○中川
委員 時間もありませんから、私は大臣とこの点で議論しようとは思わないのですけれども、とにかく、もう十年もいたしますと、
日本の需要は約二倍になるのじゃないか。
アメリカも同様なんです。諸外国も大体そういうことになっておる。ですから、それに見合う対策をお立てにならなければいけないのじゃないかと思うのです。
それから今、
エネルギーの使用というものは使用者の自由選択だということをおっしゃるのですが、これは大臣、ちょっと御勉強が足らないのじゃないかと思う。というのは
エネルギーの問題だけは、自由選択ということに原則はなっておりますが、どこの国もみな大体
一つの統制をしいておる。
フランスのごときは
石油は専売、それから
イギリスも、御
承知の
通り、
石油を除いては国有化しておる。
一つの統制をとっておる。
アメリカも同じ、持てる国
アメリカですら、やはり一種の統制をとっておる。ということは、
アメリカも御
承知のように、一九七五年になりますと、ちょうど現在の需要が二倍になるというところから考えまして、この六月に、
アメリカの上院では
総合エネルギーに対する
計画についての決議までやっておる。ということは、外国からの輸入をどうして押えようか、自分の輸出をどうして伸ばそうかというところに、やはり一種の統制をしがなければならぬというので、
アメリカもそういうことをやっておる。
イギリスも同様、
フランスも同様なんです。ですから、自由選択だから、どうも強いやつが勝つのだ、こういうやり方は、
エネルギーに関する限りはちょっと当てはまらないのじゃないかと思う。そこで、私は、大臣に率直にお聞きいたしますが、まず三点について聞きたいのです。
まず第一点は、
日本は、私が先ほど来申しておりますように、
石炭の問題だけ片づけようと思ってもなかなか容易でない。ということは、
石油と関連がある、ガスとの関連がある、
水力発電との関連がある、いろいろな関連がございますから、
石炭だけとって、
石炭問題だけを解決しようと思っても非常にむずかしいのじゃないか。ただ、先ほどおっしゃったように、応急的な処置は、今
石炭が困っているということになれば、応急的な処置はやらなければならない。しかし、応急的な処置を施される上においても、やはり恒久対策を作っておいて、それに見合う応急対策でなければいけないのじゃないかと思う。ただ、そう言っては悪いですが、場当たりではいけないと思う。ぱっぱっと総評から突っ込まれたから、すぐ大臣がその方に行くというような――これはそうじゃないでしょうが、それではいけない。やはり恒久対策を作っておいて、それに見合う応急対策をやってもらいたい。ですから、
石炭問題だけをとって、
日本の
エネルギー全般を片づけようと思っても、それは無理なんですよ。たとえば、先ほど申します
通り、
重油の値段が八千二百円のときに千二百円
コスト・
ダウンするというのであったけれども、
重油の値段は、今日は七千円、六千五百円というようなことになってきつつあるのです。それに、さっき申しました
賃金が上がり、経常費が上がってくるのに、やはり
石炭は千二百円三十八年までに下げなければならぬかということなんです。そういうように、
石油との関連が到る。そこで私はお尋ねするのですが、一体、
日本の
エネルギーの中心基盤というものをどこに置こうというのか。たとえば、国産の
石炭に置こうというのか、輸入の
石油に置こうというのか、将来興るべき原子力発電に置こうというのか、どこへ置こうと考えておられるのかということなんです。御
承知の
通り、どこでもこの点は考えております。しかし、大体
日本と酷似しております
イギリス、ドイツは、
石炭中心でやっておるわけでありますが、
イギリスにいたしましても、ドイツにいたしましても、輸入資源というものは、
供給安定の面において非常に不安感がある、不安心だ。たとえば、スエズでどかんと起こったら、すぐ
石油がとまってしまう、通産省は備蓄をやらなければならないといってあわて出す。だから、外国からくる
エネルギー資源というものは非常に不安定なものである。
供給が不安だからというので、どこの国でも大体国内
エネルギー資源というものを中心にして、自国の
エネルギー対策を講じておるように私は思っておるのであります。そういう点から考えまして、
日本は
石油が安くて操作も簡単だ、だから、これにたよって
日本の将来の
エネルギー対策を持っていこうというのか、いやいや、そうではない、輸入だけにたよっておったら、万一戦争が起こったり、局地的な紛争が起こったりしたら、直ちにとまってしまう。そうかといって、備蓄をしておるだけのなにはないのだから、やはり
日本の国権資源である
石炭に重点を置かなければいけないというようにお考えになっておるのか、これが一番大事だと私は思う。この基盤をきめずにおいて、
石炭をちょこっといじってみたり、
石油をいじってみても、それは結局、そう言ってははなはだ失礼ですが、場当たり的な対策であって、思い切った恒久対策というものはできないじゃないかと思うのですが、大臣は、一体、
日本の
エネルギーの中心基盤は将来どこへ置こうとしておられるのか、お伺いいたしたいと思います。