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国務大臣(
河野一郎君) 最初の米審の問題でございますが、実は、私は前回
農林大臣をいたしましたときに、この
審議会に米価をどうしたらよろしいかという諮問をいたした経験がございます。そういたしましたところが、具体的な
数字を諮問してくれなければ
審議ができぬといって断わられました。そこで、今回は具体的な
数字を
農林大臣が米審に出したところが、きまっちゃっておるものを
審議したって意味ないじゃないかというようなことが、それだけじゃございませんが、主たる
意見のようであったと私は思います。これは
審議会そのものの
考え方が私は間違っておるのじゃないかという感を非常に深くいたしまして、議会政治のもと、
大臣の責任制において、今の
審議会というものは一体どうあるべきかということを
検討する時代にきておる、こう思うのでございます。そういう意味において、過般閣議においても
発言をいたしまして、法制
局長官等にもいろいろ御研究を願っております。現に、農林省に三十六
審議会がございます。一々
審議会に諮問をし、その
意見を徴してやらなければ
農林大臣の仕事ができぬというようなことでは、一体
農林大臣は議会の言うことを聞くのか
審議会の言うことを聞くのか、どこの言うことを聞くのかということになりまして、民主政治の私は
一つの問題があるような気がするのでございます。したがって、
審議会の運用はおのずから限界がある。米審におきましても、当面する米価について注意しなきゃならぬ点はどうだろう、どういうふうにあるべきかということについての
意見を聞くことはけっこうでございますけれども、最終の米価を幾らにしたらよろしいかという
審議をいたしましたらば、その米審の決定は聞かなくてもいいんだといいましても、聞かなくていいようなことであれば、おのずから
委員の諸君から非常に御不満が出ることは当然のことだと私は思うのでございます。これらはいずれも私は
考え直さなければいかぬ問題だと思っております。そこで、これら
審議会のあり方につきまして
十分検討いたしまして、そして将来に備えたいと思います。ところが、何分失礼なことを申して恐縮でございますが、終戦後非常に
審議会ばやりになっております。戦前には
審議会はこんなになかったと私は思うのであります。ところが、何かというと
審議会の
意見を聞いたらどうだということで、
法律案等についても議会から
審議会をつけろというような御
発言を承ることがあるそうでございます。私は、これは議会におかれましてもひとつ御
検討を賜わりまして……。私の一存でとやかく申すのではございません。どうあるべきかということについて、ひとつこの農林
委員会等からもどういうふうに持っていくことがよろしいか。極端に申せば、私は、農林
委員会等を開いて、当面する米価はどういうふうに
考えたらよろしいかということの有力な
意見を拝聴して、そして私は
農林大臣として最終的な決定をするということの方が、むしろ私は議会政治を尊重する意味においていいのじゃないか。もしそこで学者やその他の人の
意見を聞く必要があるならば、この
委員会に参考人として御
出席を願って、その
意見を十分にお聞きを願っておやりになるということ等々の
方法がいろいろあるのじゃないか。それを、従来とかく議会は全然別におって、議会をはずした
審議会、
委員会等が非常に最近多いわけでございます。こういう点等につきましても、一ぺん
基本的にお
考えいただいたらどうだと、こう思うのでございます。
それから次に、今
農地の交換分合のことについて
お話がございました。これは私どもも棚橋さんの御質問にお答えいたしましたとおり、
農地というものについて、
農業の基盤になるべきものについて、今後の行政を従来のとおりやっていってよろしいものかどうかというような
基本の問題について深く
検討する段階にきておる。新しい
農村を建設して参る上においては、まず
農地というものについて明確な方向を定めて、そして必要があれば必要な
法律の改正等は行なっていくべきものじゃなかろうかということについては、
基本的な勉強を
農地局に今してもらっておるのでございまして、その結論を得まして、これは非常にむずかしい問題でございますから、根本的な問題でございますから、急いでいるわけじゃございませんけれども、せっかく勉強をし、各
方面の
意見を承って、そして結論を得たその上で
考えたい、こう思っておりますから、ただいまの御質問に対しましては、その
基本方針をきめました上で必要な
処置をとっていきたいと、こういうふうに
考えております。