○
政府委員(三治重信君) この委託金
制度ができた初まりは、あるいは
先生御存じだと思いますが、各県に総合
訓練所を県庁の所在地あるいはその付近に作るという方針でやって、作り始めたところ、その県庁所在地には、みんなそれまでに既設の一般の職業
訓練所があったわけです。そうして作って、そのときに作ってみると、両方になると総合
訓練所のほうにみんな寄ってしまって、その都道府県の所在地の
訓練所、それができるまでは非常に希望者があったが、そちらのほうに希望者が行って、一般の従来の施設の、都道府県立の
訓練所の希望者が非常に激減した。それで合併してくれということで合併したわけなんです。そうすると、大蔵省の言い分だと、従来せっかくの県庁の所在地に四種類なり五種類の一般
訓練所があって、そこには県が金を出していたでは——半額持っていたではないか。その金を総合
訓練所のほうに県のほうから出せばいいじゃないか。だから、それで大体計算してみると、総合
訓練所のほうで維持管理費と人件費を持てば、作業実習費のほうを県が持ってくれるとちょうどとんとんになるじゃないか。経費の区分をはっきりして、そういうことにしようじゃないかということで、
事業団ができるときにそういうことでなった。その前、数カ所、
事業団ができる前に完全
運営していたと思いますが、そのときには、いわゆる
事業団のできるときに非常に問題になりました、都道府県に国が委託して、したがって、人件費だけ持って、都道府県が、全面的に人事並びに
運営について、一般の公共職業
訓練所と同じような委託
訓練所であるけれども、都道府県が主管して
運営したわけです。ところが、
事業団が五年前にできるときに、
事業団が経営主体になる。したがって、そこに経費の負担区分の問題が出て、今申し上げましたように、国の
事業団のほうが維持管理と人件費の全額を持つ。それで
運営費の実習費は委託金として都道府県からもらうということで、自治省並びに都道府県と申し合わせができた。しかし、これについての申し入れで、一番強硬に反対したのは自治省で、こういうような、県から国が、
事業団が経営するものに県が委託費を出すという、そういう理屈に合わぬことはない、これは早急にやめてくれというふうな提案が非常にあった。それは長い年月になると、初めはなるほど都道府県立の県庁所在地の一般
訓練所を廃止して総合
訓練所へ統合した。だからその経費を持つのは、県としても、まあ、答弁や何かでもはっきりわかるわけなんです。経費の持ち出し分が原因がわかるわけです。これがだんだん長く立つと、
事業団が経営しているものをいつまで県が持つのだという議論が人情として当然出ると思う。したがって、また、
事業団のほうとしても、また、
雇用促進事業団に変わりましても、そういうふうに出発の当初のやつは今御
説明したようなことで、
事業団と府県とで
事業の
運営の経費を持つということに協定はなったんだけれども、自治省の強い
要求並びにわれわれのほうとしても、そういつまでも、その
運営を、
事業団の
運営でやっておるのに委託金にたよるということはよろしくないのじゃないかということについては常に頭を悩ましているわけです。現在、今から申し述べますような方法で解決していきたいというふうに方針を立てておるわけであります。その第一は、委託金の減ったところで、実際上問題として都道府県総合
訓練所でやりましたいわゆる専門的な
訓練、これには結局
訓練生からいわゆる授業料を取るということでやる。そういうふうな専門的な
訓練で、みずから授業料を出してもそういう優秀な
訓練を受けたいという者は、それでひとつ実習経費がまかなえるのじゃないか。これをしかし全面的にやるについては、これは大蔵省が非常に反対であります。学校式になるからおかしいじゃないか、失業保険施設として、やはり失業者転職
訓練並びにそういうふうな失業対策としての保険施設なんだから、やるべきじゃないかという議論、これも一つある。したがって、現在は半分ずつ、半分は専門的な
訓練で、授業料で実習経費を出す、半分はいわゆる失業対策として転職
訓練をやる。しかし、現在そういうふうになって参っておりませんので、その半分半分やるのを、今から大体三年ないし五年、所によっては五年、最終的には五カ年間で全国の各総合
訓練所をヒフティ・ヒフティにその
訓練対象をもっていこう。したがって、大蔵省に私たちが
要求しておるのは、その半分の転職
訓練の部面については、都道府県の委託費というものはだんだん意味がなくなってくるから、
訓練対象が違ってくるから、したがって、その
訓練経費も全額持つ、これも大蔵省に対して一度に全額持てといってもたいへんな経費になるから、その経費についてはひとつ一二、三%ずつ毎年ふやす。で、来年度については約一三%程度をこれは転職
訓練のコースを作って、そうしてそちらのほうで転職
訓練のために実習経費を出す。その一三%減る分だけは都道府県からの委託費を減らして、毎年一三%やって、最終的には五カ年間でそれを、五〇%の分の、実習経費は全額
事業団が持つ態勢になるということで案は立てておりますが、まだこれは今の
予算折衝が完全に終わってみないと、その申し入れ、これが了解され、また、それが十分いけるような
予算措置がとれるかどうかについては私ここで申し上げかねるわけでありますが、根本方針はそういうことで、
事業団が全部独立
運営していく、それで、都道府県の委託のそういう
訓練生の不足分についてはやはり都道府県に補助金でやる。一般の公共職業
訓練の規模並びに
訓練内容を充実することによってそういう委託を出さぬでも、都道府県で独自に必要とする
訓練生の
訓練の規模並びに
訓練内容を向上さすように国が補助行政をやっていこうというふうに方針を一応立てておるわけであります。