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1961-10-10 第39回国会 参議院 逓信委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十日(火曜日)    午前十一時二十一分開会    ——————————  出席者は左の通り。    委員長     白井  勇君    理 事            鈴木 恭一君            手島  栄君            松平 勇雄君    委 員            植竹 春彦君            黒川 武雄君            谷村 貞治君            永岡 光治君            奥 むめお君   政府委員    郵政大臣官房長 金沢 平蔵君    郵政省郵務局長 西村 尚治君    郵政省経理局長 佐方 信博君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    郵政大臣官房人    事部長     長田 裕二君    郵政大臣官房建    築部長     小坂 秀雄君    ——————————   本日の会議に付した案件 ○理事の辞任及び補欠互選の件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (郵政事業基本方針等に関する  件)    ——————————
  2. 白井勇

    委員長白井勇君) ただいまから開会いたします。  新谷寅三郎君から、都合により理事を辞任したい旨の申し出がありましたが、それを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 白井勇

    委員長白井勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。    ——————————
  4. 白井勇

    委員長白井勇君) つきましては、直ちに理事補欠互選を行ないます。  互選方法は、成規の手続を省略しまして、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 白井勇

    委員長白井勇君) 御異議ないと認めます。  それでは私から、理事鈴木恭一君を御指名いたします。(拍手)    ——————————
  6. 白井勇

    委員長白井勇君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査議題にいたします。  本件に関しまして御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  7. 永岡光治

    永岡光治君 本日は郵政大臣出席を要望したのでありますが、衆議院の予算委員会のほうで、はずされない理由があるそうでございますから、やむを得ないといたしまして、これにかわって事務当局の方に御答弁いただきたいと思うのですが、まず第一にお尋ねしたいことは、農業基本法問題を初めといたしまして、各事業について将来の長い展望に立っての基本計画を立てる用意がされておるようでありますが、郵政事業についての長い展望に立っての基本計画といいましょうか、そういう観点から、やはり郵政当局もお考えになっていると私は想像するのでありますが、承りますと、先般郵政審議会が持たれたようでありますが、この郵政審議会での論議対象というのはいかなものを対象として論議されたのでありますか、まずその点を冒頭にお尋ねしてみたいと思うのであります。どなたからでもけっこうであります。
  8. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) 郵政審議会特別委員会での審議についてのお話であろうかと思いますが、そうでございますか。
  9. 永岡光治

    永岡光治君 論議された内容でけっこうです。それを承りました上で、また別の質問になるかもしれませんが。
  10. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) 郵政審議会特別委員会におきましては、郵便事業改善策につきまして、いろいろと内容多岐にわたって論議せられたのでありますが、一番の中心議題は、最近いろいろ世論の批判になっております郵便遅配をさしむきどういうふうにしたら解決できるか、さらには根本的に恒久策としてはどういう方策を立てるべきかということにつきまして、十数回にわたりまして論議がせられたのでありますが、その内容は、たとえば定員の面は現在の状況においては十分であるか、あるいは施設の面はまた十分であるか、事業作業管理、その他そういうものにつきましても、もう少し近代的なセンスを織り込んでやるべきではないか、また、労務事情等につきましてもさらにさらにこれを反省し、改善を加える余地があるのではないか。また管理者訓練従業員全体の訓練というようなことについても大いに検討の要があろう、それから事業の経営全体として見ましても、これを合理化し近代化する要があるのではないかといったような、その他各般の問題につきまして論議がせられたような次第でございます。その詳細は、先般九月の二十八日に郵政大臣への答申書となって出ておりますので、それで御承知願えれば仕合わせと存じます。
  11. 永岡光治

    永岡光治君 この九月二十八日の答申資料機会をあらためていただきたいと思うのですが、あるいは手元に来ているのかもしれませんが、まだ落手しておりませんので、これ早急に一つお願いいたしたいと思うのです。  そこで、私がこういう質問を申し上げるのは、ちょうど予算編成期に当たっておりまして、この前の郵便料金改定法案国会に提案されまして論議をされた際にも、私どものほうから強く御要望申し上げておったのでありますが、結局長い展望に立って、一体郵政事業はどうあるべきか、どう改善すべきかという基本方針がきまらなければ、定員の問題にいたしましても、施設の問題にいたしましても、あるいはまた、それに伴う経費の問題にいたしましても、根本的な計画は立たないのじゃないだろうか、そういう計画を早く立てるべきじゃなかろうかという実は御要望を申し上げたのでありますが、そういうような方針を一応立てた上で三十七年度予算要求をされておるのかどうなのか、それとも、まだそこまで手がついていない、当面の糊塗策としての方針しか持っておいでにならないかどうかですれ、この点をまず聞きたいと思うのですが。
  12. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) 実はこの答申が出ましたのは、ただいま申し上げましたように九月の二十八日でございます。ところが三十七年度予算要求は、大蔵省に対しまする概算要求はそのずっと前になっておりますので、この内容をそのまま織り込んだとは申し上げられないのでありますけれども、大体のところ、三十七年度予算につきましては、経理局長から御答弁願うのが至当かと存じますけれども、前に長期計画というものをわれわれのほうで立てておりまして、長期計画の方向にのっとりまして、さらには最近の郵便遅配現状等を勘案し、それをどういうふうにしたら解決できるかという観点を強く織り込みまして要求してありますので、この内容そのまま取り入れたとは申し上げられませんけれども、結果的には大体この答申の趣旨に沿っておることになっておるように私は考えておるのでございます。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 この基本方針の問題については、一応機会をあらためて私また当委員会論議をしてみたいと思うのですが、さしむきは予算要求されておる単価の問題に若干質問をしぼってお尋ねしたいと思うのですが、池田内閣所得倍層計画が初年度において異常な過熱をされまして、それぞれの人件費なり物件費なり、かなりの増高を来たしているのは事実のようでありますが、これは建物にいたしましても、あるいはその人の採用の賃金にいたしましても、相当当初予定したよりは高い民間賃金状況でありまして、そのために施設にいたしましても繰り延べをしなきゃならぬ問題が起きて参りましたり、あるいは当初の契約を改めなければならぬ実情があるようでありますが、そこでお尋ねしたい第一点は、非常勤賃金の問題でございますが、今日私たち地方からの子供を郵政当局にお世話するにあたりまして、日給が東京都で二百八十円という状況でございますが、こういうことでは、ほんとう郵政事業に携わるに十分な素質を備えている人が集められるかどうかということになると、大きな疑問を抱かざるを得ないと思うのです。かりに、まあそういうりっぱな人を採用したにしましても、その個人に非常な犠牲をしいておる実情ではないかと私は思うのです。  そこでこの二百八十円という単価は、おそらく昭和三十年ごろからの単価ではないかと思うのですけれども、その単価の、実際予算で成立した単価の異同と、それから実際地方現業局に配られて、採用して使っておる実際の単価ですね、どういうように変遷をしておるか、おわかりでしたら。
  14. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 三十五年度までの予算におきましては、賃金単価は二百五十円と二百八十円ということでありましたのを、三十六年度予算単価では、平均いたしまして三百五十円というふうにいたしております。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 予算大蔵省との折衝における成立の単価がそうだと、こうおっしゃるわけでしょうね。  そこで次にお尋ねしたいのは、それとつけ加えまして、実際現業局実行しておる実行単価と申しましょうか、そういう実情を把握されておいでになるのか、あればその状況をお示しをいただきたい。
  16. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 三十五年度までにおきましては、予算上成立しております二百八十円と二百五十円の単価というものを大体込みにいたしまして、大都市と中都市あるいは町村というような区別に従いまして、それぞれの土地の需給状況と申しますか、そういうようなものも考えまして、大体最低二百二十円ぐらいから最高四百円ぐらいまでの間で、実際に非常勤を雇用していたわけであります。三十六年度になりましてから、ただいま経理局長からお答え申しましたような、平均単価の上昇もございまして、つい先日までは大体都市地方を通じまして三百十円余りぐらいの平均単価でやっておったわけでございますが、ごく最近に至りまして、本年度賃金単価が、ことに長期的に勤務しております非常勤賃金単価引き上げにつきまして、組合側とも意見が一致いたしまして、三十円の値上げ長期的に雇用されております者については四月一日から、臨時雇につきましては十月一日から値上げをすることにしておる次第でございます。   〔委員長退席理事松平勇雄君着   席〕
  17. 永岡光治

    永岡光治君 実際にこれは雇われている、現業を実際に運営している単価ですね。単価は、先ほどお話を聞きますと、四百円のものもあるというのですが、これは具体的にどこでしょうか。
  18. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 東京あたりの昨年末あたりで四百円ぐらいのが出たわけでございます。ほとんど四百円に近いような単価が出たわけでございますが、今年度におきましては、たとえば東京臨時雇につきましては、この三十円の単価引き上げ以前におきましても平均四百円でございましたし、年末あたりはまたおのずから違ったあれが出てくるかもしれません。目下のところ、東京大阪等におきましては最高五百円ということで大体押えているわけでございます。先ほども申し上げましたように年末等の別の事態になりますれば、さらに検討をいたさなければならないのじゃないかというふうにも考えている次第でございます。
  19. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、四百円といい五百円といい、また将来改定しなければならぬと考えおいでになるというのは、年末首の繁忙期における全くの臨時雇意味であって、今おっしゃる長期的な本務になる前の、前提としての非常勤、まあ慣用語で言えば事務補助員といいますか、こういう人の賃金はそこまでいっていないのじゃないかと私は思うのですが、どうでしょうか。
  20. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 仰せのとおりでございます。かなり長期的に雇用されます——事務補助員という名をつけておりますが、そういう者の賃金単価は、たとえば東京などにおきまして、今度の三十円値上げによりまして、外勤が三百三十円、それから内勤が三百十円ということになるわけでございます。もっとも、そういう事務補助員につきましては、期末手当とか、その他付加給はつくわけでございますけれども日額は、ただいま申しましたような金額でございます。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 かりに今三百十円が実施されるということ、これは東京と六大都市、そこまで予定されていると思うのですが、二十五日の月間の勤務といたしまして、平均ですが、七千七百五十円です、これは。都内で親元からの者であれば、これもひとつ何とか目をつぶれることになるかもしれませんけれども、今日、地方から上京されてくる若い青年で七千五市五十円で、郵便局に出て、昼飯を食い、下宿をするということになると、私はこれはちょっとほど遠い金額ではないかと思うのですが、実際の初任給単価といいますと、九千円こえるだろうと思うのですが、あまりにも安い単価じゃないかと思うのですが、これは電通あたりと比較してもずっと安いのじゃないかと思うのですが、そもそも非常勤というのは、本務者と違いまして、一応身分保障のない人ですから、そういたしますと、私はむしろ本務者よりは、臨時の期間というのは高い賃金を上げてしかるべきじゃないか、本務になってその分が差し引かれることも、それはやむを得ないと思うのですが、それがほんとう非常勤のあり方だと思うのでありますが、そういう考え方からいたしますと、この賃金は非常に低いと思うのですが、三百五十円の要求をされて、三十六年度成立しているわけですが、実際の実行が三百十円といいますと、これにも開きがあるわけであります。この余分と申しましょうか、この差額はどういうふうに使われるわけでありますか。
  22. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、事務補助員賃金につきましては、日額単価のほかに、期末手当、その他の付加給も相当あるわけでございます。また、臨時雇につきましては、先ほども申し上げましたように、東京あたりで申しますと、今までが四百万円前後、今回の値上げによりまして、外勤平均四百三十円、内勤平均三百八十円、そういうことになるわけでございまして、内外を平均し、年度を大体通算いたしますと、先ほど経理局長から申し上げましたような予算単価の線に参るわけでございます。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 三百八十円と四百三十円になるわけですか、三百十円ではないのですか。
  24. 長田裕二

    説明員長田裕二君) いろいろなことを申し上げましたのであれですが、臨時雇のほうは付加給がございませんので、大体日額単価事務補助員よりも高くしてございます。で、臨時雇につきましては、今回のベース・アップによりまして、外勤四百三十円、内勤が三百八十円くらいに、東京などではなるわけでございます。長期的に勤務します事務補助員につきましては、外勤が三百三十円、それから内勤が三百十円くらいになっておるわけでございます。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 ですから、四百三十円、三百八十円というのは全くの臨時であって、瞬間的といいますか、年末首の繁忙期を控えての賃金だと私は思うのですね。そういう賛金と理解していいのじゃないですか。
  26. 長田裕二

    説明員長田裕二君) 実は予算で成立しております賃金内容が、定数的非常勤と申しますか、先ほど申しました事務補助員などにぴたりと当てはまります、いわば予算上も長期に雇用するということが予定されておりますものと、それから年次休暇あと補充だとか、病気休暇だとか、そういうものは、たといその人が事実上長期に雇われるような結果になりましても、やはり性格上は臨時雇というような形になるわけでございます。で、事務補助員の数は、まだそう多い数ではございません。大部分が年次休暇あと補充とか病気休暇とか、そういうものの補充として成立しておるわけでございます。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 この繁忙期、今答弁のありました病欠等あと補充の問題を考えましても、三百八十円、四百三十円ということでは、これも私は非常に低いと思うのですけれどもね。ましてや、長期的に採用されるという非常勤職員身分である内務の人が三百十円、外務が三百五十円というのですから、私はこれは非常に低いと思うのですね。おそらくこういう賃金では、職安あたりへ行って、何とかして下さいと言ったら笑われるのじゃないか。最近の状況では、地方に参りますと、三食付きで千円というような、農村あたりでも今日そこまでいっているという状況ですから、そういうことを考えますと、あまりにも低い。三百十円では月間七千五百五十円、付加給があるといいますが、どういう付加給があるかしりませんけれども、おそらく超勤——これは別ですからね、超勤というのは別の問題ですから。それから期末手当といえども、これに対してたいしたものは加えられぬと思うのですが、そういうことでは、大事な国営の事業をあずかる職員の給与としては低過ぎると私は思うので、この三十六年度ではその程度改善しか見ないということになれば問題が残りましょうが、三十七年度には、これは思い切った改定をしなければならぬと思うのでありますが、三十七年度単価要求というのはどのくらいになっておりますか。
  28. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 端的に申し上げまして、今概算要求中でございますので、いろいろ資料を取りそろえてこれから交渉しなければならぬわけでございますが、とりあえず、一応四百五十円くらいの線を平均単価にして要求しております。ただ、先ほどの話とからんで参りますけれども、いわゆる事務補助員というものは、御承知のことしの非常勤定員化によりまして、原則としてはなくなってきているわけです。当該年度におきまして予想いたしました物数よりも非常に物がふえたという場合、あらためてその一年だけ臨時に使うことはございますけれども、在来のように、定数的な人が非常に多いということはなくて、常に臨時者が非常に多くなってくるという形が三十六年度からの実際の姿であります。  そこで、先ほど人事部長が申し上げましたように、一年間定数的に使う人はボーナスが出るけれども臨時の人はそういうものが出ないので、単価を上げたらどうかということから、この三十六年度臨時のほうに力を入れまして、経費臨時者のほうを多くするというやり方をしてきております。したがいまして、来年度も、主としてそういう面で、できるだけ定数的な人、あるいは事務補助員の人は定員でとっていくということにいたしまして、その単価は、主として年間を通じての臨時者に適用させたい、こういう考え要求しております。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 まあ本名で考えておるような形が、実際郵政局現場に参りますと、必ずしも本省考えておるところまでいきかねておるというのが実際の状況だと、私ども地方に参って受けるわけです。やはり非常勤という職員の種類はかなり多い、率直に申しまして。結局、単価予算関係で安い。しかも多く雇わなければならぬという現場の立場もありましょう。定員が足りないという——これはなかなか要求しても認めてくれぬということになると、賃金で雇わなければならぬ。ところが賞金の単価は少なくしておる。二人分を三人で使わなければならぬ場合もかなりあろうかと思いますが、そういうようなわけで、なかなか本省の思うようなことが、地方現場ではそう計画どおりにいっていないのが実情でもありまして、ずいぶん低い賃金で雇われておる状況でありますから、現場の実際の状況をぜひはっきり把握をしていただいて、定員を洗い直してもらう必要もありましょうし、したがって、実際の今日の賃金状況から申しますと低い状況でありますから、こういう点について、実情に合うようにひとつしてもらいたい。そこで、四百五十円という単価要求されておるようでありますが、これとても、私たちも必ずしも十分とは考えていないのであります。特に年末首繁忙期になりますと、おそらく相当な賃金の値上がりを民間でやろうかと思いますから、その点も十分考慮して対策の万全を期していただきたいということを要望しておきたいと思うのです。  次に建築単価でございますが、地方に参りましてお話を聞きますと、鉄筋の建物ですと、坪当たり二十五万ぐらいかかっておるという話を聞くわけでありますが、そうなりますと、これは国会建物の場合でもそうですけれども、なかなか入札者が来ないという状況です。そういう状況ですけれども郵政当局では、やはり計画どおり郵便局は建てなければならぬ、こういう必要に迫られておると思うのですが、今までの単価ではおそらくやっていけない実情にあろうかと私は思うのですが、そのやっていけなかった分を三十六年度計画ではどういう方法でこれの対策を講じておいでになるのか、それが一つです。  それから第二番目は、郵政当局で立てておいでになる郵便局舎改善長期計画がスムーズにいく状況にあるのかないのか。スムーズにやるとすれば、一体どの程度要求をしたければならぬのか、おそらくそれは考えおいでになると思うのですけれども、その辺の事情を三十七年度予算要求にからみましてお尋ねしておきたいと思うのです。
  30. 小坂秀雄

    説明員小坂秀雄君) 第一の御質問の点でございますが、ただいま先生のおっしゃいましたとおり、最近非常に去年から建築費が値上がりしておりますので、私ども工事の遂行には非常に苦心をしております。そういうことで、三十六年度におきましては、予算の成立いたしました単価に対しまして、おおむね一〇%程度引き上げを行ないまして、それをもって実行単価としてやっておりますが、最近の情勢から見まして、御承知のような設備投資の引き締め、金融が最近だいぶ逼迫して参りました。そういう関係で、民間の二季も行き先少し狭くなって参りました。そういう関係で、入札状況は今後比較的好転するのじゃないかというように私ども見ておりますので、おおむねこのような単価で本年度はやっていけるというような見通しを持ってやっております。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 第一点は今の御答弁ですが、第二点の、長期計画を遂行する上について万全を期して、予算単価要求はおそらく相当高額なものでなければならぬと思うのですが……。
  32. 小坂秀雄

    説明員小坂秀雄君) 来年度からの問題と思いますが、そういうわけでございまするので、来年度はさらに予算要求単価を上げまして、これはもう単価は、地域によりまして、あるいはまた建物の規模によりまして、いろいろでございますけれども、大体六百坪程度の鉄筋コンクリートの、東京付近平均いたしました単価といたしまして十二万七千五百円程度予算単価要求しております。これは本年度実行単価よりもさらに一万円ばかり高い単価になっております。大体今の見通しですと、この単価でありますと、来年度もおそらく工事は順調にやっていけるというように私ども考えております。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 建設省、その他の公共事業関係でやっている仕事の状況をお聞きいたしますと、建築部長答弁とはだいぶ違う印象を受ける答弁をいただいておるわけです。非常に苦しいという状況を承るわけですが、郵政当局がそれでやっていけるというのであれば、私はあえて追及はいたしませんけれども、どうもやはり不安を感ずるということはぬぐい切れない問題だと思うのですが、この際お尋ねしておきたいのですが、今の郵政当局計画でいきますと、普通局段階で、全国の郵便局は何年後には全部新築されますか、そういう計画をお持ちですか。
  34. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) これは計画はあるはずですが、実は何年後に全部更新されるかというこまかい資料を今持ち合わせておりませんので、恐縮ですが、あと資料を取り寄せましてから……。
  35. 永岡光治

    永岡光治君 それはけっこうです。これは、私は地方に参りますと、新築されまして、でき上がりますと、入ってすぐ苦情を訴えますのは、郵便現場室です。狭いというのが大体共通した実情だと思います。そうなりますと、将来の所得倍増なり経済の成長、民度の成長、そういうものをずっと考えますと、耐用年数後における状況考えた上で広さを考えなければ、何といっても、これは企業ですから、物事を企業考えなければならぬので、その場になって増築するとか、敷地を求めますと、大へんな金額がかかるわけです。そういう意味で、局舎新築につきましては、思い切ったそういう長期展集の広さをひとつ考えてもらいたいというのが第一点です。そういう点から考えまして、今計画されておる状況を見ますと、私は予算要求が少し少ないのではなかろうかと思うのです。計画をきょうここでお示しいただくことができないというのでありますが、耐用年数が、かりに三十年になるか三十五年になるか知りませんが、この本建築耐用年数が、それをこなしていくということになれば、一年間の新築の局舎はかなりの数にならなくてはならぬと私は概念的に考えておるのですが、そういう勘定からいたしますと、来年度何億要求されているか知りませんが、まあ私はおそらくそれをこなしていけないのじゃないだろうか。かたがた、お話によれば、民間における好況が影響してでありましょうか、部内における建築関係の技術者もどんどん民間に抜かれていくという動向があるというように聞いておりますが、そうなりますと、ますますもって対策は予定どおりいかなくなるおそれがあると私は思いますので、特に要望したいのは、この次の機会でけっこうでありますが、何年ぐらいに普通局を全部改築していくのか。これは特定局の場合にも関連して参りますけれども、さしむき、普通局の資料でけっこうだと思うのですが、そういう上に立って、一体予算は来年度はどのくらいあったらいいのか、そういうものをひとつぜひお示しをいただきたいと思うのです。  それから、今途中で質問をあれしましたが、長期に立って局舎を建てる場合に、広さは相当ひとつ考えてもらわなければならぬと思うのですが、その方針は、三十七年度ころの予算からはそういう方向に変えてもらえるのか、もらえないのか。つまり言えば、結局算出基準の問題になりましょう。局舎の予算、それを三十七年度から改める計画をお持ちになっているのかどうなのか、いやいや今までどおりの基準でいくのか、この点をひとつ、これもこの席上で明確にできると思うのですが、あわせてその点もひとつお尋ねしたいと思うのです。  ですから、要約しますと、来年度の局数はどの程度の局数を考えており、そうしてそれに対する広さはどの程度考えており、予算単価の問題については、今お話がありましたけれども、これでは不十分ではないかと思うのですけれども、まだその辺のことは私自身もつかめないのですが、思い切った要求をされるべきじゃないかと思うのだけれども、この点についても、重ねてひとつこの三つについて所信をただしておきたいと思うのです。
  36. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) 三十七年度のこれは概算要求ですので、どうもはっきり申し上げてよいかどうかわかりませんのですが、要するに、私どもとしましては、普通局、特定局、両方兼ねまして、現在著しい老朽局舎あるいは狭隘局舎というものは一掃したいということで、五カ年計画を立てたわけでございます。五カ年計画内容としましては、普通局で新築が百五十三件、特定局で五百六十局、それから増築分としましては、普通局で百五十四件、特定局ではございません。そのほか土地買収がございます。これが普通局で百三十三件、特定局で五百六十局というものを取り上げまして、これを五カ年間に実現をいたしますということで、経費三百億円というものを想定いたしまして、計画を立てているわけでございます。けれども、三十七年度には、いろいろ歳入歳出の関係その他もございますので、若干この計画からはずれておるかと思いますが、一応の要求ですから、これがそのまま実現するかどうかはまだ未定でございまするけれども、申し上げますると、三十七年度、普通局におきまして、新築が二十一局、増築が六局、土地買収が九局、それから特定局で、新築が八十局、土地買収が八十局、そのほか鉄道郵便局庁舎などがございまするけれども、大体そういった線で要求をしているわけでございます。  それから、庁舎の広さにつきましてお話がございましたが、従来は建てるとすぐ、二、三年しないうちに狭隘を感ずるというような、そういったような事態もままございましたので、大体二十年くらい先が見越せるような広さをとるようにということで、三十七年度からは広さを算出しているはずでございます。簡単でございますが、お答え申し上げます。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると、一人当たりの広さの基準を三十七年度から変えていただけますか。明確に、変えるか変えないか、それだけでいいです。変えなければ、従来通りになるわけですよ。私の主張を認めれば、基準を変えなければ解消しないと私は思うのです。
  38. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) これは実は概算要求はして参っておりますので、どの程度変わりましたか、方針としては、そういうことで話し合ったのでありますが、実は広さを、基準をどういうふうに変えましたかをちょっと確認いたしておりませんので、まことに申しわけございませんが、これもよく、帰りまして至急取り調べましてからお答えさしていただくことにいたしたいと思います。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 この点はひとつ、特にお願い申し上げたいと思います。特に地方都市の分散状況の問題もありまして、かなり長い展望において立てておきませんと、すぐ狭隘を訴えてくるというのが実際の状況ですから、この点は特に要望しておきたいと思います。  そこで、この際郵務局長にただしたいのでありますが、私は地方に参りますと、従来、一行政区に一局という方針郵便局の統合を計画されて推進してきたようでありますが、今日の実際の状況になって参りますると、どうもこの方針を再検討しなければならぬのじゃないかという感じを受けて参りました。あまり郵便区統合ということにこだわりましたために、実際の実情とは合わない集配計画が持たれ、一人の集配員の勤務時間に、むだなものがかなり出てくるようです、往復の時間などに。大都市におきましては、交通規則その他によって、従来簡単に行けたものが回り道をして行かなければならぬとか、あるいはスクーターや自転車の置場に制限されて、なかなかそこに置けないという非常な不便が感じられておるのでありますが、大都市における集中主義が、今日の郵便の運行をかなり阻害しておる現象も出ておるのではないかと私は思うのですけれども、そういう郵便局の統合についての再検討をする時期ではないか。私はむしろ一行政区に二つあっても、実情に即した集配区を持つのが妥当ではないかという考えを実は持っておるわけでありますが、そういう点について、何かお考えを持っておられますかどうか。
  40. 西村尚治

    政府委員西村尚治君) 御指摘の点は、非常に大きな問題として私ども検討しておるのでありますが、原則といたしましては一行政区に一郵便局を置いておきますれば、差し立て区分の際、その他、いろいろと便利、好都合であるのでありますけれども、今お話のように、かえってそのために能率を下げるということも考えられますので、根本的に再検討する必要があるであろう。ただ、その際に、分室として置きますか、あるいは一行政区の中に二局、三局、独立した普通局を置きますか、これはその場合、場合において、検討しなければいかぬわけでありますけれども、できれば分室で置きましたほうが、差し立て区分その他の点で能率的だと思うのでありますけれども、現状におきましては、すでにその域をこえておる面もだいぶあるようであります。現実の問題といたしまして、東京、大阪、名古屋等につきまして、数局具体的に、独立した普通局を置くべきではないかという線に沿いまして、一行政区内に別に独立した普通局を置くべきではないかという線で、目下検討をしておるような次第でございます。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 次は、定員の問題に移りたいと思うのですが、これも時間をゆっくりかけて質問をする機会を設けたいと思いますが、三十七年度予算要求に基づいて要求をされていると思うのですけれども郵政当局の出している資料を見ましても、郵便物の増加状況定員の増加状況には、マッチしたものもないようですけれども、三十七年度要求は、どの程度の人員になっているのか、それと郵便物の増加状況と比較して、当を得ているのであるかどうか、この点についてお尋ねしたいわけですが、三十七年度予算要求の郵政省の方針を承りたいと思います。
  42. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 要員の問題につきましては、当然来年度におきますところの物数の増加と見合った人間をとろうということで要求いたしております。  ただ、御承知の通り、物数の見方につきましては、基本的にはいろいろな検討がございますけれども予算の査定があります十二月前後になりますと、この一年間の数字というものが、相当はっきりして参るわけでございます。そこで、一番新しい数字によって、予算の査定を受けるというようなのが例年の実情でございますので、そのときの数字に一番近い数字にマッチして査定を受ける。で、概算要求いたしましたときには、過去大体、この五カ年計画——料金値上げ考えましたような伸び方で一応見当をつけているわけでございます。しかし、実際の査定のときには、十二月の一番新しい物数によって修正しまして査定を受けるということになるわけでございます。
  43. 永岡光治

    永岡光治君 概算要求の段階ですから、あるいはこの委員会に発表することを控えたいということであれば、それでけっこうでありますけれども、どうも私たちが仄聞する要求の人員では、実際の実情に合っていないのではないだろうか。物量がもうすでに、昭和何年でしたか、ちょっと今資料が見当たらないのですけれども、倍増——倍以上になっているのに、定員はわずか一万人そこそこしかふえていないという、こういうべらぼうな数字はないと私は常識的に考えるわけですけれども、この予算要求の場合の一人当たりの物数は、一体どのくらいになっておるのか。  それから、えらいこまかいことを言うようですけれどもほんとうを言いますと、人員は、地方大都市によって違うわけですから、地方の伸び方は、確かに定員をそうやらなくても間に合うところもありましょうが、しかし、大都市のふえ方というのは非常にひどいわけで、そういう意味で、合理的な基準を出して、各局別の物数の増加を見て定員を出して、それを集計したものが、ほんとうを言えば一番正しいと私は思います。そういう方法をとっておいでにならないだろうと思いますけれども、外国あたりで、一人当たり幾らという方程式か何かで出されていると思いますけれども、それの能率を、一体どのくらいみるかということも問題だろうと思いますが、そういうこともありますので、予算要求については、とにかく今までの要求の仕方、私たちから見ますと、どうも少な過ぎるのではないかと思いますので、三十七年度予算要求については、根本的にひとつ、能率その他等を勘案いたしまして、合理的な増員をここで出していただいて、将来、郵便物がふえた際には、そのつど、また基本によって大蔵省と折衝するのでなくて、方程式ができ上がって、物数が幾らということになれば、それに応じてすぐ定員をはじき出せるという、そういう仕組みを早く作り上げるべきではないかと思うのです。  そういう点についても御尽力をいただきたいと思うのですけれども、どういう御方針をお持ちになっておるか、お尋ねしておきたいと思います。
  44. 佐方信博

    政府委員佐方信博君) 定員の出し方につきましては、お話のように、ここ数年来、大蔵省と一つのルールをきめようということで、大体、過去三年間の物数増加に対応して現在の定員を差し引いた形で出すというやり方をいたしておりましたが、ただ、問題は、その出ました人間について、ある程度の能率の向上をするという査定率の見方が非常に問題になっているわけであります。そういうことで、過去三、四年来大蔵省と郵政省の間におきまして、郵政省では定員だと思うけれども大蔵省では要らぬのじゃないか、能率上げたらいいじゃないかというような問題が積み重なりまして、いわゆる非常勤の焦げつきということが起こったわけであります。したがいまして、三十六年度予算で、これは一応、過去の取り不足は片づきましたので、問題は、今後の能率の見方をどう見るかというところを、ことしは一番重点をおきまして、解決をつけていって、そうしてせっかくできたルールで、一番最後の仕上げのところで意見が違うということのないようにして、お話の中にありましたようなルールを確定して、それと変わらないようにしたいと思っております。同時にまた、今までは主として東京、大阪、名古屋あるいは北九州といった大都市に非常に物数増加が多くて、現実の配置も、ややそれに近くいたしておりましたけれども、最近は、大都市周辺の特定局等におきましても、また大都市内の無集配特定局におきましても、相当の物数増加がございますから、来年から、あらためて特定同等についても、新しい見方をしていったらどうかということも考えております。同時に、それらも全部合わせまして、結局取り扱い物数をいろんな点数に換算いたしまして、換算物数で見ておりますので、一人あての物数というと非常に見方がむずかしいことになりますが、東京、大阪につきましては、本年度の実際よりも予算——予算考えましたよりも、実際の物数が非常に多いようでございますから、そういうのを実行上増員いたしますときにつきましても、大蔵省といろいろ話しまして、大体、各郵政局間の個々の大きな局についての積み上げ計算を基礎にしたものを裏に持ちながら、同時に予算面では、換算物数等のことで現われますけれども、裏には積み上げたものが相当あって、どうしてもこれだけなくちゃならぬのだというようなことを強く説明いたしまして、お互いが納得して、相当の間変わらないルールを作っていくというふうに、一生懸命努力したいということで、せっかく今整備いたしておるところでございます。
  45. 永岡光治

    永岡光治君 私、これで質問を終わりますが、いずれにいたしましても、私たちは、こまかい内容の数字をよく承知しておりませんから、的確な批判もできないかと思うのですけれども、現われた数字は、年々一人当たりの負担量物数は、非常にこれは増加しているようです、資料によりますと。ということは、やはり、逆を言えば定員がないのじゃないかという結論になるわけですが、そういう国会のわれわれが見ても、なるほどこれはわかるという、そういうものにしていただければ、論議は非常にしやすいと思うのです。そういう方向でひとつ、ぜひやってもらいたいし、また大蔵当局との折衝にあたっても、そういうルールを一つ確立してもらいたい。いずれまた機会をあらためて、この点については質問をいたしたいと思うのですが、要は、冒頭申し上げました郵便長期計画に基づいて、たとえば郵便の速度が、いろいろ種別によってありましょう。郵便の高等信なりあるいは小包の三種以下と、いろいろ種別がありますが、そういうものが、一体東京−大阪間で、どのくらいあれば必要にして十分なのか、速度が。そういうものを検討した上で、事業の速度はこうであって、それに伴う施設はこうなくちゃならぬ、集配度数もきまりましょうし、逓送度数もきまってこようかと思います。したがってそれに応ずる人員の増加もきまってこようかと思うのですが、そういう根本的な計画を早くお立てになって、もちろんこれは、それに伴う経費の問題も、これは裏づけられてなくては絵にかいたもちでありますから、そういうものをあわせて、ひとつ長期計画を立ててもらう。こういうことに必要とあれば、委員会も作りましょう、審議会を作ってもけっこうでありましょうが、そういう方針を早くひとつ樹立するように、特に私は要望しておきたいと思います。
  46. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 ちょっと関連して。当局に特に、この機会でありますから要望いたしたいのでありますが、ただいま永岡委員の言われました予算編成の時期において、特に定員に対する能率の向上ということが、郵便事業に、どの程度影響するのかということが私は非常に大きな問題になってくると思うのです。  従来は、能率の向上というものを、おそらく予算の面では、それほどに影響を与えておらなかったと思うし、また実際われわれが郵便事業というものを見まして、まあ当局としては、いろいろ機械の整備等をされておるようでありまするが、ほとんどこれが、実際の郵便事業の運行に、ことに定員に影響するような能率の向上というものに資しておらない、私どもはそう見ておる。したがって、その能率の向上というものが査定の大きな原因になるということに相なると、なかなかこの定員問題というものは解決しない。特にこの予算の折衝の時期において、いろいろ将来の長期計画をお立てになるというお話でございますが、   〔理事松平勇雄君退席、委員長着   席〕 能率の向上という点については、特に郵便事業に対しては、それほど影響、向上が期待できない性格のものだということを特に私は当局にお考えをわずらわしたい。これを私は要望いたしておきます。
  47. 白井勇

    委員長白井勇君) ほかにございませんか。——ほかに御発言がないようでありますれば、本件に関する質疑は、本日のところはこの程度にとどめたいと思います。  それじゃ、これにて散会いたします。    午後零時十六分散会