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中田吉雄君 私はかなりあちこちの、たとえば水島であるとか、仙台塩釜とか、あるいは富山高岡とか、鶴崎とか、いろいろな最近の
開発拠点ができつつあるわけなんであります。これがだれがにない手でああいうものが起きたかというようなことを若干調べてみたのですが、やはり私は、たとえば今度の国民所得倍増
計画を見ても、たとえば太平洋ベルト工業地帯の水島等を
中心としたような、ずっとああいうような太平洋のベルトを見ても、こういう
政策というものは
あとを追っているので、私はやはりああいう地域を
開発していっているのは、まあ私なりの理解では、終戦後の
昭和二十二年からできた新しい自治法による公選知事が主として大きなにない手になっていることを、私なりに見ているのです。たとえば三木さんが岡山で水島をやる。
昭和二十九年に三木さんから聞いたのですが、医学博士の三木さんが、どうも将来
石油化学というものが大きな
産業になるかもしれぬというので、自分が
専門書をひもといてみて、これはたいへんな水と敷地が要るらしいということで、高梁川があり、あの地帯を埋めてやるという
考えでやって、三菱が来、次々に来て、三千億ぐらいも投資し、そうしてこういう国民所得の倍増
計画のルートにずっとそういうところを、四大工業地帯はもう集積し過ぎているのだからというようになっていっているわけなんです。たとえば鶴崎にしても木下知事が何とかやる、あるいは富山は
吉田知事がというふうに、私はまあ官選知事で
内閣がかわるたびにかわったときと違って、もう県民に奉仕せねば次の選挙に出れぬというようなことで地域
開発をやるという取り組みで、ほとんどの地域
開発というものが私はできていると思って、そういう
意味では、私は公選制というものが、弊害もあるが、私が出張しまして
調査した地域
開発のにない手というものは、実際は公選知事並びにそれを支持している県民や議会等であったと思っているのです。ところが、国には国土総合
開発法があって、なるほど工業立地の
調査をやられたが、そういうものの
あとからそういう芽が出て、それを全体的に調整されるということになっている。そういう種をまいていっているのは、私なりの理解では、そういう点だと思うのです。
そういう点で、私はやはりこういう
開発立法は、ある
意味では国土総合
開発法というものが十分の役割をまだ果たさないといいますか、十分でないのでそうなっている。ところが、それが全体としての
計画性がないし、そのために地域々々にすべてそれを何らか総合せねばならぬというふうになると思うのですが、もっと私は、特に企画庁等は、そういうもう工業立地の
調査も相当進んだのですし、もうほとんど芽は大部分出ているのですから、もっと
計画的に相当経費をかけて、工業の再配置というものを重要視していただくべきじゃないかと思うのですが、また、この
あとに通常国会にも出るかと思いますが、
産業投資ですか、あるし、いろいろな地争い等もあるが、そういうことをもっと私は、終戦後あるいは四大工業地帯、既成の工業地帯がどうして発展し、特に戦後のこの
政府が拠点地区としてやられつつあるようなところは、ほとんど
政府がこういうことをやれといってやられたのでなしに、地方自治体がやって、それを
政府が助成されたというようなことになっているので、そういう戦後の発展等を十分促進するように、しかも、それを全体の
計画性の中にはめていただくように、総合官庁である企画庁が十分これに対する予算措置を持って、スタッフを整えてやっていただきたいと思うわけであります。私もまあアメリカのテネシー・ヴァレー・オーソリティとか、イギリスのロンドンのニュー・タウンとか、いろいろ見てきましたが、やはりもう相当本腰を入れてこの問題と取り組んで、そういつもしょっちゅう変わったりせぬようにやるべきだと思うのですが、来年度予算の要求等では、一体どういうふうになっているのでしょうか。