○北村暢君 今の御
説明を聞いておりましても、どうもはっきりしないのですが、まあ今度の
近代化資金の中には
農業用の道路その他の
施設の改良、造成、取得、こういうようなことをうたっているわけですね。今の
説明ですと、
農業基盤を
整備する根本的な国家投資を要するものは公庫にいってやる、こういうことのようですけれども、
近代化資金のほうにも
農業用の道路とかその他の
施設というものが入ってくるということ、どうもそこら辺の区別がはっきりしなくなってくるんじゃないか、こういうふうに思うのです。ですから、従来の農地または牧野の改良、造成もしくは復旧に必要な
資金、これが改良造成
事業として、まあ土地改良の
資金その他の問題が出ているわけです。そういう場合は確かにこれは公庫で今までやっておる。ところが、そういう問題がそれでは
農業近代化に
関係ないかというと、大いにあるわけですよ。それじゃ
近代化資金の中で
資金はだぶついているのだし、
利子補給さえすれば、やればできないことはないじゃないかと、こういう問題が当然出てくるのじゃないか。したがって、
農業近代化資金法ということで、今
資金の
内容とか何か
法律でこういうふうに規制しておりますけれども、それで公庫
資金と区別しようというふうにかかっておるけれども、これはもう少し幅を広く解釈していくというと、これはもう区別がつかなくなってくるのじゃないか、こういうように思うのです。しかも
系統資金は、先ほども言ったように、
系統資金だって当初は国がこれを
出資しておったわけですね。三十四年ごろからそれが必要なくなって中止している。したがって、十分
資金内容からいって充実してきたから、
系統資金だけでやっていける、こういうことのようです。それはやはりそういうことからいくと、今度またそれを充実させるために
利子補給をするということは、国がやっぱり援助しなければならないでしょう。今の
系統内における三段階制の
系統融資をやっている中ですというと、
資金コストの問題からいっても何からいっても絶対に農民の使えるような金でない、そのために
系統外にどんどん出ていく、こういう状態でしょう。そのために
利子補給をしようということなんでしょうが、どうもそこら辺の思想統一が、私は今
説明を聞いただけではちょっと理解できない。したがって、今までの
系統資金というのは比較的
短期の営農
資金を貸すというのがこの
系統資金の大体の使命であったと思うのです。ところが、今度は十五年という
近代化資金が
系統資金の中に入ってくるわけですから、そうしますというと、これは
短期の営農
資金じゃない。十五年という長期
資金になって参りますというと、公庫
資金の中にも十五年というのがざらにあるわけですね。でありますから、そういう区別というものは、従来の公庫と
系統資金との区別という
考え方は、ここら辺でちょっと改めなければならない
考え方がここに出てきているのじゃないかと思うのです。それで、そこら辺の思想整理をしていくというと、今の公庫
資金の総
ワクはどのくらいですか、全部の総
ワクでどのくらいですかわかりませんが、これはまあ林業、水産含んでおりますから、そのほか災害等も含んでおるわけですから、そういうものを除きますと、たいした額ではないじゃないかと思うのです。そうすると、そういうものは
利子補給をして、
近代化資金ということで、そういう思想のものがどんどんやっていけるということになると、長期
資金というものを
利子補給してやっていくということになると、この公庫というものは非常に将来縮小するような傾向をたどるのではないかというふうに思うのです。ところが、一方においては、公庫も
資金コストの
関係から支店を設けて、そうして公庫の直接貸しというものも、実はパーセンテージからいけば相当ふえてきているわけですね。そしてこの
系統資金と公庫
資金とが、
金利の面においても、
貸付条件の問題についても、非常に競合する場面が出てくるわけですね。現実にそういう方向が出ていると思うのですね。一体そういう点の問題について、どういうふうに処理されようとする方針でおられるのか。この点をひとつ回りくどくなくていいのですが、あなたの言われるのはわかるようでわからないので、わかるようにひとつ
説明をしていただきたいと思うのですがね。