○
勝澤委員 大
へんけっこうなお
考え方だと思うのです。
事故が起きた当座というものは、大体安全第一というものの
考え方が優先をしてくるわけです。少しでも
支障があると認めたときには、ちゅうちょなくとめよ。そしてその
あとで次の
対策をせよという方針が優先をするわけです。しかし、その
事故が少し遠ざかって、平常の
状態になってくると、今度は汽車を走らせることが中心に
考えられるわけです。私たちは、よく汽車に乗って、静岡を出るときには二時間二十分くらいおくれている。東京へ入るときには一時間と五十九分で入ったという放送と同時に、急行料金の払い戻しはしませんと言って、車掌が各車内を回って、申しわけありませんとあやまっておる。こんなことを
国鉄がやるから、どうも
国鉄の評判が悪くなるんだ。これはいろいろむずかしい問題だと思うのです。しかし、それほど
国鉄の従業員というものが、いい悪いはともかくも、とにかく
国鉄の利益を
考え、
輸送の安全を
考え、なおダイヤというものを
考えながらやっているわけです。この
考え方というものは、明治以来つちかわれた
国鉄の中に魂として残されておるわけですから、それはよほどの決意でやらなければならぬ、こういうことになって、こうなったときにはお前には
責任はないんだぞ、この汽車をとめた
責任というものは何もないんだということを、相当詳細に、具体的にある
程度の
判断ができるようにしてやらなければいけないと思う。それをただ勘で、あるいは本人の推量でやって、
あとで怒られている例が幾らもあるわけです。お前なぜとめたんだと、逆に怒られているわけです。それは
施設局長の
立場では、よくとめたと言うでしょう。しかし、片方のお客の
立場から言うならば、これはけしからぬじゃないかと、また言われるわけです。それがまたお客の中からはね返ってきて、どうもという形で全体的に
国鉄にかぶさってくるわけですから、施設局で
考えているようにはやはりいかないわけです。
そこで、この中に出てくる二番とか三番とか四番、この問題については、これは当然行なわれたと思うのです。結局最終的に出てきている二番の「道床
砂利の取卸しについては、今後できるだけ
ホキ車を使用するようにする。」結論的に言うならば、今度の
事故は、ホキを使えば
事故がなかったであろう、こういうことが言えるわけです。極端な言い方をすると、ホキを使わなかったのが
事故の
原因であるから、なぜホキを使わなかったというようなところに問題の焦点があるんだ、ひっかかったのが問題じゃないんだという言い方もできると思うのです。結局分区長が転勤になった。そして技術掛が代行した。その技術掛も、十何年も経験を持った
線路工手と一緒にやった。そしてひっかけたけれ
ども、事件を見ながら十分
手直しをして、これならいけるだろうということでやった。そうしたら、通った
貨物列車の中で浮き上がるような軽い
貨車があったというところに、結局問題がかぶさっていると思うのです。そこで最近この運輸
委員会で問題になったことは、
東海道は動揺が激しいじゃないか、もう少し保守を十分しなければならぬじゃないかという話が出ました。あるいは十月の白紙ダイヤ以降、
列車の
遅延がはなはだしいじゃないか、あるいは優等
列車が優先をして、通勤を犠牲にしているのじゃやないか、こういう点が出て参りました。これは三つとも事実だと思う。しかし、
国鉄の方は、設備の
近代化をしなければならぬという点で、今新保守体制といって、静岡では具体的に提案して、どこを何人減らすという相談がなされております。それは電気の
関係も同じだと思うのです。結局異動があった、片方では新保守体制でいくということで、
現場ではこれでは無理だというにかかわらず、技術的にこれは可能なんだと、上からやられようとしている。こういう
状態があるわけです。そういう点から
考えてみますと、今新保守体制とかいうことでいろいろ検討されておりますけれ
ども、この際、もう少し学問的なものだけでなく、経験を持った、一番下でつるはしを持っている人たちの意見を取り入れた形の検討というものをすべきじゃないだろうか。また、それをしなければ、
事故が起きたときの
原因というものは、
手直しが悪かったんだということで、一番末端のところに
責任が転嫁されて、今まで二十人でやっていたのが十人に減らされたその
原因の所在というものは、明確になってこないと私は思うのです。そういう点で、今各所でやられていると思うのです。静岡では、具体的にやっているわけです。職場の方では、おれはどっちに行くんだ、どうなるんだという不安もあるわけです。その点から
考えてみますと、全体的に、この問題については、山手線のようなところは別でしょうが、
列車密度の多いところは、少し検討する余地があるのではないか。この点についてはいかがでしょうか。