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山内委員 今出された中で、私はやはり
当局の猛省を促しておきたいと思うのですが、勤務時間は、あまりそういう俸給とか収入の問題とからめないで、働く者の
一つの権利として、これはぜひやってやらなければならぬという基礎の上に立たないと、給料を多くやったからうんと働いてもいいんだという
考え方は、私はどうかと思う。
これは
船員局長にもぜひお願いしたいのですが、さきにもちょっと触れました
通り、
労働基準局の方でもこの疲労の研究はしておらないと言っておる。民間で若干やっておるけれども、そういう機関は持って一いない。しかしこれは、ぜひ
一つ万難を排してでも——もう医学的に研究されることなんです。こちらもさっきタクシーの運転手と同じだとおっしゃいましたが、私もそうだと思う。居眠り運転をしてぶつけておる
現状なんです。あの
連絡船がそういう事故を起こしたら大へんなことになる。これはちょうど、何といいますか、アルコール中毒と同じで、二十四時間
連続して働いて二十四時間休んだ、疲労が切れない、回復しない、そうしてまた二十四時間の勤務に服する、こういうことになりますと、もう疲労が切れませんから、これは非常にからだに害になっておると思うのです。そういうところが医学的に研究されませんと、これはアルコール中毒患者を作るように——一週間に一ぺんくらいははっきり休んで、そして完全に疲労を回復しておかないと、非常にからだに
支障を来たすと思う。こういう研究はもうあなたの方でやっていただかなければやるところはない。ですからこれは、私は前に一ぺん調べたことがあるのですが、まあそういうことを申し上げておると非常に長くなりますので……。
ただ、皆さんあるいは
国鉄当局でお
考えになると思っておるのですが、時間がありませんから私の意見を多く申し上げますけれども、たとえば、ベッドもあるんだ、休みも十分とってある、こういうお
考えだろうと思うのです。しかし、私の体験を通じて言えば、やはり船に乗って
船長の支配下に服したら、おりるまで勤務時間と
考えないといけない。この中からここに三十分、ここに一時間という休養をトータルしてみても、それは休養にならないのです。こういう認識を
一つはっきり持っていただきたい。また、そういう規律を確立しておかなければ、お前には
睡眠時間があるんだからと、ぐっすり眠られたら、事故があったとき困るんです。
船員は船に乗ったらいつでも船の音響を聞いて何か
機械に事故がないか、それだけの神経を働かしておならければならない。そして事故が起きて電気が消えても、まっくらやみを自分の仕事場まで走っていくだけの熟練とそれだけの機敏を要請しておる。これはあとから申し上げますが、四時間の
連続をやったからといってぐっすり眠るようでは、ほんとうは
船員としての資格はないのです。
連絡船のように、ひんぱんに運航するときは、常に起きている勤務の状態ですから、もしこういう勤務を解除するということになれば、もっと船をたくさん建造して、一週間に一ぺんくらい船をつないで休養をとらせる何かの方法を
考えませんと、私はこれは非常に重大な問題だと思っております。また、これについて反論でもありましたら
一つお聞きしておきます。