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1961-10-12 第39回国会 参議院 内閣委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十二日(木曜日)    午後一時五十一分開会    ――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     大谷藤之助君    理事            松村 秀逸君            鶴園 哲夫君            山本伊三郎君    委員            石原幹市郎君            上原 正吉君            木村篤太郎君            下村  定君            中野 文門君            一松 定吉君            山本 利壽君            千葉  信君            松本治一郎君            赤松 常子君   国務大臣    農 林 大 臣 河野 一郎君   政府委員    農林大臣官房長 昌谷  孝君    農林省振興局長 齋藤  誠君    農林水産技術会    議事務局長   増田  盛君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君    ――――――――――   本日の会議に付した案件農林省設置法の一部を改正する法律  案(第三十八回国会内閣提出、衆議  院送付)(継続案件)    ――――――――――
  2. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) これより内閣委員会を開会いたします。  農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、第三十八回国会におきまして、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  政府側出席方々は、河野農林大臣昌谷官房長齋藤振興局長増田農林水産技術会議事務局長、以上の方々でございます。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  3. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ただいま御審議をいただいておりまする農林省設置法の一部改正案法案の内容はすでに御説明をいたしたそうでござまいすが、あらためて、私からごく簡単にその要点を三点申し上げたいと思います。  その第一は、農業に関する試験研究管理事務農林水産技術会議において一元的に処理せしめるとともに、農業の動向と、農業技術高度化に即応して、部門別研究効率化をはかりますために、農業関係試験研究機関を再編成するものであります。  その第二は、農林水産業に関する基本的な政策及び計画を樹立、並びにそのために必要な調査等事務大臣官房で処理する等、大臣官房企画調査の機能を強化することであります。  その第三は、わが国の重要産業地帯一つであります東海地区における植物防疫業務量が、名古屋港を中心として飛躍的に増大して参りましたので、新たに名古屋市に植物防疫所を設置することであります。  これらは、いずれも農林省機構において欠くことのできない重要な点でございますので、特にひとつ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  5. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 設置法の一部改正提案されたわけでありますが、それは農林省行政部門と非常に密着した、一体になったものであります。したがいまして、今具体化しつつある農林省機構改革、さらには今後具体化されるであろうところの農林省機構改革、そういうようなものを一応承って、その中の一環として提案された農林省設置法改正案審議したい、こういうわけであります。したがいまして、そういう意味から種々お伺いいたしますが、まず初めにお伺いいたしますのは、今度出ました農林省機構改革農林省設置法の一部改正は、農業基本法の二十三条に、農業の「行政組織整備及び行政運営の改善に努める」、こういう条項があるわけでありますが、これに基づいて出されておるというふうに思うのでありますが、これに基づいて出ておるものなのかどうか、その点をまず承っておきたい。
  6. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 基づいてという御発言でございますが、基づいてというほどではないのであります。しかし、農業基本法基盤として、農業経営を合理化し、さらにその内応を充実いたしますためには、どうしても技術部門を充実して参る必要があるというような意味から今回の改正をいたしたい、こう考えております。
  7. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今の大臣の御発言、少しあいまいに感ずる点があるんですが、それは衆議院内閣委員会で四月十六日に審議が行なわれております、この法案につきまして。その際の農林省側の答弁といたしましては、農業基本法二十三条というものに基づくといいますか、その線に沿うといいますか、あるいはその趣旨に沿うといいますか、そういう意味で出しておるのだという説明になっておるのですがね。ですから、今の大臣の御発言は、二十三条の趣旨に沿って出しているのだというふうに解釈してよろしゅうございますか。
  8. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) その点は衆議院のほうで説明をいたしましたとおりでございまして、農業基本法にこう規定してあるから、その結果こうしなければならぬというほど強いのじゃないと同時に、そうは申しましても、当然農業基本法の有無にかかわらず、農林省としてはぜひやらなければならぬものであるということになるわけです。
  9. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農林省といたしましては、三十七年度につきましても、種々機構の面について具体化されておられるようでありますが、さらにまた具体化されつつあるように思いますが、これらはやはり農基法の二十三条の趣旨に沿って行なわれておられるというふうに思うのですがね、その点はいかがでございますか。
  10. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 農業基本法を作りましたから、こういうものをこういうふうにしていくのだという考え方はむろんあるかもしれません。しかし、農業基本法が制定になっておるとおらざるにかかわらず、わが日本の農村実情から考えれば、私は、たとえて申しますれば、畜産が近時非常に振興してきた。これは農業基本法考えておりますことも、むろん畜産その他のものを飛躍的に拡大して参らなければならぬというふうに考えておりますが、一般農民諸君も、もう農業基本法の制定されます前から、畜産については大いにこの点に重点をおいて農業経営をやっておられる。また同様に、果樹園芸蔬菜等についても同様なことがいえる、こういうふうに思っております。
  11. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今の大臣のお話のようなことが農業基本法に規定されておるのじゃないのですか。その意味では、農業基本法というものに沿って、今後農林省の諸政策が進められる、それを進めるにあたっては、種々機構の問題についても検討し、考えなければならぬ面がたくさん出ておると思う。さしあたって、当面して試験研究機関を初めとします今回の農林省設置法の一部改正が出たものというふうに私は思っております。何かそういうことになりませんですか。
  12. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 決して私はこだわるわけではございませんが、実情を申し上げておるのでございまして、一方には農業基本法がある、これを基盤にして、農村経営もしくは農村農家経済整備拡充をして参る、当然のことであります。農林省機構も、農業基本法を作ったから、農業基本法にこうあるから、それでこういうふうにしていくのだというふうに考えれば、そう考えればそう考えられぬことはありません。私の申し上げたのは、農業基本法があってもなくても、当然一方において農家諸君は、農業基本法のできる前から、すでに畜産が盛んになっておる、果樹園芸蔬菜が盛んになっておるということで、実を申しますと、五年前に私が農林大臣をやりました当時に、すでに私が大いに畜産振興果樹園芸蔬菜振興を提唱いたしまして、その当時から大いに農林行政の中に重じられて取り入れられておったわけであります。しかし、今日のように盛んには当時はまだなっておりませんでした。しかし、まだそれを行政上どうしようという段階までいっておらなかった。その間に農業基本法が生まれてきて、それで大いにこれをやらなければならぬということになってきたということでございますから、農業基本法ができたからこれをこうやったんだ、こうなるんだというだけの解釈は、私はそれはどういうことになるか知りませんけれども、決して私はこだわって申し上げているわけじゃございません。そういうことで、今回の機構改革にいたしましても、前に私農林大臣の当時に、農業技術会議というものを作って、農業技術研究についてひとつ一元的に指導するようにやろうじゃないかということをやりました。その後やってみると、第二次の試験場研究所についてこういうふうに直したほうがよろしいというふうなことから、前大臣にこの提案をなし、私も大臣になりまして、たいへん妥当なことであるというふうに考えておるわけであります。
  13. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣のおっしゃるように、あまりこだわっておっても始まりませんので、次に伺っていきますけれども、ことしこういう農林省設置法の一部改正が出まして、相当大きな機構改革でありますが、続いて三十七年度においても機構改革を進められておられる。今度が第一次としますれば、明年度が第二次の機構改革になる。あるいは私は今の農業基本法、あるいはこれが生まれました農林漁業基本問題調査会答申案趣旨等から見まして、さらに第三次の機構改革があるものというふうに思っておりますが、そういうふうに想定してよろしゅうございますか。
  14. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私は、明年度予算編成と相関連して、どういうふうに機構を直していくつもりかということにつきましては、私自身腹案はございます。腹案はございますが、まだそれは予算編成過程でもございますし、まだ、正直なところ、党のほうとも打ち合わせが完了いたしておりません。したがって、これら各方面との折衝をいたしまして結論を出して、次の機会に御審議を願おうと考えております。心組みは私ございます。ただし、それがまた第三次、第四次改革になるか、それは一応私としては考えておりません。明年度予算編成いたして参り、私が農林行政を担当いたしております過程におきましては、次の国会までには御審議を願う必要があるかと考えておりますと、こう申し上げておきます。
  15. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そういうお考えで、つまり今出ておりますのが、名前をつければ、初めて出てきましたから第一次、無理に名前をつけぬでもいいのですよ。ですが、第一次。それで明年度お出しになる予定のようでありますから、それが第二次。続いてまた行なわれるというふうにお考えになっておられるように受け取ります。その趣旨に沿ってもう少し具体的に伺いたいのですが、食糧の問題につきまして、答申では、食糧統制について根本的に検討する段階にきておるという形になっております。それから経済審議会答申では――所得倍増答申ですね、この中では、米の管理、これは間接統制に移すべきだという答申が出ておる。大臣は、就任早々自由米構想を出されておられるわけですが、さらにこの答申では、麦価について、麦の値段の水準が、どうも農業の発展を阻害しておるというような答申も出ております。したがいまして、米の統制を緩和していこう、そうして間接統制へ持っていこうというようなお考え、あるいは麦の今の間接統制をはずしていこうというような考え方、そういう考え方がおありになるのかどうか、まずお伺いいたします。
  16. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 答申にはいろいろあることを聞いておりましたが、私は、米につきましては、所要米価、つまり再生産にこたえる米価の維持、これは絶対にしなければならぬ。それから、また現在の社会事情からかんがみまして、消費者価格も維持する必要がある、この二つのものが、現に生殖者価格政府払い下げ価格を上回って決定されておる事実、この二つの事実を考えてみますと、統制をゆるめるとか、いわゆる間接統制であるとかというようなことでは所要目的は達成できないということから、私は、現にやっておりまする生産者価格を維持し、そうして消費者価格を堅持する、この二つの点は絶対に今後堅持していくべきものである。そこにいろいろ名前をつけたり、いろいろなことを言いますと話がめんどうになります。しかし、具体的に申し上げまして、現在の生産者価格を維持し、そうして消費者価格を維持し、そうしてこの制度を続けていかなければ、これは進めていくことができないということで御了承いただきたいのであります。ただその間に、まあ要らぬことかもしれませんが、私が言うところのやみ米もしくは――法律は禁止いたしておりまするけれども、農家の一部の人がその法律に違反して売っておられる。また、これを仲介する者があり、それを買って食べていらっしゃる人がある。この事実は解消していくほうがいいのじゃないかという意味から、いわゆるやみ米を解消し、そしてまた政府が、今私の申し上げました基本的な必要、つまり農家販売米価格を絶対に維持する、それより下がれば農家政府のほうに売ったほうが得でございますから、政府はそのために無制限に買い上げますという、その点を堅持し、そうして、また消費者方々も、政府配給米が安うございますから、その安いお米を分けてくれ、配給せいというその要求には無制限に応ずる、無制限という言葉がまた誤解があるといけませんから、政府が規定した配給量は必ず差し上げるということは続けていかなければならぬことであると私は考えておりますということに御了承いただきたいと思います。
  17. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ちょっと御報告いたしておきますが、今、衆議院のほうで肥料取締法をやっておりまして、所管大臣に、上げるから三十分ぐらい顔を出してもらいたい、質問が一点あるということですから、大体今三時ごろということで向こうとの話し合いをしてございますから、それをお含みの上で、ひとつ大臣に関する御質疑を進めていただきたいと思います。
  18. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは大臣、少しピッチを上げまして、今の問題はこれは政策論議でありますから、ここでは省略をさしていただきますが、食糧庁の売買部門、これを食糧公団にするという話がだいぶ流れております。それから米麦中心とした農産物検査、これは検査公団というものを作るということも流れておりますが、この二つについて、三十七年度におやりになるおつもりがあるのか。
  19. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 全然そういうことを私は考えておりません。そういうことを私は耳にしたこともございません。私はそういう必要はないと考えております。
  20. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 河野さんが農林大臣になられてからというとちょっと恐縮でありますけれども、非常にこの機構の問題がたくさん出て参りまして、今私が申し上げました食糧公団、あるいは農産物検査公社といいますか、林野庁公社とするという考え方ですね。あるいは農業機械公団といいますか、あるいはまた農業土木公団といいますか、農地事務局中心にして農業土木公団を作る。農業保険関係農業保険事業団、これは大臣がおなりになる前からあったのでありますが、こういうものがたくさん出て参りまして、相当省内ではめんどうなうわさになっておるわけですね。ですから、この中で、今おっしゃった食糧公社といいますか、これは考えていない。農産物検査公社といいますか、これも考えていない。ですが、林野庁公社にするという考え方ですね、それから農業機械公団、あるいは農業土木公団、こういうようなものはいかがでございますか。
  21. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) お答えいたします。私は、別に、公社公団が好きではございません。みだりにそういうものをやろうという考えもございません。が、しかし、御承知のとおり、林野庁には、すでに数年前から、林野行政は非常にこれを現状で進めていくことが適当でなかろうじゃないか、これを三公社現業のあり方を、ひとついわゆる五現業の中のものを、三公社のほうを四公社に移すというような意味合いにおいて考えたらどうだという考えが、すでに数年前から林野庁にはございまして、それが研究が続けられておるということは御承知のとおりでございます。その程度でございまして、私も研究の結果を見せてもらいたいということは申したこともございます。別に私がこれを推進し促進して、そうして無理やりに持っていこうというような考えは私はございません。  機械公団でございますが、すでにこれは御承知のとおり、機械公団がございますが、この機械公団は非常に変則的な公団でございまして、北海道もしくは上北の開墾をやるために非常に大きな機械開墾に持っていったことは御承知のとおりであります。この一応の開墾事業が当初の目的開墾事業が終わりまして、さてこれをどうするか、この大きな開墾機械をどうするかということになって参りましたときに、たまたまこれはまた御承知のとおりに、農業相当に強力に機械化されてきた。それから、また同時に、従来の水田というものが、これから畜産を大いに奨励しなければならぬことになってきて、牧野改良等相当に進めていく必要がある。ただ単に従来のように馬を飼うとか何とかということで炭カルなんかをまけばいいというようなことではだめだ。本格的に開墾した牧草、牧野を作る必要があるという要請も非常に全国的に強く出てきたというようなことから、私としましては、これを個々にそういう機械を持つということは非常にたいへんだというような意味から、これを共同して持たせることがよかろうじゃないかという意味で、小規模機械については、それぞれ県において希望があれば、県にそういう農業機械を持つ団体を県単位で県がお作りになるのならば、農林省はそれに協力いたしましょうという予算を私は明年度要求いたしております。そうして中型のものは県で持って、そうして大いにやったらよかろう。それから、大型のものは中央で持ったらどうだ。今ありまする機械公団をそういう意味において改組していくことが適当じゃなかろうか。また、これも御承知考えますが、これまで農林省におきましては、農地局におきまして開墾干拓等に、たとえて申しますと、印旛沼、手賀沼等干拓相当大きな土木機械農地局自身が持ちまして、そうしてこれを動かしてみずからやっております。これが一体適当かどうかということになりますと、これだけ仕事は民間に出しておきながら、民間の業者がその機械を買うことが困難であるということから、農林省自身機械を買って、これを貸し与えておるというようなことは、機械そのもの政府が持つということは適当じゃないじゃないかというような意味から、また同時に、こういう農地局がこの機械を修理するための修理工場を持つということも、私は必ずしも適当と考えません。そういう意味から、これらの修理工場であるとか、これらの機械をむしろ現物出資して、今ありまする機械公団の中にこれをおさめて、そうして大規模土木機械、これらの開墾機械を持つ公団中央に置いて、そうして中央地方公団が、合わせて全国の開墾であるとか土地改良とかというものに運用して参ることのほうが適当であろうというふうに考えて、今の機械公団をそういうふうに改組していこうという考えでございまして、私の考えておりますのは、機械公団につきましては、今のような考え明年度予算要求をしております。  林野については今申し上げたとおり。その他のものにつきましては考えておりません。
  22. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 統計調査事務所を県に移管するという話が出ておりますが。
  23. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) そういうような考えはございません。私自身はもちろん考えておりませんが、事務当局でも、今聞きましたが、ないそうであります。私は考えておりません。
  24. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それから、地域農業試験場、蚕糸試験場畜産試験場、これを民営に移すという話が出ております。いかがでございましょうか。
  25. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 実は、今の蚕糸もしくは畜産試験場現状のままで政府予算でやって参ることが適当か、それとも、むしろこれを民営というと語弊がありますが、完全な民営ということでなしに、独立した社団法人か何かの試験研究機関にして、そうしてこれに予算を与えてやらすほうが適当かというようなことについては、各方面に御議論のありますことは承っております。しかし、私自身が踏み切ってそうすべきである、その準備をせいというところまで私はまだ各方面の御意見を十分に研究いたしておりません。したがって、令すぐに私はこれを明年度においてやるやらぬという結論を出しておるわけじゃございませんが、そういう意見のありますことだけは御承知だろうと思いますが、そういうことが誤ってまあ伝えられたのじゃないか。私自身も、その点については研究はいたそうと思っております。研究はいたそうと思っておりますけれども、私自身がそうきめておるというのじゃございません。したがって、明年度予算にも、現行どおり予算要求いたしております。
  26. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この基本法中心と言われております構造政策を進めるにあたりまして、答申では、この構造政策を一元的に、あるいは総合的に進めるにあたっては、いわゆる農林省機構は致命的な欠陥があるという指摘をしておるわけです。したがって、そういう意味から構造政策を一元的に、あるいは総合的に推進をする機構整備答申しておるのですね。で、その意味から今回のこの農林省設置法一部改正で出ております官房企画調査、この権能を強化するというのは、こういう考え方一つとして出ておるのでありましょうか。そのほかに、何かこういうような指摘があることについて、これは実際上構造政策というようなものをお進めになりますと、やっぱりこの指摘いたしておりますように、一元的に、総合的にやる機関というものが必要なようにも思うのですね。ですから、それはどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいと思います。
  27. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 実は、御承知のとおり、農政審議会を作りまして、農業基本法の問題については、その重要なものについては、この審議会の御意見を承ってやって参るということになっておるわけであります。現に審議会に先般来お集まりをいただきまして、農村構造改革についての今いろいろ御意見を承っておるところであります。いずれ、ただいまの御指摘のような点については、私もそう考えますので、なお十分に各方面の御意見を承っていくというような意味から、農政審議会等の御注意を承りまして考えることが適当じゃないか、こう考えております。
  28. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 その場合に、農林省としまして、中央地方を通じて、この構造政策を進める機関というものをお考えになっておられますか。で、こういうような話が出ておるのですが、それは地方機関としましては、今あります農地事務局、これと統計調査事務所、こういうものを適当に編成し直して実施機関にするのではないかというような話がだいぶ出ておるわけですね。これは、大臣はそういうお考えは持っておられないのですか。
  29. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 農林省の内部のことをよく御承知でございますから、いろんなことをお耳にされるかもしれませんけれども、私の耳にはまだ入っておりません。私自身、まだそういうことは考えたことがないのでありますが、まあ、今申し上げたとおりに、農政審議会等意見も十分承りまして、各方面の御注意も承りまして、それがほんとう農業基本法を推進して参る上においていいことであるということならば、私は、今は考えておりませんが、将来そういう考えに絶対なりませんとはここで申し上げかねるのでございまして、しかし、今どうだとおっしゃれば、まだ私はそういうことを聞いたこともありませんし、考えたこともない、こう申し上げるわけでございます。これが私のほんとうの気持でございます。
  30. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次にお伺いしますのは土地改良事業ですが、この土地改良事業につきましては、答申では種々ものを言っておるのでありますが、要約いたしますと、耕地整備、あるいは耕地集団化、あるいは経営規模の拡大、さらには協業作業に資するというような立場から土地改良というものができた、そうして開墾とか干拓とか、あるいは農業水利というような事業につきましては、軽視した傾向がはっきり出ておるのです。そういたしますと、農地の今の機構というものを変えられる検討をしておられるのかどうか、今の農地の機構というものを、農地局、それから農地事務局、さらに国営の事業所というふうになっておりますが、この機構をお変えになるお気持があるかどうかこれをまず伺います。
  31. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 農地局機構を変えるという気持は私は持っておりません。ただし、やる仕事につきましては、ただいまお話の点について、一方を重視し、一方を軽視するというような点については、軽視はいたしません。軽視はいたしませんが、さればといって、今やっておることがあのとおりでよろしいかというと、私は、多少考え方としては、将来の農業のあり方等も考えつつ、農地というものの考え方を変えていく必要があるのじゃないかということは考えております。しかし、それは結局農地のことでありますから、機構を変えなければならぬとか、仕事をどうしなければならぬというようなことではございません。
  32. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これも答申に出てくるのですけれども、一々答申を出してお伺いするようで恐縮なんですが、しかし、何かよりどころがありませんと伺いにくいので、答申の中で、農業政策の分担という節がありまして、その中で国の責任と地方公共団体の責任と分けまして、そして特に地方公共団体の場合に、市町村を非常に重要視しておられるのですね、というような答申が出ているわけです。そうしますと、農業政策の推進というのは、非常に大きな重点が、国から町村へという形に重点が移るのかどうか、そういうお考えがあるのかどうか、検討をしておられるか、伺っておきたいと思います。
  33. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今お話でございますけれども、私は、実は先ほども申し上げました通りに、明年度から農村構造改革をやっていきたいということで、予算要求もいたし、それから、また審議会の御審議も願って、方向、腹固めを実はいたしておるわけでございます。したがって、そういう方向で現在の農村構造改革して、これを基盤にして実は農林行政を進めていこう、その際に市町村の占める地位はどうかということになりますと、必ずしも私は市町村へという形、さればと言って市町村を軽視するわけではございません。やはりその基盤になるものは、農民諸君の共同化されたその精神である、それを基盤にしていきたい、こう考えております。
  34. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農政の浸透といいますか、推進といいますか、そういう面にわたりまして、国、県、市町村という、この夢段階にわたって、特に町村を重要視することによって、県段階というか、中間のものをできるだけ排除したいというお気持はないわけですね。
  35. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) ありません。
  36. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、選択的拡大という言葉がだいぶ出ておりまして、河野構想の技術農業といいますか、という点から園芸局ができることになっておるのでありますが、そのほかに何か考えておられるのかどうか。園芸局のほかに何かお考えになっているのかどうか、伺いたいと思います。
  37. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これも先ほど申し上げたとおりに、最終的に決定をいたしたわけではございませんが、一応明年度予算要求といたしましては、一局を作りたい。その局は、つまりこれからの農業の中に、すでに重点的に指導いたしておりまする養蚕、蚕糸と畜産、それに果樹園芸蔬菜というものをまぜた、これを特殊な農業としてこの局を作りたい。したがって、今ありまする経済局、振興局というものの所管いたしまする仕事については、多少の入れかえをしなければならないということは考えておりますが、局としてはその一局を増置いたしたいということを考えております。
  38. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、昨年飼料検査所というものが新設されたわけです。これは、酪農の非常な振興に伴って飼料の輸入がどうとかいうことで、検査のために飼料検査所というものができたのですが、そしてことしまた、それは東京だけできておりまして、あと門司とか名古屋という所に新設をして拡大をするというような説明があったわけです。ところが、ことしどうも飼料検査所と肥料検査所と合併されるという話を承ったんですけれども、これは合併なさるわけですか。そして三十七年度にやられるのかどうか。さらにもう一つつけ加えまして、その合併したものを民営にするという検討が行なわれているというふうにも聞いているのですが、そういうものなのかどうか、伺いたいと思います。
  39. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 全国に肥料の検査所が六カ所あります。この六カ所の肥料検在所が、元来、肥料検査所と申しましても、有機質の肥料の場合に検査の対象にすることが多いと考えます。ところが、飼料、えさと肥料との関係におきまして、今日のえさの配合したものを検査する必要が非常に多く出てきておるわけでございますが、しかも、その中で最もえさの場合において重点的に考えなければならん点は魚かすだと思うのであります。えさの中に蛋白質がどのくらい入っておるかということが値段の上にも重大な影響がありますし、品質の上においても非常に重要なものがある。これはひとしく肥料についても同様なことが言えるというような意味合いから、私は、この肥料の検査が最近非常に検査量が少なく、事務が少なくなっておると考えますので、むしろこの肥料検査所とえさの検査所を併置して、両方の仕事を充実してやらせることが適当であろうと、こういうふうに考えております。ただし、これを民営に移すというようなことは全然考えたことはございません。これはもう厳正にいくべきものであると、こう考えております、
  40. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 今のこの肥料検査所と飼料検査所を合併し統合されるという点につきましては、別途一つ御質問申し上げたいと思います。  次に、答申に出てくるのですが、構造政策のにない手としまして特に重要な市町村段階の組織、機構、これは自主的な組織も含めて、確立をする必要がある。したがって、これについて横付すべきだという答申が行なわれているわけですね。そうしますと、これは今の市町村の農業委員会、あるいは市町村にあります単協、こういうようなものの編成考えられますかどうか。あるいはまた統計調査事務所が今約八百ございますが、これを三百六十ぐらいにするという話がありますが、これと、この市町村段階の組織的な任務と関係があるのかどうか。ちょっとごたごたしますが、伺います。約八百近く統計調査事務所の出張所があるわけです。それを三百六十ぐらいにするということでありますが、これは統計調査の仕事と同時に、この構造政策を進める重要な任務を背負わされるのかどうか。これが市町村とつながってやられるのかどうかということと、もう一つは、その市町村にあります農業委員会、あるいは協同組合というものを再編されるのか。こういう点を一つ伺っておきたい。
  41. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今の統計調査所、これに新しい任務ということは考えておりません。  それから、次の町村単位の農業委員会もしくは単協の組織、これを構造改革の重点にするかしないか。もしくは新しく云々と、これにつきましては目下検討中でございます。いずれにいたしましても、どういうものを基盤にしてやったならば構造改革が円滑に所期の目的を達成できるかということに目的があるわけでございますから、そのそれぞれの町村によっても違う場合があるかもしれませんし、こういうものを十分実情を考慮いたしまして、そしてやって参りたい。要は、町村から、一応その自分の村の構造はこういうふうにしていきたいということを考えていただく。そして、それについて中央で指導するという形をとりたいと思っておりますから、画一的に中央で青写真的にいくということは適当でないと私は実は考えておるわけであります。でございますから、新しい機構を作って、そうして、もしくは従来の農業委員会を基盤にしてやるかやらぬかということについては、まだ結論を出しておりません。
  42. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に伺いたいのは、この臨時行政調査会との関係でありますが、御承知のように、政府は臨時行政調査会を設置いたしまして、行政の運営並びに機構等の整備、こういうことを三カ年で答申を待つというような法案が出ておるわけです。私どもの内閣委員会審議をしておるわけでありますが、これとの関係につきまして若干伺いたいのですけれども、農業基本法の二十三条にあります農業行政組織整備及び行政運営の改善に努める」ということになっておりますが、この行政運営の改善について、大臣として考えておられるのかどうかという点を伺いたい。
  43. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私は、行政運営の改善につきましては、その二十三条の規定の有無を問わず、私は鋭意努力をいたしたいと思います。したがって、今日行政運営が非常にまずいというふうには考えていないわけであります。私としてはできるだけのことをやっておるというつもりでございますので、さらにまた他から適切な御指摘があれば、むろんそれを入れるのにやぶさかでありませんし、また入れていかなければならぬと考えております。今日ただいまの現状におきましては、今やっておることで私は十分やっておるつもりでございます。
  44. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に伺いたい点は、今度農林水産技術会議の権限を強化いたしまして、そうして、それを前提として農業部面の試験研究機関編成し直すということなんですが、林業試験場、水産試験場、こういうようなものを続いてお考えになるのかどうか。つまり農林水産技術会議管理下に、農業試験場と同じような管理下に置こうというお考えがおありになるのかどうか。これを私が伺いますのは、この技術会議は、御承知のとおりに、農業だけでなく、農林水産技術会議となっておりますから、今は農業の部面をはっきり管理下に置く、続いて水産、林業試験場、こういうようなものを置くのか、これを伺いたい。
  45. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 実は、私自身考えといたしましては、農業全体の技術者もしくは学者、経験者の諸君に、わが国農業の飛躍的な成長もしくは新開拓をしていただくことが、日本農業の上に非常に必要であるというような意味から、農業、水産、林産というような諸君に、総合的に検討してもらうことが必要じゃないか、そうして全く新しい分野を出してもらうことができんものだろうかというしろうとなりの期待をいたしたこともございます。ところが、実際にやってみますと、なかなかこれはいきにくい。まず林業は林業、水産は水産、一般農業は一般農業として基礎を十分固めて、そうして十分に基礎が固まった上で、将来そういう場合に到達できるかもしれませんけれども、今日ただいまの場合においては、農業農業、林産は林産、水産は水産として十分に充実して参りたいということが技術者諸君の御意見でございます。したがって、私は、これらの技術者諸君の御意見にごもっともという感触を持ちまして賛成をして、現に農業、林産、水産というふうに分けてそれぞれ研究の充実をしていただくということにいたしておるわけであります。私は、技術の総合化を考えたこともありますけれども、現状は、目下内容の充実の時代であり、これらの諸君がその点に専念いたしたい、こう言うておられますから、一にこれは技術者諸君の今後の経緯を待って考えられる場合があるかもしれませんが、今私はそれをいつだとかどうだとかいうことを申し上げる段階ではないということが私の心境でございます。
  46. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 農林水産技術会議、これは当然水産も林業もという技術会議でありますから、技術者のほうがそういうような気持になってくるならば、農業と同じように、農林水産技術会議に処理させるといいますか、その配下に置くといいますか、あるいは農業試験場と同じような組織に持っていくことがあるというふうなお考えに承りますが、そしてまた大臣のお考えは、またそれが好ましいのだというふうに受け取ったのです。しかし、今はそういうものは考えておられないような話でありますが、そういうふうにしむけられるお考えはありますかどうか。
  47. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) これはしむけるとか、そういうことは学界のことでありますので、技術研究者のことでありますから、外部からしろうとがあまり要らざることをすることは、かえってよくないというふうに私は考えまして、そういうことに今しむける、強く要望するとかいう気持はございません。私は、内容の充実、これら諸君が十分に研究をしていく、その研究を進めて参るのに効果がどういうことが一番上がるのかということが目的でありますから、またこれらの諸君がそういう気持になるならないという気持の問題じゃない。内容が真に充実して、そうして農業、林業、水産、それぞれの部面にも十分自分たちの方は充実してやった、もうちょっと水産と林業とが一緒になって学問がだんだん飛躍して参り、たとえば原子力を使う場合にどういうふうになってくるか、林業と一般農業との関係はどうかというようなことが出て参りまして、それはそういう時代はあるかもしれませんけれども、現段階におきましては、私はそういうときではないということに了承いたしておるわけであります。
  48. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣の時間があと十五、六分になっておりますので、続いてこの農林水産技術会議、この会議について伺いたいのですが、これは御存じのように、たしか河野さんが鳩山内閣のときに農相になられまして、その際にこの技術会議ができたように聞いておりますが、この技術会議は非常に変わった行政組織、あるいは付属機関というのですか――だというふうに私は見ておるわけです。それで、非常にまあ日本の行政組織でも、非常に変わった妙な会議をお作りになったものだというふうに見ておりますし、それから、さらに今回の改正によりまして、農業試験場関係管理事務というものも、すべて技術会議に持っていくというようなことを考えておられるわけですが、いよいよ妙な組織になってくるのじゃないかという感じを持っておりますが、この点につきまして若干ひとつ伺いたいのです。なお、これは御承知のとおりに、試験研究機関というものを統合、総合化していくという考え方は、分化しながら、しかもそれを総合化し、あるいは集権化していくという考え方相当強く出ております。試験研究機関のとにかく今後の重要な課題と思っております。その場合に、今のやり方といたしましては、この農林水産技術会議というやり方と、もう一つ通産省にあります工業技術院というやり方と、この二つが現実の場合はとられておると思っております。そうして、続いて試験研究機関をたくさん持っておりますところの厚生省とか、あるいは建設省とか、あるいは運輸省とか、こういう省におきましても、実はこの農林水産技術会議の動向を虎視たんたんとしてねらっているという実情、言葉が少し悪うございますが、農林水産技術会議でやれるものならばわしの方もやりたいという、そういう感じもあるようであります。したがいまして、その意味で非常に重要な何になっておりますししますからして、この技術会議について若干伺いますが、この技術会議は、御承知のとおりに、会長非常勤、そして非常勤の委員六名、これによって構成されて、しかも、この委員は任期四年で構成されました合議制の付属機関であります。その合議制の付属機関が、終身公務員であるところの研究所の諸君、これの人事を取り扱うことになるわけです。これは一体会議でおやりになるのか、あるいは会議事務局長が設けられております。これはたしか二等だと思う。一等になっておるかもしれませんが、この事務局長がおやりになるのかという点を、これはこまこうございますから、大臣でなくてもよろしゅうございますが、官房長でもよろしゅうございますが、おやりになるのか、その点をちょっと伺いたいと思うのですがね。
  49. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今の点はあとから官房長から御説明いたしますが、もし誤解があるといけませんから、私からひとつそのときの気持をもう一ぺん申し上げておきたいと思います。  実は前回農林大臣になりましたときに、終戦後アメリカ流であったかどうか知りませんけれども、従来のわが試験場が何割といいますか知らんが、ばらばらになった。そうして、そこに非常に試験研究が停滞化といいますか、遅滞したということを、私は研究所を回って歩きまして、これは一つ根本的に直さなきゃいかん、直すならば、この際、少し試験研究技術の面を、農業である以上は、高揚しなきゃいかぬ。由来、たとえば畜産は、畜産局に畜産試験場は隷属しておる。隷属しておるという言葉が当たるかどうか知りませんが、付属しておる。蚕糸は蚕糸局にくっついているというようなことで、いずれも蚕系局長のもとでこれが運営されておる格好で戦前はあったわけであります。それが戦後さらに分派いたしまして、非常に機能が弱化したという気持がいたしましたので、これをそれぞれの所管局から離しまして、そうして農林省行政系統の次官以下の系統と相並列いたしまして技術会議に持ってこよう、そうして、必ず技術の裏づけのあるものは予算化されていくべきものである、そこまでいくことが理想じゃないかというふうに考えまして、実は技術会議を作ったのでございます。この内容を極力充実していきたいというて、まあ一年やったところで私がやめましたものですから、その後私の言うような気持で運営されてきましたけれども、まあしいて申せば、形式はあるが、内容がこれに伴っていないということを今日私は痛感いたしております。そういう意味で東畑議長とも懇談いたしまして、明年度予算には、十分に内容を整備することをひとつ技術会議のほうでお考え願いたい。それをぜひ実行するようにいたしたい。技術の裏づけがなくて農業振興というのは困難であるというふうに考えて、せっかく今内容の充実、これを今申しましたように、その中でここにお願いいたしておりまする設置法のように、ばらばらになっておりますものを一つにまとめるというようなことで、それぞれの責任を明確にしてやっていくといいますか、ようにして、ここに改正案をお願いいたしておるわけでありまして、もしこういうことをすることによって、いやしくも試験研究機関が弱化するとか、簡素化するとかいうようなことが目的で……全く私の考えはそれと逆な、どうすれば内容が充実するであろうか、どうすれば整備するだろうとかいうことを私は目途としてこの改正のお願いをいたしておる。また、この改正案について、私はそういうふうに肉づけをして参りたいということを御承知いただきたいと思います。
  50. 増田盛

    政府委員増田盛君) 今後人事の問題に関しまして、技術会議がいかに取り扱うかという問題でありますが、現状は御存じのとおり、人事に関しましては、直接試験研究機関の問題に対して技術会議は所掌しておらないわけであります。しかし、現在の範囲内におきまして、必要がある場合におきましては、人事に関しましては、会議自身が合議をするという形でなしに、会員の意思によりまして会長に一任をしておる、会長がこれを専決しているという形になっておるわけであります。したがって、今後新しい体制になりました場合におきましては、所要の人事に関しましては、会長が取り扱い、それから所要ならざる通常の人事に関しては、事務局長がこれを取り扱うということになろうかと思うのであります。いずれにいたしましても、付属機関でございますから、人事権の行使に関しましては、大臣の権限でございますので、われわれはそれを、技術会議はそれを補佐するという格好になることは違いがないわけであります。ただし、その場合におきまして、大臣の御委任によりまして、ある軽微の人事に関しまして、技術会議関係が取り扱いを一任されるという場合があることも当然でございまして、その点もつけ加えて申し上げます。
  51. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣がおられて、こまかくなって恐縮なんですが、あと大きな問題をもう一つ大臣に承りたい。  その前に、今の御説明ですと、会長に人事がまかされるという場合がある。場合があるというより、そういう会長が人事をやる、それは合議制の会長じゃない。そうならば農林省農林水産技術会議法律を変えなければできないじゃないかと思うのですが、合議制になっておる。ですから、半数以上出席しなければ会議は成立しないし、法律を変えてもらわなければそういう人事は、行なえないと私は思うのですが、今の御説明ではですよ。法律を変えなければいけない。そういう準備をしておられるか……。
  52. 増田盛

    政府委員増田盛君) ただいまの御説明でございますが、当然に会長がそういう権限を持つというのじゃないわけでありまして、合議制たる技術会議の意思決定によりまして、会長が専決をするということでございます。したがって差しつかえないだろうと……。
  53. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私、じゃ、さっき取り違えたのかもしれませんですが、会議とは別に会長が持たれるように思いまして、これは合議制でありますからして、当然合議によってきまると思うのです。ですから、今のお話ですと、その会議の決定によって会長がやるということになる。そういうような人事を取り扱っておるところが各省機構の中であるでしょうか。今までは人事をやっておられないけれども、今度は人事をおやりになるのですが、こういう非常勤の四年の任期制の、そうして合議制の研究機関が、非常に上の人は別でしょうけれども、終身公務員の人事を取り扱うという機関が、日本の行政組織の中であるのかどうか。
  54. 増田盛

    政府委員増田盛君) 私の説明が誤解を招いている点があると思いますので申し上げますが、最初私が冒頭に申し上げましたとおり、任命権は大臣にあるわけでございます。したがって、私どもは、ただいま申し上げておりますのは、実際の行為、いわゆる補佐行為であります。大臣を補佐する行為に関して申し上げたわけでございます。したがいまして、その点は誤解のないようにお願いしたいのであります。したがいまして、実際補佐をする場合の形といたしまして、重要な事項は会長が処理をされ、そうして軽微な事項は事務局長が処理したらいいのじゃないかというふうに考えております。
  55. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 鶴園君に申し上げます。今、衆議院のほうに連絡、了解をとりまして、大臣はこのまま質問を受けてもらうということに了承を行ましたから、大臣に関する質問をひとつお願いします。終わったところで大臣に行ってもらいますから。
  56. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、さきの私のとり方は誤解があったわけで、会長がやられるということは、つまり合議制、合議の結果に基づいて会長がおやりになる、こういうことなんですね。もちろん、これは大臣の人事権に対する補佐機関として、そういうことですね。会長に大臣が人事権を、ある面を委任するということじゃないですね。合議制の会長に対して委任するということでしょう。
  57. 増田盛

    政府委員増田盛君) これは、委任の問題は、人事権の問題でございますが、今のところ、人事権を大臣から直接技術会議に委任されるということは考えておりません。補佐行為に関して先ほど申し上げたとおりであります。
  58. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ちょっとくどくなりますけれども、合議の結果によって会長がやられるということですね。補佐行為をやられるということですね。そういうわけですか。
  59. 増田盛

    政府委員増田盛君) 合議体であります会議の意思決定に基づいて、したがって、合議に基づいて会長が補佐行為をしておるということであります。
  60. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そこで伺いたいのですが、そういうような機関がほかに日本の行政組織の中でありますか。これははっきり国家行政組織法の第三条による行政委員会は別として、第八条に基づく付属機関の中で、そういう非常勤の四年任期の合議体が人事を補佐するという、そういう機関政府機関の中でありましょうか。
  61. 増田盛

    政府委員増田盛君) お尋ねのような行政委員会の場合には、確かに相当多数あるわけでございまして、この場合におきましては、常勤者からなる行政委員会もございますし、非常勤者のみからなる行政委員会もあると承知いたしております。ただ、付属機関の場合におきましては、問題がないのじゃないか、該当する事例がないように承知いたしております。
  62. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この行政組織法節八条でいう付属機関の中で、非常勤の四年任期委員だけによって構成されておる合議制の会議で人事を補佐するという機関はほかにない。その意味ではどうも行政委員会みたいな感じがするわけですよ。行政委員会と同じような感じが、その面では、それは一応おきまして次に伺いますが、この四年の任期の非常勤の合議制の機関、これが今申した人事の面について、予算執行の面について、あるいは研究目標の設定、それから民間公共団体等に対する補助金の交付、こういうことをやられるわけですね。それで、これは行政部門内における権限だけじゃなくて、民間に対する権限を持っておるわけですよ。この合議体は補助金の交付、こういうことをやられるわけですね。それで、これは行政部門内における権限だけじゃなくて、民間に対する権限を持っておるわけですよ、合議体は補助金の交付という形によってですね。相当大きな金になるのですが、これは一体付属機関なのか。どうも私は、これはこうなると内部部局じゃないか、局と同じようなものじゃないかというふうに思うのですよ。河野農林大臣がおっしゃる構想は十分理解をするわけですが、その構想を行政組織として見た場合におきまして種々な問題がある。こういうやり方については種々問題があるというふうに考えておるわけです。そこで伺っておるわけですが、今こういうような形になりますと、これは付属機関ではなくて、行政部局じゃないかというように私は感ずるわけです。なお、この問題につきまして、農林水産技術会議が今のごとき案を作りましたときに、その案を見ますと、その案の中には、この技術会議行政部局と同じような名前になっていますね。すなわち行政部局(農林水産技術会議は)という書き出しになっているのですね。ですから、農林省としてもこれは行政部局と同じような考え方でおられるんじゃないかというふうに思うのですけれども、これは行政部局と同じものじゃないですか。その点を承りたい。
  63. 増田盛

    政府委員増田盛君) 会議の事実的な性格に関しましては、これはやはり現在の法律によります国家行政組織法によりまして、私は付属機関であっていいと思うのです。任務は御承知のとおり、行政部局と試験研究機関との橋渡しをするということになっておるわけでありまして、したがって、これを設置される場合におきましても、やはり内部行政部局と同じような性質のものというよりは、むしろ行政府がある程度の中立性といいますか、ある程度の距離をもって、そして、試験研究機関の立場にも立ち、行政部局の立場にも立って、その双方を調整しながら仕事を進めるというのに、最もふさわしい機構といたしましては、現在付属機関でいいんではないかと、かように思います。しかし、実際の問題といたしましては、試験研究機関にも密接な関連もあるわけでありますから、それから内部部局にはもちろん非常に密接な関係があるわけでございます。したがって、私は、いずれおのおののその密接な関連におきまして、やはり行動しているわけでありまして、その面におきまして行政部局に入れる場合もあるわけであります。試験研究機関の調整機関として試験研究機関に入れる面もあります。実際上、こういう点はやむを得ないのじゃないかというふうに考えるわけであります。
  64. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 意見はわかりますけれども、お気持もわかりますが、試験研究機関の内部の調整連絡というだけではなくて、内部の問題だけじゃなくて、国民に対する権限を持っているわけです、技術会議が。ですから、それなら予算の執行面もある、人事もある、それから国民に対するところの権限も行使するというものであれば、これは行政部局じゃありませんかということを聞いておるわけです。行政部局と同じようなものじゃないか。ですから、それに対してそうじゃない、これは行政部局じゃない、付属機関なんだ、それが望ましいというのじゃなくて、その気持はわかりますけれども、望ましいというのじゃなくて、これは付属機関なんだ、行政機関じゃないのだという御答弁を承りたいわけです。なお、これは先ほどのように、日本の行政組織の中にたった一つある、こういう組織は非常に変わっていると思うものですから、関心も引いているし、興味もあるのですが、お気持はわかりますけれども、どうも行政組織から見まして、国家行政組織の中のいいところばかりとって、付属機関のいいところをとって、行政委員会のいいところをとって、行政部局のいい面をとって何か作られたような、言うならば、少し勝手気ままな、これは河野さんのお話ですが、そういうことでできたのかもしれませんが、それは冗談ですけれども、そういう気がするわけです。ですから、これは行政部局じゃないのだ、八条でいう付属機関なんだというふうな御答弁を期待するわけです。なお、これは農林省だけでは答弁めんどうな面もありましょうし、行政管理庁も一ぺん来てもらって、その点は論議したいと思っておりますけれども、一応農林省当局側の御答弁をひとつお願いしたいと思います。
  65. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御指摘の点はよく私も承っておりましてわかりましたが、なおよく十分検討いたしまして、その点に対する明確な答弁を次の機会に申し上げたいと思いますから、どうぞよろしくお願いいたします。
  66. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それで私は、今もう少し技術会議の今後の内部運営の問題につきまして伺って、行政部局と同じような取り扱いを実質やっておられるという点を指摘したいと思っていたのですが、一応ここでおきまして、私としましては、この技術会議はどうも行政部局的な存在になっているのじゃないかというふうに思うわけです。ですが、局を設置するということは、行政部局というよりも、むしろ外局ですね、外局に該当しているのじゃないかというふうに思うのですが、しかし、外局を作るということは今ほとんど不可能であります。その意味で、河野農林大臣の御構想を承った農林事務当局としては、こういうような機関になすったのじゃないだろうかというふうに推定をしているわけです。ですが、逐次これが権限が強化されまして、今度の改正みたいになりますと、もはや、さからうことのできない行政部局になってきているのじゃないかという感じがするわけです。したがって、その点についての論議は次の機会に譲りまして、もう一つ河野農林大臣にお聞き取り願いたい点があるのですが、それは通産省の工業技術院、これは通産省にあります試験研究機関を、今の農林省試験研究機関と同じように総合化し、あるいは集中統一した院であります。それで、これは法律によって設けられているわけです。ところが、この工業技術院は試験研究だけではなくて、民間に対する、国民に対する権限もあるわけなんですね。これはまたさらに、この技術の普及関係もやっている。そういう意味では今の農林省の技術会議よりももっと広がっております。その意味で工業技術院は行政組織上種々問題になっている。で、通産省としましては、工業技術院を外局にしてもらいたいという要求もしておられるようでありますが、なかなか外局を作ることは困難であります。その意味で、今までのところは、これはこのままになっておるのですが、当然私どもから見まして、どうも工業技術院というものも行政組織上非常に問題があるのじゃないかというふうに思うわけなんです。ここで今、試験研究機関を強化していこう、充実していこうというような風潮になっておることは御存じのとおりであります。そして農林省としては、この技術会議という形でまあ総合化されようとしておられるわけですが、これもどうも種々問題がある。工業技術院もすでに問題が出てきているというのでありますと、一体日本の試験研究機関の今後進行していく機構を充実し、あるいは総合化し集中化していく、こういう機関というものはどういう機関であったほうがいいのかという点について、国務大臣としての河好さんに検討していただきたいものだというような感じを持っておるわけです。局にはならぬものだから、外局にはできないものだから、どうも技術会議あるいは工業技術院というようなものを作ってしまう。これで試験研究機関が非常に迷っているんじゃないか。しかも、今度の農林省の技術会議でそういうものができるというのであれば、厚生省もやりたいという、建設省、運輸省ともひとつながめておるというような実情であります。これはよっぽど慎重にお取り計らいを願わなければならないし、あるいは政府全体として研究機関機構というものをどういうふうにして集中化し、強力化していくかという点についての検討が要るんじゃないかと思うのですが、遺憾ながらそういうものがないように思っております。この方向で行かれますと、いよいよ混乱を来たすような形になるように思うのです。国務大臣として……。
  67. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 私、御期待に沿う国務大臣としての発言は差し控えさしていただきたいと思うのでございます。それほど各方面について研究もしておりませんから。ただ、長年の経験から、農林省につきましては、御承知のとおり農林省という役所が生産奨励の機関でございます。これは通産省とも迷う。他の役所とは非常に違う面がある。したがって、農林行政そのものに技術研究の裏づけが非常に必要であるということは痛感しております。したがって私は、この技術会議は外局程度で片づけようと思っていないのであります。さらにさらに権威のあるものにしていきたいという念願を持っております。しかも、それが畜産といい、蚕糸といい、もしくはその他の果樹園芸といい、水稲、陸稲もしくは麦といい、それぞれその間に研究過程においては全く違った分野がある。その間にまた融合したものを求めていきたい、しかもまた、これを受け入れる農家自体におきましては、そこに総合的な経営考えていきたいというような角度から考えますと、どうしてもこれを一本のものにして、そして総合的に研究してもらうということが必要じゃないか、完全に分派分立いたしておりまするものを、あるところで総合していかなければならぬものもあるんじゃなかろうかというような気持がいたしておるのであります。したがって私は、農林省に関する限り、今私の申し上げますように、この技術会議を十分に、まあこれは会議体がいいというのは、今言いますように、いろいろなこれまでの関係におきまして、もしくは現状におきまして、大学で勉強されたときから全然違った方向で勉強されておりまする技術者を、これを一つのところにつかねていくというところになかなか困難性もございましょうし、さればといって、これを分派分立さしておくということは必ずしも適切ではない。日本農業の実態から考えて、私は考なければならぬと思うのであります。そういう意味において、どうしても会議体というようなものでこれを指導するものを置くということが適切ではなかろうかというような意味合いから、これに技術会議というものを作ったのでございます。したがって、これが日本の行政機構の上においてどういう形式をとるべきかということについては、その必要性によって行政機構を新しく考えてもらうということがわれわれとしては望ましいことでありまして、行政機構に合わすようにその実体を中におさめるということでは、実は私は困るのでありまして、この実体をますます伸ばしていくことに適応するような行政機構をここに生み出していくことのほうが望ましいと私は考えております。したがって、他の省におけるそれぞれのものがこれとどういうような関係になって参るかということにつきましては、私は別に現在考えておりません。それは別にひとつ考えるべき問題だろうと、こう思っております。
  68. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 確かにおっしゃるとおりでありまして、技術会議というような形で河野さんのお考えのような構想で進められる。が、しかしそれは現在あります国家行政組織法の問題との関連で種々問題があるという、あるいは疑問点がある。しかし、それはやはり法律そのものを実体に合わすようにお変えになるというお気持もありますし、そうしますと、国家行政組織法というものを若干変えなければならないという点もあるかと思います。これは相当大きな問題です。しかし、全体としてこの技術会議あるいは工業技術院というような形かいずれか、どういう形にしても試験研究機関というものを強化していかなければならぬ、あるいは分化と同時に集中していかなければならぬという構想を貫いていくということでありますれば、国家行政組織法とのやはり問題があるという気がいたしますが、それらについては別途、先ほど大臣の御答弁のように次回に御答弁いただく、明確な御答弁をいただくということでありますから、一応これでおきまして、続いて実は河野さんのお考えになっておられるような技術会議を別建てとした五つの農業試験場というのは御期待のようになっていないと思っております。非常に混乱した組織になっておるように思いますが、それはあとで伺うことにしまして、もう少し技術会議について伺いますが、この技術会議委員は非常勤であります。常勤的委員を設けまして会長を補佐させる副会長というような任務を設けるというのであります。常勤的委員といいますと、これは非常勤に対する言葉だと思うのですが、そういうお考えがあるのかどうか。この常勤――非常勤に対する意味での常勤的委員ということになりますれば、法律でありますところの農林省農林水産技術会議法律を変えなければならないというように思うのです。それで、そういう御準備があるのかどうか伺いたい。
  69. 増田盛

    政府委員増田盛君) 常勤の委員を置く考え方は現在ありません。
  70. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私の伺っておるのは、常勤という言葉を使っていないのですが、常勤的委員を置いてそうして会長を補佐する。それは副会長的なものであります。私の質問の内容は、常勤的委員というのは非常勤に対比する言葉であるかどうか。非常勤に対比する言葉であるならば、それは農林水産技術会議を設置いたしました法律を変えなければできないということを伺っておるのです。
  71. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 今お話のようなことは私は考えおりません。常勤的ということは考えていないのであります。
  72. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いいですか。
  73. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) よろしいです。
  74. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも大臣の一声でおさまったような感じですね。非常に権限が強化されてたいへんなことになってくると思うのですがね、技術会議は。そこで、副会長を置かれるという、会長的な任務をやはり持たす人がいなければ、なかなかたいへんだと思うのです。その意味で設けられるというふうに承知しておったのですが、大臣の御答弁があってもなお伺うのは恐縮ですけれども、それでいいのかどうか、たいへんですよ、技術会議も。
  75. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) どういうことをお聞きになっているか知りませんが、私が大臣でおる限りは、絶対にそういうことはありません。
  76. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に伺いますが、これはどうもお取りやめになったようにも聞いているのですが、内閣委員会ですから、組織上伺うのですけれども、研究管理協議会というものを設ける、これは確かに意義があると思うのです。研究管理協議会というものを設けて、そうして民間研究者あるいは民間の知識人あるいは大学の先生、そういうような人たちをもってこの研究管理協議会というものを作って、そうして研究目標がどういう妥当性と、どういう必要性を持っているかという点について協議する、そうしてこれが会長に対して答申をするというような構想があったように聞いている。私は、そのときに、たしか農林省の方にそれはどうも困るじゃないか、行政組織上それをお設けになるなら、これは組織法の第八条によって法律で設けていただかないと困るし、なお、付属機関にはそういうものは置けないのじゃないかという話を電話でちょっと申し上げたことがあるのです。そういうものを設けられないのかということと、もう一つは、お設けにならぬなら、かわってそういうような任務を行なうものを作られるのかどうかその点をお伺いいたします。
  77. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) 御質問に対して明確にお答えいたしますと、そういう常設的のものは作りません。ただし、必要がございまして、何々問題について研究したらどうだとか、何々問題はどう扱ったらよろしかろうというような問題が起こりました際に、それに関係しておる者が集まって逐次会議を開いて意見をまとめるという場合はあり得る。重ねて申し上げますならば、常設的にそういうものを置いて運営するということはいたしませんということでございます。
  78. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) ちょっと申し上げます。衆議院のほうの農林水産で金融関係の二法を上げるようですから、大臣に対する質問はひとつできるだけ要点をまとめられてやっていただきたい。
  79. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣は別にまた一度おいでになるようですから、そのときにまた別の質問を申し上げまして、大臣はこれでよろしゅうございますが、ちょっと大臣、答弁がありましたので、もう一点だけ。今の大臣の御答弁で、私は非常に危険だというふうに思うのですけれども、それは常設としてはお設けにならない。しかし、必要があって、あるいは問題があった場合には、関係者をお集めになって、そうして私が先ほど申し上げましたことをやられるということですね。こういう協議会みたいのものは、常設という意味は、週に一回開くのだ、月に一回開くのだといっても、これは常設なんです。おそらく大臣のお考えの中には、月に一回しか開かぬから、これは常設じゃない……。
  80. 河野一郎

    国務大臣河野一郎君) そうじゃありません。同一の人物が週に一回集まるという意味じゃないのでございます。そうじゃなしに、問題が起こった場合、その問題に適する人が集まってやることはあるかもしれません。したがって、常設的に、永続的に同一の人物が協議していくということはいたしません。こういうことでございます。これは、私が協議会を開きませんとここで言い切るわけにいきませんことは、そういうことは想像できると思うのでございます。何か問題があったそのときに、それらに関係している学識経験者に集まってもらってその相談をして、どうしたらよかろうかということはやるわけでございますから、そういうものは、これはやらぬということはここで申し上げかねます。元来、私は先般も別の委員会で申し上げたのですが、今お話のように、審議会とか、あるいは米審とかなんとかいうようなもについては、私は非常に大きな疑義を持っております。私自身が。たとえば米ならば、議会の農林水産委員会に必要があれば専門家にお越し願って意見をお聞きになって、委員会の意見として承れば、それによって、行政長官として私が善処するということのほうがいいのであって、それをそうじゃなしに、何審議会、何審議会、たとえば米審が今問題になっておりますけれども、かつて、私は前回米審に米価をいかがいたしますかということを諮問いたしたことがございます。米審では、具体的な数字がなければ審議ができない、こう言われますので、そこで幾らにしてよろしいかということを諮問いたしました。そうしたら、それがいいという人もあり、悪いという人もあったけれども、いいという人が多数できまった。今度の場合に、数字を政府として出します場合に、むろん実情を申し上げれば、党とも相談いたします、大蔵当局とも相談いたしまして、内閣協議の上、明年度米価をいかにすべきかということを諮問いたますが、それで委員諸君に、きまったものを諮問して何だと言って、お小言をちょうだいする、これではやりようがないということになるわけでございまして、どうも今の審議会のあり方については、私はどうも行政長官として意に満たぬ点がる。しかも一方、最高機関たる国会、これに責任をとっていく大臣として、その審議会国会大臣関係はどうなるだろうかというようなことを法制局長官に実は閣議で意見を徴したことがあります。そういう意味において、私はなるべく審議会形式をあまりとりたくない。ただ参考として、ごく参考として、もしくはその行政を運用する上において学識経験者の意見を聞くというような意味においてするならけっこうでございますけれども、そうでなしに、今御指摘のような、常設的な、その意見を尊重しなけばならないというようなものは、私は行政を担当いたしております大臣としては、適当でないというふうに実は考えるのでございます。したがって、今御指摘のような点について、常設的に、たとえそれが技術会議にいたしましても、そのための会議体でやっていただいているのでございますから、問題ごとに、特に特殊の問題があった場合には、それはそういう審議会等に何という名前をおつけになるか、懇談会でも開かれる場合もあると思います。常設的にやるということは、私は農林省におきましては、農業基本法に基づくところの農林審議会というものを基本にして、これを中心にして今後農林行政はやっていく、これが一番適当じゃないか、こう考えております。御了承願いたい。  あわせて、次回に出席いたします際に、今のようなむかずしい問題でございましたらば、あらかじめひとつお話おきいただけますれば、政府意見を統一して出席してお答えいたしますから。
  81. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  82. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を始めて。  他に御発言なければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。次回は十七日午前十時から開会いたします。  速記をやめて。   〔速記中止〕
  83. 大谷藤之助

    委員長大谷藤之助君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十二分散会