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政府委員(三輪良雄君) ただいままだ状況が終わっておりませんけれ
ども、二十五日から六日にかけまして九州、さらに六日から七日にかけて四国で
集中豪雨による
災害が起こっておりまするので、本日の午前十時現在というところで御報告をさせていただきたいと存じます。
本邦上空に停滞しておりました前線と低気圧の影響で、九州の中南部の各県では二十五日の正午ごろから二十六日の夕刻にかけまして
集中豪雨となったわけでございます。ことに大分県の南部、中部地方では実に三百二十ミリという雨量を記録いたしまして、非常な
被害をもたらしましたわけでございます。その後低気圧は東へ移動をいたしまして、先ほど申しましたように、ただいま和歌山、三重あたりに雨が降っておるのでございまして、この御報告の中には和歌山、三重あたりの損害はまだ十分出ておりませんので、今後これがふえるものと心配をいたしておるわけでございます。そこで資料を取り急ぎ持って参りましたので、あるいは部数が足りなかったかも存じませんが、お手元にございまするならばごらんいただきたいと思いますが、第一ページの下から、十時現在の
被害状況をとりまとめてございます。なくなりました方が六十四名、行方不明三十名、負傷者八十名ということでございまして、家屋の全
半壊は五百四十棟、流失が約百棟、それから床上浸水が八千四百棟でございます。田畑の流失等、そこにございますようなのが、ただいまわかっておりまするごく概要でございますが、罹災された方々は九千五百世帯、三万九千名に及んでおります。先ほど御報告をいたしましたように、特に大分がひどいのでございまして、安岐川、番匠川が欠壊はんらんをいたしましたのを初めといたしまして、小河川、小さな川が至るところでこわれまして、堤防の決壊が約六十個所に及んでおります。また山くずれが続発をいたしまして、御
承知のように、別府−大分間の電車が山くずれによりまして埋まりまして、六十七名の乗客を乗せておりました中で、実に三十一名の方がなくなるというような悲惨な事故が起こりまして、そのために同県下でこのためになくなりました方の数は五十三名、行方不明二十一名、負傷された方が四十七名、全
半壊、流失いたしました家屋の数が約四百五十棟、浸水をいたしました家屋が二万五千棟に達しておるのでございます。罹災者は五千七百世帯の二万五千名に及んでおると見られるのでございます。このために県では大分及び国東、安岐、武蔵、大南、三重の各町に対しまして
災害救助法を適用いたしまして、救助にあたっておる模様でございます。
宮崎県はそれほどではございませんけれ
ども、二十五日正午ごろから夜半にかけまして
豪雨になりまして、これが二十六日夕刻まで続いたのでございます。特に県の中央部から北部にかけまして十二メートルという風を伴って、約二百五十ミリの
集中豪雨がありまして、これがために百五十個
所見当の山くずれ、がけくずれがありましたほか、中小河川がはんらんをいたしまして、堤防決壊は約二十五個所に及んでおります。そのために死者七名、行方不明一名、負傷者十名、倒壊家屋三十棟、浸水家屋が四千棟に及んでおるのでございます。東臼杵郡の北川村ては、北川のはんらんで全村世帯の約一〇%が罹災をいたしました。同県では同村に対しまして
災害救助法を適用して救助に当たっておるのでございます。
低気圧は東に進みまして、四国に被警をもたらしましたわけですが、十月の二十六日から降り出しました雨が、二十七日早朝まで
豪雨となって、平野部では約百ミリ、山間部では二百ミリになったのでございます。特に小豆島、東讃地方では
豪雨が激しくて、これまた小さな河川がはんらんをいたしまして、がけくずれあるいは提防の決壊等が多く起こりまして、人的
被害は死者一名、行方不明二名、負傷者十三名でございますが、倒壊家屋九十棟、浸水家屋が五千六百棟に及んでおるのでございます。古川県では小豆島にあります土庄、池田、内海の各町に対しまして
災害救助法を適用いたしたということを聞いております。
徳島でも同様の時期に、これはまた中部山岳地帯では五百九十ミリという
豪雨を記録をいたしております。二十七日早朝まで続きまして、徳島市内を流れます園瀬川などの小さな川がはんらんをいたしました。同市では市内の約一〇%、小松島市では約二〇%に達します家屋が浸水
被害を受けました。県下全部で行方不明三名、負傷された方が二名、倒壊家屋十棟、浸水家屋八千五百棟という
被害を受けたのでございます。このために同県では徳島、小松島の各市及び上板町に
災害救助法を適用いたしたのでございます。
大分県の電車の
被害でございますが、これは定員九十名のところに六十五名、相当に混んだ
状態で、午後二時三十分に大分を出まして、別府駅に向かって進行をいたしたわけですが、あのサルで有名な高崎山のところで、海津沿いに非常にせばまっております地点でございますが、そこに差しかかりましたときに、十五メートルの高さ、傾斜約八十度のがけ、これは従来くずれた事例がないそうでございますけれ
ども、これがちょうど、電車の中央部目がけて、幅二十メートルほどで上砂をくずしたわけでございます。電車は三十度ほど傾いたまま土中にうずめられたという
状態でございます。パトカーがすぐ発見をいたしまして急報いたしましたために、警察官百二十名、消防団八十名、自衛隊百三十六名、その他お医者さん方と協力をいたしまして、生存者の救出、死体の収容等に当たりましたが、何分にも土量が非常に多うございましたために、午後三時二十分ごろから七時五十分ごろまでこの救助にかかりましたわけでございます。そのために実に三十一名の方がそこでなくなり三十六名が負傷されるという非常な不幸な
状態になったわけでございます。ただいまその原因等についてはいろいろ地元でも調べておるようでございます。
今申し上げましたような各県の
被害に対しまして、それぞれ各県の警察は
災害警備本部を設置をいたしまして、延べ各県で三千八百六十八名の警察官を出動させまして、関係機関と緊密な連係のもとに、人命救助、避難誘導等に当たっておるという報告を受けております。
各県別の今日の午前十時までの
被害は別表に書いてございまするけれ
ども、冒頭にお断わりいたしましたように、和歌山、三重につきましては、ただいままだその
被害がふえつつある
状態ということでございますので、これに加えなければならないというふうに心配いたしておるところでございます。