○
藤田藤太郎君 少し私の
質問とはずれているように思うのですね。私の
質問をしているのは、治山工事については保安林その他によって水資源の培養をする
ための努力をしたい、私はそれを聞いているのではない。むしろ水資源を涵養する
ための努力をされることはけっこうなんです。しかし、できた水をどこで高度に
利用するかということが水資源の
利用、公団または促進法という格好で出てくるわけです。しかし、水だけは
利用するけれども、沿線の農地をどうして守るか、そうでしょう、沿線の農地をどうして守るのだということになってきたら、河川は
建設省でやる。あの水資源公団にしても
建設省が主体でやっているわけだが、京都の桂川の沿線の亀岡市なんかは雨が降ったら全部八〇%つかるのですよ、水が下へ流れないから。それを毎年繰り返しているのです。そういうことでいいんですかということです。私は今も水資源の審議に私は行ってきた。水をだから
利用しようとするなら、一番上の水資源の保安林涵養ですね、水を
ためる一番奥のところも必要だけれども、しかしその水が流れてくる沿線というものはこれはほとんど農地です。農地を守るということをしながら、その水を十分にその目的に
利用するということでなければ、水だけはそこへ持っていこう、しかし沿線の治山治水の問題については十分な
配慮がされてないということは、
農林省としてはどうなりますかということを私は言っている。
それからあなたは先ほど例がないと、私も三十四水のときに、滋賀県の日野川です、近江八幡の横を流れている川、この川の中の提防林はみんな民有林、植林がしてあって、竹やぶ、松林、茶畑、いろいろな植林がしてあって、大体、川幅百メートルから二百メートルくらいの川ですが、堤防がちゃんとある。しかし、流れているというのは十メートルか二十メートル、あとは全部楠林です。だから、雨が降って水がどっときたら、琵琶湖まで一キロか二キロしかなといころで全部切れてしまう、両側が切れているわけです。御存じないのかもしれませんが、私はそれで、これはいかぬと言って、三十四水の
水害対策の
委員会で、ここで議論をして、何とかいたしますと、早急にしなければなりませんという返事はよかったのだ。
建設省も
農林省もお聞きになっている。私は京都ですから、しょっちゅうあそこを汽車で通って、いつ直るかと思って楽みに見ているわけだけれども、もう同じことです。雨が降ったら両側が切れているのです。、だからあの
地域は何というか、切れ所と言うのです、
地方の言葉で。ここは切れ所だから嫁の来手がないと、こう言う。それは冗談じゃないですよ、ほんとうにあそこの川のふちに行ってごらんなさい、もう今は近江八幡市になっていますが、切れ所だから嫁の来手がない、雨が降ったら切れるというのです、堤防が。もうすぐ一キロか五百メートルか、せいぜい琵琶湖まで二、三キロですね、その間にぷすぷす両側が切れている。まん中を少し改修したら、あのくらいの水はすぱっと琵琶湖に筒抜けに入る。それが切れ所ということであの
地域はもうやむを得ない、ぶうぶうおこるだけでそのままである。こういうことがあったら、切れるたびに農地がみんないたむわけでしょう。これでいいのかどうかということです。私は最近も見ていますけれども、同じ
状態ですよ、これは直っておりません。これは
一つの私が見てきた例ですけれども、私はほかにもたくさんあると思うのです。天上川のところに雑草や何かがはえて水が切れる、こういう例が私はたくさんあると思うのです。これをなくしていくということになれば、
水害による農地の被害というものは相当
程度救われるのではないか、まあ京都の桂川は特殊なところですけれども、水資源との
関係で私は何とかそれをまずやるということで水資源を
利用しなさい、それでなければ
意味がないじゃないかと言ったら、今度の水資源は桂川の水はとらないで、琵琶湖の水と木津川の水だけをとることにしていますという
考え方です。まことにもって何といいますか、私はけしからぬ話だと思うのです。淀川は三本の川からなっている、
一つの川がまだできておりませんから二つの川から水をとります、桂川の水はこの
計画からとるようにはなっておりませんということを平気で言っている。そして三千万トンか五千万トンの雨が降ったらそこへ水がたまって農地が水にみんなつかってしまって、十時間も十五時間もかかってあの狭いところからぼつぼつ出て行って、
大阪や淀川の沿線の流量二千トンぐらいの水があそこにたまって、その農地がつかっているわけですね。まあ日本
全国のことですから、そんなところは目がつかぬのかもしらないけれども、それは
農林省としても十分な
配慮をして、水資源の
利用というものについてもっと真剣にならなければいかぬのじゃないか。これは雨が降ったら常時
災害です。手のつけようがありません。堤防が全部つかっておる。橋もつかっておる。ずっと一キロぐらいまでの間は湖です。橋も堤防も全部水の底であります、亀岡は。そういうことで、あわせて農地が全部つかって被害が起きている。三十五年度のときには私は
農林省に行って、農地の堆積土砂を何とかしてくれということを
お願いをして努力をしていただいたのですけれども、トラックにとにかく二万台も昨年の泥だけでたまっているという、どうするのだ。激甚地というものさしがあるときは、三十四災はいいけれども、昨年になるとどうにもならない。昨年は
昭和二十八年からだいぶ長いから資力はあるけれども、一昨年やられて昨年やられて、どうにも出しようがないといってお手上げしているという、こういう
状態もある。だから私は、水資源の
利用の問題や河川の改修の問題というものが、農地の
災害について二つの例を申し上げましたけれども、いかに重大な
関係を持っているかということは、
農林省は真剣に
考えていただいて、そうしてやはりできるだけ被害が少ないように
建設省との間に
処置をしてもらわなければ、私は非常に
災害の問題というのは根が尽きないんじゃないか。天竜川でもダムができた
ために、上のほうでものすごい水につかって困った。それは日本は狭いといっても、家がつかる
地域よりも農地のつかる
地域がうんと多い。これは生命線ですから、米、麦、農作地がつかってやられてしまうということは。だからその点は
農林省は重要な問題としてお
考えをいただかなければいかぬのじゃないか。例を二つ申し上げましたが、どうでございましょうか、そういうことをお気づきになっているのか、なっていないのですかね。