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1961-10-12 第39回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年十月十二日(木曜日)    午後一時三十九分開議  出席委員    委員長代理 理事 古川 丈吉君    理事 秋山 利恭君 理事 生田 宏一君    理事 永田 亮一君 理事 坊  秀男君    理事 岡本 隆一君 理事 角屋堅次郎君    理事 下平 正一君       大野 市郎君    大倉 三郎君       岡本  茂君    金子 一平君       岸本 義廣君    薩摩 雄次君       首藤 新八君    正示啓次郎君       谷垣 専一君    辻  寛一君       渡海元三郎君    早川  崇君       原田  憲君    宮澤 胤勇君       保岡 武久君    阿部 五郎君       有馬 輝武君    淡谷 悠藏君       石田 宥全君    五島 虎雄君       島本 虎三君    辻原 弘市君       肥田 次郎君    八木 一男君       玉置 一徳君  出席国務大臣         建 設 大 臣 中村 梅吉君  出席政府委員         文部事務官         (体育局長)  杉江  清君         文部事務官         (管理局長)  福田  繁君         農林事務官         (農林経済局         長)      坂村 吉正君         農林事務官         (農地局長)  庄野五一郎君         農林事務官         (振興局長)  齋藤  誠君         林野庁長官   吉村 清英君         中小企業庁長官 大堀  弘君         運 輸 技 官         (港湾局長)  坂本 信雄君         気象庁長官   和達 清夫君         建設事務官         (計画局長)  關盛 吉雄君         建 設 技 官         (河川局長)  山内 一郎君         建設事務官         (住宅局長)  齋藤 常勝君         自治政務次官  大上  司君         自治事務官         (財政局長)  奥野 誠亮君  委員外出席者         大蔵事務官         (大臣官房日本         専売公社監理         官)      谷川  宏君         大蔵事務官         (主計官)   相澤 英之君         大蔵事務官         (主計官)   宮崎  仁君         農林事務官         (農林経済局参         事官)     松岡  亮君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      林田悠紀夫君         運 輸 技 官         (気象庁予報部         長)      肥沼 寛一君         日本専売公社塩         脳部長     小林  章君     ————————————— 十月十二日  委員中島巖君辞任につき、その補欠として有馬  輝武君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  災害対策に関する件      ————◇—————
  2. 古川丈吉

    古川委員長代理 これより会議を開きます。  委員長病気のため本日欠席されますので、私が委員長の職務を行ないます。  前会に引き続き、災害対策に関する件について調査を進めます。発言の通告がありますので、これを許します。生田宏一君。
  3. 生田宏一

    生田委員 本委員会に提案になっております法律案につきましては、われわれもこれを拝見して、十分に政府の意のあるところは了解もするわけでございますが、なおこの審議をいたしますにつきましては、最近起きました第二室戸台風のことはむろん広範囲でありますから、私は、一地域ではございますが、視察をいたしましたことに関連して二、三お尋ねしたいと思うのでございます。  一番にお尋ねしたいと思いますことは、建設省関係でございますが、主として兵庫大阪あるいは徳島、香川、こういう地帯でございます。地盤沈下による原因高潮による原因と、この二つが重なって海岸堤防が随所で決壊をして海水があふれて、非常な災害を及ぼしたようでございますが、特に私が視察をいたしました地方におきましても同様でございます。現地を見てみますと、最近において防潮堤をこしらえたところでも破れております。むしろ、防潮堤をこしらえたその両端、あるいは新しく工作物ができた結果、波に対する抵抗が生じて、そうして予期せざるところに波の勢いが集中して海岸堤防が破れておるという状態が間々散見されますが、そういうものを見てみますと、将来における海岸堤防の補強というものは、一部分だけをやっておったのでは間に合わないことになる、全般にわたってやらなければならなくなる、そういう感じを持ったわけでございますが、全般的に海岸堤防を増強いたしますには多額の金を必要といたします。非常にこれは重大な問題でありながら、予算上も多額でありますから、国家としてもこの予算については頭を痛めなければなりませんが、しかし、防災関係からいいますと、やはりこれは思い切って高い防潮堤を危険の感じられます海岸全般にわたってやらなければならないように思うのでございますが、建設省はこの考えにつきましてはどういうような御見解でございますか、お尋ねいたします。
  4. 山内一郎

    山内一郎政府委員 海岸堤防を国で取り上げてやり始めましてからまだ歴史が浅い関係上、全国の海岸堤防全般的にあまり強くないという現状でございます。従って、今回第二室戸台風によりまして大阪、和歌山、兵庫、さらに高知、徳島につきましても相当被害を受けたわけでございます。これに対しまして、建設省といたしましては、さっそく専門家現地に派遣いたしまして、まず考えますことは、ただいま御指摘もございましたが、全般的にこの海岸堤防をどういうふうに考えていくか、あるところをやりましてから、そのためにかえってある個所は悪くなる、こういう問題もございます。それにつきましては、全体計画をまず作る、これが一番重要なことだと思います。それに現在専念をしている段階でございますが、それができましたら、その次に、それをどういうふうにして計画的に実施していくか、こういうことになると思います。海岸堤防被害の非常に激甚な個所につきましては、今回の第二室戸台風に対処できるような堤防災害復旧で取り上げてやっていく、それから災害復旧だけでは不十分な場合には、関連事業とあわせて改良的に復旧をしていく、この点につきましては、もうすでに災害関連事業特例法を国会で御審議願っているわけでございますが、それができましたら、従来よりも効率的にその点を対処してやっていく、大体この程度でできると思いますが、なお、改良的に改良事業でやるべき個所も残されると思います。その個所につきましては、大蔵省との折衝におきまして、来年度予算もすでに説明をしておりますが、さらに重要な個所を取り上げて追加的に説明をいたしまして、改良事業として実施をしていきたい、こういうようないろいろな点を総合して、今後再び第二室戸台風のような台風に対しまして災害を受けないように、こういうつもりで現在やっております。
  5. 生田宏一

    生田委員 大体わかりましたが改良復旧につきましては、今私があげましたような府県におきましては、多いところでは二メートル近くも地盤沈下をしておるようでございます。少ないところでも一メートルは下がっておるようでございます。一メートルや二メートルのかさ上げなどによる改良は、実は改良にあらずして、原形復旧にすぎないわけでございます。その点を特に調査をして、地盤沈下対策というものを十分に盛り込んでいただきたい、そのように思うわけでございます。  それから、もう一つ建設省関係でお尋ねしておきたいと思うのですが、これは特例の川で、具体的に一小部分のことを申し上げて恐縮なんですが、この間、宮河内谷決壊個所を見て驚いたのでございます。宮河内谷天上川原で、道路よりも河床の高い川でございます。幅が広いところでは、山から里へ出てきたところでは、百メートルあるいは百五十メートルもあろうかと思いますが、川下へ行きますと、二メートルくらいの川幅になっておるわけであります。それであとは消えたような状態になっておるわけでございます。そうすると、一体水はどこへはけていくのであるか、これを調べてみますと、その川は左に曲がっておる川でございますが、左岸堤防の方を特に低くして、水の通る方の右岸を高くして、そして水位が高くなれば必ず左岸の方へ水があふれるように計画をしてあるわけです。そしてその地方の何十町歩か何百町歩か、あるいは農家が軒までつかるというような、そういう水があふれることを予定して作ってある川でございます。それで私はよくわかりました。この河川の修築をしなかったことは、これはわれわれもうかつでございますけれども、建設省も、地元の理由のない対立、利害の対立などによって苦心をされておると思うのですが、これは建設省としても、われわれとしても、こういう河川をほうっておくことは今日では恥ずかしい次第だと思うのでございますから、よろしく進行の速度を早めて、早期に完成していただきたいというふうにお願いいたします。これは特定の川の例をあげて恐縮でございますが、実際に現状を見て、こんなものをほうっておいたのかと思うわけでございますから、これは私は希望として申し上げておきたいと思います。これに対しては御答弁要りませんが、ぜひこういう川をなくしてもらいたいと思います。  建設省関係はこれで終わりまして、今度は運輸省港湾局長にお尋ねしたいと思うのですが、今度の高潮堤防決壊をして高潮による災害をこうむったところもございますけれども、また、それとは趣を異にしたところもございます。というのは、市街を流れておる川の港の場合でございますが、高潮がやって参りますと、川じりの幅の広さで水が入ってくる、それがだんだん上流へ行きますと、川幅が狭くなりますから、従って水位が高くなってくるわけです。ところが、水位が高くなって川の上流に及ぼしてきましたときに、そこが港になっておりますから、それで防潮堤などが全然取り払われてそのままノー・ズロの状態でありますから、そこから水があふれてそうして市街に浸入して、たとえば徳島のような町で、二万戸も浸水した、一万戸ほどは床の上へ上がったというような状態が出て参りました。これは防潮上からいうと、自然の勢いを無視した港の作り方だと思うのですが、いかがでございましょうか。こういう港について防潮上の施設ができるものであるか、どうであろうか、これは工法上非常にむずかしいようにも思うのですが、さればといって、防潮対策がなければ、その港は将来二度三度同じようなことを繰り返さざるを得ません。そういう点については運輸省の方でどんなお考えでございますか。
  6. 坂本信雄

    坂本政府委員 港を修築いたします場合に、やはり川の口に昔から都会が発達したととろが多うございまして、どうしても河川の流入する中に港を作る例は相当多いと思います。それで、そういう港につきまして高潮が生ずる場所には、どうしても人命、財産を守るために防潮対策というものが当然必要になってくるわけでございまして、たとえば高い堤防を作るというような場合には、その堤防を作ったことができるだけ港湾機能を阻害しないようにという配慮は当然必要でございますが、そういう配慮をいたしました上で−−河川一般建設省の御所管だろうと思います、建設省の方とよく協議をいたしまして、河川堤防と同じような強さの防潮堤港湾の方にもつなげまして作っておるのが一般でございます。今御質問のありました場所につきましては、もう少し具体的にその個所につきまして調査をいたしたいと思っておりますが、しかし、一般的に申しまして、そういうふうにして計画を作りましても、その計画港湾計画にどうしても支障がある、そういうところに高い堤防を作ってもらうと困るというところもございます。そういう場合には、これは地形によっていろいろな方法があるわけでございますが、ところによりましては、海岸に作る堤防をやめて、沖の方に防波堤を作って波の力を消して、少しでも堤防を低くしょうというような配慮をいたすところもございます。また、海岸にじかに作りますと港の機能をそこなうというので、海岸地帯だけはある一定の幅だけは、ことに港湾関係の人が多いものでございますから、災害のときには人はそこにはいないようにしていただく、あるいはその地帯には特に一般民家が比較的少ないものでございますから、りっぱな建物を作って、高潮にあっても被害を受けないような措置をとりまして、少し下がったところ堤防を作るというような計画にいたしておるところもございます。全般的には、港湾であるからといって高潮対策をやらないというようなことがないように、それぞれの港湾によりまして苦心をしておるわけでございます。
  7. 生田宏一

    生田委員 これはむずかしいことだと思うのですが、たとえば徳島港の例を申しますと、私は子供のときに徳島港の近くにある学校へ通っておりました。そのころは、五尺くらいの堤防をその辺に築いてありました。旧藩時代からあったものと思われますが、今はその堤防をとってあります。とって、そのままそれを岸壁に使っておる。ですから、防潮堤でなくなっておるわけです。その上に地盤沈下が一メートル二、三〇といいますから、実質三メートルくらいは潮に対する抵抗が低くなっておるわけです。それを私が言っておる。これは港湾をあんばいする場合に、そこに防潮堤をこしらえることは、事実上港湾機能を阻害するから、不可能であろうということをわれわれは想像するのです。それかといって、このままで過ごせば、何度も同じような災害を受けることは間違いない。そこに何とか技術的にいい考えはないかというのが私のお尋ねなんです。それはすぐ御即答もできますまいと思いますから、十分に研究をしてみて、それが港湾機能を害しないように、しかも防潮上それが差しつかえないというようなことを何とか考え出してもらいたい、こういうわけでございます。  それから気象庁の方にお尋ねしたいのですが、この間テレビで拝見しておりましたところが、今度の二十四号台風について、観測上の誤まりといいますか、あるいは見込み違いといいますか、そういうようなのが出てきた。それについては、東京以外にレーダーがないので、南方洋上台風実態についてこれを確実に把握する方法がないのだ、飛行機による観測以外にないのだということで、努力はしておるけれども、いたし方ない現状である、こういう話でございました。この間のは、結果が間違った方が逆によかったものですから、事が済んでおるわけですけれども、房総半島の方、東方洋上にそれるという観測であって、それが二時間くらい前から急に進路を変えて東京に上陸したということになりますと、これはゆゆしき大事になったと思うのです。それで、気象庁の方では、現在の状態ではほんとうに気象観測上完全であるのかないのであるか、ないのであるならば、私たちは完全な気象業務が行なえるような設備をしていただきたいと思うのだが、その辺のところはいかがでございますか。
  8. 和達清夫

    和達政府委員 せんだっての二十四号台風の場合におきましては、台風進路につきまして全般的予測はかなりよくいっておったのでございます。ただ、東京に間近になりまして、予報者があまりに大事をとり過ぎましたか、多少強目に警報を出したかと思います。その原因にあげられております、レーダーによって、近づいた台風実態をよく把握するということでございます。お話しのように、ただいま東京レーダーを持っておりまして、そのレーダーによって観測をいたしたのでありますが、多少台風がその当時形がくずれておったというような事実と、そのときに行なわれました飛行機観測との間の関係というもので大事を取り過ぎたかと思う次第であります。レーダーは、わが国において南西の方から次第に設置いたして参りまして、現在七カ所、さらに本年度の予算をもって二カ所を追加しておりまして、北の方を除きますと、大体全般的に観測するレーダー網ができ上がりつつあるところであります。しかし、御指摘のように、東海道の南の沖遠くの台風等に関しましては、現在東京と名古屋にレーダーが設置されておりますが、十分に遠くまで見にくいうらみがありますので、これを八丈島あるいは鳥島にさらに新しくつけること、または富士山という非常に高い山を利用しまして、そこから南方洋上を見ること、この技術上あるいは観測資料の活用上種々検討いたしました結果、まず富士山の上にレーダーをつけることを適当と認めまして、昭和三十七年度の予算に計上いたしておる次第でございます。
  9. 生田宏一

    生田委員 早く気象業務が完全に遂行できるように設備をすることを希望するわけであります。
  10. 五島虎雄

    五島委員 関連して気象庁長官質問をいたしておきたいと思います。この前の集中豪雨のとき、気象庁の活動が的確を保持して、そうして住民に対するところの報道はおおむね非常によかったということで、災害対策協議会でその点を質問いたしたわけです。そのとき、日本の西半分はレーダー完備しているけれども、三十七年以降の予算の中に東日本完備するつもりである、そこで、議員の方々もその完備のために御協力願いたいという運輸大臣気象庁の意見を聞いております。ところが、今生田議員から質問されました今回の第二十四号台風においては、このレーダー性能を発揮することができなくて、その方向を完全に把握することができず、アメリカ気象観測機によってその方向を知り得て、そうして災害対策等々をうろうろさせた。そうして新聞の発表によれば、そういう間違いもあるかもしれない、こういうような新聞の記事になっている。そうすると、これを知った国民は、全く残念な気持が国民的感情としてあるのじゃないか。アメリカ飛行機では観測できるのに、日本にはその観測機がない、しかも、完備されたであろうところレーダーで十分それらの方向をいまだ探知することができなかった、こういうようなことになるわけです。そうすると、三十七年度の予算にこれを計上して完備するつもりであるという答弁に対しては、今度の二十四号の台風等々の方向は、その完備によって確実に−−まあ確実ということは、百パーセントということは要望できないけれども、ある程度確実に予報でき、そうして防災のためにこれを役立てる自信がありやいなやということです。それから飛行機の問題については、現在自衛隊のジェット機の問題等には多額の金を支出しておられるであろうけれども、気象観測用飛行機は、アメリカの勢力にたよらなければこれを把握することができない、こういうようなことでは、日本の文化どこにありやといわなければならぬ。従って、三十七年度−−今すぐというわけにもいきますまい。昭和三十七年度の予算の中に、こういう観測機等々の予算を組み立てておるかどうか、そうして要求されておるかどうか。私は災害協議会の席上でまことに失礼なことを言ったのです。ある委員のうわさでは、気象庁は非常に大蔵省に対して内気である、そうしてこういうような予算の計上にあたっては、内輪内輪に要求をされる、従ってなかなかこれが完備できない、一朝事があれば国民の大部分被害を受けなければならない。そこで、私は当時の協議会の席上でも申しましたように、われわれ国民災害に対して国土を守るということが、真の平和な戦いでなければならぬ。従って、レーダー完備し、あるいは行政措置をすみやかにやり、そうして災害あとまでも完全に国民に心配させないためにわれわれは協力し努力することが、国土を保全するゆえんになるのじゃないかということを申し上げたわけです。ところが、今回の二十四号台風は、少々従来の台風方向と違って、そうして大きな災害をもたらすことなく東方にそれていったから幸いです。これが間違って東京に上陸したとかなんとかいうようなことになると、国民は大きな災害を受けなければならね。ところが、国民の人心というものは、東方にそれていって、災害が少数であれば、それに完全に対策を立てておったのだけれども、あとでぽかんとして、なんだ、気を張り詰めておったのにけしからぬというので、気象庁攻撃というのが始まるというわけです。しかし、国民としては、災害がない方がもちろん一番いい。みんな胸をなでおろしたわけですけれども、これが一たび東京を中心として上陸した場合は、大へんな被害でなければならぬ。従って、予報からあるいはあらゆる対策を万全にする、そのためには、飛行機などは自衛隊飛行機を多くするのじゃなくて、こんな費用にどんどん金を使うことは、国民感情として何ら反対ではないと思う。従って、そういうことの対策ありやいなや、こういうことです。それから、あと日本国土の半分にレーダー完備するというが、今回のようにずっと遠いところから判定をしなければならない、報道しなければならないのに、現在のレーダー性能で万全であるかどうか。万全でなければ、もっとより強力なレーダー等々を備えつける必要はないか、こういうことについて一つ伺いたい。
  11. 和達清夫

    和達政府委員 気象事業に関しましていろいろ御親切に言っていただいてありがたいと思います。  まず、飛行機観測のことを申し上げたいと思います。御承知のように、現在アメリカ空軍飛行機観測資料がこちらに渡されますので、非常に活用されておるわけであります。今回もその資料が参ったわけであります。これとレーダー観測とを対照いたしまして進路を推測したのであります。今回の台風が非常に強いものであって、本土に近づくに従って、非常に形を変え、ある程度弱まったのでありまして、そういう場合には、レーダー観測飛行機観測というものが非常に判定しにくいのであります。この点は、今後よく調査いたしまして、学問的にもまだ考えてみなければならない分を相当に含んでおるのであります。  アメリカ空軍観測というものも、飛行機台風ところ観測をするということは相当にむずかしいことでありまして、この点は、率直に、アメリカが今その材料を提供されるということには感謝すべきであると私は思っております。しかし、それにばかりたよっておって、いつアメリカがやめないとも限らないのでありますが、この点は前々から十分にアメリカ当局とも話し合い、突然やめることなきように、また、計画の変更のあるときには前に知らしてもらうように話し合ってはおる次第であります。  さて、日本自体で航空機による観測をいたすことでありますが、この点に関しましては、少し以前から、防衛庁がどのくらいの気象観測をやってくれることができるかという相談を防衛庁といろいろいたしまして、少しずつその方向防衛庁考えられておるようでありますが、具体的の計画をもって飛行機を作り、そして観測を開始するという段階にはまだ至っておりません。三十七年度の予算にも、飛行機を作り、その態勢を整えるということは計上されておりません。この点に関しましては、他の飛行機と違いまして、いろいろ技術的にも、また、安全性性能その他からも十分に検討する余地もございますし、やることも非常に困難であり、経費、人員その他設備等を要することでございますので、十分検討いたしまして、できれば、なるべく早くわが国の手で行ないたいと考えておる次第であります。  なお、レーダーを備えますことは、現在日本じゅうを大体カバーするところレーダー網計画いたしまして、御指摘のように、北方の方に三十七年度の予算を計上いたしております。また、先ほど申し上げましたように、南方洋上はひとまず富士山から見ることにし、その他集中豪雨などもございますから、できるだけ、局地的の豪雨もレーダーによって観測しようというような計画を順次進めていきたいと思っております。レーダーは、地球がまるいことによって、遠くを見るには高い山へ持っていく以外には方法がございませんので、島を活用することと高い山を活用することでできるだけカバーいたしますが、それで見えない海上は、飛行機によるより今のところはいたし方ございませんが、近代の科学の進歩は、また違う方法もいろいろ考えられておるときでございますので、それらもあわせまして、できるだけ災害防止のために努力を続けたいと思っております。
  12. 五島虎雄

    五島委員 関連ですから、そう長く質問するつもりはございませんが、私は、気象庁長官の将来の自信、確信というのを明らかにしておきたかったのであります。そうすると、ただいまの説明は、来年度の予算では富士山レーダーを設置する、そうすれば遠いところを判定することができる、これで二十四号台風のような、強力なエネルギーの台風等が、すみやかに把握することが完全であればそれでいいわけであります。それから飛行機の問題につきましては、アメリカに依頼しておる、しかし、いつやめるかわからぬ、そこで自衛隊にも協力をお願いしておるということですが、私が聞きたいのは、気象庁自身がこれに対する措置を自力でやれないかということです。聞くところによると、これは科学的な問題、技術上の問題ですから、私はそんなところまでよくわからないけれども、非常に多額の金が要る、科学的に飛行機そのものが特殊機能も要るでしょうし、特殊の設備も要るだろうということはよく判断できるのですけれども、それを防衛庁にまかせ切って、その報道によってこちらで判断して、気象情報を国民に知らせるというようなことではいけないのじゃないか、こういうように考えるから、特に気象庁の将来の希望と確信を聞いたわけです。そうすると、今のところできませんということは、用意する気持がない、気持はあっても予算には載らない、そういうようなことでは私はいけないと思う。幾ら金がかかろうとも、防衛庁飛行機に五億円も六億円もするような金を使うのならば、こういうようなところに一機でも二機でもよい、気象庁自身が、自発的、積極的に強力に予算を獲得するように要求したらどうですか、こういうように考えるわけです。今後、こういうような問題は、われわれとしてもよく検討してみたいと思います。関連ですから、とれで終わります。
  13. 生田宏一

    生田委員 建設大臣がお見えになっておるので、一言建設大臣にお伺いしたいと思います。  これは労働大臣にもお尋ねしなければならぬことかもしれないのですけれども、実は、災害の査定を今建設省で急がれておると思うのです。ところが、最近における労働賃金は、大工にいたしましても、七百円くらいのものが千五百円くらいに飛び上がっております。政府としてはPWの関係があって、労働賃金に対する基準というものが厳として存するわけでありますから、国の事業に関する限りは、ここ三カ月、四カ月の間に、急ぐものがありましても、その大部分は一応落ちついた形において事業がやれると思いますので、査定上の単価につきましてはある程度落ちついてくるのではないか、こうも思っておるわけでございます。しかし、町村の単独事業になりますと、査定のいかんによりましては労働賃金の高騰による支払いが増高して参りますので、高率補助にいたしましても、実質的には低率補助にならざるを得ないという気がするのであります。そういう点につきましては、これは理屈の上ではどうもいたし方ないことではないかと思うのですけれども、実際問題としては、困ったことになりはしないかと非常に心配しておるのです。これは建設大臣にお尋ねしても少し御答弁が無理かとも思うのでございますけれども、私は、町村の単独事業というものに高率補助をせっかくやりながらも、低率補助にならざるを得ないという現状を見て、少し心配をいたしておるのでございます。査定等につきましては、建設省の、現状を直視した査定上の御方針を承ってみたいという気がするわけでございます。
  14. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 災害の査定にあたりましては、査定官が、現地を歩いて、工事費等の見当をつけまして査定額をきめていくわけでございますが、これにつきましては、現実の工事費にマッチするような査定を行なうように指導いたしておるわけでございます。いろいろ人件費等は高騰の一途をたどっておりますので、そういうふうに努力しましても、完全につり合っていないという場合もあり得るかと思いますが、極力そういうことのないように指導をいたしておるようなところでございます。
  15. 古川丈吉

    古川委員長代理 ちょっと申し上げます。建設大臣が参議院の方においでにならなければなりませんので、建設大臣に対する質問だけ簡単にお願いいたしたいと思います。
  16. 生田宏一

    生田委員 私はこれでけっこうでございますから、建設大臣への関連質問だけどなたかございましたら、先に済ませて下さい。
  17. 古川丈吉

  18. 辻原弘市

    ○辻原委員 時間がないようでありますので、大臣に要点だけ承っておきたいと思います。  一つは、きのうの委員会でもそれぞれ意見が出ておりますが、今回の第二室戸台風被害の状況を見ましても、これはわが国全般海岸線に、従来その手だてが十分講ぜられていなかったということが、災害を大きくした最も大きな原因ではないか、私どもはそう把握するわけです。私は、その問題についていろいろ具体的な例をあげる時間がありませんが、ただこういう考え方をいたします。それは、ともかく国を守るいろいろな手だては、ある場合には、軍備の問題が持ち出される場合もありましょう、あるいは精神的な問題が持ち出される場合もあるでしょう。ところが、現実に、その国民の生活を最も手っとり早く守らなければならぬ。ということは、それは天災地変その他による実際の生活の基盤をそこなうこと、それから国民を守る、国を守るということが、われわれ政治を行なう者の何よりも肝要とすべき点だと私は思う。そういう意味からいって、この台風によって、手だてが講ぜられていないために、言いかえてみれば、特に弱い層−−家ががっちりしていれば比較的被害が少ない、生活程度が比較的低い、従ってその環境も悪い、そういうところに手痛く当たるような、そういう災害を何とか防止できないか、また、防止してもらいたいというのが、今日の被災民の悲痛な叫びであろうと思う。これは大臣も、現地に行かれて、現地のなまなましい声を聞かれたので、おそらくその実感を持っておると思いますが、そういう意味からいって、きのうここでお答えになりましたが、それは前の伊勢湾台風とは違うのだ、従って、検討はしておるけれども、特別な対策事業をやるということには至るまいといったような、非常に消極的なお答えがありました。われわれはまことに不満足であります。少なくとも大阪湾から、今回の第二室戸により最も被害を大きく受けた紀伊水道、それから熊野灘に至る海岸は、御存じの通り、これはかつての南海震災による地盤沈下地帯であります。年々これが、住家の方に土地が侵食されておる。海によって土地が侵食されておる。ところが、護岸というものは、今まで侵食されない以前の状態、あるいはそれ以下の状態に今日あるわけです。それでどうして住家が守れるかということ、ここにわれわれは、伊勢湾で行なったあの高潮対策より以上の対策をこれらの海岸に施すべきである、こういう結論を持たざるを得ないということです。しかも、伊勢湾のときに初めて関係三省の意見の統一ができた、まことにけっこうなことだと思います。ところが、それは伊勢湾だけであって、その他の海岸を見てごらんなさい。かりに一例を私の住んでおるところにあげてみれば、建設省の分は、比較的早く補助がついたために行なわれた。ところが、水産庁の分については行なわれなかったわめに、それがじんぜんと一年、二年、三年、工事がおくれたために、これが政府のやる、国がやる仕事か、同じような海岸線を守るという任務を持っておりながら、省が違うばかりにできたところとできないところがあって、その境目に大きな高潮がなだれ込んだために、むざんにもそれらの住家が、六十尺七十戸固まってやられておるのであります。こういうことが、はたして合理的な行政運用、また、国が責任を持って国民を守るという政治のゆえんであるのかということを、私は疑わざるを得ないのです。一体どうしてくれるか、私が具体的にささやかな知恵をここに並べ立てるというよりも、一体、こういう現実の地帯に、それでもなおかつ改良復旧でけっこうでございます、その他の点はついては関連で三分の二に上げるからよろしゅうございますという答弁で済む問題かどうかということを、私は大臣に承っておきたいのであります。
  19. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 災害個所復旧及び関連復旧につきましては、昨日申し上げた通りです。われわれは、種々検討いたしました結果、今日考えておるわけでございますが、ただ、今御指摘がありましたように、一般海岸堤防あるいは湾内堤防が非常におくれておりますことは事実でございます。私どもといたしましては、極力将来の災害を防止するために、これらの整備を全力を尽くして進めて参りたいと思うのであります。ただ、いつも担当いたしております建設省−−他の運輸省、農林省の漁港関係にいたしましてもそうだと思いますが、国の全体の財政との関連がございまして、思うように事業量を盛り込むことが困難であるということを毎年繰り返しておるわけでございます。そこで、私どもとしましては、来年度の予算編成に臨む考え方としましては、この防災的な事業に全力を尽くしていきたい。少々ほかの方面の事業が意のごとく参りませんでも、予算折衝の段階では、特に海岸堤防あるいはその他の河川等に関する治山治水、これらについて、年度計画等もございますが、できるだけ経費の繰り上げ使用をいたしまして、重点的に進めて参りたいというように現在考慮いたしておるような次第でございます。  それから、今も御指摘がございましたように、一般海岸堤防については建設省、漁港については農林省、湾内については運輸省というように、各省に同じ海岸でありながら責任が分かれておる。この点は、今後真剣に検討すべき問題であると思います。これについては、私とも、今後とも行政機構の上において真剣に検討していきたいと思いますが、同時に、やはり農林省の漁港については、農林関係に熱心な議員の方々もありというような関係にございますから、国会の諸勢力の間もわれわれ大いに調整をいたし、国会の方々と並行して検討を進めなければ解決することができいなと思いますので、今後あらゆる角度からこれらの問題については研究をして参りたい、かように考えておる次第でございます。
  20. 辻原弘市

    ○辻原委員 私が申し上げなくとも、在来のようなやり方をやっておったのでは、これは何人が見ても国費の乱費であります。災害が起きてその対策をやる、特別委員会が設けられるとここで押し問答をやる、それは改良工事をやる、関連工事を徹底的にやる、少なくとも私どもの経験をもってしても、毎年同じことを言って、同じ答弁を繰り返しておるにすぎないのです。ところが、もう改良工事などということはあたりまえのことなんです。ということは、たとえば三メートルの堤防があって、その上をはるかに高波が越したのならば、もとの状態に戻したところで同じ災害を受けるということは、これは小学校一年生の算術なんです。さらに、地盤が沈下している地域においては、そこまでの限度をやったところで以前よりは状態が悪いということも、これは明らかなことなんです。従って、そういう地帯には、根本的な新たなる対策事業というものを必要とするということも、私は、これは当然の理屈だと思う。だから、具体的に聞きたいのでありますが、一つはこれらの地盤沈下地帯、そうして台風常襲地帯、これは明らかに法律で定めておるのです。しかし、一体、その台風常襲地帯にどういうような具体的な手だてを施しましたか。私は、ここで開き直って聞きたいのでありますが、それは聞かなくてもわかっておる。何もやっておりません。せめてこういう大災害を受けた機会に、もう一ぺん繰り返さない、さいの河原の石積みのようなことをやらないで、もう少し真剣に、根本的にやる必要があるのではないか。同じ金を使うのなら、もっと国民に喜んでもらえるような、そういうような程度の強度を持ったものを、国の直轄の事業として起こす必要があるということで、言っているわけなんです。きのうも、その点についての質問がありましたが、はなはだお答えはあいまいでありました。私は、少なくともその点に対しては、所管大臣、国務大臣、両方とも政府の一つの責任者として、はっきりお答えを願っておきたいと思うのであります。このままでは来年またやられます。引き続いて十八号から二十三号、四号、また五号が発生するといっておるような状況の中で、住民がおちおち眠れない、その不安を解消するという意味においてでも、今後、人間が今までの経験からして考えられるような災害が起きてきても、大丈夫なんだ、そういう程度のものを、国としては全責任をあげて、全勢力をあげて作りますということは、私は、国民に対する責任じゃないかと思う。一体、大阪湾を含めて紀伊水道、さらに熊野灘に至るこれらの地帯に、今度の災害対策は伊勢湾同様にやるのだと言っておられますが、伊勢湾同様の力をもってこの高潮対策、護岸工事というものをおやりになる決意がありますかということを、私は承っておきたいのです。
  21. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 災害個所復旧につきましては、極力改良復旧にいたしまして、将来相当規模の災害が襲いましても防ぎ得るような復旧事業をやりたい、やっていくつもりでございます。ただ、その他の一般的な部分について、今後の災害に備えるように、海岸事業を初め、治水事業等について、活発にやっていきたい気持でわれわれはおるわけでございますが、国の全体としての財政の規模からいいますと、一カ所が大きくふくれ上がれば、どこかが犠牲になるということに相なりますので、他の行政とのにらみ合い上の問題が起こってくるわけでございます。かような点に、担当しておる関係省としましては、悩みを持ちつつ、努力をいたしておりまするような次第でございますが、今後ともわれわれとしましては、財政の許す限り、予算の確保のできる限り、極力努力をいたしまして、災害の防除ということについては、力の限りを尽くしてやっていきたい、こう思っております。これについては、もちろん、各省の予算要求だけでなしに、国会勢力からも御声援をいただかなければ、目的を果たすことが困難であると思いますので、どうぞ、それらの点について、国会の各位からも一つ御配慮を賜わることのできますよう切望いたしておる次第でございます。
  22. 辻原弘市

    ○辻原委員 せっかくの大臣のお答えでありますが、私は、一般的なことを伺っておるのではないのであります。特に第二室戸台風において、海岸線が脆弱なために、非常に大きな被害を受けたという地域の一例をあげて、いわゆる改良復旧関連工事を積極的に進め、十分今後の心配なきようにいたしたいということは、これは一般的であります。それはすでに法律もお出しになっておりますし、その点はわれわれもよくわかる。また、その御苦労もよくわかるのでありますが、それでは不十分だと申し上げておる。新たなる高潮対策事業を起こすという決意を大臣はお持ちになっておられますかというのです。ということは、前の伊勢湾台風のときにも、あの伊勢湾の台風進路が、かりに上陸直前において一分か二分北に狂っておったならば、あれと同じ台風被害が、おそらくは近畿以西に起きたであろう、私の和歌山県を初め、大阪にも至大な影響を与えたであろうということを当時考えました。そして、あの伊勢湾の高潮対策が、当初伊勢湾に限定されておりましたものが、やはりそれらの関連から見て、当然考慮しなければならぬという意味において、等という文字が入り、しかも、工事は熊野灘一円に及ぶと私は理解をしております。しかし、その地続きである紀伊水道あるいは大阪湾というものは、まことに今日地形から見ても複雑であります。しかもまた、経済効果から考えましても、これまた重要な意味を持っておる。それに対して、このままの改良復旧あるいは関連工事という在来のやり方でもってしては、とても次に起きるであろう災害を防止することはできないという心配のあまり−−その心配は、すでに伊勢湾の直後に私は持ったのですが、心配のあまり、これは十分一元性を持った高潮対策事業をやらないと、各省がそれぞれの立場で努力をされておることもわかるが、それとても予算で制約されておるから、現実の問題として一元性を失なっておる。しかし、伊勢湾において、建設省が直轄工事として行なっておる分についてのその成果というものは、だんだんでき上がってきておるものを見れば、まことに目ざましいものがあると私ども考えておる。そういう意味において、具体的に新しい構想のもとにこの護岸対策をおやりになる意思がありますかと、私は伺っておるのです。
  23. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 もちろん、御指摘の通り考えております。災害個所改良復旧はもちろんでありますが、災害を受けず、あるいは災害はございましても、防潮堤等がくずれないでそのままおりましたところでも、今の防潮堤では、地盤沈下地帯はもちろんのこと、その他の区域についても、今後守り切れない個所がたくさんございますので、これらを、緊要度に応じまして、われわれとしましては、予算の確保をはかり、優先的に逐次かさ上げ等をいたしまして、将来の防災−−災害に備えるようにして参りたいと思っております。
  24. 辻原弘市

    ○辻原委員 おやりになる御意思をお持ちになっておるということを承って、私どもも、おそらくは現地の被災民も、その大臣の言に信頼を寄せて安堵するでありましょうが、この前の伊勢湾のときには、私の記憶によりますると、たしか、災害特別委員会に、伊勢湾等高潮対策事業という構想のもとに、立法と同時にその予算化をはかられたわけです。その構想がすでに当委員会において明らかにされた。従って、伊勢湾と同じ対策をおやりになるのだということが政府与党の方針であるならば、当然この高潮対策事業につきましても、現在開かれておる当特別委員会にその構想の御提示がなければいかぬ。そうでなければ、大臣が今私に言明をせられた、考慮しておるということの実効は伴わないわけです。その点はいかがでございましょうか。この特別委員会終了までに、その構想を当委員会にお示し下さいますかどうか、この点を確かめておきたいと思います。
  25. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 もちろん、災害復旧及び改良復旧については当然でございますが、第二室戸台風関係のこれらの事業を遂行いたしまするためには、百二十億追加計上いたしました予備費の中から支弁をして参る予定になっております。  なお、一般的な防潮対策あるいは海岸堤防の整備、こういうことにつきましては、平年度事業として今後予算の確保増強をいたしまして、極力推進をし、促進をして参りたいと思っております。
  26. 辻原弘市

    ○辻原委員 くどいようですが、そのお答えによれば、平年度の、いわゆる明年以降の問題としてこれを取り上げて、伊勢湾と同じような構想を持った災害復旧の根本的対策として当委員会にそういう方針を示される意思がない、そういうまことに不誠意きわまる答弁だというふうに理解をしてよろしいですか。平年度の対策として一般的に取り上げるであろうということは、私は政府の要路者として当然だと思う。私が今申し上げておるのは緊急を要する。少なくともその構想を示して−−現在応急工事をやっているでしょう、しかしそういう応急工事の中に、国の方針が根本的な高潮対策をやるんだということになったら、工事のやり方も変わってくるでありましょう。そういう意味で、早くこの災害でこわれている間に、次にやる手だてはこうなんだという方針を示す必要があると思う。そうでなければ国費の乱費です。また地方公共団体が応急復旧を現在一生懸命金のないところをやっているわけです。そういうところに対して将来の指針が示されてない。それを来年度  来年度と言えばまた風が吹くのです。そういう中に持ち込んでそのときにやりますからでは、おそらく私は何人も納得できないと言っているんです。やらないならやらない、やるんなら当委員会においてその構想を、政府においては各省の協議を経た後に真剣に示してもらいたいと私は言っている。いま一度お答えを願いたい。
  27. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 言葉が足りなかったかもしれませんが、災害復旧及び改良復旧は当然に行ないます。今御指摘がございましたように、改良復旧をいたしましても、それに関連する部分は一体どうなるんだ、あと回しでは何らの効果を発揮しないじゃないか、こういう御趣旨のように拝聴いたしました。その通りでございまして、これらの災害関連事業の分も、今年度に関する限りは予備費から支弁をいたしまして、できるだけ効を奏するような事業の進め方をしていきたいと思っておるわけでございます。
  28. 辻原弘市

    ○辻原委員 まだ不十分でありますが、あと質問者も控えておりまするし、大臣も忙しいようでありますから、その点については、なお今後私は大臣に機会を見て、具体的に質問をいたしたいと思っております。  次に、恐縮でありますが、二、三点大臣に伺っておきたいのは、今も大臣が抽象的に改良工事、関連工事と言われました。ところが大臣も現場をごらんになりますと、実際工事には内容としてもはなはだしく不十分なあれがあるわけです。従って私は査定においても従来いわれるような、ただ削ればいいんだというような観念を捨てて、護岸をやるんだ、あるいはこの工事を完璧なものにするんだという観念でやっていただきたい。そういう指導を伝達していただきたいということが一つであります。同時に改良する中身、一つの小さい例を申し上げますと、私は前の災害のときもそういうことを申し上げましたが、今回の経験を見ましても、たとえば護岸の中にパラペットがある。古い工事であっても、そのパラペットの中に鉄筋が通っている分は、そのパラペットは飛んでおらない。ところがどんなに高く、きれいに積み上げておっても、いわゆる魂が入っていないといいますか、極端な場合には道の上に石を置いている、コンクリートを積んでおるという、そういう工事もある。そこに鉄筋という一つの魂、しんばりが入っていれば、その海岸はある程度守られる。ところが守られてない海岸は、逆にそのパラペットがあったために被害を大きくしている。特に海岸線の場合には、今回のような高波の力は異常なものです。そのパラペットを吸き飛ばして、コンクリートの片割れを人家に持ち込んでおる。そのためにけがをしたり、人家を破っておる。現地の人が見れば、これは人災ですよと言う。あたりまえです。従って、私は少なくとも改良工事で海岸護岸をやるときには、もちろん技術的に高低もありましょう、あるいは海岸線のみならず、港湾における防波堤もいろいろありましょう、そういう技術的な問題と同時に、今言ったように、工事に魂を入れる。その魂とは何ぞや、少なくとも海岸線においては、改良工事としては鉄筋工事を必ず行なうべしということなんです。この点を改良工事の一つの方針としてお示しになる具体的なお考えがあるかどうか、これは私、大事な問題だと思うので承っておきたい。
  29. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 御指摘の点全く同感に思います。私も実は和歌山県の和歌山港の付近などを拝見しましたが、鉄筋の入っていない防潮堤と申しますか、海岸堤防のために、これが全く見る影もなく波浪のために撃砕されておるというような状態を見、ほかのところ海岸などを見たりして、比較をして考えますときに、今後の波浪を防ぐための海岸工事というものは、御指摘のような堅固なものにしていきませんと、せっかくやりまして、見た目はこれで安心だと思っておりましても、一たび災害が襲って参りますと、非常に惨たんたる状態を呈するものであることを十分認識いたしておりますので、御指摘のように、今後関係当局を督励いたしまして進めていきたいと考えております。
  30. 辻原弘市

    ○辻原委員 今の大臣の御答弁を私も承っておきまして、自今改良工事その他復旧工事の中に鉄筋の入っておらないものがありましたならば、一々それを摘発いたしたいと思います。大臣の言明と食い違っておるならば、そのような工事はおそらく私は現地において拒否しても差しつかえないものじゃないかと思います。大臣が今お話しになりましたことを、実際のそれぞれの現場に、また予算計上十分徹底を期せられますように、ただ委員会における当座の質問あるいは答弁ということじゃなくて、ほんとうにそのことを確実に実行するということに特段の御努力をいただきたいと思います。  いま一つ質問をいたしたいのは、これは建設大臣にお尋ねするというよりも、むしろ私は本来なら災害委員会に大蔵大臣も出てこないというような、そういう特別委員会軽視のやり方はないと思うのでありますが、予算委員会との関連でやむを得ないということでありますのでしんぼういたしておりますけれども、問題は、私は大蔵省の一つのものの考え方にもあると思う。というのは、例年問題になる施工率の問題であります。これは二十八年のあの災害の折にいろいろ議論を重ねた末、ともかく三・五・二というような比率が一つの基準になりまして今日まできておるのであります。しかし五十年に一回とかあるいは百年に一回とかいう大水害ならいざ知らず、台風常襲地帯という場合においては、少なくとも一年に一回かなり大きな台風に見舞われると考えなければいかぬ。特に今回の災害あとのごとく、その守りのとりでである海岸線がめちゃくちゃにやられておるという場合においては、三・五・二で、ことしは補正予算で三割やりましょう、来年は五割、再来年完成すればよろしいというような悠長なことではどうにもならぬわけですね。われわれも現場に行って、これは一体どうなるのでしょうかと聞かれたときに、ああ、国の比率は三・五・二で、そういうことになっておるという無責任なことは言えません。ともかく当座の手だてとして俵でも積んでおけというような無責任なことも言えないのであります。一体先生方、来年の台風はどうすれば防げるのでしょうかと尋ねられたときに、どう答えますか、答えようがないのであります。もし大臣に適当なお答えがあるならば、私はお教え願いたいと思うほどなんです。ということは、施工率にこだわってはいけないということです。私はこの間農林省のある部長にお会いいたしましたが、その部長いわく、少なくとも私の方の関係においては、そういうことはできるだけこだわらずに、やれるところはどんどんやります、またぜひやらなければならぬところはどんどんやりますという答えを聞いて、まことに私はその言をよしとしたのでありますが、そういうような考え方でもって国としても工事を推進しなければ、護岸などというものは二年先、三年先までほうっておけるものではありません。一体どう手だてをされますかということを、この際私は大臣に承っておきたい。
  31. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 私どもも大体同じような考え方でおりますわけで、ことしの梅雨前線豪雨で各地が大災害をこうむりました問題の処理に関連をしまして、補助事業については今御指導のように、三・五・二の比率で復旧工事を進めるという従来のやり方になっておりますが、緊要な事業については三・五・二の従来の比率にかかわらず、事業施行者である府県及び市町村が仕事の進められる限り進めさしたい、ついては大蔵当局もこれを了解してもらいたいという折衝をいたしまして、それはよかろう、こういう返事を得ましたので、緊要事業については、比率にとらわれずに、どうぞ一つ事業施行能力の限りを発揮して、どんどん進めていただきたいということを、各関係府県にも要請いたしております次第で、ことに今お話のありました台風常襲地帯のごときは、当然これは緊要事業の中に地域的に入るわけだと思いますから、関係府県及び市町村におかれましては、補助事業の三・五・二の従来の比率にとらわれないで、できるだけ急速に復旧及び改良復旧等の工事をしてもらいたい、こういうように私とも実は考えておるわけでございます。これについては一応大蔵当局のそういう言明はいただいておりますが、今後ともそれで経費の支出ができますようにわれわれとしては処置をして参りたいと思っております。
  32. 辻原弘市

    ○辻原委員 今の大蔵省との話というものは、これは従来私はそういうお話を聞いておりませんので、今度の台風後に建設省として積極的なお考えを持たれ——まあこれは建設省だけではないでありましょうが、そういう積極的な、また現地の事情から新しくとりきめられた方針と承ってよろしいのですか、新しくきめられた方針と受け取ってよろしいのでございますか。ちょっと時間がありませんからその理由を申し上げます。  なぜ私が子供の尋ねるような念の押し方をするかといいますと、今までだって言葉の上ではそういうことをときどきおっしゃってくれた人もあります。ところが、たとえば二十八年の災害の際に、私の県の和歌山県が二千億以上に上る前古未曾有の大災害を受けて、ある地帯は壊滅状態にあったわけです。ほうっておくわけにいきませんから、何とか三・五・二の比率を改めてもらいたいということで、私ども出身議員もあるいは県民一同もそのことを希望し、要望したわけであります。ところがそれは現実に即して何とかやりましょうというような程度の話はあったのですが、結果はどういうことになったかというと、要するに仕越し工事ということで県は二十億近い借金を背負った。そして普通であれば、苦しい再建団体というようなそういう財産管理のやり方をやらなくてもいけるのに、この大災害に見舞われましたために、その後県としてはやらなければならぬ他のいろいろな事業をほとんど圧縮して今日に至った。こういう経緯があるわけです。もちろん二十八年だけではありません。その後再々の災害原因しているわけでありますが、それとても要するに、実際の現地の行政をあずかっておる地方公共団体としては、ほうっておくわけにいかないからやる。ところが国としては何だか見るような見ないような話のまま、結局最後においてはそれは仕越し工事ということで、補助金の交付ははるかずっとあとにおくれてきている、こういう苦い経験があるわけです。従って私は、今新しくきめられた方針ということでありますならば、これはその言とその方針は非常に期待いたしまするし、またその言明を心から信頼申し上げるけれども、そうでなくて在来やっておる体のことであれば、私どもとしてはそれだけの言明によって安心して、どんどん県も工事をやれ、市町村も工事をやれ、そして一日も早く可能な限り動員をし、地域住民もそれに協力して工事をやって早くもとの状態に返せ、もとよりいいようにしろということは言えませんから、従ってその方針は、今度の台風を契機に、特に大蔵省としても思い切って、また建設省その他の要望をいれて、政府全体としての考えとして定められた方針でありますか、こう承っておるのであります。そういう意味で大臣からもう一度お答えを承っておきたい。
  33. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 過去の経過を聞きますと、昭和二十八年災のときは、この災害のころは、まだ三・五・二の基準さえも財政当局との間にできておりませんで、財政当局は財政の事情でなるたけ延ばそうというようなことが起こり、自然今御指摘のあったように関係市町村が仕越し工事をやって、仕越し工事で立てかえ金をたくさんしなければならないというような事情にありましたので、その後建設省当局と大蔵省と種々折衝いたしました結果生まれましたのが、緊要事業に関する、補助事業に関する三・五・二の比率で、そのできたいわれを私ども聞きますというと、災害は大体年度の半ばを過ぎてから起こる、そうすると年度内には大体三くらいしかできないだろう、翌年五をやって次の年に二をやって次の年の災害発生期までに完成する、ここらが大体工程としての常識ではないか。しかしながら、私どもあの惨たんたる災害現状を見ますときに、近ごろは土木工事の工事能力も昔日の比ではなくて、非常に工事能力も高くなってきておりますから、各関係府県、市町村が早くやる必要を痛感してやられる限りにおいては、この三・五・二の比率にとらわれておる必要はないのではないか。できるだけ早く次の災害を防げるようなタイミングで工事をやる必要がある。そういうことのできる府県なり地方団体に対しては、できるだけその建前で補助金を交付する、支出を考えるということにしなければ適当でないのではないかということを折衝いたしました結果、先ほど申し上げたような大蔵当局の言明をいただきましたので、各府県に対しましてもこの事情を流しまして、できるだけ急いで復旧改良工事をやっていただくようにお話をしておるような次第でございます。今後ともわれわれとしましては、その精神で貫けるように力を注いで参りたいと思います。
  34. 辻原弘市

    ○辻原委員 その点でもう一つ。それでは予算計上はどうされるのですか。従来は三・五・二という形で切って予算を計上されたが、具体的に予算に計上する場合に、建設省はどういう予算の計上の仕方をされますか、この点を承っておきたい。
  35. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 今回の補正の百三十九億のほかに、そういったものははっきり今のところ金額的に見積もることは困難でありまして、まだ災害査定も完了しておりませんので、あとの分としましては、大体ほとんどが災害関係分としまして百二十億円の予備費増額をいたしまして、従来あります予備費と合算をして、この予備費の中で支弁していこうということで、今度の補正予算と相なっておるようなわけであります。
  36. 辻原弘市

    ○辻原委員 ちょっと理屈としてはおかしくはありませんか。本予算での予備費と補正での予備費と合算してその範囲でまかなうということでありましたならば、まかなえる場合はあるかもしれない。しかし本来災害については緊急度をもってできるだけ早く復旧する、それに応じて各都道府県が少なくとも工事の可能性はこのくらいあるということで、従来三年という一つの目安を立てておったのが、工法も進んだということを前提にしておけば、かりに二年でやるんだといった場合に予備費をはみ出すことがありますね。少なくとも査定が終わって関連工事あるいは改良復旧等を交えてとても二年も三年も待てないというところが多くなった場合には、予備費の合算だけでは間に合わない場合が出てくると私は思う。そうした場合に当然次の補正ということが考慮されるのですが、その点は一体どういうふうに受け取っていいのでありましょうか。
  37. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 実は補正予算を編成いたしまする際に、私ども事務当局のそういった事業を担当いたしておりまする専門家と大蔵当局との間に、大体年度内どれくらいできるだろうか、どのくらいの金が要るだろうかということを推算いたしまして、まず現在使い残り予備費と百二十億円の予備費の増額をしておけば年度内は間に合うだろうという見当で、この金額が予算に盛り込まれたわけでございます。しかし、お話のように、もし仕事が進みまして、いろいろな計算をしまして現実に支出をした結果、百二十億の追加予備費だけではまかなえないということが万一起これば、これは災害の問題でございますから、近く年末には通常国会も開催されますので、その際には第二次補正も考えなければならないことがあるかもしれない。もしそういう事態が起これば、そのように政府としては処置する必要がある、こういうように私は考えております。
  38. 辻原弘市

    ○辻原委員 今の点は、大臣が、もし不足を告げれば次の補正を考えるというお話でありましたので、それならばお話としては脈絡一貫つじつまが合いますので、その大臣の御答弁を私どもは信頼をいたしておきたいと思います。  なお残余の問題もございますけれども、大臣もお急ぎのようでございますから、一応他の委員の大臣に対する御質問にお譲りをいたしたいと思います。
  39. 古川丈吉

    古川委員長代理 島本君。
  40. 島本虎三

    ○島本委員 大臣も忙しいようですから、簡単に二点だけ質問させていただきます。  これは角屋委員が昨日官房長官に対して質問したその答弁に、はっきりした資料がまだ整わないからそれによって考慮したいという意向がありました。それは北海道の登別を中心とした道南の集中豪雨、この問題に関連して具体的に私は聞きたいと思う。それは、御存じのように台風二十三号の余波による低気圧、これが六日に北海道の南西海上に荒れ狂った、こういうような結果によるところの暴風雨であります。その被害が意外に多いのが本日判明したわけです。と申しますのは、人的被害が、死者が十名です。それと行方不明が六名、負傷者が七名、計二十三名という人的被害が明確になりました。それと家屋の被害が二億五千七百四十五万八千円に上る。これはちょっと大きいと思いますが、その内訳は、全壊が三十戸、三十六世帯、二百一名、流失が二十九一尺二十九世帯、百三十二名、そのほか半壊、床上浸水、床下浸水、こういうようなものを合計して九千二百八十五戸に被害が及んでいるわけです。二億五千七百四十五万八千円ですから、相当の家屋の被害が判明いたしました。それから農業被害は合計して二億三千九十三万六千円。というのは、農地の流失、埋没が四百十二・四六ヘクタール、この金額が一億六千二百三十万三千円、こういうようになっておる。それと農作物の冠水、浸水による被害、こういうのがやはり同様にあるわけですが、こういうようなのを合わせて、農業用の施設、営農施設、それから家屋の被害その他を合すると二億三千九十三万六千円になる。こういうようなことでございます。それだけではなく、肝心の土木被害が九億一千六百五十二万八千円に上っております。河川が三百二十九カ所、道路が百十一カ所、河川の場合は四億五千百三十六万円、それから道路の場合は一億九千九百九万円、こういうような額になっておるわけでございます。そのほか橋梁、海岸、がけくずれ、こういうようなものを合して、前に申し上げましたような被害総額九億になっておるわけです。そのほかに水産の被害も約二億、これは直接関係ございませんからここで読み上げるのは省略いたしますが、これがもう相当被害でございます。それと林業関係被害が一億二千百五十七万八千円です。そのほか衛生被害、これが二千二百二十五万五千円、それと商業被害が二億八千七百六十六万円、こういうようになっておりまして、文教の被害三百万円を入れて合計これは相当被害になるということが明確なんです。私どもが、今まで、被害がわからない、こういうようなことで、この問題に対して少しわれわれとしても調べてはみましたけれども、今ここに割合にはっきりしたデータが手に入りましたし、追ってこういうようなことについて文書によって大臣の方にはっきり申されることもあるだろうと思います。そうしてこれは三市四十三町村にわたって、このうち一市一町が災害救助法の適用を受けているわけです。こういうような状態でございまして、意外にこの被害が大きいということがわかったわけでございます。私どもとしては、こういうような状態でございまして、二十億四千八百四十九万三千円に総被害がなりました。この問題等につきましては、当然これは第二室戸台風と同様の扱いをすべきである、こういうように思うわけでございます。ことに今回の場合は、登別を中心としたあの河川のはんらんによるところの人的、物的な被害が意外に多くて、この問題等については、前には下平委員や角屋委員からも、北海道の原始河川をそのままにしておいたならば、これは再びこういう災害が起きるんじゃないかという警告が発せられておった直後に、またこういうようなのが起きたわけでございます。これはまことに私どもとしてはざんきにたえない。これはまさに人的な災害であるといってもしょうがないほど、はっきりした被害でございます。これは当然私どもは、第二室戸台風と同様な扱いをすべきである、こういうように思いますが、今申しましたような被害の状況からして大臣はいかに考えますか、はっきりこの点は申していただきたい。
  41. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 私どもの所管にかかる公共土木関係災害被害報告によりますと、被害額がただいまお話しのように九億以上に達しておるというように承知いたしております。ただそこで問題は、同様の特別立法適用にすべきかどうかということは、災害の分布状態にもよりますので、そういうような点につきまして目下資料を整えつつあります段階でありますので、今のととろ私としてどうするかということを責任持ってお答えしかねるのでございますが、なお現地と連絡をとり、分布状態その他を調査いたしまして、検討をいたしたいと思っております。
  42. 島本虎三

    ○島本委員 現地と連絡の上で、十分にそのデータに基づいてその適否をきめる、こういうことでありますから、早くそうしてもらいたい。おそらくこういうような状態を見て、第二室戸台風と同様の扱いをすべきでないということになったならば、これは大へんな状態が現出されますから、この点も一応大臣はよく知っておいてもらいたいと思います。私どもとしては、一日も早くこういうような災害をなくして、起きた場合はこの復旧をすみやかにする、こういうようなことに対してはおそらくはだれも考えない人はないと思うのです。この扱い等につきましても、同様に二十三号の余波によるところの低気圧による被害ですから、その点等も十分に考えて、この対策には万全を期してもらいたい、そうして私どもとしては当然これは第二室戸台風と同様の扱いにすべきだ、こういうように思って寄り寄りこの資料も集め、相談もしておりますから、その線に沿うて大臣も一つ前向きの姿勢でやってもらいたい、こういうように思うわけでございます。
  43. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員 私は前の休会中の災害協議会において政府に求めたのでありますが、そのままになっておることが一つあります。それは水力ダムによる上流の河床上昇からくる被害について、政府において一つ内閣へ審議会を設けて、この水力ダムからどういう被害が起こるかということを  これはもう被害が起こることははっきりしております。私どもの関係地方の天龍水系などにおきましては、水力ダムから八キロも十キロも上流において、三十年間に十五メートル、五十尺河床が上がっておる。それからずっと上に河床が上がりまして、中小河川を初め全部河床上昇のために非常な大きな被害をこうむっておる。これは今もお話しの天災でなくて人的の災害だと言われておりますが、これについては最近学界においても、学者の間で、水力ダムからくる河床上昇による被害というものは重大な問題だからという意見が出てきております。従って政府において審議会を設けて、そしてこれを一つ検討してもらう。私どもの方のダムなどは、初め三十五、六年前に建設したときには約四万六千キロ出ておる。それが現在では河床上昇のために八千キロないし一万二千キロしか出ない。まあ会社としては三十年間にもう減価償却して、それはすっかりそろばんに乗っておりますから一向差しつかえはないのですが、水力ダムによる上流の河床上昇からくる被害は、金額にしたら何十億というものがどんどん積み重なっていく。これに対して政府は一つ審議会を設けて−−今日からいえば水力ダムなどは、場所によっては少し時勢おくれになっておるかもしれませんが、そういうことで一つ審議会を設けてもらうように当時官房長官にも、それから関係の建設大臣にもお願いをしてありますが、それについて一つ政府の方でどういうように扱っておるか、その経過を伺いたいのです。
  44. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 災害協議会の際に宮澤さんから、今お話しのように、内閣に審議会を設けて調査研究をして対策を立てるべきであるというお話を承りました。私ども政府部内において官房長官その他関係者と相談をいたしましたが、問題は、現実はもう現実でだれが見ても見ればわかる問題なんでありますが、対策としましては、技術的な面が非常に多いわけで、専門的な知識を持った者にその対策を研究させることが一番適切であるということに落ちつきまして、目下建設省、通産省、それに気象庁に御参加をいただきまして、技術的な面からこの問題を取り上げまして、連絡会議を作って検討を続けております。できるだけ近いうちに対策の具体案を生み出しまして、解決の方途を講じたいと思っております。これについては、もちろん国費だけでなしに、発電専用ダムでございますから、電力会社にも相当の負担をしていただかなければならぬのじゃないかと思いまして、これらの方面とも連絡をいたしまして、できるだけ近いうちに、こうすれば問題が解決できるという具体策を生み出しまして解決をいたしたいと思いまして、せっかく連絡会議を設けて努力中でございます。  以上御質問に対しまして御報告申し上げておきます。
  45. 宮澤胤勇

    ○宮澤委員 関係各省の技術家もしくはその他によって連絡会議を開き、技術者が寄って対策を御研究になること、それはもう政府として当然のことであり、またそれはやっていただいてけっこう、必要なことと思います。しかし一般の世間に対して、これは非常に大きな問題になっておりますから、やっぱりそういう協議会なり技術関係会議からも意見も資料も出す。断片的に意見が新聞などに載っておるのを見ると、水力ダムについては技術的に解決の方法があって心配はないというようなことを簡単に報道もされております。だけれども、なかなか実際はそういう問題でないと思いますので、私はやっぱりこれだけ大きな問題は内閣に審議会を設け、技術的に連絡をして研究されたものもそこに材料を出して、そうして一般有識者、学界の意見を聞いて、やはり決定的なものを出すということが、国民全体に対する、ことに関係地方民に対する心理的な影響も非常に大きなものがある。また問題の扱い方もそこにあるわけですから、この点を一つ早急に政府においてもう一度あらためて御考慮を願いたいのです。  それから、三十年間の期限がきて、継続してダムに水の利用をさせることは、県知事一人の簡単な認可で今できるようになっております。これについても私は協議会で、なかなか問題が大きいから、まあ水の管理は県知事がやっておりますが、県知事だけでなくて、それに対して県内なら県内にやはり審議会なり委員会を設けて、広く意見を聞いてその継続の方法を講ずる、これはまあ行政的な措置になりましょうが、これも私はぜひお願いしたいと思います。  今の審議会の問題は非常に大きな問題ですから、これは政府においてぜひ一つ取り上げて、もう一ぺん御研究願って、この委員会に御報告を大臣からお願いしたいと思います。
  46. 辻原弘市

    ○辻原委員 私も、今の宮澤さんのダム問題に関しての御意見には全面的に賛成であります。同時に、少し大臣にも御認識を持っていただく意味においてつけ加えさしていただきたいと思うのであります。  これは建設省でも通産省でもすでに御存じの事件でありますが、過ぐる三年前に和歌山県の日置川における関西電力のダムで、おそらくダム問題としては前古未曾有の激しい地元住民と関西電力側、県側との応酬がかわされて今日に至っている事件があります。これはそれぞれ学者にもゆだね、関係各省にも問題が提起されて検討しているが、いまだに結論が出ない。ところが年々歳々梅雨時期になりますと、必ずこの増水の問題から被害が出ているのです。もうだれが考えてもダムによる被害だということは疑う余地がないという状態でありながら、いまだに解決がされない。従って私は、今宮澤さんがお話しになられた具体的な実例に加えて、全国的に相当数あると思うその個所を具体的に、徹底的に調査を進めるべし。今私が申し上げました日置川、それから今回の台風によって新しい事件として起きましたのが熊野川における電源開発のダム、これも同様非常な増水を来たしている。今度のたとえば第二室戸台風考えてみますと、水の被害は少ないわけであります。ところがその個所だけ、そのダムの下流の本宮町というその一カ所だけが、異常な増水のために被害を受けているわけです。明らかにダムのため以外とは考えられない。そこで住民はダムの撤去あるいは操作規定の問題等々、具体的な要望を掲げて交渉しておりますけれども、今大臣も言われましたように、問題は技術的だということで非常にこれは悩んでおるわけです。しかし私は、この種の問題がどんどん出てくれば、これはかなり地方においては、このダムに対するものの考え方というものがますます険悪な状態になってくる。ある場合においてはダムは撤去してもらえなければ、われわれ自体がやる以外にない、こういう強硬論すら出てきておるような状況なんです。従って私は、政府としては従来の各省の連絡会議等々といったような弥縫的なものではなくて、やはり大きな問題として審議会等を設けて、そうして具体的にもうすでに建設省でもわかっておる問題がたくさんあるわけですから、それに対して学者等を交えた、国として責任ある調査をすべきだ。さしあたって私は、今申した日置川あるいは熊野川等々における事情あるいはその原因、結果というものを十分調査していただきたい。その調査の結果によってどうすべきか、それは今お話しになったように、水利権の問題があるでしょう。それから、現在電力会社にゆだねておるダムの操作規定という問題がある。増水、水が出てきたならば、当然、あらかじめ予備放水をやれば被害が軽いのに、水は金なりという電力会社が、そういう頭でもって最後の段階に至らないと水を放水しない。ところが、一ゲート当たり五百トンというその放水を、三門も四門も一挙にあけるものだから、異常な増水となって被害が起こっている。そういったような操作規定をどうすべきか、こういうような点に至るまで徹底的に研究を進めて、結論を出していただきたいという  ことを、われわれはそれにつけ加えて、この機会に要望しておきたいと思います。
  47. 島本虎三

    ○島本委員 先ほど本問題に関連するのかと思って聞きましたが、全然関連しないことなんで、この問題は結論をつけておきたい。今いろいろなデータをはっきり私が申し上げましたけれども、大臣の答弁として、私の期待したところは、大臣が主となって、この問題に対しては重大な一つの権威を示すものであると思って、政府代表として私は質問したわけですが、いわゆる土木の関係や、そのほかに関係のない部局に対しては、われ関せずという御答弁であったかのように聞き取れました。これじゃ私は困る。政府代表がそういうことを言われたのでは私も困りますので、ここではっきりと、今申し上げたようなデータに基づいて第二室戸台風被害と同様に扱うべきである、こういうようなことを答弁して下さるだれかがここに来てもらわないと、私は困ると思うんです。こういうようなことについて、あなたがかわって、それはよろしゅうございます、私が引き受けます、やっておきましょうと言うならけっこうですが、そうでなければ、国務大臣として一つどういうふうにするのかお伺いしたいと思います。
  48. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 他の省のことは、よく私、事情がわかりませんので触れなかったわけでございますが、災害はいろいろな方面に関連をいたしておりますので、関係省ともよく協議をいたしまして、十分一つすみやかに検討いたしたいと思っております。
  49. 五島虎雄

    五島委員 それに関連して。ただいまの島本議員の言われたことについて、われわれは災害対策特別委員として審議するにあたって、政府として、この災害にそれぞれの管轄の中で取っ組んでおられることはわかるんです。それで、ベストを尽くそうといわれることはわかるのですけれども、このように審議するにあたって、管轄外のことが出てくるんですね。そうして、それらをすみやかに決定しなければならぬと思うんです。従って、こういうような全国的災害をどうするかというようなことは、北海道から鹿児島までの問題がここにいろいろ審議されるわけですから、それで土木、建設というようなものは非常に大きな仕事が要るだろう、従って、内閣としてどう考えるかという質問に対しては、総理を呼んで聞いた方が一番いいわけだけれども、予算の審議等々で忙しいだろう、従って、閣僚としてだれか総括責任者を作られて、そうして個々にわたっての問題と関連的な問題を、総括するように政府考えておられないだろうかどうだろうか。その点について、委員長などはこの災害対策をどういうように運営されるお気持か。だから、担当、管轄々々とよく言われるわけですよ。しかし、それを総合するのにどうしたらいいか。そういうようなことで、北海道の問題が出れば、建設、土木のことは私の管轄でないのであって、ほかのことはというようなことになると、この問題は本質をつかめないで終わってしまうじゃないか。こういうようなことですから、委員長、努力して下さい。
  50. 古川丈吉

    古川委員長代理 五島委員に申し上げますが、これは各省にまたがることでもありますし、また、鹿児島の大火のこともありますので、官房長官の出席をお願いいたしまして、その席上で御質疑を願うことにいたしたいと存じます。
  51. 五島虎雄

    五島委員 今後官房長官が、総合的に責任を持って常時ここに来ておられて、そうしてあらゆる質問を総合して、内閣で検討しなければならぬことはすみやかに進められる気持で、委員長はそういうように言われたわけですか。
  52. 古川丈吉

    古川委員長代理 官房長官の御出席を願いまして、官房長官から各省に御連絡を願って、早急にきめていただく、こういう方針にお願いしたいと思います。
  53. 五島虎雄

    五島委員 私は常時そうしてもらいたいと思うのですけれども、まあそれはここでは言いませんから、理事会と委員長とよく相談して、うまくやって下さい。それだけ要望します。
  54. 古川丈吉

    古川委員長代理 承知いたしました。
  55. 原田憲

    ○原田委員 私は簡単に質問いたしますので、簡単にお答え願いたいと思います。  昨日、同僚委員からいろいろ質問なさっておると思いますが、先ほど辻原君のことを聞いていると、防潮堤のことですが、大阪地方防潮堤をこしらえた。ところが、あれじゃ低いというので、かさ上げ工事を三十四年以来進められてきた。ところが、それが間に合わなくて、また上を越えた。これに対して建設省では、工事を繰り上げて今までの計画を早めて、そうして今やっておるかさ上げ工事を完成しよう、こういうように考えておられるのが今次の高潮対策である、このように承知してよろしいのでございましょうか。   〔古川委員長代理退席、秋山委員長   代理着席〕
  56. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 大阪防潮堤かさ上げは、現状から見まして、地盤沈下との関連もございまして、非常に急速を要するものと私ども考えております。従いまして、来年度予算要求に十分の措置を講じたいと思いまして、すでに大蔵当局に要求いたしておりますが、なお、工事の間に合う限りにおきましては、今年度の年度内からやれるだけはやっていくべきであるという建前に立ちまして、目下大蔵省に予備費の支出を要求いたしておる段階でございます。怠りなく、これは一つ活発に進めていきたいと思っております。
  57. 原田憲

    ○原田委員 これは、たしか、治水事業としてこのかさ上げ工事はやられておると思います。それだけ繰り上げてでも早くやろうということであったら、これは治水事業と切り離してやらなければ、治水事業そのものにまた計画を変えなければならぬという問題も起きてくるから、治水事業と切り離して、高潮対策地盤沈下対策としてやろうということでなければならぬと思うのですが、いかがですか。
  58. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 私どもも、大阪防潮堤かさ上げ工事並びに東京関係かさ上げ工事、防潮堤整備の工事、これらは非常に重要でありますと同時に、金がさを相当要すると思うのです。従いまして、今できております昭和三十五年度からスタートした一般治水費のワク内でやるということになりますと、他の河川整備や何かとのにらみ合いというものが起こりまして、思うような財政措置を講ずることがなかなか困難であります。かような角度にかんがみまして、来年度の予算要求としましては、日本で最も大きな、重要地帯である東京湾及び大阪関係防潮堤工事の経費は、一般治水費の別ワクとして計上願いたいということで、こういう別ワクの建前で予算要求をいたしております。これが大蔵当局の理解を得て実るということまでには、相当われわれ困難があるかと思いますが、全力を尽くしてその成功をおさめるようにいたしたい、こう思っております。
  59. 原田憲

    ○原田委員 建設省がそういう考えで進んでおられるということは、大へんけっこうなことでございますが、やはりそういうことと同じように、一つのことを進めるために、こちらに別ワクである、こっちに影響したらいかぬから、こういうことでやられる、それに適応して地方団体も事業を繰り上げてやらなければならぬ。その場合に、とにかくよくいわれることで、大阪であるとか、東京であるとか、神戸であるとかいうのは金持ちだ。そこで、そういう事業に対する補助率をよそと比べて低くする。たとえば、この場合は三〇%でやっておる。こういう大被害を受けて、早くやらなければならぬ計画を、今大阪府、市の例を引きますと、大阪府、市合わせて約四百億に上ると思うのですが、それを三割の補助で繰り上げてやっていくということになると、これは大阪府、市といえども、まことに困難な状態になっていく。ましてや、今度は非常な災害を受けておるわけですが、そういうことに対して、依然として今までと同じようなことで進めていくのだ、ただ時期だけ繰り上げるのだ、こういうお考えかどうか、伺っておきたい。
  60. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 原田さんの御指摘の通り、大阪府あたりはいわゆる富裕府県として、大蔵省からは、いつもいろいろな目で見られるわけでございますが、現に、こういうふうに容易ならない大金を要する重大な問題をかかえておるわけでございますから、われわれとしましては、できるだけ補助率も高くいたしまして、事業が円満に遂行できるように努めて参りたいと思います。この点は、大蔵当局のみならず、お互い国会議員の仲間の間におきましても、十分の理解といいますか、認識といいますか、そういった点も大いに関係がございますので、われわれといたしましては大いに努力をいたします。できるだけ一つお力添えを賜わりますようにお願い申し上げます。
  61. 原田憲

    ○原田委員 今度は答弁は要りません。今の大臣のお言葉でありますから、それで了承いたしますが、これは大臣の一存ではいきません。たとえば激甚地指定ということが行なわれる。これは政令事項でありますが、そうすると、税収入が幾ら、それの一割以上の災害があった場合は激甚地になるのだ、あるいは十日間水につかっておったらこれは激甚地なんだ、こういうようなやり方でいったら、たとえば水がたまっておる、それを早くかい出さなければいけない、しかし、十日間たたなければ激甚地に指定してもらえないのだから置いておけというようなことになるわけですね。だから、かりにこういうことにしましても、今大臣が言われたことはやはり閣内でも強く要望されて、合理的な判断に基づくところの政治を行なうようにお願いいたしておきたいと思います。
  62. 正示啓次郎

    ○正示委員 ただいまの原田委員の御発言に直接関連いたしますから、大へんお忙しいところを御迷惑だと思いますが、一言だけ申し上げます。  大阪湾の高潮対策を今のように繰り上げてやる。それで大臣にもこの間わざわざおいでいただいたのですが、大阪湾とは一衣帯水、全く不可分の紀州の高潮対策、これは伊勢湾の前例から見ましても、伊勢湾等ということで一連の高潮対策をしたわけであります。どうしても大阪湾の高潮対策に関連いたしまして、この紀伊半島の高潮対策は不可分一体の関係だと思うのであります。伊勢湾台風に対する対策と同じようにやるということが政府の建前であり、また、われわれの考え方であろうと思いますから、ぜひこれは一体として考えていただきたい。このことを一つ要望しておきます。
  63. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 大阪湾と紀伊半島関係は、同じ台風常襲地帯でございますし、海岸関係としても全く一衣帯水でございますので、御説のような考え方で努力いたしたいと思います。
  64. 保岡武久

    ○保岡委員 私は二点ばかり御質問いたしたいと思いますが、まず最初に鹿児島市の大火の問題であります。  すでに建設省でも御承知の通りでございますが、去る十月二日の午前一時三十分に発火いたしました鹿児島市郡元町の大火は、わずか二時間の間に五百十数戸を焼失いたしました。ちょうど風速は十メートル余りでございまして、二十三号台風が、日本国民が非常に心配しておる間にだんだん方向が変わってきまして、沖縄を通過いたしまして東シナ海に入った、その余波を受けました台風中の火災なんでございます。しかも、鹿児島市のこの地域は、終戦後全国各方面から帰ってきました人たちが、住まうにうちがなくて、鹿児島市内のあちらこちらに、そう言っては語弊がありますが、勝手に掘立小屋を作って住まっていた。その人たちを市の方で強制的にこの地域に移した。従って、一戸わずかに六平方メートルぐらいしかないというようなバラック建の状態であります。鹿児島市はもとより、鹿児島県全体が、御承知のような貧弱な町村財政のところでございまして、そういう意味合いから、今度の台風につきましては、ぜひとも公営住宅関係特例法を適用していただきたいという強い現地の要望もございますので、この点について、政府としては十分な御考慮が必要じゃないかと考えております。ぜひ一つ特例法へ入れてもらいたいと思っておりますが、一応大臣のお考えのほどをお聞きいたしたいと思います。
  65. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 実は、私どもも、この点は熱心に研究をいたしておる次第でございますが、どうしてこれを復興して、どうして居住者の方々を安泰なようにするかということにつきましては、地元の県及び鹿児島市の考え方もございまするので、できるだけ早く地元の意見をまとめて上京していただくように督促をいたしておりましたが、最近、鹿児島県庁から係官の人が見えまして、今いろいろ具体的に相談をいたしておる最中でございます。  それから、特別立法を適用することにするかどうかということにつきましては、この法律案提案後にああした災害が起こりましたので、まだ政府部内でも結論を得ておらないような状態でございますが、われわれとしましては、極力すみやかに検討をいたしたいと思っております。
  66. 保岡武久

    ○保岡委員 この点は、一つぜひとも特例法の中へ入れていただきたい、その御努力をぜひお願いいたしたい、かように思っております。  第二の点は、十八号台風、第二室戸台風による奄美群島の被害でございます。これは、第二室戸台風ということになっておりますから、あの辺はあまり大したことはないだろうというように考えるかもしれませんが、あれは奄美群島のところまでいって、奄美群島から上陸をいたし、そうして九州の南岸をかすめて室戸から上陸したものです。上陸地点は、日本の領土としてはまず最初が奄美群島だ。しかも、人口二十万くらいのところに対しまして、ほとんどあの島を縦断いたしておりまするので、めちゃくちゃになっておると言っていいくらいじゃないかと思うのです。四万五千戸程度しかない住宅のうち、一万戸倒れておる。そのうち、約三千七百戸程度は全壊、六千三百戸程度は半壊というような状況になっているわけでございますが、私は、同島から選出されているものといたしまして、国会におきましては非常な御同情をいただいているわけでございますけれども、ああいうようにしょっちゅう台風が通るところなんだから、国としては特別な住宅政策をそこに打ち立てるべきではないか、台風ごとに倒れるようなものではなしに、倒れない住宅をあの地域には作ってやるべきではないかということで、私に対して真剣に、この国会内外において激励して下さる同僚国会議員の方々がたくさんおるわけです。そういう認識を皆さんが持って下さっているということは、非常にありがたいことだと思うのでありますが、そういうわけでありますので、今後の住宅政策、住宅対策というものにつきまして、政府としては何か一つ、今このところでお考えになっていただくべきではないか、かように考え、また、住民の連中も、そのように強く要望をいたしておるわけでございます。奄美群島は、御承知のように、九州に上陸しない台風も、大体あすこを通り、一吹き十億というのがこのごろの相場なんでございます。そういうことで、今度の災害のごときも、鹿児島全体が六十四億のうち、あの小さい地域に集中せられました損害が三十二億である。そのうちの住宅だけで十二億というようになっているのでございます。どうぞそういう特殊な状況等を勘案せられまして、政府におかれましては、立法措置その他特別な措置をぜひとも講じていただきたい、かように考えておりますが、お考えを聞かしていただきたいと思います。
  67. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 お話の通り、台風常襲地帯のうちでも、最も最初に突っかけられる危険な区域でありますし、今度の第二室戸台風におきましても、奄美大島が大へん惨たんたる災害であるということを重々承知いたしております。  そこで、ただいま住宅関係について御質問がございましたが、これにつきましては、ぜひ住宅の堅牢化をはからせるように、この機会にいたしたいという考え方で、今住宅局からも係官を派遣いたしております。それからなお、民間で一般の方々が住宅金融公庫の資金で建設をいたします場合も、住宅の堅牢化をはかり、また、資金の融通ができるだけ迅速簡便に行なえますように、住宅金融公庫からも係員を派遣いたしまして、現地といろいろ御相談いたしておるような次第でございます。われわれといたしましては、お話の点につきましては、十分注意をして進めていきたいと思っております。
  68. 保岡武久

    ○保岡委員 御高配まことにありがたいと思うのでございます。  この際、もう一つお願いしておきたいことは、災害の際の住宅の対策としては、現在のところは、今大臣がおっしゃったことしかないと思うのでございます。しかも、その面のワクと申しますか、それも大いに増大していただきたい。できるだけ住宅ができるようにしていただきたいと思うのでございますが、平素における住宅対策と申しますか、今あの地域は、たった二カ所、これは名瀬市というところと瀬戸内町というところとございますが、二カ所しか住宅営団等による住宅ができないという地域指定を受けておるわけでございまして、その他の地域におきましては、相当堅牢な建物を作りたくてもなかなか作れない。これは日本全体の住宅政策から万やむを得ないことではあろうと思うのでございますけれども、住宅の建設指定地域を、ああいうところでは平素から準備ができるようにもっと広げていただきたい、これは住宅金融公庫等の問題かもしれませんけれども、建設大臣におかれまして十分に一つ御高配願いたいという問題でございます。お考えを承りたい。
  69. 中村梅吉

    ○中村国務大臣 保岡さんの御指摘の点は、十分検討いたします。
  70. 生田宏一

    生田委員 専売公社の方にお尋ねしたいと思います。  第二室戸台風で塩害、製塩関係被害の大きいのがありましたが、これはおそらく鳴門だけだと思います。被害総額が六億円に達しておるというようなわけでございますが、鳴門塩業のような、日本全国の製塩量の一割に達するような大きな企業が、ほとんど企業が中止せられた状態でございます。それで、復旧事業につきましては、当然専売公社の方でも考慮されておると思うのですが、年間十億以上の生産量だと思いますから、ここ三月、四月操業を中止するということになると、これは企業に及ぼす影響が非常に大きいので、至急に塩田の復旧をしていただきたいと思うのですが、その方はどのようになっておるのでしょうか。  それからもう一つは、たしか専売公社の方は、製塩につきましては割当になっておると思っております。そうすると、昭和三十六年度の割当が、必然災害によって何万トンの減産をするに違いございません。ところが、日本全国の製塩業者は、すでにある程度自分の製塩能力を押えて生産制限をしておるわけですが、もし生産量が災害等によって非常に低下した場合には、次年度においてその生産量を増ワクして、前年度の減産を補うてやるような措置はなされるのであるか、どうであるか。これは生産能力が余っておるのにかかわらず、減産をさしてあるのでございますから、災害による生産減が起きましたならば、当然これを回復してやることが正しい処置ではないかと思うのです。この二点について伺いたい。
  71. 小林章

    ○小林説明員 まず第一点の、今回の鳴門塩業の災害の問題でございますが、御承知のように、わが国の塩田は、堤防決壊いたしますと、全滅と申してもいい。堤防が生命線でございます。今回の鳴門の被害は、最近にない大被害でございまして、大体堤防決壊個所は五十カ所くらいございます。従いまして、こういう災害につきましては、製塩施設法という法律がございますが、その法律によって、公社といたしましては、できるだけの補助、援助をいたしたい、かように考えております。現在、現地とも連絡いたしまして、業者、地方局一体となってこれの調査に当たり、その復旧の早くなることを進めておるような次第でございます。  それから第二番目の生産量の問題でございますが、今回の鳴門塩業の被害による生産減、先般業者の方も参りまして、いろいろ話を聞きましたが、塩田からできた鹹水のためてあるのがございますので、われわれはもう少し生産量は減るかと思っておりましたが、それが災害がございましたので、大体、現在のところでは一万数千トンの減になるというお話でございます。一方、ただいま生田委員のお話がございましたように、需給の関係等もございまして、これが対策として現在いろいろ考えておりますけれども、業者といたしましては、できればその分の再製をやらしてもらいたいというような希望もございますので、公社といたしましては、できるだけ業界の御希望に従ってこの件については処置したい、かように考えております。
  72. 阿部五郎

    ○阿部委員 関連。今生田君の質問で一部はわかりましたが、過日、私は、あの鳴門市の塩業の状態を見たのでありますが、ほかのところ、たとえば水田が防潮堤決壊のために浸水しておるというような個所、あるいは国道がやられておるというような個所については、それぞれ応急の施策を施して、国道であればどうにか車が通れる程度には直しておる。水田がやられたところでありましたならば、土のうを積んだりいろいろな方法をもって、とにかく応急の排水はやっておるのでありますが、鳴門市の塩田の場合に限って、見渡す限り大きな湖水ができておるのでありますが、それをほったらかしてある。これは、水がつかってしまったら塩田は用をなさないのでありますから、一日もすみやかに仮塩田といいますか、仮の処置をとって、とりあえず操業のできるようにしなければならぬと思うのでありますが、そんなことが一向行なわれておらない。そこで、今度政府が提案しておる堆積土砂並びに湛水の排除に関する特別措置法でありますか、これの適用がないのかと思って聞いてみますと、これは全然条件が当てはまらないから、これの適用はないのだ、事塩田に関しては、製塩施設の整備に関する法律とかいうものがあって、それの関係でそれぞれの処置をとるほかはない、こういうふうな答えも得たのでありますが、とにかく、いずれにしましても、あそこで塩田業者並びにそれに働く多数の労働者が生活しておるのでありますから、一日もすみやかに仮の措置でもとって、仕事のできるようにしなければならぬと思うのにかかわらず、できておらないということ、これは一体どういうふうになさるお考えなんでありますか、また、現実にどうなるのでありましょうか、お聞かせ願いたいのであります。
  73. 小林章

    ○小林説明員 いつごらんになったか、ちょっとわかりませんけれども、先ほど申しましたように、わが国の塩田は、もともと塩田の地場そのものは海面下にございます。従いまして、堤防決壊しますと、ほんとうに海になってしまって、全滅といってもいいかと思うのでございます。従いまして、これを当然早く仮締め切りして水の出入りをとめないと、ますますその破れたところも大きくなるし、地場の被害もふえますので、できるだけ早く仮締め切りをやって、そして中の水を出して本締め切りにかかるというのが、常識なんでございます。工事そのものは、あくまでこれは業者の事業でありまして、これに対して公社が補助をするということになっております。今回の場合には、何せ約三百町歩のととろに大体五十カ所くらいの堤防決壊がございましたので、その直後には、言うならばぼう然自失と申しますか、あぜんとしたような事態があっかと思うのでございます。本日連絡をいたしましたところでは、現に三十四カ所すでに仮締め切りにかかっておるそうであります。そのうち、十カ所くらいはもう締め切っておりまして、工事には三十四カ所かかっております。おいおい全部に広げていく、このようになっておりますので、早くわれわれといたしましても、仮締め切りをして復旧するように督励いたしておるような次第でございます。
  74. 阿部五郎

    ○阿部委員 それを承って多少安心したのです。ところが、塩田業というのは、御存じの通りに、現在変革の過程にあるのでありまして、塩田業者は、ここ最近数年の間に巨額の負担で従来の入浜式というものを改めて、枝条架というものを作って、流下式というようなものに変えたのでありますけれども、そのために業者の疲弊というものは大へんなものであります。そこへ持ってきて、それに働いておる労働者は、これはほとんどが失業したのであります。残っておるのはほんのわずか、前々から見ましたならば非常に減少いたしております。すなわち、鳴門市というところは、ちょうど北九州の炭鉱地帯と同じように、失業者が非常に多い、失業密度が一番濃厚な地帯なのであります。そういうところでありますから、一面において、あるいは仮締め切りその他の措置を進めて働けるようにしてもらうことが必要であるのみならず、それの負担についても、業者としてあまり重き負担でありましたならば、とてもたえられるものではないと思われるのであります。一体その負担割合はどういうふうになるか、それと、いつごろあそこが事業を再開することができるであろうかという見通しについて、明らかにしていただきたいと思います。
  75. 小林章

    ○小林説明員 補助の割合につきましては、普通は、堤防が六割五分、地場が塩田内が五割ということになっております。これは最高です。鳴門の場合には、法律の中に別に高率補助の適用がございまして、現在までの報告によりますと、その高率補助の適用ができようかと思っております。高率補助を適用いたしますと、堤防の方は九割、塩田の内部は八割ということになっております。  なお、復旧を早くやるに越したことはございませんので、先ほど申しますように、できるだけ早く復旧をして、正常な稼働ができるようにということをお互いに念願いたしております。先般業者の首脳部が参りましたときの話では、年度内には完成したい、かように言っておりましたけれども、われわれの方の地方局あたりの見ておるところでは、何分被害が大きかったものですから、完全に復旧するには年度内一ぱいでは少し無理でないかというように見ておりますが、いずれにしましても一刻も早くもとの姿に返したい、かように考えております。
  76. 阿部五郎

    ○阿部委員 復興のすみやかにできるように、一そうの努力を望んでやみません。  それから伺いたいのは、ただいま生田君から問うておりましたが、お答えがはっきり私には聞こえなかったのでありますけれども、御承知の通りに、塩業というものは操短をやっておる産業であります。生産能力以下で稼働しておる産業なのでありますから、おそらく鳴門市の塩業に対しても、公社の方から生産能力以下の生産割当をなさっておるだろうと思います。そこで、本年度は災害のために割り当てられた生産能力を満たすことはできないと思われますが、明年度に至りますと、生産能力は、災害復旧を行ないましたならばこれは当然余るだけあるのでありますから、本年度の分を来年度で稼働することによってあの地方の失業者も職が得られ、また、業者も事業をなすことができましたらはなはだ幸いなのでありますが、そういうことは公社の方で御配慮いただけるものであるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  77. 小林章

    ○小林説明員 先ほどお答えいたしたと思うのでございますが、現在操短と申しますか、多額の国費峯使いまして整理した直後、業界とも話し合いまして、大体なお生産力の方が、現在のワクと申しますか、需要をオーバーいたしておりますけれども、これをなお一そう切るということは、業界にとっては非常に痛いたことでありますので、その方は、整理が済んだ段階での白塩ベースで九十三万四千トン取っておりますが、それで押えて、需要を、大体八十数万トンしかないのですけれども、その方を伸ばすことに努力しようということで、そのワクで今後はやっていくということにいたし、そのワクの中の配分につきましては、自主的に業界で話し合ってきめるということにいたしております。それによりまして、現在の鳴門塩業は約八万数千トンのワクだったかと思いますが、それにつきまして、自主的な調整でございますので、もしもできないというような場合には他の業者にそれを譲るというような方法も、業界で自主的に講ぜられておるわけでありますけれども、今回の鳴門塩業につきましては、業者の方が−−その方法でなしに、再製という方法がございます、減っただけのものを作るというのに、塩を原料にしましてそれを溶かして、またかまでたいてきれいな普通の塩を作る、この方法の方が鳴門塩業としてもいいし、その方が有利であるというような判断のもとに、業界としてはその方法をこの際実行してもらいたいという希望がありますので、われわれといたしましては、できるだけその御希望に沿うようにして処置したい、かように考えておるわけでございます。
  78. 阿部五郎

    ○阿部委員 今おっしゃったのは、塩田業者の方であればそうかもしれませんが、塩田に働く労働者の場合は、その再製というものをやらされたのでは何ら恩恵はないわけであります。そこで、製塩そのもの、鹹水から作る方をどうなさるお考えでございますか、それを承りたい。
  79. 小林章

    ○小林説明員 その方につきましては、先ほど申しましたように、作れなくなっただけのワクを、業界で自主的に相談して配分するということは現在行なわれておるわけでございますけれども、それを来年度また引き継ぐというところは、今回の場合にとりますと、再製ということで本年度の生産の穴を埋めますとその必要はございませんので、今のところ来年度にそれを延ばすということは考えておりませんけれども、その災害とは別に、そういう方法についても考えてくれ、また、考えるべきじゃないかという業界の意見、また、われわれの方にもそういう考え方もなくはございませんので、今後そのワクの取り扱いにつきましてはどういうあり方がいいかということにつきまして現在研究いたしておりますので、業界とも相談し、今後の取り扱いをきめていきたい、今回の場合はその再製という方法で処理したい、かように考えております。
  80. 阿部五郎

    ○阿部委員 それでいいというのは業者の方の話でありまして、労働者の方はいいはずはないわけでありますから、それは業界と相談の上できめることではございましょうけれども、来年度の鹹水からの、初めからの製塩の量につきましては、本年度それだけ実行することが災害のためにできなかったのでありますから、来年度の割当につきましてはそれを考慮して増ワクされるように、公社の方において格段の御配意を賜わるように希望しておきます。  それから、もう一つだけ最後にお尋ねしておきたいのでありますが、何しろ国内産の塩は余っておる。従って、ややもすると、公社におかれては、国内産の製塩そのものの規模を縮小する御意図があるやにうわさが流れておるのであります。そういう時期に、鳴門のごとく大災害を受けて、これが復旧について相当多額の負担がかかるということになりますと、公社において、この時期にこれ幸いと、むしろ鳴門の製塩業を縮小してやろう、廃業さしてやろう、こういうような意図を抱かれるのではないかということがうわさせられて、地方において大きな不安を与えておるのであります。そこで、この際そんなことはいたさない、災害に追い打ちを食わすようなことは公社においては毛頭考えない、むしろ同情して、これ以上に保護していこうという考えであるというような、地方民が安んずることができるような御答弁がいただけたら幸いと思うのでありますが、御意向はいかがでありますか。
  81. 小林章

    ○小林説明員 先ほども申しましたように、整理は三十四年、三十五年といたしましたが、それが済みまして、これは自主的な整理でございましたので、残った姿は必ずしも需要とマッチするものでなく、若干需要をオーバーしております。従って、その段階でいろいろ御議論があったのでございますけれども、それをしも縮小することは業界にとって非常に苦しいことである、そういうことは避けるべきであるということで、われわれといたしましては、業界とも十分話し合って、それ以上に縮小することはやめて、むしろ需要を伸ばす方法をやろうじゃないか。そのかわり、御承知のように、わが国の塩業は、まだまだ塩田と申しますか、自然力を利用する面が多いので、無理して作ろうとすれば、先ほどお話がありましたように、やり方によればまだまだ作れる余地がありますけれども、今でさえ需要をオーバーして、売れないものを買ってもらっているときでありますから、ますます業界全体にとってマイナスになるので、それは遠慮しようということで、整理の済んだ段階で、九十数万トンということで自主的に調整するということをやって参ったわけでございます。従いまして、この際、災害があったから縮小しようというような考えは毛頭ございませんどころか、ただいま先生のおっしゃったように、災害という大きな、しかも、堤防決壊というような大きな災害のあったところでございますので、われわれといたしましては、できるだけ早く復旧をして、元の姿で働けるようにということを念願いたしておるような次第でございます。
  82. 阿部五郎

    ○阿部委員 これで一応専売公社に対する質問を打ち切ります。
  83. 生田宏一

    生田委員 阿部君の質問でだいぶ話がわかりましたが、専売公社の方で、三十六年度減産分については三十七年度で増産をしないのだという方針であるから、仕方なしに再製塩でがまんをしようというのが実際のようでございます。だから、あなたの説明は、再製で業者の方が十分に納得したというのではなしに一公社の方で三十七年で一万五千トンの減産分を取り戻してやるという措置をとってくれないから、仕方がないから再製でがまんをしよう、これが真相のようですが、その辺はどうなんですか。
  84. 小林章

    ○小林説明員 先ほど来申し上げますように、多額の国費を使って整理いたしました段階で、なお需給のバランスがとれない、供給の方が若干過剰であるというような姿になりましたけれども、これはお互いの努力で需要の方を伸ばしていこう、かといって、それ以上売れないものを作るということもできない、こういうことで、これはまあ業界と十分話し合ってできた考え方でございます。そこで、それはいいのだけれども、今年度作れなかった分を来年度に作らせてやったらいいじゃないかという議論、これも一つございますが、今までのところ、大体業界とも話し合いましてまとまったところは、自主的に調整をするからワクの配分については自分らにまかせてくれということで、その点の調整がついておるわけでございます。今年度の分も来年度に延ばすというところまでは、まだ話が−−これは今後の政策の問題になりますので、先ほど申しましたように、われわれといたしましては研究し、また、相談しておる段階でございますから、とりあえず、今回の場合につきましては再製でやらせてもらいたい。また、再製と申しますと何か簡単に聞こえますが、再製という点につきましては業界にとっていろいろ有利な点もございまして、われわれといたしましては、業者のそういう希望についてはできるだけその線に沿って処置したい、かように考えておるわけでございます。
  85. 生田宏一

    生田委員 自主的に調整するから自分らにまかしてもらいたいということは、具体的に言ってどういうことですか。
  86. 小林章

    ○小林説明員 ただいま申しました自主的と申しますのは、全体で九十三万四千トンというワクがございます。これをどの業者に幾らずつ割り当てるかという調整については、中央会という業界の代表がございますから、そこでみなが相談してやるのがいいのじゃないかというので、本年度そういうものを作られまして、相談してできておるそれぞれのワクがございます。これが、鳴門塩業の場合は、八万数千トンというワクであったように記憶いたしております。
  87. 生田宏一

    生田委員 今のあなたのお話だったら、専売公社の意見は何もないということになりますね。
  88. 小林章

    ○小林説明員 その九十三万四千トンという整理が済んだときのワクは、これは公社が整理してできたときの数字でございます。
  89. 生田宏一

    生田委員 いや、そうじゃないよ、本年度の減産分に対して、明年、三十七年度に増ワクしてやるということは……。
  90. 小林章

    ○小林説明員 その点は、先ほども申し上げましたように、今のところ、そういうやり方は考えておりません。
  91. 生田宏一

    生田委員 そうだろう。考えておらぬなら、考えておらぬと返事したらどうだ。
  92. 小林章

    ○小林説明員 一般的な問題としてそういうことも考えたらどうかという意見もございますので、一般的な問題として研究しておるということを申し上げたわけでございます。
  93. 生田宏一

    生田委員 それなら、私はもう一ぺん聞くが、あなたがうまく答弁するだろうと思って、僕はやわらかく聞いておる。あなたがうまく答弁したら、ほとんど繰り返して言う必要はないのです。最初、再製でがまんをさしたというのか、あるいは一応再製でけっこうでございますと言うてきたのか、それはどららですか。
  94. 小林章

    ○小林説明員 私の聞いているところでは、再製をやらしてもらいたいという希望がございました。
  95. 生田宏一

    生田委員 再製をやらしてもらいたいというのは、それはどこできめるのですか。塩業中央会できめるのですか。あなたの方で……。
  96. 小林章

    ○小林説明員 鳴門塩業業組合からそういう申し入れがありました。
  97. 生田宏一

    生田委員 そういうことを問うてはいない。君の方できめることなのか、塩業中央会できめることなのかと聞いている。
  98. 小林章

    ○小林説明員 最終的には専売公社できめることでございます。
  99. 生田宏一

    生田委員 そうだろう。それならそうだと言えばいい。その決定権は君の方にある。それをあたかも自主的な調整にまかしてもらいたいと言ったとか、なんとかかんとか言って、責任のがればかりだ。どうしてそんなことを言う。業界の方からは、増ワクしてもらいたいということを申し入れてあったわけです。君の方が許可しないじゃないか。賛成しないじゃないか。仕方がないから、塩業中央会の方で再製でもがまんするからということになった。こんなことを僕は言いたくないけれども、ごまかすから……。それは百も二百も知っているのだ。どうしてそんなわからぬことを言うのか。それよりも、専売公社を退職した職員が食卓塩の会社をこしらえて、十倍も二十倍も値段が高くなって、そして、三倍も五倍ももうかってはね返ってくるような商売を退職者にさして、塩業会の方は十三億も十五億も建設資金をつぎ込まさして、君たちの方で指導してこさえさした。生産能力は一年間に十五万トンもあるものを八万トンに押えて、そして、借金の支払いを人為的に抑圧して、五年か十年かかったらできるものを二十年も三十年もかかるようにして、そして、需給調整は自分の方でやっております、塩業中央会の方でやっております、そういう言いのがれをあなたがしてはいかぬ。僕は、専売公社のそういう方針に対しては賛成できぬ。こんなことは、また後日僕は話をしますけれども、君たちが指導をして十数億もの金をこさえさして、そして作った工場の生産制限をして、借金を払うことはおくれているわけです。早くに返すものをおくらしているわけです。それが災害を受けて、一年に一万五千トンも減産するのに、どうしてそれを三十七年度で増ワクをしてやりませんか。私はそれは解せないことです。今はおいておきますが、そういうことをやっておったのでは、やはり専売公社自体が批判を受けざるを得ない。だから、きょうはこの程度におきますけれども、お話をしたときには、僕は意地悪いことを聞いてないのだから、すなおに回答してくれれば一ぺんに解決する。阿部君の質問に対してあなたがそういうことを言うから、質問しなければならぬことになる。  その次に、農林省の方にお尋ねいたしますが、私は、共済制度の問題でだいぶ疑義があるのです。というのは、今度の災害で、個人災害が非常に多うございました。そのうち、私が実例を見てきたのですが、海岸の付近で高潮に押し流された農家がある。自分が作ってことしは初めて満作をした。それは開拓民でありまして、十五年もかかって、ようやく今度は自給自足ができるといって喜んでおっれた農家が、家財道具は一物も残らない、ふすまもたんすも全部流されて、重いものの金づちとなたが庭に残っていました。その農家が言うのですが、私は、収穫をした米を、暴風雨の前日に供出すべきものは俵にしました、そして、あすは供出に行こう、こう言って中一日おきましたところが、暴風雨になってそれを流してしまいました。自分のうちで食いたいと思った米は俵にせず、自分の家でむしろの上にさらしてありましたが、これを全部流してしまった。中には拾ってきましたものもありますから、何とかかわかしてと思いましたけれども、これは発芽したような格好になってどうにもなりません。これが実は共済制度の対象にならぬのでございます。前の日に供出さえしておけば共済制度の恩恵に浴するのです。農協に持っていって供出を了しておれば、私はそれで代金をもらえるのです。けれども、私のうちにあったためにそうなった、また、これが畑にあって立木として残っておれば、幾分か収穫があるのです。それは私の収穫にもなるし、また、損失分は共済制度の対象になるのです。それを自分が刈り取ってきて自分のうちに収穫しておいたら、どこへも言うていきようがないのですという訴えですが、私は、そういうふうになっておると思うのでありますが、これについて個人災害の救済措置としてやることはできませんか。これは確にか法の盲点であると思います。たとえば食管の問題が、このごろだいぶ議論が出ておりますが、自由販売を認めて、自分の裁量で売ってやろうといって保有米を持っておるような場合、それが利益だと思って百姓がそういうふうにやっておる場合は、少し趣が違ってくるでしょうけれども、今は自分の食う保有米と供出米しかないわけですから、そうすると、百姓は、法律の上からいけば、米は一粒も自分で自由にできないことになる。それが災害を受けて、米のあった状況によって一つは共済制度の対象になり、一つは全然対象にならないということになると、これは少しひどいのじゃないかと思うのですが、いかがでありましょうか。個人災害について救済する道はありませんか。
  100. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 仰せの通り、共済制度の運用の面におきましても、非常に気の毒な面があるわけでございます。これは御承知の通り、現在の共済法の建前が、一筆単位で共済にかけるということになっておるわけでありまして、技術的な問題からいたしまして、どの筆がどれだけの災害を受けたかということの損害評価ができない、こういろ問題があるのでございます。そこで、原則としては、やはり立木のままで損害を評価するということになっておりますけれども、実際災害を受けた場合には、私どもそういう原則にこだわっておるわけにも参りませんので、それは、どのたんぼでとったものがどれだけの収穫があって、どれだけの災害を受けたかという点が明らかになるような状態であった場合には、できるだけ救済するようにということで指導をいたしておりますけれども、ただ、全部供出米として俵に詰めてしまいますと、どうも損害評価が現実問題としてできないわけでございまして、おっしゃる通り、法の盲点であるかもしれません。気の毒なものもございますけれども、現在の制度としては、天災融資法で融資をしてやるというようなことはございますけれども、今後、たとえば農家単位で共済をやっていくかというような問題も、新しい改正法においてはいろいろ検討をいたしておりまするので、将来の問題として十分検討しなければいかぬと思います。今の制度はそういう状態でございますので、あしからず御了承いただきたいと思うわけであります。
  101. 生田宏一

    生田委員 それでは申しますが、全部の作付面積、全部の収穫物が災害を受けた、こうなりますと、これは基準反収でも算定してやればやれぬことはない。たとえば災害を受けたところが、少しも被害をこうむっていないこともあれば、被害をこうむったところもあるという状況でなしに、全部の保有面積が全部災害を受けておる。全部の収穫物が全部いった。ただ、それが畑にあるか、田んぼにあるか、自分のうちに持って帰っておいたか、それだけの状況の差ということになる。そんなときに、あなたのおっしゃるような解釈でございましょうか。
  102. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 先ほど申し上げましたように、大体損害評価ができるということであれば、できるだけ救済をするようにという指導方針でやっておりますから、そこで、今抽象的にこういうような状態についてどうだということは申し上げかねますけれども、現実の問題としては、十分一つ実態を伺いまして、現実問題としては、できるだけ災害対策で救済したいという意味で指導いたしたいと思います。
  103. 生田宏一

    生田委員 実は鳴門市の大津町の徳長橋南というところで、台湾から引き上げてきた開拓農民で、そして何にもほかに財産がない。流してしまったらそれで全部終わりです。全部被害が及ぶ。ですから、あまりにもかわいそうな人です。開拓者で十五年努力したところだから、その被害の全貌が把握できると思いますから、一つ特に考えてやっていただきたい。これは私の希望でございます。
  104. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 いろいろ県庁の当局なりあるいは代表からも資料をいただいて、検討いたしたいと思っております。
  105. 大野市郎

    ○大野(市)委員 共済の問題で関連して承りたいのですが、今のは家に持って帰った場合。今度は田んぼで取れた米の問題であります。規格外の上は買付をしてもらうことにきまりましたので、この点はよろしい。規格外の下で買付の対象にならなかったものは、別にえさなどの売り口のあっせんをするということもわれわれ確かめて、これもいい処置だと思います。ところが、いわゆる水没後数日もたつと、細胞が死んでしまう、いわゆる死に米というものがある。これはもう脱穀調製をすると粉になってしまう。すでに米ではないわけであります。米でないが、米の一・七ミリ以上という形が、一応しいなのような形であるが、形としてはあるために、これが共済問題で、いわゆる収穫皆無か収穫のうちかという問題で、共済の判定に問題がある。この点に対して、そういう一・七ミリ以上の粒はなしておるけれども、細胞が死んで粉にしかならぬというものは、人間のたべる米でないから、従って、いわゆる共済の対象になる、こういうふうな解釈をわれわれはしたいと思うが、共済の担当としては、そういう解釈でよろしいかどうか、御答弁願いたい。
  106. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 共済の評価の場合におきまして、今御指摘のような点が非常に問題になるわけでございますので、私どもといたしましては、できるだけ被害農家に共済金がいくような趣旨で、いろいろ損害評価もやらなければいかぬというつもりで指導いたしておるのであります。そこで、この基準もございましょうし、考え方もございましょうけれども、今の取り扱いといたしましては、事務的には、大体食べられないようなものは、正確には覚えておりませんが、特殊な一定のふるいにかけまして、それから落ちるものが七割まであるようなものについては、これは収穫とはいわないというようなことで、大体今までは指導いたしておるのであります。大体そこで、食べられないものを収穫としてみるようなことは、大部分としては救済されるのじゃないかというふうに考えておりますが、なお、現実の問題としては、被害者の救済の意味でだけ指導して参りたいというふうに考えております。
  107. 大野市郎

    ○大野(市)委員 ただいまの、一・七ミリ以上が米という形になっておるので、それでふるい分けておる、あなたのお話はそれだろうと思うが、形はあるのです。形はあるが、米にならない、そういうものですから、これは一つもっと明確に−−きょうは統計調査部来ておりませんが、私が別の席で統計調査部の見解を徴したときには、今回は特別な災害であるから、これらのものは、作報の形においても皆無に入れるべきものと思うから、そういう措置をするという言明を私はとってある。これは非常に重要であって、作報の関係者にこれが届きませんと問題であると思う。統計調査部長が出ておらぬので、担当が別と思いますが、この点は一つ局長から明確にされて、あすの会合までに統計調査部長なりと意見を調整されて、はっきりしておいていただきたいと思います。
  108. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 統計調査部長と十分相談いたしまして、明日お答え申し上げたいと思います。
  109. 生田宏一

    生田委員 最後に、一つ文部省関係でお尋ねしますが、今度学校建築のいたみましたのがだいぶございます。現地を見てみましたが、高等学校は校舎建築の資金も多うございますし、学校の建っておる土地もよろしゅうございますから、大きな災害を受けておらぬようであります。いなかの方に分散しておる小中学校は、立地条件も悪いし、校舎自体も不十分でございますから、その方でだいぶ半壊、全壊が出ておるようでございます。ところが、半壊、全壊したところを見てみますと、木造であって、古い建築資材を使ったものが多い。中には、どこかにあったものをそのまま移築したようなものが多うございます。私は、十分用意をしておれば、災害があっても、そんなに半壊、全壊になるはずがないと日ごろ思っております。やはりどこかに欠陥がある建物でなければ、そんなに倒れるものではございません。そとで、再建にあたっては、同じような程度の建物を同じように建てるということを一つ慎しんでもらいたいと思います。それで、木造になっておるものを鉄筋に直すということが一番大切であろうかと思うのでありますが、中学校の講堂などが鉄筋でできておりますところは、高潮が入ってきた場合に、地方の住民あるいは学校の生徒が一つの講堂に何千人も避難して、そして高潮から免れておるという例が、私の県ではたくさんございます。それで、そういう災害防除も兼ねて、倒壊した木造の建築は鉄筋にしてもらいたいという気がするのですが、しかし、地方公共団体の市町村の財源等もありますから、中には、古い移築をするようなもので再建計画を立てぬとも限りません。その辺のところは、一つ文部省は資金の手当などを十分にしていただいて、古い建物でなくて、鉄筋でこれを建てるようなお考えになってもらいたいのですが、この点はどうでございましょうか。
  110. 福田繁

    ○福田(繁)政府委員 ただいまお話しがありました点は、全く私も同感でございます。特に今度の第二室戸台風の場合におきましては、風が非常に強かったけれども、全壊、半壊というような校舎は大体老朽校舎でありまして、一般的には老朽校舎がやられておりますので、それをまた木造に復旧するといっても意味がない場合がございます。そういう場合につきましては、なるべく鉄筋化したいというような考え方でおるわけでございます。  また、おっしゃるように、海岸地帯の学校におきましては、一たん非常時の場合におきます避難場所というようなことにもなります。和歌山県でございましたか、海岸の小学校で全壊がございまして、非常に困っているという学校もあるわけでございます。その町村では、付近の住民が学校に避難することもできなかったというような、非常にお気の毒な地方もあったようでございます。従って、そういう高潮にやられる、あるいは老朽校舎で全壊、半壊というようなところにつきましては、予算にもよりますけれども、できる限り私どもは鉄筋化していきたい、こういうような考え方で進めておるわけでございます。
  111. 生田宏一

    生田委員 いい例でありますが、徳島市の不動町の中学校の講堂は、半分が新しい材木で作って、半分が古い建物を移築したものです。そうすると、半分がぺしゃんこになって、半分は残っておる、こういうはっきりした例がありますが、今後二度とそういうことが起こらないように、一つ文部省の方でも資金上の手当を十分にしていただきたい。  私の質問はたくさんありますけれども、きょうは、おそくなりましたから、この程度で終わりたいと思います。
  112. 大野市郎

    ○大野(市)委員 先ほどの共済の問題でありますが、実は農薬の散布をいたして災害後の病虫害の蔓延を防ぐ手だてを考えたわけであります。このときにあたってなされた措置について伺いたいのでありますが、振興局長、それから大蔵省主計官は来ておられますか。−−おいででないようでありますから、それでは、今度は先ほどの天災融資法の発動の状況について伺いたいのであります。  すでに五月からの災害であるから、今回の第二室戸台風災害に対しては、まだ数字が寄らない部分があるかとも思いますが、五月以来八月までの災害に対しては、激甚地指定並びに天災融資法の発動によった融資のワクの割り振りができたものと思いますが、この点に対して、各地区の割り当てられた実情を知りたいので、各県ごとに申請をされたなまの額並びに決定をされた割当の額を、後ほどでけっこうですから、印刷物によっていただきたい。  それから、これに対しては後ほど主計官が見えてから伺うつもりでありますが、この点に対して、対策協議会の席上におきまして、私から大蔵省の天野政務次官に対しまして、天災融資法のワクの取り扱いはぜひゆるやかに、実情に合うようにされたいということを言うて、これに同意を得ておったのであります。経済局長の方から、この部内の折衝として十二分の要求をせられたことと思いますが、この点に対して、簡単でいいですから、十二分な要求をしたものかどうか、一言お答えを願いたい。
  113. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 対策協議会におきましてもいろいろ御決定等もありましたので、その線に沿いまして十分な要求をいたしております。
  114. 大野市郎

    ○大野(市)委員 この点につきましては、印刷物を拝見して、さらに別な機会に質問をいたしたいと思います。
  115. 坂村吉正

    ○坂村政府委員 先ほど御要求の資料につきましては、大体融資のワクを、一応従来の特例法でないところの現行法のべースで組んで参りましたもの、すなわち、六月の下旬から七月末の干魃の分まで含めまして、大体来週政令を発動して一応とりあえず従来のべースで出していく、かように考えておりますのが十五億五千万、それからその前の六月上旬から七月上旬の豪雨までのものが十六億、その前の五月の強風のものが八億、大体今までの分はそういう状況であります。まだ一番最近のものは決定をいたしておりませんが、従来のものにつきましては、できるだけ資料で提出いたしたいと思います。
  116. 島本虎三

    ○島本委員 先ほど大臣の答弁の中ではっきりしたのは、今後の災害復旧については、防災的な事業を指定して考えていく、こういうようなことを答弁されておるわけです。それに関連して、具体的に名前をあげますが、金沢市を流れている犀川の中央部分に橋がかかっております。あれから約百メートル上流部分はちょうど狭まっていて、上と下が広がっているわけです。ちょっと水が出ると、常にあそこははんらんばかりしておるのです。あれは、聞くところによると、県管理にかかる河川である、こういうように聞いておりますけれども、しかしながら、やはりいつでも、災害になって指導し、金を出しておるのは建設省ですから、こういうような場合には、もう少し具体的に、今大臣が言ったような防災的な点を重点にして、今後の工事を施行することになれば、現在犀川の百メートルほど上流堤防のあのやり方は、その点を完全に考慮してやらぬと、原状に今直しておりますが、あのまま直すと、今後再び同じようなことが繰り返されるのじゃないかと思うのです。これは、犀川の場合に限って防災的な事業を重点にしてやりますという大臣の言明と、ちょっと違うのじゃないかと思いますが、河川局長はこの点はどうですか。
  117. 山内一郎

    山内一郎政府委員 犀川の災害につましては、いろいろ今原因を検討し、計画中でございますが、ただいま御指摘がございましたように、橋梁の長さが短いこと、それからその付近にございます取水口といいますか、それが非常に高さが高い、こういうような主として二点が災害原因をなしている、こういうようにいろいろ聞いております。従って、これをどうするかという点について、現在計画調査中でございます。それと関連して、その上の堤防、護岸といいますか、それが災害を受けた個所との関連もございますが、その個所を放置しておくわけには参らないと思います。従って、その個所災害復旧として一応手をつけて直したいと思います。それと並行的にただいまの計画を促進いたしまして、本格的な改良工事にとりかかる、こういう二段がまえでやりたいと思っております。
  118. 島本虎三

    ○島本委員 もしそうだとすると、水の取入口が五十メートルほど上流にあって、そのいろいろな障害を取り除かない限りは犀川の洪水を防ぐことができないというのが、住民の定評になっている。そういうように総体的にあの川の利用方法考えなければならないはずなんですが、そういうような点も十分考慮して指導するのでなければ、金沢に関しては、今言ったことは文としてはりっぱですけれども、どうも空文にひとしいようなことになっては困ると思うのですが、そういうような点も十分考慮しておりますか。
  119. 山内一郎

    山内一郎政府委員 その原因の一つでございますせきの取り扱いにつきましては、従来通り灌漑用水がとれるようにし、かつ災害を防ぐ、こういう見地からやる必要がございますが、ただいま御指摘のように、そういう点についても十分考慮して調査中でございます。この点につきましては、いずれ農林省ともよく打ち合わせをしなければいけないと思いますが、よく注意してやって参らなければならないと思います。
  120. 島本虎三

    ○島本委員 さっきの問題と若干関連しますが、別な問題です。  それは、今度の災害復旧事業の工事単価、こういうようなものは、資材費が相当高くなっている現状と、労務費も普通の状態ではなかなか募集に困難であるという状態から考えて、実情に即して大幅に上げなければならないということが、いろいろ委員から言われているわけです。この点等については、十分それらの実情に即して行ないたい、こういうような答弁があったかのように聞いております。この点は、もう一回確認しますが、その基本方針でやっておりますか。
  121. 山内一郎

    山内一郎政府委員 災害復旧事業の実施につきましても、適正な単価でやらなければかえって工合が悪い工事ができる、これは当然でございますので、その地方の実情に合いました単価で工事ができるように、こういうふうに現在措置しております。
  122. 島本虎三

    ○島本委員 そうすると、これは具体的な例を一つ申し上げなければなりません。  北海道に積丹半島がありますが、あの裏側と申しますか、西側の古宇郡、あそこに小樽−江差間の二級国道がずっと走っております。この道路は行ってごらんになったらわかるんでしょうけれども、簡単なところだけ道路がついていて、岩石があるところはそのままにしてあるのです。何年かの計画によってこれをやったりなんかしても、今度の災害でもまっ先にこわれるところはやったところで、残っているところは依然として岩石なんです。道路ができても人が通れない。これは単価も安いし、いろいろな点で安く請け負わせるものですから、安くできるところしかやらない。こういう結果が、道路ができても人が通れない、また、災害が起きてもそういうようなところばかりやられて、なお残るのは岩石だけである、こういうような結果が起こるんじゃないかと思うのです。この小樽−江差間の二級国道ですが、この工事の実際の状況を見ますと、やはり現在の災害状態とあわせて、これはもっと監督を厳重にしてやらなければいけないんじゃないかと思うのです。こういうような点では、一つ万遺憾なきを期してもらいたいと思うのです。  そのほかに、同じその辺には無灯火部落がたくさんございます。この無灯火部落の方に行きますと、古宇郡の神恵内からもっと先の方で、珊内、川白、能津登、オブガルイシ、ここには五十戸、百戸十戸十二戸という無灯火部落があるのですが、ここでもやはり同じように道路を直し、また、同様にいろいろと港湾も直しているのです。無灯火ですから、道路はもちろんないところに行って、同じような単価やそれに似たくらいの単価では、ブルドーザーも行かない、発電もないのですから、特に考えない以上、そこには工事は施行できない。従って、同じ年度でやろうとしても、五年のところが十年かかっても、まだできないような実情なんです。そのうちまた災害にあうのです。こういうような実情に合わした単価をきめるのでなければ、口ではいいことを言っても、実際のところに行ってみたらこういうような状態なんです。これについては知っていなさるかどうか、具体的な答弁を承ります。
  123. 山内一郎

    山内一郎政府委員 今御指摘のございました具体的の個所につきましては、存じておりませんので、よく調査をいたしまして、御指摘のようなことがないように措置をして参りたい、こういうふうに考えます。
  124. 大野市郎

    ○大野(市)委員 農薬の散布の点に関しまして質問いたしたいと思います。  農林省振興局長と、予算関係がありますので大蔵省主計官にお尋ねしたいと思いますが、この大災害にかかわらず九千万石になんなんとする大豊作になったことは、大へんな喜びでありますが、その陰には、いろいろな防除対策が講ぜられ、この災害を切り抜けて豊作になったのであります。その方法として、従来は、病害虫の駆除は、これだけの災害あとにはつきものであって、毎回それぞれ努力が行なわれましたが、本年は、機械化の促進を含んで、病害虫の防除のために空中散布——ヘリコプターの採用によって、密度の濃い病害虫の駆除が、災害地に適時に行なわれたのであります。その結果を含みまして大豊作が実現したと思います。地方に大きな反響を呼び起こしながら、農民諸君も、非常にこの機械化を目の前で見て喜んだわけなんです。御承知のように、病害虫の駆除には、防除器具を背中に負いまして、成熟期に入ったたんぼの中をこぎ分けながら駆除をするために、能率が落ちて非常に難渋をきわめておったものが、空中散布によってやったために、密度が非常に緊密に完全な害虫駆除ができたわけであります。とのことは非常にけっこうな施策であったと、われわれは歓迎をするわけです。そこで、跡始末としての予算措置に対して、振興局はどのような予算措置をこれに対して用意をしておられたか、承りたいと思います。
  125. 齋藤誠

    齋藤(誠)政府委員 ただいま、梅雨前線に伴う災害に関連いたしまして、農薬散布に空中散布の方法をとって防除対策を講ぜられた、私も、十分その間の事情を承知いたしておるわけであります。従来、この種の災害対策につきましては、市町村が防除器具を持っております場合に、これらを大いに活用していただく、こういうことで指導して参ったわけでございます。今回の措置におきましても、市町村で共同の防除器具を持ち、これを大いに活用してもらったものに対しましては——ある地方におきまして、水害のために、それらの共同所有の防除器具が流れたというような事態も生じておるわけでございます。こういうものに対しましては、従来の例もございますので、市町村の持っておりまする共同防除器具につきまして、水害等によりまして流れたものに対しましては、何らかの助成措置を講じて参りたい。  それから、空中散布に対する何らかの助成方法考えておるか、こういう御質問でございます。最近におきまして、防除方法の一つの形態といたしまして、ヘリコプターによる空中散布が、一般的にはだんだんにふえて参ったわけでございます。今回、災害あとにおきまして、新潟県ほか二、三の県におきまして、いち早く、災害直後におきまして、空中散布による防除の方法をとったわけでございます。このことたるや、一般的には、ヘリコプターの利用という面から見まして、おそらく今後ふえていくことになろうかと思うのであります。また、水害の直後、農家の身の回りあるいは家屋等の整理等に忙殺されるときにおきまして、このような効率的な方法によって農薬散布が行なわれるということは、きわめて望ましいことじゃないかと思われるわけでございます。ただ、これに対する助成をどう考えるかということにつきましては、災害時におきまして今回新しくこのような措置をとったわけでございますので、われわれとしても、何らかの助成の方法考えて参りたいということで、せっかく大蔵省といろいろと協議をいたしておるわけでございます。
  126. 大野市郎

    ○大野(市)委員 機械化を奨励しておる今日でありますから、非常に時宜を得た方法だと、われわれは繰り返して賛意を表しておるわけですが、そういう新しい方向に向かうときに、費用もかかるわけでありまするから、当然奨励的な意味合いにおいても、また、大災害対策としても、国がこれに対して助成をするのが妥当な方法だと思っておるわけであります。振興局においての対策はただいま承りましたが、本日は、大臣、政務次官は他の委員会法律案審議だそうでありますので、主計官の出席がありますから、農林担当の主計官が部内においてどのような操作をせられておるか、この機会に、すでに時期が迫っておる問題でありまするので、答弁を聞きたいのであります。
  127. 相澤英之

    ○相澤説明員 お尋ねの空中散布費の補助につきましては、ただいま振興局長から説明がございました通りに、私どもの方に、その経費の一部を補助してほしいというお話がございました。私どもの方も、部内的にいろいろ検討いたしましたのですが、目下のところは、どうもこの補助金は出しにくいのじゃないかという意見を持っております。と申しますのは、農薬の補助につきましては、過去の災害におきまして、一時は、私の記憶では、十億、二十億というような補助金を出したことがございます。ただ、その後、そういうような、一般的に、農家に対しては非常に零細になる補助金を出すことはいかがか、それから、農薬の使用も漸次普及されて参りまして、特に国が補助金をつけて奨励しなくとも、十分その使用が行き渡っておるというような情勢になったものですから、とにかく防除器具を整備するということを、国としては助成の対象として考えようということに切りかえまして、そちらの方に相当な金も出したわけでありますが、農薬の方の補助は、昭和三十三年をもちまして打ち切って今日に至ったわけであります。そこで、今回の空中散布による防除費に対する補助の問題は、空中散布のやり方は、ただいま振興局長から御説明がありました通りに、確かに新しい方法であり、かつ防除効果が大きいという点では、国としても奨励すべき方法であろうとは存じます。しかしながら、これは農林省の資料でございますが、それによりましても、動力噴霧器等による、つまり、地上における防除方法に比べましても、一反当たりの経費というのは、ヘリコプターによる空中散布の場合の方が、ほぼ同じ程度ないしは若干安いのであります。そこで、その経費が特にたくさんかかるが、しかし、これは今後とも伸ばすべき方向であるから、そういう意味において国の補助が要るというのならば、従来の方法によるよりも非常にコストがかかる、そのコストの部分について何らかの助成をするという意味でなくて、ただこういう新しい方式によることになったので補助をするということになりますと、農民負担の関係から言えば、とにかくそれよりも、経費のよけいかかるところの地上の防除費に対しても、やはり同様な助成をしなくちゃならぬというふうなことにも波及するおそれがありますものですから、私どもは、金額的には数百万の問題でありますけれども、ほかに対する波及の点と、それからヘリコプターの使用による空中防除が今後相当急激にふえるだろう、かつ、現在もふえつつあるということを思い合わせますと、やはりこの補助というのはそう軽々にやるべきものじゃないということで、目下なお検討いたしておりますけれども、そういうことでございます。
  128. 大野市郎

    ○大野(市)委員 この問題は、この席上で主計官と論争しておるというのも問題でありますが、しかし、この問題は、重要な新しい機械化の採用に対する問題も含むのでありますから、この点に対してさらに検討せられますように望みまして、私どもは、別個な方法でこの問題はさらに追及をしたいと思います。  第二点といたしまして、これはやはり政策の問題であるから、主計官のあなたには問うだけむだかもしれませんが、部内の通達として−−先般の対策協議会の席上において、大蔵省を代表する政務次官から、この天災融資法のワクの問題に対して、できるだけ政治的ゆったりとしたワクを出すべきであるという説を述べまして、その理由は、天災融資法は借金であり、しかも、貸し出すにあたって一項目ずつ非常にきついチェックが行なわれておるのであるから、冗漫なる貸し出しはできないのである、そういう内容であるなればこそ、災害にあたって、ほしいという希望のワクが与えられなければ実は安心がいかない、現実に使うときには、そういう現実に必要なものにチェックされる内容のものであるから、ワクが広がっても、原資の動くその数字は大よそ検討がつくであろうから、そういう趣旨で、安心感を与えるために、政治的にも天災融資法のワクは大幅であるべきだという主張をいたして、同感である、善処するという御答弁を得ておりますが、部内では、そういう上司からの示達はありましたかどうか。
  129. 相澤英之

    ○相澤説明員 天災融資法による融資の限度の問題につきましては、従来から、災害の状況に応じまして、いわば自動的に計算できるような方式があります。それで、特に農林省との間におきましても、ワクを非常にきつめにするとか、そういうようなことを私ども申したこともございませんし、また、そういう話はないのであります。従来の天災法による融資の実績を見ておりますと、大てい、限度額に対しまして少ないときは半分ぐらい、多くても六、七割というような実績でございまして、特に現在のやり方による融資の限度の算定が非常に辛いという事実はないと思います。
  130. 大野市郎

    ○大野(市)委員 この問題に対しては、多い少ないは見方でありまするので、その趣旨で政治的な配慮が必要であるということに私どもは重点を置いた論でありまするので、見方に対しては別の機会にまた申したいと思います。  以上であります。
  131. 秋山利恭

    ○秋山委員長代理 議事進行に関する発言の申し出がありますので、これを許します。下平君。
  132. 下平正一

    ○下平委員 今度の臨時国会は、あとの方が詰まっているわけです。今月末の会期は延ばせないと思うのです。しかも、そういう会期の中で、この委員会は案件を継続審議なりあるいは審議未了というわけにいかない性質の委員会だと思うのです。そこで、この委員会の運営その他について、二、三私は意見を申し上げたいと思います。  これはわが党も大へん出席が少なくて申しわけない話でありますが、与党の皆さん方はお二人のようであります。(「三人だ」と呼ぶ者あり)委員長は中立でありますから、数に入れません。可否同数のとき以外は採決権を認めませんから、数に入れませんが、こういう状態では申しわけないと思うのです。それから質問をするのに、関連関連という形は、委員会の運営としてはまことに下手な運営であります。きょうのように関連質問が五人も六人もやっていくという形は、委員会自体が非能率でありますし、また、皆さん方も実際ここにいるのがすべての仕事じゃないと思うのです。やはり対策は一生懸命やっていかなければならぬ任務があると思うのです。そこで、質問については通告をして、自分が要求する人はぴたりきめてやっていく。関連質問については、一点、二点についての関連はやむを得ないと思うのですが、そういう運営をぜひしていただきたいということが一つであります。  それからぜひ委員長に要求してもらいたいのは、各省練達堪能の事務官の方がお見えになっておりますけれども、これから議論する中心点は政治的な問題でないかと思います。やはり政治の問題として扱わなければなりません。参議院の予算委員会が明日から総括質問が始まりますから、関係大臣全部ここにそろえとは言いません。少なくとも政務次官あるいは事務次官は必ずこの委員会に出席してもらうように手配していただきたいと思うのです。そうしないとこれからの議論が進みません。  もう一つ、今度の臨時国会は補正予算が中心でありますが、この中心の二番目の重要な問題であります災害の問題は、総理大臣が当然この委員会に来て、一般的な問題、基本的な問題等について答弁をする必要があるのではないかと思います。もちろん、参議院の予算委員会その他がありますから、いつ幾日に出席せいとは私は言いませんが、与党の理事の皆さん方、委員長を中心に御相談の上、少なくとも来週の前半には池田総理大臣に当委員会に出席していただいて、少なくとも二時間の質問を受けていただきたい。  この三点、運営の問題と、それから政務次官ないしはその他政治的な問題について、答弁のできる人を必ずそろえていただくことと、内閣総理大臣の出席を  日時等については制限をつけませんが、来週の前半、二時間は当委員会に来て意見を聞いていただく、この三点を、議事進行の上から委員長に要望いたしたいと思います。
  133. 秋山利恭

    ○秋山委員長代理 ただいまの下平委員の御発言の趣旨につきましては、委員長において御要望に沿えるように努力いたしたいと思います。なお、運営につきましては、また理事会でいろいろ御相談を申し上げたいと思います。特に政府に対しましては、委員長からよく御趣旨に沿うように伝達いたします。  次会は、明日午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時八分散会