、それが事実に合っているかどうかということを、はっきり各警察署が確認しまして、その上で陸運局に連絡して、もしそれがはっきりうそである、架空のものであるということになれば、使用届を受理しないというような形に持っていくという話がつきました。  それから、それ以外の法的な設置義務につきましては、ただいま木村自動車局長からもお話がありましたように、私たちの方の結論としても、各省にみんなまたがっておりますので、何か特別立法が必要であろうと考えまして、同じ方向で話を進めております。
  120. 關谷勝利

    關谷委員 両省とも研究をして、特別立法も必要ではないかというふうなことで御意見が一致しておるようであります。そうしてそのために自家用の車庫規制をやる、それから路上放置の禁止をやる、そういうふうなことを前提としての自家用車規制をやられる、こういうふうなことでありまするので、私はその点あなた方の言われていることに期待をいたしております。そうしてこれから早急に、私はこれほど世論のきびしいときでありまするので、早急に皆様方、その関係の方々がお集まりになって、連日検討をしていただいて、そうしてまた、できることならこの国会の会期中に、こういうふうな結論に到達した、そうしてこういうふうな特別立法をしようと思うがというところまでの御答弁を、皆さん方からいただけるようにしたいと思いまするが、そういうふうなことを、御相談の上で——きょうすぐにそうすると言えればけっこうでありますが、そうでなければ、あとで御相談をせられて、できるだけそのように、今会期中に特別立法の措置をするところへまで持っていこうとか、これは間に合わないから、次の国会に譲ってくれというふうな、あなた方の見通しがわかるはずでありまするので、その見通しがわかり次第、この委員会へ御報告が願いたいと思います。重ねて申し上げまするが、観光バスとか路線トラックというような、そんな両方合わせても〇・三%くらいなもの、それから運輸省考えたところでこれは一〇%になるのか五%になるのか知りませんが、私詳細見ておりませんが、そんなことで満足をすべきものではないのでありまして、真剣に自家用車規制に踏切っていただきたい、この際勇断をもってやっていただきたい、こういうことをお願いいたしますると同時に、この見通しがつき次第御報告が願えるかどうか、それだけを伺って私の質問を打ち切りたいと思います。
  121. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 御説の線に従いまして努力いたしまして、御報告をいたしたい、関係省とも協議いたしまして、早急にいたしたいと私は考えます。
  122. 木村行藏

    木村(行)政府委員 今の御答弁と全く同じ気持でいたしたいと思います。
  123. 細田吉藏

    細田(吉)小委員長代理 次会は公報をもってお知らせいたすことにいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会