○飛鳥田
委員 川島長官、そうお見えにならぬでしょうから、もう一度
石橋君の言いましたことを僕からもお願いしておきたいと思うのです。小澤長官が一括調達ということをおっしゃったことは、非常に外で波紋を描いております。外ではこれに大歓迎の意を表して、かなりそれは私
どものところにも来るわけです。と申しますのは、今までの官庁で、ともすれば
国民の信頼を失いがちであったものは汚職です。そしてそれは、警察につかまるとかつかまらないとかいうことでなしに、現実にはどこへ行っても、幾らかそでの下を贈らなければだめだというような印象を、
国民は持っているわけです。事実あちらでもこちらでも、高級
官僚あるいはそういう調達に直接関係をいたしました官吏に対する、下はビール一、二本から、上は相当なものに至るまで、供応接待が行なわれているというのは、否定はできないわけです。そういう汚職をなくすという点でも、そして
国民の信頼感を確立するという意味でも、
各省庁にばらばらに調達をまかしておかずに、一括して行なうということは非常にいいのじゃないか。そして調達庁にそういうものを一括しておけば、
政府の査察、監督というものがここに集中していけばいいわけです。そういう点で、いわゆる官吏の
国民に対する信頼感を回復するという点でも、大きな政治的な施策の推進にならぬか、こう
思います。ことに会計検査院の
仕事も非常に単純化されていくわけです。会計検査院はあの省この省という検査を始終やっているわけですが、調達庁に一括調達ということになりますと、会計検査院の相当な主力をここに向けていけばいいわけですから、会計検査院というものは非常に
仕事がやりよくなって、検査院の検査というものが、また
行政機構に対する
国民の信頼を高めるということになるだろう、そういう意味で汚職をなくすという監督の面でも容易になるし、また会計検査院の
仕事もこれによって非常に単純化される、こういう点も出てきます。それからもう
一つは、二、三の方から言ってきたのですが、業者の側からすると大歓迎だというのです。悪い言葉ですが、あちらの官庁に食い込んでようやく御用になった、今度はこちらの官庁に食い込んでようやく御用になったという形で、あちらこちらでいろいろな接待、折衝をしなければならぬ。そしてまた省々によって気分も違いますし、やり方も違います。通産省のやり方を覚えた、今度は大蔵省のやり方を覚えた、そして今度は郵政省のやり方を覚えるというような形でなしに、もし調達庁で一括調達をするとなれば、
一つのフォームと
一つのやり方を覚えればいいわけです。そういう意味で、業者としては非常にありがたい、こう言っているわけです。また一ところに集まりますから、業者の監督も統一してやれるわけです。たとえば何々組が郵政省で
仕事をしたときにはこれだけもうけさしてもらいました、通産省で
仕事をしたときにはこれだけの
利益がありましたというので、アンバランスがあるわけです。同じ
政府としての
仕事をしながら
利益が違うのです。ところが調達庁で一括してやれば、どの業者も
政府の
仕事をするときにはこれだけの
利益、そしてこれだけの期間でお金が下がる、こういうような安心感もあるわけです。従って大業者ならばいざ知らず、中小の業者はそういう点によって非常に影響されます。そういう点を
考えて参りますと、調達庁が一本になっていれば、あああそこで
仕事をすればこのくらいもうかって、このくらい先にはお金が出る、こういう形で非常にスムーズに業務も
運営していけるだろう、そういう点で汚職をなくしていく、警察に現われない汚職を現実になくしていくという点でも、一括して監督すれば楽です。会計検査院の業務も非常に単純化される。同時にまた業者の側からいっても一本ですから、
各省庁によって違った扱いを受けるという不便がなくなって便利だ、こう言っておるわけです。こういう点な
ども単なる行政
機関の整理統合としてではなしに、
政府の政策として
考えていただいたらどうだろうか。これは言わでものことでありますが、ある警視庁の刑事とこの間ちょっと話し合いました。もしそうなってくれたら、私
たちはとっても楽ですと言っておりました。これは汚職をなくすということにからむわけですが、非常に楽ですと言っていました。警察も楽でしょう。警察にひっかかるような官吏があっては困りますけれ
ども、しかし楽でしょう。いずれの点から言っても楽ではないだろうか。それから一般業者でない市民の
立場から言っても、そういう調達の問題にからんでいろいろ問題が出ます。たとえばビルを建てられたので、隣にあった土地が使えなくなってしまったとか、あるいは地盤低下をしてしまったとか、いろいろな問題が出ると
思います。そういう問題が起きると、あああれは通産省だからというので通産省にかけ込む、あるいはあああれは郵政省だからというので郵政省にかけ込むというのでは、一般
国民もたまらない。だから調達庁のようなところに一括しておいていただけば、そういう問題が起きればというので、ぱっと調達庁へ行けばいいわけですから、
国民も非常に便利になるわけです。各官庁は今まで調達のための予算を持っておった。今の時代は予算は権力ですから、従ってそれを手放されるというのは、各官庁のお役人にとっては相当さびしいでしょう。ですがそれは個人のさびしさで、この際
思い切ってそういう方向をとる、こういうことを
考えていいのじゃないか。僕はそういう意味で小澤長官かそういうことを言われたのは、ここにいらっしゃって恐縮ですが、非常に卓見だと実は思っておるわけです。そうしてまたそれくらいな覚悟で行政
機関の整理を始められない以上、単なる
能率向上というだけではだめなんです。そういう意味でぜひ
一つ、今初めて聞いたとおっしゃいましたが、この問題は真剣に
考えていただきたい、こう私は思うのですが、どうぞ
一つお願いします。