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1962-04-10 第40回国会 衆議院 オリンピック東京大会準備促進特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年四月十日(火曜日)     午前十一時二分開議  出席委員    委員長 島村 一郎君    理事 伊能繁次郎君 理事 臼井 莊一君    理事 小金 義照君 理事 田中 榮一君    理事 阪上安太郎君 理事 平岡忠次郎君       上村千一郎君    金子 一平君       中山 マサ君    濱野 清吾君       藤原 節夫君    松永  東君       村山 喜一君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房審議室         長)      江守堅太郎君         文部政務次官  長谷川 峻君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房国立         公園部長)   木村 又雄君         運輸技官         (観光局整備課          長)     滝浦  濶君         建設事務官         (都市局参事         官)      鶴見良一郎君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   西畑 正倫君         参  考  人         (東京建設局         長)      加藤  清君         参  考  人         (東京オリン         ピック準備局企         画部長)    森岡 一夫君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会会長)   津島 壽一君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務総長) 田畑 政治君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会施設部長代         理兼計画課長) 岡部十三郎君         参  考  人         (東京オリン         ピック資金財団         理事長)    靱   勉君     ――――――――――――― 四月四日  委員松澤雄藏君辞任につき、その補欠として松  山千惠子君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  オリンピック東京大会準備促進に関する件      ――――◇―――――
  2. 島村一郎

    島村委員長 これより会議を開きます。  オリンピック東京大会準備促進に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。  すなわち、オリンピック東京大会準備促進に関する件について、首都高速道路公団理事西畑正倫君を参考人と決定し、本日その意見を聴取いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 島村一郎

    島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ――――◇―――――
  4. 島村一郎

    島村委員長 なお、本日は、参考人として、東京建設局長加藤清君、東京オリンピック準備局企画部長森岡一夫君、オリンピック東京大会組織委員会会長津島壽一君、同事務総長田畑政治君、東京オリンピック資金財団理事長靱勉君、以上の方々の御出席をいただいております。  ちょっとここで御了解をいただきたいと思いますのは、津島参考人は参議院の地方行政委員会関係でちょっとおくれるという申し出がありますので、もし御質問がございましたら、できればあと回しにお願いいたしたいと存じます。  この際、参考人各位一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会調査のためわざわざ御出席を賜わりまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。  この際発言の申し出がありますので、これを許します。臼井莊君
  5. 臼井莊一

    臼井委員 私は、文部省、厚生省、それから運輸省関係の、青年の家とか、国民宿舎とか、ユースホステルの問題で伺いたいと思うのですが、まだ運輸省はお見えにならないようですので、文部省に先にお伺いいたします。  各省ばらばらになっていますが、やはり究極の目的は、大体簡易な宿泊施設ということが一つ目的で、それに伴って、文部省では、青少年の育成、社会教育の面、こういうことが目的のようであります。運輸省の方では観光ということで、最初問題が起こったときには、どっちに分担するか、どっちでやるかということが問題になったときに、結局、文部省運輸省と分かち合ったというような、こういう当初の経緯があるのでございますが、今までのところではそれで差しつかえないようでありましたが、ただ、オリンピックが開かれるについては、海外から簡易宿泊施設を求めてこられ、希望せられる方が相当あるじゃないか、ことに教育関係方面、学生とか先生方とか、その他の人でも勤労者とかいうような人、そういう点と、もう一つは、オリンピック東京大会を機会に世界各国青少年団大会をしたいということ、これは総理府の方で考えていただいたようでありますが、そういうふうな際に、各省ばらばらであると、そういう点の手違いが万一でもあってはいかぬと思いますので、これらの連絡等はどこでやっておられるのでありますか、総合的なそういう準備計画というものをどこでやっておられるのか、もし文部省でおわかりでしたら、あるいは総理府が来ておりましたら、お答えいただきたい。
  6. 江守堅太郎

    江守政府委員 この問題は、総理府にございます青少協事務局でやっておりますので、直接私の所管ではございませんが、この協議会の方で仰せの通り相当多数の青少年を誘致したい、また、今までのオリンピックの際でもそういうことをやって大へんいい成績をおさめておるという話を伺っております。それで、審議室の方では、オリンピック関係につきましては、オリンピック対策準備協議会のお世話をする仕事をしておりますので、そのお話を承りましたので、非常にけっこうなことではあるけれども、やはりこれはオリンピック大会を運営する上において支障を来たすというようなことがあっては困るので、宿泊施設、あるいは見においでになる人々の数、それらに伴う輸送の問題など、オリンピック競技そのものを運営する上において非常に関係することが多いから、どうかその点について十分の配慮をしていただきたいということを申し上げておるわけであります。その後実は何のお話もないわけでございますが、追い追い具体的になりますと、当然、私たちの方のオリンピック対策準備協議会の方でいろいろお話を承って、いろいろ調整をすることになろう、かように存じます。
  7. 臼井莊一

    臼井委員 青少年団世界大会といいますか、そういうようなものは、宿泊施設といっても、おもにテント宿泊する、要するにテント村を作るというようなことになろうかと思うのであります。そこで、それに一番適した場所ということが一番主だろうと思います。しかし、そうでなくて、さっき申し上げたように、簡易な宿泊施設となると、ユースホステルあるいは青年の家、それから国民宿舎ですか、これを総合してどういう計画があるかという点をお伺いしたいのですが、この点については、オリンピック組織委員会の方ではどういうふうにお考えになっておりますか、その点をまずお伺いしたいと思います。
  8. 田畑政治

    田畑参考人 今の青少年のキャンプは、ローマ大会から組織的に始められたものであります。ヘルシンキの場合にもちょっとある程度出たのですけれども、ローマ大会でやったのが、最も組織立ったものであります。それはオリンピック憲章に、オリンピック期間中には国際的な催しはその土地ではやっていけないという規定がありますので、これはやはり組織委員会事業としてやらなければできませんので、それは組織委員会仕事として、はっきり事業の中に入れまして、それを総務の担当として一応骨子だけを十分研究の上で、今の組織委員会自体ではとても無理ですから、でき上がりましたら、総理府青少年問題協議会文部省の方と相談して、実施する団体をきめたいと思います。ローマの場合は特設軍団がやったのであります。ローマの場合は非常に簡単なテント張りでありましたし、東京の場合も、十月ですから、案外ヨーロッパ人は寒いことは平気ですから、テントでいけると思うのです。しかし、テントでやっていくか、ユースホステルでやっていくか、今後の研究問題だと考えております。
  9. 臼井莊一

    臼井委員 もう一つお伺いしますが、今私が後段で申し上げた宿泊についての、そのうちの簡易な方の窓口は、政府側ではどこで総合してやっておられるのでありましょうか。
  10. 江守堅太郎

    江守政府委員 運輸省の方で窓口はやっております。
  11. 臼井莊一

    臼井委員 運輸省はまだ見えておりぜまんね。――その点はまたあとでお伺いすることにいたしまして、建設省の方に、これは田中委員から御質問があるようですから、総括的なことをちょっと一言お伺いしたいのですが、聞くところによると、道路建設がはたしてオリンピック大会までに十分間に合うかどうかという問題については、われわれにしても、しろうとしろうとなりに心配をしているのです。それは、第一に用地買収補償、こういう問題について、いずれの場合でも非常に困難があって、そこで強制買収の問題については、先般法律も新しく一つ改正したのでありますけれども、それにしても、急速ということになると、まだまだわれわれ考えて手ぬるい点があるように思うのでありますが、この点につきまして、高速道路の一号線、羽田から都心を結ぶ線などは一番重要だということが言われておるのですが、その大体の見通しについて十分御確信があるのでありますか、どうですか。その点、首都高速道路公団の方にちょっとお伺いしたいと思います。
  12. 西畑正倫

    西畑参考人 今お話の一号線は、羽田から都心日本橋まで約十七キロございます。それから日本橋から日本橋川をさかのぼって、神宮内、外苑からワシントン・ハイツを経て甲州街道に出るのが約十キロでございます。二十七キロの道路を三十四年度から着手いたしておりまして、三十六年度までに約四割くらいは完成いたしております。ことし三十七年度は、一号線、四号線の関連街路もあわせて約百八十億円の予算をつけていただきまして、それだけの仕事をやりますと、一号線が七〇%、四号線が五〇%は完成する予定になっております。三十八年度には工事的にも予算的にも完成する見込みでございますが、御承知のように、隘路になっておる問題は、羽田沖漁業補償の問題でございまして、ただいま日本橋から水産大学のところまで約九キロ間は工事は一斉に着手しておりますが、それから羽田までの間はブランクになっております。漁業補償問題の解決を待望の形になっておりますが、これは東京都が事業対策本部中心にして真剣に漁業組合と取り組んでいただいておりまして、遠からず解決するものだとわれわれは期待しております。そのために必要な準備作業としまして試掘ボーリングのような調査は、漁業組合了解を得まして、われわれの方で全部完了いたしました。工程のうちで一番難工事と思われる羽田の海老取川の隧道が約四百メートルございますが、これに約二年半かかりますので、これが全体の工期を抑えることになるのでございます。これは設計をいたしまして、漁業組合の内諾を得て請負の入札にも付しまして、請負人は決定いたしました。補償問題が解決すれば一斉に荒手できるだけの準備作業を今進めております。一番困りますのは、やはりその前後の場所が狭いので、羽田側の二五五千坪の埋め立て工事を、東京都が権利を持っておるのをこちらに譲っていただきまして、そこを埋め立てをして、高速道路作業場にもして工事の基地にしたい、こういう建前であらゆる準備は一応完了いたした格好になっておりますので、最近におきまして東京都の方で解決していただけば、工事の方はまずオリンピックまでに支障ないという確信を持っておるわけでございます。
  13. 臼井莊一

    臼井委員 そうしますと、予定としては三十八年度中に完成する、こういう予定をつけておるわけなんでございますか。
  14. 西畑正倫

    西畑参考人 全般の工事としては三十八年度に大半片づきます。ただいま申し上げました海老取川前後と、京浜第二、第三の埋立地の部分は、どうしても三十九年オリンピックすれすれまでかかるのではないかと考えております。ということは、京浜第二、第三の埋め立ても、漁業権落着とともに埋め立てをしていただいて、その上にわれわれの道路を作ることになりますので、やはりある程度地盤の落ちつく期間も見たいようでありますから、三十八年度一ぱいには困難であろうと考えております。
  15. 臼井莊一

    臼井委員 そこにおる人も非常に不安を感ずるわけで、こういう工事というものはどうしても延びがちになるし、補償にしても、切迫するに従って、よけい、悪く言うと、補償を受ける方が強くなる、こういうような形になるので、非常に心配しておるわけです。  そこで東京都にお伺いします。都の方で漁業補償の方を折衝されておられるのでありましょうが、その折衝の工合は、これは補償を受ける側とのいろいろのかけ引きもございましょうから、むずかしい問題だと思いますが、差しつかえない程度において伺いたいのですが、どういう程度になっておりましょうか。
  16. 加藤清

    加藤参考人 私、東京都の建設局長加藤と申します。ただいま御質問漁業補償についての状況でありますが、実はこの漁業補償の問題につきましては、都といたしましては、事の重大性にかんがみまして、特別にこの問題を専管いたしまする内湾漁業対策本部という、局に準じます一つの機構を特設いたしまして、本部長中心といたしまして一昨年来漸次この問題に取り組む態勢をとっております。この補償問題につきましては、直接的にはこの内湾漁業対策本部におきまして所管をいたしておりますが、私、建設局立場におきまして多少参画もいたしておりまするし、そのつど状況を伺っておりますので、まことに間接的な立場で恐縮に存じますが、私の知り得る限りの状況を御説明申し上げたいと思います。  結論から申しまして、ただいま西畑さんからお話がありましたように、首都高速道路の一号線ときわめて密接なる関係を持っておりまして、しかも、この首都高速一号線はオリンピックまでには絶対に間にに合わさなければならないという、一つの基本的な制約を持っているわけであります。従いまして、部といたしましては、この点に立脚いたしまして、オリンピックの時期から逆算いたしまして、いつごろまでにはどういうことをどういうふうにしなければ時期的に間に合わなくなるという、詳細かつ具体的なるスケジュ-ルを作りまして、この補償問題に取り組んでおるわけであります。当初の部の方針といたしましては、昨年の年末までに何とか妥結をいたしたいということで、鋭意漁業組合側折衝をいたしたのでありますが、それが予定より延びまして、結局、この三月、前年度末までに何とかして妥結をいたしたいということで、相当に実は話が煮詰まって参っております。現在の状況からいたしますと、大体これは昨日までの状況でありますが、非常に話が煮詰まって参りまして、都といたしましても、具体的な補償額について一価日中に提示をする、こういうところまで参ってきております。それに対しまして、組合の方でも、大体の原則的な見通しというものにつきましては、いろいろの観点からいたしまして、ある程度見当をつけておるようであります。従いまして、都が具体的に補償額提示いたしまして、それに対して組合の方でもいろいろ御相談なさると思いますが、提示した後においての折衝はそう長時間かからないのではないか、かように見通されております。端的に申しまして、東京都といたしましては、ぎりぎりのところ、来たる六月の都議会にこの補償関係予算を何とかして提示いたしたいということで、目下具体的な折衝作業を進めております。見通しといたしましては、六月の都議会に間に合うように補償額についておそらく妥結を見るのではないか、もし六月の都議会をはずすということになりますと、先ほどお話がありましたように、時間的にオリンピックに間に合わないという心配が実は出て参りますので、最悪の場合におきましても、六月の都議会にははっきり予算を議決していただいて、補償の支払いができるように持っていきたい、こういうことで目下話を進めております。そういう事情でありますので、結論から申しまして、とにかくオリンピックまでには必ず間に合うように、この補償問題は解決できる、こういう見通しを持っております。
  17. 臼井莊一

    臼井委員 六月の都議会に何とか出したいし、また一応出し得る確信をお持ちのようですから、その点は御信頼いたしますが、ただ漁業補償というのは、私どものいる千葉県などの例、特に千葉市などでは、埋め立て問題がいろいろ漁業組合関係などでなかなか片づかぬで、もう数年かかっているという実例がございますので、その点、十分周到に御折衝を願いたいと思います。今伺いましても、補償交渉については東京都でやる、建設の方は首都高速道路公団でやる、こういうことになるので、最後になって万一間に合わないことがあっても、そういうことはないでしょうが、どうもそれは補償問題がおくれたからだ、また片一方に言わせると、いやそれだけの期間があればできたはずだなどといって、責任のなすり合いをしてみたところでしょうがないわけですから、十分な密接な連係をおとりになっておると思いますが、そういうことがないように、十分一つ促進方をお願い申し上げたいと思うのであります。  そのほかの道路の問題についても、何か進捗率があまりかんばしくないというようなことも聞いておるのでありますが、詳しいことは田中先生の方からも御質問があるようでありますから、私はこの点については以上をもって一応中止いたしておきたいと思います。
  18. 島村一郎

  19. 田中榮一

    田中(榮)委員 以下私は、オリンピック準備対策の一環としてのいろいろな問題につきまして、こまかくお尋ねいたしますので、答弁はできるだけ簡単にしていただいてけっこうであります。  まず、高速道路公団西畑さんにお伺いいたします。ただいま臼井委員からいろいろお話がございましたが、高速道路建設状況を見ますると、道路公団は、進捗率は大へんいいのだということを言っていらっしゃるのですが、われわれが現場をずっと歩いてみますと、ちょうど寸断されたミミズみたいに、問題のないところはどしどしできておりまするが、肝心のところが補償の問題、用地買収問題等でまだ全然手のついていないというようなところが、ところどころあるのでありまして、さような状況では、私は、三十九年度までの完成というものはちょっとおぼつかないのではないかという気がいたしまするが、道路公団として、必ず三十九年度までに完全に実施してみせるという決意と準備があるのかどうか、それをまず第一にお伺いしてみたいと思います。
  20. 西畑正倫

    西畑参考人 先ほど申しましたように、一号線、四号線の隘路は、やはり海老取川の隧道問題でございます。これは施工中におきましても、羽田の飛行場の高度制限の問題がだんだんきつくなってきますので、われわれの心配しておりますのは、作業中の仮施設等の高さとか、いろいろな問題がそのつど悩みの種でございますが、これはお互いのご了解を得て、逐次進めていきたいと考えておるのでございまして、これは施工上いろいろ問題があると思います。今先生の御指摘になりました地点を二、三カ所拾ってみますと、芝浦海岸倉庫地帯のところが解決せずに一部残っておりましたが、これも最近解決しまして工事に着手できるようになりました。これはやれば一年でできる仕事でございますから、八月中にできる予定であります。  その次が国会周辺の問題でございまして、ここにやはり三キロ以上のトンネルができる格好になりますし、交通壁も一番多いのでございます。その換気施設とか、いろいろなことを考慮しまして、坑道の関係国会の御了解を得て、われわれの仕事がやりやすいようにしていただきましたので、これも入札に付しまして、ただいま工事に着手いたしております。  それから赤坂離宮の向こうの南元町のところがまだ一部未着手でございますが、これはあの付近の人を一部高速道路の下にどかすやり方と、旧松平邸に一部引越してもらうことで解決する予定でございます。  それから野球会館がまだ解決しておりませんが、これは隣のお寺の用地に引き当てるということで話を進めております。そちらの了解はほぼ得ております。  それから甲州街道に出ます裏参道のところは、用地関係は全部了解をとりましたが、甲州街道のあの人家が密集しておりますところ、あれは放射五号線ですか、現在二十五メートル幅のものを四十メートルに広げる、そのために、その人家――これは関連街路でございますけれども、その動き方に対して交渉を始めておりますが、これはかなりてこずる問題だと思っております。しかしながら、これに折衝一年かけましても、あと工事期間が一年半ございますので、今までわれわれが折衝した過程に照らし合わせてみますと、どうやらやっていけるというほどの考えを持っているわけでございます。
  21. 田中榮一

    田中(榮)委員 そのほかの点につきましてちょっとお尋ねしますが、私は、公団なり都の建設局等が、地元の者ともう少しあたたかい気持をもって親切に折衝していただくと、もっと進捗するのではないかと思います。と申しますのは、高速道路三号線の麻布笄町、霞町の地帯ですが、先般も関係者が大勢参りまして、私は道路公団加藤艦のところにも一行を連れて陳情に参りました。道路建設本部長がお見えになっていろいろ詳細にお答え願ったのですけれども、これは現に住宅地で、高樹町の辺一帯ですが、あの辺は昔高木子爵所有地であって、りっぱな近代的な文化住宅がたくさんできており、都内においても最も優秀な住宅地です。そのまん中を高速道路がぶち抜いていくのです。関係者の方が約四百世帯くらいございますが、これらの人々が言うことには、高速道路建設に対しては、われわれは反対しない、賛成いたしておる、ただ、補償の問題とか、かえ地の問題が全然お話がない、そこで、麻布笄町、霞町の付近三井不動産が持っている土地が数千坪も二、それを公団が手に入れて、それを代替地として提供してくれぬかということをお願いしたわけであります。ところが、その土地は、三井不動産の方では、芝浦埋立地の方を倉庫に利用する意味でそこをよこせということを言っておるそうです。東京都としては、とうとい埋立地三井不動産に渡すことは難点があるということで、そこでまたひっかかっておるわけですが、都庁内においても、たとえば埋立地所管するのは港湾関係じゃないかと思いますが、道路公団建設局というようなものが一体となってこれを解決しようという方向に持っていっていただいて、今言ったように三井不動産のりっぱな土地が数千坪あいているのですから、それを笄町なり高樹町、霞町の今度取られる住民代替地として一つ提供してもらう、そうすれば彼らも喜んでそこへ移転しましょう、こういうことを言っているわけです。  それからもう一つは、土地買収価格補償の額というものが全然まだ公団から御提示がない。御提示があったといたしましても、それは数年前の地価を基準にしての価格であるので、とても地元住民としてはそういうことはのめぬ、こういうようなわけで、あの辺は全然手がついていないはずです。これは土地住民が、四百何十軒かあるのでありますが、自分の家を持っておるのでありますから、これなんかを一時説得するには、やはり積極的に公団なり、山田君なり加藤君でもよろしい、行って地元の者と対で会って話をしていただかぬと、なかなか私は解決できない問題ではないかと思うのです。これらなんかもひっかかっている一つの原因です。  それからもう一つ高速道路の問題で、汐留から銀座の方に行く昭和通りを通る高速道路ですが、あれは築地から銀座の方に現在道路があって、自動車が自由に昭和通りを突き切って向こうへ抜けるようになっている。今度あの高速道路ができる結果、隧道か、あるいは高架の橋か何かを作ってやるという話を聞いておりますが、自動車が築地の方面から銀座の方面に行く場合においても、なかなか横断道路ができない。隧道かあるいは何か知りませんが、それもできない。銀座一丁目から新橋、汐留の方に回らなければ築地の方面に出られない。また、築地の方面からも、銀座の方面には汐留を回らなければ出られないということで、地元の方では、自動車道を昭和通りを横断させることは困難かもしれぬが、やはり地元の町の発展のために、築地と銀座をつなぐ何本かの横断道路といいますか、隧道と申しますか、そういうものをつけてくれぬかという陳情が非常にあるわけです。現在、建設局でありますか、公団でできておる図面によりますと、全然それができていない。それから地元の方に、君らはいつごろ知ったのかと聞いたところが、実は三月七日に初めて私ども知らされまして、実は町内あげて何カ町連合でもって連合町会長の方で反対の署名を今とり始めたということなんです。そういう重大なことを一体――もうすでに都市計画は数年前にできているはずなんです。もちろん、都市計画の審議会には、地元の区長も、それから都会議員も出て署名をされているそうでありますが、地元の方としましては、そういうことをようやく本年の三月七日に至って初めて知った、こういうことなんです。そういうようなやり方では、そのつどトラブルが起こって、賠償にしても、補償にしても、いろんな問題で非常な難関に逢着するのではないか、かように私は考えているのですが、そういう点、どういうふうに今までなさっていらっしゃるのでしょうか。
  22. 西畑正倫

    西畑参考人 三点線の問題でございますが、当公団としましては、やはり一号線、四号線を主体にいたしまして、それから二号線、三号線、こういうふうにウエートの置き方が少し軽かったのでございまして、地元に対する三号線の話し合いが時期的にずれていることは、まことに御指摘の通りでございます。三号線は、いろいろ予算関係もありますし、それから公団の能力の点からも考えまして、渋谷から高樹町に四十メートルの関連街路をぶち抜こう、それから高樹町から麻布谷町までの街路を四十メートルぶち抜こう、それを溜池に通す、そして二号線の、一ノ橋からきた二号分岐とあわせて、国会周辺を回る一つの環状線がございますが、この十キロの環状線の方に少しウエートを縫いていたわけでございまして、今御指摘になりました谷町と高樹町との間が少しあと回しというような格好になったのであって、地元との折衝が少しおくれていることは、御指摘の通りであります。ただ、当公団のやり方といたしましては、金銭賠償を補償の主体といたしまして、かえ地による政策というやり方はあまりとっておりません。しかしながら、そうばかりも言っておれないので、最近は、路下式で、もとおられた方がその路下に収容できる部分は路下に収容しようじゃないか、かえ地で融通のきくものはかえ地で、これは東京都と話し合わなければ解決できない問題は、できるだけ話し合って解決の手段にしようというふうに考えておりますが、そういう面に関する打ち合わせを今後緊密にやっていきたい、こう考えておりますので、今のような点はどしどし御指摘をいただいてわれわれを鞭撻していただきたいと思います。  それから今先生のおっしゃいました一号線の、銀座と築地間の問題でございますが、これは地元の御意向を、図面について、あるいは現地についてもう少し承らないと、的確な御回答を申し上げにくいと思いますが、大体において、先生は御存じだと思いますけれども、あそこは築地川、楓川、新富運河等の運河を干拓いたしまして、川底を大体道路が通りましたので、在来の橋梁は全部これを生かしまして、そのまま横断ができる格好になっております。たた、高速道路の出入口、いわゆるランプと称しておりますが、このランプの取り付け方について、地元と最初からいろいろ御協議申し上げてきているところでございまして、先生の御指摘になりましたものは、もう少し具体的にわれわれと打ち合わせる機会を与えていただければ幸いかと思っております。
  23. 田中榮一

    田中(榮)委員 三号高速道路の件につきましては、すでに昨年地元高速道路公団との間に大体の打ち合わせができまして、四カ条のことにつきまして締結されておる、それは調印されております。私は見ました。お互いに調印をしておるのです。その中に、代替地を必ずあっせんいたしますという一項目があるわけです。これは御存じでございましょう。その両者の協議書をごらんになっていませんか。――それでは、一つお帰りになってからその書類を引っぱり出してごらん願いたいと思います。その中に、はっきり、今度移転されるべき住民のために、公団は代林地を必ずあっせんいたしましょうという一項目ができているわけなんです。それを住民はたてにとっておるわけですね。こういうふうに公団は約束しているではないか、それにもかかわらず、これに対して少しも努力をしてくれぬ。それで、三井の方には何かお話したそうですけれども、三井の方は、埋立地を手に入れなくてはのくことはできません、東京都の方では、埋立地はそう簡単に差し上げることはできませんと言って、先々だんだん詰まってきているわけです。そういう点は、私は、公団がもし誠意があるならば、東京都の建設局なり、あるいは首都整備局なり、あるいはまた、港湾局と特別な会議を何回もやっていただいて、何かそこに打開の道があるのではないか。また、その付近にも代替地があるそうでありますから、これは一つお帰りになってから関係者と御協議願いたいと思います。  それから一号線につきましては、私もまだ具体的に図面について――実は山田整備局長のところで図面を拝見して、その上でさらに東京都の方にも一ぺん参りたいと思っておりまするが、これは地元人々の言うことも無理からぬことであると思います。現在築地、銀座方面は自由に自動車が通っておる。それが、高速道路を作ったために全然自動車の横断もできぬ。もしできぬとすれば、ずっと汐留を回っていかなければならぬということは、築地、銀座方面の町の繁栄に非常に支障を来たすのではないか。しかしながら、高速道路のことですから、そうむちゃくちゃな横断道路をつけないことは、地元民もよく存じておるはずです。しかし、これはあらためてまた一つ御相談申し上げたいと思いますから、御了承願いたいと思います。  それから、地下鉄の関係者はお見えになっていませんか。――それではやむを得ません。  それでは田畑さんに一つお伺いしたいのですが、この前われわれが、京都とか大阪とか、神戸に参りまして、エキジビション・ゲームのことについていろいろ話し合ってきたのでございますが、現在までにエキジビション・ゲームはどことどこがきまって、何の種目についてきまったか。これは直接オリンピックと関連あるかどうか知りませんが、きまった点だけ一つお知らせ願いたいと思うのでございます。
  24. 田畑政治

    田畑参考人 この間もイギリスのブリティシュ・オリンピック・コミッティのチェアマンが参りまして、東京に対してはみな非常に大きな期待と興味を持っておるので、案外、世間で思うよりもヨーロッパの参加人員は多いだろうということを聞いております。とにかく日本に来るのに相当ひまがかかる。東京オリンピックをやってそのまま帰るということは絶対ありません。必ず京都、奈良方面には行くのだから、その点についての問題は、金を出してくれと言わないから、あっせんだけはしてもらいたいという申し入れもありましたし、今その問題につきまして、体育協会の方で各国の方の希望を聞きまして、各競技団体で一応の案をまとめようということを体協から申し入れております。大体了承はしておりますけれども、各国と連絡がとれませんので、どこで何種目をやるということまでまだ固まっておりませんが、いずれにしても、競技種目がかち合ったりしないように調整する必要もありますけれども、できるだけ早くまとめるようにいたしたいと思っております。いずれにしましても、早く準備を進め、プランをまとめるつもりであります。
  25. 田中榮一

    田中(榮)委員 この点は、われわれが先般現地に参りまして、現地で強い要望があるわけなんです。やはり場所関係とか、時期の関係とか、あるいは滞在宿舎の問題であるとか、そういう点があるので、できるだけ早く一つ決定をして御指示を願いたい。これは京都でも大阪でも、それから神戸でも、同様の要望がございましたので、組織委員会なり体育協会において、できるだけ早く関係団体が御折衝の上でおきめ願ったらどうかと思うわけです。  次に選手強化費の問題でありますが、幸い本年は、予算総額としましては、二十七年度において五億五千二百六十八万三千円という金がとれたおけでありますが、そのうちで国庫補助というのが、わずかに一億八千万円程度でございます。そのほかが、東京都とか体育協会等で非常にお骨折り願って御協力いただいておるのですが、私は、この選手強化費というものは五億五千万円ではまだまだ不足であると思うのです。少なくとも七、八億ぐらいはどうしても三十八年度においてはとりませんと、もうこれが最後の年でありますから、五億五千万円程度の選手強化費では、私は非常に不足だと思うのであります。そこで、この配分の内訳を拝見いたしますと、あるいは強化合宿費、それから国際交流費、スポーツ科学研究費、それから本部事業費、強化コーチ費というふうな内訳になっておりますが、その中で特に私は強く考えられるのは、この強化合宿費と国際交流費の二つじゃないかと思うのです。特に強化合宿費におきましては、先般も現地に参りましていろいろ事情を聞いてみますと、梅ぼしの入ったおむすびを二つもらってやっているというような水泳の選手もあるそうであります。これは年がら年じゅうそうじゃないと思うのですけれども、やはり経費が少ないために、ときにはそういうきわめて冷たい待遇で選手にがまんしてもらわなければならぬ場合もあると思うのであります。しかしながら、選手には相当やはりたっぷりした栄養をとらせ、そしてまた、できるだけ気分をよくして練習をしてもらわないと、選手というものはなかなか気分で動くものでありますから、こういう点は一つ体協におかれましても十分に考えていただいて、強化合宿費についてはさらに努力していただいて、いま少しこの経費を増額するように御配慮願いたいと思います。  それから国際交流費でありますが、たとえば陸上が三十人、欧州遠征が三十人、コシチ・マラソンが四人、ロンドン競歩が四人、アテネ・マラソンが四人、ソ連遠征が十二人、全米女子選手が十人というふうに大体予定されておりますが、たとえば欧州遠征三十人といいますのは、中には多いと言う人もありますけれども、私は、やはり選手に外国の気分というものを味わせ、そうしてまた、競技における雰囲気というものを十分に体得してもらうためには、三十人が四十人でも五十人でも、そういうものをどしどし派遣して、競技場における雰囲気を十分に体得させる、これがいわゆるヒノキ舞台における選手の心がまえになっていくのではないか、かように考えるわけでございますが、その点、事務総長としてどういうふうにお考えでございますか。
  26. 田畑政治

    田畑参考人 今の強化の費用についてでありますが、昭和三十七年度の強化予算の中で、合宿の関係はかなり予算をとっているはずなんですけれども、まだ今までの段階ですと、対象が非常に広いですから、ことに水泳なんかですと、この前、ロスアンゼルス大会なんかのときには、三年間くらいで非常に数多くの若い選手を養成し、最後に候補をしぼりまして、候補の最終予選をやるというときに、もし優秀なものが漏れるものがあってはいけないと考えて、候補をきめる一週間前にもう一ぺん予選をやってみたのです。その結果若い優秀な選手が出てくるというようなこともありましたし、今中学生ですと、水泳の場合は、中学の上級生ならば間に合うチャンスがあるのです。従って、非常に広範な層をねらっていたのですけれども、これは三十八年度からになりますと、かなりめどがついてくると思うのです。従って、全体の人数はふえませんので、個々の待遇にすれば相当栄養をとれることになります。三十七年度からは、合宿費にプラスして、栄養費として一日三百円ふやし、なるたけ栄養をとらして、からだを強くするということには十分留意しております。三十八年度からはさらに、今までの実績と申しますか、今までより人員をふやすということでなくて、実際に要るというものの対象をきめまして、それに十分充てたいというふうに考えております。  それから国際交流の点につきましても、これはかなり交流も、費用とすれば十分とは申しませんけれども、相当のものだと思います。今一番困っているのは、むしろ合宿や国際交流ということではなくて、日本の競技団体が非常に貧乏で、事務員一人置けぬということになっておりますので、強化に伴う事務的な経費も必要でありますし、また、たとえばボートにしても、合宿はやるけれども、そのボートがない、ヨットにしても、合宿はしても、その使うヨットがないということで一番困っています。それから練習用具も十分にない。これが案外一番困っておるということ、もう一つは練習する場所がないということなんです。三十七年度からは文部省に大いに協力を願いまして、たとえば学校の体育館を貸してもらうというようなことで、できるだけトレーニング・センターと器具の方に重点を置こうと思っておりまして、今御指摘の合宿の方、交流の方に関しては、重点的にしぼれば、三十八年度からはそう大きな費用、今よりもぱっとふくれるというようなことでなくても実効を上げられるのではあるまいかというので、六月までに、今までのことにこだわりなく、ほんとうに必要なものを提出させ、これを十分研究することにしております。結局、二年間におきましては基礎的なもの、たとえば筋肉を非常に強くするとか、あるいは循環系統の肺臓を強くするとか、あるいは心臓を強くするとかいうようなこと、あるいは練習の方法というものにつきましても、世界の第一流の学者も呼びまして研究さしておりますし、あるいは技術的にも、非常に優秀な、たとえばボートでいえば、ローマで優勝したキール大学のコーチを呼んでいるとかということで、基礎的なものはできておりますが、これは実績でありますので、その点むしろ心配はないのでありますが、それよりも今一番頭を痛めていることは、練習する場所と器具というものについて何とかしなければならぬというように考えております。
  27. 田中榮一

    田中(榮)委員 よくわかりました。私は、これから優秀な選手というものは、やはり現地の高校生を対象にして、高校生の中から掘り出して優秀な選手を養っていかなければならぬと考えております。たとえば各県でいろいろ体育会をやった場合でも、今お話の器具がない、場所がないというようなことはむろんのこと、第一、体育会を開く、あるいはそうした競技会を開く経費が高校なんかは非常に少ない、あるいは県で連合してやる場合におきましても、体育試合をする場合においても、県の体育協会も非常に金が少ないというようなことで、非常に貧弱な競技会をやっておる。それでは私は高校生から将来有望な選手というものは出ないと思う。従って、体協におかれましても、何か将来特別な経費的な配慮をやって、そうした県単位の体育会等があったら、一つ本部からできるだけ多額の経費を援助するというような項目も一つ作ってほしい、こう考えております。  それからもう一つは、強化コーチ費として相当な額が計上されておりますが、われわれの聞いた範囲におきましては、何といいましても、その導く人、コーチが非常に重要なんです。コーチがよくなくては、選手もなかなかりっぱな選手が養成できないという状況です。そこで、現在コーチというものは、それぞれ会社とか、あるいは工場に勤務しておる者が、いわゆるOBがコーチしているわけです。ところが、会社側としましては、理解を持って、お前は何カ月間それでは選手のコーチに行ってこい、こういって会社からは派遣されるのでありますが、その閥勤務が欠勤になるわけです。そうすると、会社の幹部は非常に理解を持った態度でコーチに対していろいろ取りなしてくれるのですが、あるいは同僚であるとか、そのほかの、会社にも職員組合があるわけですが、労働組合、職員組合から、何だ、あれはコーチにばかり行っておって、会社のことは一つもせぬではないか、こういうようないろいろ批判があって、コーチそのものも非常にやりにくい場合があるのだそうです。しかも長期コーチとして派遣されておる場合においては、その間の昇給あるいは賞与まで若干手心を加えられるおそれもある、こういうことを聞きましたが、少なくとも、そのコーチの雇われておる会社であるとか、社長さんであるとか、そういうところに、一つこういうわけだからというので、体育協会長名あるいは組織委員長名をもって何か鄭重なる依頼状であるとか、そういうものを一つ出しておいていただいた方がいいのじゃないか。だいぶコーチの諸君も一生懸命やってはくれているのですが、なかなかそういう点で悩みがあるそうであります。  それから、コーチに行く以上は、自腹を切ったのでは長続きがせぬと思うのです。いわゆるコーチそのものに十分なる優遇の道を与えて、コーチ費としての相当な報酬を出しませんと、コーチとしても、選手を相当無理に引っぱっていくためには、自腹を切って選手にごちそうしたり、あるいは選手に対していろいろな優遇の道を講じているらしいのでありますが、こういう点毛、コーチに対する一つの優遇対策として十分お考え願いたいと思います。その点はいかがでございますか。
  28. 田畑政治

    田畑参考人 今御指摘の点ですけれども、コーチだけでなくて、種目によりまして、水泳なんか非常に若い者で、現に今の中学校の上の方で間に合う可能性がある。ところが、サッカーとか陸上なんかの一部になりますと、むしろ学校を出た勤め人でないと間に合わぬというのが非常に多いのです。サッカーなんか特にそれが主体ということになっている。そうなると・選手に合宿に出てもらうということもなかなかむずかしいのです。その点で、手紙くらいではだめですから、直接社長なり勤労部長のところへ行ってお願いしなければ、とてもらちがあきません。この間も私、大阪で有名な女のバレーで世界で一番になった日紡の貝塚工場ですか――今度女のハレーも入る可能性が強い、入ればこれは必ず金メダルを取るだろうというので、この間大阪へ行きまして、原吉平さんにも会ってお願いしたのですけれども、これは非常に張り切ってやってくれている。むしろ繊維関係の方でも、原吉平さんのところの選手でなくて、繊維の代表だということで、当分は一番強い選手は原さんの方に全部入れてしまおうというくらいな気持でやってくれている。それは女の方だからそれで間に合うので、男の大学出でポストへ入っているという働き盛りの若い人を、三カ月なり一カ月なり合宿に参加させるということは、会社とすると、昇給に因る、本人が損をするだろうという親心がある。そういう点において非常に隘路がある。そういう点は、直接行ってお願いするほかないと思って、私直接行って十分お願いし、各競技団体も幹部など動員してお願いするようにしたいと思っております。  もう一つ、コーチの方は、今までの二年は、選手それ自身よりも、優秀なコーチを作り上げることに重点を置き、外国の権威ある一流コーチを招いて、この二年間努力してきました。これは非常に実績をあげております。コーチが学問的にも技術的にもこれらの外国のコーチの指導を受けておりますので、その点では現在の日本のコーチとしても非常に力量はあがっていると思います。何といたしましても、今申し上げたような、会社を休んでいくということは非常にむずかしいことが相当ある。これが今一番問題だと思います。それからコーチに対しても、少なくも自分で金を出すということのないように、その点は十分こちらでは気をつけております。
  29. 田中榮一

    田中(榮)委員 それは確かに、一片の書面だけでやったのではなかなかうまくいかぬと思いますので、もし総長なり会長がそちらへ御出張の際、コーチの所属しておる会社なり工場にちょっと顔を出していただいて――顔を出していただくだけでも私は工場も相当理解を持ってくれるのではないかと思っている。それから会長なり総長が行ったということだけでも、職員組合も労働組合相当好意を持って、それなら一つ出してやろうじゃないか、工場、会社がこぞってコーチを後顧の憂いなくしっかりやれというように送り出すような気分を作っていただくことが、またコーチが現地において選手を教育する上においても非常に覇気が出てくるのではないかと思っております。なことでありますので、一つよろしくお願いしたいと思います。  もう一つ、先ほど臼井委員から、オリンピックの開催期間中に、世界の青少年大会東京において開く予定があるんだというお話でございますが、私はこれは大へんいいことじゃないかと思うのです。ちょうど長谷川政務次官がいらっしゃるのでお聞きしたいのですが、これは具体的になっておるのでございましょうか、どうでございましょうか。
  30. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 お答えいたします。そういう御希望のあることはわかっておりますけれども、まだ具体的なところまではいっておりません。
  31. 田畑政治

    田畑参考人 関連しまして――それは日本でやりたいということよりも、むしろ外国の方が、ぜひこれに参加したいんだ、ローマでやったことをぜひ日本でやってくれというので、一年前からドイツ、フランスが非常に強い要望を持って、六百人とか八百人というものを派遣する。それには、ドイツなんかは、飛行機は非常に商いし、学校などを休ましてはならぬというので、船を移動教室にして、お医者さんと先生をつけて少年をこちらへ持ってくる、早くこっちが受け入れ態勢を作ってくれという一年前からのお話がありますし、フランスも強い。当時の見込みでは、おそらく三千人くらいの人が集まるだろうという見通しだったのですが、最近になりますと、もっとふえるんじゃないかという心配がありますので、早くこちらで案を作りまして、各国に割当をしないと、べらぼうな数になってしまって、こちらはどうにも処置がつかなくなってしまう。なかなかむずかしいことが起きますので、今組織委員会の総務部の方で基本的な計画を立てております。今の調子では、黙っておれば四千、五千になりますから、大体三千人くらいをめどにして各国に割当をしたいと考えております。それで、一月ですから、外国の例によれば、キャンプで十分できると思います。ローマはそうだったのです。その点て、環境の非常にいいところにキャンプをさせるか、あるいは宿舎を借りるときでも、環境がよくなくても、競技を兄に行くのに近いところがいいということなど、具体的に研究しまして、こちらのおもな骨子ができましたら、文部省と、総理府の方の青少年問題協議会と申しますか、そちらとよく打ち合せまして、これは組織委員会自体ではとても実施はできませんから、どちらかで担当のものをきめたいと思っております。ローマの場合には組織委員会が直接分担をきめてやった。今度の場合も、窓口組織委員会がなりますけれども、どこかに受け持ってやってもらわなければ、とてもできぬ。至急今冊子だけ作りまして、文部省並びに総理府の方と具体的に研究しまして、担当団体をまずきめたいと思っております。
  32. 田中榮一

    田中(榮)委員 内閣に置いてあります青少年問題協議会と申しますのは、これは主として青少年の犯罪防止というのが重点になっておる団体で、それが中心で、青少年を今後どういうふうに引っぱっていったらいいかという団体でありまして、もちろん、内閣にある青少年問題協議会中心でやっていただくこともけっこうでありますが、やはりこれは、青少年を担当しております文部省ができるだけ中心になって、文部省的なカラーによって、世界の青少年大会を日本において開くということが一番適当ではないかと考えておるのですが、長谷川政務次官、いかがでしょうか。
  33. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 オリンピックの場合に、外国の際を見ましても、各国の青少年オリンピックの見学に参りまして、そのときにその国の占いものなどを見て社会勉強をして参ります。今度の場合も、ドイツから社会教育関係の――これは学校の生徒だけでなくて、大人の諸君もたくさん日本に来てオリンピックを見学し、あわせて日本の国内見学をしたいという希望が内々参っております。今田畑さんからもお話がありましたように、この希望は相当広範囲にわたって数が多いので、さてこれを収容するとなると、まず最近の東京のように、こんなごみごみして社会風紀上悪いようなところでは工合が悪うございますから、奥多摩とか、大きな公園の敷地とか、キャンプの場所なども考えなければなりません。それと同町に、人間の数の大体のワクというものもきめなければならぬ。私は、オリンピックは、施設を作ることもさることながら、あるいははまた、選手強化毛さることながら、海外から来た諸君に、最近の日本の姿、そして今からいい面を出していく日本の姿を見てもらうし、また見せるような態勢をお互いがとっていく、そこに私内方の文部省仕事があるのではなかろうかという建前からいたしまして、これも窓口オリンピック組織委員会になりますけれども、あなたも御承知のように、内閣にあります中央青少年問題協議会、あるいは私の方の団体、そういうものでこれは総合的にやらぬと、何さま、オリンピックの開催の時期が学校としてはちょうど二学期です。ローマのように夏休みのときと違うものですから、それに日本の青少年などももし参加させるとすれば、今度は学校教育の問題という具体的な問題なども出ますので、これはやはり大きなオリンピックのメーン・イベント以外の効果をねらう意味で、私の方としては、相当慎重に、そして緻密に計画を立てて、両方の面、国内の面と外国から来た諸君に対する効果というものを上げなければならぬというので、荒々心の準備はやっております。
  34. 田中榮一

    田中(榮)委員 よく了承いたしました。  そこで、現在のユースホステルの今後の建設状況でありますが、一体三十九年度までに、東京都内並びにその周辺の、現在――先ほど臼井委員からもお尋ねがございましたけれども、厚生省関係は主として保健衛生という点でございますが、厚生省関係、それから観光を主とした運輸省関係、それから青年の家としての文部省関係ユースホステルは、三十九年度、要するにオリンピックが開催されるときまでに、どの程度の収容力が完成するのでありましょうか、その点お聞きしたいと思います。
  35. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 文部省関係は、ただいま青年の家の関係でございますが、三十七年度につきましては、五千三行八十万五千円という予算、補助金を持っておりまして、おおむね一カ所人体四百万円程度で十三カ所の予定で、社会教育局の予算としてございます。それからさらに社会教育局の関係予算といたしまして、国立青年の家の費用、これは新しく作るのではございませんが、整備拡充、運営等の、あるいは人件費も含めまして五千百万円ばかり持っております。それからなお、これは家を建てる関係ではございませんが、青少年、成人の団体補助として約七千万円ばかり持っております。そこで、最後に、一体三十九年まで何人くらいということでございますが、私、社会教育局の担当ではございませんので。それは別に調査いたしまして御報告いたしたいと思います。
  36. 滝浦濶

    滝浦説明員 ただいまのユースホステルの問題に関しましては、われわれといたしましては、オリンピックの開催を機会に、一人でも多くの海外入に日本に来てもらいまして、あまねく日本を見てもらい、日本の姿をよく理解していただきたい、特にこうしたオリンピックにおきましては、若い青少年の方々にもできるだけ多く来ていただきたい、国際親善のためにも、多くの方に来ていただきたいということをもちまして、現在、いわゆる地方公共団体が作ります公営のユースホステルにつきましては、昭和三十三年度以来年々補助金を出しまして、三十六年度までに三十六カ所、これによります収容人員が約二千三百でございます。これは全国でございます。東京並びにその周辺につきましては、三十八年度におきまして青少年のお見えになる方に見合ったものは、関係文部省ともお打ち合わせの上で、何とか東京都その他との協力によってユースホステルを特に作っていきたいというふうに現在考えておるところでございます。
  37. 木村又雄

    ○木村説明員 厚生省の国民宿舎は、もともとは国民一般大衆なりあるいは青少年、あるいは勤労者というものを広く対象にいたしまして、低廉にして快適な国民宿舎を提供しよう、こういうことが本来の目的でございます。現在まで厚生年金の還元融資を受けまして、また昨年から国民年金の還元融資を受けまして、三十一年から建設して参りまして、昨年までの間に、建設中のものを入れまして全国で八十二カ所でございまして、でき上がっておりますのは四十四カ所でございます。その総事業費が大体二十億でございます。それから三十七年度、三十八年度では、それぞれ大体三十カ所程度、二十億くらいの見当で建てていきたいと考えます。そういたしますと、三十九年には、今の調子でいきますと、大体百四、五十カ所の国民宿舎が全国的には建設されるという運びになるかと思われますが、今日まで建設されております東京付近国民宿舎の数は、大体十五カ所くらいでございまして、三十九年度について考えてみますと、おそらく三十カ所程度国民宿舎建設されるのではないかと考えられます。なお、国民宿舎の一カ所の収容人員は大体百人くらいでございまして、全国的にいいますと、三十九度では、千二、三百ないし千五百人くらいの収容力があるのではないかと考えております。
  38. 田中榮一

    田中(榮)委員 私の質問は、東京都周辺にどの程度のものができるかという質問でありまして、全国のことを伺っているわけじゃないのでありますが、はっきりいたしておりませんから、これは一ぺん文部省においてお取りまとめ願って、書類として御提出願いたいと思います。現在計画中のものはどういうものか、それから収容力はどのくらいあるか、これは東京都内あるいは東京都周辺ですから、神奈川県とか、千葉県とか、埼玉県とか、栃木県とか、そういうところも入るわけですから、これを一つ書類で御提出願いたいと思います。  それから、おそらくオリンピック時期になりますと、日本の青少年相当地方から上京してくるわけでありますが、あるいは親戚知人のうちに泊まるのもありましょうし、あるいはまた、そういうユースホステルに泊まるのもありましょうが、相当な収容力を準備しておかぬと、これはまずいのではないかと思うのです。特に外国から来る青少年のごときは、あるいは旅館とかホテルとか、そういったところに泊まるのも環境上からいかがかと考えますので、やはりユースホステル等に泊めるのが一番健全でいいのではないかと考えております。この点、もし青少年大会が日本において行なわれるならば、私はぜひ東京において行なっていただきたいという強い要望を持っております。  それから、これは私の一つの試案でございますが、東京都内にも相当な家庭があるわけです。ことに外国の青少年であるならば泊めてやろうという人も相当あるのではないかと思うのです。いわゆる家庭を開放して、そして日本の家庭の雰囲気に浸らして、日本というものを十分理解してもらうという点もあるのではないか。商工会議所におきまして、オリンピックの当時に来る外国の人々がもしホテルで収容できない場合においては、商工会議所等が中心になって家庭開放を呼びかけてみる。そうすると、二人でも三人でも、一週間くらいでありますから、家庭においてその人々をあたたかく収容して取り扱っていただいたらどうかというような声もあるわけです。ことに青少年であるならば、私は、どの家庭でも、もしそういう方面において熱意を持った家庭であるならば、ある程度世話もし、めんどうも見てくれるのじゃないかと考えておりますので、そういう点も一つ御考慮願いたい。これは一つの試案でございます。
  39. 臼井莊一

    臼井委員 ちょっと関連して。今の青少年ユースホステル国民宿舎、この問題でただいま中田委員から御質問がありましたが、私は一つ希望を申し上げておきたいのは、今のお話を伺いまして、また、それぞれの宿舎の性質からしても、全国的にずっとできておるわけなんで、これはもとよりそれでいいわけなんでしょうが、ただ、三十九年にオリンピックがくるということの現実の重大性立場から、とりあえず、少なくとも三十九年オリンピックまでは、この三者とも一応それを重点に置いて、組織委員会とも十分連絡をとられて、そして東京周辺――もとより、そのオリンピックに来られた方が全国観光に歩くから、こういう施設も必要ではございましょうが、やはり大会運営に重点を置いて各省で御連絡をとられ、また組織委員会とも連絡をとられて、周到な計画のもとに、予算の面においてもさらに十分とって、そして大会運営の万全が期せられるよう、宿舎も十分できるように、こういうことで今田中委員からもお話があったわけですが、日本内地全国から来られてオリンピックを見学される方々も、やはりこれを利用しようという気があるかもしれません。しかし、これは一般家庭でも日本人であれば十分間に合うことでありますので、外国人に対する精舎を一般の都民、国民が提供するとともに、内地のお客さんはできるだけ家庭が受け持つ、こういうようにするのがよかろうと思うのですが、いずれにしても十分各省で連絡をとって、オリンピック中心にこの宿舎について御計画を立てられることが緊要かと思います。それだけ私は希望を申し上げておきます。
  40. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 田中委員臼井委員から、青少年の宿舎の問題についてだんだんのお御議論がありましたが、とくと了承しておきます。国民宿舎といい、ユースホステルといい、東京周辺に幾ら今から建てても、もし五千名、六千名外国から来るとすれば、それを全部収容するだけのものがはたして可能かどうかということは、なかなか問題だと思います。ただしかし、 ユースホステルというものは、私たちが国内で考えているほど窮屈なものじゃなくして、早い話が、去年あたり出ました桶谷繁雄君のヨーロッパ自動車旅行ソビエト、東欧を全部歩いたあの旅行記を見ましても、あれはユースホステルの会員で、各国のユースホステルの会員に登録して、その国々のユースホステルのお世話になるのです。宿舎があいてませんと、みんな自分でテントを持っていっておりますから、大学の先生もそのユースホステルの近くのキャンプ地にキャンプを張って、そこでいろいろなあっせんをしてもらう。食い物やら、あるいは旅券などのあっせん、あるいはガソリンのあっせんというようなものがありますから、やはり場所のいいところでキャンプなどもできるような施設、そして環境がいいところというふうなところも考えられのじゃないか。現に、こういう問題について熱心な青年団体の方から、キャンプ地としては、千駄ケ谷のようなあんな市内のきたない、環境の悪いところではなくして、奥多摩であるとか、あるいは新宿御苑のようなああいうところはどうだろうかというような知恵なども出されておりますので、そういう実際論と相待ちまして、私は、皆さんのお話のような効果を上げるようにぜひやっていきたい考えております。
  41. 阪上安太郎

    ○阪上委員 関連して。この前の当委員会のときにも私は申し上げておったのですが、今伺っておりますと、青少年の家というものについて、厳密には、ユースホステルという一つの組織だけを頭に置いた意味でわれわれは言っておるのじゃなくて、青少年の家という広い範囲のものを考えて私は皆さんに要求しているわけです。指導理念の中で、文部省が持っておられる考え方の中でちょっと疑問に思うことは、昔のいわゆる鍛練場とか、そういう考え方で指導してもらっては困る。そのことは、今長谷川さんがおっしゃった通り、窮屈なものでない。ここで不可欠なものとしてわれわれが考えなければいけないのは、スポーツ施設の関係、今日本にありますユースホステルというものは、スポーツ施設というものについては全くおざなりになってしまっている。運輸省のやっている青少年の家をながめてみましても、ほとんどそういうところには頭を持っていっていない。ただ観光的なものの考え方しか持っていない。しかしながら、ヨーロッパ各地で今行なわれている青少年の家とか、野外活動というものは、重点がスポーツにあって、そういう意味で、わが国に今あります方式のユースホステルが五、六十あるかもしれませんが、ほとんどスポーツ施設というものを持っていないということ、諸外国の場合は、ほとんど総合的な各種の競技ができるような施設になっておる、そのほかに、音楽とか、あるいは読書であるとか、手芸であるとかというようなものが取り入れられておりますけれども、中心になっているのは野外活動であり、野外活動の中心になっているのはスポーツである。そのスポーツ施設というものが今の青少年の家というものには全然ないというごと、だから、われわれがやかましく言っておりますのは、オリンピックを機会にして、宿舎の施設を兼ねて逐次整えていくところの青少年の家というものは、必ずスポーツ施設がなければいかぬ。幸い文部省では、今回のオリンピックを契機として、スポーツ・センターを作りたいという考え方を持っておられる。これを実現されることが今必要なんです。それが選手強化の非常に大きな施設的な役割をする、こういうことなんです。この点について、もう少し文部省――これは大蔵省の関係もありますが、もう少し踏み切らぬと、これはだめじゃないか。今のようなところでぐるぐる回っておったのでは、それこそ三十九年には間に合わない、こういうことだと思いますが、どうですか。
  42. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 私の方の持っている両年の家にスポーツ施設のないことは、私も残念に思っております。ただ、わずかにありますのは、国立中央青年の家、これは場所がよかったせいか、プールもありますし、それから陸上競技をするところ、あるいはキャンプ・ファイアするところ、キャンドル・サービスをするようなところ、そういったりっぱな施設を持っておる。あそこへ行ってみますと、いかにああいうものの総合的な効果が大きいかということがわかるのでありまして、何さま、青年の家ができてそう時間もたちませんものですから、最初は宿泊施設というものに重点を置かれてやったことが、今の御指摘になっているようなことでありまして、これは一つのモデルとして、国立中央青年の家の効果のあることがわかっておりますから、だんだん御期待に沿うように私たちも大いにがんばってみたい、こう思っております。
  43. 阪上安太郎

    ○阪上委員 そこで長谷川さん、ほんとうにやる気ならば、こんな予算ではとてもできっこないです。思い切ってこれはやってもらいたい。われわれも及ばずながらバック・アップしますよ。真剣にこの三十七年度の下半期あたりから何か予算措置でもつけてやっていかなければいかぬのじゃないか、その腹を聞いているのです。あなたのところがやはり先頭に立たなければだめです。
  44. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 文部省に対する御激励でありがとうございます。ことしは、御承知の通りワシントン・ハイツであるとか、戸田の漕艇場であるとか、屋内体育館であるとか、山のように予算をとらせられまして、そちらの方に私も一生懸命やりました。そういう重荷がおりた今日、今度は底辺を考える方に参りたいと思いますから、大いに御協力のほどをお願い申し上げます。それがオリンピックの超党派のゆえんだと思いますから、よろしくお願いいたします。
  45. 田中榮一

    田中(榮)委員 いろいろユースホステルにつきまして御意見がございましたが、私は必ずしも東京都内、周辺だけのユースホステルを拡充しろという意見ではないのでありまして、やはり外国からその当時もし来るとすれば、あるいは東京周辺のユースホステル――各県を青少年が視察したり、あるいは東京以外の、大阪であるとか京都であるとか、あるいは九州方面にもこれらの青少年が団体旅行すると思うのですが、やはり泊まるところは結局ユースホステルにお世話になるだろうと思うので、やはり東京都内並びに周辺と同様に、文部省なり厚生省の方がオリンピックというものを機会にこのユースホステルの拡充をぜひ一つ今から考えておいていただきたいと思うのであります。豪壮なホテルでありませんから、そんなに工事もかかるものではありません。ただ、問題は予算だけでありますから、予算獲得に特段の御努力を願いたいということを申し上げておきたいと思います。  それから最後に一つお尋ねいたしたいのは、このワシントン・ハイツの移転の問題でありまするが、その後関係当局、ことに総務長官等の非常な御努力によりまして、ワシントン・ハイツの一部が水耕農園の方に移ることがほぼきまって、その調印も済んだというようにも聞いておるのでありまするが、このごろさっぱりワシントン・ハイツの問題が新聞にも出ませんので、われわれは安心をして、もう大丈夫だという考えでおるのでありますが、その後の経過について一つ報告を願いたいと思うのであります。
  46. 江守堅太郎

    江守政府委員 ワシントン・ハイツに、選手村と、それから主としてプールに使いますところの屋内体育場を作るということがきまりまして、現在ございます米軍の宿舎を水耕農園に移すことがきまりました。水耕農園に関係のあります三鷹、府中、調布、この三市におかれましては、この計画がきまります前から、水耕農園は自分の方に返還をしてほしい、自分たちでいろいろ利用したいというかねてからの御希望がございます。そこで、このオリンピック関係で米軍の宿舎を作るということになりましたので、地元としては、それならば政府にいろいろ要望したいことがあるということでございまして、その御要望に政府といたしても極力沿いたいということで、総務長官を中心といたしましていろいろ地元と話し合いをいたしました。ようやく三月の中旬になりまして、地元の御要望のおもな点につきまして、政府としてはこのようなことをするということを申し上げましたところ、地元でこれを了解されました。そのおもな点は、水耕農園の西の方に野川という川が流れておりますが、この川の改修につきまして、現在建設省の予算で改修を進めておりますが、そのテンポでは長い間かかってどうにもならぬ、米軍の宿舎ができて水を使う分量も非常にふえることであるから、これを早く直してくれという御要望がございまして、これにつきましては、ほぼ二十三億ばかりお金を出しまして、五カ年計画で改修を完了する、それから、水耕農園の北の方から多摩墓地の方へ行く道がございますが、この約四キロばかりの土地につきまして、現在ございます道路整備五カ年計画、この金を運用してこれを早期に完成する、ほぼ五カ年くらいで完成する、おもな点はそういうことでございますが、そういうことにつきまして、地元は、政府がそういうことをやるならば、自分たちとしては大いに協力をしようということで、地元とのお話し合いは円満に解決つきました。そういたしまして、工事の方でございますが、御承知の通り、米軍の宿舎を水耕農園に移築建設をいたします経費は、総額で約百二億でございまして、その百二億のうち、三十六年度に納まれております予算が二十四億でございます。二十四億分につきましては、すでに入札が済みまして着手をいたしております。それから残りの六十七億につきましては四月中に入札ができることになっております。  このようにして地元了解も完全につき、建設の方もその緒についたわけでございますが、その第一期の工事といたしましては、さしあたり、プールを作る予定をいたしておりますところにございます米軍の宿舎、これを早く移転をいたしませんと、プールが作れないわけであります。それらにつきましては、三十七年の十一月までにはでき上がる。それで、米軍の宿舎が移転をいたしまして、それからあと三十八年の二月ごろにプールの建設に着手をいたしまして、三十九年の十月にオリンピックが始まるわけで、三十九年の九月ごろまでには完成をするという予定になっております。それから、残りの選手村に使うところでございますが、これにつきましては、三十八年の八月までに完成をいたしたい。それから米軍の宿舎を三十八年の十一月ごろまでに移転をいたしまして、あとオリンピックが開催されるまでの間に、選手村としての必要な改修その他の工事をするということになっておりまして、ワシントン・ハイツに選手村を作り、かつプールを作る、これに伴って米軍の宿舎を水耕農園に移すということは、きわめて順調に進行しておる現状でございます。
  47. 田中榮一

    田中(榮)委員 ただいまの御報告を承りまして、われわれは非常に安心したのであります。問題は、今後の工事状況であるとか――これは別に土地買収も何も要らないのでありますから、あとは事務的にどしどし進行すれば、完成はもう目の前に見えておるわけでありますが、できるだけ早くこれを完成させることによって――と申しますのは、現在オリンピックの空気というものはまだ十分に国民に徹底していないのです。オリンピックの熱というものは国民にさっぱり徹底していない。少なくともあのワシントン・ハイツの一部に水泳場が完成し、それからまた屋内競技場が完成し、また、あそこの宿舎のものが水耕農園に移転した場合におきましては、相当私はオリンピックの気分というものが高揚されてくるのじゃないかと考えております。この点は、資金財団が資金の募集に非常に困難をきわめておるというのも、結局、国民の間にまだ東京オリンピックのほんとうの性格なり趣旨というものが十分に徹底していない、これは単に東京都がやっておるのだというような気持、一部のものがやっておるという気持、そういう点で国民の間にまだオリンピックの気分というものが横溢していないということがあるからじゃないか、そういう一助として、あの土地でも早く一部が完成して、新聞にでも宣伝してもらったならば、相当オリンピックの気分というものは国民の間に普及されるのじゃないか、やがてそれによってまた選手の気分もますます高揚してきますし、また大蔵省も相当たっぷりと金も出してくれるのじゃないか、こう考えておるわけですが、天下分け目の関ケ原というのがワシントン・ハイツの一部の移転でありますから、そういう意味において天下分け目の関ケ原、あれはほんとうに肝心なかなめでありますから、これは一つ皆さん方が責任を持って昼夜兼行でこの工事を進めていただくことを特に希望いたしまして、私の質問を終わりたいとと思います。
  48. 前田充明

    ○前田(充)政府委員 ただいま田中委員からのお話工事の進捗状況審議室長から申し上げましたのですが、基礎設計はただいまやっておりまして、夏ごろまでには設計はでき上がりますので、これはもう発表できる段階に間もなくなると思います。  それから国立競技場の方の増築工事でございますが、これはすでに着工をいたして、現在やりつつあります。ちょっと御報告申し上げます。
  49. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 田中委員にお答え  いたします。  オリンピックの熱が上がらないという御心配、私たちもそれを感じているものであります。でありますから、こうした超党派的なオリンピック特別委員会が大いにいろいろな面において御啓蒙いただき、これが国民全体にしみ渡っていくことを期待しているものです。私たちといたしましても、そういう観点から、何かの機会をつかまえてオリンピックの熱というもの、それから、あり方というものを全国民にお伝えしたいということで、三月三十日に神宮の競技場の拡張式がありましたときも、そういう意味で特に私の方からもお願いいたしまして、ぜひ大ぜいの方々に御出席をいただいて、マスコミなどを通じて、いかに国会が熱心であるかということなどをそこに表現してもらえればと思いまして、この委員会の皆さん方にも御案内状を差し上げ、あるいは衆参両院議長にも差し上げたり、各種団体の長の方にも差し上げましたが、ちょうど不幸にいたしまして本会議などの関係出席が少なかったのですが、そういうありとあらゆる機会をつかまえてみんなでこれを啓蒙していかないと、まずいのではないかということで、気を使っておりますので、こういうときには啓蒙できるぞという御注意のところをお教えいただけばけっこうと思います。
  50. 島村一郎

    島村委員長 平岡君。
  51. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 先ほどの田中先生の御質問に対しまして、メーン・イベントのほかに、重要な一つのイベントとして、青少年の交歓がある。そこで、ローマ大会をきっかけにして、半ば義務的な形にすらなっておるということで、東京大会での青少年の参加者は相当多く来るであろうことが予想される。ただし、田畑さんのお気持の中には、宿舎関係とか、そういうことを懸念されまして、概数として三千人くらいというお話があったのですが、押えることがいいのかどうか、その点、もう少し御所見を承っておきたいと思います。
  52. 津島壽一

    津島参考人 田畑君から申し上げましたように、その人数は今確定して案を作っているわけではございません。しかし、全体の様子は、非常に多いだろうと思うのです。そこで、今のキャンプ生活式なものをすれば、相当収容能力はあると思う。しかし、今のユースホステルとか、あるいは普通の旅館というものになりますと、これはそう人数を収容することは困難ではあるまいか。そこで、組織委員会では、総務部に、特に外国から来る青少年の宿舎問題とか、そういう一般の問題を研究する一つの項目を設けまして、今それの立案を急いでいるわけです。その結果関係方面といろいろ打ち合わせて最終案をきめたい、こういうような次第でございまして、三千人に限定したという意味は、まだ何も確定した案ではございません。
  53. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 旅費を自前でわざわざ来て下さる人たちを、こちらから数で押えるのは得策ではないと思うのです。しかも固定した国民宿舎とかユースホステルというようなことでは、相当資金も要りますけれども、今言った幕舎の生活によって、相当弾力的にその収容の目的が達し得るわけですから、むしろ、それは押えるのではなしに、歓迎する方向でやっていただかなければならぬというふうに感じました。そういうことで、一つその点は文部省としましても御配慮していただきたいと思うのであります。  そこで、臼井さん、田中さんから質問されたことと重複になるかと思いますが、結局、今度東京大会を契機としまして外人客が寄ってくる、それに見合うところの収容施設の問題として論議がされたわけでありますが、来朝する外人を区分けしてみるならば、まず、選手と選手関係者のグループ、それから一般観光の外人、それから青少年関係、この三つになると思います。そこで、私よく存じませんけれども、この間、島村委員長を初め京都に参りまして、収容関係とか、外人客に対する応対の大まかな点を視察してきたわけです。そのとき、京都の場合では、およそ観光客が来た場合に案内をするとかバスを出すとかということでは、これはもうすでに昨年親鸞の七百年祭の際でトレーニングができている。三十万人をさばいたのです。ですから、これは余裕しゃくしゃくだと思うのです。ところが、肝心かなめの多人向けの施設のあるホテルの数、それから収容人員数を調べたら、四千人なんです。世界的に現在日本ブームが起こっておりますから、少なくとも目の子で三万人くらいのことは最低として考えなければならぬだろうという想定に立つならば、今の京都における四千人というようなことでは工合が悪いのではないかということで、それには今から準備しなければならぬ、そういうことが現実に教えられたわけであります。そこで、これは京都ではなしに、東京の現在の外人を収容し得る能力がどのくらいになっておるか、それからオリンピック開催時点においてそれがどのくらいにふえていくか、その辺の見通しを一応お聞かせを願いたいと思います。
  54. 滝浦濶

    滝浦説明員 お答え申し上げます。  オリンピック時に日本に来る外客の総数につきましては、すでに昨年観光白書によりまして出したのでございますが、われわれは、オリンピックがない場合にはどうなるか、これがオリンピックを迎えた場合に三十九年にどうなるかという試算をしたわけでございますが、ただいま先生お話のように、一日約三万人近くがオリンピックのため東京周辺に集まるであろう、これは延べといたしましては十三万人ほどになる。従って、オリンピックがないと仮定した場合にも、現在の一般外客の伸びに対しまして必要数があるわけでございます。それに対してさらにオリンピックのためにふえるであろうという数を全国で十三万と予想しております。東京周辺につきましては、三万ベットが、ある一定時期にはピークにおいて必要だろうということで考えておりますが、現在全国的にいいますと、昭和三十六年度末で、昨年の十二月の想定では、約二万二百室ができるであろうと想定したわけでございますが、実際はもう少しふえておるようでございます。従いまして、昭和三十九年の三万三千との差額であります二万二千八百室というものが、今後全国的にまとめられなければならない数字でございます。このうち、東京分につきましては、ちょっとそのこまかい資料を持って参っておりませんので、後ほどお届けしますが、この三万三千の全国計画にプラスすることの約八千というものを考えております。これは主として日本旅館の改造の六千室並びに新築二千室ということで計画を作っておるわけでございます。
  55. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 よくわからぬけれども、ピーク時に三万要る、それは東京でも要るのですね。
  56. 滝浦濶

    滝浦説明員 三万というのは、東京周辺に、オリンピック時に、ある一日のピークに三万人の外客が集中するという考えであります。従って、毎日三万というわけではございませんが、三万ベットとにかく東京周辺には確保しておかなければならぬという考え方です。
  57. 森岡一夫

    森岡参考人 東京都周辺の宿泊設備について御説明申し上げます。  三十六年度の東京都のベット数が、これは京浜地区を含めまして、一万百九十四であります。そうして三十九年度の予定数が二方九千四百七十八ベットを予定してあるのでございまして、これに旅館、すなわち、外人観光客を受け入れられるところの国際観光連盟加盟の旅館で、三十六年度現在が五千百四十三、三十九年度におきまして五千程度ふえまして、結局三十六年度現在においては、一万五千三百三十七人程度の外人が収容できるようになりまして、三十九年度大会当時には二万四千六百程度が収容できるのでございまして、先ほど申しました三方に対して約六千のベッドの不足がある。このブッド六千を消化するために、日本旅館の改造とか、ユースホステルの利用、並びに公営住宅の一時転用ということを考えまして、今、鋭意、東京都並びに運輸省、それからホテル協会等と計画を進めております。
  58. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 今あなた方が三万と踏んだ数のうちに、青少年交歓のために来日する人々の数を含めておるのか、それは別であるのか、その点をお伺いします。そうでありませんと、二万四千と三万のバランスである六千は、国民宿舎とか、そういうところで収容してもらうということになりますと、そこが重なって計算されておりますから、あと計画が違ってくることになると思うのです。青少年関係は三万の概数の中に含んでおるのかどうか。
  59. 森岡一夫

    森岡参考人 この三万の中には全然考慮してないわけであります。
  60. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 お聞きの通り、船頭が多くて船山に上るということがありますけれども、統計を扱っておる所管々々で勝手な計算をされております。そういう点からも、何か統合的な一つの機関が必要と思うのです。問題を国民宿舎とか、ユース・水スチルとか、青少年の家という同じような範疇のものに限定しても、三つの機関がひしめいて、それぞれ勝手なことを言っているという感じがします。こういうことで、きょういろいろ質問が出て、運輸省文部省も厚生省も、それぞれに答えておりますけれども、あしたになればまたチンプンカンプンになるような話で、実際上、統合的な計画がほんとうに立つかどうか、心配せざるを得ないわけであります。もとは内閣官房に審議室長というものがおってそれを統合したということであったそうですけれども、今それが三つに分派してしまって、実際上の統率の権能がなくなっておると思うのです。しかし、なくなっておるから、それでしょうがないというのではなしに、やはり統合的に一つの機関というものができなければいかぬと思うのです。また、機関ばかりできて、これが繁文縟礼になっても困るのですけれども、そういうことが、今の質疑応答を聞いておっても、必要のように思います。その点はどなたかお答え願えますか。
  61. 江守堅太郎

    江守政府委員 総理府オリンピック対策準備協議会がございます。その協議会で各省の間のいろいろな問題の連絡、調整をいたしております。今の宿泊施設などの問題につきましても、当然やっておるところでございまして、運輸省が先ほど御説明になりましたように私ども承って、それはそのように理解をしております。  なお、私どもの所得に観光卒業審議会というものもございます。その観光事業審議会の観点から、オリンピックで多数の外客を受け入れるについて、宿泊施設などの整備についてはどのようにしたらいいかという点も、関係各省を入れましていろいろ相談をいたしております。従いまして、御心配の、明日になればばらばらになって、数字がどうなるかわからぬというような点は、私ども十分努力いたしまして調整をいたして参りたいと考えております。
  62. 島村一郎

    島村委員長 平岡君に申し上げますけれども、さっき田中委員から、文部省で取りまとめてよろしくやれという御注文がありましたが、それに対しまして、私からも江守政府委員に、あなたの方も一つ取りまとめに御協力願いたいとお願いしてありますから、参考までに申し上げておきます。
  63. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 それはけっこうなんです。けっこうですけれども、現実に、さっき文部省予算を聞いてみますと、何か三つほど申されましたが、五千三百万円、五千百万円、青少年の補助として別に七千万円というような、えらい心もとない予算を示されますと、このオリンピックまでにどれだけまとめ上げられるのか、少し心配になったわけです。予算の点では、国民年金の還元融資をもって――これは厚生省ですか、自治省と共管と聞いておりますけれども、その方が二十億とか三十億とか、ややレベルに乗ったお話があるわけでありますが、そういう点で、これはオリンピック委員会の方はみんな一致して取りまとめてそれを推進しておっても、受け入れる方がどうも三者三様な形で進まれるということになりますと、実際の成果が上がらぬではないかということをおそれます。そういうことで申し上げたわけですけれども、何らかそれに対応する体制を作っていただかなければならぬのではないかと思います。  それで、先ほど厚生省の木村さんのお答えであったと思うのですけれども、国民宿舎関係が、三十七年度、三十八年度にそれぞれ二十億ずつぐらいの予算を組んで、三十ぐらいずつの宿舎を作っていく、ただし、その収容人員というものは、基準としては百名だということをおっしゃっておられますが、たとえばオリンピックに備えてキャンプ場のセンターとしての宿舎なら宿舎というものが想定された場合、百人というふうに限定されてしまっては仕事にならぬと思うのですね。たとえば三百人とか五百人とか、そういうオリンピックに兼用するというか、常時には国民宿舎として機能を果たす、しかし、この際はやはりオリンピックの宿舎として機能を果たさせていくという点から、この百名なら百名というふうに限定してもらっては、仕事がやりにくいのではないかということも考えられますが、何かあなたの方の基準を見ますと、これは通達でありますか、政令でありますか知りませんけれども、百名以上ということになっておると思ったのですが、その辺のところはどうでしょうか。
  64. 木村又雄

    ○木村説明員 先ほども申し上げましたように、国民宿舎の本来の目的なり趣旨と申しますものは、一般国民大衆と申しますか、あるいは青少年とか勤労者というものを対象にいたしまして、年金の還元融資を受けまして、都道府県なり市町村が設置主体としてこれを行なって参ったわけでございます。それを、私どもの方では積極的にある程度の基準を作りまして、経営等の内容なり施設の内容についても指導して参ったわけでございます。今後のオリンピックとの関係について考えまするに、今後、内閣と申しますか、総理府のそういうオリンピックの特に宿舎対策、その中には、先ほどお話の世界青少年大会というふうな点もございましょうから、そういうふうな総理府その他関係各省と連絡をとりまして、今後そういう角度からも国民宿舎の設置ということを考えていく必要があるということでございますならば、そういうふうな角度からも、本来の国民の用に供するほかに、そういう要素も加味して今後検討していきたいというふうに考えております。
  65. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 お答えで満足いたしております。ただし、これは所管する各市町村の経費関係とか、それから将来の運営費とか、そういうことに関連してきます。ですから、市町村関係が合意せられたときには、それは当然積極的に取り上げるべき筋だと思っております。その限定だけありますけれども、今の大筋のお話は、その通り進めていっていただきたいと思います。  それから、今百名の標準を上回るべき例外もあるということを私申し上げたわけですが、それと同じように、今まで、文部省青少年の家と、運輸省ユースホステルと、厚生省の国民宿命と、どこが違うのかと言いましたら、ある人が、冗談みたいに、青少年の家は禁酒の家だ、サイダーが出る、民宿否の方は酒もしょうちゅうも出る、ユースホステルはその中間のビール程度だ、こういう名言を吐いた人がある。そういうことで、通達とか政令でそれがまたがっしりと固められておると、これはきわめて弾力的に対応しなければならないオリンピックの宿舎に、とんでもない制約が加わることになります。その辺のところは如才なくやっていただけることと思いますけれども、あまりなわ張り根性でなしに、その辺はきわめて自由濶達に運営をしていただかぬと工合が悪いのじゃないかと思います。本来の建前でやっている限りにおいてはそれはよろしいのですけれども、オリンピックという一つの共通な問題に対処するためには、その辺のところの制約もほどほどにしていただくということも、かまえとしては必要ではないかと思うのですが、その辺はいかがでございましょう。禁酒の青少年の家を所管されている文部省としてはいかがでしょうか。
  66. 長谷川峻

    ○長谷川政府委員 たとえ話がなかなか複雑ですから、一概に申し上げられませんが、青年の家は、平岡さんがおっしゃったように、禁酒の家だというお話ですが、やはり今の文部省青少年の家といたしますれば、訓練の時代、鍛練の時代に自分で進んでいく、青年の家でございますから、やはり禁酒が妥当ではなかろうか。まぎわになりまして、オリンピックの開かれた場合には、またそのときの考えようもありましょうけれども、その線を堅持していきたいと思っております。
  67. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 了承いたしました。ほかの問題に入ります。  この間、当委員会の面々と関係者が戸田の漕艇場を見に参りました。環境上の点からかなりあとで議論百出もあったように聞いております。しかし、とどのつまりは、環境というものは作っていけばいいわけですから、そういう意欲的な点を考えないと、現状のまま環境が悪いから云々で逃げておるということは、適当なことではないと思う。そこで、環境を作るということになれば、資金の関係になります。埼玉県におきましては、大体約三億円を予算化しておるわけでございまして、また国の方も、戸田漕艇場の浚渫予算は約一億円ほどついているわけです。問題は、環境整備に画龍点睛をしていただくための公園的な施設としての環境作りがいまだしの状態である、一応現時点では目鼻のつかぬ段階にあるわけであります。この点、これは木村さんの方ですか、国立公園部長ですから、どのようにお考えになっておるか、それから大蔵省との交渉関係、それを一つお教え願いたい。
  68. 江守堅太郎

    江守政府委員 戸田の漕艇場につきましては、仰せの通り、三十七年度の予算におきまして、川幅を広げること、また浚渫をいたしますことなどについて、一億九千二百万円ばかりついております。さらに、戸田の漕艇場に隣接いたしますところの地区の整備につきまして、埼玉県の方で、仰せの通り三億近くの金の用意があるということを承知いたしております。これらの金額を基礎にいたしまして、戸田競艇場でボートのレースができますように、一日も早くあそこの工事が着手できますように、私どもといたしましては、組織委員会その他と十分連絡をとりまして目下努力中でございます。
  69. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 努力はいいですが、努力の焦点があるわけです。対大蔵省折衝見通し、その点につきましてお伺いいたします。
  70. 江守堅太郎

    江守政府委員 大蔵省に対しまして、三十七年度においてさらにどれだけの金を出したらいいか、あるいは出せるかというような点については、折衝をいたしておりません。
  71. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 折衝がしにくいからとか、すでに大蔵省の方から否定的な回答があったとか、そういうことでなかなか腰を上げることができにくいというふうにわれわれは推察するわけですが、しかし、これは担当のあなた方ばかりでなしに、当オリンピック委員会が、あと千日を切った日程において、あらゆるオリンピック関係の整備をしていくわけですから、この委員会としましては強力にそういう線で推進していくはずであります。そこで、これは私どもの委員会のメンバー自身の問題にもなってくるわけですが、やるという腹をきめたら、それを推進していくという形が何かなければならぬと思う。そこで、きょうの議論を通じて委員長一つ集約していただいて、強力な一つの推進力を御配慮いただきたい、かように考えます。これは政府への質問でなしに、委員長におかれまして、そういう線で取りまとめをいただけば幸いだと思っております。これは質問というような意味でなく、意見でございます。  次は、この間、朝霞の射撃場等を視察いたしまして、やはり推進していく人たちが強力なので、進捗度がなかなかいいと思っておりました。そのときに、射撃にもいろいろな種類があるらしいですが、クレー射撃場についてはまだ保留されておるというふうに田畑さんが説明されておったと思う。その点は現在どうなっておりますか。
  72. 津島壽一

    津島参考人 この問題は計画課長が担当してやっておりますから、計画課長からお答えさしていただきます。
  73. 島村一郎

    島村委員長 この際、オリンピック組織委員会施設部長代理兼計画課長岡部十三郎君を参考人として御出席願うことにいたします。岡部参考人
  74. 岡部十三郎

    ○岡部参考人 ただいま平岡先生から御質問のございましたクレー射撃の点でございますが、組織委員会の今まで決定いたしております点は、この間御視察をいただきました朝霞のライフル射撃場に隣接してクレー射撃場を作りたいということで計画して参ったわけでございますが、御承知のように、あの地区は根津パークと申しまして、現在米軍に提供中の用地でございます。このところにクレー射撃場を作るということは、永久にこれが返還にならないという限りにおきましては、どうしても臨時的な、仮設的な施設ということになるわけでございます。その後関係者が相寄りましていろいろ検討いたしました結果、せっかくオリンピックを機会に相当な金をかけてこれを作り、しかもそれがオリンピックを終わって全部なくなるということは、結局むだではないか、同じ作るのであれば、恒久的なものを作った方が好ましいということでございまして、新たに恒久的なものを作るという場合には、その用地が先決問題であったわけであります。この用地の問題につきまして、埼玉県当局、クレー協会、組織委員会のわれわれとでいろいろ協議をいたしました結果、二、三の候補を選定したわけでございますが、現在最も有望と考えられております線は、平岡先生はとっくに御承知だと思いますが、川越街道を横切って参ります浦和-所沢線という、行政協定によってできました道路がございますが、その道路の中間、朝霞から参りますと約二里半、自動車の時間にいたしまして約十五分、地名は下安松と申しますところに、所沢市の持っております約四万坪の土地がございます。この土地を一応目標といたしまして、所沢市、埼玉県当局、日本クレー協会でいろいろと現在話し合いを進めております。ちょうど所沢市も、埼玉県当局も、県議会あるいは市議会等がありまして、一時話が中断しておりましたが、両方の議会も終わりまして、目下この話を急速に進展していこう――所沢市当局といたしましても、何とかこれが実現するように積極的にやっていきたい、そういう話し合いが進められております。これがどういう規模で作られるかということにつきましては、今のところの目標といたしましては、埼玉県営のクレー射撃場という構想であるわけでございますが、はたして、オリンピックが終わった後に、これが県営ということで維持管理がうまくできるかどうかというふうな点に若干の問題がございます。オリンピックが終わった後に、その維持管理につきましてどこがやっていくかというようなことの話し合いのめどがつけば、この問題は実現する見込みが大いにあるもの、かように考えております。  以上でございます。
  75. 津島壽一

    津島参考人 ただいま御説明申し上げた通りでございます。当初からライフル射撃の隣にクレーを置こう、そして便宜、事務所を共通に使おう、仮設のスタンドを作ろう、こういう計画であったのが、御承知の朝霞の根津パークでございます。しかし、クレー協会の方の希望は、別個にして、将来自分たちで十分利用できるようにしてもらいたいという希望もございまして、ただいまあれが接収されておる地域であるという観点から、ただいまほかの適当な候補地を見ているわけであります。それには、候補地はあります。ただ、これに要する施設の経費がどのくらいになるか、将来の維持という問題について、県当局、またクレー協会並びに組織委員会その他と協議中でございます。これがきまれば、組織委員会で正式に、クレー射撃をここでしょうということが決定するわけであります。そう時間もかからないつもりで、なるべく適当にこれをまとめたいというのが、ただいまわれわれの考えておるところでございます。
  76. 平岡忠次郎

    ○平岡委員 大体私の質問は終わりますが、外人客の収容問題につきまして、大別して、選手村ができますから、オリンピック選手関係はこれでオーケーのわけです。それから三万人を想定されておるホテル関係を、大いにしりをたたいていただくということ、それがきょうの話では二万四千とかいうことですが、やはり三万ということの想定に立って準備を進めていただかなければならぬだろうということを感じます。もう一つは、青少年関係のワクは、三千人の限定はかえってまずいのではないか、従って、国民宿舎とか、ユースホステルとか、青少年の家とか、むしろ青少年関係の収容ということに主眼点を置いて計画を立てられなければならないのではないかという点、なお、田中先生お話の、個人のところに収容するということは、当てにしないで、足りなくなったらやるという、予備的なことに考えていただく方が、対処の仕方としては賢明ではないかということ、この個人のところは、好意的には収容して下さるでしょうが、連絡上とか、五百人を収容していただいて二百五十人の通訳をつけるということでも困りますし、そういうことは予備的にお考えになって、当てにし得ることと、し得ないことがありますから、半分当てにし狩ることは予備として、やはり組織的にちゃんと計画を立てておやりにならないと、間違いであろうと思います。そういう要望、善処方をお願いして、私の質問を終わります。
  77. 島村一郎

  78. 阪上安太郎

    ○阪上委員 時間がだいぶおそいようですから、一つだけ伺っておきたいと思います。  先ほど平岡さんの質問に厚生省の方からお答えがあったのですが、その国民宿舎建設の規格というものがあろうと思いますので、それについて一つ伺ってみたいと思います。その規格中には、スポーツ施設というものが入っているのですか、入ってないのですか。
  79. 木村又雄

    ○木村説明員 一応入っておらないわけであります。
  80. 阪上安太郎

    ○阪上委員 近代オリンピックが盛んになったのは、近代スポーツが盛んになったからだといわれております。これは全くその通りだと思います。そして近代スポーツが盛んになった原因は、フランス革命にある、こんなことがいわれておる。それは何かと言うと、当時の労働者が四十八時間制を得たからだ、そのために、余暇利用がスポーツに向けられた、最近、ことにドイツのカールディムなどという人が盛んにそういうことを言っております。そこで、国民宿舎目的も、やはり余暇利用という点に非常に重点が向けられておるのではなかろうかと思うのであります。そして健康維持というような問題がそこに出てきておると思うのですが、この場合、ただ建物を建てて――先ほど平岡さんが言われたが、国民宿舎は酒の部類に属するかどうか知りませんが、ただ漫然とそういった宿舎に宿泊して、ふろに入って遊ぶというだけでは、非常に合目的的でないと思う。この場合、別にここでオリンピックのために国民宿舎をそこへ無理やりに引っぱっていくという考え方は私にはありませんが、少なくとも一般的に今日スポーツというものの国民の中に占める位置というものを考えていったときに、それが全然含まれていない、そういうようなことでは、私はいけないのじゃないかと思う。そこで、いけないとかいいとかの論議は別といたしまして、そういう国民宿舎をおやりになるときに、なぜスポーツをお考えにならないか、こういうことなんです。もしそれを考えておられたならば、先刻来問題になっているようなきわめて大きな青少年宿舎に対する問題点が解決されていくのじゃないか。そしてオリンピックのためにも非常に大きく利用できるのじゃないか。そういうことを厚生省の方では全然お考えになっていない、こういうことだと思うのであります。  いま一つは、これまた同じことだと思うのでありますが、運輸省のやっておられるあのユースホステルというものは、世界のユースホステル協会に加入されているかどうか、私はよく知らないけれども、これにいたしましても、ユースホステル協会というものは、ユースホステルを建てるのが元来の組織だったと思うのです。それが、わが国ではそういう考え方に立っていないように私は思うのです。従って、そういう世界のユースホステルの系列とは違うのじゃないか、こういうふうに思っております。そのことは別といたしまして、やはり同じようにこれは余暇利用の問題じゃないかと思うのです。それをただ単に観光目的だというような形で運輸省がおやりになっておる、こういうところにやはり問題点があるのじゃないか。青少年問題は青少年問題として、野外活動としてこれを取り上げている。文部省文部省として、体育と結びつけて、社会教育的な見地も多分に加味されてこれを取り上げられておる。いずれにしても、ばらばらにやっておられるということなんであります。これは先ほどからも、こういう仕事については整理統合すべきであるという説かずいぶん出ております。そこで、厚生省は、どうですか、思い切ってそういった企画の中に体育施設をほうり込んでいく、それから運輸省もそういった施設をほうり込んでいく、それがなければ、青少年の家など建てたって役に立たない、大した目的は達成できないのだというふうに考えて、そういうものを積極的におやりになる、そういうことによって、各省なわ張りでなかなかうまくいかない問題が、そういった事業の内容から、また建設の企画から統合されていくということになるのじゃないかと思うんですが、それぞれ一つ所感を伺ってみたいと思います。
  81. 木村又雄

    ○木村説明員 私どもの国民宿舎考え方は、国立公園、それから国定公園とかいう自然公園があるわけでございますが、その場合に、公園計画をいろいろ立てまして、その自然である公園を利用するところの基地としての集団施設地区がございますけれども、そういうふうなところを主として選びまして国民宿舎を設定する、そういう考え方に立っておるわけでございます。従って、これは宿泊施設でございますけれども、あくまで自然の利用基地でございますので、あるいはそれを基地にいたしまして登山をするとか、あるいは海水浴をするとか、あるいは湖水の周辺であればボート遊びをする、あるいは冬になればスキーをやる、そういう自然環境を背景にいたしまして、自然をスポーツ的に、あるいはレクリエーション的に利用する基地として一応国民宿舎というものを考えているということでございまして、宿泊それ自体が本来の目的であるというふうには必ずしも考えておらないのでございます。大体考え方といたしましては、先生のおっしゃるように、やはりそういう自然をいろいろの角度から利用する基地として考えるというふうな構想に立って出発いたしたのでございます。それから、昨年度からそういう考え方をさらに発展させまして、私ども、国民休暇村というふうな構想を打ち出しまして、国民宿舎中心にいたしました総合的な施設を整備することによって、それを総合的にいろいろな角度から利用していただけるようにしたいというふうなことで、これも補助金を団体につけまして、年金からの融資を受けまして、大体五カ年で全国に二十二カ所ぐらい設置いたしたいと考えておりますが、その場合の国民休暇村と申しますのは、景勝の地を選びまして、五十ヘクタールぐらいの地域を標準といたしまして、国民宿舎のほかに、必要がありますならば運動場を作ってやる、あるいはプールであるとか、あるいはスキー・リフトであるとか、あるいは舟遊施設であるとか、さらに教化施設といたしまして、博物館であるとか、水族館であるとか、そういうふうな総合的なものを作っていきたいという構想に発展して参っておりまして、それがようやく緒についたところでございますけれども、先生のおっしゃる通り、まさにその通りでございますので、今後はそういうことに一そう積極的に発展をして整備充実をはかりたいというふうに考えております。
  82. 滝浦濶

    滝浦説明員 運輸省の方でやっております公営ユースホステルのことにつきまして申し上げます。  ただいま先生の御指摘のように、ユースホステルの国際連盟につきましては、民間の団体であります日本ユースホステル協会が日本を代表して加入しております。それで、協会といたしましても、逐次自分の専用ホステルというものをお作りになり始めていらっしゃいます。そのほかに、過去におきまして民間の宿泊施設と契約をされまして、それが契約ユースホステルという格好で全国に約三百ほど現在ございます。そうした状態に対しまして、運輸省といたしましては、内外の青少年の交歓と申しますか、そういうことを中心にしまして、主として健全な青少年用の旅行の基地としての考え方で出発いたしまして、三十三年以来公営のユースホステルができておるわけでございます。従いまして、スポーツ施設を周辺に必ずしも持っていないのが現状でございます。われわれといたしましては、現在のところ、主としてこうした青少年が日本の各地を、未知の土地を旅行していくことによりまして、かつまた、清潔で低廉な宿舎を提供することによって、自分のことは自分でする、本来ならば食事も自炊でやって、立つ前には、自分の使った毛布等はきちんと片づけて、次に来る人に迷惑をかけないという気持で、全国各地を、日本じゅうを親しく歩くことによって、あるいは一部交通機関を使っても、国内を旅行することによって郷土に対する郷土愛を養成するという点を考えて作っております。従いまして、午前十時から午後三時までは、原則的にはホステル内には入れない、宿泊施設内には入れないという形で、野外活動にこれを使ってもらうということでやっております。ただ、御指摘のように、スポーツ施設を固定的に付属していない現状でございますが、これは予算の面もございますけれども、今後ところによりそうした施設を持つホステルもあっていいのではないかというふうに考えておりますが、まだ実現には至っておりません。
  83. 阪上安太郎

    ○阪上委員 大体満足なお答えをいただいたのですが、諸外国のユースホステルなりを見ましても、スポーツ施設のないものは全然ないのです。先ほど厚生省からお話がありましたように、湖畔に建っておるところのそういう家では、大体水遊び、水と関係のあるスポーツというものを主眼としております。また、山の上にあるのは、スキーを主眼としておる、あるいはスケートを主眼にしておるものもある。けれども、それだけではなくて、やはり総合的な運動場を持って、バスケットであれ、バレーであれ、あるいはまた、フットボールであれ、非常に広範な総合グラウンドを持っておりまして、それぞれの特徴を生かしていく。ハルツの森にありますものは、おっしゃるようにあの大森林を伐採いたしまして何エーカーかやっておりますが、特に宿舎の周辺には必ずそういう施設がある、こういう形でありまして、近代国民生活の中で、ほんとうに跡外でスポーツをやるほど快適なことはないと思うのです。それこそ、ほんとうのレクリェーションだと思うのです。従って、私は、しつこいようですけれども、今後こういう事業をお進めいただく場合に、やはりスポーツというものとほんとうに真剣に取り組んでいただくことが必要ではないか、そうすれば、自然に同じような方向に向いてくるのではないか、こういうふうに思うので申し上げたわけで、どうぞそういう点も考えて今後とも進めていただきたいと思います。
  84. 島村一郎

    島村委員長 この際、参考人各位に申し上げます。  本日は、貴重な御意見の開陳をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  次会は公報をもってお知らせいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十一分散会