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足鹿委員 地方のみならず中央においてもその必要を認めるという方針でございまして、けっこうだと思いますが、十年ばかり前ですか、
東京の神田
市場の中に全販連がマルAを創設した。数年おくれて大阪
中央卸売市場の中に同じマルAを創設しまして、私も当時若干
関係しておりましたので存じておりますが、非常な困難にぶつかった。最近は非常に運営もよく、成果もあがっておるようでありますが、やはり生産から販売して初めて農家の手取りということになるのでありますから、そういう
生産者あるいは
生産者団体がみずから
経営するということは一番いい姿だと私は思うのです。しかし、現在の資本主義の
経済機構の中にありまして、それは異常な困難にぶつかるのであります。従って、やはりこれは、相当の決意と、その助長育成という対策がしかも恒久的に行なえない限り、これが農産物
価格の維持——たとえば園芸生産物の
価格を左右するといってもべらぼうな値上がりをそれによって期そうということではなくて、少なくとも妥当な公正な利益を農家が受けるということにならぬと思うのです。それが私は一番中心だろうと思うのでありますが、そういった点についてもっと突っ込んだ対策ということが必要であろうと思うのです。これは当然現在の
経済機構等との
関係が出てきますので、非常に困難な問題でありますが、
地方においてもすでにそういう立場から
一つの実際の姿が出ておるわけでありますから、できないことではない。従って、
農林省としては、これは単に一団体のみならず、少なくともその方針に向かって
指導をし対策をとられることが当然だと私は思うわけであります。ただいま
地方市場の問題に関連して申し上げたわけでありますが、その点は十分御認識になっておるようでありますので、あえてこれ以上申し上げません。
それから、先ほど石田
委員から問題になりました
市場の運営問題です。先日
参考人が非常に長い時間をかけて、包装、出荷、一部には産地の技術
指導までやっておる、前渡金も出して、それが回収されてないというような不平がましいようなことを述べておられました。しかし、これは、見方を変えますと、一種の荷引き競争の姿をみずから告白しているものではないかと私は聞いたわけなんです。現在一番
弊害があるのは荷引き競争からくる
弊害です。これを何とかしなければ、ほんとうの
市場の運営というものは正常化しないと思うのです。荷引き競争に多額の金を出す。だれがその経費を負担しておるかというと、結局回り回って
生産者が負担しておるということになる。そういうことはもう申し上げるまでもないことだと思います。そのためには、まず分不相応に荷をたくさん取ろうとする場合、あるいは、から人気をその当事者が得ようとする場合等は、いわゆる祝儀取引をやる。そして、べらぼうな値段を出して、本格的な出荷が始まるころにどさんと落とす。こういうやり方が従来はしばしば行なわれてきておる。現在もこの傾向は必ずしも払拭されておらないと私は思うのですが、ごく最近のそういう微妙な運営の
実態というものについては、私つまびらかにしておりませんが、こういう傾向は必ずしもきれいになっておらぬと思うのです。これは
生産者団体なりあるいは出荷団体というもののあり方とも関連をいたしまして、そういうものに目もくれないで、系統的なそして整然とした出荷体制というものを守っていく、そしてこの一期間における出荷物の平均年産性というようなものを維持することができましたならば、そういう抜けがけの大きなぼろい祝儀取引等によってもうけようという農家の射幸心も勢い消えて、健全な、そして妥当な取引
価格の成立を期待するように漸次向かっていくと思うのです。この傾向に対しては、もっと
農林省は本格的な対策を講ぜられる必要が私はあるように思います。先年神田
市場で大きな問題が起きまして、これもいろいろの原因があったと思いますが、やはり、そういうことがたび重なっていくうちに抜き差しならないようなことになるのも
一つの原因ではないかというふうにも想像されるわけであります。そういう点について、
農林省は、
経済局がこの衝に当たっておられますが、私の見るところによりますと、園芸局を設けろとか、あるいはいろいろな機構が論じられておるようでありますが、この農産物の
流通を一手に負うた新しい強力な機構の方がむしろ今日は必要であるのではないかとすら
考えておるわけなんです。ただ、問題は、この生産されたものの
流通を経て農家がどのような成果を享受するかというところにあるわけであります。問題はそこにあると思うのです。これなくして、現在の社会機構の中にあっては生産の果実をまともに享受することは農民としてはできないわけです。そういう点で、
農林省の機構のみを言うわけではありませんが、少なくとも、
考えられることは、専門のそうした
流通を専管し、それに対して万全の
生産者擁護の立場に立った対策というものが必要ではないか、そういうふうに私は見ておるわけでありますが、この点についていかような御所信を持っておられますか。