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太田委員 そうですね。建設省と農林省とが水を奪い合っている、ダムをお互いに並行して作り合っている。出る金は日本銀行の金でしょう。国民が出した金でしょう。日本の国の金で日本人が日本のためになるものを作るのに、おれは農林省だから農林省で農業用水を作る、おれは建設省だからこうだ、これではなわ張り争い以外の何ものでもない。水に対する政治の一元化さえできないようなことで、
災害対策はできませんと申し上げたいのですが、
一体予算が少ないじゃありませんか。きょうは大蔵省がいらっしゃらないからちょっと何ですけれども、一年間で六千億トンも雨が降っているというのだから、トン二円として一兆二千億円も天から金が降っているんでしょう。こんなありがたい国はないですよ。キャスリン台風とか狩野川台風なんかでも、
災害々々とやかましく言っているが、狩野川台風なんか四百億トンの雨を降らしたから、八百億円天から降ってきた。さて降ってくると、札びらでみんなけがをし、死んで、財産をなくし、阿鼻叫喚のちまたが出てきた。千両箱を頭にぶつけられたようなものです。それを泣いている国民はどうかしてやいませんか。こんなものを、ありがたい、いただきますというわけで、なぜいただけないか。私はせっかくしあわせというものを災いに転じていると思う。災いを転じてしあわせにするというならわかるが、しあわせを転じて災いにするということが日本国の政治だとすれば、これは根本から考え直さなければ、何とも相済まない話じゃないかと思うのです。そうすると、水だけの問題でも水の行政が一元化されておらないのはまことに残念で、
藤井局長の話によりますと、これは何とか一元化する必要があるというお
気持はそこに現われている。それは少しでも早くやってもらわなければなりません。海岸だって三本建あるいは四本建で、こんなものは地方自治体の問題ですよというような態度だ。これじゃたまったものじゃたまったものじゃない。そこで消防庁の川合さん。水がそういう状態に放置されている、海岸がそういう状態に放置されている。塩からい水と甘い水とが各家庭に襲いかかる状態がなお十五年、二十年続く。その上に日本は地震の国ですから、いつがらがらっとくるかわからない。関東平野というのは、御
承知の
通りに富士火山脈の爆発したときですか、火山灰がたまりまして、いわゆるローム層といわれる水をよく吸う土を関東平野に吹きつけてくれましたね。これが関東に人が住む
一つのチャンスになったと思うのですが、その向こう側には広い大きな沖積層があって、その沖積層は毎日々々沈下しておる。そういうわけで、高い建物というのは丸の内かいわいを除けばあまりたくさんない。地震が起きる可能性がある。火事の起きる可能性がある。雷は大したことはないか知りませんが、そういうように天災が幾多想像されるのですが、あなたの方は、この
基本法ができようができまいが、そういう場合になるべく火事の起きないように、人命の多くそこなわれないようにという守る方の
立場しか考えていらっしゃらないと思う。その
立場のかまえさえあればいいのですが、もしも天災が起きたときに、この間
お尋ねしましたが、あなたは大きな地震が東京で起きたときにはこれはやはり大へんなことになると思うから、それをこれから先の、まだ起きておらないのだが、大へんだと想定されていらっしゃる。これを防ぐ方法ですね。そのときに地震は防げぬけれども、被害を最小限度に防ぐという
方針は、具体的にいえばどういうことか。道を広くするとか何かあるでしょう、どういうことが一番きき目のあるいい方策であるか、その
施策の
重点についてお考えを承っておきたいと思います。