○
滝井委員 今、政務次官のお聞きの
通り、旧六十六条の無資力の認定を受けても、非常に盲点になる点があるのです。というのは、今まで無資力認定を受けて、臨鉱で復旧するという額が多くても、最近二億くらいです。従って、それは農地だとか、公共土木みたいなところが多くて、こういう民生に直接
関係する部面は今まで放置されておった。ところが、今後こういう点はだんだんやらなければならぬという
問題点が出てきますと、どうしても六十六条の条文整理だけではなくて、その内容の充実をはからなければならぬ点が出てきておるわけです。無資力問題は、今後
合理化が進めば進むほど、
相当出てきます。特に来年あなたの方では六百三十万トンのスクラップ・ダウンに追加するに、六百二十万トンか何か追加するでしょう。そうすると、ますますこういう問題は多く出てくる。そうすると、一切のそのしわが地域における農民なり家屋を持っている住民に令部寄ってくるわけです。それを何らかの形で国が救済する
方法をとらなければ、非常に問題だと思うのです。ぜひ
一つ無資力問題に現われるもろもろの
隘路を解決していただきたいと思うのです。ここ二、三年来、私は非常にいろいろの
問題点があるので、前に樋詰
局長ともずいぶん
議論はしたのです。しかし、まだ解決ができないのです。
もう
一つ、無資力の大きな
隘路はどういうところにあるかというと、これは鉱業権にも
関係してきますが、その
炭鉱の鉱害を受け、
滝井義高が無資力になったから国から全部やってもらいます、農地も復旧してもらった、家屋も上げてもらった、こうなりますと、
滝井義高は無資力の認定を受けて、そして臨鉱で全部家屋も農地も復旧してもらって、終わったとたんに
滝井義高は有資力になるのです。それならば、その鉱区は鉱害がない鉱区になるのですから、いわばきれいな鉱区になる。そうすると、これは薄層でも残っておるということになれば、これはまた売れるのです。きのうまでは無資力認定をされた
滝井義高が、
たちどころに、終わったとたんに有資力になっちゃう、六十六条にはこういう矛盾があるのです。そういうものについても、もう今度はここに坑口を開設することを禁止するという防ぐ
方法が法律にはないのです。だから国の金で無資力の
滝井義高を有資力に返してやることになる。こういう点についても、きちっと整理しなければならぬ問題で、ずいぶんこれは盲点があると思うのです。ぜひ
一つ総合的に六十六条の条文の整理をして、いろいろ分かれておりますけれ
ども、それを
一つきちっと
対策を立ててもらいたいと思うのです。
それから最後に、これは農林省にも
関係してきますが、Aという
炭鉱が
一つの鉱区を持っておったとする、その鉱区を半分に切って、半分は
合理化にかけて売ってしまう。残りの半分については、新しく鉱業権者を作って、ここに
炭鉱を始めたわけです。この半分にぴしゃっと切って売った方の側に、天水田のたんぼが三町とか五町とかあるとします。そして今度は、新しく鉱業権者を指定した方の
炭鉱が稼働を始めるわけです。そうすると、脱水陥落が起こってくるわけです。天水田ですから、これは灌漑の
方法がないわけです。
一体この灌漑をだれが責任を持ってやるのかという問題が起こってくるわけです。事業団は、これは私の買い上げたところだけれ
ども、私は知らない、こうなる。そうすると、今度はこの動いている
炭鉱に行って、お前が坑口から水を揚げるからこういう脱水陥落が起こるんだから、
一つお前がやれと言うと、いや、これは私の鉱区じゃありません、こういうことになる。脱水陥落というやつは水かけ論なんです。その
炭鉱一つならこれだということが言えるのですけれ
ども、筑豊炭田などは付近に衣で隣接して
幾らでも
炭鉱がやっておるのですから、どこの
炭鉱の水揚げによってこの脱水陥落が起こったかということがわからぬわけです。こういう問題が起こってくるわけです。そうしますと、当然事業団がどこかから灌漑水をポンプ・アップをして、天水田に引く以外に解決の
方法はない。ところが事業団はこれを毎年やるには、そこに何らかの金がなければだめなんです。これを
一体どう解決するか、これは
現実の問題です。今は無理やりに元の鉱業権者に川からポンプ・アンプをさせて、灌漑水ととしているわけですが、筑豊炭田は鉱区が錯綜しておるために、こういったことが起こってきたわけです。こういう場合に
一体通産省なり農林省は、この何町歩にわたる天水田というものをどうするか。これは天水田というよりか湧水田なんですね。御存じの
通り、筑豊炭田の基盤は石灰石なんです。そして鐘乳洞になっている。その鐘乳洞の水が土地の弱いところにふき出るわけです。これをわれわれのところでは、たぎりと言います。出泉と書くのですが、冷たい水が出てくるその出泉で何町歩という田んぼを灌漑しているわけです。ところが
炭鉱が水揚げをやりますと、この鐘乳洞の地下水を全部揚げてしまうわけです。従って、いわばこの天水田類似の、出京によってまかなわれておる田んぼというものは、みんなからからになる、そういう
状態が起こってきているわけです。そうすると、事業団も鉱業権者も何町歩という田んぼを、自分がそこで
炭鉱をやめた後にも毎年まかなうということは不可能なんです。これは
一つの
方法は、その
炭鉱がはっきりしておれば、その
炭鉱の買上代金からリザーブをして、これを基金にして、これを六分とか七分に回しながらその利子でやることができるわけです。ところが毎年ポンプ・アップをして、管理人もつけてやると、これは耕地面積が広いと百万円以上かかる。そうするとここに何千万円かの金を基金としてとらなければ、利子でまかなえぬという問題が起こってくる。何千万円の金を買上代金の中からリザーブされたら、鉱業権者は大へんなんです。これは問題がまとまらないのです。だからこれが
隘路になって買い上げができない、こういう問題が出てきておるわけです。こういう
現実に起こっておる農地上の問題を、
一体どう通産省なり農地局は解決しようとするのかということです。