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安田政府委員 私が
食糧庁長官を拝命しまして以降、
関係方面の御意見はこれから聞くことでございますが、アイデアとして持っておりますことは、てん菜栽培の長期計画を再検討するという
考えが基本にあります。しかし、案ができないうちにそれを
価格に適用しようとは思っておりません。それで、先般も北海道の道知事と会いまして、簡単に表現いたしますと、十年後には、百五十万トンの甘味資源、——砂糖、ブドウ糖、結晶ブトウ糖、てん菜糖、その他の甘味資源のうち半分ぐらいを
国内で自給しようというのが立っておるわけであります。
価格の点に限ってまず申し上げますと、やはり、それらの輸入原糖による砂糖、てん菜糖、ブドウ糖、澱粉、イモ、これは非常にバランスをよくとる必要があるものであろうと思います。従来ともそう扱われておったわけであります。それを、原糖輸入の精糖
基準費について百二十二円ベースで、あれは
基準と言っておりますが、超過利潤を取るのだ、今百十何円台になると
低落するのだ、こういうような問題が出ておりましたり、ブドウ糖、てん菜糖を育成しなくちゃいかぬ。イモの需要は、先ほど私が申し上げましたように需要の変化が相当あろう、これはむしろ成長
農産物扱いも適地適産の主産地形成をするような観点からやるべきものである。これはバレイショは北海道においてはまさにその適例であろうと思います。てん菜においても北の方はほんとうの主産地で適地であろう。これらの
関係を見まして、そうして、最近御指摘のてん菜作付面積が減少しておって計画
通りにいかないというのは、単作地帯で三、四種類の作物を作って、増反が割合少なくて作物を食い合って、てん菜がふえる過程においてこれをどう
考えるかということなどは非常に重要なことのように思います。計画は、御指摘の
通り、線で言えば上昇線をたどっても、ある所から急激に年度途中から上昇するようにできております。私は、十年間を見通せば、国民
所得倍増計画における
農業部門の、
概算でありますが、全体が立ててある趨向を見ましても、もう少しなだらかにふえていくが、
生産の効果があがれば、終わりの方はやや弓なりに、上昇が逆に急激に上がらないで鈍化して伸びていく、そういうことも
考えた方が適切である。それがてん菜でなくても他の作物は植わるわけであります。
大豆とかその他小麦が植わるわけであります。それらの点を
考えようと思っておりますが、
価格そのものについてはすぐは適用するまでまだ間に合いません。それで、両方を並行してやらせておるわけであります。そのうちに要望、陳情が現地から出て参っておる。その際は、てん菜の
値段をきめましたのは昨
年産について本年の四月だそうでございます。私はその時期も将来多少問題があろうと思いますが、それらの
パリティ指数の上昇は一%ちょっと切れるくらいでございます。約一%であります。そこで、
法律を勘案いたしますと、一たんきめた価段を需給その他の経済条件が大きく変動した場合は改定することがあるということでございますが、一%の
パリティ指数の上昇のような場合に動かすべきかどうかという点が
一つ。バレイショの
価格は、三十二年だったと思いますが、ずっと据え置きになっておる。これらの点を勘案しまして、目下は変えない方がいいんじゃないだろうか。しかし、原料の購買者側、すなわちてん菜糖工場から見ますと、新設工場である場合は
政府が一年間は製品を買うということがございます。これが本年はございません。そこで、
政府が買い入れる
値段で刺激するということの問題は、制度として一律に行なう
方法はとらないことになっておるのであります。これは天下に事前に周知してあるわけであります。制度となっておるわけでありますから、これは尊重しよう。そうしますと、上げない方が今はいいのではないかと思いますが、個別に企業を見ると、てん菜糖工場は大企業が多いわけでありますので、これを今調べさせましたが、かなり赤字工場あり、黒字工場あり、買い上げどころか納付金を納める工場ありということで、成長
農産物で
農業生産であるてん菜
生産も上昇させ、関連産業であるてん菜糖工場もことしすでに二工場増設になった等を
考えますと、一律にてん菜
価格を御陳情、御要望のように直すのはどうかと思いますので、現地の
農業団体と各
関係の工場、また必要に応ずれば道庁副知事の上京を求めておりますが、詳しく
説明に参ると言っておりますが、私
どもの方も道庁を待たずして別途研究をいたさせておりまして、自主的活動による相互交渉、そこへ道なり
農林省が入って、奨励金交付——今でも百円の奨励金交付等が行なわれておるそうでございますが、これを個々に片づける
方式が妥当ではないかとただいまは思っておるわけでございますが、なお、
芳賀先生お詳しい上にただいま御指導的の御意見もございましたので、私の方は見解を申し述べますが、なおさらに
一つのいい検討の
要素をいただくといたしまして、早急に検討いたしたいと思います。