○
八木(一)
委員 苦しい
答弁ですけれ
ども、もっと積極的に取り組んで、ずばりと自信を持っていただきたいと思うのです。どんなむずかしい
法律でも、朝から晩までやれば——それは夜中寝ないでと言いませんが、朝の十時から夕方の五時まで、一週間も取り組めば大筋はできます。それに関連する
財政的なこと、字句のことも二週間あればできます。どんなむずかしい
法律でもできないことはない。二年、三年かけたからといって、その間一月に一ぺん二時間か三時間
協議したとか、そういうことになっているからだ。それは大きな
法律、大きな
制度で二年、三年かかることはありますけれ
ども、
ほんとうに取り組めば、半月ででき上がらない
制度はない。それ以上で、それが工合が悪いということであれば、それはよほどやる気がないのです。ですから、
通常国会までに
被災者援護法のようなものを
政府がやる気があれば、それを出すという約束をすることはできるわけです。私
どもは、それでもおそいと思う。今
国会中にやってもらわなければいけない。
政府の今のペースを聞いたが、
政府が
通常国会に必ず
法案を出すということであれば、一応その点については了承して、今度の
災害に対する
特例法としての
被災者援護法のようなものを今度の
臨時国会に出すことはがまんしても仕方がないと考えております。しかしながら、
恒久法は二、三年かかるというような含みのある御
答弁では、
政府を糾弾せざるを得ない。やってできないことはない。
ほんとうにやれば一週間でできる。やり方を教えて下さいとおっしゃるならば、われわれは三日でやってみせる。
政府にはたくさんの職員がいる。
大平さん初め頭のいい方もおる。やろうと思ったらできる。それを、二、三年かかるようなことをにおわす、そんなだらしのない
答弁では、
被害を受けた
国民、これから
被害を受けるかもしれないと思って心配している
国民に対応した
政府とはいえないわけです、少なくとも、
政府としては恒久的な
被災者援護法を次の
通常国会に出す、それまでまとまらないなら、
特例法をこの
臨時国会に至急に出す、それについて
与野党のお知恵を拝借したいとおっしゃるならば、われわれはすぐお知恵をお貸し申し上げる、お渡し申し上げます。それだけではありません。われわれは、
政府が手ぬるいので、われわれ自体でその
法律を出します。それについて
政府が積極的に、
総理大臣も
官房長官も論議に参画していただきたい。議員
提出の
法律案でありまするが、それについて、
政府の考えはどうかという
質問を
与党からも出されるのでありましょうし、われわれも出します。そこで、
政府がわれわれの方の
法律案がいいと思われたならば、それをやられることに協力されることが当然の任務だろうと思います。
政府の方は、
財政的とか、なんとかということで
法律案にいろいろの
意見をつけ、ブレーキをかけようとなさるでありましょう。かけられる
方策は持っておられるけれ
ども、それは
国民のためにその権力を使っていることにはならないわけです。この
災害特別
委員会で、たとえ
野党提出の議員提案であっても、
与党の方に積極的な反論ができない、
政府としても、それについての積極的な反論ができないものであれば、
政府も
与党もこれに御賛成なさるのが当然であります。さらに、これ以上のものを
与党から出されるならば、われわれは賛成するでありましょう。そういうことで、議会自体で作っていくのが至当だと私
どもは思っております。しかし、残念ながら、今のところ、
財政の見地から
政府の圧力が
与党に及んで、当然やるべきものも、
政府からの、
財政当局からの圧力で、
与党の方の統制があって、いいと思いながら賛成ができないというような現状に各
委員は置かれておる。だからこの問題が進まない。今度われわれの方で出す
法律案の討議については、
政府が
ほんとうに納得できるものならとにかく、そうできないという見地でブレーキをかけようとなさるならば、池田
内閣が
国民のことを思わない、
被災者のことを思わないというということを論議を通じてどんどんと明らかにして、
国民世論の沸騰を待って
政府を追及して、これを
実現させる道を開いていかなければならないと思います。しかしながら、私
どもは、そういうことを欲しているのじゃない。
ほんとうに
被災者に手厚い
援護がいく、また、将来の防災も一番大事でありますけれ
ども、防災を一生懸命やっても、例外的に起こる
災害によって、不幸にしてそういう
被害を受けた場合にどうなるかということを心配している
国民の
方々に安心していただくことが先決であります。
政府と対決することが目的ではない。ですから、そのような今までの形式的な
政府の運営を改められて、
野党が提案をしている、
与党もその気持でおられるというなら
政府みずから一緒に話し合って、ざっくばらんにその問題を
検討して、
特例法でも今
国会に出そうじゃないか、
恒久法は、
政府が主体になって各方面の
意見をいれて、
通常国会の壁頭に
国民の
負託にこたえるために出そうじゃないか、そのような
決意を披瀝されてこそ、
国民の
政府ということになるわけであります。私
どもは、自民党のいろいろな政策について非常に
意見を異にし、自民党の政策の悪い点を追及するわけでございます。
災害対策というような問題であれば、
与党と
野党は同じ
意見で
政府を督励し、または
政府と一緒に
話し合い、
政府がその政策を進められることに十分に協力できる場であると思います。ですから、さっき言った
被災者援護法というような、名前はどうでもよろしい、そういう内容の
恒久法を、おそくとも
通常国会には必ず
政府みずから出す、
特例法については、今すぐ相談し合って今度出す、
野党の出した恒久的な
援護法がいいと思われたならば、
政府も大乗的に
財政問題を処理して、
与党と
協議をして積極的に賛成をしようじゃないかというような態度をきめられる、そのように積極的に取り組まれる必要があろうと思う。
大平官房長官はお気持でいえば、直ちに、その
通りだとおっしゃりたいお気持でおられる心あたたかい
政治家だと私
どもは思っております。それにブレーキをかけるものは何か。今までの
ほんとうに
国民のことを思わない、
財政の帳じりだけを合わせればいいというような、金というものを
ほんとうに
国民のために使おうという気のない近視眼的な
財政政策、それから閣議におけるいろいろな面子で、片方が百の
熱意を持って言っても、片方がそれに対する一つの消極的な
意見を言えば、それが相殺されて、そのままきまらないというようなことになる、そういうことを直していかなければ、
ほんとうの
国民の
政治は進まないわけであります。
大平さんは、私が若造のくせに大きな声でなまいきなことを言っても、そういうことに対しては憤慨をせられない
政治家であると思います。一生懸命言ったことは、まともに受け入れられて、その問題を進めようという考え方を持った
政治家であるべきはずであるし、また、そういう
政治家であると私
どもは信じます。その意味において、今のようなあいまいな
答弁ではなしに、積極的に取り組む、そして、われわれの提案について積極的に受け入れるというような、一応
内閣を代表して、明確にお答えを願いたいと思います。