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国務大臣(池田勇人君) お答えを申し上げます。
質問が多岐にわたり、また、専門的の事柄もございますので、極力私からお答えいたしまするが、足りないところは
関係大臣より答えさせます。また、お答え漏れの点があれば、再
質問でお答えすることにいたします。
まず第一、
災害対策の問題でございます。お話の
通り、戦後におきましても
戦前に劣らない災害が起こることはまことに遺憾でございます。お話のような
原因によることも私は存じております。従って、御
承知の
通り、治山治水緊急
措置法によって十カ年
計画を
立てて、その方向に向かって進んでおるのであります。また、本国会におきましても、防災行政の整備をはかりますために
災害対策基本法を御審議願いまして、そうして万全の
措置を講じたいと思います。予算におきましても十カ年、一兆円余りを
考えております。私は、このことは
経済の成長をしながら、随時防災
対策を推し進めていきたい
考えであるのでございまして、
経済の成長と防災とは、何らちぐはぐになるのではございません。一緒に進むべき問題であるのでございます。(
拍手)
次に、
外交についてのお話でございます。私は、今の
政治は
内外ほんとうに
難局だと思います。ことに、国際
関係におきましては、御
承知の
通りでございます。私は昨日も申し上げました。ほんとうに四
大国を初め
国連加盟の九十九カ国が、真剣に
世界の平和について考うべきときがきたのであります。お話の
日本が米国に
追随するというようなことでございますが、決してそうはいたしておりません。私は、
日本の
考えておる自由民主主義の建前で、主義を同じにしておる
アメリカあるいは
西欧諸国と話し合いで進み、また、主義は変わっておっても、共産系の国とも今後友好
関係を続けていくという基本には変わりないのであります。しこうして、
日本は地理的に申しましても、また各方面から申しましても、自由
国家群の一員でありますが、また、AA諸国とも特別の
関係があるのであります。従いまして、私は、自由
国家群の一員であると同時に、AA諸国とも手をつないでいきたい。(
拍手)
しからば、ビゼルトの問題についてお話がございますから、お答え申し上げます。もともとビゼルトの問題は、フランスとチュニジアとの間におきまして、両国間で一応の話ができておるのであります。それが、いろいろな
関係でああいう事変が起こりました。従って、われわれとしては、少なくとも
日本政府としては、このチュニジアとフランスとの間のあの協定によって、合議でいくべきが本筋であると
考えます。従いまして、AA諸国のうちにはいろいろな考慮からあの特別決議に参加されましたでしょうが、
日本はそういう両国間の話し合いでけりをつけるべき問題だと
考えましたから、あえて入らなかったのであります。(
拍手)結果を見ましても、特別決議はございましたが、ビゼルトの問題はその後両国間で話し合いが進んで、平和裏に解決できつつあるのであります。私はあのときの
日本の
立場を妥当であったと
考えておるのであります。(
拍手)決してAA諸国から離れてあるのではございません。
日本は
日本独自の
考えでかくすることがいいと
考えたわけでございます。(
拍手)
次に、ベルグラード市におけるいわゆる
中立国
会議と申しますか、
中立政策の国と申しますか、
中立国の
国々と申しますか、お集まりになりまして、いろいろお話をなさいました。この
世界の
戦争防止のために
東西が交渉しなければならぬ、話し合いで解決すべきだということと、
核兵器の問題はもちろん、
全面軍縮に対しまして、いわゆる
中立主義国の方々のお話は、これは
中立主義で立っておるからというための決議じゃございません。われわれ
日本人といたしましても、
東西の話し合いによって
世界の平和を維持しよう、そうして
全面軍縮をしようというのは、自由
国家群の一員であるわれわれも大賛成でございます。(
拍手)
次に、
ベルリン問題でございますが、これは成田さんもなかなかむずかしい問題だとお思いになっておると思います。
核兵器の
実験再開の問題も、
ベルリンと東独の問題から起こってきたと私は推察するのでございますが、一九五八年十一月以来、
核兵器の実験が禁止され、そうして
ベルリン問題も一時平穏になったかと思ったのでございますが、どういう
関係か突如として起こってきたのであります。私はこの問題につきましては、
アメリカ大統領とも、ディーフェンベーカー・カナダ首相とも十分論議いたしました。しかし、いずれにいたしましても、これは四カ国がまず話し合いで暖かい
戦争にならないように、ほんとうに
ドイツ国民の希望するがごとく、熱い
戦争にならないようにやらなければいかぬ。話し合いを私はケネディ大統領にも強く要求したのであります。私は、この問題につきましては、今の情勢では極力話し合いで不幸な
事態の起こらないように進んでいくことを希望し、今の情勢ではその希望がだんだん実現するのではないかと想像される節もあるのであります。しかし、想像は、いずれにいたしましても、とにかく
ベルリン問題は十分話し合って、
ドイツ国民も満足し、また、
世界の人がみんなこれで適当だという結論が出ることを希望してやみません。(
拍手)
核実験の問題は、昨日申し上げましたごとく、私は、絶対に核保有国諸国は実験停止協定を結ぶべきものだと強く主張いたしたいのでございます。
その次の
中国代表権問題でございまするが、
中国問題について、
うしろ向きになった、あるいは世間では横向きになったといわれておりまするが、私は、何も変わったのでありません。
中国の問題につきましては、組閣以来、自分のみならず、
民間の識見のある方々にお集まりをいただきまして、十分検討いたしましたが、なかなかむずかしいというのが結論であるのであります。(
拍手)しかし、なかなかむずかしい問題でございまするが、われわれとしては、いつまでもほっとくわけには参りません。従って、
池田内閣になって変わったことがありとすれば、今まではたな上げ論にわれわれは賛成しておりましたが、
池田内閣はたな上げ論には賛成いたしません。この問題を
国連で十分討議するようにわれわれは希望し、話し合いをしたのであります。これだけ中共問題につきましては変わってきたということを申し上げておきたいと思います。(
拍手)
なお、
国連におきましてこの問題を討議する場合に、重要問題とするかしないかという問題につきましては、とれまた
国連の加盟の方々が十分これから論議せられることであると思います。私は、その問題は、いずれにいたしましても、
日本に対しては大へん重要な問題でありますので、
国連におきましても、
日本はこの問題について十分われわれの
考えを発言する
考えでおるのであります。
なお、二つの
中国のにおいがしないかというお話でございまするが、そんなことはないのでございます。われわれは、この問題は、先ほど申し上げておるように、十分
国連で討議せられまして、
世界の人が納得のできるような方法で解決してもらいたい。大体二つの
中国につきましては、中華民国もあるいは中共
政権も絶対
反対と言っておるではございませんか。われわれが、第三国がこんな問題で結論を出すということは、私は、
外交上下手なやり方で、やるべきでないと
考えております。(
拍手)
次に、日韓問題でございますが、
韓国におきまして
朴政権が成立いたしました。われわれは、この
朴政権がどういう
態度で出られるかと見ておったのでございますが、できるだけ早い
機会に文官
政治に返す、われわれは不正を粛正するためにやったのだと言っておられるのであります。その後
韓国の
事態もだんだん落ちついて参りまして、われわれと日韓
関係についての交渉を始めたらどうかという機運になっております。私は、
日本と
韓国との従来からの
関係、また、将来も離るべからざる
関係でございますので、日韓
関係の交渉を進めて参りたいと思います。あくまで昔のことにとらわれず、ほんとうに両国が仲よくし、東洋の平和、
世界の平和に貢献するような方向でわれわれは進んでいきたいと思います。(
拍手)
なお、
沖繩問題につきましてケネディ大統領と
一つも話をしなかったと言われますが、これは大へんなドグマでございます。それはおやめ願いたいと思います。十分話をいたしました。ただ、今の場合におきまして、
沖繩の
施政権を直ちに返すというわけにはいかないと向こうは言うのであります。われわれは、なるべく早く返して下さいと言っております。ただそれだけで話をやめることはよくございませんので、問題になっておりました
沖繩の官庁に日章旗を上げることを認めさすのみならず、多年の懸案であった日章旗の問題を片づけると同時に、われわれは、
沖繩住民に対しましても、内地の方々とあまり劣らない、できるだけ一緒な、あたたかい手を伸ばしていきたい。二、三年来できるだけのことをいたしておりまするが、今後ますます内地との
関係等を
考えて、
沖繩住民の社会福祉その他生活の安定、向上に努力したいから、
アメリカもそのつもりでやってくれというので、
アメリカも了承いたしまして、日米琉の
会談を開くことになったのであります。これは発表いたしました。
施政権の問題は、十分話をいたしました。今のところ物別れでありますが、
沖繩問題について一切話をしなかったということは大へんな
誤りでございまするから、御了承願いたいと思います。(
拍手)
次に、
経済問題でございまするが、責任をとるかとらぬか、そうして、今の状況を数字的にお話ししろと申されますが、本
会議でございまして、資料を私持っておりませんから、数字が誤るかもわかりませんが、——誤った数字ならば別の
機会に訂正いたしますが、私が十年以内に所得倍増を
計画いたしまして、そうして、十年で倍増するのには、年に七・二%でいけば十年で倍増でございます。これは
物価が安定しておるとして。(「
物価は上がっておるじゃないか」と呼ぶ者あり)今前提の話は、
物価が安定しておるとして七・二%。しかるところ、私が九・二%という当初の三年間の
計画を
立てましたのは、以前にも申し上げましたごとく、
昭和三十七年、八年、九年には、新規労働人口が今までのものよりも倍近くも出るのであります。従いまして、三十六年度から少しテンポを三年間早めていかなければならぬというので、九・二%を三年間、大体これでいこうという
計画を
立てた。しこうして、そのときの九・二%の
計画は、三十五年度の
国民総生産を十三兆六千億と計算して、九・二%を出したのであります。十三兆六千億として九・二%でいきますと、三十八年におきましては十七兆六千億になりますと、こう申し上げておる。これで自由民主党も、あのときの
内閣も、九%の三年間、とりあえずこれを出したのであります。そこで三十五年度の
国民総生産を十三兆六千億と見ましたところが、その十三兆六千億が、あにはからんや十四兆五千億になったのであります。そうしますと、あなたが九・七%と今おっしゃったのは、三十五年度の所得を十四兆五千億として十六兆数千億と見ると、九・八%、一〇%になります。しかし、われわれが九・二%をはじき出した当初の十三兆六千億を基準にいたしますと、今年の見込み十六兆数千億というのは、昨日、
財政演説で申し上げましたごとく、九・二%でなしに、正確に申しますと、約一七%余、こうやっておるのです。だからその点をお
考え下されば、
日本の
経済の伸び率がいかに強かったかということを表わすのでございます。そこで十三兆六千億から十四兆五千億にまでなった。そうすると、将来九・二%をこの上とも続けていったならば、十七兆六千億というのが、
物価高を入れますと十九兆ばかりになる。それはいかぬから、この辺である程度——
経済膨張の
原因が設備増強にありますので、設備増強は押えてもらいたいということは、前の国会の中ごろ過ぎから、私は
機会あるごとに言っております。速記録をごらんになれば載っていることは確かでございます。
そこで私は今後の
経済の
見通しということについて申し上げまするが、これからはほんとの
見通しで、まだそろばんその他を入れておりませんが、大体十三兆六千億が十四兆五千億、そうして三十六年度が十六兆数千億になった、いわゆる予定よりも一七%も上に上がった場合において、この十六兆数千億というものを九・二%でいくべきかどうかということにつきましては疑問があるのであります。そこで今後、初めの
計画の
昭和三十八年度に十七兆六千億でいっていいんだということになれば、今年に対して来年度、再来年度の成長率というものは、九%じゃございません。七%も要りません。六%も要りますまい。大体十六兆数千億の目標とすれば、三十八年度の十七兆六千億には五%程度で達するのじゃありますまいか。
そこで申し上げたい。今年度の見込みの十六兆数千億というのが、ただいまの
財政金融政策の結果、ことに緊急
政策の結果、今年度どうなるかということにつきましても、まだ今年度は半分残っております。六カ月以上残っております。そうしてああいう
措置をとりましたから、本年度どのくらいになるかということはこの緊急
対策、いろいろな
措置を見なければできませんので、十六兆数千億と正確な数字は言っていないのであります。この正確な数字がだんだんわかるようになってきまして、そうして
日本の
経済の動きがだんだん正常化してきましたときには、私は当初の十七兆六千億でいいか、あるいはもっと進んで十八兆あるいは十八兆数千億にいくか、その点をきめたいのであります。いずれにいたしましても、過去一年の間の計算はわれわれの計算よりも進み過ぎておりました。この点で私が
誤りだったというのだったならば、あやまりを申し上げても何ら差しつかえない。私はあやまってもいい。われわれの
見通しはこうだったんだが
国民の非常な努力で生産が上がった、そうして
自由化を控えて準備をしたためにこれだけ上がりました、こういう事例が出てきた。(
拍手)それについて池田は
見通しを誤ったというならば、
誤りましたと言ってよろしゅうございます。ただ私は、あやまりますが、
日本の
経済はどんどん伸びていっておりますから、その伸び方を正常化するために
措置をとったのであって、根本の
所得倍増計画というものは絶対に正しかった、正しいものであるようにすることを断言いたしたいと思います。(
拍手)
これで大体お話しできたと思いますが、その間におきまして、昨日来申し上げておりますように、
中小企業対策につきましては、これは
貿易の
自由化とか、
金融の引き締めのあるなしにかかわらず、常にわれわれは
考えておるのであります。従って七月の
公定歩合の
引き上げにつきましても、特に日銀総裁には
中小企業に対しての金利
引き上げを見合わすか、あるいはその影響の少ないようにお願いしたのであります。また、昨日の
公定歩合の
引き上げにつきましても、私は大蔵大臣を通じて、
中小企業の金利は絶対に上げないようにしてもらいたい。
中小企業の
金融は三百万円ということになっておると言いますから、それはいかない、三百万円ではいけません。それが
中小企業であるならば一千万円であっても千五百万円であっても、できるだけ上げないように努力することを
銀行で申し合わせるよう、大蔵大臣を通じて強く要求いたしております。この点はあとから大蔵大臣がそうだと答えてくれると思います。
かくいたしまして、私は、金利の
引き上げが
中小企業に重大な影響を与えないように、極力制度上努めると同時に、
金融難を緩和するために、昨日大蔵大臣が申し上げましたように、三百五十億を
融資し、また、オペレーションで二百億をやります。しかし、これで今年度の
中小企業対策が済んだというわけではございません。われわれはできるだけ実態に沿うように、今後この緊急
措置をやりました影響につきまして、結果を見ながら
中小企業には万全の
措置をとることをここではっきり申し上げておきます。(
拍手)
国際収支の問題でございますが、為替・
貿易の
自由化と、そうして緊急
措置とは
矛盾しているじゃないか、こういうお話でございます。これは
矛盾していると言われればそれだけでございますが、それを
矛盾しないようにするのが緊急
措置のねらいであり、
自由化のねらいであります。(
拍手)物事を同時に合わして簡単に片づける問題ではございません。
貿易・為替の
自由化は
世界の大勢でありまして、
日本の
経済を高度成長にするためには、ぜひとも早くやらなければならぬ重大使命でございます。これはあくまでやっていかなければなりません。しこうして、
金融その他の緊急
措置は、私は今の一時的のひずみを早く直そうというのでございまして、決して
矛盾するのじゃございません。そこに苦労があり、そこに苦労のしがいがあるということを申し上げておきたいと思います。(
拍手)
また、ケネディとの
会談で、
貿易自由化の問題は、この二人の間では
一つも出ませんでした。ただ、問題は、OEECに英国並びに英連邦が加入することにつきましての二人の間の議論はいたしました。しかし、ケネディに押しつけられてどうこうというのではございません。
貿易・為替の
自由化は、かつて私が通産大臣のときに強引に推し進めた張本人でございますから、私はケネディの言うことなんかを聞いてやっているのではないことをはっきり申し上げておきます。
次に、
財政問題でございまするが、この問題につきましての当初のお話、
民間給与にはねっ返るから、公務員給与を上げないようにという議論は、私はしたことはございません。われわれはたびたび申し上げますように、公務員の給与は
民間ベースに調子を合わせていくという法制の建前になっております。それによってやっておるのであります。そうしてまた今がインフレだから、給与の
引き上げが必要だとおっしゃっておりまするが、この議論には私は賛成しかねます。今はインフレじゃございません。消費
物価の少しぐらい上がることによってインフレということにつきましては私は異論があります。
それから
国民消費比率の問題を言っておられます。
日本の
国民消費の比率はだんだん上がっていっております。ただ問題は
実質——比例から申し上げますと下がっておりましょう。しかし、
国民の消費はだんだん——それはなぜこうなったかと申しますと、また数字を言ってごまかすと言われるかもしれませんが、数字を申し上げます。
国民総生産に対しまして
国民消費の一番多い国はどこかといったらイギリスでございます。
国民総生産に対して七〇%をずっと続けております。それから先進国で申し上げますが、その次は
アメリカ合衆国とフランスとイタリアでございます。大体総生産に対して
国民消費は六五%前後をずっと続けていっております。その次は
ドイツでございますり
ドイツは
国民総生産に対して、私の記憶では五七、八%だったと思います。あとから見て間違ったら指摘していただきたいと思います。しこうして、
日本の
国民消費は、
昭和三十年ごろは五七、八%、あなたのお話の
通りでございます。しかるに、最近におきましては、非常に生産が伸びて、
国民消費がおくれたために、
昭和三十五年の上半期では五二、三%に落ちております。これはその
通り。そこで、生産のどんどん伸びる国と生産の伸びない国はどこに違いがあるか。
設備投資と
国民消費と合わしたならば、どう
考えられるかというと、各国とも大体同じ。イギリスは個人消費が多くて
設備投資が少ない。西独は相当の
設備投資をしまするから、フランス、イタリアほど
国民消費がいかぬ。
日本は
設備投資をうんとやるから、
国民消費が率としては低くなる。そこで五三%、四%がいいか、六〇%がいいかということは、国の伸びる力の状況で
考えていくべきであります。(
拍手)だからイギリス流に
国民消費をどんどん上げていったならば、非常なデフレ
政策で、賃金ストップ、増税二%の
引き上げというふうになりまするから、私はなかなかイギリスの
通りにはやらないのであります。(
拍手)
次に、米の統制撤廃でございまするが、私は、
さきの国会で申し上げましたごとく、米の直接統制を撤廃する
考えはございません。ただ、いろいろな事情の変化によって、米の統制を堅持しながら、
国民の好くようなやり方を
考え出すことが
政治の進歩でございます。(
拍手)原則を
立てながら、いい方法があるかどうかと
国民にお聞きして、りっぱな
判断を出すということは、民主主義の根本じゃございますまいか。(
拍手)どうぞあなた方にもどしどし議論を出していただく、その意味におきまして私は河野農林大臣が適当な
機会に御返事申し上げるだろうと思うのであります。(
拍手)
また、来年の成長率の問題につきましては、先ほど答えたところで御了承を願いたいと思います。
また、来年度の自然増収四千五百億円と言われますが、今、緊急
措置以来いろいろな仕事をやっておりますので、私はその自然増収四千五百億円をコミットするわけではありませんが、とにかく相当の増収があることは見込まれます。しかる場合におきましては、私は
財政経済政策につきましては常に言っておりますように、減税もしましょうし、社会保障制度も拡充強化しましょうし、そうして
日本の
経済の基盤もよくしていく、この三つの柱は、池田が組閣いたしまして以来の基本の
財政方針でございます。(
拍手)私は
財政経済政策について全責任を持っておる。ほんとうに責任を持てと言われれば責任を持っております。悪ければいつでも改めますが、私は根本は改める必要はない。あの方法で行くのだ。ただ、ときどき起こる事象につきましては、
国民の声を聞きながら、これを直していくということが民主
政治の根本でございますから、責任をとってやめろという世論が
立てばやめますが、まだまだそこまでいきませんから、一生懸命に
経済再建、所得倍増に邁進することをここではっきり申し上げます。(
拍手)
なお、武州鉄道の問題につきましては、ほんとうにお話のように、まことにいやな問題でございます。私は、組閣以来、
政治の姿を正し、こういうことの起こらないように努めて参りました。しかし、事が起こった場合はいたし方がございません。今後二度と繰り返さないようにすると同時に、この問題は、あくまで法務当局の厳正な
調査に待って結論を出すべきだと思います。(
拍手)
〔
国務大臣藤山愛一郎君登壇〕