○受田
委員 どうも
法制局の御説明もよくわからない。川島
大臣、あなたの方は、
行政の簡素化を提唱されておるときに、こういう特別のものを作るというので、行管みずからが提案されるというのですから、われわれが
賛成するにはよほど勇気が要る。みずからが機構複雑で、しかも今の権限問題においても、
調査会と審議会の権限関係においても重複するところが見えるような
規定は、われわれとしても納得できないところです。
調査会の最初の会合で、われわれは何をやろうということを
調査会に一任したようにこれでは見えるのです。ちゃんと
法律の中に、
調査会と
行政審議会のやる任務が、それぞれ別個にはっきりとしてあればいいのです。共同管理という問題をなるべく整理して、
責任の主体を明らかにしようという
大臣の御趣旨からいってもこの二つの
法律がどこかぼけておるような印象があるということは、共管をみずからなさるような危険がある。そうなれば、
行政審議会というものは、なるほど
法制局の部長さんが、今度の
法律案には全面的というのがあるということをおっしゃるけれども、しかし
行政審議会には「
行政制度及び
行政運営に関する重要事項」とあるのですから、全面的なものも重要事項の中に入るのではないですか。その面が全面的と書いてあるから、
行政制度運営の全面が入らないとは言えないでしょう。全面も、基本的事項とあるのだから、
行政審議会と違うのだという
法制局部長の御説明はあいまいなんです。重要事項とうたってあれば、全面の事項が入るのです。重要事項から全面を省くとは書いてないのですからそういう
意味で、
法律案の文章をお出しになるときには、もっと
法制局にしても、そういう点で、どうも私は今の御
答弁は納得できないところがあるのです。全面と書いてあるけれども違うのだとおっしゃる、こういうのはほんとうに言葉のあやです。重要事項の中に全面は入るんですよ。そういうことで、これが違うのだ、
所管事項は違うのだという説明にはならぬと思う。これは、言葉の使用方法が間違っておると思う。これは大事な問題ですよ。
法律案そのものに関係する重要な問題です。今度の
臨時行政調査会は何をやらんとするかということを、最初の会合、二番目の会合でお互いに
委員が相談してきめられるような形では、非常にまずい。行管がお出しになる
法案としては、最初からはっきりと、
臨時行政調査会の任務はこれだ、ここだけだ、その他の部分は次の
規定にあるように、諮問しないと書いてある部分を除いた諮問する部分が、
行政審議会のやる
仕事だとはっきりうたっておいてもらわぬと、
法律事項というものは、明瞭にせなければいかぬ。政治的なことで
法律事項を片づけるべきじゃないというのです。私はもう議論をしません。これは、
行政管理庁のなさる
法案ですけれども、
法制局もちょっと疑義を抱かれながら御
答弁しておるように見られます。しかし、御反省があるということでありますし、事ここに至っておるので、これ以上追及しませんが、この問題は大事なんです。
時間が迫って参りましたから、その他の問題は、同僚議員各位が懇切丁寧にお尋ねしておられる問題ですから、省きますが、ただここで
一つはっきりと割り切っていただきたいことは、川島長官は党内の最実力者のトップと申し上げてもいい。お人柄から言うと、あなたがトップです。その点で、あなたには信頼申し上げるのですが、
行政の運営において汚職や疑獄がどんどん発生して、
責任の所在がどこか、判このつき万がはっきりしないために、だれが
責任者か、だれが
最後に
責任を負うか、きわめて不明瞭になっているのです。こういうことでは、
国民全体の奉仕者としての
行政事務というものは行なわれない。制度の裏には、運営面においては、そういうきちんとした運営がされなければいけない。公務員が信頼されるためには、
責任の所在をどうするかということが、この
調査会の重大な
責任じゃないか。汚職をやったときに、だれが最終
責任を持つかごまかされておる。民間の
責任の所在よりもっとぼけてきておりますね。
大臣にしても、国家公務員法第百三条の、一般の公務員は、退職して二年間は営利を
目的とした会社の役員となるとか職員になることはできないと、
規定がきちんとしてあるのですし、国務
大臣の兼職禁止
規定——国務
大臣はやはり
行政の
責任者ですからね。そういうことをはっきりと割り切って、国家公務員である
行政府の
責任者は、
責任の所在はどこにあるか、上は
大臣みずから範をたれるという
意味で、慣例としては、今兼職をおやめになっておられるのですが、
大臣みずからが範をたれ、また下級職員にも
責任の所在を明らかにして、
国民の信頼を裏切るような汚職その他けがれた事件が起こらぬように、
行政機関が全面的に信頼されるような形を、清潔明朗なあなたが
大臣の間にしっかりとやっていただきたい。そして、きょうはあなたがお人柄で、これは点をかせぐ結果になると私は思うのでありまするが、われわれがかりに
賛成をするとしても、実はあなたの人間的な実力を期待している部分が幾分プラスされておることをあなたは自覚されて、
大臣在任中は短かいかもしれないとさっきおっしゃったが、在任を長くしてもらって、あなたが在任中に、この間からの御
答弁で伺っておるような点で、ぜひ堂々と勇気を持って大いにやってほしい。そして公務員全般も、安心してその
仕事に精励できるように、
行政整理などの危険がなくて、そして別に職務の調整などができて、時間が浮いたら勤務時間を減らす、山内君から
指摘されたように、勤務時間を減らすような努力をするとか、いろいろな工夫をしていただいて、
一つこの
仕事がりっぱにでき上がるように御希望申し上げたい。
きょうは、統計事務などについてもお尋ねしたかったし、その他いろいろな関係の
規定を調べておったのですが、
委員長からも、また同僚各位からも御希望がありますので、
質問を終わります。