○肥田
委員 私は、やはり
当局の
責任者としてはその通りだと思います。しかし、くどいようですけれども、贈賄が現実にあるということは、見返りがなければ、贈賄などするそんなとぼけた企業者はいませんよ。手心を加えてもらうか、品質がよそより劣っておっても納めてもらうとか、あるいは
数量をよけいもらうとか、こういうものがないのにリベートを贈る必要がどこにありますか。わいろを贈る者がどこにあるか。これはこういう問題が起きたときにだれでも
考える通念ですよ。そういうことを申しておるわけです。
そこで、あなたの方ではきわめて自信を持った
価格だというふうにお
考えですけれども、自信を持った
価格そのものが実際にはおかしいのじゃないですか。私はそうなると思うのです。一面では、いわゆるリベートというか贈賄というか、そういう運動が盛んに行なわれておる。副
総裁が先日も瓜田にくつを入れずとおっしゃった。
人間というものはそういう気持でおらなければならぬ。李下に冠を正さずという
言葉がある通り、
人間は誘惑に勝てないということは、これも小人玉を抱いて罪ありといわれておるくらいに、いかにりっぱな人でも、目の前に見せつけられるか、あるいは陰で何とか工作されれば、君子といえどもくずれるのはあたりまえだと思う。私はここが肝心だと思う。しかし、あなた方が目こぼしをしているということを言っておるのではありません。
注意が足りない面がまだあるのではないか、こういうことを言っているわけです。
そこで、私実はいろいろな例を知っております。これは、あなた方よりも、むしろあなた方の方で
取引を持っておる各種の
メーカー、この
メーカーには、無数という
言葉は適当ではありませんけれども、とにかく
国鉄や運輸省におった人で、中堅幹部以上の人が相当入り込んでおる。これらが何かあればすぐわれわれのところへ伝わってくる。あそこの会社ではこういうことをやっているらしいぞ、ここの会社ではこういうことをやっているらしいぞ、実にわれわれが予想もできぬようないわゆる商業戦術というような詳細な情報網を持っておる、こういうことがある。ですから、御
承知のように
国鉄をおやめになった、運輸省で何かあって引っかかった連中がやめた。そうすると、この人はちゃんとそれらの会社が引き取っておる。それは待遇には差がありますよ、いわゆる大きな功績で金鶏勲章並みに扱われておる者もありましょうし、傷痍軍人並みに扱われておるような者、飼い殺しのような人もおる。先般もいろいろな
関係で話があったように、
国鉄や運輸省からそういう
関係業者その他の方面へ向かって一体何人くらい行っておるのか、どういう人がいるのか明らかにしなさいと言って、何回となく言われておったが、実際には今日までまだ明らかにされておらない。私らが調べただけでも相当数おります。ですから、片一方で何か間違いを起こしても、片一方で引き受けてくれるところがある。引き受けてくれるところがあるということは、その人が引き受けてもらえるだけの、報酬に値するだけの
仕事をしておったということになる。そうすると、
国鉄は、品物の質においてか、量においてか、とにかく不当に高いものを買っておった。それはなるほど
車両を作る上において調査会というものがあって、どういう形態のものを作ればいいかということを合理的に計算されると思うが、商売の方はもう
一つ上なんです。だから、帰するところは
国鉄が高いものを買わされておる、こういうことになるのじゃないかと私は思う。だから、
国鉄経営というものに
皆さん方が一生懸命に努力しておられるけれども、しかもなおかつそこにむだと何か手抜かりがあるのではないか。先ほども
お話がありましたが、昨年は〇・五出した、ことしは〇・四プラス千円だ、これは昨年と同額だ、同額より下がらないんだと言う。これは民間の企業でも言っておることですが、賃金が上がって、そして上がった賃金でいろいろな手当をもらう場合には、みんな上がった率をちゃんと胸におさめておる。ことしはこれだけのものをもらえるぞ、こういうふうに
考えておる。ところが、出す方は、昨年と同額だということ、昨年より減ってはおらないぞ。そうじゃない。賃金は上がっておる、うちも上がっておる、上がっておるから上がったものだけのものはもらえるだろうというふうに
考えておるのに、昨年と同額だというふうに回答を出されておる。これはあなた方の
考えですから、私は文句を言うわけじゃない。しかし、それはそれとしておいても、現実に片一方で、われわれが見てもどうもむだがあるような気がする。これは
国鉄の
経営上重大な
一つの検討すべき問題ではないかと思う。そういうことで片一方に手抜かりがあるから、期末手当でわずか千五百円くらいのものを押えて、そして
経営上、労務
管理上ごたごたが起きてくる。こういうものは比較せずに
考えなさいと言われても、そういうわけにいかないと思う。そこで、こういうふうな問題が起きた
あとで私は思うのですが、実際にそこまで実現できるできないということはともかくとして、副
総裁、それから関常務、どうでしょう。先ほど私が言っておるように、
汚職や何かの問題が起きるのはそういう
関係にあるんだから、
国鉄あるいは運輸省——ここに政務次官がおいでになりますけれども、そういう経歴を持った人が直接
取引の対象になるような
メーカーにそのまま横すべりする、あるいは前科がついて、そして大っぴらにまたそれぞれの
メーカーに横すべりをしていく、こういうようなことは防ぐことはできませんよ。
皆さんの手では防げないでしょう。しかし、そことは
取引しないという、何らか規制を加える必要はございませんか。私はとれが
国鉄が持たれておる疑惑を一掃する一番明快な手段だと思う。どうお
考えになるでしょうか。