○
田中(榮)
委員 そのほかの点につきましてちょっとお尋ねしますが、私は、
公団なり都の
建設局等が、
地元の者ともう少しあたたかい気持をもって親切に
折衝していただくと、もっと進捗するのではないかと思います。と申しますのは、
高速道路三号線の
麻布笄町、霞町の
地帯ですが、先般も
関係者が大勢参りまして、私は
道路公団の
加藤艦のところにも一行を連れて陳情に参りました。
道路建設本部長がお
見えになっていろいろ詳細にお答え願ったのですけれども、これは現に
住宅地で、
高樹町の
辺一帯ですが、あの辺は昔
高木子爵の
所有地であって、りっぱな近代的な
文化住宅がたくさんできており、都内においても最も優秀な
住宅地です。そのまん中を
高速道路がぶち抜いていくのです。
関係者の方が約四百世帯くらいございますが、これらの
人々が言うことには、
高速道路の
建設に対しては、われわれは反対しない、賛成いたしておる、ただ、
補償の問題とか、かえ地の問題が全然
お話がない、そこで、
麻布の
笄町、霞町の
付近に
三井不動産が持っている
土地が数千坪も二、それを
公団が手に入れて、それを
代替地として提供してくれぬかということをお願いしたわけであります。ところが、その
土地は、
三井不動産の方では、
芝浦の
埋立地の方を
倉庫に利用する意味でそこをよこせということを言っておるそうです。
東京都としては、とうとい
埋立地を
三井不動産に渡すことは難点があるということで、そこでまたひっかかっておるわけですが、都庁内においても、たとえば
埋立地を
所管するのは
港湾関係じゃないかと思いますが、
道路公団、
建設局というようなものが一体となってこれを解決しようという方向に持っていっていただいて、今言ったように
三井不動産のりっぱな
土地が数千坪あいているのですから、それを
笄町なり
高樹町、霞町の今度取られる
住民の
代替地として
一つ提供してもらう、そうすれば彼らも喜んでそこへ移転しましょう、こういうことを言っているわけです。
それからもう
一つは、
土地の
買収価格、
補償の額というものが全然まだ
公団から御
提示がない。御
提示があったといたしましても、それは数年前の地価を基準にしての
価格であるので、とても
地元住民としてはそういうことはのめぬ、こういうようなわけで、あの辺は全然手がついていないはずです。これは
土地の
住民が、四百何十軒かあるのでありますが、自分の家を持っておるのでありますから、これなんかを一時説得するには、やはり積極的に
公団なり、山田君なり
加藤君でもよろしい、行って
地元の者と対で会って話をしていただかぬと、なかなか私は解決できない問題ではないかと思うのです。これらなんかもひっかかっている
一つの原因です。
それからもう
一つ高速道路の問題で、汐留から銀座の方に行く昭和通りを通る
高速道路ですが、あれは築地から銀座の方に現在
道路があって、自動車が自由に昭和通りを突き切って向こうへ抜けるようになっている。今度あの
高速道路ができる結果、隧道か、あるいは高架の橋か何かを作ってやるという話を聞いておりますが、自動車が築地の方面から銀座の方面に行く場合においても、なかなか横断
道路ができない。隧道かあるいは何か知りませんが、それもできない。銀座一丁目から新橋、汐留の方に回らなければ築地の方面に出られない。また、築地の方面からも、銀座の方面には汐留を回らなければ出られないということで、
地元の方では、自動車道を昭和通りを横断させることは困難かもしれぬが、やはり
地元の町の発展のために、築地と銀座をつなぐ何本かの横断
道路といいますか、隧道と申しますか、そういうものをつけてくれぬかという陳情が非常にあるわけです。現在、
建設局でありますか、
公団でできておる図面によりますと、全然それができていない。それから
地元の方に、君らはいつごろ知ったのかと聞いたところが、実は三月七日に初めて私ども知らされまして、実は町内あげて何カ町連合でもって連合町会長の方で反対の署名を今とり始めたということなんです。そういう重大なことを一体――もうすでに都市
計画は数年前にできているはずなんです。もちろん、都市
計画の審議会には、
地元の区長も、それから都
会議員も出て署名をされているそうでありますが、
地元の方としましては、そういうことをようやく本年の三月七日に至って初めて知った、こういうことなんです。そういうようなやり方では、そのつどトラブルが起こって、賠償にしても、
補償にしても、いろんな問題で非常な難関に逢着するのではないか、かように私は
考えているのですが、そういう点、どういうふうに今までなさっていらっしゃるのでしょうか。