○島本
委員 官房長官にお伺いいたします。きのうまでで結論を得ないので、どうしても、
政府を代表する
長官の立場から
——きょうはこれで私も三回になります。ぜひとも
長官に結論を出してもらわなければならない。こういうような質問を申し上げたいと思います。角屋
委員が十日の
災害特別
委員会の席上で、北海道の登別を中心にしたあの
災害に対する
対策を
長官に聞いたところが、資料も整っておらないし、実際を調ベた上でそれに対して善処したい、こういうような
答弁で、そのままになっておった。きのう
建設大臣が参りまして、その実態について明らかにしたデータによって、再び
政府に対してその
対策を問うたわけです。ところが、
建設大臣としては、当然
建設関係の分は
被害の大きいこともそれぞれわかったが、他の部門は私の
所管じゃないから、どうにもしようがない、ただ、善処はいたしたいと思ってそれぞれ連絡はしております、こういうような
答弁だった。これではどうもばらばらで、しょうがありませんので、もう一回これははっきり
長官にこの点に対して聞きたいと思っておる。
それは、すでに角屋
委員の方からも言われておって、うすうす皆さんの方でも調べてはあるし、データはできているのじゃないかと思うのです。これは
台風二十三号の余波による低気圧によって、六日に北海道南西海上に発生したあの暴風によって、登別を中心にして道南各地に相当大きい
被害が起こったわけです。これはすでに皆さんの方も御存じの
通りなんですが、このデータが最近私の手に入ったところによりますと、昨日入ったのですが、意外に大きいわけです。と申しますのは、人的な
被害が死者十名になっておりまして、行方不明が六名で、負傷者が七名、そのうち重傷者三名、軽傷者四名、計二十三名という人的
被害が、ほんの短時日にしてこれが起きているわけです。こういうようなことにつきましても、その後はっきりしたデータも整ったわけでございますけれ
ども、一番ひどいのは、登別を中心にした道南の地帯で、六日の午後九時三十分現在で、十七戸濁流に流されて、八名が行方不明になったけれ
ども、それが夜が明けたら全部水死体になって発見された。それから今度は、同じ午後の十一時ごろに温泉が一軒焼けたけれ
ども、焼けたそのものに消防がそばまで行けないような状態だった。もちろん、電灯は消えてしまって、電話は不通であり、鉄道は破壊されて交通は途絶する、こういうような状態で、室蘭本線も十一日まで復旧ができなかったような状態にあったわけです。それで自衛隊も五百名ほど出動して、その後いろいろと
災害の救助に当たったわけでございますが、こういうような状態で、家屋の
被害は、大体集計されたところによりますと、二億五千七百四十五万円とはっきり載ったわけでございます。ごれを分類いたしますと相当ございますが、この際ですから省略いたしますが、二億五千七百四十五万円というと、これは相当の額でございまして、農業
被害も、これは集約いたしますと二億三千九十三万六千円ほどになっております。このうち、農作物の冠浸水によるものが一億六千二百三十万ほどになっております。この農業
被害も意外に多かったわけでございます。それから土木
被害が、これは道市町村
関係の分だけで、九億一千六百五十二万八千円ほどになっております。これがまた
被害金額としても大きいですけれ
ども、
河川の数も三百二十九カ所になっておるのです。そして金額が四億五千百三十六万円、それから道路の場合は、百十一カ所決壊されて、一億九千九百万円、そのほか、橋梁、
海岸、がけくずれ、こういうような点があるわけでございますが、そういうような
被害が意外に大きかった。それと、水産の
被害も今度はありまして、二億七百七十七万八千円ほどになっております。こういうような状態でございますが、その一番大きいものは水産資源の
関係にまで及んだということも、これはちょっと大きいと思います。それと、第六番目は林業
関係の
被害ですが、これも一億二千百五十七万八千円、これは治山、林地、林道、林産物その他に分けてこういうふうになっております。それと、衛生
関係の
被害も、水道施設を含め二千二百二十五万円、商業
関係の
被害はこれまた二億八千七百六十六万円、文教
関係は三百八十八万九千円、その他四十一万一千円、こういうような点でございまして、この
被害の合計が二十億四千八百四十九万三千円になっております。これはちょっと
被害としても大きいのですが、このほかに、なお北海道開発局
関係の
被害もまた別に直轄
河川が十二カ所、それから道路が三十一カ所、三千七百八十万円ほど、直轄
河川や道路もいたんでおります。こういうようなことでございまして、そのほか、現在なお調査を進められておるようですが、
被害額は追ってまたふえる見込みであるということのようです。そういうようなところからして、今度は
被害町村が三市四十三町村に及んだ、そうして
災害救助法の適用が一市一町に及んだ、こういうようなことでございますので、そういうような点を合わせてみて、この
対策はやはり重大な要素を持っておるのではないかと思うわけです。そうして前にも、
災害対策委員を代表して
協議会のころに下平
委員や中野四郎
委員が北海道を視察した
報告書においても、原始
河川のままに放置されておった状態ではすぐ同じような
災害が起きるから、これに対する
対策は万全を期し早くしなければならない、これはまさに人災に値するものであるという
報告がなされた。こういうようなことも
長官も知っておられる
通りなのです。こういうようなことからして、今回のこの
災害予算は、第二室
戸台風の予算として北美濃地震も加えられておるわけですけれ
ども、今回の北海道の登別や道南を中心とした
災害も、第二室
戸台風の
被害と同様に扱うべきではないか、当然こういうように考えられるわけですが、この救済策についてはっきりした
政府の態度を今ここにお示し願いたいと思います。