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石橋(政)
委員 すでに第三波の
ストライキの
通告をしておる
段階にあることは御
承知の
通りですが、そういうかまえの中で
大臣がとにかく会って説得してみようという気がまえを持つことによって、あるいは
ストが回避できるかもしれないという
段階にあるのに、なお回避しようとするのは、ちょっと無責任ではないかと思うのです。それは
調達庁がどういう報告をしているか知りませんけれ
ども、私も
調達庁の労を多とすることはやぶさかではございません。しかし
文句を言えば、
長官が新しいから、よく理解できない面もあろうかと思うけれ
ども、完全に
日本の
自主性というものをふんまえて
交渉したと思えない面もたくさんあるのです。特に
末端の
従業員にしてみれば、従来の
調達庁の
努力というものと比べた場合に、新
長官になってからどうも足りないのじゃないかという感じも率直に受けておるのです。そういう中で
ストライキ通告もしておるわけです。希望を
大臣交渉というものに今寄せているわけです。
大臣がそこまでやってくれて、なおかつむずかしいならばという
気持になる面もあるかもしれない。そこまで来ておるときに、
努力を一切やらないで、
調達庁でやってできないからもうだめなんだというふうにお
考えになることは、ちょっとおかしいのじゃないか。特に申し上げたいのですけれ
ども、
最後に煮詰まってきた
問題点というのは、横浜で八日に開かれた基地問題を協議するための
渉外知事会議、ここでも決議されておる内容なんですね。たとえば
労務問題に関する
決議文として、
長官も受け取っておられると
思いますけれ
ども、
給与凍結者も同列に上昇されたい、
最低額標準額を
最高額と
同一に上昇されたい、
低額職種について高率に上昇させるとともに、
給与体系変更の際に
初任給を
引き上げられたい。これは
知事会議で決議しておられるのです。実際に
末端において直接
労務管理を担当しておる
人たちの
意見を集約したものが、この
知事会議に反映しておると思う。
労務管理上この程度のものはやってもらわなくちゃ困るということが
知事会議でも確認されておるし、従来また
調達庁としてもこの
意見は正しいとして
米軍に
主張し続けてきている。私はその
努力を多とするというのですが、これが全然いれられていない。いわば百パーセント
米軍にけられておるのに、なおかつ追随して
調印しようとしておるわけですよ。この
最後のところに問題があるわけです。
調達庁ではこれ以上できませんから、
一つ大臣やってみて下さい、こう言わなければならぬはずなのに、われわれもできないのだから
大臣もおよしなさい、あなたが出ていったってだめですよ、そんな答弁の仕方がありますか。第一、新
安保条約になってから
保守党内閣は何と言っておりますか。これで
日本の
自主性なり
双務性なりが確保されるのだ、完全に対等の
立場に立ち得るのだ、こういう
説明を
国民にもしておるはずです。
駐留軍の
労働者にしてもそういう受け取り方をしております。ところがこの
労務管理の面で、従来の旧
安保条約の時代よりも新
安保条約になってから、何か
自主性を確保するようなことでもありましたか。かえって
向こうの方が高姿勢じゃありませんか。これは
調達庁の
能力が低下したとかなんとかの問題なら別ですけれ
ども、そうじゃないと思う。そうすると
池田内閣も、新
安保の
条約以後は旧
安保の当時よりも
日本の
自主性というのは高まったのだ、いわゆる平等になったのだという
立場をとっておられるはずです。それが現実はそうではないじゃないですか。この
労務管理の面を見ても、全然こちらの
意見は通らない。百パーセント
向こうの
主張に押しまくられておる。従来の
ベース・
アップの時期における取り扱い方と比べてみた場合に、今が一番後退しておるじゃありませんか。それからこの間の
箱根会談の際にも、
日本の低
賃金というものが
向こうから持ち出されたといわれておりますが、私も率直にこの
日本の低
賃金というものは認めますけれ
ども、
日本政府は認めないという
立場をとられたはずです。アメリカが
日本の低
賃金を云々するなら、まず
自分が使っている
日本人の
労務者のことを
考えろと言いたい。おこがましいですよ。百パーセント
日本の低
賃金を利用しているのは
米軍じゃないですか。
大臣も知っておられると思う。この
知事会議で決議した
最低職種の
賃金を
引き上げろという問題、KPなどの
給与は、十年勤めても
最高一万三千六百八十円ですよ。こんなものでいいとお
思いにならないでしょう。しかもこれが
凍結者であれば一銭も上がらない。
公務員の
給与が上がっても、
最高までいっている人なら、十年勤めておっても上がらない。こんなものでいいとはお
思いにならないでしょう。
調達庁も思わないから
交渉してきたはずです。それをなおかつ
米軍ががんとして聞かない。あなたはさかねじを食らわせればいいじゃないですか。低
賃金々々々と
日本の
労働者のことを言うけれ
ども、その
日本の
労働者の低
賃金を百パーセント、フルに使っているのはあなた
たちじゃないかと
大臣は言えないのですか。私は、そういう
主張の上に立って今
交渉されれば、全然
前進がないとは思えません。かりに
前進がなくても
大臣がそこまでやってくれたのだったら、よし次の
段階でまたこれは
考えてもらうとして、今度の場合はわれわれも一歩後退しようというふうに
考えてくれるかもしれない。われわれもまた
駐留軍の
労働組合、
労働者にもそういうふうな
説明をすることができる。それをもやらずして、やってもだめでしょうと言って逃げておったのでは、これは
ストをやれと言ったのと一緒ですよ。私はこの点だけはぜひもう一度御再考願いたい。そうしなければ
あとの質問をしたって
意味がないわけですよ。
最低職種の
引き上げの
問題一つをとってみても、
日本側として
米軍側に十分
交渉する根拠があるのですから、この際ぜひ
一つ、去年
西村防衛庁長官もやったことですから、
調印の前に
ハイ・
クラスの
交渉を、
防衛庁長官と
スマート中将との
交渉をぜひやって、その
あと調印の運びにまで持っていっていただきたい。このことを重ねてお願いいたしたいと思うのであります。