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1961-10-17 第39回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十七日(火曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 有田 喜一君    理事 岡本  茂君 理事 神田  博君    理事 中川 俊思君 理事 長谷川四郎君    理事 岡田 利春君 理事 松井 政吉君       倉成  正君    藏内 修治君       齋藤 憲三君    始関 伊平君       澁谷 直藏君    白浜 仁吉君       中村 幸八君    南  好雄君       井手 以誠君    田中 武夫君       滝井 義高君    中村 南光君       渡辺 惣蔵君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 水田三喜男君         通商産業大臣  佐藤 榮作君  出席政府委員         通商産業政務次         官       森   清君         通商産業事務官         (大臣官房長) 塚木 敏夫君         通商産業事務官         (石炭局長)  今井  博君         通商産業鉱務監         督官         (鉱山保安局長)八谷 芳裕君         通商産業事務官         (公益事業局長樋詰 誠明君  委員外出席者         通商産業事務官         (企業局原子力         産業参事官)  江上 龍彦君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法  律案内閣提出第二七号)臨時石炭鉱害復旧法  の一部を改正する法律案内閣提出第二九号)  産炭地域振興臨時措置法案内閣提出第三〇  号)  石炭鉱山保安臨時措置法案内閣提出第三号)  石炭鉱業安定法案勝間田清一君外二名提出、  衆法第二号)      ――――◇―――――
  2. 有田喜一

    有田委員長 これより会議を開きます。  まず、内閣提出石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案産炭地域振興臨時措置法案石炭鉱山保安臨時措置法案及び勝間田清一君外二名提出石炭鉱業安定法案、以上五法案を一括して議題とし、審査を進めます。  前会に引き続き、質疑を続行いたします。岡田利春君。
  3. 岡田利春

    岡田(利)委員 前会に引き続きまして、若干エネルギーの基本問題について質問しまして、それから保安関係の質問をしたいと思います。  そこで、まずお尋ねをしたいのは、これは企業局あるいは公益事業局それぞれの担当でけっこうなわけですが、今日のわが国産業構造から、部門別にずっと見まして、エネルギーコストが一体どうなっているか、特に初めに、国際的な価格比較エネルギーコスト比較、この点については一体どういう傾向になっておるのか。大体わが国の場合には、比較的安い水力開発というものが先行して参りましたから、電力については、国際的な比較の面から見ますと安いのではなかろうか。それ以外については、国際的な比較においては、その価格が割高であるということが言えるわけでありますけれども、最近大体どういう傾向なのか、もしお手元資料があれば承りたいと思うわけです。
  4. 江上龍彦

    江上説明員 ただいまのエネルギーコストの点でございますけれども、詳しい資料がただいま手元にございませんので、大ざっぱな話になるかと思いますけれども、一次エネルギー供給比率を見ますと、大体ヨーロッパ各国においては石炭が六〇%を占めており、残り水力石油という構成になっております。それから日本の場合を見ますと、現在ほぼ三五%程度石炭であり、残り石油水力ということになっております。  それから、石炭国際市価比較でございますが、これは各国それぞれ違いますけれども、日本石炭コストというのは、外国に比して割高であるということは免れがたいわけでございまして、石炭自体を比べてみますと、日本の方が割高であるということが言えると思います。ただし、石油について見ました場合に、日本石油コスト、なかんずく産業原料となります重油価格につきましては、ヨーロッパ各国いずれも相当程度高いわけでございまして、日本の場合はこれに比べて市況が安いという関係になっております。これはガソリン、重油につきまして両方でございますが、従って重油におきましては、国際市価比較して日本の場合は高くない。今手元にあります、非常に正確ではない資料でございますけれども、たとえばC重油について申し上げますと、英国の場合は重質燃料油が一万円、フランスにおいては八千九百円、約九千円であります。日本におきましては、本年六月の平均価格が八千二百円、大口需要者の場合は七千円台というようなことからいって、石油に関しては日本価格の方が安いのじゃなかろうか。従って、やや高い石炭を使ってはおるけれども、石炭使用比率ヨーロッパに比べて少ないということからいって、総合してみればエネルギーコストとしては、日本ヨーロッパ各国に比べて若干安いのではなかろうか、こういうふうに思っております。ただし、本日資料を十分に持参して参っておりませんので、調べまして後ほどお答えいたしたいと思います。
  5. 岡田利春

    岡田(利)委員 お手元資料がないようでありますが、昭和三十年前後には、国際市価日本の場合には相当割高であった。しかしながら、漸次日本エネルギーの場合も、国際市価の面ではずいぶん改善をされて、安くなってきておることは間違いないと思うわけです。最近特に重油の場合には、昭和三十五年程度では大体イギリスあたりに比べて、一〇〇を割って八五くらいのところまできているのではなかろうか、このように考えますし、さらにまた石炭の場合においては、これもずっとここ二、三年の合理化傾向で、ずいぶん割安になってきているわけです。そういたしますと、一応千二百円のコストダウンというのは、C重油の八千円ないし八千二百円に見合う千二百円のコストダウンということになってくるわけです。しかし、ヨーロッパの場合には漸次コスト・インフレの傾向で、労働者賃金がむしろ生産の上昇よりも上回る、従って、将来の長期展望では、石炭価格がさらに低廉になっていくという点についてはあまり期待ができないのではなかろうかというのが、今日の一般の常識だと思うわけです。従って、日本の千二百円のコストダウンのそれに伴う昭和四十五年、五十五年の長期見通しに立ちますと、能事等の推移から判断して、むしろヨーロッパよりも石炭の場合には割安になるというのが、今日の供給計画に現われている点ではなかろうか、このように実は私は考えるわけです。従って、そういう見通しについては一体どうなのか。なお、ごく最近のエネルギー国際市価についても、資料ができれば早急に御提出を願いたいと思うわけです。それとあわせて、最近の電力国際市価は一体どうなってきているか、この点について一つ見解を承りたいと思います。
  6. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 大体日本の場合には、お説のように、九電力会社というものが供給の大部分を占めておりまして、これに関する統計はできておりますが、アメリカその他の国によりましては、これは国営のところと会社のところといろいろございますので、非常に大ざっぱな比較になりますが、各国の最近の現状を申し上げます。  各国電気料金総合販売平均単価でございますが、日本のは、ごく最近の東京電力の値上げした分までを含めております。それから、それ以外のところは若干古くなっておりますので、年次を申し上げますが、日本総合販売平均単価で五円五十銭、フランス電力公社が、一九五八年でありますが、六円九銭、アメリカが同じく一九五八年で六円十銭、イタリアは六円二十二銭、イギリスが六円三十銭、大体そういうことになっております。
  7. 岡田利春

    岡田(利)委員 電力については、わが国産業電力消費産業であるといわれ、しかも、国際市価から見ると割安であるわけです。ところが、この電気をさらに分析してみますと、電灯料金電力料金に分解して比較した場合に一体どうなるか。大体、電力の場合には、完全に五〇から六〇の間ではないか。ところが、電灯料金の場合には、これは国際市価で見ますと、大体一二〇から一六〇。それぞれの国に比較して、そういう市価が出て参ると思うわけです。たとえば、古い統計なんですが、アメリカ日本電灯料金を比べると、アメリカが一〇〇に対して日本が一一六。あるいはイギリスに比べると、イギリスを一〇〇にして日本の場合は一五八。ところが、電力料金の場合には、アメリカの一〇〇に対して日本が五七・二、あるいはイギリス比較して五三・二。西ドイツ比較しますと、西ドイツの一〇〇に対して、電灯料金わが国は一六八程度電力料金の場合には四五。こういう数字が出て参るわけなんですが、この点について、これからの見通しといいますか、今の料金体系が堅持されるとするならば、やはり大体こういう傾向を当分の間たどるのではなかろうか、こう思うのですが、この点についてはいかがですか。
  8. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 御承知のように、わが国電力料金のきめ方は、総括原価主義をまずとりまして、電力料の総収入と、それから発、送、変、配電等関係のものを建設し、そこに雇っている人に賃金を支払うという総支出というものが、イコールになるようにということできめておるわけでございます。そこで、まず総括原価を出しまして、それを電灯料金あるいは電力料金というふうに分けるわけでございますが、御承知のように、大口電力需用部門であります超高圧を受ける大需用家といったようなものは、これは発電所から一次変電所を経てすぐもらうといったようなものが非常に多いわけでございます。ところが、家庭用になりますと、第一次変電所、第二次変電所、第三次変電所、柱上変圧器というようにいろいろな施設の段階を経まして、高圧で送られてきたものを、最終的に百ボルトないし二百ボルトにまで落として家庭に配るといったようなことから、電力会社としましては、工場に送る場合には二次変電所以下は、場合によっては要らない、小さな工場でも、大体二次変電所があれば十分です。   〔委員長退席神田委員長代理着   席〕 ところが、家庭では第三次変電所から柱上変圧器までかかるということで、実際に、電力会社から工場供給する電気よりも、家庭供給する電気の方が割高になっておりまして、その割高さをそのまま正直に反映させるということになりますと、今先生指摘のようなことになるわけでありますが、われわれはもちろん、電力料金につきましては、これはできるだけ下げるという方向にむしろ努力すべきではないかということで、合理化等で、できるだけコストを安くするということに今後も努力していきたいと思っております。
  9. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、これを国際的に見て、アメリカイギリスフランスあるいは西ドイツ比較した場合に、わが国料金体系は、今説明のあったように、原価主義をとられたわけですが、国際的には最近どういう傾向にありますか。
  10. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 大体、各国とも、原則としてこういう原価主義というものにのっとっているのではないかと考えております。
  11. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、電灯料金電力料金の差が非常に著しくて、国際的に比べると、電気料金はものすごく割高だ。大口小口電力料金については、これは大体六割程度で、非常に割安である。総合的に比較して、なおかつ、わが国電気料金は国際的に見て割安なわけです。ところが、今わが国電気供給は九分断されて、九つの会社電気供給しているわけでありますが、最近東京電力料金が値上がりを見たわけでありますけれども、大体大口小口電力単価で見た場合に、一番高い電力単価はどこの会社でどの程度、一番安い電力会社はどこであって、電力単価大口小口でどの程度であるか、この点、数字があったら、一つお示し願いたいと思います。
  12. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 お説のように、定額電灯従量電灯業務用電力小口電力大口電力、こういうようにいろいろございますが、一番代表的な従量電灯の十アンペアという程度を使うものと、それから大口電力、この二つについて――もし御要望があれば全部申し上げますが、まずその方から申し上げていきますと、北海道電力は、従量電灯で大体一キロワット・アワー当たり十二円でございます。それから東北電力が十一円三十銭、中部電力が十一円九十銭、北陸電力が十一円十銭、関西電力が十一円三銭、中国電力が十二円三十九銭、九州電力が十二円六十銭、東京電力が十一円九十七銭、結局、関西電力の十一円三銭というのが一番割安ということになっております。  それから、大口電力で申し上げますと、北海道が四円三十九銭、東北が三円四十五銭、中部が三円三十六銭、北陸が三円五十二銭、関西が三円六十四銭、中国が四円四十二銭、四国が四円四十四銭、九州が四円七十一銭、それから東京が三円六十一銭、これは最近だんだん火力発電割合がふえてきたというようなことから、各地域ともだんだん平準化されるという傾向にございます。
  13. 岡田利春

    岡田(利)委員 いずれにしましても、国際的に見てわが国電力料金は割安でございますけれども、国内的に比較しますと、今、局長説明されたように、漸次平均化傾向は確かにあるわけです。特に、最近東京電力の値上げによってその感が一そう濃くなってきたと思うのです。しかし、小口電力単価大口電力単価最高最低比較すると、極端なところではまだ三割以上も差があるわけです。ところが、三割以上も電力単価の差があって、その地域においてはそれぞれ工場が配置されておるわけですが、それだけの差というものがわが国産業活動に非常に極端なアンバランス、影響を及ぼしておるというような話は、私は聞いたことがないわけです。特にエネルギーコストの面で、九電力会社に分かれて、しかも電力単価が三割から四割くらい違うところがある、そういうことによって、わが国工場配置なり産業活動に重大なる支障を来たしておるという面があるでありましょうか。
  14. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 元来、工場を立地します際には、電力あるいは交通、あるいは原料、あるいは労働力といった、いろいろな要素を勘案いたしまして、そこに立地しているわけでございます。エネルギー消費産業というものは、どうしても電力料金の安いところに立地するという傾向がございます。もちろん、商い地域にも安い地域にも同種のものがございますが、それはその他の要素等でいろいろカバーしているということでそこに工場を立地したというわけでございますので、今のところ、特に電気料金が高いからどうだというものはございませんが、御承知のように、エネルギー消費産業、特に電力消費産業といったものは、深夜、あるいは豊水期といったような、普通の人が使わないときに使うということを条件にいたしまして、安い特約料金でやっておるということから、一般には電力料金の高い地域におきましても、特約料金で非常に安い。そのかわり、いつ切られるかわからないという不安定な状態にあるわけでございますが、安い契約ができるということで、一般的な不利はカバーするということになっておりますので、先生がおっしゃいましたような御懸念は、今のところ起こっていないということになっております。
  15. 岡田利春

    岡田(利)委員 最近特に電力需用が急激に伸びまして、北海道四国を除いては、いわゆる融通電力といいますか、広域利用という面が非常に活発になってきておるわけなんですが、この融通電力電気量比率はどういう傾向をたどっていますか。
  16. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 大体各電力会社コストに占める割合で申しますと、全体の七%程度というものが融通電力によるものでございます。従って、大体七%程度と御承知いただきたいと思います。
  17. 岡田利春

    岡田(利)委員 最近の電源開発計画から見て、ここ四、五年の見通しとしてこの融通電力についてはどうですか。
  18. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 現在各電力会社とも、御承知のように非常な勢いで伸びております。需用に対応すべく開発に努力いたしております。しかし、量が多くなればなるほど、万一の場合にはお互い融通しなければいかぬということになりますので、今後四、五年たちまして全体的に余裕ができるということになれば別でございますが、ここ数年の間は、ある程度融通ということはお互いにしなければいかないのじゃないか。アメリカあたりは御承知のように、一割五分程度余裕電力を持っておりますので、各電力会社がそういうことにでもなれば、融通ということはあまり常時起こらないということになると思います。
  19. 岡田利春

    岡田(利)委員 結局そのことは、当初計画に基づく電力予備力という点について計画そごといいますか、が非常に急速に伸びるために予備力を持ち得ない、こういうことを裏書きしておるわけなんです。大体昭和三十六年度では当初計画では四%の供給予備力を確保する、それから所得倍増計画に基づけば、昭和四十六年で一〇%の供給予備力を確保する、計画量から見ますと、長期見通しに立っても大体一割ということが目標のように、私は資料から判断するわけです。一割五分ということは、行政的には一割五分ないし一割六、七分の供給予備力を持つ、こういうことではないかと思うのですが、この供給予備力の点について、ここ三、四年の傾向見通しでそういう当初計画供給予備力が持ち得る現状ですか。
  20. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 今のところ、三十九年までは予備力というものはほとんどございません。四十年以降になりますと、若干――数パーセントですが、予備力を持ち得るのではないかと考えております。
  21. 岡田利春

    岡田(利)委員 次に、これは企業局になると思いますけれども、大体わが国の代表的な産業における燃料コスト――これはもちろん、石炭コークス、重力、すべてが含まれると思うのですが、電力会社の場合には、石油石炭という面もあるでしょうし、こういう燃料コストの占める割合は、最近どういう傾向を示しておりますか。
  22. 今井博

    今井(博)政府委員 産業別エネルギーコストというので調べたものがございますので申し上げますと、製造業平均エネルギーコストは二・二%ということになっております。しかし、これは全体の平均でございますので、との中で、たとえば電力の中の火力をとりますと、エネルギーコストは五七・八%というように非常に高いものがございます。それからセメント、石炭ドロマイトというようなものは二〇%以上のコストになっております。しかし、全体のものを平均いたしますと製造業平均二・二%、こういう数字になっておるわけであります。これは三十四年度の実績の調べでございます。
  23. 岡田利春

    岡田(利)委員 この燃料コストの取り方というものはむずかしいし、なかなかはっきりした数字は出ないように思うのです。それと、また取り方自身にも相当数字の違いが出てくるのではなかろうかと思います。私は電力会社燃料コストが大体どの程度を占めておるかという点を調べてみたわけですが、そういたしますと、取り方としては、製品製造原価――電力の場合は、製品製造原価の中の経典の面から燃料費をいろいろを引き出して調べてみますと――これは決算から私は算出してみたわけですが、   〔神田委員長代理退席委員長着席〕 そういたしますと、電力会社は、燃料費が多くて大体二七・八、少ないところで大体一四・八、こういう数字が実は出ておるわけです。これは先ほど申し上げました通り製品製造原価の総額を、大蔵省に出した期末決算数字を拾て、その中で、では一体燃料コストというものが電力会社の場合どの程度を占めておるか、こういう点で見ていきますと、大体二七・八%から、少なくて一四・八%、こういう数字が出て参るわけです。今石炭局長の答弁ですと、大体四五%から五〇%近くを燃料コストが占めておる、こう言われるのですが、どういう前提で調べておられますか。
  24. 今井博

    今井(博)政府委員 それは正確には公益事業局から調べていただかなければならぬと思いますが、これは電力の場合は、火力発電所燃料コストというものを取り上げておりますので、今先生のおっしゃいましたように、全体の一キロワット・アワー当たりコストの中でというようになりますと、これはもっと薄まるかと思いますが、これは直接火力だけをとっております。
  25. 岡田利春

    岡田(利)委員 漸次火力がふえていきますと、もちろん、燃料コストは上界して参るわけですが、大体現在の燃料コストというものが、水力火力を含めて、電力会社において占めておるウエートというものは、今私が申し上げた数字に間違いがないのじゃないか、私はこう思うわけです。それと、さらに鉄鋼関係の場合では燃料コストはどの程度比率を占めておるのかということがまた問題になってくるのですが、鉄鋼関係公益事業局ですか、石炭局ですか。
  26. 今井博

    今井(博)政府委員 われわれの方の調べでは、鉄鋼に占める燃料コストというものは、三・七%という数字が出ております。これは一般炭とか重油とか、そういうものでありまして、原料炭のものは除いてあるのではないかと思います。なお正確にはもう少し調べなければわかりませんが、一応手元にある資料では、このエネルギーコストとしては三・七%、こういう数字が出ております。
  27. 岡田利春

    岡田(利)委員 どうも、これも数字とり力がいろいろあるのじゃないかと私は思うわけです。私、鉄鋼二社について調べて参りますと、燃料コストの面で、電力の場合、石炭の場合、コークスの場合、重油の場合、合わせて七%前後という数字が実は私の手元にあるわけです。これも、先ほどと同様、大蔵省に届け出ておる決算書から拾った数字なわけです。特に鉄鋼の場合では、石炭の場合には〇・二%から〇・三%、それからコークスの場合には、これは使わぬところもありますが、出ておる数字では三・六%、重油の場合には一・五%から二・七%、こういう数字で、総合的に燃料コストというのは六・六ないし七・二%程度、こういう数字が実は出ておるわけです。ですから、このエネルギーコストというもののとり方次第で非常に数字が違ってくるわけですが、私は少なくとも、総製造原価から燃料コストの分を抽出して比率に直すと、今言ったように、われわれが考えているよりも燃料コストの占める比率というものは低いのではなかろうか、こういう見方をしているのですが、この点、もし資料がなければ――やはりエネルギーの問題を論争する場合、非常に大事なポイントになるわけです。特に私はそれ以外に、化学工業あるいは化学工業製造品日別に二、三の会社をずっと調べておりますけれども、もちろん、これにはコストの高い化学工業会社と低い化学工業会社がありますが、これまた、当初私が想定しておったよりも低い、こういう数字が実は出ておるわけです。そういたしますと、わが国産業の、企業別に見まして、燃料コストというのは相当これは吸収できる、弾力性は強い、相当な弾力性を持っておる、こういう判断に私は立つのですが、こういう一般的な判断についてはどういう見解を持っておりますか。
  28. 江上龍彦

    江上説明員 エネルギーコストの占める比率というのは、先生指摘通り、私も本日資料を持っておりませんが、大体私の今までの聞いている範囲では、先ほど石炭局長が言われましたように、二%程度、特に電力のような産業比率が非常に多いわけでございますけれども、一般的な産業コストとしては、一般に考えられているよりは低いということは、御指摘通りであろうと思います。従って、エネルギーコストについては、ある程度政策的考慮、たとえば石炭対策というような考慮を加えたとしても、全体の産業へのはね返りというものは、一般のおそれているほど大きくないのではなかろうか、かように考えております。
  29. 岡田利春

    岡田(利)委員 大体私どもは、現在燃料価格がもし二割割安になった、こういう想定に立っても、特殊なカーバイドとか、あるいは電気炉とか、そういう面は別にして、大体一般的に二割の燃料価格が引き下がったと仮定しても、実際コストにはね返ってくるのは一%ないし二%程度、こういう判断をしておるわけです。昭和三十一年から三十二年度の趨勢をずっと調べてみますと、そういう数字が出てくるわけですが、そういう理解で大体よろしいですか。
  30. 江上龍彦

    江上説明員 御指摘通りだと思います。
  31. 岡田利春

    岡田(利)委員 そういたしますと、これは結局、先ほど電力の問題についてもお聞きしたように、今日国際的には電気料金わが国の場合にはまだ割安である、その中でも、特に大口小口産業向けの電力については、国際比価では六割程度である、しかも、最近の傾向として融通電力が漸次増加の傾向にある、その反面、供給予備力というものが当初計画まで達していない、従って、これからなお融通電力広域利用という面が盛んになっていく、しかも、料金体系としては原価主義をとっておるために、電力単価自体が最高最低の差が三割以上もある、こういう矛盾が出てきておる。しかし、それぞれの電力会社別の産業配置からずっと見ますと、そのことは、新しい産業部門の誘致には困難であるけれども、既設については企業ごとに吸収している、こういう傾向が私は出てきておると思われます。そういたしますと、まず二次エネルギー電気関係については、やはり国内エネルギーという面にある程度重点を置いていくという考え方が必要であろうし、それに伴って電力単価差というものをそれぞれ解消していくという面に立つならば、どうしてもこれは電力の再編成という問題が基本的に考えられてこなければいかぬじゃないか、こういうことになっていくわけです。  さらにもう一つ、今日の電気料金の建前である原価主義そのものは、結局、電気料金が国際的に見ても割高であって、大口小口電力というものが極端に割安である、こういう矛盾が出てきておるわけですから、そういう意味では、電気料金の体系である原価主義そのものを再検討して、電力を極端に多消費する面については、これはいわゆる政策料金を作るとか、そういう点で総合的に検討しなければならぬ時期にきておるし、そのことなくしてこれからのわが国総合エネルギー政策は立たぬし、あるいは長期石炭政策という問題も、私は安定した不抜の、動かない、石炭政策というものが確立できぬではないか、実はこういう感じを持つわけです。この点について一つ公益事業局長から見解をお聞きしたいと思います。
  32. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 御指摘通り、われわれも、総合政策の確立ということは一番大切である、そういうふうに考えておるわけでございまして、かりに電気事業にたくさん石炭を消費せよということを申しましても、経済的に引き合うものであれば、われわれよけいなことを言わぬでも引き取るということでございますが、そこに若干でも割高ということになりますと、電気事業といえども、一応今の格好は私企業という格好でやっております。そこで特別の地域独占を認めているということの反面、いろいろ料金の認可というようなことで押え、特別の監督をやっている、供給義務を負わしているといったような負担もかけているということでございまして、電力会社といたしましては、あらゆる努力を払って、できるだけ電気料金を安くしたいというのが願望であり、また安くすべきであると私ども考えております。ただ、全体のエネルギー政策から、たとえば貴重な国内資源である水力資源の開発をやる、これはどうしてもこれから割高につく。あるいは石炭という有力なエネルギー資源がある。これは若干割高についても雇用効果、国際収支効果というようなものを考え、また安全という面から見ても、一定量を確保すべきであるといったようなことが、むしろこの際、総合的な政策としてはっきり打ち出されるということになりますれば、全体の中で石炭の占める地位はこの通りであり、また電気はそれを維持するために国民経済的な見地から供給する義務があるのだということで、われわれも電気側に納得させることができる。従いまして、現在われわれとしましては、この前の国会で産業構造調査会というものを作っていただいたわけでございますが、あそこあたりにほんとうの意味の総合的なエネルギー政策というものを確立していただいて、その中で一次エネルギーである水力石炭石油というものがおのおのどういう配分をとるべきか、それを受けて二次エネルギーというものの価格は、国際的に見てどういう価格水準にあるべきか、また料金体系というものも今のような料金体系でいいかどうかというようなことまで含めまして、いろいろ検討していきたい、こういうふうに考えております。  それから先ほどちょっとお話のございました電気事業そのものにつきましては、来たる通常国会に設置法の改正をお願いして、電気事業審議会というようなものも設けていただいて、根本的な、現行の法令のみならず、電気事業そのものの考え方というものについても、いろいろ審議をしていただきたいというふうに考えております。
  33. 岡田利春

    岡田(利)委員 電気並びに都市ガスについては、今日一〇%の地方税が取られておるわけでありますが、最近の統計で見ますと、昭和三十六年、今年度の見込みは、電気並びにガスを含めて四百十五億程度に上るのではないか、このように私は推定をしておるわけです。そうしますと、地方税の総額は大体七千六百十九億程度でありますから、その中に占める比率も決して低いものではなくなりつつあるわけです。最近特に電気需用がどんどん伸びていくという点で、この見通しはさらに増加していくことも間違いがないわけです。財政政策は別にして、公益として電気並びにガスの地方税について、どういう見解を持っておるか、これはまた国際的に見て、電気消費税並びにガス消費税について一体どういう地位にあるか、この点もし資料があれば説明願いたい。
  34. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 御承知のように、電気ガス税で、今特殊の産業を除きまして、一割取られておるわけでございます。これにつきましては、通産省は非常な悪税であるということで、毎年全廃ということを自治省の方に交渉いたしておりまして、ことしも基本ラインとしては、電気ガス税は直ちにやめていただきたいということで、今強力にかけ合っているわけでございます。ただ御承知のように、これが市町村税でございまして、国税といったような一本の大きなところでまかない得ないということから、それぞれの地方自治体の財源に関連するために、なかなかそれがむずかしいということになっておりまして、今後も難航すると思いますが、もちろんわれわれといたしましては、さっき申し上げましたように、全廃が一番正しいあれじゃないか、もし今すぐやめることができないということになりますれば、これはこの春の国会で電灯は三百円まで免税ということになったわけでございますが、少なくともそれを倍額の六百円程度まで免税点を引き上げるということによって、零細所得階層に対する電気料の負担をゼロにする、あるいはできるだけ軽減するということにしたいと考えております。
  35. 岡田利春

    岡田(利)委員 特に最近電気製品がちまたにはんらんをして、家庭電化の傾向が非常に強まっている。そのことは、普通一般家庭でもある程度電気消費は伸びておることは間違いないわけです。そうなりますと、今の免税点では、これはほとんどが免税点内でとどまるという家庭は漸次少なくなってきておるのではないか。そういたしますと、電化ブームという傾向が非常に強まっておるのに、税金の面においては、免税点というものが大幅に引き上げられない限り、これは悪税だ、こう言っても私は過言でないと思うわけです。従って、このこともわれわれは、エネルギー政策の面から見て両検討する必要があるのではなかろうか、こういう感じがいたしておるわけです。この点はいずれあらためて総合的に検討する場合に述べることにします。  次にお伺いしたいのは、揚地発電と産炭地発電について若干お伺いしたいわけです。問題は、昭和三十九年から四十年の初期に完成する発電所については、それぞれ電源開発調整審議会においてもすでに認可されておるわけです。そういう前提に立って、今日揚地発電あるいは産炭地発電、こういうことが論議をされておるわけです。いずれにしましても、昭和四十年度初期までは、石炭の消費は、大体今の電源開発調整審議会の議を経た開発計画から見れば固定されてくるのではなかろうか。しかし石炭対策というものは、今日非常に急を要する問題でもある。こうなって参りますと、この調整をとるのには、これからの電源開発について十分大胆な配慮がない限り、産炭地発電とか揚地発電とか言っておるけれども、石炭消費は、電力部門ではある一定の限界で固定化されてくるということに相なると思うわけです。ですから今の産炭地発電、揚地発電というものが昭和四十一年以降ないし昭和四十二年以降のことを論議しておるように私は思うわけです。しかし、石炭火力の場合は、これを重油に切りかえるということは、重油混焼のボイラーの面から見てもある程度可能ですが、しかしバーナーをつけて、重油火力発電の場合、石炭火力に切りかえることは少なくとも困難ではないか、こういう判断をするわけです。そうなりますと、とれからの電源開発については相当慎重に、今問題になっておる総合的な面を加味して討議されなければ、幾らここで産炭地発電、揚地発電と論議しても、それは昭和四十一年の末ないし四十二年以降の問題になってしまう、こういう工合に私は考えるわけです。従って今日産炭地発電、揚地発電というものが論議されて、しかも揚地発電の方向を通産省はとる、こう通産省は言っておりますけれども、そういう面について、これからの電源開発については、一体どういう前提を置いて揚地発電というものが論議をされておるのか、この点について何か深く論議をしておれば、その見解についてお聞きしたいと思います。
  36. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 石炭をできるだけ産炭地で消費して、そうして流体化して送ることが、経済的に見れば、それに越したことはないと思いますが、実は、われわれ筑豊炭で二百万キロワット程度の発電をいたしまして、そうして百万以上を関西まで持ってくるということのいろいろ計算をしたわけでございますが、その送電線あるいは変電所関係に、国で特別の助成をするということをいたしましても、現在のデータでは、どうしても揚地で発電所を作るよりも高くつくというようなことから、やむを得ず産炭地発電という構想は、現在のところ、まだ採用するのはそれだけ自信がないということで、見送ったわけでございます。将来だんだん石炭の需要が減るじゃないかというお話でございますが、現在も相当大規模の石炭火力発電所は建設中でございます。それで、電力業界といたしましては、三十八年に千八百万トン、四十二年には二千万トンまでの石炭は、責任を持って引き取るということの約束をしているわけでございます。ただ、この約束ができましたあとで、石油の自由化ということが思いのほか早まったといったような、石炭業界にとっては非常にショッキングなあれが起きた。それで、それではそれに伴って、少し早く過剰になるであろうと思われる石炭をどうするかということで、とりあえず九州については、筑豊炭の三百万トンくらいを拡大消化する特別の施設を作ってもらいたいということが出ているわけでございますが、電力業界の方では、これは結局、現在ございます石炭火力の設備というものは、一千万キロちょっとございまして、現在ある設備、それが大体重油を四〇%くらいまぜてたいているわけでございますが、そういう石炭重油の混焼火力の混焼率を、できるだけ下げるということで、二千万トンまで取るということを言っているわけでございますが、さらにそれに合わせてもう一ふんばり勉強したらどこまで取れるか、それから、計画的にこれは古い施設を廃棄しなければならぬわけでありますが、いろいろ廃棄の年数を若干延ばすといったようなことで、どのくらいつなげるかというようなことをやることによって、できるだけ石炭の消費に協力したい、それと同時に、先ほど申し上げましたその総合的なエネルギー政策というものがはっきりできて、石炭の受け持つべき分野、それから水力の受け持つべき分野、電気の受け持つべき分野ということがはっきりすれば、これは大きな国策の中の線だということで、自分たちはもちろん協力にやぶさかでない、しかし現在のところ、電気事業は公益事業として、できるだけ料金を安くすべきであるということを要請されておるので、石炭が苦しいからといって電気がそれを取って、そして料金を高くするということは、公益事業の本質からいったらむしろ逆じゃないか、電気事業は、できるだけ安く供給するというように努力すべきじゃないか、従って、石炭をよけい引き取ったからということになっても、これはできるだけ企業内の努力でそれを吸収して、何とか合理化して、そうしてお客さんには迷惑をかけないという方向でいきたいということを基本的態度としておりますために、現在の体制の中では、おのずから引取量ということは限定せざるを得ないのじゃないか、こう言っておりますが、全体的なエネルギー政策ができたら、もちろんそれには喜んで協力するという心がまえでおりますし、われわれの方も、できるだけ早く総合的な根本策を確立することによって、円滑にこの問題が解決されるように、今後努力していきたいと考えております。
  37. 岡田利春

    岡田(利)委員 今、局長の答弁がありました通り、経済的な見地に立つと、既設の石炭火力というものは、相当老朽化して、廃棄処分にしなければならぬというものが非常に多いわけなんです。従って、これを経済的な面で廃棄処分にして、そうしてさらにでき上がってくる石炭火力発電所、それから昨年の暮れ十二月ですか、今年の春ですか、きまりました電源開発の面から、ずっとながめてみますと、廃棄処分の時期にきたものはするとすれば、どうも二千万トンなら二千万トンに固定化されて、当分これは上昇の見込みがないということになる、そういう傾向になると私は思うのです。そうしますと、この、事石炭電力関係においては、早急に対策を総合的に立てる必要があるし、そういう方針を早急に明確にしなければならぬ時期にきているという工合に私は判断をするわけなんです。この点は、石炭局としてどういう考え方を持っておるか、お聞きしたい点なんです。あわせて、将来の電力に対する石炭供給の安定性という面から考えて、湯水期並びに豊水期で、いわゆる増減合わせて六百万トン程度の差があるし、漸次これが増大をしていく傾向にあるわけなんですが、そういう面からいっても、石炭長期安定供給という問題が、非常に大きな問題になってくると思うわけです。この点は、やはり相当強力な指導なり、あるいは新しい機関などを作ってその安定を確保するということが、石炭に対する信用の度合いからいっても、どうしても大事であるし、これからのエネルギー供給の安定政策からいっても、私は非常に重大な問題だと思うわけです。この点についての見解を承りたい。
  38. 今井博

    今井(博)政府委員 御承知のように、電力を中心にいたしまして石炭長期取引の契約がこの春に経団連を中心に結ばれました。われわれも、これに対しましては内面的に協力いたしました。そのときの考え方といたしましては、五千五百万トンというものの中で、原料炭と無煙炭というものはまず心配がない。石炭につきましては、自由化はウエーバーを要請する関係等を考えておりまして、従って、無煙炭と原料炭を合わせますと約千五百万トンくらいに、近い将来なるだろう。そういたしますと、残り四千万トンの一般炭につきまして、これをどういうふうに需給を安定させるかということが最大のポイントになる、こう考えておるわけであります。その場合に、電力側といたしましては、非常な御協力をいただきまして、二千万トンというものを四十二年度においては引き取ろう、こういう話になっております。ただこれはカロリーの点で若干の差はありますが、大ざっぱに申しましてそういうことになっておる。そういたしますと、この残りの二千万トンというものが安定的に需要が確保できるかどうかという点が、一つの問題点として残るわけであります。石油の自由化を来年の十月に実施いたしまして、すぐに影響がくるとは思いませんが、長い目で見まして、安い重油に転換するという傾向は否定できませんので、そういたしますと、この二千万トンの中で固定需要として考えられるものが、現在では一千万トンくらいございますが、しかし、これはたとえば国鉄が電化をいたしまして石炭の使用量が減るごとく、この一千万トンも八百万トンぐらいには減るだろうと考えております。それ以外に、産炭地における重油と十分拮抗して石炭として需要が確保できるというものが、現在のところ約五百万トン前後ございますが、これがどこまで将来伸び得るかという問題が一つ、これは見通しの問題としてあるわけでございます。そういうものを考えて残るところの問題としますと、結局八百万トンくらいの揚地における需要が一体将来どうなるかという点が、この問題を考える場合の一番の山でございまして、われわれは、これにつきましては、もちろん重油転換というものについては相当時間的なタイム・ラグがあるとは考えておりますが、一般産業としては、安い重油にたよっていくという傾向は否定しがたい。従って、その場合に、現在電力としては二千万トンというふうな話になっておりますが、もう少しその辺の御協力をいただく、そうすれば、その残るところは、石炭業のいろいろな体質改善なりそういうものによって、その差が埋められるのじゃないか、実はこう考えております。これは根本的には、世界的に見まして、石炭の用途が非常に狭まって参っておりまして、世界各国とも、電力にたよるという傾向は世界的な問題でございまして、電力側にもう少しこの点について御協力を願えないかということを実は要請をいたしております。これは、揚地発電か産炭地火力かといういろいろな論争はございますけれども、要は、これを合理的に電力業界において消費できれば、私は五千五百万トンというものの需給の安定はさしてむずかしくないのじゃないか、こう考えております。しかし、今公益事業局長からお話がございましたように、電力側にはいろいろな事情もございますし、やはり電力側としてもこの高い石炭を使うことによってマイナスがないように考えなければいけません。ただわれわれは、単に高い石炭を使うというだけではなくて、電力側の経営方針としても、公益産業として一定の重力を確保する意味におきまして、あまり重油にたより過ぎることも非常に危険であります。また、あまり石炭にたより過ぎるということも、非常に危険である。その辺のバラエティを考えての経営方針としても、私は二千万トンないし二千四、五百万トンの御協力は十分いただけるのではないか、実はこう確信いたしておりまして、そう願えればおおむね需給の安定は長期的には確保できる、こういう見通しを現在持っております。
  39. 岡田利春

    岡田(利)委員 五千五百万トンで長期に固定をするという場合には、そういう局長の今説明されたようなことになると思うわけです。しかし石炭産業長期的な維持として、極端には拡大できなくても、ある程度拡大していこうとする立場に立つ場合には、そういうことであってはとても五千五百万トン以上の年産規模を望むことは私はできないと思うわけです。  そこで、石炭の消費の部門では鉄鋼電力、セメントという三大業種があげられておるわけです。鉄鋼については原料炭ですからさておいて、セメントの場合を見ますと、これは炉ですからボイラー規制法にも該当しませんし、このセメントの炉の建設が、最近ずっと重油をたく重油たきという傾向が非常に強まって、当初われわれが考えておったような状態にはないと思うわけです。しかも、長期取引ということで通産省が行政指導しておりますけれども、このセメントに関しては一応聞きおく程度である、こういうのが私は真相ではないかと思うわけです。そういたしますと、セメント部門における通産省指導の長期取引協定というものは、これは数学に書いてみたものの、引き取り長期安定の面では全然期待ができないという工合に私は見ざるを得ないと思うのです。そういたしますと、セメントの場合、長期石炭の引き取りを安定させるということになると、ここで何か政策的な面が相当加味されなければ、その問題はおそらく解決できないのではないかと思うのです。しかし今日の自由主義経済のもとで、セメント部門に対する石炭長期の引取量というものを固定化するということになると、行政指導といっても非常にむずかしい面が出て、実際は今のような通産省の指導ではとうてい安定しないという工合に私は理解せざるを得ないのですが、この部面についてはどういう見解ですか。
  40. 今井博

    今井(博)政府委員 セメントは現在四百五十万トン程度石炭を使っておりまして、長期取引の協定のときは、四十二年度六百万程度石炭を使用する、こういうことになっております。しかし御指摘のように、この量は努力目標ということでございまして、電気や鉄の場合のごとくはっきりしたものではございません。従ってこの点については、努力目標でございますので、この量にまでなかなか達しないという事情は十分あると思います。この点は、現在の自由経済という体制下におきまして、石炭を強制するという手段もございませんし、やはりできるだけ現在の石炭の事情を考えていただいて、これに御協力を願うよりほかに方法はないかと思います。ただ産炭地におけるセメント、これは石炭の使用が十分確保できると思いますし、また、石炭を使用することによって品質の向上が望み得るというセメントの特殊な事情がございますから、これは十分御協力いただけるのではないか、こう考えております。ただ、今後セメントが新しいキルンを作っていく場合に、これを石炭の方につなぎとめる、すなわち石炭の使用をお考え願うということは、非常に困難だと思います。
  41. 岡田利春

    岡田(利)委員 私はやはり、前の委員会でも指摘をしたように、たとえば石炭コストを下げるための未開発地域の近代的開発、あるいは今日の産炭地構造からいっての鉱区の調整問題、こういうものとあわせて、石炭供給の面について、石炭経営者というものは思い切った立場に立って、流通関係における石炭供給の面について自主的に相当決意をしなければ、石炭に対する不信というものはどうしてもある程度つきまとうのではないかという気もするわけです。ですから、政府が今石炭政策を真剣になって取り上げて、この対策を立案中なわけです。そういう政策を政府がとるかたわら、やはり石炭経営者自体においても、長期石炭政策の面で自主的にやり得る面、改善しなければならぬ面については、大胆に世間一般の要望を取り入れるべきではないか、こういう見解を私は持っておるわけです。ところが最近、陳情でいろいろお願いは多いけれども、われわれはかくやるというものがないように私は思うわけです。そういう点、やはり政府としても石炭経営者に対して、明確にそれらの諸点について態度を明らかにさせるということをむしろ迫って、その上に石炭政策というものを明確に樹立していく、こういう態度でなければならないと思うわけです。こういう点は、ちょっと大臣でなければ無理かと思いますが、局長の御見解を伺っておきたいと思います。
  42. 今井博

    今井(博)政府委員 御指摘の点は、私も十分に感じております。ただ、御指摘になりました鉱区整理の問題、あるいは流通一元化の問題というものは、言うはやすくして実行はむずかしい、下手にやりますと、かえって混乱が起こって、その間能率が落ちるという面もありまするので、これをやるにはよほどの決意を持って断行しないと、私はかえって実効が上がらぬという気が実はするわけです。従って、たとえば流通一元化の問題も、このたび専用船という問題を取り上げてみましたが、この専用船というものを取り上げることによって、その積み込みの面におきまして、たとえば共同貯炭をやる、共同混炭をやる、そういうことによって大きなロットを実現できるように、専用船というものがほんとうに効果が上がるように、輸送態勢あるいは積み込み態勢という面において共同化というものをとにかく実現させたい、それを条件にしたい、こう考えておりまして、やはりそういう面から入っていかないと、なかなかむずかしいのではないかと考え、このたびは北海道については、強制するわけにはいきませんが、実はそこまで条件をつけたいと思っております。従って、先生の御指摘になった面は、われわれの行政面でやれる範山内において、いろいろとまた御指導、御示唆をいただきまして、逐次解決していきたいと思っております。
  43. 岡田利春

    岡田(利)委員 大体流通関係合理化については、今庄で見るべきものがほとんどないといっても過言ではないわけです。しかも、流通の近代化資金については、数社共同して合理化をするという前提において、その資金が出されているわけです。この内容をずっと横付してみますと、あまりに微々たるもので、たとえば共同貯炭場、あるいは共同的に荷役の施設を作るという限度に今日とどまっておるように私は考えるわけです。従って、流通関係合理化というのは、もう少し大胆に、思い切ったところから入っていかなければ、私はほとんど期待ができないと思うわけです。専用船の問題もあるでしょう。やはりそれに伴ってある程度の銘柄の問題も考えなければいけないのじゃないか、あるいはまた、最大の需要先に対する供給の面での安定保証という点における石炭側としての考え方も明らかにする必要があるのではないかと私は思うわけであります。そういう点から入っていかなければ、私は今やっておるような末端的なことであってはあまり実効が上がらない、こういう工合に実は理解をいたしておるわけでありまして、これから政府として流通関係合理化という立案をする際に、そういった点を特に配慮して、大胆に流通関係合理化のために努力してもらいたいと思うわけです。特にまた、普通一般販売店を通じて間接販売をする部門についても、これまた複雑であって、小さな町にそれぞれ各社の販売店が競合しているというような点で、非常に零細な販売店が数多い。その結果、四千五百円の山元生産の石炭が、東京にくると一万二千円で売られておる、あるいはまた、三千五百円程度石炭が八千円でなければある町に行っては買えないというようなことで、非常に普通一般の民生炭についても伸びる部面があるのにかかわらず、複雑な流通機構を通じてやはり炭価が結果的に高くなる。そういう意味で、民生炭の面についても伸びが非常にとまっておるのではないか。こういう問題が打開されれば、私はまだまだ民生炭においては伸びると思うのです。特に民生炭の内容を調べてみますと、北海道の場合にはぐっとふえ、ほかの場合には減っておるわけです。そういう一面から見ても、私は流通関係、末端の流通過程について、各経営者が共同化をする。共同化という言葉はきらいなんですけれども、やはりそういう面の共同化を促進していくということも、十分業界にも検討させ、通産省としても考えるべきではないか。非常に小さいことでありますけれども、実際普通一般国民が石炭を得る場合には、非常に割高になるわけですから、特にその点について強力な指導を望みたいと思うわけです。  先ほど特に産炭地と揚地の問題で述べたのですが、低品位炭の場合には、揚地に輸送しても、これは問題になりませんから、低品位炭火力については、産炭地発電のことだけは、通産省としてもこれは間違いなくやるように理解をしておるわけです。そういたしますと、九州の前回の審議会できまった二十二万キロに引き続いて、さらに二十二万キロの当初計画があったわけですが、その面が低品位炭の供給問題とからんで、十分時間をかけて検討しなければならぬ。電力会社としてはさらに新しく二十二万キロ、こういう点については気乗り瀞であるというのが私は実態じゃないかと思うのですが、この点については、今日揚地発電をとるなら、低品位炭の山元発電については、一体どういう考え方を持っておるか、どういう実情にあるかお聞きしたいと思います。
  44. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 低品位炭と高品位炭と二つございますが、結局低品位炭発電というものが取り上げられているのは、低品位炭の方がカロリー当たり非常に安く売れるということが取り上げられておる、こう思います。われわれといたしましては、地元に電気需用があるという限りは、これは地元で発電して、そして地元で消化するというのが一番いい方法でございます。ただ、電気になってしまうと、低品位炭で起こした電気も、高品位炭で起こした電気も、重油で起こした電気も、全部同じものになってしまいますので、電気になれば、あと輸送にどのくらい金がかかるかという経済比較だけが残るわけであります。従いまして、輸送問題を別にいたしますと、低品位炭というものを従来ほとんど利用されないで捨てておった。それがとにかく売れるのだということで、低品位炭を商品位炭に比べて、カロリー当たり相当安く売れるという限りにおきましては、これはそれから出てくる発生電力も非常に安くなるわけでございますし、これは当然電力の方で使うと思います。それからまた、大体石炭というのはばら荷であります。ああいうかさ高のものは、長距離輸送はあまり向かない。いわんや低品位炭になると、ますますかさが大きくなるわけでございますので、これは地元で消化する。電力需用がある限りにおいては、これは低品位炭発電というものを今後とも続けていくべきであろう、こう思います。これは念のためでございますが、低品位炭のカロリー当たり安いということは、結局高品位炭をカロリー当たり高く売っておるということでございますので、石炭経営として低品位炭と商品位炭とおのおのどういう割合価格配分をしたらいいかということに、結局つながってくるのではないか。低品位炭を今のように高品位炭に比べて相当割安で売るということであれば、これは今後も低品位炭発電ということは伸びる可能性はある。しかし、だんだん高品位炭が高く、売れなくなるということで、低品位炭の方をいつまでも安売りしておっては、企業全体として赤字になるということもありますし、低品位炭もいつまでも安く売れないといったようなことになるかもしれない。その辺結局石炭全体のコストダウンということができて、そして安い価格供給されるということが先決になるわけでございますが、今のような格好で、低品位炭の方が割安である限りにおきましては、山元において低品位炭というものは今後とも開発をしていくべきではないか、こういうふうに考えておるわけであります。
  45. 岡田利春

    岡田(利)委員 低品位炭が割安であって、裏を返せば高品位炭が割高として考えられるということは、ちょっと私は納得できないわけであります。というのは、わが国石炭というものは、平均歩どまりが大体六〇%から六二、三%、大体今の傾向として六二%程度でしょう。そうすると、四千五百カロリー以下はボタとして投げておる、こう言っても私は差しつかえないと思います。従って三千五百カロリー程度の低品位炭が発電向けに送られるということは、結局歩どまりが精炭換算にすると六二%のものが六五%になるということになって、結局炭鉱経営全体の面から見るとプラスになってくる、こういう面が私はあると思うのです。ですから比較論ではなくして、今まで利用できないものを利用するという面が、全部じゃありませんけれども、相当入ってくるわけなんです。そこに、炭鉱の今日の実情からいって、合理化の面と低品位炭の利用という問題が結びついておるものである、こういうふうに私は理解しているわけです。従って、この低品位炭の火力発電ということをわれわれは非常に強く考えているわけです。先般通産省で出しているものは、これは低品位炭、高品位炭には関係ありませんけれども、山元発電で大阪まで高圧送電した場合の計算が出ているわけですが、これは九州なら九州電力だけの需用の面を考えないで、広域利用という面で弾力性を持って中国関係四国、こういう面をずっと総合的に考えた場合には、これは四十万ボルトなんという高圧は私は必要ないと思います。その場合、補助した場合にどうなるのか、こういう点についての検討なり計算はされたことがありますかどうか、お聞きしたいと思うわけであります。
  46. 樋詰誠明

    樋詰政府委員 中国地方に九州で出したものを送るということにつきましては、差しあたり、われわれが考えておりましたような、二百十五万キロもの低品位炭山元発電をいたしまして、そして九州地内ではせいぜい九十万程度しか消化がない、百二十万以上送らなければならぬということになりますと、これはやはり相当まとまった需用地というところまで送るということを前提にしておりましたので、中国地方に送ったら幾らになるという計算は実はいたしておりません。ただ、これは念のためでありますが、各電力会社、先ほどから申し上げておりますように、できるだけ安く供給しなければいかぬという責任を負っているということと、それから地元の人からはできるだけ安くやれということを言われている。中国電力は現在でも一番地域的に割高な地方でございます。そういうところでありますので、経営者自体も安くするようには努力している最中でございますが、たとえばこの前東京電力の値上げをする際に、主婦連あたりからなぜ安い重油を使わないのか、石炭なんか使うからわれわれ家庭に響くというような文句も出たりして、一般需用者から見ると、電力会社はもっと安くする努力をやれ、こういうことになりますので、それを納得していただくためには、先ほどから申し上げているように、全体的な政策ということで、電気料金にあるいは最終的には響くというようなことがあっても仕方がないということを国民各位に納得していただいて、電力会社に具体的な措置をやらせるということが必要じゃないかということで、そういう方向へ努力したいと思います。
  47. 岡田利春

    岡田(利)委員 その問題は、先ほど私が質問したように、国際的に見て大口の製造工業なり、そういう産業需用に対しては割安であって、小口料金については、原価主義の建前上非常に割高になっておる、国際的に見ても割高になっておるわけです。ですから、小口電灯料金の消費者の一般国民の電気料を安くせいという要求は当然だと思うし、そのことは決して不可能なことでないわけです。しかしながら、そのためには、電気料金体系について抜本的に改正をする必要もあるでしょうし、あるいは進んでは、今日の九電力に分断されている根本的な体制をさらに検討していくという問題もあるわけであって、私は決して、そのことは解決できない問題じゃないと思うのです。そういう意味では、総合的に考えていく場合に、産業の吸収率の方もそう重大な影響がない体制に直して、国際的に見ても、小口電灯料金産業向け単価についても、大体バランスがとれるということになれば、むしろ今より、私は、電灯料金は割安になるのではなかろうかという気さえ実はするわけです。そういうことで、これは総合的に検討しなければならぬ問題ですから、別に譲っておきたいと思うわけです。ただ、最近、特に産炭地発電が非常にやかましくなってきて、石炭対策の一環として取り上げられておるわけなんですが、ともすれば、今日の電力会社の立場からすると、低品位炭火力というものは、たとえば九社共同火力になるというような点で、どうも低品位炭発電に対してあまり喜ばない、歓迎しないという傾向が、電力会社に私は非常に強いのじゃないかと思うわけです。そのことが、より一そう低品位炭発電についても障害になりつつあるのではなかろうか、こういう実は考え方もあるわけです。そのことは、今の電力行政の面からいって、ある程度やむを得ない面もあるのではなかろうかということが考えられますけれども、しかし、最近の電力の伸びから見ますと、当初計画よりも自家発電の開発計画というものが上回っておることは、これは間違いがないわけですから、そういう面から考えても、私はやはり、需用の問題がありますけれども、ある程度供給予備力を、最大限、炭産地の発電会社においては持つという、こういう面と、国としてそれに対するある程度の援助といいますか、政策的な裏づけを考えるなり、供給力のぎりぎりまで持つというような前提に立てば、ある程度低品位炭火力発電というものも消化できるのではないか、これもまた総合的に検討しなければならぬ問題ですが、その点についても十分検討を願いたいと思うわけです。これは別に答弁を必要としませんけれども、特にその点について、公益として十分検討をお願い申し上げておきたいと思うのです。  それと、もう一つの問題として石炭ガスの利用の問題が実はあるわけですが、これは各産炭地がごく部分的に限られておりますから、全国的な問題ではないと思うわけです。しかし、これは公益独占企業でありますから、実際安くガスが供給できるということであっても、結局そこに坑内ガスを卸売する、あるいはまた、低品位炭で作ったガスを卸売する、むしろそれを直接供給すれば、非常に割安であることは間違いがないという面がありますけれども、今日の都市ガスの場合には、公益事業法があって、なかなかその点の問題の解決ができぬという面が実は出てきておるわけです。しかし、北海道や九州、あるいは常磐はどうか知りませんけれども、パイプ輸送をすれば、大体北海道の重要都市に対しては、坑内ガスと一部石炭ガスの混焼で、混合で十分供給できる態勢に私はあると思うわけです。これもやはり私は、石炭――直接消費をする問題ではありませんけれども、石炭企業そのものの安定の道としては、ある程度考慮を払うべき、検討する価値が十分あるのではなかろうか、こういう感じがするわけなんです。こういう点については、一時通産省においても検討された時期があったように私は新聞報道等で知っておるわけなんですが、この面について何か特に検討されたことがあれば、その考え方をお聞きしたいと思うわけです。
  48. 今井博

    今井(博)政府委員 炭田ガスの利用につきましては、その後あまり進んでおりませんで、資源的にいいますと非常に莫大な量でありますが、現在の利用は非常に少ない。従って、これは今後開発される分野が相当残されておると思っておりますが、一番問題になりますのは、やはり一つの炭坑から出ます炭田ガスの量が少量でございまして、数炭坑を一緒にして、これを結びつけて利用するということでないと、都市ガスというふうな、供給の安定性が特に望まれる分野につきましては、この利用が困難かと実は考えます。これは、たとえば九州あたりでいろいろ計画を練っておるのでありますが、結局、相当奥の炭坑をパイプでもって結びつけなければならぬというところに一つの問題点がございまして、産炭地振興対策の一つとして、そういうものが共同でできないかどうかということの計画を検討いたしておりますが、まだはっきりした目鼻がついておらない状態であります。
  49. 岡田利春

    岡田(利)委員 理事の方で相談して時間だそうですから最後に一つだけお聞きしておきたいと思います。  前回の委員会で要求しました保安関係資料が出されたのですが、この内容をずっと検討してみますと、重大災害が二、三日前一件あったと思うのです。しかし、統計的にいいますと、中小炭鉱が大手よりも非常に災害が多い。あるいはまた、中小炭鉱の中でも、租鉱炭鉱の場合が非常に多いわけです。死亡者においては、大手と変わらぬという数字が実は出ているわけです。一方において、今年度六百万トンに、さらに追加して中小炭鉱を買うという計画が組まれているわけですが、山の方は、大体当初計画通り買い上げを実施しておりますけれども、反面、やはり依然として租鉱炭鉱が新しく坑口開設認可になっておる、こういう統計が出ているわけです。しかも、租鉱炭鉱の場合には、大手の租鉱だけじゃなくて、むしろ、数としては中小炭鉱の租鉱炭鉱の方が多いわけです。しかし、石炭の需要というものが、ある一時的にふくれ上がって、一般炭を約五十万トン外国から輸入しなければならぬという面もありますから、需要の面にある程度こたえなければならぬということもあって、坑口開設認可基準というものが、前よりはシビアになったようだけれども、炭鉱の合理化の方から見ると、まだまだ私は不満足だと思うのです。ですから、集中生産を上げるということになりますと、この租鉱炭鉱の新しい坑口開設認可については、これまた画期的な考え方を示していかなければ、この問題はいつまでたってもやはり解決しないと思うわけです。五年たつと、また再び中小炭鉱、租鉱炭鉱がつぶれていく。保安は、もちろん採炭期限というものが限られておりますから、あまり保安に金を使わない、保安は悪化する、保安事情は改善されない。しかも、社会問題として再び中小炭鉱の労働者雇用の問題が出てくる。大体、つぶれている山の八割くらいの坑口開設認可が行なわれているわけなんですが、保安の面と、それから石炭合理化の両方の面で、保安局長石炭局長から、この租鉱炭鉱なりあるいは零細な炭鉱の認可について、見解を承っておきたいと思うわけです。特に今度の保安臨時措置は、保安の悪い山を買うという大胆な立場に踏み切っているわけで、これがあらゆる面で関連のある問題ですから、これも総合的にぴしっと政策を持たなければならぬではないか、行政指標というものを確立しておかなければいかぬじゃないか、こういう気がするわけですが、この点についての見解を承っておきたいと思います。
  50. 八谷芳裕

    ○八谷政府委員 ただいま御指摘がありましたように、私どもの方で先日お手元に配付いたしました資料では、明らかに、ただいま御指摘通りになっております。私どもが差し上げましたやつの第六表にそのことが出ておるわけでございますが、これは大手の鉱業権と、それから中小の鉱業権、それからそのほかに、中小の租鉱権を分離して災害死亡率を調べてみたわけです。ところが、この中小の租鉱権のうちでも、大手の租鉱区、この大手の租鉱区というものは、注の中にも入れておきましたように、大手炭鉱の鉱業権のものを他のものが租鉱した、そうして、いわゆる大手筋でない中小筋になった、こういうやつでございます。それからもう一つは、中小炭鉱が持っておる鉱区自体に租鉱区が設けられておるもの、こういうものに分割して考えてみますと、その大手の租鉱区のものは、決して大手炭鉱よりもそう著しく多くなっているような傾向にはないと思います。しかし、中小炭鉱の租鉱区、これが一番零細炭鉱と申しますか、非常に小さな炭鉱でございまして、たとえばこれはどのくらいの年間規模かということを申し上げますと、大手の鉱業権、いわゆる大手炭鉱の年間出炭規模は一炭鉱当たり四十六万トンでございます。ところが、中小炭鉱の方は四万五千トンになっておりまして、それから大手の租鉱区は三万二千トン、ところが、今問題になりました中小の租鉱区は一万三千トン、こういうふうに、非常に規模の小さな一万三千トン程度平均になる。大部分は、一万トン以下というふうなものが非常に多いわけでございます。こういう炭鉱のところでは、死亡率が、三十四年、三十五年あるいは三十六年の一月-七月というような状況を見てみましても、たとえば三十五年度でございますと大手炭鉱の四倍、どういうふうになっておるわけでございます。それからまた、中小炭鉱と比較しましても、この租鉱権は倍近くになっておるわけでございまして、ただいま御指摘もございましたように、まず災害の絶滅、減少は、この中小、特に租鉱区、こういうふうな零細炭鉱の問題を解決していかなければならぬのじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、このために、ただいま提案されております保安臨時措置法もこういう点が特にねらいになるのじゃないか、こういうふうにも考えておるわけでありますが、坑口開設、この関係につきましては、保安局といたしましても、こういう面はなるべく開設をするということは、きわめて短時間できわめて出炭の効果は上がるという臨時的なねらいはあったといたしましても、決して好ましい現象ではない、こういうふうに考えているわけでございます。
  51. 今井博

    今井(博)政府委員 坑口を開設いたします際には、保安局関係と十分連絡をとってやっておるわけでございます。坑口の開設は、昨年度から、従来の方針に比べまして非常に厳格なやり方をとりまして、ことしに入ってもたびたび関係者を集めまして、ことしは、許可したのはまだ六件程度だと思います。とにかく原則として、特殊な、これはよほど必要があるという特殊なものでない限り許可するな、そういうものも、問題のあるものは全部中央へ持ってこいという指導方針をとっておりますが、しかし、やり方にまだずさんな点、たとえば、大体こういう名前で出てきて、抜け穴があるということも私どもは承知しておりまして、これはもう少し厳格に締めなければいかぬのじゃないか。逆に申しますと、むしろこれとこれとはいいけれども、それ以外はいかぬ、むしろ方針を逆にするようなやり方を一つとったらどうかと実は思っておりますが、実はこれは地方の摩擦が非常に激しいものですから、この辺の調整をうまくやらなければいけない、考え方としてはそこまでいきたいと考えております。
  52. 有田喜一

    有田委員長 この際、十二時三十分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      ――――◇―――――    午後一時二十二分開議
  53. 有田喜一

    有田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  休憩前の質疑を続行いたします。中川俊思君
  54. 中川俊思

    ○中川委員 大臣にお尋ねしますが、石炭問題が非常にやかましくなって参りました。政府においても昨今非常に力をいたされておることについては、私ども敬意を表する次第であります。  ただ、お伺いしたいと思いますことは、急激に石炭対策に取り組まれた意図は那辺にあるかということです。と申しますのは、日本石炭が今日のような事情になって参りましたのは、きのう、きょうの出来事ではないのではないかと思います。きのう、きょうになって急激に悪化したという面はそう見られないのじゃないかと思うのでありますが、承るところによりますと、稲永労働大臣を急速九州地方に向けられ、さらにまた近く通産大臣、大蔵大臣が現地に出向くということでございますが、急にそういう態度をおとりになるようになったことは、過般社会党の方々のごあっせんで、総評の諸君であるとか、石炭関係の方々、炭労の方々が総理にお会いになって、その結果こう急激にやられるようになったのか、あるいは、その他何らかの理由によって急激にこういう措置をおとりになるようになったのか、まずその点をお伺いいたします。
  55. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 労働大臣が昨日筑豊へ出かけ、大蔵大臣並びに私がこの日曜日に出発して筑豊へ行きます。緊急にそういう処置をとったのはどういうことかというお尋ねであるわけです。この石炭問題は、少しさかのぼりますが、基本的対策は、ただいまの池田総理が通産大臣、今の通産省におります私が大蔵大臣当時、予算編成に取り組んだ一つの大きな問題でございます。その際にはいわゆるスクラップ・アンド・ビルドの基本方針を立てて、近代化資金貸付その他の事業等も予算でそれぞれ取り上げたのでございます。その基本はここで申し上げるまでもなく、いわれておりますように、五千五百万トンの出炭、千二百円下げ、総量の七割消費確保を三十八年度で実現させるという目標、こういうことで今日まで遂行して参っておるのでございます。この線に沿って、すでに六百三十万トンのスクラップの計画、いわゆる政府が買い取るというか、成績の悪い山の廃止、それが四百三十万トンばかり現に買い取りが実現しております。従って、それらに相当の離職者が出てくる。あるいはまた、大手の筋におきましても、すでに存命のきた山寺がございます。従いまして、それらに対する離職者の問題が出ている。今まで経営者――ただいま組合のお話が出ておりましたが、経営者、大手といわず中小といわず、政府が石炭対策として二年前に示したもの、それをただいま忠実に実施しておるが、将来に対する石炭業界のあり方についてどうも十分信頼性が置けない、政府は一体どういうふうに考えるのか、こういうお話がすでに経営者側から持ち込まれておるのでありまして、これに対しまして、在来の方針を堅持し、三十八年度目標の達成に万全の努力を尽くす、こういうお話をしたわけであります。同時にまた、組合側から見ますと、三池や杵島その他の争議を通じてのその後の離職者等の対策なり、あるいは閉山した山の離職者の柳就職、こういう問題がなかなか計画通りスムーズにいっておらないじゃないか、こういうようなお話があり、また今後千二百円下げの処置をとるなら、さらに相当多数の失業者が出てくるだろう、それに対する対策はどうなっているのだ、早急にこれに対する対策を立てろ、こういうお話が出て参ったのでございます。これらのことはいずれもが基本方針なり、あるいは来年度予算等で処置すれば、今中川委員の御指摘通り事足りる、大部分そういうように考えられるのでございますが、一面緊急性と申しますものは、過去の失業者の再就職が思うようにいっておらないこと、同時にまた、石炭合理化をおそらく引き続いて計画されていることでございましょうが、それが最近労使双方の話し合いにどんどん進んできておる。そういうような点から、杵島炭鉱の例をとりましても、八千円の賃金カットが行なわれる、日本炭鉱も思い切った賃金ダウンをする、こういうようなことがある。あるいは、大手の筋でも離職者が出てくる、こういうようなことになる。しかもこれらの離職者は、再就職の機会の少ない人たちがだんだんふえてきておる。ことに、今後合理化を進めていくならば、必ず離職者は中高年令層になるだろう、家族持ちだ、こういうことになりますと、これらの再就職のあっせん等にいたしましても、在来の考え方ではなかなか思うようにいかないものがある。これらが重なり合い、もう一つは、最近の金融引き締めというか、そういう事柄も影響いたしまして、中小炭鉱のうちにも、販売業者のうちにも倒産者が出るし、また、中小炭鉱自身もこういうような状態で非常に苦しくなっている。それらの原因が重なり合って、一つの社会的な不安すら醸成する危険がある、こういうような事態にまでただいま発展いたしておるわけであります。私どもが今日までとりました基本対策そのものについて、これは労使とも協力を得て、この基本対策の遂行には万遺憾なきを期しておるつもりでございますけれども、それにいたしましても、最近の経済界の情勢の変化、これらが整理に当面しておる炭鉱業に非常な圧迫を加えておる、こういうので、一部の非常な将来に対する不安感もありますし、同時にまた当面する焦燥感もあるわけであります。そういう意味から今日これの対策を緊急に取り上げる必要がある、かように思いまして、お話は組合の方からもいろいろ聞き、経営者の諸君からはすでにその以前に詳細に伺っておりますが、やはり百聞は一見にしかず、現地に出かけることが最も望ましいことだろう、こういうので、国会開会中の忙しい際ではございますが、予算が参議院で成立したその直後において、大蔵大臣と私が現地へ出かけて行く、こういうような処置にただいまいたしておるわけであります。もうすでに御承知だと思いますが、自由民主党の内部にも石炭対策の特別委員会が設けられる、あるいは、政府は総理を議長にする関係閣僚会議を持つ、こういうことで基本対策をそれぞれ考究中でございます。しかし、考究中でございますが、これらのことは多くは今日この段階においてという問題じゃなくて、来年度予算等の編成にあたって特に真剣に取り組みたい問題でございますが、ただいまお答えいたしましたように、今日の緊急性というものは、その基本対策もさることだが、同時に、当面している過去二年ばかりの積み重ね、それに対して最近の金融引き締め、それなどがさらに加わっておる、そういう意味の問題、かように私理解して現地へ出かけるつもりでございます。
  56. 中川俊思

    ○中川委員 二時から本会議がありますから、私もそう長くやりませんが、簡単に答弁をお願いいたします。  今通産大臣からるるお伺いしたのでございますが、承りますと、この前きめられた基本対策に基づいて石炭対策をおやりだということなんですが、その基本対策をすでに是正しなければならない時期にきておるのじゃないかと私は思うのです。先般の通産大臣の施政方針の御演説のときにも、その基本対策は変えないというような御意思でございましたが、私はそこに誤りがあるのではないかと思う。と申しますことは、石炭を三十八年までに千二百円コストダウンするというときには、御承知通りに、石油の値段は八千二百円でありました。今日は石油の値段は幾らになっておりますか知りませんが、石油連盟の出しておる重油の値段は、たしか六千五百円と聞いておる。七千円と言っておりますが、私はそういうふうに聞いておる。違うかどうか知らない。いずれにしても七千円前後だと思うのです。非常に違っておる。しかも石炭の値段を下げて、合理化をやる、当時はそれでよかったか知りませんが、今日賃金が上がり、経常費がどんどん上がっておるときに、石炭の値段を下げることによって、石炭産業というものは壊滅に瀕するのじゃないかということすら考えられるのでございます。そういうときにやはり通産大臣は、今おっしゃるように、基本対策は変えないでおやりになる御意思であるかどうか、一体変えた場合には、他のエネルギー資源との間にどういう障害が生じてくるか、どういう関係が生じてくるか、その点を伺ってみたいと思うのであります。
  57. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 いろいろの御意見がございまして、あるいは五千五百万トンはやめて、三千万トンでいいじゃないかというような意見があったり、あるいは、もっと思い切って六千万トン、あるいは六千五百万トンでどうだというようなお話もございます。ございますが、やはり産業界に対して一応三十八年の目標として示し、その協力を得てきておるのでございますから、その線をまず第一に実現することが必要なことじゃないか、こういうことでただいま五千五百万トン、千二百円下げ、そういうことをお願い申し上げておる次第でございます。ただいま石油のお話が出ておりましたが、石油石炭価格の面で競争さすということは必ずしも適当でない、かように私は思います。
  58. 中川俊思

    ○中川委員 それではお伺いしますが、一体現在のエネルギーは――石炭でも石油でもなんですが、エネルギーの需要量の伸びというものは、政府は三十八年と今日とを比較してどの程度に違っておるように計算しておられるか――それでは、あとでよろしゅうございます。調べていただきます。とにかく相当ふえておることは、これは通産大臣もお認めだろうと思う。これだけ経済が成長してきたのでございますから、かなりふえておると思います。ふえておるとしますれば、数年前の需要量をもって、ずっと将来それを堅持して、将来というわけじゃありませんが、三十八年なら三十八年まででも、経済界に約束したのだからその通りにしていかなければならない、これはちょっと私は解しかねるのでございます。それは役所の局長、いわゆる事務屋さんのおっしゃることならいいのでございますが、大臣でございますから、この際政治的にそこを勘案していただいて、伸びておるといたしますれば、それに見合うように、たとえば輸入をふやすとか、あるいは国産の石炭の量をふやすとかということになるのじゃないかと思いますが、その点はどういうお考えですか。
  59. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 三十四年の石炭の実数は四千七百八十八万トン、こういう生産でございますが、それが四十五年の目標は五千五百万トン、五十五年も五千五百万トン、これは経済審議会エネルギー部会の答申でございます。こういうふうに伸びるのにかかわらず、どうしてこれがそのままの数字か、そこに問題があるわけであります。申すまでもなく、エネルギー源の使用は消費者の自由選択というのが、これはもう自由経済のもとにおいては当然のことであります。しかしこの石炭自身、供給の安定性、あるいは雇用の問題、あるいは外貨の使用の問題、そういう三つの観点が主でございます。それらのことを考えてみます際に、先ほど御指摘になりました重油その他石油燃料価格でこれが合わないというか、価格で負けるからというだけで、この産業を見捨てるわけにもいかない。それじゃ合理化がうんと進み得るか、かように申しますと、日本国内の石油資源の実情から見て、この合理化にも限度がある。そういう意味から、先ほど来申すような数字を一応今日目標にしておるという結果でございます。
  60. 中川俊思

    ○中川委員 時間もありませんから、私は大臣とこの点で議論しようとは思わないのですけれども、とにかく、もう十年もいたしますと、日本の需要は約二倍になるのじゃないか。アメリカも同様なんです。諸外国も大体そういうことになっておる。ですから、それに見合う対策をお立てにならなければいけないのじゃないかと思うのです。  それから今、エネルギーの使用というものは使用者の自由選択だということをおっしゃるのですが、これは大臣、ちょっと御勉強が足らないのじゃないかと思う。というのはエネルギーの問題だけは、自由選択ということに原則はなっておりますが、どこの国もみな大体一つの統制をしいておる。フランスのごときは石油は専売、それからイギリスも、御承知通り石油を除いては国有化しておる。一つの統制をとっておる。アメリカも同じ、持てる国アメリカですら、やはり一種の統制をとっておる。ということは、アメリカも御承知のように、一九七五年になりますと、ちょうど現在の需要が二倍になるというところから考えまして、この六月に、アメリカの上院では総合エネルギーに対する計画についての決議までやっておる。ということは、外国からの輸入をどうして押えようか、自分の輸出をどうして伸ばそうかというところに、やはり一種の統制をしがなければならぬというので、アメリカもそういうことをやっておる。イギリスも同様、フランスも同様なんです。ですから、自由選択だから、どうも強いやつが勝つのだ、こういうやり方は、エネルギーに関する限りはちょっと当てはまらないのじゃないかと思う。そこで、私は、大臣に率直にお聞きいたしますが、まず三点について聞きたいのです。  まず第一点は、日本は、私が先ほど来申しておりますように、石炭の問題だけ片づけようと思ってもなかなか容易でない。ということは、石油と関連がある、ガスとの関連がある、水力発電との関連がある、いろいろな関連がございますから、石炭だけとって、石炭問題だけを解決しようと思っても非常にむずかしいのじゃないか。ただ、先ほどおっしゃったように、応急的な処置は、今石炭が困っているということになれば、応急的な処置はやらなければならない。しかし、応急的な処置を施される上においても、やはり恒久対策を作っておいて、それに見合う応急対策でなければいけないのじゃないかと思う。ただ、そう言っては悪いですが、場当たりではいけないと思う。ぱっぱっと総評から突っ込まれたから、すぐ大臣がその方に行くというような――これはそうじゃないでしょうが、それではいけない。やはり恒久対策を作っておいて、それに見合う応急対策をやってもらいたい。ですから、石炭問題だけをとって、日本エネルギー全般を片づけようと思っても、それは無理なんですよ。たとえば、先ほど申します通り重油の値段が八千二百円のときに千二百円コストダウンするというのであったけれども、重油の値段は、今日は七千円、六千五百円というようなことになってきつつあるのです。それに、さっき申しました賃金が上がり、経常費が上がってくるのに、やはり石炭は千二百円三十八年までに下げなければならぬかということなんです。そういうように、石油との関連が到る。そこで私はお尋ねするのですが、一体、日本エネルギーの中心基盤というものをどこに置こうというのか。たとえば、国産の石炭に置こうというのか、輸入の石油に置こうというのか、将来興るべき原子力発電に置こうというのか、どこへ置こうと考えておられるのかということなんです。御承知通り、どこでもこの点は考えております。しかし、大体日本と酷似しておりますイギリス、ドイツは、石炭中心でやっておるわけでありますが、イギリスにいたしましても、ドイツにいたしましても、輸入資源というものは、供給安定の面において非常に不安感がある、不安心だ。たとえば、スエズでどかんと起こったら、すぐ石油がとまってしまう、通産省は備蓄をやらなければならないといってあわて出す。だから、外国からくるエネルギー資源というものは非常に不安定なものである。供給が不安だからというので、どこの国でも大体国内エネルギー資源というものを中心にして、自国のエネルギー対策を講じておるように私は思っておるのであります。そういう点から考えまして、日本石油が安くて操作も簡単だ、だから、これにたよって日本の将来のエネルギー対策を持っていこうというのか、いやいや、そうではない、輸入だけにたよっておったら、万一戦争が起こったり、局地的な紛争が起こったりしたら、直ちにとまってしまう。そうかといって、備蓄をしておるだけのなにはないのだから、やはり日本の国権資源である石炭に重点を置かなければいけないというようにお考えになっておるのか、これが一番大事だと私は思う。この基盤をきめずにおいて、石炭をちょこっといじってみたり、石油をいじってみても、それは結局、そう言ってははなはだ失礼ですが、場当たり的な対策であって、思い切った恒久対策というものはできないじゃないかと思うのですが、大臣は、一体、日本エネルギーの中心基盤は将来どこへ置こうとしておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
  61. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 中川さんの立論の基礎については、私も同感でございます。そこで、先ほど、消費者の自由選択が自由経済のもとでは原則だと申しましたが、それをそのままやらすつもりは毛頭ございません。だからこそ、五千五百万トンは使わすという考え方でございますが、私が申した言葉が不十分で、もし誤解があったら申しわけがございませんから、その点は誤解のないように願いたいと思います。  そこで、御指摘のように、石炭石油あるいは水力電気、それぞれ単独に計画を立ててもだめだとおっしゃる、しごくごもっともでございます。そこで、総合エネルギー対策というものの計画を通産省はいち早く樹立しておるわけであります。ただいま石炭部会の答申は得ており、石油についての調査団は来月半ばに帰って参ります。また、それが答申を出すことになるだろうと思います。そこで、ただいま手元にあります三十八年までの目標については、すでにこれは発表し、その協力を得ているものもございますから、これは第一次の計画として実現を期したいと思いますが、将来一体どういうように変更していくか、こういう点で、今日まで発表したところの数字でちょっと御披露してみますと、これはやはりドイツだろうが、イギリスだろうが、どこでも同じでありますが、ドイツ自身も、石炭の出炭量は、年次別に見るとやや下り気味、日本の場合は、五千五百万トンという横ばいの数字を維持しよう、こういうのでありますが、構成比率から見ますと、三十四年は石炭が三七・八、石油が二九・五、水力が二七・六、こういうようになっております。これが四十五年になりますと、石炭の占むる比率が下がりまして、石炭は二八・七、石油は四九・六、水力は一九・五、さらに五五年になりますと、石油は六二・六、石炭は二二・二、または水力は一四、こういうように率が変わってきて、将来は、結局液体燃料である石油に変わるであろう、こういう大体の見方をいたしておるわけでございます。
  62. 中川俊思

    ○中川委員 ちょっと今聞き取れなかったのですが、それでは石油を中心にしてやっていくのですか。
  63. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 将来はそうなるだろうということであります。
  64. 中川俊思

    ○中川委員 これは重大な通産大臣の御発言だと私は思うのです。将来日本エネルギー需要というものは非常に伸びるわけですが、石油を中心にしてやっていくという御確答でございますけれども、たとえば、これから十年先に、現在の二倍のエネルギー資源を要するとした場合に、どれだけの石油が要って、そして、その石油はどこからどういうふうに補うのか。御承知通り日本では現在石油は大して出ないのでございます。石油でこれだけの需要をまかなうとすれば、ほとんど輸入に仰がなければならぬと思うのですが、その日本が使うところの石油はどういうふうにして補わんとされるのか、その点を一つお伺いしたい。
  65. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 ただいま申します将来というのは、五十五年です。今三十六年ですから二十年後で、この数字は経済企画庁の経済審議会のエネルギー部会で出した数字でございます。これが、ただいま指摘されますように、五十五年になりますと四億五千四百六十八万トンといいますか、これは石炭換算合計してのエネルギーになるだろう。そういう場合の比率、そういう一応の計画を立てておるのでございます。
  66. 中川俊思

    ○中川委員 ですから、その補給というか、供給はどういうふうにしてやるか、供給計画――将来五億何千万トンという、石炭に換算してそれだけの大量のものをどこからどういうふうに供給するか、それがはたして可能であるかどうかという点を伺いたいのです。
  67. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 これはまず、全部が全部というか、ほとんど全部が輸入原油ということであります。
  68. 中川俊思

    ○中川委員 それなら大臣に伺いますが、世界がこのままずっと平和な状態を続けていけばけっこうでございますけれども、もし万一国際間に紛争でも起こる、動乱でも起こったような場合――そういうことを私とも望むわけではございません、ないことを望むわけでございますが、そういうようなことが起こった場合に、今大臣のおっしゃるように、日本エネルギー資源というものはほとんど輸入にたよるという原則で日本がやっておった場合、そういう問題が起こって、たちまち輸入が途絶した場合には、一体日本はまっ暗やみになるのですか。その対策はおありなんでしょうか。
  69. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 先ほど来申しますように、三十八年までは私ども今考えておりますが、それから先の経済情勢の変化、世界情勢の変化、これはただいまのところ考えられない、おそらく世界は大きく平和維持の方向へ進むだろう、これは大体私ども努力の目標でございますから、見当はつくのでございますが、そういうふうには私ども考えておりません。
  70. 中川俊思

    ○中川委員 私も大臣と同様に、三十八年までに世界に戦争が起こることを望むわけでも何でもないです。しかし、戦争というものはもののはずみで起こることであって、計画的に、いつ戦争が起こるというようなことを予見できるものじゃない。あなたが朝出るときに、きょうは中川とけんかをやろうと思って出やしない。来てみたらば、けんかもやらなければならないような場合もあるかもしれない。だから、戦争なんて起こるのはもののはずみなんです。だから、三十八年までは大丈夫だろうという仮定に基づいて、日本国民の生活を維持していかなければならぬ大きなエネルギーの問題を処理されるという抽象的なことでは、ちょっと納得しかねるのですが、どうなんですか。あなたも通産大臣ですから、その点は十分お考えだろうと思います。
  71. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 ただいま申しますように、非常に率が下がるのは五十五年です。五十五年、これから二十年先のこの辺の議論をしていることは、ちょっと私には心配というか、あまりにも先のような気がします。しこうして、このエネルギーがやはり豊富にして低廉であることは、基本的なエネルギー源でありますだけに必要なことだと思います。そういう観点に立って計画を立てると、企画庁の計画でございますが、ただいまのような計画が一応考えられる、かように思います。また、三十八年までの計画等の数字から見ますると、今日石炭の需給状況は一体どうなっているか、こうして考えてみますと、雑炭その他で相当の数字が出ているという議論はございますけれども、私どものつかんでいる数字から申せば、三十三年度は四千八百四十八万トン、三十四年度は四千七百八十八万トン、三十五年度は五千二百六十万トン、こういう数字でございます。そうすると、今の五千三百万トンという数字は、現在の国内炭の出産の実績等から見ると、必ずしも低い数字じゃない、これは御理解がいただけるのじゃないか、かように私は思います。
  72. 中川俊思

    ○中川委員大臣 エネルギーの問題は、今あなたがおっしゃるように、できるだけ使用者の自由選択にまかす、あるいは豊富低廉なものを使う、これは世界の原則なんです。原則なんだが、エネルギーに関する限り違っておる。世界各国のとっている実情が違っているということは、やはり国の安全を保障する、つまりナショナル・セキュリティと申しますか、どこの国も経済的な面だけでエネルギーの問題は考えていない。経済的な面だけで考えておりますと、先ほど来申します通り、スエズでどかんとナセルが一発やらかすと、イギリスはすぐ困ってしまう。日本も困って、すぐ石油業法で備蓄をやらなければならぬと、通産省はあわてたでしょう。そういうことになるから、エネルギーの問題に関する限りは、むろん豊富にして低廉でなければなりませんが、そういう経済的な面からだけでは、イギリスも、フランスも、ドイツも、アメリカも考えていない。あなたは、豊富にして低廉なものであるから、あるいは自由選択だからということをおっしゃる。そういう面からだけ考えておられると、国民は非常な迷惑をしなければならぬ、いわゆるまっ暗やみになる場合があるかもしれぬ、こういうことを私は言っているのであります。
  73. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 私は、それが望ましいと申しているのであります。今の石炭石油より高いので、それでは五千五百万トン掘るのをやめるかというと、そうではない、掘るというのである。だから、それが望ましい原則であると申しましても、その通りやるか、そうではないのであります。あまり言葉じりばかりとらえられては困る。だから、五千五百万トンという消費確保の構想も立てているわけであります。そこらに政策というものがあるわけなんです。今申し上げるように、石油が安いから全部石油にする、かような乱暴な議論をしているわけではございません。誤解のないように。
  74. 中川俊思

    ○中川委員 先ほど大臣は、将来は石油中心でやるということをおっしゃったから、石油中心ではそういう危険が伴いはしないかというのです。それから、今の千二百円コストダウンというのは、先ほど来申します通り石油の値段が八千二百円のときのコストダウンである。そうすると、先ほど来の私の第一点の質問でございますが、ここで重ねて大臣からお聞きをしておきたいのだが、日本の将来のエネルギーの中心基盤というものは、なるべく安くして豊富である石油をもってやろうとおっしゃるのか、それをもう一度お伺いしたい。
  75. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 もちろん、国内でできればけっこうです。できればけっこうですが、石炭は、将来のエネルギー需要の非常に膨大なものに対して、今の率を維持するということになったら大へんだろう、国内でそれだけの炭が出てくる確信が、ただいまのところない。だから、これは幾ら国内資源にたよろうとしても、それは無理なんではないか。だから、これはやむを得ざる措置だと思うのです。これは石炭がうんと出る、しかも合理的な価格石炭が出るというのだったら、だれもそれを掘るなとは申さぬ。先ほども予算委員会でそういうことにお答えをしたのですが、新しい炭鉱が発見されたとか、あるいは採炭技術が非常に進んできた、そうすれば国内炭がまず優先して考えられることは当然なことであります。しかしながら、日本の将来の国内のエネルギーの需要に対処する道を考えたときに、水力はすでに開発の余地はほとんどない。石炭にしても、新しい炭田が、いろいろ言われますが、まだまだ、これらの需要に応ずるだけのものはまず見つからない。そうすれば、やはり見つかるまでは、外国からそういうエネルギー源を輸入せざるを得ない。まだ、これから先の問題、あるいは十年後、十五年後にどういうように変わるかわかりませんが、核エネルギーというものが非常に発達すれば、これはまた新しい問題だと思います。そういうような新しいエネルギー源を発見することに、もちろんやぶさかではございません。その努力はいたしますけれども、今のエネルギーの要求は非常に膨大である、御指摘になりましたように。それを国内炭を中心にしてと言われましても、現存でももう中心とは言えない。もう国内炭だけから申せば、おそらく先ほど申した数字よりもまだ小さいでしょう、先ほどののは輸入炭も入っておりますから。だから、現在国内炭にたよっているエネルギーというものは三二%主力というものは一体何か。五割以上あったら、初めて主力といえるかもわかりません。そういうことを考えますと、現在でも国内炭では十分まかなえない。将来のエネルギーの増加を考えたときに、石炭のみでは追いつかない。しかも価格の面もいろいろ問題があるだろう、こういうことを実は申し上げておるのであります。
  76. 中川俊思

    ○中川委員 大臣は、日本はもう資源がない、きわめて少ないということをおっしゃるが、何を根拠に資源がないということをおっしゃるか。  私は第二番目に聞きたいと思ったのですが、政府は国産エネルギー資源の開発利用に対する熱意が薄いのじゃないかと思う。ということは、一体石油資源開発会社なんかにどのくらい金を出しておられるのか知りませんが、フランスはあの南部のラック地方の油田、サハラ油田を発見するのに、一九五八年から四カ年計画で五十億ドルの金をつぎ込んでおる。日本の金にして一兆八千億です。日本は一体国内資源の開発に幾ら出しておるか。それから石炭も出ない、石油も出ないとおっしゃるんだが、出ないということを一体だれが言い切ることができるか。二千メートルや二千五百メートルしか掘らないでおって、出ない出ないと言っておる。フランスもイタリアも、四千メートルから四千五百メートル掘っておるじゃないですか。それで出始めた。日本は火山国だから出ないというふうに簡単に一蹴する人があるが、イタリアも火山国です。イタリアは四千メートルから四千五百メートル掘ったら出始めた。日本もそれくらい掘ったら出始めるかもしれないけれども、残念ながら金がない。財政投資を政府がやらない。開発利用に対する熱意がなくして、ただ国内炭は少ないから、それにたよっていてはだめなんだ、そういうことを言うかわりに、もっと開発利用に政府が熱意を入れて、財政投資をしてくれたらどうかと考えるのですが、これはどうですか。
  77. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 これは大へんけっこうな御意見だと思います。もちろん金属資源などは探鉱が非常に大事なことでございますから、探鉱には力を入れる。新しい資源の開発、これはもう当然のことであります。しかし今日、石炭産業については比較的に調査その他も行き届いておる、私はかように思います。だから、今、金をかけて、出るかもわからぬし、出ないかもわからぬ。やはり今日議論するのは、ありますデータで議論せざるを得ない。その辺、一つ御了承いただきたいと思います。
  78. 中川俊思

    ○中川委員 どうも大臣、事務屋の言われることならいいんだけれども、私はもっと真剣に考えていただきたいと思うのです。たとえばイギリスあたり石炭合理化に十億ポンド、一兆円の金をつぎ込んでおるのです。ですから、今のままでは、限られた資料に基づいて、今の経済企画庁の何とか審議会とか、あるいは通産省の審議会とか、それらで調べたものだけに基づいてやっておるとおっしゃるのだろうと思うのですが、これはやむを得ないかもしれませんが、やはりこれだけ大きな問題ですから、何ぼ高度経済成長政策を呼号してみたところで、エネルギーの問題が解決しなかったらだめだということは、大臣はわかっておると思うのです。ですから主客転倒で、高度経済成長政策を呼号する前に、まずエネルギーの問題を片づけてやるべきじゃなかったかとさえ言われておるくらいなのです。この問題は大きな問題ですから、真剣に取り組んでもらいたいと思います。そうして日本の国産エネルギー資源の開発にもっと熱意を入れて、大臣、あなたがせっかく通産省におられる間ですから、ほかの者ではようやらないかもしれないんだから、あなたは大蔵大臣もやっておったんだから、とにかく水田君とよく相談されて、国産資源はないんだ、ないんだと言わないで――ないといったって何を根拠にないと言うのですか、理由はないでしょう。経済企画庁が調べた、通産省が調べたという資料だけに基づいて言っているのでしょうが、その調べたのも間違っているかもしれませんよ。もう少し先にいって、五年先あるいは十年先に、日本石油がわっと出始めるかもしれない。石炭もないと言っておったが、あるかもしれない。そうすると、われわれは後世の子孫に笑われますよ。あのときの政治家なんかつまらないやつだった、調べればこれだけあったものを、よう出さずに、中近東の方から持って来よったという結果がないともいえないですから、あなた、ただないないといって、手っ取り早くほかから持って来る方がいいからというような、通産省の役人が考えておると同じようなことをおっしゃらないで、やはり大臣だから、もっと高い視野に立って大きな計画をやっていただきたい、このことをお願いする。  もう一点お聞きするのですが、先ほど来私が言っております通り石炭の問題だけを片づけようと思っても、石油との関連、将来の原子力との関連がございますから、石炭だけの応急策はけっこうですよ、応急対策はけっこうだけれども、恒久的な対策を作ろうと思えば、どうしても他のエネルギーとの関連が生じてくる。ところが、今通産省では、石炭石炭局でやっておる、石油は鉱山局、電力、ガスは公益事業局というふうに、みなてんでんばらばらの行政なのです。それは、あなたのような偉い人がおって統制しておるとおっしゃるかしれぬが、なかなかそうはいかない。あなたがあそこに三年、五年おっても、この内部の統制をびしっとやるということは、なかなか容易じゃない。大蔵省の方にいって石炭局が一生懸命予算をとろうと思っても、鉱山局の方がおれの方によけいくれなければいかぬといえば、鉱山局に引かれる場合もございましょう。ですから、ここで私はお尋ねをしておきたいのですが、イギリスのように動力省みたような、つまりエネルギー省と申しますか、エネルギー専管省を設けられる意思はあるかないか。
  79. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 ただいま、そこまで考えておりません。
  80. 中川俊思

    ○中川委員 そこまで考えていらっしゃらないでしょうが、しかし一つ真剣にお考えをいただきたいと思いますことは、何といってもエネルギーの問題は、私がかれこれ申し上げるまでもなく、十分に御存じの通りです。ですから、今大臣はそこまで考えておられないとおっしゃるけれども、私は非常に不満です。主管大臣がそのくらいのことを考えないで、そうして、考えておりませんと平気な顔をして笑っておられたんじゃ――真剣に一つお考えを願いたい。
  81. 有田喜一

    有田委員長 この際、本会議の散会後まで休憩いたします。    午後二時七分休憩      ――――◇―――――   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕