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1961-12-07 第39回国会 衆議院 農林水産委員会 第20号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年十二月七日(木曜日) 午前十時五十分
開議
出席委員
委員長
野原
正勝
君
理事
秋山
利恭
君
理事
小山
長規
君
理事
田口長治郎
君
理事
丹羽
兵助
君
理事
山中
貞則
君
理事
石田
宥全君
理事
角屋堅次郎
君
理事
芳賀 貢君
安倍晋太郎
君 飯塚 定輔君
大野
市郎
君 仮谷 忠男君 小枝 一雄君 坂田 英一君 谷垣 專一君 内藤 隆君 中山 榮一君
藤田
義光
君 本名 武君 松浦
東介
君 米山 恒治君
足鹿
覺君 北山
愛郎
君 東海林 稔君 中澤 茂一君
楢崎弥之助
君 西村
関一
君 山田
長司
君 湯山 勇君 玉置 一徳君
委員外
の
出席者
農林事務官
(
大臣官房総務
課長)
石田
朗君
農林事務官
(
振興局長
) 齋藤 誠君
農林事務官
(
振興局参事
官) 橘 武夫君
食糧庁長官
安田善一郎
君
農林事務官
(
食糧庁業務
第 二
部長
) 中西 一郎君 農 林 技 官
田村
金一
君 専 門 員 岩隈 博君
—————————————
十二月一日
委員藤田義光
君
辞任
につき、その
補欠
として高
橋等
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員高橋等
君
辞任
につき、その
補欠
として
藤田
義光
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
農林水産業
の
振興
に関する件(
甘味資源
問題、
大豆価格問題等
)
てん菜栽培等
の
実情
に関し
派遣委員
より
報告聴
取 ————◇—————
野原正勝
1
○
野原委員長
これより
会議
を開きます。 去る十一月九日の
委員会
において
大野市郎
君の
理事辞任
の件をお諮りいたしました際に、自由民主党から
理事大野市郎
君の
理事辞任
の件について
申し出
がありました旨を
委員長
から申し上げたのでありますが、
理専大野市朗
君から
辞任
の
申し出
があったと訂正いたしたいと存じます。右御了承願います。 ————◇—————
野原正勝
2
○
野原委員長
てん菜栽培等
の
実情調査
のため過
日本委員会
より
現地
に
委員
を派遣いたしましたが、この際
派遣委員
より
報告
を聴取することにいたします。
丹羽兵助
君。
丹羽兵助
3
○丹羽(兵)
委員
去る十一月十二日から十八日まで閉会中の
国政調査派遣委員
として、
岡山
、
大分
、
熊本
、
福岡
及び
長崎
の五県にわたり、
暖地
における
ビート栽培事情
を
中心
に各地の
農業事情
について
調査
を行ないましたので、この際その
報告
を申し上げます。
報告
の内容といたしましては、今回の
調査
の主目的であります
暖地
における
ビート
及び
ビート糖業
の
振興
問題に重点を置き、その
調査
結果の概要を申し上げ、次に本件以外の
調査事項
について簡単に触れることといたします。 以上ご了承いただきまして、まず
暖地
における
ビート
及び
ビート糖業
の
振興
問題について申し上げたいと思うのでありますが、本論に入るに先だち、われわれが本件について特に
現地調査
を行なうに至った経緯と目的について簡単に申し上げることといたします。 わが国における
ビート
の
栽培
は従来
北海道
に限定されておりましたことはあらためて申し上げるまでもないことでありまするが、近年、
水稲早期栽培
の
あと作対策
、大・はだか麦の
転換対策
、
畑作改善対策
あるいは
有害営農確立
上における
飼料自給度
の
向上対策
、
国内甘味資源自給度
の
向上対策等
の
国家的要請
を背景として、
暖地
における
ビート導入
の気運がとみに醸成され、これにこたえ、
昭和
三十年ごろから
暖地各地
の
農業試験場
を
中心
に本格的な
試験研究
が始められ、その後
試作
の
段階
を経て、今日では、すでに二、三の県において
企業化
を前提とした
工場
の建設が行なわれ、いよいよ本格的な
ビート
の
栽培奨励
が行なわれるという
段階
に相なっているわけであります。しかして、このような
客観情勢
の推移に対応し、
農林省
としても、
暖地
における
ビート導入
及び
製糖事業
の育成に関する
基本方針
を決定する必要を認め、かねてから
日本てん菜振興会等
を通ずる
品種試験
や
栽培技術
の
研究
を進めるとともに、あわせて
農業経営
あるいは
ビート糖企業化
に伴う
経済
上の諸問題の検討に着手し、本年度に入っては特に二回にわたり
暖地ビート栽培
の
先進国
である
イタリア
に
調査団
を派遣する等、事態の処理にあたってはきわめて慎重な態度を持しつつも、漸次木腰を入れた
調査研究
の体制をもって
対策
の樹立にあたっているのであります。当
委員会
といたしましても、
暖地
における
ビート
の
導入
が
営農
の改善や
農業生産
の
選択的拡大等農政
の伸展の上に大きな意義を持つとともに、
国内
の
甘味資源
の
自給度向上
のみ地からも重要な課題であるので、その本格的な
導入
の可否について的確な見通しを得べく、さきに
甘味資源
に関する
調査小委員会
を設け、鋭意
調査
を進めて参ったのでありまするが、たまたま、
時限法
たる
てん菜生産振興臨時措置法
が明年三月末日をもって失効することと相なっており、次の
通常国会
においては、その時限延長問題と関連して、
暖地ビート
に関しどのような
対策
を購ずべきかを具体的に決定する時期が近まり、ここに当
委員会
としてこれが審議の参考に資するため
現地調査
を行なうこととせられたのであります。 以上
調査
の趣旨について申し上げましたが、この趣旨に従い、われわれは、
暖地ビート栽培
の
先進地域
である
岡山
、
大分
、熊木の三県下の
実情
を
調査
したのであります。われわれは、これらの各県において、
県当局
、
試験研究機関
、
製糖企業者
、
ビート栽培農民等
、でき得るだけ広い範囲の人々から時間の許す限り詳細に
事情
を聴取することとし、
岡山
県では、
県立岡山農業試験場
、
横浜精糖株式会社岡山事業所
及び賀茂町
大勝地区
における
栽培現地
、
大分
県では、
県立大分農業試験場
、
新光甜菜糖株式会社大分事業所
及び鶴崎市
新田地区
における
栽培現地
、
熊本
県では、
日本てん菜振興会てん菜研究所支所
及び
三楽酒造株式会社
八代
工場等
を
調査
の対象に取り上げることといたしました。 申し上げるまでもなく、これらの三県は、いち早く、
てん菜
の
導入
が
農業経営
にもたらす影響に着目し、
県当局
を
中心
に、
試験研究機関
、
農業団体
、
農民
、
製糖企業者等
が一体となって
暖地ビート導入
をめぐる
問題点
の解決に当たっており、いわばこの道の
先駆者
として、数年間にわたる
試験研究
、
試作
の
段階
を経、いよいよ
普及態勢
に入ろうとしており、一方、また、
岡山
、
大分
両県には
民間資本
による本格的な操業を目ざしての
企業化
を前提とした
原料処理能力
六百トンの
工場
もそれぞれ建設されておるのであります。われわれといたしましては、本問題に関し、種々の角度から視察、
調査
を行なうことができ、啓発されるところも多かったのでありますが、時間の都合もありますので、詳細にわたる
報告
はこの際割愛させていただき、今回の
調査
の結果から得られました若干の重要な
問題点
のみを集約的に申し上げ、責任を果たしたいと思います。 第一に申し上げたいことは、数年前、
暖地
における
ビート
の
導入
が一般の話題に上るようになりました際、第一の
疑問点
とされましたことは、
暖地
における
ビート
の
栽培
が
技術
的に可能かどうかという点にあったのであります。ところが、実際われわれが
夏まき
または
初秋まき
の
ビート
を
試験圃場
について見ましたところによりましても、わずか数年間の日時を経過したのみであるにもかかわらず、
試験研究者
を
中心
とした
関係者
の熱心な努力の結果、予想以上の成績をあげていることが判明したのであります。すなわち、それぞれの地域における
気象条件
、
土地条件等
についての品種の特性を考慮の上、それに適合した
播種期
を
中心
とした
耕種基準
を設定し
普及
することと、
適格優良品種
を選定すること、及び
肥培管理
の面において深耕、堆厩肥の多投、適期における間引きと
病虫害防除
、
微量成分
の
投与等
を適切に行なうこと等、つまり、やろうと思えばやれる
技術
を用いることにより、
暖地
においても、品質、
収量両面
において
寒地
ないしは諸外国と比較してさして見劣りのない
生産
をあげ得ることが実証され、すでに当初懸念された
栽培技術
上の
問題点
は本質的には解消しておると言ってよいのであります。
岡山
、
大分
の
県立農業試験場
、
熊本
の
日本てん菜振興会てん菜研究所支所
の
試験圃場
においては反収四トンないし五トン
程度
の
収量
を示しており、また、
収量
とともに重要な点であります品質についても、ブリックスまたは根中
糖分等
の諸指標から比較検討いたしましても、
標準畑
に
栽培
された
暖地ビート
は
寒地
のものに比べ決して劣るものでないことが証明されているのであります。
ビート
の
品種改良
は北欧または北米において行なわれましたが、元来その原産地は
暖地
であることから言いますれば、このことは当然であると申せましょう。また、
栽培農家
の
圃場
について見ましても、すでに
栽培
について経験を積んだものにあっては
北海道
に匹敵する
成育状況
を示しておるのであります。ただし、
栽培農家
の
段階
における全体の実績となりますると、各県ともその反収はずっと下がり、平均して二トン
程度
となっておりまして、この点、アメリカの二・五トン−五トン、ドイツの三−四トン、
イタリア
の二・五トン−三トン、
北海道
の二・五トンと比較いたしますと、まだまだ低い水準にとどまっているように見受けたのであります。しかしながら、このように末端における低
収量
のゆえをもって直ちに
暖地ビートそのもの
が低
収量
であるということにはならないことはもとよりでありまして、さきにも述べましたように、二年、三年と
栽培
の経験を積んだ
農家
は、ならして三トン
程度
の反収をあげており、たとえば
岡山
県における
ビート共進会
の
入賞者
のうちには五トンから最高六トン以上の
収量
をあげているものもあるのであります。 しこうして、このように
試験岡場
における成積と
栽培農家
の
段階
における実積との間において大きな懸隔を生じている理由にはいろいろなことが考えられまするが、われわれの見聞した範囲では、その主なる原因は次の
通り
であります。すなわち、
ビート
は新しい
作物
であるため、
農家
が一般に
栽培
にふなれであること、また、
普及段階
でありますので、
農家
が自家の
圃場
のうちの
条件
のよい熟畑または良畑に
栽培
するとは限っていないこと、
農業改良普及員
が新しい
作物
に対する
普及知識
に乏しく、
普及
にいまだ消極的であること、現在
ビート
を
栽培
する
農家
は必ずしもこれを
有畜営農
と結びつけておらないため堆肥の
投下量
が一般に少ないこと、
熊本
県等では
播種期
に干天が続き、
播種適期
を逸したこと、
大型農機具
が十分に
普及
していないため深耕が十分に行なわれていないこと、
飼料不足
のため未成熟のまま
自家用飼料
に使用した
農家
が
相当数
に上ったこと等であります。 これを要しまするに、
暖地ビート導入
を阻害するがごとき
栽培技術
上の難点はほとんど存在しないと言ってよく、今後の発展を期するには、
試験研究
ないしは
試作
の
段階
において逐次明らかにされつつある
適品種
に対応する
栽培技術
上の
注意事項
をいかにして実際に
栽培
する
農家
に着実に
普及
浸透させるかに問題がかかっていると申して差しつかえなかろうかと存ずるのであります。
昭和
三十五年の
栽培面積
は、
岡山
県においては約一千ヘクタール、
大分
県においては六百ヘクタール、その
収穫高
はそれぞれおよそ二万二千トン及び一万三千トン
程度
であって、六百トン
工場
をフルに稼動するにはそれぞれ九万トン
程度
の
原料
を必要といたしますので、
原料処理能力
から言えば、現在のところ
到達目標
の一・五割または二・五割
程度
にすぎないわけであります。従いまして、
暖地ビート
を
一般農家
に
普及
するにはなお相当の努力を必要とするわけでありますが、国としては
栽培技術
の面において今後いかなる点に着眼して
研究
を続行し
普及奨励
を強化すべきか、若干の事項を要約して申し述べておきたいと存じます。 すなわち、一、今後最も
生産
の伸びを期待されるのは
早期水稲
の
あと作
としての
ビート
でありまするが、今後、これらについての育種、病理、
栽培方法等
に対する
国立農試
、
県立農試及び振興会研究所支所等
の
試験研究体制
を拡充強化するとともに、これら
試験研究機関
の
連絡協力体制
を早急に確立すること。二、
農業改良普及員
に対する
ビート栽培技術
についての教育、
特技普及員
の
増員等
、
普及指導体制
を強化拡充すること。三、
ビート振興
は
有畜農業
と表裏一体をなし不可分の
関係
にあるため、家畜の
導入
、畜舎、サイロの
設置等
、
有畜営農
との
結びつき
を積極的に考慮すること。四、
栽培
の
集団化
、
共同化
をはかること。五、国有の
深耕用大型トラクター
並びに
付属機具
の
貸付等
について
積極的施策
を講ずること。六、
病虫害
に対する
防除体制
を確立するとともに、
ビート導入地帯
に対する
ネマトーダ対策
を積極的に行なうこと。七、
土壌酸度
の矯正、
灌漑施設
、農道の
整備等
、
生産基盤
の
整備
を行なうこと。八、
種子対策
を強力に推進すること、すなわち、
暖地ビート用原
々種、原種について、これがすべて国産でまかなえるよう育種、
採種体制
を早急に
整備
するとともに、当面、
輸入種子
の購入に対し国から
助成排置
を講ずること。 次に申し上げたい点は、
暖地ビート振興
のため、
経済的側面
ないしは予算上、法制上の
措置
についてであります。
暖地
における
てん菜導入
の
技術的可能性
が証明された以上、今後それが産業として発展するかいなかは、
てん菜
の
栽培
がはたして
農家
にとって
経済
的に引き合うかどうかという点に問題はしぼられてくるわけであります。しかして、この問題は、
てん菜生産
並びに
てん菜種業
の
保護育成
のため
政府
が示す熱意のいかんにかかると言ってもよいのであります。今日、二、三の県において
暖地ビート
の
本格的栽培
の
可能性
について曙光を見るに至りましたのは、県、
農民
あるいは
企業行
の負担する犠牲の上においてであります。
暖地ビート栽培
問題がここまで発展した以上、
政府
はいたずらに遅疑逡巡することを許されないと思うものであります。現在の
てん菜生産振興臨時措置法
は、御承知の
通り
、
昭和
二十八年、現在われわれの
委員長
である
野原正勝議員外
四十一名の
議員提案
によって成立したものでありますが、当時を回顧いたしますると、
農林省
の
方針
は必ずしも積極的であったとは申しがたいのであります。しこうして、
議員立法
が行なわれました後、法律に基づいて各秤の
保護育成措置
が講ぜられることとなった結果、
北海道
の
ビート
は目ざましい発展を示し、今や
北海道
における
安定作物
として不動の地位を確保し、
農家経済
の向上、ひいては
国民経済
の安定に大きく貢献しているのであります。
農林省
は今日
振興法
の失効に備え同法の
改正措置
について
種々検討
を逃めていると聞きまするが、先述のごとく、すでに
試験研究
、
試作段階
を経て
導入
に対する
技術
問題もおおむね解明された
段階
においては、
暖地ビート
の
振興策
をも十分に織り込み、英断をもって同法の
抜本改正
を準備されるよう特に要望いたすものでありまするが、以下私はこの場合において
政府
の配慮すべき若干の点を申し述べ、御参考に供するものであります。 まず
価格対策
であります。すなわち、府県産
ビート
についても、
北海道
産と同様、
生産者価格
の支持を含む
ビート糖
の
適正価格
による
政府買い入れ措置
を講ずることであります。現在、
ビート
の
生産者価格
は、
北海道
産のものは
振興法
に基づいて支持されており、二十九年以降三十六年まで
トン当たり
五千二百五十円となっておることはご承知の
通り
でありまして、府県産
ビート
もこれに準ずる取り扱いを受けることとなってはおりますが、この
支持価格
については、すでに
北海道
の
農民
より
改定要求
が出ておりますことは、これまた御承知の
通り
であります。
暖地ビート
につきましては、
カンショ等競合作物
の
収益性
との
関係
もあり、なお一そうこの
程度
の
価格
では
生産農民
の
栽培意欲
を盛り上げるに足らないので、
生産者
に対する
支持価格
の
算定方式
について再検討を加えると同時に、
暖地
においては、前作との
関係
もあって、早期に、でき得れば三十七
年産ビート原料価格
については三十六年中に
方針
を内定することが必要であると認めます。 次に、
ビート工場
の建設について、現在は
農地法
に基づく
農地転用
にからませてその規制を行なっているのでありますが、今日までの経験に照らし、これでは不十分な点があり、府県産
ビート
についてはすでに群雄割拠の徴候も見えておりますので、
てん菜糖
の
政府買い入れ
を受けようとするものについては、
工場
を新設する場合
農林大臣
の許可ないしは承認を受ける等、所要の
規制措置
を設けるとともに、
原料集荷
について
農林大臣
が必要な調整ができるよう、あらかじめ所要の
措置
を講じておくことが必要であります。 次に、
岡山
県においても、
大分
県においても、現在建設せられている
ビート工場
は二、三十億円の
建設費
を要しておりますが、
暖地ビート産業
のごとき国家的に有益な
先駆的企業
に対しては、
ブドウ糖
や酪農に対すると同様の方法で、
低利長期資金
の
融通措置
を講ずるよう検討することが肝要だと存じます。 しこうして、以上の
栽培
上、
経済
上の諸
対策
に要する財源を確保するため、
砂糖消費税
に相当する
税収入
は当分の
間ビート振興対策
のための経費として還元する等の方途を検討するとともに、
原糖輸入
に対する
外貨割当制度
に伴う
精糖業者
の
超過利潤
は、当然主として
国内ビート振興
のために活用することがこの際ぜひとも必要であると確信するものであります。 なお、
砂糖
の
輸入由化
に対する
農民
の懸念が、
暖地
、
寒地
を通じて
ビート生産
の伸びを阻害している
実情
もあるやにうかがわれますので、当分の
間砂糖
の
自由化
はこれを行なわない
方針
をこの際あらためて明確にする必要がありましょう。 以上、今回の
調査
の目的であります
暖地
における
ビート
及び
ビート糖業
の
振興
問題についての
調査
の概要を申し上げましたが、われわれは、本件のほか、
酵素糖化法
による
精製ブドウ糖工場
である
岡山
市の
林原産業株式会社
、大村市の
長崎農産化工株式会社
、
熊本
県阿蘇郡阿蘇町
びんかき開拓地
の
営農概要
、
福岡
県三
瀦郡三瀦町
における
水田裏作大型機械化実験集落
、
福岡
県山門郡山川町における
福岡みかん共同撰果所
、
長崎
県
諫早干拓
、長府大干拓、
長崎
県
総合農林センター
、
西彼杵総合開発
における
機械開墾地等
についても
調査
を行なったのでありますが、それらについての
報告
は省略させていただき、ただ、
びんかき用拓地
において、
農地造成
の
階段工事事業
の完遂、
開拓道路
及び農道の新設と
維持補修
、
畑地灌漑施設
の
整備
及び
飲用水施設
の
整備等
について切なる要望のありましたこと、
長崎大干拓
について、三十七年度から着工できるよう
予算措置
を講じてもらいたい旨の要望のありましたことのみを特に申し上げ、私の
報告
を終わることといたします。(拍手)
野原正勝
4
○
野原委員長
午後一時より再開することとし、この際
休憩
いたします。 午前十一時十六分
休憩
————◇————— 午後一時三十三分
開議
野原正勝
5
○
野原委員長
休憩
前に引き続き
会議
を開きます。
農林水産業
の
振興
に関する件について
調査
を進めます。 この際
農林省当局
より
南部イタリア
の
てん菜生産事情調査
の
中間報告
を聴収することにいたします。
農林技官田村金一
君。
田村金一
6
○
田村説明員
それでは、お手元にお配りしてございます
イタリア
の
てん菜事情調査
の
中間報告
をもとにいたしまして、簡単に御
報告
をいたします。
調査団
は三名で編成されまして、
日本てん菜振興会
の
暖地支所長
の
嵐嘉一
さん、
栽培部長
の
桑原武司
さんと私の三人は、去る九月の下旬から十月の下旬までの約一カ月間、
南部イタリア
の
てん菜栽培
の
事情
を
調査
して参りました。その
事情
につきまして、この
報告
の順序に従いまして簡単に御
報告
をいたします。 まず、第一番目の、
南部イタリア
における
てん菜栽培
の現状と
政府
のとっております
方針
でございますが、
イタリア
におきます
てん菜
の
作付面積
は約二十三万
町歩
でございまして、
砂糖
の
生産量
にいたしましておおむね百万トンでございます。これで自給自足の状態にございます。ところが、一九五九年に至りまして
作付面積
が非常に増加いたしまして、ちょうどその年は天候にも恵まれましたために
生産
過剰を来たすに至りまして、
政府
はこの翌年から
国内
の
砂糖需給
を安定させるために
作付
の
制限
を行なうことになりました。その
制限
につきましては、
北部イタリア
におきます
生産
を押えて
南部地域
を伸ばす方向をとりまして、今後における
砂糖
の
消費
の増加する分はすべて
南部
において
生産
するという
方針
をとっておるようでございます。 次に、二番目の、
南部イタリア
における
てん菜栽培
の実想でございます。最初に
気象条件
と
栽培
型について御
報告
をいたしますと、
イタリア
における
ビート
の
栽培
型には、
春まき
型と
秋まき
型とがあります。
春まき
型というのは、三月ごろに
播種
をいたしまして、八、九月ごろ
収穫
する型でございます。
秋まき
と申しますのは、十月半ばごろから十一月にかけて
播種
をいたしまして、翌年七、八月ごろ
収穫
をする型でございます。
南部イタリア
における
気象条件
は
降水量
が
北部
に比べて特に少ないために、
春まき栽培
をいたしますと、その
生育期間
あるいは
登熟期間
の
降水量
が非常に少なくなっております。従いまして、
南部
におきましては、
春まき裁培
というのは水不足のために作柄が非常に悪くて、
北部
に比べて不利な立場に置かれておったわけでございます。ところが、
降水量
を一年間のうちで見てみますと、十月から二月の間には
北部
よりもむしろ多くの
降水量
がございまして、この
期間
に
てん菜
を
播種
いたしますと
生育
に非常に好適な
条件
であることがわかり、十年くらい前から
秋まき栽培
の
試験研究
が開始されまして、その
試作
にも成功し、一九五六年ごろから本格的にこの
秋まき栽培
が
普及
し始めまして、今後もますます
普及
する傾向にあるようでございます。 次に、
収量
と根中
糖分
でございます。 まず第一の
収量
について見ますと、
単位面積当たり
の
収量
は、
南部イタリア
におきまする
春まき
は
北部
に比べてやや少ないようでございますが、
南部イタリア
で今後主体になるであろうと思われる
秋まき栽培
のものは
北部
に近い
収量
をあげております。
農林省
あるいは
試験場等
で聞き取り
調査
をしてみましたところ、
ヘクタール当たり
の
収量
は、
北部
の
春まき
は三十から四十五トンくらいでありまして、
南部イタリア
の
春まき
は、これは非常に少なくて、十五トンから二十トン、
秋まき
につきましては二十トンから三十五トン。それから、
南部イタリア
で、
春まき
でも
秋まき
でも同じでございますが、灌漑をいたしますと、三十五トンから四十五トンの
収量
をあげておるようであります。 次に、根中
糖分
についてでございますが、根中
糖分
は、
北部イタリア
のものに比べまして、
南部イタリア
のものが著しく高くなっております。その
理由
を考えてみますと、登熟する
期間
に乾燥しておること、それから、日照時間が非常に長いということ、あるいは褐斑病の発生が少ないということに
原因
があるものと考えられます。この根中
糖分
につきまして
農林省
や
試験場
で聞き取り
調査
をいたしますと、
北部春まき
のものは一五%から一六%、それから、
南部春まき
のものは一五%から二〇%、
秋まき
につきましては一八%から二二%となっております。 次は、
南部イタリア
におきます
てん菜栽培
と
農業経営
との
関係
でございます。
南部イタリア
におきます
農業
の
経営規模
につきましては十分な
調査
ができませんでございましたが、フオッジャというところの
農林省
の
出先機関
におきまして聞き取りをしたところによりますと、
てん菜
を
栽培
しておる
農家
の
経営面積
は六
町歩
から七
町歩
くらいでありまして、そのうち、
てん菜
の
作付
をしている
面積
は一ヘクタールから二ヘクタールというふうになっておるようでございます。 輪作の体系は、麦、
ソラマメ
、麦という型と、それから、麦、麦、
ソラマメ
、麦というふうな型、あるいは麦の連作、こういう輪作体系でございましたが、
てん菜
が
導入
されてからは、主として、麦、
てん菜
、麦、その次がまた
てん菜
というふうな型に変わってきているようでございます。 それから、
てん菜
を作りますことによります
収益性
でございますが、
てん菜
と競合しておる
作物
といいますと、
南部イタリア
では小麦とトウモロコシと
ソラマメ
というものがおもでございまして、これらの
作物
の
収益性
は非常に低いために、
てん菜
を作ることが
農家
の収益を非常に増して、
てん菜栽培
が有利であるということを示しております。 それから、四番目に、
原料
損耗のことでございますが、
南部イタリア
におきましては、七月から九月ごろ
収穫
をするという
関係
上、
収穫
をいたしますと、おそくとも一両日中には
工場
に運びまして精糖にしておるわけでございます。そのために、
原料
が損耗するとかあるいは根中
糖分
が低下をするということはほとんど生じていないようでございます。 五番目は、
てん菜糖
工場
の現状でございますが、
イタリア
におきます
てん菜糖
工場
は八十
工場
ございまして、その一日当たりの
原料処理能力
は平均二千トンでございます。そうして、操業日数は、
北部
でおおむね四十日、
南部
ではおおむね六十日くらいになっております。それから、一
工場
当たりの
てん菜
の
作付面積
及び
生産量
は、大体三千ヘクタールで、十万トンというのが平均になっております。 次に、
南部イタリア
におきます
てん菜栽培
の将来につきまして、
てん菜
の
関係者
であります
農林省
だとか全国
てん菜
耕作者組合連合会、それから
試験場等
において意見を聞きましたところ、それらの人はすべて
南部
の
てん菜栽培
というのは有望性があるということを強調しておりました。その
理由
は、
南部イタリア
は
てん菜栽培
に風土的に適性があるのだということ、それから、
導入
する可能
面積
が非常に広いということ、それから、政策的に見ても、
てん菜
を入れることによりまして
農業
を機械化し、そして
農民
教育によって
技術
を
改善
していくのだという政策的の意図からも、
南部
の
ビート
は伸ばすべきであるし、
伸び
る
可能性
が十分あるということを言っておりました。 以上、きわめて簡単でありましたが、御
報告
にかえます。
—————————————
野原正勝
7
○
野原委員長
大豆の
価格
問題及び
甘味資源
問題について質疑の通告がありますので、これを許します。芳賀貢君。
芳賀貢
8
○芳賀
委員
午前中に
委員会
派遣の
調査
報告
が
丹羽
委員
より行なわれたわけでありますが、これに関連する問題もありますので、
政府
に対して質問を行ないたいと思うわけです。 第一に、
暖地ビート
の問題について当
委員会
として初めての
調査
を行なったわけでありますが、私たちが
現地
の
工場
の
事情
あるいは
栽培
の
事情
等を
調査
した結果、今日まで国が責任を持つべき
暖地ビート
の
育成
あるいは長期計画の確立等の問題については全く無感心であったということが強く感じられたわけでありますが、既往の問題は触れないとしても、今後たとえば国の
甘味資源
十カ年計画の達成を取り上げて考えても、
てん菜糖
については、
北海道
三十万トン、
暖地
十万トンの一応の計画が作られておるわけであります。三十七年度の
政府
の
予算
編成の時期にも当面しておるわけでありますが、特に
府県
ビート
の問題について、具体的にどのような国としての
方針
を立てて、さらに財政的・
予算
的な
措置
としては
農林省
としてどういうような
方針
を立てて今後臨もうとしておるのか、その点について
概要
の説明を願いたいと思います。
安田善一郎
9
○安田説明員 三十四年でありましたが、
農林省
が、
北海道
を
中心
に、他の
府県
も若干考慮を払いまして、御
承知
の甘味食品総合
対策
をきめました際には、
府県
ビート
の方は、
生産
計画にも出ておりますが、その計画自身も、また計画を達成する施策
措置
におきましても、
北海道
の
てん菜糖
に匹敵するような心がまえと具体性と重さを持っておらなかったことは芳賀先生のおっしゃる
通り
だと思います。既往は問わず今後はどうかということでございますが、ただいま申し上げました
甘味資源
総合
対策
の
生産
計画、あわせてこれは需要の測定と見合わなくちゃいけませんのですが、精神は、日本の
消費
量の半分ぐらいは
国内
産の
寒地
、
暖地
の
ビート
、
ブドウ糖
等を入れまして自給しようという計画でございます。ところが、最終年次の十年後におきます
甘味資源
の国民
消費
量が、初年度に近いことしで実は
砂糖
に換算して百五十万トンすでに実現をしておるのであります。 そこで、まず第一には、ただいま作業いたしておりますのは、ものの基本である
生産
計画、需要見通し、これを立て直そうと思っております。
生産
もふえれば
消費
量ももっとふえるという見込みのものでございます。その中に
国内
産はどう考えるかということになりまして、
国内
産のうちに
府県
てん菜糖
はどう考えるかということは、旧計画では、芳賀先生のおっしゃいましたように、
寒地
ビート
は約三十万トン、しかもこれは
北海道
ですが、
暖地ビート
は、十万トンを十年計画の最終目標にいたしておるものをさらに強化いたしまして、重要な供給源、資源の開発、食糧自給の
方針
で打ち出したいと思っております。そうしますると、これの確実性とか、きょうも午前中スライドでも拝見いたしましたし、
丹羽
先生の御
報告
もありましたが、まず
技術
的な
試験研究
、次いで
経済
試験、
企業化
試験、そういうものをすばやくいたしまして、確実にこれならいけるなということで、天然資源的にも
経済
的にも、目標から見ましてほぼこれを固める、固めたら
政府
施策を講ずる、こういう段取りになることを予想しておるのでありますが、ただいま
田村
君が
報告
されたように、
イタリア
南部
について
暖地ビート
が成功して、その態様も、
砂糖
全体の糖値水準が日本より一割安、
国内
需給は
暖地ビート
を
中心
にかなり現在及び将来変わり、今では
生産
過剰ぎみまで来たすほど発達しておるのが
イタリア
であります。その他の
事情
、気候風土、
農業経営
等、ヨーロッパで日本と違いますけれども比較的よく似たところでございますので、
調査
をしたわけでございますが、化、
経済
化、
経済
試験のところが
国内
でも実は足らず、
調査団
でも若干足りないところがございましたので、中馬先生を団長といたします次の
調査団
をただいま派遣をいたしまして、もう間もなく帰ってくるところでございます。しかし、それを待ってから立てるのもどうかと思いますので、現
段階
にわれわれが考え得ることをまずきめまして、
調査団
の
報告
をいただき、かつこれを
検討
しまして、さらにりっぱなものにして、これは次年度、三十七年度以降には役立つように計画もし
方針
も立てたいと思っておるのが現状でございます。 さらに、そのおおむねの考えは、
寒地
、
暖地
を通じて、それぞれの特徴及び
生産量
、
農業
関係
の
作付
体系、構造
改善
、畜産
振興
、そういうようなものを総合的に考えなければならぬ
てん菜
でございます。九州はカンショ、
北海道
はバレイショとの
関係
が重要だと思いますが、計画を立てまする以外に施策の具体化が要りますので、
検討
中であります。施策とは、法制
整備
をする、行政
措置
をする、
予算
、財政投融資を確保すること、それに重点を置きまして、あとは
価格
政策のよろしきを得るようにと思っておる。私は、大臣にはまだ詳細申し上げてありませんが、食糧庁内で——まだ発表すべきものではありませんけれども、作業中の内容を申し上げますれば、適地適産、
作付
体系、
農業
構造
改善
に資するように適当な
ビート生産
地を
寒地
、
暖地
を通じて法文で明定しますか、行政
措置
でやりますか、そこらあたりは、
作付
の
集団化
、能率化、
生産
性
向上
をねらってきめる。そこに
中心
工場
があり、この
中心
工場
は
生産者
団体ならば望ましい。足りないところは、あるいは
相当
資金が要る事業でございますから、資本会社もけっこう。その民間の
工場
は、
農業生産
としての
てん菜糖
増産と
生産
性
向上
に
努力
をしてもらうことを考えなければいけない。
てん菜
でも
一般
砂糖
でも
イタリア
の水準までいけばいいじゃないか、日本より一割低い水準、こういうことでございます。しかも手取りは多いということであります。もう一つは、今の
てん菜生産振興臨時措置法
の体系をここへ吸収させまして、指導
価格
なり基準
価格
についても、
てん菜
そのものに重点を置きまして、含糖率を加味するような
価格
政策をとる。これを
企業化
するときは、先に投資が進みますから、日本の
てん菜
では、開拓地でいきなり初めて
てん菜糖
をたくさん作ればそれでうまくいくという見通しもこれは非常に少ないと思いますので、他の
作物
とかわっていくということがかなりの部分を占めると思います。そこで、他
作物
との
関係
を見ながら、やはり、投資をした
てん菜糖
工場
の方は四年ないし五年くらいの間に自立経営をしていただく。その間に、
生産者
の
ビート
販売
価格
も適正に置くようなことと同時に、
てん菜糖
の
砂糖
の
価格
及び販売、
消費
ということも考えなくちゃいけませんので、やはり、
政府買い入れ
制度を二、三年くらいの
範囲
内は、操業を始め出した以降制度として置いたらいいじゃないか、そうしますと、一言で申しますと、
寒地
、
暖地
を通じた適地適産のもとで国際競争に数年間で耐え得る
原料
生産
、
てん菜糖
生産
と
てん菜糖
工場
企業とを成り立たしめる。その間の
農家
と
原料
を買う
工場
側との取引
関係
をよくする。五年間全部
政府
買い上げによるのがよいとは私は思っておりません。そこは
実情
に即しまして適切に考えたい。その中の法令分は法令を作り、行政
措置
は行政
措置
、
予算
、財政投融資を確保するところは確保して参る。こういう気持でおります。しかし、中馬先生を団長とされる
調査団
のお帰りになった
報告
と、日本流にこれを再分析し
研究
いたしました結果が
田村
君の
報告
のようでない、適当でない分が多い、適当な分は少ないとなれば、今申しましたことをそれに応じて適当にする。拡大をうんとやることがよければ拡大をやる、ある
地域
に限るならば
地域
に限ることが必要、こういうことを思っておる。私どもの三十七年度食管会計
予算
要求には、特に
暖地ビート
買い上げの数量及びその
予算
を特別に掲げて要求してありませんが、農算物勘定におきまする
てん菜糖
部分の
予算
要求には、予備費といたしまして、今申しました考えのもとの要求が出してあります。 以上でございます。
芳賀貢
10
○芳賀
委員
具体的な点を聞いておるのですが、たとえば
北海道
を
中心
とした
寒地
ビート
については、
昭和
三十五年を起点として四十二年まで八カ年計画というものを
政府
が発表しておるわけです。従って、これと見合うような意味合いにおいても、
府県
ビート
についても、長期計画というものを
早期
に立てて、この達成のために必要な施策を強力に進める必要があると思う。すでにわれわれが
調査
した結果によっても、
岡山
並びに
大分
においては、それぞれ新鋭
工場
が
建設
されて、
原料
さえ確保されれば正常な操業ができる、そういう
体制
ができておるわけです。しかし、そういう
工場
設備はできたが、はたして何カ年後に企業として採算可能な
原料
確保ができるかということについては、まだ確実な見通しというものはつかないわけです。特に、
現地
の
事情
は、
工場
を
建設
した会社の意欲は
企業行
としての立場から旺盛であることはもちろんであるが、それ以外は、たとえば
岡山
県、
大分
県、
熊本
県等もそうでありますが、県が主体となって
府県
ビート
の
栽培
の問題については
試験研究
の費用あるいは
農家
に対する
栽培
の助長等のそういう施策は
相当
当核県独自の立場で進めておるが、国としての強力な施策というものはほとんど及んでいないのです。たとえば、県庁に聞いても、各
府県
に対して
農林省
の方から
府県
ビート
の
試験研究
の費用としては大体二十万円
程度
しか交付されていない。二十万円
程度
は、これは子供の一年の小づかい銭にも匹敵するようなものであって、国策を進めるために
府県
単位に国が
試験研究
を大いに助長するというための
予算
としては、これは国がこうやったということにはならぬわけです。これは食糧庁の
関係
ではなくて
振興
局の
関係
ですが、来年度についても、そういうけちな、ささやかな考えで、
府県
だけに依存するということで
農林省
はいくのか。こういう点はやはり
農林大臣
から明らかにしてもらう点ですが、一体どういう考えを
農林大臣
は持っておるのか。これは
振興局長
が来ておりませんのでだれかかわって説明してもらってもいいが、
現地
で
暖地ビート
の
栽培
を自信を持って拡大していくためには、やはり、その
前提
としては綿密な
試験研究
というものが行なわれて、その成果によって
農民
に対しても自信を与えて十分
農業経営
の中の有利な
栽培
作物
として積極的に耕作してもらうということにしなければならぬと思いますが、こういう点に対しては一体どう考えておるのですか。
安田善一郎
11
○安田説明員 芳賀先生の御質問に対するお答えは、
農林大臣
を待つまでもございません。私からお答えをいたします。しかし、事務当局としましては、御指摘のように
振興
局の所管の方が多いが、両方共通してやっておるわけであります。私どもは、現在は積極的で大胆な手を
府県
ビート
に向けております。これは、認識が、いまだテスト時代であってなお
研究
も要する、しかしだんだん
技術
あるいは農産物の
栽培
の面においては
相当
力を入れてやり出してもいいだろうという
段階
になっておる認識でおります。ただ、御
承知
の
通り
、企業進出は、
政府
の施策、考え方がはっきりしないことが基礎にあるかとむ思いますが、
岡山
の横浜精糖あるいは
大分
のどこ、そういう現在をとらえましても、五百トン、六百トン
工場
であります。これはテスト施設を設けて試験的に第一段に作った
工場
の
程度
でございます。それで、それを例として申し上げたのでございますが、
経済
試験、
企業化
試験というものもやはり
研究
調査
しなければいかぬと思うのです。そこで、中馬団長の
調査団
が行って、いい材料と悪い材料はないか。というのは、
イタリア
あるいは在外の農務官、
農林省
が在外に派遣しておるのに、多少うまくいってないという意見が来ておる部分もあるんです。それを早急に
検討
いたしまして、先ほど私が申し上げましたようにしていく、それは来年度以降に間に合うようにする、そういう考えであります。従いまして、二十万円の子供のお小づかいのお話が出ましたが、私どもは目下五億弱の
一般
会計
予算
を大蔵省に要求いたしております。これは、そのほかに、御
承知
の、
原料
価格
をどうするか、
原料
を光る方と買うところをどうするか、
政府買い入れ
をどうするか、
一般
糖価水準はどうするか、糖価水準より高い
ビート糖
もそうですけれども、それを何年くらいで自立せしめていくか、自立目標を国際競争力との
関係
から見てどのようにするか、こういうことを持ちますのが一つ。それから、ある土地におきますカンショ、
北海道
におきますバレイショ、大豆、小麦、これはやはり適地適産で
農業
ですからどっちがいいということはいけませんが、
ビート
を入れずして、
ビート
の方がいいのに、カンショ、バレイショ、大豆、菜種、麦というものを作っておるところなんかを、
作付
体系がいいように、
農業
所得がふえるように、構造
改善
になりますようにということを内外を通じて考えまして進めていきたい、そういうふうに思っております。
芳賀貢
12
○芳賀
委員
今長官が
岡山
、
大分
の両
工場
はテスト的な規模の
工場
だと言われたが、それは認識が足らないのです。実際行ってみれば、これはもう正規な新鋭
工場
であって、ただ、設備については、先ほども
調査団
の
報告
があった
通り
、
原料
の截断施設や規模は、これは、一日千二百トン、それ以下はとにかく最低の規模を一日六百トンということに置いているので、六百トンの操業可能な施設になっております。
原料
を確保さえできればこれは直ちに千二百トンの
工場
に設備が充実できるというそういうものであって、従って、これは最近における
北海道
の新鋭工員と規模においても内容においても匹敵するものであります。従って、設備費についても、それぞれ大体十六億ないし十七億円。そういうことになると、この設備に対する金利とか償却というものを見ると、やはり年間二億五千万くらいはかかるということになるわけです。そういうものは会社が勝手に建てたのだからということだけでは済ませないと思う。従って、私が指摘した点は、現在までのやり方を見ると、会社側においても
政府
側においても全く無計画な無
方針
のままにそういう
工場
建設
が行なわれてきた。しかし、問題は今後にかかるのでありますが、たとえば、
原料
を確保する場合においても、畑地帯における特に初
夏まき
、一名また梅雨まきとも言いますが、そういうような畑地帯の初
夏まき
によるところの
原料
の
栽培
あるいは水田裏作のいわゆる
秋まき
ビート
の
栽培
、この二様の
方法
が考えられるわけですが、しかし、何としても、将来
工場
を
中心
として広大な平坦地に
工場
に近接した
地域
内において
原料
を確保するということになると、どうしても水田裏作という考え方の上に立った
原料
栽培
というものを
相当
重要視していかなければ、この達成はなかなか困難ではないか。われわれ
調査団
の判断ではそのようなことになるわけです。そうなると、結局、あの地方の水田裏作ということになると、主としてこれは麦作でありますが、そうなれば、麦作を今後
秋まき
ビート
に転換させるということは、これはやはり
農業
の選択的拡大の方向から見ても、非常に望ましいことになるわけです。単に麦作の転換とか
作付
制限
をするために先般の国会においても
政府
が法案を出して、これはつぶれたわけですが、つぶれたというより、われわれがつぶしたわけですが、ああいう考え方の制度を考えるよりも、やはり、麦を転換して、それにかわるべき
作物
に対する受け入れ態勢というところに国が費用を投入する重点を置いて、これを大きく転換させるということの方が、非常に効果的でないかとわれわれは考えるわけです。まだこの水田裏作の
秋まき
ビート
の問題についても十分
試験研究
の結果というものが安心できるという
段階
までにはいっていないが、見通しとしては大体
可能性
があるということが言われるわけでありますから、こういう点についても積極的に施策を進める必要があると思うのです。法律がつぶれたから三十億が要らなくなったということでなくて、そういうことを国が考えて
予算
を確保しておるのですから、あれをより有効に使うためにはどうするかということを考えて、食管制度の一角をくずすようなそういう野望的なものではなくて、やはり、
甘味資源
の
国内
自給達成という大きな角度から、三十億円が使えなくて困るのであればこれは有効に使用するようにしたらどうかと考えるわけですが、そういう点についてはどう思っておりますか。
安田善一郎
13
○安田説明員 多少言葉を簡略にしたりなどして、誤解があるといけませんですが、まず申し上げたいのは、芳賀先生の御意見と私どもの考えと、今では
農林省
の意見と言ってもいいと思いますが、ほとんど差がない。三十四年二月に甘味食品総合
対策
をきめられた中には、
府県
ビート
は、先生が御指摘になりますように、
北海道
てん菜
あるいは
てん菜糖
の問題以外は施策も弱ければ計面性も弱い、この基礎の
試験研究
も弱かったということと認識をいたしておるのです。しかし、自来、
農林省
におきましても、新日本ビール協会あるいはその他の
ビート
関係
の協会におきましても、外国
調査
におきましても、だいぶ
研究
が進みました。ただいままでは
暖地
ないし
府県
ビート
はテスト
段階
だと思ったからそうであったと思いますが、しかし、それを脱却しつつある時期でございますから、もう
企業化
、
経済
化の見通しが立てば、各種の法制定、行政
措置
、
予算
、財政投融資を、
北海道
に準ずるといいますか、多少おくれておりますので、
相当
、それ以上とは言いかねますが、準ずるような
措置
に持っていって、例を法的体系について申し上げますれば、何も
北海道
の法律、
府県
の法律、こんなふうでなくていい時期が来たというふうに考えておる。しかし、それをいつまでほおっておくか、ほおっておいていいかということが問題になりましょうから、来年度からの施策に間に合いますように、判断と
努力
をいたしたいと、こう申し上げたわけであります。 次に、水田裏作を例にとられました。
農業生産
物、特に
てん菜
の選択的拡大については、私は、需要の見通しを持った適地適産、こう思いますが、これは、言うまでもなく、そういう考えと施策を打ち出します場合、計画を立ててこれに必要な
措置
を講じます場合必要なことでございますから、一歩
北海道
よりおくれておりますけれども、同様ないしはこれに準ずる施策として強化して参るつもりでおります。大・はだか麦の転換奨励の三十億に
関係
しての設例がございましたが、私どもは、麦の転換にも三十億を使いたい、
てん菜糖
増産にもあるいは
てん菜糖
を
中心
にした
作物
転換にも使いたい、みな合理的である限りにおいては補助助成政策をとるべきだ、そういうふうに思っております。
芳賀貢
14
○芳賀
委員
もう一点は、特に
府県
ビート
の場合は
ビート
のトップが家畜特に乳牛の飼料として貴重な価値があるということを
農家
の諸君が考えているわけです。従って、現在
ビート
を
栽培
している魅力は、
原料
ビート
だけの収益ではそれほど有利だということにはならないわけです。ただ、その
ビート
のトップを飼料価値として評価した場合、それだけが他
作物
より畜産と結びつけた場合利点があるという
程度
であって、これではいけないわけです。
現地
の
農家
の諸君の
価格
面に対する希望等を聞いても、現在は一反歩大体二トンないし二トン半
程度
ですから、
反収
も低いわけです。少なくとも
トン当たり
の
原料
価格
を六千円以上七千円
程度
にしてもらわなければ、将来
経済
作物
として積極的に耕作する気持にはなれない、そういう素朴な意見等もわれわれは聞いてきているわけです。来年度から
府県
ビート
についても製品の買い上げをやるということを今長官が言明したわけですが、それと同時に、買い上げをする場合は、
原料
価格
の面についても、これは以前から指摘している点でありますが、
農家
経営上から見ても採算のとれる、所得の
向上
になり得る
原料
価格
というものをこの際設定して、そして企業面については会社側の企業
努力
とか適正企業ができ得るような
措置
を講ずることによって十分前進させる必要があるのではないかというふうに考えるわけでありますが、そういう点についてはどう考えておりますか。
安田善一郎
15
○安田説明員 これもまた、基本的な考え方と、取り扱いと、その時期につきまして、芳賀先生と意見の差がないと私はお答えを申し上げたいと思います。しからばどうするのだということになりますが、しからばどうするのだという第一のお答えは、競合
作物
といいますか、あるいは転換奨励の転換される方の
作物
といいますか、自然のままで競争しておるものと施策を講じて転換するものとの間の
価格
のバランスを得る、これは必要なことであろうと思いますが、成長部門であるから、単にバランスを得るばかりでなしに、若干は有利にしなければならぬであろうという考えでおります。あわせましで、水ばかりたくさん入っておるもので取引されるというのは合理的なことではないと思います。牛乳でも、脂肪率とか、脂肪以外の固形分の含有率で取引するのがいいのではないか、そういう意見も現に一部には行なわれております。また、先般澱粉の
価格
に
関係
して
原料
のカンショ、バレイショは澱粉合有率において差をつけることを初めていたしました。本年産のイモ類であります。その考えを
生産者
と
消費
者と——
消費
者というのは買い入れ側の
砂糖
工場
ですが、利害相反する場合もあるので、両々相待って、
てん菜糖
生産
を合理的に進める。あるいはその裏には、
てん菜
、
砂糖
の糖値水準なり企業の経営なり、こういうことも考えなければいけませんので、
価格
を一言に言うのはなかなかむずかしいのでありますが、そういう意味でお聞き願えればありがたいのでごいざますが、当分は、日本の
甘味資源
自給計画を
相当
量推進して参るときには、
価格
を有利に、
政府
助成を加えたり、一種の補償制度を整えたり、追い払いの制度をとりましたり、不足払いの制度をとりましたりすることの中から、
実情
に即した制度を取り上げるようになるだろうと思って、来年度には意見がきまるようにいたしたいと思っております。 そのうち、特に、しからばどうするかということは、ことしの
ビート
、
てん菜
価格
でございます。これは、最近七カ年、
トン当たり
五千二百五十円据え置きになっておりまして、含糖率も加味してありません。これは四月にきまったようでありまして、例を
農業
パリティ指数の変化にとりますと、四月からは一%ちょっと
農業
パリティ指数が上がっただけのもので、四月の五千二百五十円をまず是認いたしますと、
価格
変更をする重要な物価その他の
経済
上の変化があって
価格
改定をすべきものとは考えられないのでございますが、私どもは、そうではない。七年間据え置きという農産物
価格
がありましょうか。特に成長部門にありましょうか。輸入品がたくさん入ってきて供給が余る、国際
価格
に非常な影響を受ける、こういうことがあれば別ですが、それとても、
国内
農業
の重要なものは保護政策をとる、大豆なたね法案を出しましたような考えでおるわけでございますが、そこで、本年四月にきめたものでありますけれども、工夫のしようもあり、
ビート糖
工場
は四、五年で自立するのだという建前をとらなければこの問題は非常にむずかしいのでございますから、赤字になるから買い受け
工場
の方は
原料
てん菜
に対しまして適当な
価格
を実現するために金を払い得ないのだということだけでは済むまいと考えておるのです。そこで、きょう幾らとかいうことを申し上げることをお許し願いたいのでございますが、
北海道
につきましても
生産
奨励金をつけ加える。昔の米価で言えば、パリティ指数できめていたときには物価が変動すれば追い払いをするというようなこと、そういう
措置
で、なかなかむずかしい明快に言えないことですけれども、そこを割り切りまして、
農林省
で一基準を設ける。一基準を設けることは、あっせんの度が強いもの、奨励金を出し受け取るということについてのあっせんの度の強い方式であると思いますが、そういう方式を出しまして、それを基準に
農業団体
と買い受け
工場
の側とが話し合いした額をつけ加えたらどうだ、そういうことを行政指導にしたいと思うのです。あわせまして、来年度の
ビート
の値段を、
てん菜
価格
を早目にきめまして、今年の至らざるところを補う意味もありますし、
農家
や
ビート糖
工場
が計画的に増産して、自主的
努力
も加えてやって参られるというふうな扱いをいたしたいとも思っております。
関係
団体とも、支払い側の企業の反対が一番強そうなところから実は接触をいたしまして、私ただいまあっせん中でございます。
芳賀貢
16
○芳賀
委員
今年度の
原料
価格
の問題についてはあとで触れますが、とにかく、
暖地ビート
の将来については、国の施策よろしきを得れば、長期計画で期待するところの
北海道
で三十万トン、内地
府県
十万トン、そういう計画はむしろ
実情
に沿わぬものになって、
イタリア
にならうまでもなく、たとえば水田裏作の麦
栽培
地帯の水田
面積
だけを計算してみても、
相当
これは膨大な
面積
になるわけです。たとえば全国で
北海道
と合わせて三十万ヘクタールの
てん菜栽培
可能地を確保することができれば、
ヘクタール当たり
砂糖
の
生産量
を最低三トンと見ても、優に百万トンの
てん菜糖
の
生産
というものはわが国においても可能であると言わざるを得ないわけです。そういう長期的展望の上に立ってまじめに国の農政という心のは進められていけば、これはわれわれとしては非常に希望を持った問題の
処理
になるのではないかと思われるので、十分具体的に熱意のある方策というものを明らかにして、特に来年の三月までで現在の
てん菜
振興法
の時限が切れるわけですからして、その機会に制度の根本的な確立をはかっていくべきではないかと思う。何もちょいちょい
イタリア
に行って見てこなければわからぬという問題ではないのです。失礼ですが、この
程度
の
中間報告
というものは
現地
に行かぬだってわかるんですよ。われわれは国会から派遣されて一九五六年に中南米諸国の移民
事情
並びに
農業事情
を
調査
に参りました。自民党の赤城宗徳君が団長でしたが、その機会にわれわれはヨーロッパ諸国の
農業事情
も
調査
して参りました。当然
イタリア
や西独における
てん菜糖
の
実情
等も
調査
したわけですが、あの当時すでに
イタリア
においては
てん菜糖
を
中心
とした
国内
自給が達成できて、もう輸出ができるというところまでいっておったわけです。 〔
委員長
退席、
丹羽
(兵)
委員長
代理着席〕 しかし、そこに至るまでの間、
イタリア
が第二次大戦で敗戦して
経済
事情
が窮地に陥った、そういうたとえば一九四、九年からそれに至るまでの間、この表によっても、一九四五年にはわずか一万九千トンしか
てん菜糖
は
生産
されていなかった。それが十年足らずで百万トン達成というところまでいくまでには、この
中間報告
には何も
報告
されておらないが、そこに導いた
イタリア
の国家の政策、政治の内容というものはどういう形で行なわれたかということが何らこれには述べられていないということは、
調査
されていないということにもなると思うわけです。もう達成した現在だけを見ただけではだめなんです。どうしてこうなったかということを、それを十分に
研究
し
調査
しなければ、日本の
てん菜糖
の将来に対する貴重な資料にはならないと思うのです。単に
南部
がいい
北部
がいいというようなことだけで国費を使って行って見るまでもないことではないかとわれわれは実は考えているわけですが、そういう意味においても、一つ、これは、政策のいかんによっては達成もできるし、また失敗もするということになるわけですからして、そこは、安田さんは実力者ですから、最も河野
農林大臣
の信頼を集めておる実力行であるからして、あなたが在任しておるうちに、——何年も先の期待をわれわれは持たないわけです。少なくとも
昭和
三十七年度を一つの機会にして、強力な
方針
というものを打ち出すべきでないか、こういうことをわれわれ
委員会
の立場から指摘しておきたいと思うわけです。 次に二、三お伺いしたい点は、今長官からもお話がありましたが、先般
農林大臣
が札幌営林局の新庁舎の落成式に
北海道
へ回ったときに記者団会見をして、もちろん食管制度の問題にも例によって触れたが、たまたま
ビート
問題にも触れて、特に懸案になっておる三十五年産の
てん菜糖
の
原料
価格
の問題については、とにかく精製糖の会社は非常な利益をあげておる、従って、
てん菜糖
についても、
政府
として四月初句に公表した
原料
価格
の改定はできないが、
政府
が
てん菜糖
会社に勧告を行なって、そうして
生産
奨励金というような形で今年度の
原料
価格
についても告示
価格
よりも値上げをする
方針
であるということを札幌で述べておるわけです。ですから、この点については、どれだけ上げるということは言えぬということを長官も言われたが、もう年内と言っても十二月の初句ですから、これは十分会社とも
政府
は話し合いをして、具体的に現実に、名前はどうあっても、これは
生産者
にとって
政府
が告示した
価格
より上の
価格
で
原料
取引ができるようなことになるかどうか、その点について明確にしておいてもらいたいと思います。
安田善一郎
17
○安田説明員 ちょっとお答えがそれるかもしれませんが、第一点の、外国へ行かなくてもわかるじゃないか、自分がほかのことで行ったときに、ほかのことで認識、ヒントを得た、中馬
調査団
行く要はないじゃないかという点は、私も事務的には
関係
をいたしておりますし、いたずらなる国費をもって外国旅行をさせたというのも、どうもちょっと心外でありますが、それはそうでございません。例を雨季にとりますと、日本は雨が多いのでありまして、特に入梅があります。これは非常に大きな影響を
てん菜糖
経済
に与えるわけです。一定の
原料
から
砂糖
をとることであり、もう一つは、今
北海道
の
工場
でも百十日ぐらいが操業率の標準で、千五百トン
工場
でも千トン
工場
でもそんなところで押えておりますが、
イタリア
におきます特徴は、機械
技術
の日本より大きい進歩と、短
期間
に
処理
するというところが、同じ
原料
の中にあります
糖分
を完全に利用するという点で、そこに非常な差があるように思うのです。幸い、
田村
君が入りました
調査団
では、浮き彫りのごとくそこを
現地
へ行って非常によくつかんできたように思うのですが、まだ助成推進する
政府
の施策を講ずるには
府県
ビート
はテスト
段階
を出ない、その城を脱しつつあると思いますけれども、そういうつもりで施策を強化するために
調査団
を出したことを御了解願いたいと思います。それは年内に帰って参りますから……。 次は、ことしの
ビート
の
価格
につきまして河野
農林大臣
が札幌営林局に行った際の談話のことのようでありますが、先生が三十五年と言われたのは、きっと三十六年産の間違いだと思うのです。これはすでに行動を始めておりますから、不目きまると思います。それはのんべんだらりとすることではないので、来年産のものを早目に増産奨励が可能なように、企業と良家が適応し得るように
価格
をきめて、これがおおむね三力前後だと思うのです。そうすると、ことしのものはそれ以前にきめなくてはいけない。私の
努力
目標としましては、もう一週間くらい、少なくとも年内と心がけております。ただし、法律制度とか、五千二百五十円の
価格
をかえるのは穏当じゃないだろうと思うのであります。それは四月にきめて実行しておるのですから。その点は芳賀先生も名称や何かの出し方のいかんを問わないで考えたらどうかという御指導があったと思うのです。同様の方式で進めたいと思っておりますから、売る方と買う方との売買当事者の団体交渉といいますか、そういうこともしっかりやって、今の
てん菜生産振興臨時措置法
も、
てん菜
の
価格
は最低
価格
と読むべきだと思います。しかし、とかくその
価格
そのままずばりの
価格
だと買い受け側は思うきらいがございますから、合糖率や反当
生産
費等ももちろん考えまして善処したいと存じます。時期においても年内がいいんだ、しかし、出した
価格
、公にした五千二百五十円という名目にプラス・アルファ、それは私どもが基準的なものも示してあっせんもいたします。実際の内容、行動は、直接交渉みたいになるかもしれませんが、それを加えまして両当事者も
努力
してもらう、そういうふうに考えておるわけであります。
芳賀貢
18
○芳賀
委員
これは
政府
の責任で行なうべきであって、会社と生炭行が団体交渉で行なうべき筋合いじゃないのです。現在の振
振興法
が現存しておる限り、不当であるとしても
政府
が
価格
を一応公表しておるのです。四月一日以降
経済
事情
が激変しておらぬといっても、四月一日にきめたその
価格
それ自体が不当な
価格
を
政府
がきめたわけです。そのときの
理由
の一つとして、
暖地ビート
の
原料
価格
との
関係
があるからして前年据え置きにしましたという答弁が当時
政府
側から
委員会
で行なわれておるわけです。だから、今回の場合む、われわれとしては、
方法
論として、一つは当然
政府
の責任で
価格
の改定を行なうべきである、あるいはまた、十八億円の
超過利潤
の吸収を行なっておるから、それは主として甘味
対策
のために使うという名目であれば、今年度のようにたとえば企業的に見れば
原料
の歩どまりが平年よりも若干低下しておるというような時期でもあるとするならば、
政府
が利益をあげておる精製糖から吸い上げたそういう
超過利潤
というものを活用する道もあるのではないか。あるいはまた、第三の問題としては、従来
政府
が決定しておる、たとえば
国内
の糖価水準、あるいは
工場
における基準糖価、そういうものの算定というものは現在の時点において
相当
弾力がある、余裕があるというような判断が行なわれるとするならば、あわせてその会社の企業
努力
からも生まれておる利潤というものから
原料
価格
に配分する余地があるかないかという点も
検討
すべきである。だから、
方法
論としてはわれわれは三点を最初から掲げて、このいずれかを十分
検討
して
方針
をきめなさいということをたびたび指摘しておるわけなんです。今長官の言われるのは、会社の利潤の中からことしの
原料
価格
に上積みしてきめるという。そういう点に対して確信があるとすれば、これは
早期
に——、今は一週間以内ということを言われましたので、私はそれを期待しておりますが、そういう点もなるべく迅速に会社もまた
生産者
も納得のできる状態の中で
政府
の責任で
方針
をきめあるいは実施するようにこれを進めたらどうかというふうに考えるのですが、どうですか。
安田善一郎
19
○安田説明員 質疑の中の前半あたりにちょっと私と意見が違うところがありますが、結論的に申されましたことは、ありがたく指導的な意見として拝聴しまして実施に移します。ただ、会社の負担で出されることばかり考えないで、
一般
砂糖
の
超過利潤
、——
超過利潤
というのはわかりにくいものですから
価格
差益金と言った方がいいと思いますが、あるいは糖価水準をキロ百二十二円でなしにもうちょっと動く幅のあるものと見ればいいじゃないか、こういう点なども御指摘かと思いますが、他に財源があってそれを出せばいいというと、支払うべき
原料
買い受けの
砂糖
会社が行なうべきことをやめる方に働いていくと思うのです。そこは、まず先にどれをやって、それで足らないところはどれをやるというように区別をしてやるのがいいじゃないか、こう思っております。 それから、五千二百五十円が四月にきまった際に、
暖地ビート
のことも考えて七年目の据え置きをしたということがありましたが、私は七月二十日以降しか知りませんし、その前に引き継ぎを受けましたが、率直に申しまして明瞭でございませんでした。そこで、
暖地ビート
の方とのバランスをとったり、それを考えた
価格
と理解したくないのです。 もう一つは、ちょっと意見が違いますと申し上げましたことは、ともかく五千二百五十円という値段で四月から出回り期の終わりに近づきつつある今日まで行なわれてしまっておることでございますから、今最低
価格
を示す五千二百五十円を法律に基づく金額として改定するのはかえって効果がなかろう、それから適当でない。マル公の値段を
政府
がきめた場合に随時変わるのはいけないのだ。——変える規定もあります。それは
経済
事情
が非常に変化を来たしたときということでございますが、そこで、それを変えないで、変えてもそれにはプラス・バック・ペイとか奨励金というようなものを加えることがあるぞ、しかしその奨励金は何円だぞというようなことも必要じゃない、適当でないと思うのです。ホクレンという、
生産者
側のことをまさによく考えるべき企業者があって、割合に採算の悪い台糖というのがあります。この二つについて、
農民
のためにホクレンは考えなくちゃいかぬじゃないか、そういうことを抑えて台糖をきめますと、その他の
工場
、会社は中間にあるわけでございます。とかくこういうものは一律になることもあると思うのです。会社なり
工場
は差が実際にあっても、一律になる傾向がある。それでも水準が保たれて追い払いができればいいじゃないかと思っておるのであります。 三つの
方法
をおっしゃいましたけれども、私は内容にさわりませんが、とるべき手段とか、
価格
を変えるとか変えぬとか、一つをやって足りぬところを二でやる、そういうふうにすべきである、こういう点だけ違うわけでございます。
芳賀貢
20
○芳賀
委員
大体安川さんの意向はわかるわけですが、それは、
てん菜
企業というものを甲に
工場
だけに限定しないで、大部分の
ビート工場
は精製糖会社が経営しておる
工場
であるから、たとえば今年度歩どまりが悪いとして
北海道
における
ビート工場
は採算的に見れば利益があがらぬとしても、利益の膨大にあがる精製糖企業であり、そういうものをあわせた会社経営であるということを考えた場合には、こっちの方でたまたま少しぐらい赤字が出ても、それはやはり、将来の
原料
確保とか
発展
ということを考えた場合には、これは資本投下の意味で精製糖の方であげた利潤をここである
程度
移して、それで告示
価格
以外の
原料
価格
の追加払いも可能でないか、それを長官は考えているわけでしょう。だから、精製糖企業を
中心
にしておる会社の場合には、国に納める税金がそれによって少し減るということにもなるわけですね。こっちの方へ五千万円移せば、こっちが赤字が出ておってなお
原料
価格
をこれだけ引き上げたからということで、国に納める税金がその分だけ減るのであって、結局それは会社自体としてみればあまり痛痒を感じないという判断も長官は持っておるでしょう。そうだとすればわれわれは了承できるわけです。 実は、
府県
ビート
の
調査
に行った場合も、
岡山
、
大分
の
工場
の経営者の人たちも、今ここで十六億、十七億の
工場
を建てるということは、企業者から見ると毎年二億五千万も赤字が出ることになるが、しかし、過去数カ年間精製糖の企業によってやはり国からむ
相当
恩恵を受けさせてもらっておる、だから良心的に
砂糖
企業者が将来を考える場合は、単に輸入原糖だけを溶糖していわゆるクリーニング事業でもうけるだけということではなくて、やはり
国内
の
農業生産
と直接関連してわれわれもまじめな良心的な企業者として今後
努力
していきたい、そういう熱意と将来に希望を持って今
府県
ビート
の
工場
建設
をやっておる、そういう話もたまたま
調査
の過程であったわけです。だから、そういう点も長官として十分考えて、この道で行くのだということであれば、われわれもあなたのやり方というものについて期待を持って三十六年の
原料
価格
の
処理
については注目していきたいというふうに実は考えておるわけです。
安田善一郎
21
○安田説明員 ぜひそのような気持で私も
努力
いたしますので、応援をお願いしたいと思います。ただ、直接統制をする場合などと違いまして、やはり実現するものと打ち出すものとが若干差がある場合もあるかもしれません。より
農家
に多く行くということも私は頭の中にありますが、そこのところは少し弾力性を持って考えていただきたい。 もう一つは、
超過利潤
を発生しがちな、またしておった——今糖値は下がっております。糖価の市価が国の
甘味資源
対策
できめておるキロ百二十二円という糖価水準より下がっておると思いますが、しかし、全体の経営収支を見ますと、もうけの方の多い
砂糖
会社でございます。それが
てん菜糖
工場
を営んでおるので、そこで出させたらという点でございますが、私は、芳賀先生の御意見と同様であるかどうかについては、イエスともノーとも折衝中は言わない。もっと
理由
はたくさんあるということでやりたいと思います。
芳賀貢
22
○芳賀
委員
次に尋ねたい点は、
北海道
の
工場
新設について、七月の下旬に、河野さんが大臣就任早々、三十七年度から新たに二
工場
操業という、そういう認可
方針
をきめられたことは、これは言うまでもないことなんです。ところが、十一月の中旬になって、さらに
昭和
三十九年度に新たに四
工場
の操業を認める、これは仮決定だとかなんとかいう説が流れておる。この真偽のほどはわからぬが、とにかく三十九年度にさらに四
工場
の
建設
を行なうというようなことが、河野
農林大臣
と
北海道
知事の町村君との間において、私的か公的かわからないのですが、とにかく二人が話してそういう相談をまとめたということが、これは伝わっておるだけなんですからして、これを公に取り上ぐべきものかどうかもまだ判じかねるわけですけれども、この機会に、担当の長官として、この四
工場
問題というのは実はこうなんだという点について率直に説明しておいてもらいたい。
安田善一郎
23
○安田説明員 大臣がこれはお答えになるといいことだと思うのです。しかし、担当長官として知らないと言うのもまたいけない。事実知っておるんだから。大臣が了承されました前に、
北海道
知事が私のところに来て、自分の意見も申し述べて、
検討
をいただきたいし、同意を受けたいということでした。これは承認という制度になっておりますが、他方、目下のところは、
農地転用
許可を根拠にしておるところもかなりある。自由企業でもあるということでございます。そこで、そういう
前提
のもとに、食糧庁自務当局は具体的細目をなお
検討
しておりまして、御指摘の大臣了承の時期についても、その限りにおいての自務当局の意見を申し述べて、それに基づいてやるということで了承されておる。じゃ何を了承したか。これは、
北海道
知事が、
ビート工場
新設許可は、——
さき
に二
工場
はほんとうに許可しているが、それに次いで、将来の操業を考えた四
工場
、さらにはもう一
工場
考慮することがある、考慮する、——これはちょっとにおいが違いますが、その四または五
工場
、これについて了承したのは、
北海道
知事の意見を、この問題を
処理
する
方針
として了承できる。ただし、さらに細目
検討
をする。あるいは集荷
地域
だとか、今後の
作付
の
伸び
、
反収
の
伸び
が地区によってだいぶ違うようでございます。千五百トンもあれば千トンもある。千トンというようなことが固定的なものかどうか。先生が
暖地ビート
、
府県
ビート
で御指摘のように、今六百トンだけれども、千二百トンに増していくということだということですが、こういうものを
段階
的にしたらいいだろうということで、千トン
工場
を選んで、操業日数は約百十日を予定しておる。もう一つ重要なことは、売り出される、あるいはその基礎であるコスト、原価ということだと思う。
工場
の原値、これらについては、将来の見込みを考えて、先ほど申しましたように、私ども事務当局は、四、五年の間に自立をするように、その間援助する。
農家
も援助すれば
工場
も援助する。
砂糖
製品の
政府
買い上げなんかまさに援助と思っておるのです。そういう上におきまして、この問題は、
北海道
ではもっと
てん菜
ができる、三十四年の総合自給
対策
とそれに基づく計画でも、あらましのことであってもそれをねらっておる。自給化増産をねらっておる。そこで、どこが穏当かという手探りと、
工場
許可の
方針
を、個別の許可の最終的決定でありませんから、
方針
を出すことは、その付近の
農家
の
てん菜
増産に、またあわせて
てん菜
増産増産に企業自身も
努力
をするし、
農家
に対して企業が
努力
をしてもらう、
工場
が
農家
の方へ
努力
してもらう、
農業生産
に
努力
してもらう、こういうことにあまりやり過ぎては、監督して弊害を除去しなくてはいけないから、そういう方面においては早目に詐可をした方がいいだろう。しかし、これは、
てん菜糖
は計画
通り
ふえないかもしれない。網走と十勝は計画以上に出ておりますが、ほかのところは計画以下、八七%くらいとも見える。従って、最終決定の行政
措置
である決定を行なった、たとえば
農地転用
許可を行なった来年度どうなるかわかりませんが、御指導いただきまして、もっと総合的な
てん菜
及び
てん菜糖
の
振興法
案のような制度を設けたいと思っておりますけれども、そういう法案ができるまでのことといたしまして行政
措置
でやることで、本来は自由企業でありますから、そこで、効果があるように、過当競争にならないように、——過当競争は
生産
費を不当に上げますから。そういう性質のものでございます。従いまして、今後も、それが最終決定される場合に、いいか悪いかということは再
検討
するかもしれません。また、はっきりしないものは許可いたしません。
芳賀貢
24
○芳賀
委員
これは長官の言った
通り
のことをわれわれとして
委員会
で聞いたということでおくことにしますが、われわれとしても、何も
工場
がふえるのはいかないとかなんということを言っているのではなくて、たとえば、八カ年計面がその
通り
順調に
伸び
て、
原料
が非常に多量に確保されれば、そのために必然的に
工場
の増設ということが必要になってくるわけだが、ことし一年だけの例をとっても、前年度より
作付面積
は約八百ヘクタール減少しておるわけですね。八カ年計画に比べるとこれは四千五百ヘクタール今年度評面との間にそごができているわけです。ですから、明年度以降施策のよろしきを得なければ、来年度はさらに一万ヘクタール以上
生産
計画と現実との食い違いが出るんじゃないかということも今から危惧されるわけです。そういう
事情
を
承知
しながら、三十九年度に一ぺんに四
工場
なんというばかげたことを、一国の
農林大臣
と
北海道
の行政を担当しておる知事なる者が二人で私的に話し合いをして、
農林省
の事務当局も知らぬ間にそういうことがきまったがごときことを外部に流すということは、これは不謹慎もきわまりないことだと思う。ここでそういうことをわれわれが指摘しても、大臣がいないんだからきょうはその機会でないが、今長官が言われた
通り
、これは政治的にだけ扱う問題でないのです。そういうふうな扱いをすると、何か会社と権力者が利権か何かで問題を
処理
しているというような誤解も受ける。これが誤解の
程度
であればいいが、そういうことをやっておるということになれば、これは許せぬことになるわけで、その点はやはり行政官の立場で良心を貫いて長期的に問題を正しく
処理
するということでぜひこれは進めてもらいたい。そういうことをわれわれはあなたに期待しておるわけです。
安田善一郎
25
○安田説明員 新聞に出ましたのは、
農林大臣
を含めまして
農林省
から一つも出しておりません。近の知事が何か談話を出されたか、全部の新聞に出ておりませんので、その点はちょっと違うと思います。しかし、世間の誤解を招くというようなこととか、行政庁はしっかりやれ、これは全く同じ意見でございます。御同情を賜わりましたが、決して悪くない公務員の行政庁のようにやりますから、御了承願います。
芳賀貢
26
○芳賀
委員
次に、
育成
ブドウ糖
の問題について、これも
岡山
の林原
産業
あるいは
長崎
県の
長崎
農産等の施設とか操業内容をわれわれは
調査
してきたのでありますが、ここで指摘したい点は、
政府
としても
方針
をきめまして、
育成
方針
を定めて、たとえば
政府
の手持ちのカンショ澱粉の安売りあるいは輸入糖の割当を行なって、そして急速にこれを
企業化
するために
努力
されてきたわけですが、われわれが説明だけを聞くと、これは
甘味資源
十カ年計面の速度よりも
相当
テンポを上げておるように見えるが、事実の問題として、一体、
政府
は、安売りをしたり、それからリンク制によって
相当
の資金的な財政的な援助をしておるのですが、これが数量的に期待したように製品化されて確実に消流されておるかどうかという内要については、どの
程度
正確な内容を把握しておられるのか、ぜひこれを明らかにしておいてもらいたいと思うんです。
安田善一郎
27
○安田説明員 ちょっと私の勉強の足りないせいですか御質問の
趣旨
がよくわかりませんが……。一応それじゃ中西君が直接お答えする前に申し上げますが、
甘味資源
対策
のこまかい制度的なもの、助成施策、さらに数量計画、これは増産計画の長期的なものということになるわけですが、しかも、それは、最終目標だけをあげないで、ことしから来年へ、来年から再来年へという最近時の将来の年次別目標ということでありますが、これらにつきましては、来年度に間に合いますように立て直しするつもりでございます。これは先ほど申し上げた
通り
でございます。大体の
消費
量があのブドウ粒を含めた
甘味資源
対策
の最終年次のものともう一緒になっておるということは、計画自体用をなしませんので、あわせまして、施策も、初めてであったものですから、今日まではいろんな手を打ってとにかくやろうという気持はわかりますが、体系的で打つ手が効果を非常に現わすということに私多少疑問を持っているところもございます。運用よろしきを得なければ、また
関係
業界のまじめな協力がなければ弊害を生ずる場合もあるかもしれぬと思うのであります。それは、たとえば粗糖輸入の切符を渡して
砂糖
会社へ持っていきまして金をもらう。幾らの金をもらうかわからないんです。総
超過利潤
十八億、税その他を引かなければ三十六億というやつも、あれは全国べースのわけでございます。キロ当たり十二円の上期もあれば、八円の下期もある。翌年の三十五年は二十円くらい。しかし個々の企業と企業がそれは結びつくリンク制でございますから、そう行ってない場合があり得るのです。また、話し合いで変更でき得るものだと思う。根拠は要領が通達で出してありますけれども、幾らとは出ておらない。そういうことなどを、いい制度だけれども、具体的実施にあたっては業界のまじめな協力がない場合は弊害を生ずる場合もあるというので、一応本年度上期でそれは打ち切ろうと思いまして打ち切っておりますけれども、本来の
目的
である
育成
、助成ということは、もっとそれを必要とするということも考えられますので、ここのところは、永久に長く続けるということでございませんで、自立させるまでの道程におきまする一つの
方法
で、他の
方法
もありますが、そこのところはもう少し余裕を持ってもいいのじゃないかと思います。しかし、いつまでもやることではないと思います。また、
ブドウ糖
は、
生産
面で申しますと、製法その他から御
承知
のように非常に進歩がはなはだしい。最近は光線を当てるだけで澱粉から
砂糖
になるものの
研究
すらあるようでございます。その変化に応じて、固定的な制度を何としても役所が作るときはやりますので、これを、
実情
に即しまして、あまりごちゃごちゃした制度でなしに、太い数本の効果あって間違いがない制度を作りたい。従来あるものの中から足りないところは新たにつけ加える。これも、幾らおそくても三月まで、ほんとうの私どもの希望的目標から言いますと年内にと、こういうつもりでおります。 そのほかでもっと御質問になったようでございますが、今申しましたことが御質問のお答えになりますれば答えとして御了承願いたいと思います。どうも御質問は違っておったようでございまして、
趣旨
がよくわかりませんでした。
芳賀貢
28
○芳賀
委員
中西さんからもう少し詳しく……。
中西一郎
29
○中西説明員 現在のところ、ちょうど澱粉、なま粉の出回り時期がずっと続いたりいたしておりまして、
育成
用の澱粉の安売りをストップしておった
段階
でございます。また、長官からお話がありましたように、粗糖のリンク制度も上期で一応ストップいたしております。今後の問題としまして、先生の御指摘になりましたその根っこである精製
ブドウ糖
なり結晶
ブドウ糖
なりの
生産
の実態を確実に把握しまして、それに対して
政府
の安売りなりリンクをやっていくということで従来の
方法
をなお
検討
いたしたいと思っております。従来はどうしておるかといいますと、従来の
方法
は、各
工場
に穀物検定協会の方から検査に出向きまして、その検査の確認を組合を通じてわれわれの方にいただいて、それをもとにして、その数字に応じて安売りなりリンクをやっておった、こういうのが実態でございます。
芳賀貢
30
○芳賀
委員
そうすると、結晶
ブドウ糖
の製品化されたものを農林規格か何かによって穀物検定協会が検査をする、その検査数量に基づいてその製品の数量的確認を
政府
が行なって、それに
原料
の
政府
手持ちの安売りを行なうとか、それからいわゆる輸入粒のリンクをやるとか、そういうことで今まではやってきているわけですか。
中西一郎
31
○中西説明員 その
通り
でございます。
芳賀貢
32
○芳賀
委員
それで、なお、長官も言われたことだが、リンク制によるリベートといいますか、それは、精製
ブドウ糖
会社の各社別におおよそどのくらいそれが配分されておるかということは、
農林省
としてわかるわけですか。
安田善一郎
33
○安田説明員 それは、実績をとりまして、実に繁雑なものでございますけれども、取引ごとの検定協会の書類をつけて切符を渡しまして、輸入判当券にプレミアムがつく
範囲
で分けるという制度ではないかと、私は前にきめてあることを弾解しておりますが、キロ八円もあれば十二円もあります。さっき申しましたように、二十円もあれば五円もあればというのを、食品課長の方で、計算が大へんなんですけれども、集計をいたしておるわけであります。
芳賀貢
34
○芳賀
委員
これは、混入用ということでは全くなくて、輸入制当券のリベートを取って、それで
育成
ブドウ糖
の経営強化をやる、それが最初からの
目的
だったのですか。われわれとしては、精製
ブドウ糖
とこの精糖の混入をすることは過渡的には消流
対策
にもなるだろう、そういう説明をかつて聞いたこともあるのですが、混入用の割当というのは全然していないわけですね。
安田善一郎
35
○安田説明員 お答えいたします。 大カン練乳の方に
政府
が買って
てん菜糖
を渡す、こんなようなふうに端的に
政府
が介入することでございません。それから、
政府
は介入しないで強制的に必ず混入せよということではありません。 もう一つは、輸入券のプレミアムだと理解をいたしますといいましたけれども、実際そう私は理解しておりますが、しかし、
砂糖
会社の利潤に食い込んでも出せばそれでもいいというような通達要領、制度です。だから、ここらは、計画を立て直す場合、制度をもっと総合的に強化する場合にはきちっとしたものにいたしたいと思っております。
芳賀貢
36
○芳賀
委員
大体わかりましたが、従来も、原糖の輸入割当を受ければ、一万トンについて二億ないし三億の利潤があるということは、これはもう一つの既成事実のように国民も
承知
しているわけですが、そういうことだけをいつまでも認めることはいかぬが、そういうところにもやはり、今回の金額の問題は別としても十八億
超過利潤
吸い上げの根拠もあると思いますが、聞くところによりますと、今後はリンク制はやめるというわけですね。そのかわり
超過利潤
の吸収した分から
育成
用に国が助成をするというふうにもわれわれ聞いておるのですが、その
関係
はどういう
方針
ですか。
安田善一郎
37
○安田説明員 行政庁の政策が国会の御審議、指導、監督を受けながら
農林大臣
が指示して行なわれるわけですが、これはやはり変えるべき点ははっきりすれば変えていく。そうでない場合は行政のつながりがなくてはいけない。従いまして、
昭和
三十四年と三十五年に
ブドウ糖
を含めまして
国内
糖の自給
生産
をやるときに、コスト、
価格
から見た場合水準が高い、
砂糖
的なもの、
甘味資源
的なものの製品のコストが高い。将来はやがて高くなくしていかなくてはいけない。現在は高くしておきませんと自給
産業
が起こらない。そこで、糖価水準を国際
価格
並みより高くしている
理由
がある。それから基づきましてものを考えますので、さっき申しましたように、企業別に四、五年、これは五年といっても決定されたあとはいいと思います。最初の三年間を限度としたようなところで施策を集中して、四年目ぐらいで少し赤字が出るとか少し黒字が出る、五年日は企業として安定する、
一般
物価とか
一般
財政政策の影響を受けてのことはこれは別のことでございますが、そういうふうにしていけばいいと思っておるのです。いわば理想を持って目標を立てた。
生産
性
向上
を
国内
産業
上
消費
者に向かいましても
生産者
に向かいましても合うように。もう一つは、行政庁の施策は、変える
理由
があって明確に変えること、互いにつながりがあるように。従いまして、輸入粗糖から精製糖を
国内
で行ないまして、言っておる普通の
砂糖
でございますが、
国内
甘味資源
の
育成
のために高くて利潤が特別に発生しておるという事態が今後も予想されるわけです。それについては、何億かは別としまして、これはそういう政策のために出てくる超過差益金だと思います。そういうものは国か国にかわるべき公的機関に集めまして、公共事業とか
産業
育成
とかいうものに使う。なるべく
関係
深いものに使うのがよい。さっき芳賀先生が御指摘になりましたそういうことをやめる気はございません。
芳賀貢
38
○芳賀
委員
リベートの出るようなそういう割当制はやめるというのですから、これはわれわれも賛成ですが、ただ、問題は、
原料
の安売りとか、そういう特別の資金的な援助とか、精製
ブドウ糖
は御
承知
の
通り
消費
税の課税対象にはなっていないわけですが、そういう
育成
措置
が続く間は量的にやっているとしても、一体いつ自立できるかということは非常に大事な点だと思うのです。たとえば三年後とか五年後にはこれが完全な企業として自立して安定してやっていけるならいけるという見通しがつかないと、これに関連したカンショとかバレイショの
生産
とか、あるいは澱粉の消流とか、そういうものにも重大な影響を及ぼすわけですからして、やはり、ちょっとインチキに見えるようなそういう場当り的な援助政策はやめて、長期的な筋の通った
育成
政集をこの際明確にしていくべきではないか。私たち
調査
の過程でそう考えております。たとえば、林原
産業
にしても、日産百五十トンくらいの設備ができておるわけです。二十五日操業しても大体月三千五百トンぐらいは十分
生産
があがるわけです。一年間に四万トンぐらいの精製
ブドウ糖
の
生産
が一
工場
でできると、十カ年計画十五万トンという期待は三万トンないし四万トンの
工場
が四つないし五つあればそれで十五万トン達成ということにもなるわけであって、その分野に対する期待というものもお互い強く持っておるわけですが、長期的に安定した
甘味資源
の
国内
自給の大きな期待をされた企業として順調に
伸び
るように、この際明らかな施策を進める必要があるのではないか。特に、これにあわせて、最近は、イモを
原料
に乾燥した澱粉にしてそれから精製
ブドウ糖
にするというような製造工程よりも、これをもっと簡素に、たとえば
ビート
の
原料
から
砂糖
が出ると同じように、カンショとかバレイショを
原料
にして最終の工程では
砂糖
が出てくるというようなことも、現在では国際的に見てもそういう製造が可能だという時期に来ておるわけです。だから、
てん菜糖
の問題も大事ですが、やはり、精製
ブドウ糖
の問題についても、そういう一貫した製造工程によって、コストの低い
砂糖
というものがイモを
原料
とした分野においても量的に
企業化
されて
生産
されるようにするためには、一番先行すべきものは
試験研究
だと思うのです。こういう点に今まで企業は非常に消極的だったですから、今後もこの精製糖の利益の吸収を考える場合には、やはりそういう
試験研究
の部面にも吸収した金を有効に活用するようなこともあわせて
方針
として立てる必要があるというふうにわれわれは考えておるのですが、それはどうでしょう。
安田善一郎
39
○安田説明員 食糧庁といたしましては全くその
通り
に考えております。これを、年内でも、おそくとも来年度に間に合うように、来年の年初におきましてはっきり確定してまた御批判を受けたいと思います。たとえば、その中で考えておることを二、三例を申し上げますと御了解願えると思いますが、
ブドウ糖
を
育成
する場合に、
政府
が買いました澱粉を特別
価格
で売るわけでございますが、これは成り立つまでいつまでも特別
価格
で売るというのもおかしいと思うのです。精製
ブドウ糖
の中には、普通の
砂糖
で言えば含みつ糖とみつを取った分みつ糖とがありますので、差もあります。先ほど強制混入のお話がありましたが、普通の
砂糖
及び
てん菜糖
と全く同一のものではない違う用途がある。これは
消費
増進その他をやらなければならない。ブドウ粗の方が適したものもあります。微粉ですから、医薬とか、ジュースとか、チューインガムですか、ああいうものは、普通の
砂糖
や含みつ糖や
てん菜糖
よりすぐれておるはずであります。ところが、代替できる部分もあるわけでございます。それを分けながら目標を出していくのも一つの手だと思います。そして、
てん菜糖
は区別したいのですが、
技術
進歩の度合いが非常に超スピードで行なわれるようでございますので、それでそう思いますが、
てん菜
で私が四、五年で自立と言いましたのは、一年は自立に近い状態、その前三年は強い太い線で簡素に効果があるように
育成
政策、——監督も加わりますが、それをとるとなりますと、
ブドウ糖
も似たようにやるのがいいのじゃないかと思っておるわけであります。あまり業者に差がないようにということも考えますが、ただ、行政の実想を申し上げますと、
てん菜
よりまだ実態をよく把握いたしておらない部分があります。これは最近のものでありまして、
育成
の緒についたところでありまして、
技術
や製法が御指摘のようになま粉からいきなり
ブドウ糖
ができるという
方法
もあるわけでございまして、普通の
砂糖
、
てん菜糖
、
ブドウ糖
、こういうように順序がある
程度
に、
研究
、実態把握、将来の展望、
消費
の見込みの見積もり、こういう点に弱いところがありますから、可及的にやって
経験
を経るごとに改定をしていったらどうだろう、こういうふうに考えておる次第であります。
芳賀貢
40
○芳賀
委員
てん菜
問題はこの
程度
にしまして、この機会にあわせてお尋ねしておきたいのは、澱粉の
価格
維持の問題なんです。 すでに三十六年産のカンショ澱粉並びにバレイショ澱粉は
政府
の買い上げ
価格
が公表されたわけですけれども、結果的には、カンショ澱粉は若干買い上げ
価格
を上げたわけですけれども、バレイショ澱粉の場合には、最初
農林省
は幾分値上げするようなことを
委員会
でも言うておったが、発表したのを見ると前年据え置きということになっておるわけですが、最近の取引状態を見ると、特にバレイショ澱粉の場合は
支持価格
を非常に下回っておるわけです。
政府
の
支持価格
は四十五キロ単位で精粉が二千七十円ということになっておって、実際取引は二十五キロの袋入りで取引されておって、これは千百五十円がいわゆる
支持価格
ということになっておりますが、この
価格
が百円以上下回ておるわけです。年末の
事情
も一部はあるとしても、食糧庁が
調査
されてもことしの製品は出回り当初からずっと
政府
の
支持価格
を下回っておるわけです。ですから、このままの推移でいくと
価格
維持はなかなか困難ではないかと思うわけですが、これに対しては、当然、農産物
価格
安定法を根拠として
生産
行団体の共販による自主調整計画というものを立てて、そして
政府
の承認を受けて最終的には買い上げ発動ということにもなるわけですが、今の状態を見ると、今年の場合には特に
政府
として買い上げ発動の
方針
を
早期
に決定され善処するということでなければ、
価格
維持はなかなか困難ではないかと思われるわけですが、これに対して、最近の取引状態の
実情
等についても
調査
が進んでおると思いますが、現在どういうような判断でおられるか、その点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
安田善一郎
41
○安田説明員 問題は二点だと思います。 最初の一点は補足的だったと思いますが、イモ類とそれから出る澱粉で値上げをしそうだったが、カンショは若干上がり、バレイショ
関係
は据え置きのようじゃないかということですが、ざっと見ればそうであります。それでも、バレイショも、上がるものがある、
努力
していいものを出すむのは上げるという姓前でありまして、そういうふうに行ないました。いきなり理想的にやるのは、過去と違いまして、初年度でございますから、澱粉含有率を大体上と下の方に、多い方、少ない方に設けるのはよくないじゃないかという意見がありましたことが一つと、
てん菜
の増産がもっと期待されてもいいという
事情
があるのに、労働報酬を
生産
費
調査
に即して見たのですが、バレイショの方が
北海道
では
相当
いいような状況でございましたから、これはイモ類を下げるわけにはいかない。しかし、
てん菜
は四月に告示がございましたから、この際は、据え置き的なもので、いい澱粉含有率のものは上がるのがいい、そういう考えできめましたもので、そのような御意見が出たと思います。来年は、これを、農産物安定法の精神にかんがみまして、
農業
基本法はもちろんですが、もっと大胆に是正すべきものと思うのです。
てん菜
の
価格
で申しました
通り
であります。 第二点は、澱粉
関係
の流通
消費
あるいは
生産
消費
の実態はどうかということでございますが、カンショ澱粉は、その用途のせいであるようでございますが、非常に売れ行きがよくて、
政府
の方へ売りが出て参りません。それから、過去非常にストックがあったという
政府
管澱粉も、売りさばいて、手持ちがなくなるという見通しがついている状況でありまして、むしろこれは
支持価格
制という
目的
を達しておると考えておる。これに反しまして、バレイショ澱粉は、去年から買いましたものがほとんどそのまま
政府
在庫となっております。それを
ブドウ糖
育成
用に特別
価格
で安くして払い下げ、有効に使っていくということを考えております。しかし、何しろ
生産
が、あるべき普通の状態の流通
消費
、それよりは過剰気味でございます。これをむやみと下げて売る気はございません。ございませんが、穏当な調整策をいつかは講ずるべきものだと思います。澱粉は数カ年腐りませんから、
政府
に在庁があったってちっともかまわないと思っています。なお別の用途で市場開拓のようなふうにして、ちょうど乳製品の学校給食のようにして売る方がいい。そういうことが出て参りますれば、それも
研究
したいと思う。従いまして、バレイショ及びバレイショ澱粉とカンショ及びカンショ澱粉の差も以上のように考えますと同時に、バレイショ澱粉の
政府
在庫も、申し上げましたような認識のもとに行政を行なって参りたい。 それから、次年度には、そのおのおのの
価格
はどうだということでございますが、申し上げた
通り
でございます。そうすれば、ちょうど御質問の、バレイショ澱粉が
支持価格
を下回っておる、これはどうだということでございますが、在庫は多いのですけれども、カンショ澱粉の方の在庫はないぐらいの
目的
を達して、予定しました
予算
が余っておるわけでございます。ただ、補正
予算
を三十六年度において行なっていただきました場合に若干修正をいたしました。荷が出てきませんから、カンショの方を削って赤字補てんの方に回した。
一般
会計からの赤字補てん用の繰り入れをそれだけ現実に行なわないで、食管会計の中でやったということでございますが、当初
予算
よりも
政府
貰い上げ澱粉の量がいわば減っておるということでございます。しかし、余裕がないわけではございません。そこで、
予算
の
範囲
内で大蔵省とよく話をいたしまして、もっと買い上ぐべしという、そういうことがあれば善処するつもりでおります。食糧庁当局にはこの意見が来ておるかもしれませんが、私、直接聞いたり、また部課長からまだ聞いておりませんので、よく調べまして、先生の御意見に沿いますように、必要あらば買い上げる、そういうふうでやっていきたいと思います。
芳賀貢
42
○芳賀
委員
これは、順序としては、先ほど言った
通り
、まず
生産者
団体が調整保管計画を立てて、これを
農林大臣
が認定して、それで、その調整保管の自主的
努力
を行なってもなおかつ
価格
維持ができない場合に
政府
の買い上げ発動ということになるので、そういう
段階
を経なければならぬが、われわれの判断するところによると、やはり
早期
に買い上げ発動の態度を
政府
がきめて、そうして、年内買い上げができないとしても、少なくとも三十六年度内買い上げというものを迅速にやらないと、せっかく基準
価格
だけ発表しても、その
支持
ができないということになるといけないので、これを速急に進める必要があるのではないか。過去の経緯から言うと、バレイショ澱粉の買い上げは、年度を越えて、大体早くて五月ないし六月に行なわれておって、本年度も六月に三十五年度産を約二万四千トン買い上げて、それで大体
支持
したという実例もあるのですが、今の効果ある
措置
としては
早期
買い上げ以外しか
方法
がないと思うのです。だから、この点については、たとえばカンショ澱粉が買い上げに至らなくて済んだ
予算
の残り分とか、あるいはバレイショ澱粉等についてもある
程度
の
予算
の残り分はあるでしょうし、また食管の農産物安定勘定の予備金等も活用すれば、ある
程度
の
目的
を達成するに足る買い上げ財源というものはあるのじゃないかというようにわれわれも判断しておる。この点の
方針
はできるだけ年内にきめて、発動については年があけてからということになると思いますが、
早期
にその
実情
を把握して
方針
の決定をすべきじゃないか。 それから、もう一点は、カンショ澱粉の手持ちは
育成
ブドウ糖
用に毎年放出しておるので、ほとんど手持ちがなくなるというような見通しがついておるが、バレイショ澱粉の場合には毎年の買い上げ分が滞貨されておるような状態ですね。すでに十万トンをこえておるのですが、ただ腐らないから持ってもいいということだけでは済まないと思うのですく大体一年間の国が負担すべき金利あるいは倉敷を計算すると、四十五キロ一袋について百四十円くらいの国の負担分がかかっておる、ですから、腐らぬ腐らぬといって五年も六年も持っておるということになると、金利、保管料だけでも一袋について千円もかかるということになるので、これも有効な国費の使用ではないと思うのです。だから、今長官が言われた
通り
、すでに
委員会
においても、たとえばバレイショの澱粉についても、
政府
の手持ち分をあるいは
育成
ブドウ糖
用にするとか、あるいは特別の用途というものを開拓して活用すべきである、そのためにはカンショ澱粉と同じようにある
程度
の安売り
措置
もこれはいたすべきである、こういうことで
委員会
の決議として
政府
にその実行を要求しておるようなことにもなっておるので、そういう手持ちバ澱の
処理
ということについても、
早期
に
方針
を明らかにすれば、それが市況にも好影響を与えるだろうということが予測されるので、この点について
政府
は積極的にぜひ善処すべきであるというふうに実はわれわれとしては考えております。
安田善一郎
43
○安田説明員 芳賀先生お詳しいので、実は、新米の私、
ブドウ糖
澱粉の勉強はまだちょっと足りませんですが、至急勉強いたします。 第一には、
政府買い入れ
はやぶさかでないと申しましたが、その
通り
であります。大蔵省と相談して
予算
の
範囲
でと申しましたが、カンショ、バレイショ及び澱粉は大蔵省と十分協議してきめる問題でありますから、農安法という法律がある以上、
申し出
があったら財政
関係
の承認を求めて買い上げるということにします。これは大蔵省に異論があるはずがない、あれば間違った異論である。だから、先生の百四十円かどうかちょっとわかりませんが、金利、倉敷をにらみ合わせて
早期
措置
をするということで、すみやかに確定
処理
します。ただ、
関係
農業団体
とはよく相談したいと思います。それがどうも実は私に届いておりませんので、至急そういうこともよく打ち合わせまして、結論は今先生がおっしゃいますようなふうのことを
方針
を明示したいと思います。きょう速記がついておりますところで先生の指導的な質疑があって私が答えれば、せん明したようなものだと思いますけれども、それをさらにもっと具体的に詰めまして手を打とうと思います。
芳賀貢
44
○芳賀
委員
カンショ澱粉については、先ほど、カンショ澱粉の出回り
期間
中は、
政府
の
育成
ブドウ糖
用の安売り
措置
は、放出はその時期は注意するということでしたが、これはまことに賢明な
措置
であるからして、ぜひそういうことにしてもらいたいと思う。私たちが九州等を
調査
した時期がちょうど十一月中旬で、
原料
カンショの出回り時期でありましたが、取引状想は幸いにして一貫匁二十六円ないし二十七円
程度
で取引が行なわれておるということを聞きました。いつもでありますと十一月は非常に
支持価格
より安値で取引されておるのですが、そういうことであったことを当
委員会
でも
報告
にかえて発言しておきたいと思います。そういうふうに
原料
取引は行なわれていて、今度はカンショ澱粉の
価格
が
政府
の安売りと競合して市況が悪くなるようなことは避ける必要があると考えてきたわけですが、
政府
、
農林省
の方でもその時期は注意するということで、市況の好転を考えておるとすれば、ぜひそれで進んでいってもらいたいと思うわけであります。 最後にもう一点尋ねておきたい点は、大豆の問題ですが、これを二点に分けて、第一点は、
昭和
三十五年の
国内
席大豆についての
政府
の交付金要領がまだ最終的には決定が行なわれていない。これは臨時国会の当初にあと一週間くらいできまりますというような答弁もあったのですが、その後半年はたたぬが何カ月もたっておる今日においてまだ決定が行なわれていない。もちろん事務的には
農林省
と大蔵省当局の調整等の作業で延びておると思いますが、少なくとも年内に三十五年算の大豆については清算ができるようにするのが至当でないかと思うわけです。それで、この点については今どういうような作業状態になっておるのか、正式決定というものはいつ行なわれて、そうして
政府
のこれに見合う交付金というものが流されるのか、この点を三の機会に明らかにしてもらいたい。 第二点は、前国会において修正で成立しました大豆なたねの交付金法についても国会において大幅修正をしましたので、法律に伴う政令並びに省令等についても、修正成立された法案に基づいて策定するということになっているので、当時は間に合わなかったわけですが、現在においては成立した法律に伴う政令並びに省令がすでに整っておると思うわけですが、それはどういうことになっておりますか。 この二点についてお尋ねします。
安田善一郎
45
○安田説明員 三十五年産大豆についての貿易
自由化
に伴う
国内
席保護のためにする交付金の点でございますが、基準
価格
は三千二百円、これはもう決定いたしております。従いまして、私が申し上げるのはどうかと思いますが、
農業団体
と打ち合わせてもう実行されておると思っておったのです。ところが、そうでなしに、
農業団体
には通知をいたし、打ち合わせをいたしまして、向こうも了解しておる。そこで、決定されたものも実行される状態にあるが、まだ実行していないということが現実のようでございます。なぜ実行できないかは、
農家
手取りであるところの補償的
価格
、すなわち、大豆なたね法による交付金額とその単価、こういうようなものが流通経費分を差し引かなければなりませんので、協議し
研究
し合っておりますけれども、まだ実はデータが農協から出てこないのです。それが出てくればすぐ施行すればよろしいのでございまして、たとえば決裁のはんこを押すというのは済んでしまっております。早く作業を急がせます。 第二点のは、大豆なたね法案が国会で修正になりまして、それに伴う政省令はどうかということでございますが、この八日の閣議にかけたいと思って
努力
しました。法制局、大蔵省と打ち合わせましたものが、実は私事身が少し異論がありましたので、この次の閣議か、あるいはその次の閣議、まあこの次と思っておりますが、間に合うように、もう一ぺん一部数点をやり直させておる。その点はどの点かといいますと、修正があった点であります。修正がない原案のものと、修正があった後の法律の施行のための政令及び省令一はどこがどう変わるということがはっきりしなければならないのであって、パリティ
価格
を見ます場合に、
自由化
の影響のない年を選んだ方がいいでしょう。そのほかに考える
生産
費その他の
経済
事情
はどれを端的に取り上げるのがいいか、物価その他の
経済
事情
というのは、漫然とそうぼうっとしておったんではいかぬ。ただぼうっとしておるだけで財政
事情
を加味するということは本意ではない。簡単な点でございますが、それらを修正するのと、
価格
自身実はまだきまっておりません。これは折衝を口頭で始めたところであります。と申しますのは、
生産
・需要には、
生産
費はもちろんでありますが、何を取り上げるか。不幸にして、統計
調査
部の数字は、市価の半分ではありませんが、非常に低いのであります。修正してみましても低いのであります。それは三千二百円につながらなくてはならぬ。その後の物価状況を反映しなければならぬ。そういうことを思っておるので、金額が合わないのであります。しかし、政省令の御質問でございますが、
価格
を決定する作業と一応精神は同じでも政省令を切り離して出す
方法
もございますから、その政省令は早く出せばそれだけ効果もありますから、一応切り離してこれは早くやろうと思います。両者を——両者というのは
価格
と政省令という意味ですが、それを通じまして、できれば年内に
処理
をしたい、こういう考えでございます。
芳賀貢
46
○芳賀
委員
政省令の問題は結局基準
価格
の問題にもつながるわけですから、本来であれば法律審議とあわせて政令、省令案を同時に出して審議の対象にすべきですが、修正したというような
関係
があって時期がずれたわけですが、法律の精神と違ったようなものをでっち上げる場合もないわけでもないですから、あくまでも、法律のしかもその修正した精神をまげないような政令、省令というものは、これは当然良心的に作られると思うのですが、予測される点ですが、たとえば基準年次の問題等についても、当時
委員会
で議論した点は、
自由化
の影響を受けない最も近い年次ということで、
昭和
三十一年、二年、三年が妥当でないかというような論議もしたわけですから、これがまた大きく変わるということになると、
価格
決定にも狂いが来るようなことになると思うわけです。ですから、そういう基準年次のきめ方とか、あるいはまた基準
価格
を
政府
がきめて公表する時期等についても、現在までの農安法によると、なたねについては六月末日まで、大豆については十月末日ということになっておるが、今度の交付金法の場合は、やはり
国内
における当該なたねとか大豆とかのそれぞれの出回り期の前に
政府
が
価格
決定をして公表することが一番望ましいことに当然なるわけです。そういうことになると、内地町県の早場地帯等を考慮に入れた場合には、なたねについては農安法では六月末ということにはなっているが、やはりこの場合おそくても四月末日あたりまでにはなたねの基準
価格
の発表をやるべきではないか。あるいはまた、大豆等についても、出回の早い九州地帯等を考えた場合には、農安法では十月末日だが、交付金法によればやはり七月の末日あたりまでに発表する必要があるだろう、当然こういうことになるわけですねですから、これらの点はこの法律運用上から言っても非常に大事な点になるので、ぜひ政令、省令の決定等についても、こういう大事な点はわれわれ
委員会
の審議に当たった者の考え方とあまり大きな食い違いがないように
処理
していってもらいたいというふうに考えております。 なお、三十五年の点については、この交付要領はもう判を押すばかりになっているという意味なのですか、ちょっとわからなかったのですが。
安田善一郎
47
○安田説明員 三十五年は、さっき言いましたが、決裁は済んでしまったのです。ただし、食糧庁が
農業団体
から資料提出を待って、流通経費を出してもらって、それをなるほどいいな、あるいはちょっとふくらみ過ぎてひどいなということを事務当局の事務として決定をすれば、もう決裁は要らないというふうになっております。作業だけ残っているということでございます。 あとの、大豆なたね法案が国会修正になりましたときの
趣旨
をあまり大きく下がらないようにというお話でございますが、当然私はそう思っておりますし、あまり大きなところが下がらぬようにと思っております。年次について申しますと、三十一年を含めたその後の年についての三カ年、それから三十二年からの三カ年、三十五年を含めたその上の三カ年、それらのことは、法案修正のあった際や、修正のみならず、審議にあたって私どもの答弁した
範囲
内では、私は二様に答えているわけであります。三十一年からと、一年を省く場合と、二様に答えているようでございます。二様というのは変でございますが、答えました。
研究
問題があるように思ったからでございます。その他のことも同様なことでございまして、基準とする、再
生産
を確保することを旨とする、それとあわせて
生産
費というものを打ち出しておる、需給
事情
というものを抜いておる、こういうことも、端的に修正案に即して、修正だけの効果があったようにと言うとちょっと失礼でございますが、修正に即しておらなくちゃいけない。そこがそうでない点が若干残っておりますので、そこを抜いた以外はもうありませんので、閣議に間もなく出るのであります。 もう一つは、決定の時期のことでございますが、これもそれとほとんど下がらぬと思われる時期に立案されておりますが、あまり早くやりますと物価上昇期と下降期で
農家
保護の度合いが述うと思うのです。物価上昇期に
早期
に決定するということは
価格
決定時期の額の低い方をとることになると思うのです。パリティ指数
価格
がそうなりますから。バック・ペイという思想が米で出たことがありますが、そこで、
早期
の、法案全体の
目的
を達する時期というような建前でおるわけでございまして、なおそれについては
研究
いたしますが、四月、八月よりはおそい方がいいと私は思っております。早くきめれば物価上昇期でパリティ指数の低い方をとって、あとは物価は将来はわからないものです。想像はできるけれども、みんな
関係
各省集まって意見が違うことが出てくるので、それよりは、物価上昇期と踏んだら、そうでない方がいいじゃないか。しかし、下降期もありましょうし、横ばい期もありましょう。いろいろ問題はあると思いますが、もう一、二カ月先生の御意見よりおそいところがいいのじゃないかと思っておりますけれども、
研究
いたします。
芳賀貢
48
○芳賀
委員
それは、
農民
の利益も考えてのそういう時期の決定であれば、これは専門的に
検討
して有利な
方法
をとってもらえばいいが、たとえば
てん菜糖
の
価格
に一例をとっても、八カ年も据え置きでずっと来て、もう四月にきまっておって、その後
経済
の激変がないから直すわけにいかぬということでいけば、そういう筆法でやるなら、いつきめても同じじゃないかということになるのだが、特に
農家
の利益のために時期を慎重に考えるということであれば、それは長官の
措置
に期待してもいいです。それで大体案が固まっておるとすれば、なるたけ早い機会に
委員会
に説明するとか、あるいは資料としてでもやむを得ぬですから、
委員会
が開かれてない場合にはみんなに配付されたい。その点
委員長
を通じて要求しておきます。
安田善一郎
49
○安田説明員 政省令に委任された
事項
を事実上御提出申し上げて、よりよきものにするということはやぶさかではございませんが、提出する気はございません。きまったあとの方がいいのではないかと思います。
ビート
は、私はきまったからどうだとせずに上げようと思っておるわけですから、七年間据え置きだったというのは認識が違ったのじゃないかと思います。私の考えはそうでございませんから、そのように
努力
したいと思います。
丹羽兵助
50
○
丹羽
(兵)
委員長
代理
藤田
義光
君。
藤田義光
51
○
藤田
委員
簡単にお聞きしたいと思います。
イタリア
は大体十カ年計画を立てて一応の成果をおさめておるようですが、その成功した
理由
はどこにあるのですか。ちょっとお聞きしたい。
田村金一
52
○
田村説明員
イタリア
におきまして、
ビート
を奨励するためにとっておる
措置
の一番重要だと思われましたのは、
原料
てん菜
の
価格
の
支持
のやり方だと思います。これは増産をすればするほど
農家
の収入がふえるような仕組みの告示
価格
、公定
価格
を作っておるために、
農民
が喜んで作ったのが第一だと思います。そのほかに、
工場
の
生産
につきましても、日本に比べるとやや合理化されておるのではないかというふうに考えられました。以上です。
藤田義光
53
○
藤田
委員
生産基盤
の問題とか、あるいは
品種
の問題、そういうことはあまり影響はありませんか。
田村金一
54
○
田村説明員
品種
につきましても、
イタリア
には国立の
てん菜
試験場
がございまして、これでいろいろ
研究
をして、いい
品種
を見つけ出しておるようでございます。 それから、
生産基盤
につきましては、
ビート
を
栽培
するに適する土地が日本に比べると非常にたくさんあるような気がいたしました。
藤田義光
55
○
藤田
委員
そこで、長官、二回目の
調査団
を派遣された
理由
を端的にお話し願いたい。
安田善一郎
56
○安田説明員 お答え申し上げます。 第一には、
調査
結果を国の政策に入れることに権威がいる。前の
調査団
は国の政策を間近にしっかり立てる場合にはやや明瞭を欠くことがある。第二には、日本には、先ほど申しましたように、梅雨季でなくとも雨が非常に多い点に差がある。第三は、
経済
的な
企業化
の
参考
になる
調査
が弱かった。その他にもありますが、以上でございます。
藤田義光
57
○
藤田
委員
これは御本人から確かめていないから正確でありませんが、河野
農林大臣
が
暖地ビート
に対してやや消極的な態度であるというようなうわさを聞いておりましたところ、
イタリア
に二回も
調査団
をやって
相当
積極的な態度を示しておられるようですが、ただいま
田村
技官のお話にもありました
通り
、
ビート振興
に関しましては
価格
政策というものがきわめて重大であると思うのです。
価格
と金融
対策
を確立せずんばなかなか今後うまく運営できないと思うのですが、そういう
価格
金融問題等に関しまして、何か長官として将来構想があれば一つお示し願いたい。
安田善一郎
58
○安田説明員 芳賀先生の御質問に応じましてかなりお答えしたような気もいたしますが、重複するかもしれませんが、
価格
政策は、
農業
基本法の精神によりまして、
農業
基本問題
調査
会でも触れておりますように、農産物については、三種類くらいの、差が多少あるかもしれぬという扱いで、その内容を含めながら統一的な総合的な農産物の
価格
政策を講じませんと、選択的
生産
拡大とか、他のものに転作をして特定のものが成長部門として成長していく、転換を易からしめる、——
価格
の
生産
上の効果でございますが、そういうことが少ないと思います。現状はそれがいささかばらばらに過ぎると思うのです。あわせまして、農安法物資等は、かりに土地の
生産
力を上げましても、
反収
が増加した、そうすると値段が安くなる算式が出ております。これは、よろしく、
価格
の形成の仕方をもう少しまとめながら、意味がよく現われるようにして、
努力
の効果あるいは
技術
の効果が
農民
の所得に返らないとだめじゃないか、
反収
がふえてそれだけ値が安くなるだけでは成長部門の方はいけないと思います。維持部門においてもやはり
相当
考えらるべきことで、
農業
基本法の所得格差の是正とか生活水準の格差の是正ということになると思います。はっきりとこれは衰退部門だというものは、自由にまかせるとか、
価格
も
程度
の差をつけてもいいのではないかという気もするわけでございます。しかし、その
価格
をきめるとかきめぬとかには、
政府
ないしはこれに準ずるものかあるいは
農業団体
が調整保管事業を行なうこととして物を握る場合と、握らずにやる場合と、いろいろあろうかと思います。そうした場合は、追い払いとか何とか、やはり
農業
基本法に似たような外国の
農業
法というものの中にもあるようであります。あるいは平坦部
農業
から山岳
農業
に、賦課金制度をとって置きかえる、あるいは輸入品からの差益金を
国内
の生炭に向けるとか、
方法
はいろいろありましょうが、もう少し考えないといけないのではないか。米価は
生産
費・所得補償方式だが、
ビート
価格
は七年間据え置きだ、パリティ
価格
だけだ、こういうのはパリティではありませんので、やはりむずかしいことでございますが、
研究
をして、早くいい制度に、法律がかりに分かれても思想は
農業
基本法の思想でいくということが必要だと思っておるのであります。
価格
について考えますと、その
産業
部門の供給と
消費
というものは非常に重要なことであります。中間経費の節減も必要であります。合理化施設も、
消費
の方に至りますと、
生産
が
消費
にマッチしなければならない。見積もり方が、
価格
弾性値はどうだ、所得弾性値はどうだ、いろいろございます。それだけではいけないので、プラスより商次判断も加えないといけないものもありますので、この
価格
に照応して
生産
・
消費
対策
も要ると思いますが、そこをあまり複雑に理論的に考えると行政になりませんから、簡潔な、そういう精神を具体化して現行法規の欠陥を修正することが最も重要なことだと思っております。御質問にそのままお答えしておらないと思いますが、そこからほかのことは何でも出てくるように思うのであります。
藤田義光
59
○
藤田
委員
三十七年度の
ビート振興
予算
としてたしか五億円要求されておるようだが、この
程度
でどうもこうもしょうがないと思いますが、
砂糖消費税
とか、先ほど芳賀
委員
から質問のありました精糖会社の益金処分の問題に関して何か計画はないか、お伺いしたい。
安田善一郎
60
○安田説明員 ちょっと
予算
の要求をやり直して大きくしたと申しましたのは、五億弱は
振興
局と私の方と両方合算したものですが、これは、
政府買い入れ
の経費とか買い入れたものを売り渡す際に生ずる赤字の補てんというものや農林漁業金融公庫によります融資額を含めない、いわば
府県
ビート
の基本的
一般
行政といいますか、そういう部門でありまして、従って、それらを加えますと、食管会計の売り買いとか
一般
会計からの補てんとか財政投融資とか入れますと、それはなお強化して要求を出しておりますので、五億というのはそういう意味でございます。
藤田義光
61
○
藤田
委員
暖地ビート
で心配しますのは、
工場
の設置方式、これが
北海道
みたいな方式でいきますと、やがて製品の集荷等で大混乱を来たすのではないか。現在
大分
と
岡山
にできておる。青森県の山崎知事も一生懸命やっておるそうでありますが、やがて熊木にもどうしても作りたいという意向もありますので、
暖地ビート
の
工場
設置方式は、
寒地
ビート
とは違った構想でいくか、大体
北海道
方式でそのまま惰性でいくかどうか。
安田善一郎
62
○安田説明員 そこが実は河野
農林大臣
が最初迷っておられた一つでありまして、もう一つは、
経済
的
企業化
試験
調査
の根拠がしっかりしてないということがありまして、熱意がないとかなんとかそういう要点を事務当局がつかれて指摘されたので、弱いという印象を与えたようでありますが、そうでございません。目下のところは、
調査
の結果を待ってそれをよく分析して立案するよりは、立案しておいて
調査
結果を待って——外国の
調査
ですが、
国内
の
調査
もありますが、待って直せばよろしい、そういう総合立法といいますか、書いてみるとおそらく酪農
振興法
に似て、ぴしっと抑えるところは押える、財政投融資をつぎ込むところはつぎ込むというふうになるのじゃないか。そこで、ちょうどいい痛い御質問ですけれども、どういう規模、能力、
条件
かというと、芳賀先生のお話では、
北海道
と同じで今六百トンだがすぐ千二百トンになるのだということですが、それだけではいけないのじゃないかと思います。年内か
通常国会
中には明らかにしたいと思います。
藤田義光
63
○
藤田
委員
来年三月末で施行期日が切れる
ビート振興
法、これは、四月以降は現在の法律の改正でいくか、あるいは全面的な新しい立法
措置
をとるか、長官の腹を伺いたいと思います。
安田善一郎
64
○安田説明員 私と河野農相と打ち合わせをいたしておりますところには、新しい
府県
を含めた法的体系、法制度を設けまして、
北海道
についてある今の
てん菜
関係
法、これは第一条に
寒地
と書いてありますが、
北海道
に限らないと思いますが、
範囲
が限定されるわけです。しかし、数カ月前は、
暖地ビート
でよくわからぬところがあるから、もう一年
研究
して、その
関係
の法律を出して、次の
通常国会
には現行の期限延長だけを行なうということでございますが、最後にでき上がるものが、時期的な
関係
もありまして、どれかはいまだ断定できない点はお許し願いたいのですけれども、方向は現行法を吸収した全国的に適用するもの、こういうことを思っております。
藤田義光
65
○
藤田
委員
実は、
熊本
などにおきましては、大はだか麦の
作付
転換というような非常に大問題をかかえて、畜産
振興
の面から
暖地ビート
の
栽培
ということが非常に真剣な問題になってきておるわけです。飼料
対策
としてこれが一番早いという結論が出かかっておりますので、
寒地
ビート
に対してはだいぶ
農林省
も積極的でありましたが、
暖地ビート
に関しても一つ大いに大臣も激励をして促進をしていただきたい。自由民主党の
委員会
におきましても実はきょうから小
委員会
を開いていろいろ
対策
を練る予定でありましたが、自由民主党のみならず社会党その他の甘味
対策
の機構と連携をとりながら、第二次
調査団
が帰ってきたら、
政府
自体だけでなく、各方面の意見を聞いて、一つなるべく早急に
暖地ビート
対策
をはっきりと打ち立ててもらいたい。これは
要望
です。 これをもって質問を終わります。
安田善一郎
66
○安田説明員 その
通り
にいたします。
丹羽兵助
67
○
丹羽
(兵)
委員長
代理 私から申し上げますが、先刻芳賀
委員
の質問中、大豆
価格
について中間的な説明やら、もしそれができねば資料の御提出が願いたい、
委員長
を通じて当局にその資料の提出方の要請がございました。九日から国会は開会されますので、適当な時期が
委員会
においてありますればお話しをいただく、万一そうした適当な時期が得られないときには
政府
当局において資料を提出されますよう、質問者より
委員長
を通じて要求がありましたので、私から当局に要求をしておきます。 本日はこれをもって散会いたします。 午後四時十七分散会