○佐藤国務
大臣 日中
貿易は御
承知のように民間協定第四次では、九千八百万ドル片道ということになっております。約一億ドルずつ、二億に近い
貿易額があったわけでございます。ところが不幸にして長崎の国旗事件が起こり、その後も中絶いたしました。最近の日中
貿易の金額はまことに微々たるもので、けたが違うという
状況であります。日本側としては別に態度は変わっておらないのでありますから、ぜひとも漸次ふやしていくという方向へ持っていきたい、かように思います。
基本的な外交方針等もございますから、その外交方針等で、政治、
経済は別だという言い方をしておるし、またどこまでも相互主義の
立場に立ち、そして内政不干渉という
立場で
貿易を進めていく、この態度が非常にはっきりとしておるわけであります。最近は御
承知の
通り強制バーター主義を変えまして、現金決済の方法にまで変わってきておりますから、その点は
一つ改善されたわけであります。私は中共側に条件をつけるわけではございませんが、必要ならば、中共
政府を承認しないカナダからやはり小麦を買っておりますし、しかも小麦は現金で即刻払いではなしに、そういう
貿易がやられておる。そういうことを
考えますと、日本と大陸の関係も今後必ず改善される、また改善されなければならない、かように
考えます。
次の第二の問題として、いわゆる日中
貿易を担当しております民間団体、これが最近組織がこわれるという非常に苦境に立ち至っております。いろいろむずかしい問題もあるやに伺いますが、ぜひともりっぱなものに作り上げたい、こういう実は
考え方でございます。まだどうするということはきまっておりませんが、内々これに対してもいろいろ私ども
調査をしておる段階であります。ただ私ども中共側に注文をつけたいのは、いわゆる友好商社という形はあまりいい形ではないと思います。だから
貿易をやる以上、ああいうことを言わないで、やはり
貿易を扱う者は門戸を開放して、そして特定な者のみに中共
貿易を扱わせるという、ああいう
考え方はやめていただいた方がいいのではないか。これはまた機会あるごとに、おそらく向こう側でも気づいているのでありましょうが、最近いわゆる友好商社の範囲を
拡大しておるようでありますから、おそらくこれは向こうでも
考えてくれるのではないかと思いますが、いわゆる民間団体というか、
貿易担当の団体等が
整備されることによって、こういう問題も解決しやしないか、かように思います。
第三の日米
貿易でございます。日米
貿易は過去二年前は大体同じような格好であった。当時アメリカは非常に心配をしたものであります。最近の
状態では十対四・五、五を割っているというような
数字でありましたが、七、八、九、やや上向きになっております。少し最近は輸出がふえておりますから十対六ぐらいにおさまりはしないか、もっとよくいけばあるいは七に近い
数字になるのではないか、まあ七は無理なら六・五までにいきやしないか、こういうようなことで今努力をさしております。問題はやはり個々の品物について、もう少し手当をよくしないと十分の成果が上がらない、かように思います。
いずれにいたしましても、
基本的にはよく話し合って、具体的に話を進めていきたい、かように
考えております。