○野上元君 若干
永岡委員との関連において聞きたいと思うのですが、先般来、しばしば
質問したのですが、ちょうど
大臣がお留守のために
大臣の御回答を聞く
機会はなかったので、この
機会に二、三
質問したいと思うのです。
それで今一番なまなましい労使
関係の問題ですが、
大臣、非常に努力をされておるということにつきましては、われわれも敬意を表しておるわけですが、私たちが一番感ずるのは、やはり労使間の意思の疏通と言いますか、これがもう基本だと思うのです。その上にすべての問題が組み立てられていかなければならない、こうわれわれとしては
考えるわけです。そのためには、これはやむを得ないことかもしらぬが、
大臣、政務次官がしょっ中変わるわけです。組合の方はめったに変わらない。三年か四年、ないしは五年に一ぺんしか変わらない。こういう状態でしょっ中相手方が変わってしまう。そういうことで、変われば変わっただけ政策も違ってくる。あるときは組合に対して非常に厳格な態度で臨むし、あるときは非常に融和的な態度をとるというような、いろいろな方針が打ち出されるために、組合としても非常にやりにくいのではないかというふうなことをちょっと感ずるのです。
したがって何か基本的に、そういう
大臣が変わったからといって、方針が変わるのではなくして、常に話し合いの場が設けられるようにしていかなければならないのではないか、こういうふうに私は
考えるのですよ。それが基本的に問題だと思うのですが、それともう
一つは、労働組合も、これは目的があって組織しておりますから、これはただ、単に代表を選んで
大臣と話し合うために作っておるわけではない。やはり二十数万の組合員のために、何かを与える、獲得するというような目的で作られておるわけですから、どうしても、そこに要求が出てくるわけです。その要求を、できるだけやはり誠意をもって与えていくということでないと、組合としては、ただ話し合うだけであって、サロンで話をするという程度では、なかなか納得をしない。そういうところに、やはり問題があるのではないかというように
考えるわけです。したがってそういう点は、ぜひ、当局も
永岡委員の
質問に対して、誠意をもってやると言われるのですから、さらに今後も続けて、そういう方針でやってもらいたいと思うのです。
そこで、まあそう言ってみても、与えるものがあるかないかという問題ですが、要求するだけで与えられるかという問題なのですが、御承知のように、
郵政事業の根本的あり方について、今日
考えなければならないような段階に来ていはしないか、こういうことを私はしばしば
考えるわけです。
まず第一に
考えられることは、
料金制度なんかの問題です。
郵政事業は御承知のように、
一つの独立
企業として特別会計を実施しておるわけです。したがって、この会計の中で入るものも出るものも見ていかなければならぬ、こういう形になっているわけです。その中で組合の要求を満たしていかなければならない、こういうわけですね。ところが、御承知のように
郵便料金というのは、いわゆるコマーシャル・ベースによる
料金ではないわけです。しばしばこの委員会でも問題になっているのですが、少なくとも直接費だけはまかなう必要があるということが、しばしば論ぜられておるわけです。そうすると、直接費はまかなうが、間接費まで、これらまでまかなうのだ、間接費までもまかなうのだということは、どなたもはっきりとは言わないわけです。ということになると、完全な独立採算が崩れているのではないかというふうに私は
考えるのです。ただ、直接費だけをまかなっていくのでは、いわゆる成長的な安定というものは、
郵政事業の場合には非常に望み薄ではないか。成長しながら安定していかないと、労使の問題についても、やはり解決することが非常にむずかしくなる。
永岡さんがしばしば言われているように、現場は依然として数十年前の庁舎の中で、同じような設備のもとで、同じような服務の態様で、今日もやっておる。したがって職場は非常に陰惨でじめじめしてきたということが、持に最近は感ぜられるわけです。
そういうことを
考えますと、何か抜本的に立て直していかなければならない、こういうふうに実は
考えているわけですが、それで一番問題になるのは
局舎の
改善、いわゆる設備投資の面においては、今日のいわゆる制度では思うようにできないのではないか、こう私たちは
考えておるわけです。したがって、実は、あなたもそのへんは非常にベテランですから、よくおわかりだろうと思うのですが、少なくとも
局舎の問題は、切り離して何か解決する道はないか。先ほど来、いろいろと借入金等で若干やっていくような見通しも述べられたわけですが、借り入れになると、結局金は、これは返さなければなりません。だから結局、何といいますか、借入金にも限度があるということになると、これもそう抜本的な解決策にならないような気がするんですが、そういう点について、何かあなたがお気づきになっている点はないですか。