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1961-12-08 第39回国会 参議院 外務委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十二月八日(金曜日)    午前十一時三十五分開会     —————————————   委員異動 十一月一日委員宮澤喜一君辞任につ き、その補欠として苫米地英俊君を議 長において指名した。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長            近藤 鶴代君    理事            木内 四郎君            森 元治郎君    委員            草葉 隆圓君            笹森 順造君            杉原 荒太君            苫米地英俊君            永野  護君            堀木 鎌三君            加藤シヅエ君            佐多 忠隆君            羽生 三七君            佐藤 尚武君   国務大臣       外務大臣 小坂善太郎君       国務大臣 三木 武夫君   事務局側       常任委員       会専門員 結城司郎次君   説明員    外務省アメリカ    局長      安藤 吉光君     —————————————   本日の会議に付した案件国際情勢等に関する調査  (国際情勢に関する件)     —————————————
  2. 近藤鶴代

    委員長近藤鶴代君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず委員異動について報告いたします。  去る十一月一日宮澤喜一委員が辞任され、その補欠として苫米地英俊委員が選任されました。     —————————————
  3. 近藤鶴代

    委員長近藤鶴代君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行なうことといたします。  御質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
  4. 森元治郎

    森元治郎君 外務大臣那珂湊の射爆場返還の問題についてお伺いをしたいと思います。もうこれは外務大臣もよく御存じの重大問題で、単なる行政協定に関する案件ではなくて、安保条約根本にも触れる問題でありますので、非常に重大だと思います。そして最近では茨城県の議会でも返還の決議をして、県民あげてすぐ返還してくれということで、まとまっておるわけです。  そこでまず第一に伺いたいのは、ごく最近の返還交渉段階がどこまで来ているか。日米合同委員会安藤局長向こうと話し合ったということが二、三日前にあったようですが、一番新しい段階の御説明を願います。
  5. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 最近の米側との交渉についてということでございますが、去る十二月五日の施設分科委員会において再度返還要求を行ないまして、それで御承知のように、米側代替地があれば返してもよろしいという意向を言っているわけですが、代替地条件でございますね、代替地条件緩和ということについてアメリカ側話し合いをするということでございます。なお詳しいことは合同委員会に出ておりますアメリカ局長から申し上げたほうが早いかと思います。
  6. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) ただいま外務大臣から御答弁のありましたのが概要でございます。御承知通り那珂湊の問題につきましては、従来より返還要求しておったわけであります。この施設提供及び返還というのは合同委員会の取りきめによりまして施設委員会で取り上げることになっております。施設委員会におきましては、やはり従来よりこの返還問題を取り上げておったのでありますが、今年のたしか四月だと記憶いたしておりますが、米側から一定の条件を備えた代替地があれば返還すると具体的に言ってきておるわけであります。その後いろいろそれについて調達庁のほうでも御努力になっていた次第でございますが、このたびは、ただいま外務大臣からも申し上げましたとおり、その返還の諸条件というものをもう少し考えてみよう、その上に立って双方協力して代替地を探そうというようなふうに話し合いが進んでいるように聞いております。
  7. 森元治郎

    森元治郎君 この問題はもうきのうきょうではない問題ですから、今までわれわれは政府に対して返還要求はここ三年来くらいやっているわけですが、代替地があれば考えてもいいと言ったのは今度が初めてですか。
  8. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) ただいま申し上げましたとおり、従来からも非公式にそういう話がありましたが、正式には本年のたしか四月だと記憶しておりますが、失礼いたしました。五月の二十三日の施設分科委員会におきまして、向こうから正式に、日本政府が適当な代替地提供するならば返還に応ずると言って参ったわけでございます。
  9. 森元治郎

    森元治郎君 こちらから返還要求をされたんですか、これは文書でされたんですか。
  10. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 施設委員会において口頭でやりましたと私は了解いたしますが、しかし施設委員会というのは合同委員会で、施設の問題について正式に審議する機関でございます。そこで申したわけでございます。
  11. 森元治郎

    森元治郎君 なぜ日米合同委員会代表である安藤さんとアメリカ側のほうとの高い段階で取り扱わないのですか。
  12. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 常時私たちは連絡いたしております。しかし合同委員会の取りきめによりまして施設委員会施設に関する問題、ことに返還とか提供の問題を特に審議するために施設委員会が設けられているわけでございます。もちろん合同委員会におきましても、たとえば水戸の、従来も誤投下事件がございました。その際にもそれに対して施設委員会いろいろ話をしているわけでございます。いや合同委員会でも取り上げて話をしているわけでございます。その際にもやはり代替地の問題に話がどうしても触れてくるというような関係でございます。
  13. 森元治郎

    森元治郎君 大臣、この問題はなかなか合同委員会段階では解決はむずかしいように思うので、政府はおそらく返還要求をしたと言うのですから、代替地の問題を考えない、とにかく返してくれという要求だったと思うのです。その点はどうなっていますか。条件付返還要求で返してくれと言ったのか、その点がはっきりしないんですが。調達庁あたりで何か文書向こうへ抗議をしたとも言っておるんですが、政府では文書で抗議したことがあるかどうか。それから返還要求の内容ですね。
  14. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 十二月五日に調達庁から正式に文書返還要求しております。御存じのとおり、返還要求いたしました際に、これは向こうは検討する義務があるわけでございます。したがいまして、向こう合意がありました上で返還というものが実現するわけであります。これに対しまして、向こうは、その際口頭ではございましたようですが、代替地があれば実は返還したいんだということを言っております。すなわち、向こうは、代替地がなければやはり返還はむずかしいというような態度でございまするが、その代替地ということに関しましては、先ほど外務大臣も申し述べられましたとおり、条件をもう少し緩和して、そして双方協力して至急具体的にひとつ進めたいというような話し合いが行なわれたように聞いております。
  15. 森元治郎

    森元治郎君 多分行政協定の二十六条の終わりのほうに、合同委員会でなかなか話が進まないのなら、その際は適当な経路を通じて話し合う。「適当な経路」というのは、調達庁長官施設関係ではなくして、私はやはり返還の強い要求外務大臣から大使を通ずるなりしてアメリカ政府に高い段階で申し入れるのがほんとうだろうと思うのだが、その措置はどうしてとらないのですか。これは大臣に。
  16. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 御承知のように、水戸演習場の問題は、地位協定の二条1項(a)、(b)ということで米軍提供された施設でございまして、この返還はこの二条第2項によって日米両国政府間の合意を必要としているということでありますので、したがって、合意を取りつける段階合同委員会があり、合同委員会の各施設委員会その他の部門がそれぞれあるわけで、その部門を通じて交渉しているわけです。そこで、その施設委員会において返還には応ずるということを米側も言い出したわけでございますところが、応ずるには応ずるけれども、これは五月の話でありますが、しかし、現在の那珂湊にかわるべき要件を備えたものが代替地として提供されなければ応じられない。すなわち、地位協定合意に達するわけにいかない、こう言っているわけであります。そこで、代替地条件を、まあこういう誤投下の問題がだんだん妙なことまで出てくるようになるとわれわれのほうとしては耐えがたいことだ、もっと条件緩和して、そして双方で努力して代替地を見つけようじゃないかという段階に現在きているわけでございますから、その話し合いをもっと進めていくということでやってみたいと思っておるわけであります。
  17. 森元治郎

    森元治郎君 とにかく私は、日本国民の一部である茨城県の地元の一致した意見、願いとしては、返してくれ、あぶなくて仕方がないということ、こういうことから出ているなら、代替地条件問題に、むずかしいところへ入らないように、まず返してもらい。しかる後に合同委員会でしかるべき代替地をやるということもやり得る道だと思うが、そのやる御意思はありませんか。
  18. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 従来は、誤投下があるからといって注意しますと、今度はターゲットを変えるとか、それから飛行機が入ってくる方向を変えるとか、そういうような調査でいいのじゃないか、できるだけそれをやってみるからまかしてくれ、こういう話があり、まかせたととろで、どうもそういうことはなかなかそう言いながらもまた別の事件が出てくる。ことに民家に銃弾が落ちるというような、思いもかけぬはなはだ困った問題が出てくるということでありますので、こういう状態になるなら、これはどうしても返してもらわにゃならぬ、こういうところへ来たわけでございますね。そこで、先方も、そう言われるならばひとつわれわれのほうも考えなくちゃならぬと思いますというところまで来たわけでございますが、ただし、ひとつ代替地をというのですが、代替地那珂湊のような条件を全部いわゆる演習地として持ったものは、なかなか日本の国内にそうざらにあるわけじゃない。だからその条件をやはり緩和してくれなければ、代替地があればと言うけれども、結局できないというのと同じになるじゃないかということで、条件緩和の話に話が来たわけでございますが、もう少しこれはまかしておいていただけますれば、私は何とかひとつそういう方向で解決できまするようにいくのではないかという希望を持っておりますが、私も公式の席上でそういう希望を持っていると言う以上は、もちろん私としてもできるだけのことをする、こういう前提で申し上げているわけでございます。
  19. 森元治郎

    森元治郎君 ただいまの希望を持っているという話は非常にうれしいんですが、相当信頼度を持っているというふうに了解してよろしゅうございますか。
  20. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) さようでございます。
  21. 森元治郎

    森元治郎君 しかし、話し合いですから、その間に演習でもやられたらまた同じことでまとまらないからその間はやるというのでは困るんだが、少なくも話し合い中は絶対にやらぬということを取りつけてもらいたいんだが、どういうふうになっていますか。
  22. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 返還問題につきましては、ただいま御説明いたしましたとおり、鋭意努力している次第でございます。ただしかし、実際問題といたしまして安保条約地位協定によりまして施設提供しておるわけでございます。したがって、その提供条件に応じました演習ということは、実際条約上の建前からは向こうとしてはやり得る権限があるわけでございます。今回の問題に関連いたしまして演習再開する期日はまだ確定いたしておりません。しかし、事故原因が明らかにされ、そうしてその事故防止措置が十分に講ぜられましたあとに無制限再開させないということは、条約の見地から見ますと、射撃場提供している条約立場からいってとり得ないという関係になっております。
  23. 森元治郎

    森元治郎君 そういう条約上の解釈も一応字づらからは受けるかもしらぬが、もっと大きい、要するに安保条約の前文にあるところの日米の友好の関係を強化していくんだというような観点から立つならば、現行条約でも演習について文句は言えると思うのですがね。単に行政協定文を読めばそうかもしらぬけれども、大前提から見れば、日本国民の安全を守るという、その日本国民の安全が守れない状態ができているんですから、それは演習中止すべきだということは、条約大前提、大趣旨からいって当然言えると思う。行政協定そのものを見ても、演習という文字もないし、ただ施設の使用というだけであって、空中においてどういうことをやるとか、爆弾を落っことすというこまかい規定はないですよ。ないんだから、それは当然言えるはずだ。私は、それで逃げるというのは、あまりに事務的というか弱過ぎると思うのだがね、どうですか。
  24. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) ごもっとものことなのでございまして、かつてもいろいろな事故がございました。そのときには、われわれこの事故防止というものに対して十分向こう注意を喚起して、あるいはその演習方法を変える。たとえば高度を変えるとか、あるいは飛行範囲を変えるとか、あるいは事故が起こらないようなふうに演習をやるように向こうに要請して、それが具現したこともございます。それからまた、御存じのとおり、海上にターゲットを作って事故が起こることを防ぐような措置もいたしました。また今度の事故に対しましても、たしか二十日に事故が起こりましたあと、二十一日に、施設委員会を通じて、向こう演習中止を申し入れております。それから私、合同委員会あるいは個人的にその他の席で会ったときにもるる事情を説明いたしまして、向こうの慎重なる考慮を要求しております。
  25. 森元治郎

    森元治郎君 演習中止要求したのはいつですか。
  26. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 十一月二十一日です。  それからもう一つこれにつけ加えさしていただきたいのは、演習事故発生原因調査ということを要求し、それから善処方要求したということでございまするが、二十二日に、米国の合同委員会代表プライス少将から私あての手紙が参りまして、それには遺憾の意を表明し、それから事故原因調査のため演習中止するとはっきり言ってきております。なお、適正な補償に応ずるための措置もとる、そういうようなことも二十二日付の手紙で言って参っております。
  27. 森元治郎

    森元治郎君 ただその際気になるのは、演習をやる以上はある程度の犠牲が伴うのはやむを得ないのだという意味のお言葉がついているのですね、那珂湊の市長なんかに対する回答を見ると。そういう、演習には犠牲が伴うのだというのじゃ、交渉がまとまるまで演習をぼんぼんやられて、また起こったのでは困るから、やはり演習はしないという確約を、もう一ぺん大きい確約はとれないものですか、今後とも一切演習はしないという。
  28. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) 今度の事故発生というものが、米軍の言うところによれば、実に偶発的な事故であり、百万分の二、三しかないような、実に珍しいというか、まれに見るケースで、まことに恐縮の至りである、これをよく事故を徹底的に調べて、そしてそれを防ぎ得る最大限の設備の改造とか、あるいは予防措置、予防的ないろいろな設備をするというように、自分たちは今努力しているという話でございます。私が先ほど申し上げましたとおり、事故発生原因が明らかにされて、その事故防止措置が十分講ぜられましたあとに、無制限にいつまでも再開はできないというようなことは、条約建前上からいってもできないことでございます。したがいまして、この点につきましては、これと並行いたしまして代替地の問題を早急に努力して解決していかなければならない、そういうふうに考えております。
  29. 森元治郎

    森元治郎君 こまかいことでなくて、大臣返還要求をしているのですから、返還要求には演習は許すという考えはないのだから、この際、演習中止、そして返還、こういう大原則で臨まれるお考えはありませんか。返還要求をしているのですから、返還要求をしているのに、片方で演習中止を要請しないというのはおかしい、返還されれば演習もできないのですから。
  30. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) まあ今アメリカ局長が申しましたように、この問題について関係各省いろいろ話をいたしまして、そして合同委員会を通じまして強く先方に遺憾の意を表したところ、先方もはなはだ恐縮いたしまして、十分その事故原因調査、あるいはかかる事故が再び発生しないように十分措置をするというようなことを言ったわけですけれども、先ほど申したように、もうこうなればどうしても返してもらいたいということを言っているわけです。そこでおっしゃるように、返還要求しているのだから演習再開ということはもう当然われわれは許す立場にないということなのじゃないかということも言えるわけでございましょうけれども、まあ向こうとの地位協定上は事故原因が明らかにされ、事故防止措置が講ぜられた後も無制限再開させないということは、この演習場提供している立場からいいますととり得る措置でないということであって、まあ演習再開の問題と代替地の問題とを相関連させないで、代替地選定というものは極力早く進めてそちらの方に移るようにする、こういうことを希望をしているわけであります。
  31. 森元治郎

    森元治郎君 事故原因調査もし、そしてあぶなくないような措置をとったあと、無制限演習をやめるということは言えないというと、それによってまた事故が起こったときには、これはやむを得ない、被害者はがまんしろ、こういうことになると思うのですが、被害者こそいいつらの皮で、政府がしっかりやることをやってくれないために、だれがけがしてもそれは黙ってくれ、がまんしてくれということになるのですか、これではちょっと返還交渉するという根本方針と少し違うようだが。
  32. 安藤吉光

    説明員安藤吉光君) そのような感情が地元等にあることは、私地元の方とも数回お会いいたしましてよく存じております。ごもっともな気持だと思います。ただ従来もいろいろありました限りでは、種々飛行方法等を変えましたけれども、今度の場合には非常にまれに見る事故でございました。それについては徹底的な調査をして、それから徹底的な予防的な装置を改造して、そして二度と起こらないというような状態においてやるというときに、無制限にやはりこれを中止させるということは、基地提供している建前からちょっと言い得ない立場にあるのじゃないかと思います。  それから先ほどから申しますとおり、その基地がその他の理由によりましても、あそこの場所にあるということが適当でないということは、私たちのみならず、米側も十分にわかっておってくれるはずでございます。したがいまして代替地選定というものに対しては従来以上に鋭意努力するという方向で今やっておる次第でございます。
  33. 森元治郎

    森元治郎君 それでは、この返還要求をしたのだから、返還されたあとのことをちょっと伺っておきたいのだが返還されたあとはどうするかという腹組み政府は当然持っておられるはずだと思うのだが、どういうふうにします、この地域を。
  34. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 返還されたあとの問題については、外務大臣としてよりも、関係大臣の間において当然考えるべきものであると思いますが、要するにわれわれは演習場としては日本返還されたい、こういうことを言っておるわけでございます。
  35. 森元治郎

    森元治郎君 防衛庁長官もいないのでちょっと質問ができないのだが、外務大臣、もう一ぺん……これを向こうから返還をしてもらって日本の防衛のほうに、防衛庁関係の飛行場に使う、あるいは軍関係のものに使うということでは、返還を熱望する県民の気持に合わないのですが、その点はどうですか。
  36. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) まあ米軍演習場としては不適当だと思うから返還してくれ、こう言っているわけでございます。あとのことは、今おっしゃったようなことは、特別に私も防衛庁長官から話を聞いておりませんけれども、それぞれ関係所管大臣の間で協議されて決定されるものと、かように思います。今私、この場でそれを申し上げることはちょっと準備もできておりませんのでいかがかと思う次第であります。
  37. 森元治郎

    森元治郎君 防衛庁長官は……。
  38. 近藤鶴代

    委員長近藤鶴代君) ちょっと速記をとめて下さい。   〔速記中止
  39. 近藤鶴代

    委員長近藤鶴代君) 速記をつけて。
  40. 森元治郎

    森元治郎君 返還後の措置については、やはりこれは地元希望どおり防衛庁関係演習場爆撃場などに使わず、地元の平和的な産業の発展にこれを開放するという気持でやってもらいたいと思いますが、大臣、もう一ぺんその点……。
  41. 小坂善太郎

    国務大臣小坂善太郎君) 先ほど申し上げたように、私も関係大臣とまだそのあとのことについては十分打ち合わせをしておりませんので、ここで卒然として申し上げることは少し私自身として早計なような感じがするのでございますが、ただ、ただいまの森さんの御希望は私は十分承りまして、私の立場から善処し得る点は極力善処したいというふうに考えております。
  42. 森元治郎

    森元治郎君 三木さんに伺いますが、今那珂湊の話をしているのですが、科学技術庁長官としてはこの那珂湊の射爆場返還は早いほうがいいと思うのだが、長官として相当強く要求されておりますか。
  43. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) これは御承知のように原子力施設が近くにあるものですから、非常に返還の最も熱心な推進者の一人なんです。そしてこれは窓口の防衛庁長官に数回にわたって、やはりこれを推進してもらいたいということを申しておるわけで、お尋ねの熱心に推進をいたしておる一人でございます。
  44. 森元治郎

    森元治郎君 この返還後の措置はどういうふうに長官考えておるか。
  45. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) 私は、この間のようなああいう事件もございまして、返還の見通しは明るいと考えております。
  46. 森元治郎

    森元治郎君 たいへん自信たっぷりだけれども、どういう理由で明るいか。
  47. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それは明るいと申しましたのは、非常に強い日本側のこういう希望があり、またそういう場合にアメリカもああいう射爆場が必要でしょう。そういうことをやる場所についても政府がいろいろ考えておるようですから、そういうことでかなり今回の場合は話し合いが具体化していくものと私は見ておる。
  48. 森元治郎

    森元治郎君 とにかく地元としては演習場再開はもう地元としては返還要求、請願でありますから、演習中止ということは、もちろん当然これは今後とも一切やらぬということを含んでいるわけですね。地元としては返還してくれというのです。
  49. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) それは地元希望でしょう。
  50. 森元治郎

    森元治郎君 ところが地元にいるアメリカの兵隊さんたちの話を聞くと、原子力の研究所のそばにあってもあぶなくないのだという説明をいろいろ専門用語を使って説明しているのですが、その点は、ああいう施設のわきにあって、何か事故が、飛行機が墜落したり、誤投があった場合に決して心配ないのかどうか。
  51. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) アメリカ側としても非常に細心の注意をしているようでございますし、そういうことで原子力のいろいろな施設にそういうことが起こらないであろうとは考えておりますが、しかし、絶対かといいますと、絶対というような言葉はなかなか申しにくい。そういうことで、できる限り早く返還が実現することが好ましいと考えておるわけです。
  52. 森元治郎

    森元治郎君 専門家として絶対にないということは言えないでしょうね。
  53. 三木武夫

    国務大臣三木武夫君) そうです。
  54. 森元治郎

    森元治郎君 ありがとうございました。
  55. 近藤鶴代

    委員長近藤鶴代君) 他に御質疑のおありの方はございませんか。  それでは本日はこれにて散会いたします。    午後零時十分散会