○堀
委員 実はここで今後問題になりますのは、在庫率をどう見るかということが今後の非常に大きな問題点だと思うのですが、過去の指数を見てみますと、在庫率は最近のあれがわかりませんから推計しておられたりいろいろするのを見ても、どうもそう十分に高くはない、少なくとも在庫率で見ると三十二年には一四三くらい、三十三年でも二三くらいあったのが、八月ですか、ようやく一〇三くらい、全体の在庫率で見ると、過去の在庫率に対する問題に比べると
輸入総原材料はわずかだと思うのです。というのは、その当時の
生産の
伸びとの
関係から見まして、今は全体としての広がりが大きいものですから、今一億ドルあるとおっしゃった。これは私の方ではわからないと思うのですが、どうも
生産の
伸びの問題になってきますと、私は実はこれは
企画庁に申し上げたいのですが、過去の
企画庁の計数を私は相当当たってみましたけれども、当初の
見通しより低く出た
実績というのはあらゆる資料の中でほとんどないのです。これは絶対に下がらないということは
希望的観測であって、かくありたいというあなた方の気持は私は百もわかりますが、日本の
経済は絶対にその
通りにはいかないようになっておるという点を思いますと、実は最近のいろいろな
経済の
修正をお出しになった点に私は非常に大きな疑問があるわけです。これはかくありたいという
希望としては私も了承いたします。しかし今のこの
年度から、九月から終わりにかけて鉱工業
生産を横ばいにすることができるかどうか、昨
年度の
伸びを見ましても、昨
年度は鉱工業
生産で見ると、九月が二一八、それから十月は二一六、十一月二二六、十二月二三九、ともかく普通の状態で見ても九月くらいから十二月へかけては一ポイント、二ポイントの過去の例ではないというのが最近の実情で、非常に
引き締めをなさった昭和三十二年、三十三年のときがようやく何とか鉱工業
生産が横ばいであった。今の場合に
銀行局その他の問題はまた明日伺うことにいたしますけれども、
引き締めはなるほどやっていらっしゃる。しかし私はこの間日銀総裁の
お話をずっと聞きながら感ずることは、ほんとうに
引き締められない性格が日本の
金融の
基本的なところにあると思うのです。そうすると、はたして後期五・九%などという、これも
希望的観測で、私は一二%ぐらいはどうしてもいって、結局鉱工業
生産はいいところで抑え切れて二〇%になる。年間平均二〇%に押えられれば非常に成功、そこへいくかどうかは今後の
金融引き締まり等の問題、総合
政策のあれでございましょうが、過去の資料を見ますと、実は
引き締めをしてからスロー・ダウンしてくる間の時間的な誤差がかなり私はあると思う。これを四半期別統計で調べてみると、昭和三十二年のGNPで見ますと、四月、五月に、たしか三十二年は
引き締めをされたと思うのですが、それでちょっと下がったのは七−九月だけが前期比九六・五に下がっただけで、あとはGNPは九九・六、九九・〇、九七・七、一〇六・四ということで、それをここのところでもGNPでも下がってないし、民間
設備投資についてみれば、十−十二月で七〇・四と一挙に一回下がっただけで、あとはほとんど横ばいということになっておるわけです。過去のああいうふうな在庫
調整の問題ですら実はこういうことであったのに、今度は実需がこういう格好で
伸びてきておるときに、はたして鉱工業
生産を今後下期、特に十二月に向けて横ばいにできるかどうか、私は
希望的観測はいいですが、それがもしできなかったときに、一体この予備費の二億ドルで外貨予算をまかなえるのかどうか。そこのところをちょっと。在庫率に対する
見通しをもう一ぺん。今の二億ドルということは一億ドルでいいんですが、全体の指数等で見てどうなのかということと、予備費二億ドルでまかなえるか。機械については上期より三千万ドル減少ですね。
輸入機械が三千万ドル減少する可能性は全然ない上に、二、三千万ドルさらにふえるのではないか。日本の機械受注の現状を見ると、当然こういうことはあり得ないと思うのですが、そういう点について。