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北村暢君 大体わかったのですが、ただ、当座は四百名ぐらいで発足するが、将来、やはり吉野川なり筑後川なり木曽川
水系なり問題が出てくる。そうしますと、相当やはり人員がふくらむのじゃないか、こういうことをおっしゃられましたが、大体、私ども
促進法でもって、そういう
地域ばかりでなしに、比較的多
目的ダムとしてまだ
開発する余地のあるものは、それだけの問題ではない、全国的に見て、それだけではないと思います。したがって、継続してやっていかれる点については希望するものですが、しかし、限度があるでしょうから、問題は、私がお伺いしているのは、これはもう、必ずと言っていいくらい整理なり何なりの問題が出てくるわけです。
公団が解散するときの問題が出てきます。したがって、これは仕事が、今必要だからといって膨大に抱えてしまうというと、解散するときには非常に困難をきたすわけです。しかしながら、
事業が減っていくのに、膨大な人間を抱えておることはできない。これで必ず、人員の整理の問題に頭を悩ますわけですね。これは従来の
公団の経験からいって、そうなんです。
したがって私は、先ほどお伺いしておる将来の
公団の長い見通しというものをお伺いしたのですが、まあ、
事業がふくらむだろうから、人間がふえるだろうくらいのことではなしに、やはり今、話題にちょっと出ている程度の
水系における
開発が終わったならば、この
公団は解散するのか、あるいは
促進法が相当長い期間にわたって、しかも
公団というものの将来性というものが約束されるのかどうなのか、そうでないというと、そこへ行くものは、実際は身分的に不安なんですよ。五年、十年ならいいです。それぐらいの間なら、若干給与もよくなるから、進んで行く人もいるかもしれない。しかしながら、五年で終わって、それじゃ
建設省へ帰るというときに、引き取ってくれるのかどうか、身分上の問題が、必ずつきまとうわけでございますから、それで、しつこくお伺いしておるのですから、私は、この
公団を発足する場合に、必ずこの将来の身分というものも考えた中で運営していってもらいたい、これはもう当然のことで、大臣も考えておられるだろうと思うのですが、この点がありますから、実は
公団の規模や
事業の将来性というものをしつこくお伺いしておったわけです。
これは、あとからつけ加えて御答弁いただきたいと思いますが、次に、御質問申し上げたいのは、指定
水系が、
利根川と
淀川ということでございまするので、とりあえず
利根川の問題に関連をいたしまして、
農業的な
農業水利事業、こういうものに関連をしてお尋ねいたしたいと思うのでございますが、まず
利根川水域におきます、流域におきます農耕地の面積が、大体五十一万町歩
——五十一万ヘクタールというふうにいわれております。その流域の面積におきます農耕地の率は、今の五十一万町歩が、大体耕地率からいくというと三〇%に達しておる。そういう点からいって、日本の国土の一七%が農耕地でございますから、そういう点からいえば、
利根川における三〇%の農耕地というのは、全国的な規模からいっても、相当高い比率を示しているわけでございます。したがってこの
利根川の水
開発という問題と
農業利水というものは、私は切っても切れない縁を持っておる、このように思うのであります。
この半面、東
京都の上水あるいは
工業用水、千葉地区を含めて、そういう要求が非常に強く今日出てきて、この
開発促進法ということになっておる、このこともわかるのでございますが、今度の多
目的ダムの矢木沢
ダムなり下
久保ですか、それから園原、川俣
ダムが、大体多
目的ダムとして、これが直ちに
公団に引き継がれるかどうか知りませんけれども、そういう構想が、すでに調査等されておるわけですね。その灌漑面積を見ますというと、園原の場合はちょっとわかりませんが、この三つの
ダムの灌漑面積が、大体五万ヘクタール程度であるという
計画になっているようでございます。数字的には、あまりはっきりいたしませんけれども、私の調べたところでは、そういうようになっているようでございます。先ほど申し上げました耕地面積の五十万町歩のうち、約三十万町歩というものは畑地であるわけでございます。二十何万町歩が水田、こういうことになっておるわけです。しかもこの関東における
利根川水系における利水の
関係からいきまして、年々早魃にあうという問題が実は出ているのであります。それと、今申しました過半を占めるところの畑地というものは、今後相当灌漑を必要とする、こういうふうに思われるのであります。
ところが今申しましたように、この多
目的ダムの灌漑面積が約三つで五万町歩程度でございますから、まだまだこれは灌漑という点からいけば問題が出てくるのじゃないか、このように思われます。したがって多
目的ダムの点からいって、これらの
農業以外のほかの工業、上水道その他の用途もあるのでしょうが、これらの点からいくというと、まだ私は
利根川水域における
農業利水というものは非常に重要な問題を含んでおるのじゃないか、このように思うのです。
したがって、お伺いしたいのは、ここで
ダム建設がなされまして、
開発促進ということでいくのでありますけれども、この多
目的ダムということでもって、これが中心で仕事は終わるということになりますというと、灌漑面における他の恩恵を受けない点が、なおざりになってくるんじゃないかというふうに思われるのです。これは農林
関係からも御答弁いただきたいと思うのですが、そこで、この多
目的ダムができるために農林省の規模が、この
利根川水系における規模が、当然縮小される、こういうことが考えられます。そうしますというと一部のむので、これは終わってしまうんではないか、こういう
心配があるわけです。したがって、どちらかというと、今度の
開発促進というものは、電源なりあるいは
工業用水なり、こういうものに重点がいって、
農業開発という面においては、後退をするのではないか、こういう
心配があるのです。これはひが目かもしれませんけれども、そういう
心配がある。
これは、そういうことは一体、ないのかどうなのか、そういう面の総合的な
計画というものは、どのようになっておるのか、この点をひとつ、御説明いただきたいと思う。